JP3103302B2 - クロムめっき用陽極及びその製造方法 - Google Patents
クロムめっき用陽極及びその製造方法Info
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Description
したいとき、または高速めっきを行いたいときなどに使
用するクロムめっき用陽極及びその製造方法に関するも
のである。
(a)(b)(c)にそれぞれ例示する陽極21,2
2,23を使用しており、クロムめっき陽極の材質に
は、鉛と錫の合金等が用いられている。めっき時間を短
縮したいとき、または高速めっきを行いたいときなどで
は、クロムめっきの最大電流密度を高くして、めっき速
度を増大させる必要がある。
術では、陽極を構成する鉛合金の抵抗が大きいことか
ら、めっき速度を上げるためには、電圧をかなり上げて
陽極の電流密度を増大させなければならない。そうする
と、負極(めっきされる製品側)のめっき厚さが不均一
になってしまうという不具合が生じる。すなわち、電圧
を上げないで最大電流密度を増加させるということが困
難である。めっきをするときには、本来、高い電圧は必
要ではなく、電圧はできる限り低い方がめっきには好適
であり、電圧を抑制しつつ、最大電流密度が流れやすい
陽極を製造する必要がある。また、鉛合金の抵抗が大き
いことから電流が陽極の下側まで浸透しにくいので、陽
極の上側の電流密度が大きく、陽極の中間部分ないし下
部は電流密度が低く、陽極全体として電流密度のバラツ
キがあり、均一なめっきが難しいのである。さらに、こ
のような電流密度のバラツキにより、陽極の上部と下部
とでは酸化力に差が生じて収縮力が発生し陽極が湾曲し
やすいという課題もある。したがって、本発明は、電圧
を低く抑えたまま最大電流密度を増大させること、陽極
電流密度を均一化すること、陽極の湾曲を抑制すること
を課題とするものである。
を、内部に銅芯、外部に鉛合金を被覆した二重構造とす
ることにより、陽極全体の抵抗を顕著に低下させること
ができ、陽極に均一な電流を流すことができ、陽極の湾
曲を抑制できることになる。そのため、請求項1に係る
発明は、表面積を増大させる機械加工処理をした銅芯
を、被覆材としての鉛合金で外面から圧着して一体に結
合してなり、前記銅芯及び被覆材の横断面が円形であ
り、かつ、前記被覆材の半径方向の厚みが均一であり、
前記銅芯に通電することで該銅芯の下部まで均一に電流
が浸透し、該銅芯から前記被覆材へ均一かつ精細に電流
が拡散し、該被覆材からめっき液に均一に電流が拡散す
ることを特徴とするクロムめっき用陽極としている。こ
れにより、陽極の電流密度の均一性がより高まることと
なる。請求項2又は3に係る発明によれば、前記機械加
工処理がローレット加工又は転造(ねじ切りでも良い)
であることが好適である。請求項4に係る発明によれ
ば、本体の上端部に引掛部を取り付けたことが好適であ
る。また、請求項5に係る発明は、円柱形状の銅芯に表
面積を増大させる機械加工処理をし、前記銅芯を、それ
に適合する被覆材としての円筒形の鉛合金の中空部に挿
入し、前記銅芯と鉛合金とを圧着して一体化させること
を特徴とするクロムめっき用陽極の製造方法としてい
る。以上、請求項1ないし5に係る発明によれば、従来
品の陽極と同じ電圧をかけた場合、従来の陽極の通電電
流よりも、通電電流が数倍以上(4倍ないし7倍)と飛
躍的に向上する。したがって、電圧を上げずに陽極の電
流密度が上がるので、めっき速度が大きくなって、クロ
ムめっきの析出速度が早くなる。したがって、めっき時
間が短くなり、めっき効率が上がる。さらに、陽極の消
耗を抑制することができるとともに、陽極の電流密度を
均一化することも可能である。さらに、鉛合金がめっき
液に浸漬するだけであり、内部の銅芯はめっき液に接触
していないため、陽極の耐久性に何等の問題も生じない
のである。以上述べたことから、本発明は従来の高速め
っきの概念を根本的に覆すものである。つまり、従来の
高速めっきの概念は、めっき液の配合を変えてめっき液
内の電流の流れを良好にするものであるが、本発明は、
陽極内部の電流の流れを良好にすることによりめっき速
度を向上させるものなのである。したがって、従来の高
速めっき手法と併用すれば、めっき速度はより一層顕著
となるのである。
について、本発明者は次のように推測している。本発明
によれば、銅芯を、被覆材としての鉛合金で外面から圧
着して一体に結合させ、銅芯が陽極の背骨となっている
ので、電流が抵抗の低い銅芯から流れ始め、陽極の下部
まで均一に浸透し、次に鉛合金に拡散してゆくことにな
る。したがって、電流は鉛合金の上部にも下部にも均
一、かつ、大量に流れることとなり、鉛合金の酸化還元
作用を顕著に促進するものである。これよって、電圧を
上げずに陽極の通電電流が飛躍的に増大して陽極の電流
密度が顕著に向上することが可能となり、めっき速度
(金属イオンの移動速度)が増大し、クロムめっきの析
出速度が早くなるのである。また、表面積を増大させる
機械加工処理をした銅芯を使用しているので、銅芯と鉛
合金との密着化が顕著になるので、前記均一化がより一
層精細になるとともに、電流が銅芯から鉛合金へより一
層拡散しやすくなるとともに、銅芯の緩み止めも可能と
なるのである。さらに、電圧を上げる事なく陽極の電流
密度の均一化を達成していることから、めっき厚が均一
となり、さらに、銅芯の強度によって、陽極電流密度の
バラツキによる陽極の湾曲をも抑制することができるの
である。
発明のクロムめっき用陽極及びその製造方法について説
明する。図1(a)(b)の陽極1は、断面円形のもの
であり、本体2の先端に引掛部3が取り付けられている
ものである。本体2は、表面積を増大させる機械加工処
理をした円柱形状の銅芯4を、中空円筒形状の鉛合金5
で被覆してなるものである。機械加工としては、ローレ
ット加工又は転造等、表面積を増大させるつつ、表面を
いじめて硬化させるものを採用している。クロムめっき
に使用する(電圧は低ければ低いほど良好である)、負
極の電流密度は、めっき面積、陽極の大きさ、めっき液
等の条件によりいろいろ設定可能である。
芯4を用意し、その表面積を増大させる機械加工処理を
する。すなわち銅芯4に表面積増大処理と表面硬化処理
(表面に傷をつける)を施す。表面を苛めて硬くし電流
の流れをより一層良くするためである。ロ−レット加工
又は転造等を施せば、1個の処理で、表面硬化と、表面
積増加処理をおこなうことができる。次に、銅芯4の形
状に適合した形状に成形した中空円筒形状の鉛合金5を
用意し、銅芯4を鉛合金5の中空部に挿入してぴったり
と適合させ、ロール圧延機やプレス圧接機等で圧接(圧
着)成形する。この際、陽極に高い電流密度の電流を流
しながら、圧接しても良い。通電用の薬品(銀粉末、錫
粉末、又は銀粉末と錫粉末を適宜混合した粉末)を塗布
して圧接することも好適である。なお、鉛合金は、鉛
と、錫と、アンチモン、ビスマス等の微量成分を含むも
のが推奨される。そして、銅芯4の下端部は、上記圧接
で被覆しても良いし、又は、酸素溶接、プラズマ溶接、
イナート溶接等の溶接加工により、鉛合金5を接合させ
ても良い。こうして本体2を成形し、本体2の上端部に
引掛部3を取り付けつために、引掛部3と銅芯4とをろ
うづけ又は溶接で接合し、銅芯4をニッケルめっきで被
覆している。
35mmのものである。陽極1の銅芯4は純粋の銅であ
り、鉛合金4の成分については、鉛が59%〜92%,
錫が7〜40%,アンチモン、ビスマス等の微量成分が
1%からなっている。工業用クロムめっきのサ−ジェン
ト浴の場合の実施例であり、図2(a)(b)に示すよ
うに、本実施例はクロムめっき装置6でシリンダ7をク
ロムめっきするものである。クロムめっき装置6は、陽
極1と、陽極1及びシリンダ7を保持する絶縁治具8
と、シリンダ7を保持する治具9と、陽極1と接続する
リード線10と、絶縁治具7に複数設けられたガス抜き
孔11とからなっている。また、クロムめっき浴温度5
0〜60°C、クロムめっき液の成分はCrO3(クロ
ム酸)濃度250g/l、H2SO4濃度は、2.5g/
lとなっているものであり、Na2SiF6はない。電流
密度は15〜60A/dm2、陽極/陰極比が1:1〜
3:1、撹拌は任意である。使用電圧は8V〜15V、
負極の電流密度は15〜100A/dm2である。陽極
の通電電流(安全電流値)は、2000A以上まで到達
する。最大電流ではなく実際にはそれより小さな安全電
流を使用しており、従来品の陽極の通電電流は279A
であるが、本実施例の陽極1の通電電流は2,102A
となり、従来品の約7.4倍と顕著に増大した。したが
って、陽極表面積が同じであれば、電流密度もまた7倍
位に増大することとなる。また、通電時間は、従来の陽
極では45分のところ、実施例では17分になった。極
端な場合には、2,3分の場合もあり、短縮化傾向が顕
著である。なお、鉛合金は、錫の配合割合もポイントの
一つと考えられ、上記成分比とすることにより、通電電
流が向上するものと考えられる。
施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を
逸脱しない範囲に於て、改変等を加えることが出来るも
のであり、それらの変更等も本発明の技術的範囲に含ま
れることとなる。例えば、実施例は、サージェント浴の
他、フッ化物浴やヒーフ浴等にも適用可能であり、ま
た、シリンダに限られず、アンチロックブレーキ部品の
ピストン等いかなる物のクロムめっきにも適用可能であ
る。
圧を上げずに最大電流密度が数倍(4倍ないし7倍)高
くなり、陽極の電流密度が飛躍的に増大する。したがっ
て、めっき速度が増大してクロムめっきの析出速度が早
くなるとともに、めっき厚も均一化する。また、めっき
時間が短縮され、めっき効率が向上する。また、陽極の
電流密度を均一化することも可能であり、さらに、陽極
の湾曲を抑制することができる。
斜視図、(b)は同丸型陽極の縦断面図である。
用例を示す斜視図、(b)は同めっき装置の全体の部分
断面図である。
図である。
Claims (5)
- 【請求項1】表面積を増大させる機械加工処理をした銅
芯を、被覆材としての鉛合金で外面から圧着して一体に
結合してなり、前記銅芯及び被覆材の横断面が円形であ
り、かつ、前記被覆材の半径方向の厚みが均一であり、
前記銅芯に通電することで該銅芯の下部まで均一に電流
が浸透し、該銅芯から前記被覆材へ均一かつ精細に電流
が拡散し、該被覆材からめっき液に均一に電流が拡散す
ることを特徴とするクロムめっき用陽極。 - 【請求項2】 前記機械加工処理がローレット加工であ
ることを特徴とする請求項1のクロムめっき用陽極。 - 【請求項3】 前記機械加工処理が転造であることを特
徴とする請求項1のクロムめっき用陽極。 - 【請求項4】 本体の上端部に引掛部を取り付けたこと
を特徴とする請求項1ないし3いずれかのクロムめっき
用陽極。 - 【請求項5】 円柱形状の銅芯に表面積を増大させる機
械加工処理をし、前記銅芯を、それに適合する被覆材と
しての円筒形の鉛合金の中空部に挿入し、前記銅芯と鉛
合金とを圧着して一体化させることを特徴とするクロム
めっき用陽極の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07293384A JP3103302B2 (ja) | 1995-10-16 | 1995-10-16 | クロムめっき用陽極及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07293384A JP3103302B2 (ja) | 1995-10-16 | 1995-10-16 | クロムめっき用陽極及びその製造方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11250991A Division JP2000079435A (ja) | 1999-09-06 | 1999-09-06 | クロムめっき用陽極及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09111490A JPH09111490A (ja) | 1997-04-28 |
JP3103302B2 true JP3103302B2 (ja) | 2000-10-30 |
Family
ID=17794078
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07293384A Expired - Lifetime JP3103302B2 (ja) | 1995-10-16 | 1995-10-16 | クロムめっき用陽極及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3103302B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102004049930B4 (de) * | 2004-10-14 | 2008-04-17 | Leipoldt, Matthias, Dipl.-Ing. | Verfahren zum Herstellen einer Anode für galvanische Bäder und nach diesem Verfahren hergestellte Anode |
-
1995
- 1995-10-16 JP JP07293384A patent/JP3103302B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09111490A (ja) | 1997-04-28 |
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