JP2514630B2 - 溶接用ワイヤの製造方法 - Google Patents

溶接用ワイヤの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、溶接時の溶滴移行性が良好であり且つ安定
したスプレー状アークを得ることができ、且つ銅めっき
層の密着性が良好で耐食性および通電性に優れた銅めっ
き溶接用ワイヤの製造方法に関するものである。
[従来の技術] アーク溶接中のワイヤ先端に形成される溶滴を母材へ
スムースに移行させ、アーク安定性の向上、更にはスパ
ッタの減少などいわゆる溶接作業性全般の改良を図る技
術の1つとしてワイヤ表面層の酸素濃度を上げることが
有効である旨種々報告されており、又その製造方法につ
いても記述が見られる(特開昭60−162595,特開昭60−2
7492,特開昭59−110496,特開昭59−104292,特開昭59−9
7794,特開昭59−85397,特開昭59−61592,特開昭59−669
96,特開昭58−192694,特開昭60−40685等)。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、前記刊行物の記載技術はいずれも熱処
理によってワイヤ表層部に酸化物等を形成させるか、又
はワイヤ表面に酸化物を塗布する方法であり、次のよう
な問題点を残している。
熱処理によって酸化物層を形成させる方法であると均
一な酸化物性を得るには極めて大がかりな設備が必要で
あり、また雰囲気調整等の製造条件についても厳しい管
理が必要となる これに対し、ワイヤ表面に酸化物を塗布する方法があ
り設備的には単純になるが、酸素濃度の均一性という点
では未だ不十分である。
本発明は上記したことがらに鑑み、溶接時の溶接移行
性が良好であり、安定したスプレー状アークを得ること
ができ、しかも銅めっきの溶着性が良好で耐食性と通電
性に優れた銅めっき溶接用ワイヤの製法を提供しようと
するものである。
[問題点を解決するための手段] 上記問題点を解決することのできた本発明方法とは、
ワイヤ表面に化成処理を施して酸素化合物層を形成した
後、該酸素化合物層を残存させた状態で銅めっき処理を
行なうに際し、化成処理によって形成される酸素化合物
層を、燐酸塩処理によって形成される燐酸塩皮膜とし、
該燐酸塩皮膜を残存させた状態でピロ燐酸銅めっきを行
ない、あるいは 化成処理によって形成される酸素化合物層を、しゅう
酸陽極電解処理によって形成されるしゅう酸塩皮膜と
し、該しゅう酸塩皮膜を残存させた状態で青化銅めっき
を行なうところに要旨を有するものである。
[作用] 本発明方法は、化成処理によってワイヤ表面に酸素化
合物層を形成させ、酸素化合物層を残存させた状態で、
その上に銅めっきを施すものであるから、酸素化合物層
内の酸素濃度は大がかりな設備を使用しなくとも算術平
均的に見て均一なものとすることが容易であり、従来技
術の欠点が一気に解消される。尚酸素化合物層の存在に
よってワイヤ表面の通電性が悪化することは避けられな
いが、その表面に銅めっきを施すことにより通電性は十
分に回復される。したがって溶接時の溶滴移行性が良好
で安定したスプレー状アークを得ることができる。しか
も本発明によれば、化成処理によってワイヤ表面に形成
される酸素化合物層を燐酸塩皮膜としたときは、該燐酸
塩皮膜を残存させた状態でピロ燐酸銅めっきを行ない、
また 該酸素化合物層をしゅう酸陽極電解処理によって形成
されるしゅう酸塩皮膜としたときは、該しゅう酸塩皮膜
を残存させた状態で青化銅めっきを行なう方法を採用す
ることによって、銅めっきの密着性を高めることがで
き、それにより耐食性や通電性においても非常に優れた
溶接用ワイヤを得ることができる。
第1図は本発明に係る製造工程の概略説明図である。
素ワイヤWはまず脱脂槽1に通した後水洗され、酸洗槽
2に通して表面を清浄にした後水洗する。次いで化成処
理槽3で化成処理を行い酸素化合物層を形成させた後水
洗し、更に銅めっき槽4に通して銅めっき処理を施した
後水洗する。そして仕上げ洗浄の為の湯洗槽5に通した
後伸線ダイス6に通し、所定の径にまで伸線して溶接用
ワイヤを得る。
化成処理とは、燐酸塩処理,チオ硫酸処理,しゅう酸
陽極電解処理,アルカリ黒色酸化処理,等の化成処理を
素ワイヤに施し、ワイヤ表面に酸素化合物層を形成させ
るもので、本発明においては、該酸素化合物層を燐酸塩
皮膜としたときは、銅めっき処理法としてピロ燐酸銅め
っき法を採用し、また該酸素化合物層をしゅう酸塩皮膜
としたときは、銅めっき法として青化銅めっき法を採用
するが、それら適正な組合せを採用する限り化成処理や
銅めっき処理の具体的な実施条件について特に限定する
ものでない。
この化成処理は、化成処理槽3で化成処理液中にワイ
ヤを浸漬するか、スプレー等で化成処理液をワイヤに噴
霧することによって行なわれ、設備としては極めて簡単
で設備費用も安くなる。また、液体浸漬処理あるいは噴
霧処理であるので熱処理法や酸化物塗布法に比べ、酸素
化合物層中の酸素濃度が均一になる。また化成処理条件
の管理も容易であり、ワイヤの成分あるいは種類の違い
による変化に対しても処理条件を変えることなく容易に
対応できる。なおしゅう酸陽極電解処理の場合通電設備
が必要となるが、化成処理時間を短縮できるという利点
がある。
またここでいう酸素化合物層は、一様に且つ一定層厚
で形成されたものである必要はなく、むしろ部分的ある
いはミクロ的に層厚の差があったり、一部に脱落や破れ
があった方がアンカー効果も発揮されて好都合であり、
要は算術平均的に表面酸素濃度が均一となっておれば良
い。
こうして形成された酸素化合物層は、それを残存させ
た状態で銅めっきを行う。但し水洗,スキンパス等の軽
度の処理を付加させてから銅めっきを行なっても良いも
のとする。銅めっき方法としては青化銅めっき、硫酸銅
めっき,ピロ燐酸銅めっき等が知られているが、本発明
では、銅めっきの密着性を高めるため前記化成処理工程
で採用される手段との組合せを考慮して適正な銅めっき
法を選択する。即ち、化成処理皮膜が燐酸塩処理膜であ
る場合はピロ燐酸銅めっき法を、またしゅう酸陽極電解
処理皮膜である場合は青化銅めっき法を夫々選択して採
用し、それにより銅めっきの密着性向上を期している。
なおこれまでは、めっき前のワイヤは極力表面を活性
化しておくことが要求されるという一般の常識があった
為、化成処理による酸素化合物層を形成させたものにめ
っきを施すという方法はほとんど採用されていなかっ
た。しかし本発明者が鋭意研究したところによれば、前
述したようにこの酸素化合物層の表面はミクロ的に多孔
質(一部脱落・破れ)になっているため密着性の良いめ
っきを施すことが可能であることが判明した。
また、めっきを行なうことによって次のような長所が
発揮される。
酸素化合物層のままよりも発錆防止の観点から良好と
なる。
酸素化合物層の厚さを増すと、発錆防止効果は向上
し、錆めっきワイヤと同等のものも得られるが、チップ
との通電性が不十分となり、特に大電流で長時間連続溶
接する場合などアークが不安定となるので通電性の点か
らは、若干薄く(0.5〜1μm)とする方が良好であ
る。
なお、素ワイヤとしては製品径より若干太めのワイヤ
を用いて最終的にスキンパス加えて線品径まで落すが、
より太い径のワイヤに対しては数段のダイス引きを行っ
て製品径に仕上げても良い。
また、樹脂、酸洗を一度以上行い、表面活性化を十分
に行っておく方が化成処理も均一で化成皮膜の密着性も
良好となる。さらにここでは銅めっきの直前に化成処理
を行っているが、より太い径で化成処理を行い、数段の
ダイス引きを行なった後に脱脂、酸洗を行い更にその後
で銅めっきを行なう様にしても良い。ただしこの場合に
は、銅めっき前の樹脂、酸洗は軽くすませるのが良く、
そのためには例えば乾式伸線ならば潤滑剤としてできる
だけ脱脂性の良いものを用いるか、または湿式伸線が望
ましい。
本発明方法は軟硬,50キロ級高張力鋼、60キロ級以下
の高張力鋼、低温用鋼、Cr−Mo鋼、ステンレス鋼等種々
の鋼種の溶接に用いるソリッドワイヤおよびフラックス
入りワイヤ等に適用可能である。また本発明では、前述
の如く化成処理法と銅めっき法の適正な組合せによって
化成処理膜と銅めっき層との密着性を高めるところに一
つの特徴を有するものであり、要は化成処理皮膜に対し
て最初に銅めっきを施すときの銅めっき法を規定するも
のであるから、例えば該最初の銅めっき層を所謂ストラ
イクめっきとし、該めっき層の上に必要に応じて更に任
意の方法で銅めっきやNiめっき等の有用金属めっきを施
すことは、本発明を実施するものの自由に委ねられる。
[実施例および比較例] (実施例1および実施例2) 次に示す条件で化成処理を施して素ワイヤ表面に酸素
化合物層を形成させた後銅めっきを施した。表面酸素濃
度測定結果を第1表に示す。尚得られた銅めっき層の密
着性はいずれも非常に良好であった。
ワイヤの種類:JIS Z 3312、YGW16該当品 化成処理法:燐酸塩処理 化成処理液:市販燐酸塩処理液 濃度:5%,pH:3.5 液温:50〜70℃ 浸漬時間30秒(実施例1とした) 60秒(実施例2とした) 銅めっき法:ピロ燐酸銅めっき 尚比較のため、上記と同じ化成処理液を用いて燐酸塩
皮膜を形成した後、硫酸銅めっき法あるいは青化銅めっ
き法によって銅めっきを行なったところ、得られる銅め
っき層の密着性は満足し得るものではなかった。
(実施例3) 次に示す条件で化成処理を施して素ワイヤ表面に酸素
化合物層を形成させた後銅めっきを施した。表面酸素濃
度測定結果を第1表に示す。尚得られた銅めっき層の密
着性は非常に良好であった。
ワイヤの種類:JIS Z 3312、YGW16該当品 化成処理法:しゅう酸陽極電解処理 化成条件:電解浴 (COOH) 3% 電流密度 DA 50A/dm2 液 温 40〜50℃ 処理時間 20秒 銅めっき法:青化銅めっき 尚比較のため、上記と同じ化成処理法によってしゅう
酸陽極電解処理皮膜を形成した、硫酸銅めっき法あるい
はピロ燐酸銅めっき法によって銅めっきを行なったとこ
ろ、得られる銅めっき層の密着性は満足し得るものでは
なかった。
なお、第1図中化成処理槽3に図示はしていないが、
実施例3の場合、ワイヤ,電極板の通電設備がい
る。
(比較例) 次に示す条件で素ワイヤに熱処理を施した。この際酸
素化合物層を均一にするため、雰囲気調整等十分な配慮
を行った。表面酸素濃度測定結果を第1表に示す。
ワイヤの種類:同上 熱処理法:ストランド方式 熱処理条件:780℃×1時間 (結果) 第1表から明らかなように本発明方法による実施例で
は表面酸素濃度のばらつきは比較例の熱処理法によるも
のより小さく、ワイヤ表面の平均酸素濃度が均一となっ
ていることがわかる。
[発明の効果] 以上のように本発明方法によればワイヤ表面に酸素濃
度の均一な酸素化合物層が形成され、さらにその上に銅
めっき層を形成させるので、溶接時の溶滴移行性が良好
で、安定したアークを得ることができ、しかもめっき密
着性が良好で優れた耐食性と安定した通電性を有する溶
接用ワイヤが得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によるワイヤ製造工程を示す概略説明図
である。 1……脱脂槽、2……酸洗槽 3……化成処理槽、4……銅めっき槽 6……ダイス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 敬 茨木市上中条2−2−5 (56)参考文献 特公 昭63−39355(JP,B2)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ワイヤ表面に化成処理を施して酸素化合物
    層を形成した後、該酸素化合物層を残存させた状態で銅
    めっき処理を行なう方法において、化成処理によって形
    成される酸素化合物層が、燐酸塩処理によって形成され
    る燐酸塩皮膜であり、該燐酸塩皮膜を残存させた状態で
    ピロ燐酸銅めっきを行なうことを特徴とする溶接用ワイ
    ヤの製造方法。
  2. 【請求項2】ワイヤ表面に化成処理を施して酸素化合物
    層を形成した後、該酸素化合物層を残存させた状態で銅
    めっき処理を行なう方法において、化成処理によって形
    成される酸素化合物層が、しゅう酸陽極電解処理によっ
    て形成されるしゅう酸塩皮膜であり、該しゅう酸塩皮膜
    を残存させた状態で青化銅めっきを行なうことを特徴と
    する溶接用ワイヤの製造方法。
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