JP3101558B2 - 気化式石油燃焼装置 - Google Patents

気化式石油燃焼装置

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JP3101558B2 JP07346634A JP34663495A JP3101558B2 JP 3101558 B2 JP3101558 B2 JP 3101558B2 JP 07346634 A JP07346634 A JP 07346634A JP 34663495 A JP34663495 A JP 34663495A JP 3101558 B2 JP3101558 B2 JP 3101558B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は暖房機や給湯機の燃焼
部を構成する加熱用ヒ−タを備えた気化式の石油燃焼装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりこの種のものに於いては、例え
ば特開平5−18514号公報に開示されている如く、
混合室に偏流板や混合気ガイドを備えることで、バ−ナ
部に形成される火炎の片寄りを防止するものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところでこの従来のも
のでは、混合室内で予混合ガスの流速を抑制するので、
小火力燃焼時にはある程度火炎の片寄りを防止出来るも
のであるが、送風力が強くなる大火力燃焼時には、送風
力を抑制しきれずどうしても気化器と対向する側の燃焼
室壁に火炎が片寄り、この部分が焼損してしまうと言う
不具合を有するものであった。
【0004】
【問題点を解決するための手段】この発明はこの点に着
目し上記欠点を解決する為、特にその構成を、加熱用ヒ
−タを備えた気化器で、気化ガスと燃焼空気との予混合
ガスを形成し、これを流出口を介して下部に備えた混合
室に供給した後、該混合室上部で且つ気化器背面側に備
えたバ−ナ部で燃焼させるものに於いて、前記バ−ナ部
上方を囲う上方開放の燃焼室を形成すると共に、該燃焼
室の気化器と対向する一側壁下部には、燃焼空気の一部
を上方に向かって噴出する空気噴出部を備えたものであ
る。
【0005】
【作用】加熱用ヒ−タ12に通電し気化器1を設定され
た気化温度まで加熱した後、燃焼ファン43及び電磁ポ
ンプ45等を駆動すれば、気化器1内に燃油と燃焼用の
一次空気とが供給され燃油は気化して予混合ガスが形成
され、この混合ガスは混合室16を介してバ−ナ部23
で燃焼されるものである。
【0006】そしてこの燃焼時特に送風力が強くなる大
火力燃焼時では、火炎が気化器1と対向する燃焼室37
一側壁側に片寄るものであるが、この時燃焼空気の一部
が混合室16下方の空気室38を通り、火炎が片寄る気
化器1と対向する一側壁下部に形成された空気噴出部4
2から勢い良く噴出し、火炎の片寄りを抑制すると共
に、これと同時にエア−カ−テン作用で一側壁の焼損を
確実に防止出来るものであり、又噴出空気は二次空気と
しても作用し良好な燃焼を得る事が出来るものである。
【0007】
【実施例】次にこの発明に係る気化式石油燃焼装置を図
面に示された一実施例をもとに説明する。1はアルミダ
イキャストから成る横椀状の気化器で、正面は燃料噴射
ノズル2及び一次空気の噴出口3を備えた蓋体4で閉塞
され、底部に仕切壁5で2つに仕切られた混合ガスの流
出口6を形成している。
【0008】前記気化器1は燃料噴射ノズル2と対向す
る内面を、該燃料噴射ノズル2に対して垂直に形成し垂
直気化面7とすると共に、燃油が吹き付けられる部分は
該燃油の均一な拡散を計る為に平坦面8とし、更にこの
平坦面8の周囲には長さの異なる複数個のビ−ド9を水
平方向で且つそれぞれ平行に複数段配置して、流下する
燃油の蛇行路10を形成しているものである。
【0009】又上記平坦面8及び蛇行路10は、燃料噴
射ノズル2の噴射孔11が左右に1つずつ形成されてい
るので、これに対向して垂直気化面7上の左右にそれぞ
れ1つずつ設けられている。
【0010】12は気化器1に鋳込まれたU字状のシ−
ズヒ−タから成る加熱用ヒ−タで、垂直気化面7上方か
ら燃料噴射ノズル2側に突出し、該垂直気化面7の上方
空間を覆う上側壁13と、垂直気化面7下方から稍突出
し流出口6を形成する下側壁14とに鋳込まれているも
のである。
【0011】15は気化器1の蛇行路10最終端に備え
られた平面から見て台形の案内壁で、気化器1内で形成
される気化ガスと燃焼用一次空気による混合ガスを、底
部の2つの流出口6にスム−ズに分割して案内するもの
である。
【0012】16は気化器1下部に備えられたアルミダ
イキャスト製の混合室で、流出口6に連通し混合ガスの
整流を行うように1段下方に凹ませて大容量とした整流
室17と、該整流室17に連通し先細状に区画成形され
間に下方に連通する二次空気室18を交互に有する複数
のガス室19とを一体成形して構成され、更に整流室1
7底部にはU字状のシ−ズヒ−タから成る補助ヒ−タ2
0が鋳込まれており、予熱時の一定時間のみ通電され混
合室16を予熱するものである。
【0013】又上記混合室16内面には、耐熱塗料を塗
布し微細凹凸の塗装面21を形成することで、混合ガス
の流通抵抗として該混合ガスの噴出速度を均一にすると
共に整流の促進を計るものである。
【0014】22は各ガス室19入口に上方から垂下し
て備えられた整流板で、一枚板に切欠部と屈曲片とを交
互に形成して構成され、ガス室19入口面積の約1/6
を上方から閉塞することによって、ガス室19への送風
力を抑制して全体的に均一な火炎を形成するようにして
いるものである。
【0015】23は混合室16のガス室19及び二次空
気室18上で気化器1の背面側に形成されたバ−ナ部
で、前記ガス室19上に固定される凸状の炎孔部24
と、該隣接する炎孔部24間の凹部で形成され二次空気
室18と連通した二次空気供給部25とで構成され、炎
孔部24頂部にはほぼ中央部から側壁まで延設された細
長逆L字状の炎孔26が、長手方向に沿って左右交互に
形成され、更に二次空気供給部25底部には二次空気室
18と連通する二次空気孔27を、炎孔部24のフラン
ジ部28に形成した小孔を重合して形成することで、炎
孔26との距離を取り確実に二次空気の整流が行えるよ
うにしているものである。
【0016】29は炎孔部24両側に固着された保炎ガ
イドで、炎孔26と対向する上部を該炎孔26とは反対
側の斜め上方に向かって屈曲させ、炎孔26に形成され
る火炎の広がりを抑制すると共に下方から供給される二
次空気の案内を行うものである。
【0017】30は炎孔部24内に備えられた耐熱性の
整流アミで、線径0.29mmの線材を36メッシュに
編み上げて構成され、炎孔26から噴出する混合ガスの
最後の整流を行うものである。
【0018】31は気化器1背面からバ−ナ部23上に
突出した縦長の吸熱フィンで、燃焼ガスとの接触面積を
多くしてヒ−トバック量を増大させる為に複数に分割形
成され、燃焼時には燃焼熱のヒ−トバックを気化熱とし
て利用し加熱用ヒ−タ12の省電力化を計るものであ
り、上端はバ−ナ部23側に向かって下り傾斜した傾斜
部32とし、上昇してくる燃焼熱の抜けを良くしている
ものである。
【0019】更に前記各吸熱フィン31間下部には炎孔
部24が位置するように配設され、そしてこの吸熱フィ
ン31間の炎孔部24には他の炎孔26の約10倍の大
きさとなる2つの四角形から成る大炎孔33を形成し、
又各吸熱フィン31の突出端面には下端から上端へ抜け
る縦溝34をほぼ中央部に1本設け、大火力燃焼時には
大炎孔33に形成される火炎の広がりで、この縦溝34
にも火炎が入り込み吸熱面積が増大するように構成され
ているものである。
【0020】35は吸熱フィン31上方に備えられたL
字状の抑止板で、気化器1側から吸熱フィン31上約2
/3まで張り出して該吸熱フィン31間及び縦溝34上
を覆い、この間を上昇して来る燃焼熱の上昇力を抑制す
るものであり、又吸熱フィン31上方全体を覆うまで張
り出させた場合には、抑止板35自体にスリットや穴を
形成して抑制力を調節するようにしても良いものであ
る。
【0021】36は吸熱フィン31間の気化器1背面壁
に横方向R状の凸部を複数個連続して形成した凹凸面
で、吸熱面積を増大させると共に、燃焼熱の上昇力を制
御し十分なヒ−トバックを得るようにしているもので、
特にR形状であるから燃焼熱に乱流を起こさせることな
く、スム−ズにその上昇力のみを抑制することが出来る
ものである。
【0022】37はバ−ナ部23の上方を囲った上方開
放の燃焼室で、外周は空気室38を介してカバ−枠39
で覆われている。
【0023】前記燃焼室37の気化器1背面と対向する
一側壁下部には、一定間隔で横列した複数個の噴出孔4
0と該噴出孔40前方を閉塞し上方は開放とした案内片
41とから成る空気噴出部42が備えられ、燃焼室37
内に二次空気を噴出し火炎の片寄りを抑制すると共に、
エア−カ−テン作用で一側壁の焼損を防止するものであ
る。
【0024】43は燃焼ファンで、風路44を介して噴
出口3と空気室38に連通し、噴出口3には燃焼用の一
次空気を供給し、空気室38には気化器1側方を通り混
合室16下方からバ−ナ部23の二次空気供給部25及
び上記の空気噴出部42に供給される二次空気と共に、
燃焼室37を冷却する空気を供給するものである。
【0025】45は燃料噴射ノズル2に送油管46を介
して燃油を供給する電磁ポンプ、47は遮熱板である。
【0026】次にこの発明一実施例の作動について説明
する。今加熱用ヒ−タ12に通電し気化器1を所定温度
まで加熱すれば、これを適所に備えた温度センサ−(図
示せず)で検知し、燃焼ファン43及び電磁ポンプ45
を駆動させることで、気化器1には燃料噴射ノズル2か
ら燃油が、又噴出口3からは燃焼用の一次空気がそれぞ
れ供給される。
【0027】そして気化器1では、燃料噴射ノズル2か
ら噴射された燃油は、垂直気化面7の平坦面8に衝突し
凹凸がないので均一に周囲に拡散するが、直ぐには落下
せず周囲のビ−ド9上を供給される一次空気の送風力も
あって蛇行路10に沿って順次移動し、十分な気化時間
となって気化が促進されると共に、ビ−ド9による凹凸
で供給される一次空気も乱流を起こし気化ガスとの混合
も十分に行われ、良好な混合ガスを得ることが出来るも
のである。
【0028】従って、垂直気化面7によって軽量・コン
パクトな気化器1を得て、小型で強力な燃焼装置が得ら
れると共に、気化能力を低下させることなく常に十分な
混合ガスを形成することが出来るものである。
【0029】又垂直気化面7で気化された気化ガスは、
該垂直気化面7に衝突して跳ね返される一次空気と共
に、横椀状の気化器1内で加熱用ヒ−タ12を備えた上
下側壁13・14側に流れるが、この上下側壁13・1
4は加熱用ヒ−タ12によって十分加熱されているの
で、気化ガスの気化は更に促進されると共に、一次空気
も良好に加熱され、しかも気化器1は横椀状で気化ガス
と一次空気とは直ぐには流出せず、ある程度気化器1内
にとどまり十分混合した後、流出口6から流出されるも
のである。
【0030】一方この流出口6から流出した混合ガスは
混合室16内に流入するが、該混合室16は上記気化器
1の予熱と同時に通電される補助ヒ−タ20によって一
定時間加熱され、高温の予熱状態が維持されているの
で、流入した混合ガスは液化することながないものであ
る。
【0031】そして、混合ガスは整流室17で整流を促
進した後、直ぐに複数のガス室19に細かく分割して流
入し、内壁面の塗装面21による微細凹凸と先細形状と
によって、炎孔部24の炎孔26から噴出する混合ガス
の噴出速度は、長手方向に関係なく全体が均一となり、
又混合ガスは炎孔26から噴出される直前に整流アミ3
0を通過して最後に整流されて噴出し、適宜点火手段
(図示せず)で点火されれば燃焼が開始されるものであ
る。
【0032】更にバ−ナ部23で形成される火炎は、小
火力燃焼時では整流板22によって片寄りは防止される
が、大火力燃焼時には送風力の増大で気化器1背面と対
向する燃焼室37一側壁側に片寄ろうとするが、この時
一次空気の送風力と同じ送風力で空気噴出部42から二
次空気が噴出され、片寄ろうとする火炎を押し戻すと共
に、燃焼室37一側壁全面に下方から上方に向かうエア
−カ−テンを形成し、火炎の片寄りの抑制と一側壁の焼
損防止を確実に行うものであり、又この空気噴出部42
から噴出される空気は火炎中に供給され、燃焼用の二次
空気としても作用するので、常に良好な燃焼を得ること
が出来るものである。
【0033】一方上記の燃焼時吸熱フィン31間では、
大炎孔33に他より大きな火炎が形成され、多量の燃焼
熱が吸熱フィン31間を上昇することで、該吸熱フィン
31を介して気化器1は十分なヒ−トバック量を得て、
燃焼開始後は加熱用ヒ−タ12に通電することなく、ヒ
−トバックで気化熱を得ることが出来確実に省電力化を
計れるものである。
【0034】そして、燃焼室37上方に内方を水が流通
する給湯用熱交換器(図示せず)等を設置すれば、燃焼
音も小さく応答性が良い良好な給湯を得ることが出来る
ものである。
【0035】
【発明の効果】要するにこの発明は、加熱用ヒ−タを備
えた気化器で、気化ガスと燃焼空気との予混合ガスを形
成し、これを流出口を介して下部に備えた混合室に供給
した後、該混合室上部で且つ気化器背面側に備えたバ−
ナ部で燃焼させるものに於いて、前記バ−ナ部上方を囲
う上方開放の燃焼室を形成すると共に、該燃焼室の気化
器と対向する一側壁下部には、燃焼空気の一部を上方に
向かって噴出する空気噴出部を備えたものであるから、
特に大火力燃焼時の火炎の片寄りを抑制しながら良好な
燃焼を得ることが出来るものであり、更にエア−カ−テ
ン作用によって燃焼室一側壁の焼損を確実に防止し、長
期の使用を可能としたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明一実施例を付した気化式石油燃焼装置
の断面図。
【図2】同燃焼室の横断面図。
【図3】同バ−ナ部の断面図。
【図4】同バ−ナ部の分解斜視図。
【図5】同バ−ナ部の拡大断面図。
【図6】同気化器の正面図。
【符号の説明】
1 気化器 12 加熱用ヒ−タ 16 混合室 23 バ−ナ部 37 燃焼室 40 噴出孔 41 案内片 42 空気噴出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 貴宏 新潟県三条市東新保7番7号 株式会社 コロナ内 審査官 東 勝之 (56)参考文献 特開 平4−306405(JP,A) 特開 平4−161704(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23D 11/10 F23D 11/40 F23D 11/44

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱用ヒ−タを備えた気化器で、気化ガ
    スと燃焼空気との予混合ガスを形成し、これを流出口を
    介して下部に備えた混合室に供給した後、該混合室上部
    で且つ気化器背面側に備えたバ−ナ部で燃焼させるもの
    に於いて、前記バ−ナ部上方を囲う上方開放の燃焼室を
    形成すると共に、該燃焼室の気化器と対向する一側壁下
    部には、燃焼空気の一部を上方に向かって噴出する空気
    噴出部を備えた事を特徴とする気化式石油燃焼装置。
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