JP3102835B2 - 表示装置 - Google Patents

表示装置

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JP3102835B2
JP3102835B2 JP22994794A JP22994794A JP3102835B2 JP 3102835 B2 JP3102835 B2 JP 3102835B2 JP 22994794 A JP22994794 A JP 22994794A JP 22994794 A JP22994794 A JP 22994794A JP 3102835 B2 JP3102835 B2 JP 3102835B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2端子MIM(Metal-I
nsulator-Metal)素子などの非線形抵抗素子を用いた表
示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータなどのO
A機器のダウンサイジング化に伴い、高機能フラットパ
ネルディスプレイの要求が高まっている。このフラット
パネルとして、液晶パネル、ELパネル、プラズマパネ
ルなどの研究開発が進められている。特に、液晶パネル
は、時計、電卓からパーソナルコンピュータ、テレビジ
ョンなどの幅広い表示装置として商品化されている。今
後、マルチメディア化が進むにつれて、高解像度、高コ
ントラスト、フルカラー、省電力駆動などの高機能化が
要求される。これらの要求を満たす表示装置として、個
々の画素にアクティブ素子を付加したアクティブマトリ
ックス型の液晶表示装置などが挙げられる。このアクテ
ィブ素子として、薄膜トランジスタ(以下TFTとい
う)と薄膜ダイオード(以下TFDという)の2種類に
ついて開発が精力的に進められている。特にTFDは、
TFTに比べて製造工程に必要なマスク枚数が少ないた
め、低価格化が期待できる。現在、TFDとして、酸化
タンタルMIM素子を用いた液晶表示装置が商品化され
ている。この液晶表示装置は例えば文献(特公昭61−
32674号公報)に開示されている。
【0003】ここで、従来の酸化タンタルMIM素子を
挙げて説明する。
【0004】図11は従来のMIM素子を備えた液晶表
示装置の素子側基板の1画素分の一般的な構造を示し、
(a)はその平面図、(b)は(a)のE−E’部の断
面図である。このMIM素子は、ガラス基板101の上
に、タンタルからなる下部電極102、さらに酸化タン
タルからなる非線形抵抗層103が形成されている。こ
れらガラス基板101および非線形抵抗層103上にク
ロムなどからなる上部電極104が形成されている。こ
のように、MIM素子は、下部電極102、非線形抵抗
層103さらに上部電極104がこの順に堆積した構造
を有し、このMIM素子の上部電極104の端部と、透
明導電性のITOなどからなる画素電極105とが一部
重畳するように接続されている。この非線形抵抗層10
3は、下部電極102の陽電極化によって形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】酸化タンタルを非線形
抵抗層として用いた上記従来のMIM素子では、陽極酸
化法を成膜手段として用いているため、非常に均一な膜
が形成できる反面、電気のオンオフ比がそれほど高くな
いという問題点がある。この酸化タンタルMIM素子に
おける電気伝導は、次の(数1)のプールフレンケル式
に従うと考えられている。
【0006】
【数1】
【0007】酸化タンタルの場合、比誘電率εは23〜
25と高い値を示すため、オンオフ比を決定する重要な
パラメータであるβの値が、低比誘電率な膜に比べて小
さくなってしまう。一般的な酸化タンタルMIM素子の
場合、βの値は3程度であり、オンオフ比として20V
印加時と5V印加時の素子に流れる電流値の比を取る
と、その値I20V/I5V(ただし、I20Vは20V印加時
の電流値、I5Vは5V印加時の電流値)は103程度に
留まる。また、この高い比誘電率は、液晶に対する非線
形抵抗素子の容量比を大きくしてしまい、素子への効率
的な電圧印加を妨げる要因となっている。
【0008】上述した問題点を解決するためには、比誘
電率εの小さい材料を非線形抵抗層に用いればよい。比
誘電率の小さい材料として、硫化亜鉛(以下ZnSとい
う)がある。このZnSの比誘電率εの値は、7〜9と
酸化タンタルに比べて小さいために、βの値が大きく、
オンオフ比は約105程度であり、酸化タンタルのそれ
よりも2桁程度高く、より高品位な表示をすることが可
能となる。
【0009】ZnS成膜方法としては、スパッタ、CV
D、蒸着などによって形成することができる。本発明者
等の検討によれば、ZnS膜中に不純物を入れると、不
純物の種類、その量によってI−V特性が変化する。し
かし、不純物の種類、その量が不適当であれば、I−V
特性の急峻性やオン電流が小さくなり、非線形抵抗層に
ZnSを用いる効果が失われてしまう。
【0010】本発明は、上記従来の問題を解決するもの
で、非線形抵抗層のI−V特性の急峻性やオン電流を良
好にすることができて、種々の電気光学表示媒体を良好
に駆動できる表示装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の表示装置は、2
枚の基板間に電気光学表示媒体を挟持し、該2枚の基板
の少なくとも一方に該電気光学表示媒体に電圧を印加す
るための画素電極が設けられ、1画素に少なくとも1つ
以上の、非線形抵抗層を有する素子を介して該画素電極
に接続した表示装置において、該非線形抵抗層は硫化亜
鉛によって形成され、該硫化亜鉛膜中に、不純物として
素子のI−V特性を変えるための遷移元素を含有させた
ものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0012】また、好ましくは、本発明の表示装置にお
ける遷移元素はニッケルおよび鉄のうち少なくともいず
れかである。この遷移元素はニッケルまたは鉄であって
もよく、また、遷移元素はニッケルおよび鉄であっても
よい。
【0013】さらに、好ましくは、本発明の表示装置に
おける遷移元素は2種類以上の元素を含んでいる。この
元素はニッケルおよび鉄の他に他の遷移元素を含んでい
てもよい。
【0014】上記ニッケルおよび鉄はそれぞれ、硫化亜
鉛1gに付き10μg〜20mg含まれていることが好
ましい。
【0015】さらに、好ましくは、本発明の表示装置に
おける電気光学表示媒体は液晶である。
【0016】
【作用】上記構成により、非線形抵抗層としてのZnS
膜中に不純物としてニッケルや鉄などの遷移元素を入れ
ることにより、素子のI−V特性を変化させることがで
きる。
【0017】また、この遷移元素としてニッケルをZn
S膜中に不純物として入れることにより、ニッケルの量
に応じてオン電流を上げることができる。
【0018】さらに、遷移元素として鉄をZnS膜中に
不純物として入れることにより、I−V特性の急峻性が
増加する。さらに、ニッケルを入れることにより、オン
電流を上げることができ、また、膜中の鉄とニッケルの
量によって素子のI−V特性を変えることができるの
で、電気光学表示媒体の特性に合わせた素子設計が可能
となる。したがって、電気光学表示媒体の特性に合わせ
てZnS膜中に入れる鉄とニッケルの量を決めることに
より、高品位な表示装置が提供可能となる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0020】図1は本発明の一実施例の表示装置に用い
る非線形抵抗素子におけるZnS膜中のニッケル量とI
−V特性の関係を示すグラフである。図1において、曲
線10は不純物が入っていないZnS素子のI−V特性
であり、曲線11〜曲線14はZnS1gに対してニッ
ケルが入った素子のI−V特性であり、曲線11はニッ
ケル10μg、曲線12はニッケル1mg、曲線13は
ニッケル10mg、曲線14はニッケル50mg入った
場合である。このように、ZnS膜中のニッケルの量が
増えるに従ってオン電流が増えていることが解るが、ニ
ッケルの量がZnS1gに対して50mgを越えると、
I−V特性の急峻性が小さくなり、非線形性素子として
の効果が失われてしまう。
【0021】図2は、不純物の入っていないZnS素
子、ニッケルがZnS1gに対して1mg、50mg入
ったZnS素子の駆動電圧Vと表示媒体にかかる電圧V
LCとの関係を示すグラフである。図2の曲線20に示す
ように、不純物の入っていないZnS素子を用いた場
合、表示媒体に電圧5Vを印加させようとすると、駆動
電圧は30Vを越える電圧が必要となり、素子耐圧のマ
ージンがほとんどなく、信頼性を考慮すれば、表示媒体
には3V程度の電圧しか印加することができない。ま
た、図2の曲線21に示すように、ニッケルがZnS1
gに対して1mg入ったZnS素子を用いた場合、駆動
電圧が20Vで表示媒体に電圧5V印加できるため、不
純物の入っていないZnS素子に比べて高品位の表示が
可能である。さらに、図2の曲線22に示すように、ニ
ッケルがZnS1gに対して50mg入ったZnS素子
を用いた場合には、I−V特性に急峻性が失われて、表
示媒体には十分に電圧が印加できない。
【0022】図3は本発明の一実施例の表示装置に用い
る非線形抵抗素子におけるZnS膜中の鉄の量とI−V
特性の関係を示すグラフである。図3において、曲線3
0は不純物の入っていないZnS素子のI−V特性であ
り、曲線31はZnS1gに対して鉄100μg入った
ZnS素子のI−V特性であり、曲線32はZnS1g
に対して鉄20mg入ったZnS素子のI−V特性であ
り、曲線33はZnS1gに対して鉄50mg入ったZ
nS素子のI−V特性である。このように、ZnS膜中
の鉄の量が増えるに従ってI−V特性の急峻性が高くな
り、非線形特性が良好になるが、鉄の量をさらに増やし
て50mgさらにそれ以上の100mgにすると、I−
V特性に急峻性が失われるため、鉄の量にはその最適値
の範囲があることが解る。また、鉄の入ったZnS膜中
にさらにニッケルを入れるとオン電流が増加する。
【0023】図4は、ZnS1gに対して鉄が1mg、
ニッケルが100μgまたは1mg入った場合のI−V
特性のグラフである。図4において、曲線41はZnS
1gに対して鉄が1mg、ニッケルが100μg入った
場合のI−V特性であり、曲線42はZnS1gに対し
て鉄が1mg、ニッケルが1mg入った場合のI−V特
性である。
【0024】以上のように、非線形抵抗層としてのZn
S膜中に遷移元素を不純物として入れることにより、I
−V特性を変えることができる。この遷移元素としてニ
ッケルを、ZnS1gに対して10μg〜20mg入れ
ることにより、ニッケルの量に応じてオン電流を上げる
ことができる。また、遷移元素として鉄を、ZnS1g
に対して10μg〜20mg入れることにより、I−V
特性の急峻性を増加させることができ、さらにニッケル
を入れることによりオン電流を上げることができる。ま
た、ZnS膜中のニッケルおよび鉄の量によって素子の
I−V特性を変えることができるため、電気光学表示媒
体の特性に合わせた素子設計が可能となる。このよう
に、電気光学媒体の特性に合わせてZnS膜中に入れる
不純物の種類と量を決めることにより、より高品位な表
示装置を提供することができる。
【0025】ここで、以下、上記実施例の液晶表示装置
を製造する場合の具体的な実施例1〜5について説明す
る。
【0026】(実施例1)実施例1として、本発明の素
子を用いた反射型ホワイトテーラ型ゲストホスト液晶表
示装置について説明する。
【0027】図5(a)は本発明の実施例1を示す液晶
表示装置における素子側基板の1画素分の平面図、図5
(b)は図5(a)のA−A’部の断面図である。図5
(a)および図5(b)において、まず、ガラス基板5
1上にTaをスパッタにより200nmの厚さに成膜
後、所定のパターニングを行って走査電極52を形成す
る。続いて、絶縁膜53の形成を行う。本実施例1で
は、絶縁膜53としてアクリル系ポジ型感光性樹脂を用
いた。この感光性樹脂を用いると、パターニング工程が
簡略化できるという利点がある。この感光性樹脂はスピ
ンコートによって約1.4μmの厚さに塗布した後、露
光現像工程を通すことにより、硫化亜鉛と走査電極52
を接続するためのコンタクトホール53aを設けた絶縁
膜53を形成する。その後、RIEにより絶縁膜53の
表面を軽く処理を行って、絶縁膜53の表面に凹凸を付
ける。
【0028】次に、ニッケルを混合したZnS焼成ター
ゲットを用いて、走査電極52および絶縁膜53上に非
線形抵抗層であるZnS膜54をスパッタにより100
nmの厚さに成膜を行う。この場合、フレームレス原子
吸光法の分析によりニッケルの定量を行うと、ZnS膜
中のニッケルの量は、(Ni5mg)/(ZnS1g)
であった。さらに、その上にアルミニウムを膜厚約20
0nmでスパッタによって成膜を行い、フォト工程後、
エッチングを行ってレジスト剥離後、電極55を形成す
る。この電極55は画素電極55aと一体になってい
る。これら走査電極52、(Ni5mg)/(ZnS1
g)のZnS膜54さらに電極55により本発明の実施
例1における非線形抵抗素子56が設けられた素子側基
板57が構成される。
【0029】図6は実施例1における液晶表示装置の数
画素分の概略斜視図である。図6において、上記非線形
抵抗素子が設けられた素子側基板57に対向して配設さ
れる対向側基板58の作製手順について簡単に説明す
る。
【0030】ガラス基板59上にITOを約200nm
スパッタにより成膜する。その後、フォト工程を施し、
臭化水素酸によってエッチング後にレジスト剥離を行
い、ストライプ状のデータ電極60のパターニングを行
う。
【0031】以上の工程で作製した素子側基板57の非
線形抵抗素子56や第2電極55と、対向側基板58の
データ電極60が形成されている側の各表面に配向膜6
1をそれぞれ塗布した後に配向処理を行い、これら2枚
の基板部を配向膜61がそれぞれ内側になるように所定
距離の隙間をもたせて貼り合わせた。この隙間にホワイ
トテーラ型ゲストホスト液晶62を注入した後、注入口
の封止を行うことにより、本実施例1の液晶表示装置6
3の作製が完了する。
【0032】本実施例1で用いた駆動電圧の高い液晶6
2においても容易に駆動させることができた。
【0033】(実施例2)実施例2として、ZnS膜中
に鉄が入った素子を用いた反射型ホワイトテーラ型ゲス
トホスト液晶表示装置について説明する。
【0034】図7(a)は本発明の実施例2を示す液晶
表示装置における素子側基板の1画素分の平面図、図7
(b)は図7(a)のB−B’部の断面図である。図7
(a)および図7(b)において、まず、ガラス基板7
1上にTaをスパッタにより200nmの厚さに成膜
後、所定のパターニングを行い走査電極72を形成す
る。次に、鉄を混合したZnS焼成ターゲットを用い
て、走査電極72の上に非線形抵抗層であるZnS膜7
3をスパッタにより80nmの厚さに成膜を行う。この
場合、フレームレス原子吸光法の分析により鉄の定量を
行うと、ZnS膜73中の鉄の量は、(Fe1mg)/
(ZnS1g)であった。
【0035】続いて、このZnS膜73上に絶縁膜74
の形成を行う。本実施例2では、絶縁膜74としてアク
リル系ポジ型感光性樹脂を用いた。この感光性樹脂を用
いると、パターニング工程が簡略化できるという利点が
ある。この感光性樹脂はスピンコートによって約1.4
μmの厚さに塗布した後、露光現像工程を通すことによ
り、ZnS膜73と電極75を接続するためのコンタク
トホール74aを設けた絶縁膜74を形成する。その
後、RIEにより絶縁膜74の表面を軽く処理を行って
絶縁膜74の表面に凹凸を付ける。その上にアルミニウ
ムを約200nmスパッタによって成膜を行い、フォト
工程後エッチングを行ってレジスト剥離後、電極75を
形成する。この電極75は画素電極75aと一体に構成
されている。これら走査電極72、(Fe1mg)/
(ZnS1g)のZnS膜73さらに電極75により本
発明の実施例2における非線形抵抗素子76が設けられ
た素子側基板77が構成される。
【0036】なお、素子側基板作成に続く対向側基板作
製以後の工程については実施例1と同様である。
【0037】本実施例2で用いた駆動電圧の高い液晶に
おいても実施例1と同様に容易に駆動させることができ
た。
【0038】(実施例3)第3の実施例として、非線形
抵抗素子を逆極性で2つ直列に接続した構造を有する、
液晶表示装置を構成する作製工程について説明する。
【0039】図8(a)は本発明の実施例3を示す液晶
表示装置における素子側基板の1画素分の平面図、図8
(b)は図8(a)のC−C’部の断面図である。図8
(a)および図8(b)において、まず、下部電極82
としてTaをガラス基板81上に約300nmスパッタ
によって成膜した。その後、フォト工程後にエッチング
を行ってフォトレジストを剥離し、ストライプ状の下部
電極82のパターニングを完了した。
【0040】続いて、非線形抵抗層として硫化亜鉛1g
に対してニッケルが500μg入ったZnS薄膜83を
80nmの厚さで成膜する。この成膜方法としては、ニ
ッケルを混合したZnS焼成ターゲットを用いてスパッ
タによって行う。さらに、表面に非線形抵抗層であるZ
nS膜83が形成された島状の電極82をパターニング
した。
【0041】次に、ガラス基板81およびZnS膜83
上に絶縁膜84の形成を行う。この絶縁膜84として用
いる感光性樹脂はスピンコートによって約300nmの
厚さに塗布し、その後、露光、現像工程を通すことによ
り、ZnS膜83と画素電極85aのアルミニウムとの
間を接合するためのコンタクトホール84aを設け、ま
た、ZnS膜83と走査電極86のアルミニウムとの間
を接合するためのコンタクトホール84bを設けた島状
の絶縁膜84を形成した。さらに、これらのアルミニウ
ムを約300nmスパッタにより成膜してフォト工程
後、臭化水素酸を用いた2つの非線形抵抗素子が逆極性
で直列に、即ち、バックトゥーバック構造で接続された
液晶表示装置の素子側基板87が作製された。
【0042】上記素子側基板87の作成に続く対向側基
板作製以後の工程については実施例1と同様である。
【0043】上記実施例3による構造によって、液晶表
示素子のI−V特性の非対称性が改善された。
【0044】なお、本実施例3では、バックトゥーバッ
ク構造のものであったが、2つの非線形抵抗層を逆極性
で並列に、即ち、リング構造で接続されたものであって
もよい。また、本実施例3では、非線形抵抗層として硫
化亜鉛1gに対してニッケルが500μg入ったZnS
膜83を成膜したが、ニッケルの代わりに鉄などの他の
遷移元素を用いてもよい。
【0045】(実施例4)実施例4として透過型液晶表
示装置について説明する。
【0046】図9(a)は本発明の実施例4を示す液晶
表示装置における素子側基板の1画素分の平面図、図9
(b)は図9(a)のD−D’部の断面図である。図9
(a)および図9(b)において、ガラス基板91上に
Taを約300nmの薄膜に成膜する。このTa膜92
のパターニング後、実施例1で用いた感光成樹脂を用い
てスピンコートにより膜厚400nmの絶縁膜94を走
査電極92上に形成後、フォト工程を通してコンタクト
ホール94aを設ける。続いて、実施例1に従って、ニ
ッケルを混合したZnS焼成ターゲットを用いて、Ta
膜92および絶縁膜94上に非線形抵抗層であるZnS
膜93をスパッタにより100nmの厚さに成膜を行
う。
【0047】次に、アルミニウムをスパッタにより約3
00nm成膜を行い、フォト工程後、燐酸または燐酸、
硝酸、酢酸の混酸などでエッチングを行い、レジストを
剥離することにより、上部電極96を形成する。さら
に、ITOを200nmスパッタにより形成後、上部電
極96と一部接するように画素電極95をパターニング
を行う。以上により素子側基板97が完成する。
【0048】さらに、実施例1に従って対向側基板を形
成し、素子側基板97と対向側基板の素子や電極が形成
されている側の表面に配向膜を塗布し、その後、配向処
理を行い、これらの配向膜を対向させて所定の隙間を開
けて貼り合わせる。この隙間にツイストネマティク液晶
を注入後、その注入口を封止して偏光板をガラス基板に
貼り付けて液晶表示装置の作製が完了する。
【0049】したがって、本実施例4により作製された
液晶表示装置は、オンオフ比の高い非線形抵抗素子を備
えており、高解像度および高コントラストとなる。
【0050】なお、本実施例4では、ニッケルを混合し
たZnS焼成ターゲットを用いてZnS膜93を成膜し
たが、ニッケルの代わりに鉄などの他の遷移元素を混合
したZnS焼成ターゲットを用いてもよい。
【0051】(実施例5)本実施例5としてZnS膜中
に鉄とニッケルが入った素子について説明する。実施例
2に従ってTaのパターニングを行い走査電極を形成
後、コンタクトホールを設けた絶縁膜を形成し表面に凹
凸を付ける。次に、ニッケルと鉄を混合したZnS焼成
ターゲットを用い、非線形抵抗層であるZnS膜をスパ
ッタにより100nmの厚さに成膜を行う。本実施例5
で用いたZnS膜中の鉄とニッケルの量は、ZnS1g
に対して鉄1mg、ニッケル1mgであった。
【0052】続いて、アルミニウム電極以後は実施例2
に従ってパネルを作製する。本素子と実施例2で作製し
た素子のI−V特性を図10に示している。図10にお
いて、曲線111は実施例2に示した素子のI−V特性
であり、曲線112は実施例5に示した素子のI−V特
性である。これら曲線111,112から明かなよう
に、鉄とニッケルを入れることによってI−V特性の急
峻性を保ったままでオン電流を上げることが可能とな
る。
【0053】このように、ZnS膜中の鉄とニッケルの
量の組み合せによって、I−V特性を変化させることが
できるため、表示装置に用いる電気光学表示媒体の電気
的特性に応じた素子設計が可能となる。
【0054】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、非線形抵
抗層としてZnS膜中にニッケルや鉄などの遷移元素を
入れることによりI−V特性やオン電流などの特性が良
好で、しかも、入れる遷移元素の量によって素子のI−
V特性を変化させることが可能であるため、種々の電気
光学表示媒体を用いた表示装置を良好に駆動することで
き、かつフォト工程におけるマスク枚数もTFTに比べ
ると少なくて済むため、低コストの表示装置を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の表示装置に用いる非線形抵
抗素子におけるZnS膜中のニッケル量とI−V特性の
関係を示すグラフである。
【図2】駆動電圧Vと液晶に印加される電圧VLCとの関
係を示すグラフである。
【図3】本発明の一実施例の表示装置に用いる非線形抵
抗素子におけるZnS膜中の鉄の量とI−V特性の関係
を示すグラフである。
【図4】鉄とニッケルが入ったZnS素子のI−V特性
を示すグラフである。
【図5】(a)は実施例1における液晶表示装置の素子
側基板の1画素分の平面図、(b)は(a)のA−A’
部の断面図である。
【図6】実施例1における液晶表示装置の数画素分の概
略斜視図である。
【図7】(a)は実施例2における液晶表示装置の素子
側基板の1画素の平面図、(b)は(a)のB−B’部
の断面図である。
【図8】(a)は実施例3における液晶表示装置の素子
側基板の1画素の平面図、(b)は(a)のC−C’部
の断面図である。
【図9】(a)は実施例4における液晶表示装置の素子
側基板の1画素の平面図、(b)は(a)のD−D’部
の断面図である。
【図10】実施例2の素子と実施例5の素子のI−V特
性を示すグラフである。
【図11】(a)は従来のタンタルの陽極酸化膜を用い
た液晶表示装置の素子側基板の1画素分の平面図、
(b)は(a)のE−E’部の断面図である。
【符号の説明】
10 不純物が入っていない素子のI−V特性曲線 11 ニッケル10μg入った素子のI−V特性曲線 12 ニッケル1mg入った素子のI−V特性曲線 13 ニッケル10mg入った素子のI−V特性曲線 14 ニッケル50mg入った素子のI−V特性曲線 20 不純物の入っていない素子の電圧特性曲線 21 ニッケルが1mg入った素子の電圧特性曲線 22 ニッケルが50mg入った素子の電圧特性曲線 30 不純物が入っていない素子のI−V特性曲線 31 鉄100μg入った素子のI−V特性曲線 32 鉄20mg入った素子のI−V特性曲線 33 鉄50mg入った素子のI−V特性曲線 41 鉄1mgとニッケルが100μg入った素子の
I−V特性曲線 42 鉄1mgとニッケルが1mg入った素子のI−
V特性曲線 51,59,71,81,91 ガラス基板 52,72,86,92 走査電極 53,74,84,94 絶縁膜 54,73,83,93 ZnS膜 55,75,82,96 電極 55a,75a,85a,95 画素電極 57,77,87,97 素子側基板 56,76 非線形抵抗素子 58 対向側基板 61 配向膜 62 ホワイトテーラ型ゲストホスト液晶 63 液晶表示装置 111 実施例2に示した素子のI−V特性曲線 112 実施例5に示した素子のI−V特性曲線
フロントページの続き (72)発明者 坪田 耕次郎 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−67187(JP,A) 特開 平2−308138(JP,A) 特開 昭50−102293(JP,A) 特開 平4−356024(JP,A) 特開 昭49−68690(JP,A) 特開 平2−194564(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/136

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2枚の基板間に電気光学表示媒体を挟持
    し、該2枚の基板の少なくとも一方に該電気光学表示媒
    体に電圧を印加するための画素電極が設けられ、非線形
    抵抗層を有する素子を介して該画素電極に接続した表示
    装置において、 該非線形抵抗層は硫化亜鉛によって形成され、該硫化亜
    鉛膜中に、不純物として該素子のI−V特性を変えるた
    めの遷移元素を含有させた表示装置。
  2. 【請求項2】 前記遷移元素はニッケルおよび鉄のうち
    少なくともいずれかである請求項1記載の表示装置。
  3. 【請求項3】 前記電気光学表示媒体が液晶である請求
    項1記載の表示装置。
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