JPH06326370A - 積層型圧電アクチュエータ - Google Patents

積層型圧電アクチュエータ

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JPH06326370A
JPH06326370A JP5110551A JP11055193A JPH06326370A JP H06326370 A JPH06326370 A JP H06326370A JP 5110551 A JP5110551 A JP 5110551A JP 11055193 A JP11055193 A JP 11055193A JP H06326370 A JPH06326370 A JP H06326370A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric
temperature
electrode layer
laminated layer
piezoelectric actuator
Prior art date
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Pending
Application number
JP5110551A
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English (en)
Inventor
Ryuji Shimazaki
龍司 島崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】冷却系を用いることなく、積層方向でみて中央
部と端部の駆動時の温度を均一とする。 【構成】圧電板と、圧電板の表裏面に形成された電極層
と、よりなる圧電素子を複数枚積層してなる積層型圧電
アクチュエータであって、それぞれの電極層は圧電板と
の界面の接触抵抗が積層方向の中央部で大きく両端部に
向かうにつれて小さくなるように構成されていることを
特徴とする。変位量と放熱量の積層方向のばらつきがそ
れぞれ相殺しあい、中央部が高温となるのが防止されて
全体が均一な温度となる。したがって耐久性が向上し、
冷却系が不要となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧電素子を複数個積層
して形成された積層型圧電アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電磁力を利用したアクチュエータ
に代わって、例えば特開昭62−291187号公報、
実開昭64−30865号公報などに開示されているよ
うに、圧電効果を利用した圧電アクチュエータが多用さ
れている。この圧電アクチュエータは発熱が少なく、ま
た小型で高速駆動が可能なため、各種の機械的駆動素子
として極めて有望である。ただ圧電効果による機械的変
位は本質的に極めて小さいので大きな変位量を得るため
に、圧電板の表裏面に電極層を形成して圧電素子とし、
圧電素子と電極板とを交互に多重に積層した構造の積層
型圧電アクチュエータとして提供されている。
【0003】この圧電板は、一般にPbO2 、Zr
2 、TiO2 などの酸化物の粉末を混粉し、ポリビニ
ルアルコールなどのバインダーを添加して円板状に成形
し、焼成後所定形状に加工して形成されている。そして
圧電板と電極板との導通を確実とするために、圧電板の
表裏両面にスクリーン印刷などで銀ペーストを付着さ
せ、700〜800℃で焼成して電極層を形成してい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、積層型圧電
アクチュエータに電圧を印加して駆動する場合、例えば
高荷重・高電圧の条件で連続駆動すると、圧電板内にク
ラックが生じる場合があった。このようにクラックが生
じそれが進行すると、所望の変位量が得られなくなった
り、短絡が生じたりする場合がある。なお、このクラッ
クの発生原因としては、発生応力のばらつき、温度のば
らつきによる体積変化のばらつき、などが考えられてい
る。
【0005】このうち温度のばらつきについては、圧電
アクチュエータの積層方向で中央部の温度が特に高くな
ることが知られている。そのため、積層方向で中央部の
圧電素子と端部の圧電素子とでは変位量が異なり、中央
部の圧電素子の変位量が早期に劣化したり、クラックが
生じる場合があった。また中央部の変位量が大きいため
に、中央部では電極板どうしを接続する外部電極に大き
な応力が集中し、外部電極の断線が生じる場合もあっ
た。
【0006】このようになる理由は、圧電板の熱伝導率
が低く放熱しにくいこと、印加電圧−歪み線図にヒステ
リシスを有しその損失分が発熱となること、例えばPZ
Tは高温で比誘電率が大きくなって大きな電荷を蓄える
性質があり発熱部位は加速度的に温度が上昇すること、
などが考えられている。したがって発熱は必然的に生じ
るものであってそれを阻止することは困難であり、従来
は冷却系を設けることで冷却して対処しているがそれは
小型化への移行の障害となっている。
【0007】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、冷却系を用いることなく、積層方向でみて
中央部と端部の圧電素子の駆動時の温度を均一とするこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の積層型圧電アクチュエータは、圧電板と、圧電板の
表裏面に形成された電極層と、よりなる圧電素子を複数
枚積層してなる圧電アクチュエータであって、それぞれ
の電極層は圧電板との界面の接触抵抗が積層方向の中央
部で大きく両端部に向かうにつれて小さくなるように構
成されていることを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明の積層型圧電アクチュエータでは、電極
層の圧電板との接触抵抗が積層方向の中央部で大きく、
両端部に向かうにつれて小さくなるように構成されてい
る。したがって電圧印加時には、圧電素子の変位量は中
央部で小さく、両端部に向かうにつれて大きくなろうと
し、変位量に応じた発熱が生じる。
【0010】一方、放熱量は両端部が最も大きく、中央
部に向かうにつれて小さくなるため、使用中の温度は中
央部ほど高温となろうとし、両端部に向かうにつれて低
温となろうとする。すなわち中央部は温度が高い分大き
く変位しようとし、両端部に向かうにつれて温度が低い
分小さく変位しようとする。この結果、接触抵抗の差に
よる変位量の差と、放熱量の差による温度差とが相殺さ
れ、それぞれの圧電素子の温度は積層方向でどの部分で
も略均一となる。
【0011】
【実施例】以下、実施例により具体的に説明する。 (実施例1)粒径が0.05μm,0.1μm,0.5
μm,及び1.0μmの銀粒子をそれぞれ用意し、各銀
粒子100g,低融点ガラスフリット10g,エチルセ
ルロース1.5g,ターピネオール10gをミキサーで
混合して、それぞれの銀ペーストを調製した。
【0012】それぞれの銀ペーストを図1に示すPZT
製圧電板10(直径15mm,厚さ0.5mm)の表裏
面にそれぞれスクリーン印刷し、乾燥後大気中で500
〜700℃にて10〜30分保持し焼付けて、厚さ2
0.0μmの電極層11を形成した。印刷パターンは、
外周端部から0.5mmほど無印刷部をリング状に残す
ようにした。これは電圧印加時の縁面放電を防止するた
めである。そして100℃のシリコンオイル中で1.5
kVの直流電圧を印加して分極処理し、それぞれの圧電
素子1を形成した。
【0013】粒径の異なる銀粒子からなる電極層11を
もつそれぞれの圧電素子1について、変位量と発熱量を
測定し結果を図2に示す。なお、変位量はレーザードッ
プラ振動計により測定し、発熱量は通常、室温状態の条
件で測定した。図2より、銀粒子の粒径が細かくなるほ
ど、つまり電極11と圧電板10との界面の接触抵抗が
小さくなるほど、圧電素子1の変位量及び発熱量が増大
していることがわかる。
【0014】次に、上記で得られた圧電素子1を直径約
14mm、厚さ0.03mmの銅製電極板2とともに交
互に40枚積層し、電極板2が一つおきに同極となるよ
うに一対の外部電極3を形成して、図1に示すような積
層型圧電アクチュエータを形成した。ここで40枚の圧
電素子1は、それぞれ表1に示す粒径の銀粒子から形成
された電極層をもつものを用いた。すなわち、積層方向
で中央部が最も粒径が大きく、両端部に向かうにつれて
粒径が小さくなるように構成した。
【0015】
【表1】 得られた圧電アクチュエータにプリセット荷重500k
gf/cm2 を負荷させ、0〜800Vで108 回パル
ス駆動(1.0kHz)させた後、超音波探傷装置によ
り各圧電素子のクラックの発生の有無を調べてクラック
発生率を算出した。また駆動時の積層方向で両端部と中
央部の温度を測定し、その差ΔT(℃)を算出した。さ
らに、駆動開始時と駆動終了時の圧電アクチュエータ全
体の変位量の差(変位劣化度)を算出した。これらの結
果を表5に示す。 (実施例2)実施例1で得られた圧電素子のうち、それ
ぞれ表2に示す粒径の銀粒子から形成された電極層をも
つものを用い、実施例1と同様にして圧電アクチュエー
タを形成した。そして同様にクラック発生率、ΔT及び
変位劣化度を算出し、結果を表5に示す。
【0016】
【表2】 (実施例3)粒径が0.5μmの銀粒子の含有量を10
〜50重量%の範囲で4水準選んで、それぞれの銀ペー
ストを調製した。そしてそれぞれの銀ペーストから実施
例1と同様にして電極層を形成し、それぞれの圧電素子
を形成した。
【0017】銀粒子の含有量の異なる電極層をもつそれ
ぞれの圧電素子について、実施例1と同様に変位量と発
熱量を測定し結果を図3に示す。図3より、銀粒子の含
有量が多くなるほど、つまり電極11と圧電板10との
界面の接触抵抗が小さくなるほど、圧電素子1の変位量
及び発熱量が増大していることがわかる。そしてそれぞ
れの圧電素子から、実施例1と同様にして圧電アクチュ
エータを形成した。ここで各圧電素子の配分として、表
3に示す組成の電極層をもつものを選んで用いた。すな
わち、積層方向で中央部が最も銀粒子の含有量が少な
く、両端部に向かうにつれて含有量が多くなるように構
成した。
【0018】
【表3】 そして実施例1と同様にクラック発生率、ΔT及び変位
劣化度を算出し、結果を表5に示す。 (実施例4)粒径が0.5μmの銀粒子を25重量%含
有する銀ペーストを用い、電極層の膜厚を5μm〜29
μmの範囲で変化させてそれぞれの圧電素子を形成し
た。それぞれの圧電素子について、実施例1と同様に変
位量と発熱量を測定し結果を図4に示す。図4より、電
極層の膜厚が薄くなるにつれて、つまり電極11と圧電
板10との界面の接触抵抗が小さくなるほど、圧電素子
1の発熱量は増大することがわかる。一方、変位量は約
10μmまでは膜厚が厚くなるにつれて減少するが、そ
れ以上の膜厚となるとほぼ一定となることがわかる。
【0019】そしてそれぞれの圧電素子から、実施例1
と同様にして圧電アクチュエータを形成した。ここで各
圧電素子の配分として、表4に示す組成の電極層をもつ
ものを選んで用いた。すなわち、積層方向で中央部が最
も電極層の膜厚が厚く、両端部に向かうにつれて膜厚が
薄くなるように構成した。
【0020】
【表4】 そして実施例1と同様にクラック発生率、ΔT及び変位
劣化度を算出し、結果を表5に示す。 (従来例)粒径が1.0μmの銀粒子を25重量%含有
する銀ペーストを用い、電極層の膜厚が20μm一定と
なるようにして、実施例1と同様にして圧電素子を形成
した。この同一の圧電素子を40枚用い、実施例1と同
様に形成された圧電アクチュエータについて、実施例1
と同様にクラック発生率、ΔT及び変位劣化度を算出
し、結果を表5に示す。
【0021】
【表5】 (評価)表5より、実施例の圧電アクチュエータは従来
例に比べて温度が均一であり、その結果、変位劣化度が
低減されるとともに圧電板のクラックの発生も抑制され
ていることがわかる。これは、電極層の銀粉末の粒径、
含有量、あるいは電極層の膜厚などを適切に選んで積層
したことに起因していることが明らかである。
【0022】なお、本実施例では電極層成分として銀を
用いたが、本発明はこれに限られるものではなく、銀−
パラジウム,銀−白金,金,白金,パラジウム,ロジウ
ム,アルミニウム,ニッケル,コバルト,亜鉛,鉄など
の金属から選ぶことができる。また本実施例では、積層
方向における粒径や含有量の変化を段階的に行ったが、
その段階の程度は任意に設定することができる。ただ、
実施例1と実施例2の比較より、その段階の幅は細かい
方が望ましいことがわかる。
【0023】
【発明の効果】すなわち本発明の積層型圧電アクチュエ
ータによれば、駆動時の温度が積層方向で均一となるた
め、中央部の圧電素子の変位劣化が防止され、クラック
の発生も防止される。したがって長寿命化することがで
きる。また冷却系が不要となるため、装置のコンパクト
化を図ることができ、利用分野が一層拡大される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の積層型圧電アクチュエータ
の構成を説明する斜視図である。
【図2】実施例における圧電素子の、銀粒子の粒径と変
位量及び発熱量の関係を示すグラフである。
【図3】実施例における圧電素子の、銀粒子の含有量と
変位量及び発熱量の関係を示すグラフである。
【図4】実施例における圧電素子の、電極層の膜厚と変
位量及び発熱量の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1:圧電素子 10:圧電板 1
1:電極層 2:電極板 3:外部電極

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電板と、該圧電板の表裏面に形成され
    た電極層と、よりなる圧電素子を複数枚積層してなる圧
    電アクチュエータであって、それぞれの該電極層は該圧
    電板との界面の接触抵抗が積層方向の中央部で大きく両
    端部に向かうにつれて小さくなるように構成されている
    ことを特徴とする積層型圧電アクチュエータ。
JP5110551A 1993-05-12 1993-05-12 積層型圧電アクチュエータ Pending JPH06326370A (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5110551A JPH06326370A (ja) 1993-05-12 1993-05-12 積層型圧電アクチュエータ

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JP5110551A JPH06326370A (ja) 1993-05-12 1993-05-12 積層型圧電アクチュエータ

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ID=14538699

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JP (1) JPH06326370A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007037377A1 (ja) 2005-09-29 2007-04-05 Kyocera Corporation 積層型圧電素子およびこれを用いた噴射装置
US8441174B2 (en) 2005-06-15 2013-05-14 Kyocera Corporation Multilayer piezoelectric element and injector using the same
US8729509B2 (en) 2010-12-27 2014-05-20 Canon Kabushiki Kaisha Drawing apparatus and method of manufacturing article

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