JP3102005B2 - リチウム二次電池用正極活物質及びその製造法 - Google Patents

リチウム二次電池用正極活物質及びその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、リチウムを負極活物質とした高エネルギ密
度を有する有機電解質リチウム二次電池、特にその正極
活物質の改良に関するものである。
従来の技術 リチウム電池として正極にMnO2を用いた一次電池は既
に実用化されている。リチウム電池の場合、水分の存在
が電池性能に悪影響を及ぼすため、従来においては、Mn
O2を250℃から400℃の温度で加熱処理して付着水および
結合水を除去し、リチウム電池の正極として用いてい
た。MnO2の結晶構造としては、特公昭49−25571号に開
示されているように250℃〜350℃の温度で熱処理したγ
−β型、あるいは米国特許第4,133,856号に開示されて
いるように350℃〜430℃の温度で熱処理したβ型と考え
られる。しかし、その後の検討で、空気中で400℃で熱
処理したMnO2もγ−β型MnO2といわれており、結合水も
完全には除去できていないとされている。
また、結合水を完全に除去するとγ−β型が維持でき
ず、電池活物質としてきわめて活性の低いβ型MnO2にな
ってしまうといわれている。さらに、γ−β型を維持し
たままでも、熱処理温度が高くなるにつれて容量特性が
劣化することが知られている。これは、活物質表面が一
部β型に変わったこともその理由の一つであるが、主に
活物質表面が部分的に還元される等の表面活性の低下が
原因とされている。これらのことを鑑み、現状では350
℃〜400℃程度の温度で熱処理した結合水をわずかに残
したγ−β型MnO2をリチウム電池では用いている。とこ
ろが、この結晶構造を有するMnO2はリチウム二次電池と
して用いる場合、初期容量は高くエネルギ密度も高い
が、充放電に伴う結晶構造の崩れによりサイクルととも
に容量低下する。さらに、結晶構造の崩れにともない残
存結合水が流出し、電池性能、特にサイクル特性と貯蔵
性能に悪影響を及ぼすと言われている。また、この活物
質は、常温、例えば20℃の環境下では高容量を示すが、
低温における放電容量はきわめて低くなり、例えば、−
20℃になると20℃の時の容量の30%程度までその容量は
低下してしまうという欠点があった。これは、二次電池
特有のもので、Li/MnO2一次電池では、このような低温
における著しい容量の低下はない。
従って、現状のγ−β型MnO2を活物質とするリチウム
二次電池においては、サイクル可逆性と貯蔵性能と低温
特性が不十分であり、何等かの改良が必要と思われる。
そこでまずサイクル可逆性という観点からMnO2の改良を
含めたマンガン酸化物の開発が盛んに行われ、いくつか
の提案がなされてきた。特に、MnO2にLiをドープして結
晶構造の改良を行い、サイクル可逆性を向上させる試み
が最も盛んに行われている。
例えば、特開昭62−108455号,特開昭62−108457号の
ようにLiをドープしたMnO2を熱処理するものなどであ
る。リチウム二次電池の活物質としてMnO2にLiをドープ
したものはいずれも従来のMnO2に比べサイクル可逆性の
向上がみられた。これは、Liのドープにより結晶構造が
補強された効果と考えられる。特に、これまで報告され
たものの中では、サイクル可逆性および活物質利用率と
いう点で、MnO2にLiNO3を30モル%程度混合し、400℃で
熱処理するというものが最も優れている。特に、この活
物質では貯蔵性能充分といえるものではないが、γ−β
型MnO2に比べて改良されていた。
発明が解決しようとする課題 しかし、この活物質も従来のMnO2と同様に、低温にお
ける放電容量はきわめて低く、−20℃になると20℃の時
の容量の30%程度までその容量は低下してしまうという
欠点があった。すなわち、信頼性という観点から従来の
活物質は不十分といえる。
本発明の目的は、エネルギ密度とサイクル可逆性に優
れ、かつ信頼性の高いリチウム二次電池を提供すること
である。そして本発明の主たる課題は、MnO2を改良する
ことで、容量特性,サイクル可逆性,貯蔵特性、および
低温特性にも優れた活物質を提供することである。
課題を解決するための手段 本発明は、Mn:P=1.00:0.02〜1.00:0.10で、かつMn:L
i=1.00:0.10〜1.00:0.40の原子比を有するマンガン(M
n)とリン(R)とリチウム(Li)からなる酸化物を活
物質とするものである。また、その製造法においてMnを
含む原材料を電解二酸化マンガン(EMD)とし、Pを含
む原材料をLi3PO4またはP2O5とし、Liを含む原材料をLi
3PO4またはLiNO3とし、これらを上記のMn:P:Liの原子比
となるように混合し、空気中で350℃以上、480℃以下の
温度範囲で焼成するものである。さらに、EMDと上記P
を含む原材料と上記Liを含む原材料の混合時に媒体とし
て水を用い、Li3PO4,P2O5またはLiNO3のいずれかを予め
水に溶解した後、上記所定温度で焼成することが好まし
い。以上の本発明の活物質ならびに製造法を用いること
により、上記課題は解決できる。
作 用 本発明のMnとPとLiからなる酸化物のX線回折分析を
行った結果、その回折パターンから一部解析できない新
しいパークの存在が確認された。これは、従来のγ−β
型MnO2、またはLiNO3を用いてLiをドープした活物質に
はみられないものであった。この新しいピークの存在
は、何等かの異なる結晶フェーズができていることを示
唆しているが、その詳細は明らかではない。
また、一般にMnO2結晶内にLiが入ると、材料そのもの
の電子伝導性が低下するといわれている。これは、熱化
学的(LiNO3を用いたドープ)、または電気化学的(放
電)に行われても起こるといわれている。すなわち、従
来の活物質では電子伝導性の低い状態で使用しているこ
とになる。ところが、従来のMnO2を放電させた後の活物
質、またはLiON3を用いてLiをドープした活物質の放電
後の比抵抗と本発明の活物質の放電後の比抵抗を比較す
ると、本発明の活物質においてその抵抗が低いことがわ
かった。すなわち、本発明の活物質のようにMnO2中に一
種の不純物としてPが存在する場合、4価のMnと5価の
Pの間で結合を作り、原子価制御による半導体化が起こ
っていることが仮定できる。
すなわち、活物質そのものの電子伝導性の向上が、低
温特性の向上する原因の一つとして考えられる。また、
従来、MnO2の結合水を除くための加熱処理やLiをドープ
するための加熱処理を行ってきたが、一般に加熱処理に
より、MnO2の表面積は著しく減少する(ほぼ元のMnO2
表面積の20%〜40%になる)ことがわかっている。とこ
ろが、本発明の活物質についても、MnO2の焼成前の表面
積(BET法で測定)と焼成後の表面積を比較してみた結
果、元の表面積の80%以上を維持していることがわかっ
た。この表面積維持効果は、P成分に起因するものと思
われるが、その詳細は明らかではない。おそらく、これ
らのうちのいずれかか、またはこれらが複合的に作用し
て、低温特性の向上に寄与したものと思われる。
また、本発明の活物質では貯蔵特性も優れたものにな
ったが、おそらく以下の理由によるものと推定される。
この活物質中におけるP成分は均一に分布していると思
われるが、活物質表面においては部分的にP2O5の形態を
有していることが予想される。すなわち、きわめて水分
の吸着性の強いP2O5が活物質表面にあるため、流出した
結合水はここでトラップされ、負極へ移動せず、水分に
よる負極Liの腐食で生じていた貯蔵劣化が起こりにくい
と考えられる。以上のように、各種性能向上のメカニズ
ムについては、いくつかの仮定がなしうるが、本発明の
活物質および製造法を用いることにより、サイクル可逆
性,貯蔵性能、および低温特性が同時に向上するこの事
実はきわめて興味深いものである。
実施例 以下本発明の実施例を示す。
(実施例1) 本発明の活物質は以下のように調製した。まず、所定
量のPを含む原材料のLi3PO4またはP2O5、およびLiを含
む原材料のLi3PO4またはLiNO3を予め水に溶解し、これ
に所定量のEMD粉末を加え、充分にかくはん混合し、水
分を一部蒸発させて泥状の塊にした後、電気炉を用い所
定温度で4〜5時間焼成するというものである。また、
各種材料を予め粉末のまま混合してから水を加え練る方
法等、何れの混合方法を用いてもその後の焼成では同じ
ものが調製できた。しかし、水を用いず、粉末同士を混
合しただけのものを直接焼成すると反応が均一に行われ
にくく、性能ばらつきが大きくなることがわかった。さ
らに、水を用いずにP成分の材料としてP2O5を用いたと
きはP成分の仕込量に比べ、調製後のP含有量が減少す
ることが起こった。従来、P2O5はその結晶形態にいくつ
かの型があり、その一つの型に350℃を超えると昇華す
るものがあるといわれている。おそらく、そのような型
のP2O5が含まれていたものと思われる。ところが、如何
なる型のP2O5も水に溶解すると、オルトリン酸になり、
これを再び加熱するときわめて昇華しにくい安定した型
に変わるといわれている。すなわち、本発明のように混
合時に水を関与させる製造法はこの場合、重要な意味を
持っているといえる。
次に、Mn成分とP成分とLi成分の仕込み混合比と、活
物質中のMnとPとLiの比との関係を活物質の化学分析に
よって調べた結果、本発明の調製法に従えば、本発明の
焼成温度範囲内でMnもPもLiも失われることなく、仕込
量の比のままで活物質中に含まれるこがわかった。
(実施例2) MnO2としてEMDを用い、上記調製法に従って原子比でM
n:P:Liを1.00:0.05:0.3となるように各種材料を混合
し、400℃で焼成した本発明の活物質、EMDを400℃で熱
処理した従来のMnO2活物質、LiNO3をEMDに水を用いて混
合し400℃で焼成したMn:Liが1.00:0.3であるLiをドープ
したMnO2活物質、およびP2O5をEMDに水を用いて混合し4
00℃で焼成したMn:Pが1.00:0.05であるPを含むMnO2
物質を調製した。まずこの四つの活物質について第2図
のようなボタン形電池をいくつか組み立てて、その特性
比較を行った。
第2図において正極1は、活物質に導電剤の炭素粉末
(活物質に対して5重量%)と結着剤のポリ4フッ化エ
チレン樹脂粉末(活物質に対して7重量%)を混合した
もので、正極ケース内側にスポット溶接で固定したチタ
ンネット2上にプレス成形したものである。また、活物
質量はいずれも100mgとした。そして、ポリプロピレン
製のセパレータ3、封口板4に圧着した金属リチウムの
負極5及び電解液6(1モル/のLiAsF6を炭酸プロピ
レンと炭酸エチレンの混合溶媒中に溶かしたもの)と共
にポリプロピレン製のガスケット7を介して密封し直径
20mm、高さ1.6mmの電池としている。また、この電池は
正極の特性を比較する目的で試作したもので、正極の容
量に対し負極の容量を約4倍充填しており、充放電特性
に負極の欠乏等による影響が現れないようにしている。
充放電試験っは1.0mAの定電流充放電を充電終止電圧を
3.8V、放電終止電圧を2.0Vと設定して行った。第1図は
上記四種類の活物質を用いた電池の容量−サイクル特性
を示したものである。第1図において曲線8は従来のMn
O2活物質の特性、曲線9はLiをドープした活物質の特
性、曲線10はPを含むMnO2活物質、さらに曲線11は本発
明の活物質の特性である。従来のMnO2活物質を用いた電
池は、サイクル初期における容量は大きいがサイクルに
伴う容量低下も大きい。LiをドープしたMnO2活物質を用
いた電池は容量もきわめて大きく、サイクル可逆性も優
れている。Pを含むMnO2活物質を用いた電池はサイクル
初期における容量は小さいが、10サイクルを超えると従
来のMnO2活物質の容量特性を上回り、さらにその後のサ
イクル可逆性は優れている。さらに本発明の活物質で
は、Pを含むMnO2活物質と同じようにサイクル初期に容
量が徐々に増加するという挙動が特徴的であるが、10サ
イクル目でLiをドープしたMnO2活物質とその容量はほぼ
等しくなり、その後のサイクル可逆性も優れている。以
上の結果から、容量ではLiをドープしたMnO2活物質と本
発明の活物質が優れており、サイクル可逆性では、Liを
ドープしたMnO2活物質と、本発明の活物質とPを含むMn
O2活物質が優れているといえる。次に、上記四種類の電
池について、30サイクル目の充電状態で電池を取り出
し、60℃の環境下に1カ月貯蔵し、貯蔵前と貯蔵後の内
部抵抗の変化を測定した。いずれの電池も貯蔵前の内部
抵抗は5〜10Ωであった。貯蔵後の内部抵抗は、従来の
MnO2活物質を用いた電池では40〜50Ω、Liをドープした
MnO2活物質を用いた電池では20〜30Ω、Pを含むMnO2
物質および本発明の活物質を用いた電池では10〜15Ωで
あった。そこで、この貯蔵を施した四種類の電池で再び
充放電試験を行った。
第3図は、途中(30サイクル目)に上記貯蔵を含む場
合の容量−サイクル特性を比較したものであるが、従来
のMnO2活物質を用いた電池(曲線12)とLiをドープした
MnO2活物質を用いた電池(曲線13)では貯蔵を境にその
容量が大きく低下していることがわかる。しかし、Pを
含むMnO2活物質を用いた電池(曲線14)と本発明の活物
質を用いた電池(曲線15)ではその容量低下はきわめて
小さく、貯蔵特性としては優れているといえる。
次に、上記四種類の電池について、室温(20℃)およ
び−20℃の低温環境下での充放電試験を行ない、その放
電特性を比較した。第4図は、それぞれの電池の30サイ
クル目の放電電圧特性を示したもので、従来のMnO2活物
質を用いた電池では室温のもの(破線曲線16)に比べ、
−20℃のもの(曲線17)は電圧が低くなり、容量も室温
の30%程度になってしまうことがわかる。また。Liをド
ープしたMnO2活物質を用いた電池でも、室温での特性
(破線曲線18)に比べ−20℃での特性(曲線19)はきわ
めて悪い。ところが、Pを含むMnO2活物質を用いた電池
では、室温の特性(破線曲線20)に比べ−20℃の特性
(曲線21)は、電圧の低下はあるものの、容量は室温の
70%以上を維持していた。さらに、本発明の活物質を用
いた電池も、室温の特性(破線曲線22)に比べて−20℃
の特性(曲線23)は、容量において70%以上を維持して
いた。
以上のように、容量特性,サイクル可逆性,貯蔵性能
および低温特性の何れにおいても本発明の活物質はきわ
めて優れたものといえる。
次に、化学合成二酸化マンガン(CMD)を原材料とし
て、上記と同組成および同条件で調製した本発明の活物
質についても検討した。その結果、活物質を同重量用い
たボタン型電池では、EMDの場合とほぼ同じ優れた性能
を示した。しかしかさ密度を測定した結果、EMDに比べ2
0%近くかさ高く、同形状,同寸法の正極とする場合
(一般に実用電池では寸法規制となる)、CMDではメリ
ットは小さい。従って、高エネルギ密度を実現するため
には、原材料MnO2はEMDが好ましい。
(実施例3) 上述のように、本発明の活物質が優れた性能を示すこ
とがわかったので、次に製造法に係るところの焼成温度
について検討した。Mn:P:Li=1.00:0.05:0.3となるよう
に各種材料を混合し、焼成温度を300℃〜500℃の間で種
々変えて調製したそれぞれの活物質について実施例2と
同条件の電池を構成し充放電試験を行った。充放電試験
は1.0mAの定電流充放電で、充電終止電圧を3.8V、放電
終止電圧を2.0Vに設定して行った。第5図は、上記活物
質のうち典型的なものについてその容量−サイクル特性
を示したものである。焼成温度が300℃〜340℃のもの
は、第5図中の曲線24(340℃)にみられるように初期
容量は大きいがサイクル可逆性に難があり、焼成温度が
490℃〜500℃のものは、曲線25(490℃)にみられるよ
うにサイクル可逆性には優れるが容量が小さくなった。
また、焼成温度が350℃〜480℃のものは、曲線26(350
℃)、曲線27(400℃)、曲線28(450℃)及び曲線29
(480℃)にみられるように容量ならびにサイクル可逆
性ともに優れたものであった。従って、容量−サイクル
特性からは、本発明の活物質の焼成温度は350℃〜480℃
が好ましいといえる。また、この温度範囲で調製した本
発明の活物質のいずれも、電池の貯蔵性能ならびに低温
特性は上記実施例同様に優れていた。
(実施例4) 本実施例では、活物質中のMnとPとLiの原子比(Mn:
P:Li)についての検討を行った。活物質の調製法は実施
例1で示した通りで、本実施例での焼成温度は400℃と
した。Mn比1.00に対して、P比を最大0.15、Li比を最大
0.5とした種々の活物質を調製した。次いで、それぞれ
について上記実施例と同条件の電池を構成し充放電試験
を行った。充放電試験は1.0mAの定電流充放電で、充電
終止電圧を3.8V、放電終止電圧を2.0Vに設定して行っ
た。第6図,第7図,第8図は上記活物質のうち、典型
的なものについてその容量−サイクル特性を示したもの
である。
まず、Mn比1.00に対して、P比を0.02未満とし、Li比
を種々変えた場合について検討した結果を第6図に示
す。Li比が0.10未満の活物質は曲線30(Mn:P:Li=1.00:
0.01:0.09)にみられるように、従来のγ−β型MnO2
特性(図中破線)に近く、初期容量は大きいがサイクル
可逆性に難があった。また、Li比が0.10〜0.40の活物質
は曲線31(Mn:P:Li=1.00:0.01:0.30)にみられるよう
に、容量,サイクル可逆性共に優れていた。ところが、
Li比が0.40を超えるあたりから容量が低下し始め、曲線
32(Mn:P:Li=1.00:0.01:0.45)にみられるように、サ
イクル可逆性は優れている容量の低いものになった。
一方、P比が0.02未満のものは何れのLi比の場合も貯
蔵性能,低温特性に問題があった。
次いで、Mn比1.00に対して、P比を0.02〜0.10とし、
Li比を種々変えた場合について検討した結果を第7図に
示す。このP比範囲において、Li比が0.10未満の活物質
はいずれも曲線33(Mn:P:Li=1.00:0.05:0.09)にみら
れるように、サイクル初期において徐々に容量が増加す
るが、その容量は実施例2で用いたPを含むMnO2活物質
の容量特性(第1図曲線10参照)とほぼ同等である。ま
た、このP比範囲において、Li比が0.10〜0.40の活物質
の場合、曲線34(Mn:P:Li=1.00:0.05:0.30)にみられ
るように、サイクル初期において徐々に容量が増加する
が、その容量は実施例2で用いたLiドープのMnO2活物質
(第1図曲線9参照)と同等の大きなものとなり、サイ
クル可逆性も優れていた。ところが、このP比範囲にお
いても、Li比が0.40を超えるあたりから容量が低下し始
め、曲線35(Mn:P:Li=1.00:0.05:0.45)にみられるよ
うに、サイクル可逆性は優れているが、容量の低いもの
になった。一方、このP比が0.02〜0.1の範囲の活物質
はいずれのLi比の場合も貯蔵性能,低温特性は優れたも
のであった。
次いで、Mn比1.00に対して、P比を0.11〜0.15とし、
Li比を種々変えた場合について検討した結果を第8図に
示す。このP比範囲において、Li比が0.10未満の活物質
はいずれも曲線36(Mn:P:Li=1.00:0.11:0.09)にみら
れるように、初期容量は小さく、サイクルに伴って容量
は徐々に増加するものの、従来のγ−β型MnO2の容量特
性(破線曲線39)にさえ到達するまでに50サイクル以上
経過しなければならず、好ましいとはいえない。また、
このP比範囲において、Li比が0.10〜0.40の活物質の場
合、曲線37(Mn:P:Li=1.00:0.11:0.30)にみられるよ
うに、初期容量は小さく、サイクルに伴って容量は徐々
に増加するものの、実施例2で用いたLiドープのMnO2
物質の容量特性(破線曲線40)に到達するまでに50サイ
クル以上経過しなければならず、やはり、好ましいとは
いえない。さらに、このP比範囲で、Li比が0.40を超え
るものは、曲線38(Mn:P:Li=1.00:0.11:0.45)にみら
れるように、きわめて容量も小さく、サイクルに伴って
容量は徐々に増加するものの、従来のγ−β型MnO2の容
量特性に100サイクルを超えても到達しなかった。ただ
し、このP比範囲の活物質はいずれのLi比の場合も貯蔵
特性だけは優れていた。
以上の結果から、容量特性,サイクル可逆性,貯蔵性
能および低温特性のいずれの特性も満足する本発明の活
物質における組成範囲は、Mn:Pが1.00:0.02〜1.00〜0.1
0で、かつMn:Li=1.00:0.10〜1.00:0.40のものであるこ
とがかった。なお、上記組成範囲内にある活物質の調製
時の焼成温度は、いずれの場合も実施例3で示した350
℃〜480℃が好ましかった。
発明の効果 本発明によれば、高エネルギ密度でサイクル可逆性に
優れ、さらには貯蔵性能,低温特性にも優れたリチウム
二次電池が提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図,第3図,第5図,第6図,第7図,第8図は容
量−サイクル特性の比較図であり、第2図は本発明の実
施例に用いた電池の縦断面図、第4図は放電電圧特性図
である。 1……正極、2……チタンネット、3……セパレータ、
4……封口板、5……リチウム負極、6……電解液、7
……ガスケット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江田 信夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 越名 秀 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 奥野 博美 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 尾崎 義幸 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−67869(JP,A) 特開 昭62−108455(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 4/36 - 4/62 H01M 4/02 - 4/04 H01M 10/40

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原子比でMn:Pが1.00:0.02〜1.00:0.10で、
    かつMn:Li=1.00:0.10〜1.00:0.40となるように電解二
    酸化マンガン、Li3PO4及びLiNO3を混合して焼成するこ
    とにより得られる酸化物であることを特徴とするリチウ
    ム二次電池用正極活物質。
  2. 【請求項2】Mnを含む原材料が電解二酸化マンガン(EM
    D)であり、Pを含む原材料がLi3PO4であり、Liを含む
    原材料がLiNO3であり、これらをMn:P:Liを1.00:0.02〜
    0.10:0.10〜0.40の原子比となるように混合し、空気中
    で350℃以上、480℃以下の温度範囲で焼成することを特
    徴とするリチウム二次電池用正極活物質の製造法。
  3. 【請求項3】EMDと上記Pを含む原材料と上記Liを含む
    原材料の混合時に媒体として水を用い、Li3PO4またはLi
    NO3のいずれかを予め水に溶解した後、上記所定温度で
    焼成することを特徴とする特許請求の範囲第(2)項記
    載のリチウム二次電池用正極活物質の製造法。
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