JP3102608B2 - 圧電素子用電極 - Google Patents

圧電素子用電極

Info

Publication number
JP3102608B2
JP3102608B2 JP05001854A JP185493A JP3102608B2 JP 3102608 B2 JP3102608 B2 JP 3102608B2 JP 05001854 A JP05001854 A JP 05001854A JP 185493 A JP185493 A JP 185493A JP 3102608 B2 JP3102608 B2 JP 3102608B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
piezoelectric element
outer peripheral
peripheral edge
central
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP05001854A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06209127A (ja
Inventor
洋一 寺井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP05001854A priority Critical patent/JP3102608B2/ja
Publication of JPH06209127A publication Critical patent/JPH06209127A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3102608B2 publication Critical patent/JP3102608B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrodes Of Semiconductors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は圧電素子の表面に形成さ
れる圧電素子用電極に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、各種の機械的駆動素子として、電
磁力を利用したアクチュエータに代わって、チタン酸ジ
ルコン酸鉛(PZT)磁器などのセラミックスの圧電効
果を利用した積層型圧電アクチュエータが多用されてい
る。この積層型圧電アクチュエータは発熱が少なく、ま
た小型で高速駆動が可能であり、しかも高精度な電圧−
変位特性を期待できるため、各種の機械的駆動素子とし
て極めて有望である。ただ圧電効果による機械的変位は
本質的に極めて小さいので、大きな変位量を得るために
圧電素子と電極板とを交互に多重に積層し絶縁保護層で
被覆された構造の圧電積層体として提供されている。
【0003】圧電素子と電極板とを交互に積層する場
合、圧電素子と電極板との導通を確実とすることが望ま
しい。そこで特開昭60−121784号公報などに
は、圧電素子の両表面に導電性の銀ペーストなどからな
る内部電極を形成した圧電素子が積層された圧電積層体
が開示されている。この内部電極は、圧電素子の表裏両
面にスクリーン印刷などで銀ペーストを付着させ、70
0〜800℃で焼成して形成される。そして室温〜15
0℃の雰囲気中で内部電極を介して圧電素子に600〜
1000Vの電圧を印加し、分極した後、電極板と交互
に積層して圧電積層体としている。また、積層後に複数
の圧電素子を同時に分極する方法もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記圧電素
子の内部電極は、マイグレーションや短絡を防止するた
めに、圧電素子の積層面全面には形成されず、部分的に
形成される。つまり、内部電極は圧電素子の外径よりも
小さい外径で、圧電素子の中央部分に略同心円状に形成
される。
【0005】このため、圧電素子に電圧を印加して駆動
させると、電極の形成された中央部分と、電極の形成さ
れていない外周縁部分との境界部に相当する圧電素子部
分に応力が集中し、圧電素子の割れの原因となってい
た。これは、電極形成部と電極非形成部とで、圧電素子
の変位量が異なり、上記境界部に相当する圧電素子部分
にこの変位量の差による歪みが発生するためである。と
くに圧電積層体においては、積層荷重の発生の有無や圧
電積層体の変位時の圧縮応力によっても上記境界部に歪
みが発生するので、割れが発生しやすく、所望の変位量
が得られなくなったり、短絡が生じたりする場合があ
る。
【0006】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
であり、圧電素子の表面に形成される電極の特性面にお
ける内部構造を工夫することにより、マイグレーション
や短絡を防止するために該電極を圧電素子の表面に部分
的に形成したとしても、圧電素子の割れを効果的に抑制
することのできる圧電素子用電極を提供することを目的
とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の圧電素子用電極は、圧電素子の表面に形成される圧
電素子用電極であって、中央部と外周縁部とでオーミッ
クコンタクト性を変えた二重構造を有しており、該外周
縁部の方が該中央部よりもオーミックコンタクト性が小
さく設定されていることを特徴とするものである。
【0008】電極の中央部と外周縁部とでオーミックコ
ンタクト性を変えて二重構造とするには、例えば電極の
中央部に用いる電極材料の粒径分布と、電極の外周縁部
に用いる電極材料の粒径分布を異ならせる方法がある。
例えば、電極の外周縁部を形成する電極材料として、電
極の中央部を形成する電極材料の他に、該中央部電極材
料の粒径の2〜10倍の粒径を有する電極材料を全体の
5〜30wt%添加した電極材料を用いることにより、
電極の中央部と外周縁部とでオーミックコンタクト性を
変えることができる。なお、中央部電極材料の粒径の2
倍未満の粒径を有する電極材料を外周縁部電極材料に添
加しても、外周縁部電極のオーミックコンタクト性を低
下させる効果が少ない。一方、中央部電極材料の粒径の
10倍を越える粒径を有する電極材料を外周縁部電極材
料に添加した場合、オーミックコンタクト性が極端に低
下することとなり好ましくない。
【0009】電極材料としては、例えばAg、Ag/P
d、Ag/Pt、Au、Pt、Pd、Al、Ni、C
o、Zn、Fe等を用いることができる。なお、中央部
の電極材料と、該中央部の電極材料の例えば2〜10倍
の粒径を有する電極材料で外周縁部の電極材料として添
加される電極材料とは、必ずしも同種類のものでなくて
も良い。
【0010】
【作用】本発明の圧電素子用電極においては、中央部の
電極に対し、その外周縁部に形成した電極は圧電素子と
のオーミックコンタクト性が小さい。このため、電極が
形成された部分の圧電素子の変位量についても、中央部
よりも外周縁部の方が小さくなる。このため、圧電素子
の変位量は、圧電素子の中心から径方向外方に向かっ
て、中央部の電極に相当する部分、外周縁部の電極に相
当する部分、電極が形成されていない部分と段階的に減
少する。
【0011】これにより、従来の電極では、電極形成部
分と電極非形成部分との境界部に相当する圧電素子部分
に応力が集中していたが、本発明の電極では、中央部の
電極と外周縁部の電極との境界部、及び外周縁部の電極
と電極非形成部との境界部の2つの境界部に該応力が分
散され、その和が外周縁部の電極に相当する圧電素子部
分に幅広く分散、緩和されることとなる。
【0012】したがって、圧電素子の割れを大幅に低減
することができる。また、上記応力分散により、圧電素
子のPZT結晶粒子が動きやすくなるとともに、電極の
剥離が抑制されるため、圧電素子の変位量も増大する。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する。 (実施例1)平均粒径0.2μmのAg粉末100g
と、低融点ガラスフリット10gと、エチルセルロース
21.50gと、ターピネオール10gとを配合し、ミ
キサーで混練して、中央部電極用の導体ペーストを調整
した。
【0014】平均粒径0.2μmのAg粉末(A成分)
と平均粒径1.0μmのAg粉末(B成分)との配合割
合を変えて(表1に示す)混合したAg粉末100g
と、低融点ガラスフリット10gと、エチルセルロース
21.50gと、ターピネオール10gとを配合し、ミ
キサーで混練して、種々の外周縁部電極用の導体ペース
トを調整した。
【0015】PZT(PbZrO3 ・PbTiO3 )系
セラミックスよりなる円板状の圧電素子(φ15mm×
t0.5mm)1aの両面の中央部に、まず中央部電極
用の導体ペーストを同心円状に、かつ、直径xb を種々
変えて(表1に示す)円形状にスクリーン印刷した。こ
れを、120℃で20分間乾燥した。そして、外周縁部
電極用の導体ペーストを、ドーナツ状のスクリーン印刷
板により、中央部電極の外周縁端部にドーナツ状の内側
が接するように、かつ、ドーナツ状の外径xc を種々変
えて(表1に示す)、圧電素子1aの両面に印刷した。
これを120℃で20分間乾燥した後、大気中で500
〜700℃で10〜30分保持して、ペーストの焼き付
けを行った。
【0016】これにより、圧電素子1aの両面に、中央
部電極1bと外周縁部電極1cとよりなり、外周縁部電
極1cのA成分及びB成分の配合割合、外周縁部電極1
cの外径xc 、及び中央部電極1bの外径xb が種々異
なる電極試料No.1〜16を形成した。そして、それ
ぞれについて、100℃のシリコンオイル中にて圧電素
子1の表裏の両電極部にDC1.5kVの電圧を印加し
て分極処理を行った。
【0017】(評価)上記電極が形成された圧電素子そ
れぞれについて、駆動耐久試験及び変位測定を行った。
駆動耐久試験については、圧電素子に500kgf/c
2 の荷重をかけながら、100℃のシリコンオイル中
にて、−200〜600Vの電圧で1×108 回パルス
駆動(1.5kHz)させた後、超音波探傷装置でクラ
ック発生の有無を観察した。また、変位測定について
は、−200〜600Vの電圧でパルス駆動(1.5k
Hz)させたときの変位を測った。その結果を表1に示
す。
【0018】
【表1】 以上の結果から、圧電素子のクラックを効果的に抑える
ためには、外周縁部電極1cを形成する電極材料とし
て、粒径が1.0μmのB成分を外周縁部電極材料全体
の5〜30wt%添加したのを用いることが好ましいこ
とがわる。この構成とすることにより圧電素子のクラッ
クが抑えられるのは、外周縁部電極1cのオーミックコ
ンタクト性が中央部電極1bのオーミックコンタクト性
よりも適当に小さくなり、電極が形成された部分の圧電
素子の変位量も中央部より外周縁部の方が小さくなるこ
とによって、従来電極形成部分と電極非形成部分との境
界部に相当する圧電素子部分に集中していた応力が、外
周縁部の電極に相当する圧電素子部分に幅広く分散され
たためと考えられる。
【0019】また、中央部電極1bのみを形成した従来
の電極に相当する試料No.15,16の電極と、試料
No.1〜11の電極とを比較すると明らかなように、
オーミックコンタクト性の小さな外周縁部電極1cを形
成することにより、電極全体の外径が同じであるにもか
かわらず、圧電素子1aの変位量が増大することがわか
る。これは、上記応力分散により圧電素子1aが動きや
すくなるとともに、電極の剥離が抑制されたためと考え
られる。
【0020】これに対し、外周縁部電極1cの配合割合
においてB成分が2wt%と上記範囲よりも少ない試料
No.14の電極はクラックが発生した。これは、外周
縁部電極1cのオーミックコンタクト性が中央部電極1
bのオーミックコンタクト性に対して十分に小さくなら
なかったためと考えられる。また、試料No.13の電
極は、外周縁部電極1cの配合割合が上記範囲内にある
にもかかわらず、クラックが発生した。これは、外周縁
部電極1cの外径x c に対して、中央部電極1bの外径
b が大きく、外周縁部電極1cの径方向幅が小さいた
め、外周縁部電極1cのオーミックコンタクト性を小さ
くしたことによる実質的な効果が発揮されなかったため
と考えられる。
【0021】一方、中央部電極1bの外径xb を5mm
とし、外周縁部電極1cの外径xcを13mmとした試
料No.12の電極は、圧電素子1aの変位量が極端に
低減した。これは、電極全体に対して、オーミックコン
タクト性の小さい外周縁部電極1cの占める割合が大き
すぎたためと考えられる。したがって、例えば、外周縁
部電極1cの外径xc を圧電素子1aの外径の約87〜
93%としたとき、中央部電極1bの外径xb は圧電素
子1aの外径の約67〜80%とすることが好ましい。
【0022】(実施例2)上記実施例1において、表1
中のB成分として、平均粒径1.5μmのAl粉末を用
いること以外は上記実施例1と同様にして試料No.1
〜16を作成し、同様の評価試験を行った。その結果、
表1とほぼ同様の結果が得られた。なお、上記実施例で
は、導体ペーストを印刷、焼成することにより圧電素子
に電極を形成する例について示したが、本発明は無電解
めっきや蒸着などの手法により形成される電極にも適用
することができる。例えば、蒸着による場合は、外周縁
部電極の形成時に、粒径の異なる2種類の金属粉末を用
いればよい。また、無電解めっきによる場合は、外周縁
部電極形成時に、還元速度を制御して大きさの異なる金
属粒子を得ることで同様の効果が期待できる。
【0023】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の圧電素子用
電極においては、中央部のオーミックコンタクト性より
も外周縁部のオーミックコンタクト性を小さくした二重
構造とすることにより、圧電素子にかかる応力集中を分
散、緩和して、圧電素子のクラック発生を大幅に低減す
ることができる。したがって、本発明の圧電素子用電極
で圧電素子に部分電極を形成すれば、マイグレーション
や短絡を防止しつつ、圧電素子の割れを防止することが
可能となる。
【0024】また、本発明の圧電素子用電極は、上記応
力分散により圧電素子の変位量も増大させるため、同変
位を得るための駆動電圧を小さくすることができ、圧電
積層体の小型化にも寄与する。さらに、本発明の圧電素
子用電極は、応力緩和により電極そのものの劣化も効果
的に抑制されるので、圧電積層体としたときの絶縁コー
ティング層を薄くでき、これによっても圧電積層体の小
型化に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る電極を形成した圧電素子の平面
図である。
【図2】本実施例に係る電極を形成した圧電素子の断面
図である。
【符号の説明】
1aは圧電素子、1bは中央部電極、1cは外周縁部電
極である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧電素子の表面に形成される圧電素子用電
    極であって、中央部と外周縁部とでオーミックコンタク
    ト性を変えた二重構造を有しており、該外周縁部の方が
    該中央部よりもオーミックコンタクト性が小さく設定さ
    れていることを特徴とする圧電素子用電極。
  2. 【請求項2】 請求項1の圧電素子用電極において、前
    記中央部は、Ag、Ag/Pd、Ag/Pt、Au、P
    t、Pd、Al、Ni、Co、Zn及びFeから選択さ
    れた一種の電極材料から形成され、かつ、前記外周縁部
    は、該中央部の電極材料の他に、該中央部の電極材料の
    2〜10倍の粒径を有する電極材料が全体の5〜30w
    t%添加された電極材料から形成されていることを特徴
    とする圧電素子用電極。
JP05001854A 1993-01-08 1993-01-08 圧電素子用電極 Expired - Fee Related JP3102608B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05001854A JP3102608B2 (ja) 1993-01-08 1993-01-08 圧電素子用電極

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05001854A JP3102608B2 (ja) 1993-01-08 1993-01-08 圧電素子用電極

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06209127A JPH06209127A (ja) 1994-07-26
JP3102608B2 true JP3102608B2 (ja) 2000-10-23

Family

ID=11513135

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP05001854A Expired - Fee Related JP3102608B2 (ja) 1993-01-08 1993-01-08 圧電素子用電極

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3102608B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06209127A (ja) 1994-07-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5600530A (en) Electrostatic chuck
JP2003298134A (ja) 積層型圧電アクチュエータ
JP3045531B2 (ja) 積層型変位素子
JP3102608B2 (ja) 圧電素子用電極
JP2951129B2 (ja) 積層型圧電アクチュエータおよびその製造方法
JP4023944B2 (ja) 窒化アルミニウム焼結体の製造方法並びにプレートヒーター又は静電チャック
JP2994492B2 (ja) 積層型圧電アクチュエータおよびその製造方法
JPH10290031A (ja) 積層型圧電アクチュエータおよびその製造方法
JP4211419B2 (ja) 積層型圧電体素子
JP3178615B2 (ja) 導電性電極材料
JP2950052B2 (ja) 圧電素子用導電性ペースト
JP3106365B2 (ja) 傾斜機能型圧電体
JP3013568B2 (ja) 圧電素子用導体ペースト材料及び圧電素子用電極
JP2010028026A (ja) 静電気対策素子の製造方法
JPH06326370A (ja) 積層型圧電アクチュエータ
JPH06181343A (ja) 積層型変位素子及びその製造方法
JP2826078B2 (ja) 圧電/電歪膜型アクチュエータ
WO2021125097A1 (ja) 積層圧電素子
JPH02132870A (ja) 積層圧電素子
JPH056836A (ja) 積層コンデンサーの製造法およびこれに用いる誘電体ペースト
JPH0660714A (ja) 圧電素子用導電性ペースト
JPH0212882A (ja) 積層型変位素子
JPH06125121A (ja) 積層型ピエゾアクチュエータ
JP2947987B2 (ja) 圧電素子
JPH0660713A (ja) 圧電素子用導電性ペースト

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070825

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080825

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080825

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090825

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees