JP3100343B2 - 柔軟性を有するポリスチレン系樹脂発泡シート積層体 - Google Patents

柔軟性を有するポリスチレン系樹脂発泡シート積層体

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JP3100343B2 JP08277149A JP27714996A JP3100343B2 JP 3100343 B2 JP3100343 B2 JP 3100343B2 JP 08277149 A JP08277149 A JP 08277149A JP 27714996 A JP27714996 A JP 27714996A JP 3100343 B2 JP3100343 B2 JP 3100343B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明はポリスチレン系樹脂
発泡シートの少なくとも片面に非発泡樹脂層が積層され
たポリスチレン系樹脂発泡シート積層体に関し、特に、
巻き取り癖やカールなどが発生せず、折り曲げ時の柔軟
性に優れるポリスチレン系樹脂発泡シート積層体に関す
る。
【0002】
【従来技術】ポリスチレン系樹脂発泡シートは断熱性、
剛性、易熱成形性、軽量性、衛生性及び経済性等の点か
ら、トレーや丼等の容器に成形され、インスタント調理
食品の容器やその他の種々の容器を初め、様々な分野で
使用されている。特に、ポリスチレン系樹脂は常温でガ
ラス状物質であるため、その発泡シートは極めて剛性が
高く、容器にした場合、他の素材(例えばポリエチレン
樹脂、ポリプロピレン樹脂、等)に比べ、手に持った時
の感触がしっかりしていて安心感を与えるという特徴が
あり、プラスチック成形分野では大量に使用されてい
る。しかしながら、かかる特性のためポリスチレン系樹
脂発泡シートは柔軟性に劣るという欠点を有していた。
【0003】このようなポリスチレン系樹脂発泡シート
の製造方法としては、製造工程が簡単で且つ品質が安定
する等の理由から、押し出し発泡成型法が従来から広く
採用されている。この押し出し発泡成型法においては、
押し出し機内で発泡剤等と共に溶融混練されたポリスチ
レン系樹脂組成物を環状のダイオリフィスから大気中に
吐出させることにより、チューブ状のポリスチレン系樹
脂発泡体を形成し、その後該チューブ状のポリスチレン
系樹脂発泡体の内面を冷却されたドラムに接触させて冷
却する。次いで、チューブ状のポリスチレン系樹脂発泡
体を両サイドから切り開き、上下に分割して巻き取るこ
とによりポリスチレン系樹脂発泡シートが得られる。
【0004】しかしながら、ここで得られたポリスチレ
ン系樹脂発泡シートはポリスチレン系樹脂に由来する特
性から、他の汎用樹脂(例えばポリエチレン、ポリプロ
ピレン)等に比較すると、常温での剛性が高く、冷却ド
ラムに接触固化させたときのクセや巻き取り時のクセが
付き易いため、流れ方向を軸としたカール及び/又は流
れ方向に直角な方向を軸としたカールが生ずる。
【0005】しかも、一度ついたこれらのクセは、剛性
が高いので簡単には矯正することができないので、ポリ
スチレン系樹脂発泡シートは、シート自体のフラット性
が劣るという欠点があった。更に、これを無理に矯正し
たり小径に巻き込んだりすると、簡単に折れたり破壊さ
れ易いので、用途範囲が限定されるという欠点があっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような理由からポ
リスチレン系樹脂発泡シートは、専ら、トレーや丼等の
容器に熱成形されるのが一般的であり、その用途範囲が
狭いという欠点を有していた。特に建築用養生シートや
クッション性紙袋用、或いは、板ガラス等比較的壊れや
すいものや表面が傷付き易いもの等の緩衝材、若しく
は、紙を初めとした各巻き取り状態物の緩衝材など、フ
ラット性や柔軟性を要求される用途には殆ど使用するこ
とができず、これらの用途には専ら柔軟性に富むポリオ
レフィン系発泡シートやポリウレタン系発泡シートが多
く使用されている。
【0007】従って、本発明の第1の目的は、柔軟性に
優れ、フラット性が良好であると共に、折り曲げた時に
脆性破壊し難いポリスチレン系樹脂発泡シート積層体を
提供する事にある。本発明の第2の目的は、ポリスチレ
ン系樹脂発泡シートの欠点を解消して用途範囲を拡大す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の諸目的
は、厚さ1mm〜4mmのポリスチレン系樹脂発泡シー
トを基体とするポリスチレン系樹脂発泡シート積層体で
あって、その一方のみの面に、深さが基体の厚みの1/
2〜2/3に達する複数の切り込みを有すると共に、切
り込みのない方の面に厚さ20μm〜200μmの非発
泡樹脂層が積層されてなることを特徴とする、柔軟性を
有するポリスチレン系樹脂発泡シート積層体によって達
成された。
【0009】ポリスチレン系樹脂は特に限定されるもの
ではなく、例えば、汎用ポリスチレン樹脂、ハイインパ
クトポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリロニトリル
共重合体樹脂、スチレン−メチルメタアクリレート共重
合体樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体樹脂、スチレ
ン−無水マレイン酸共重合体樹脂及びこれらの混合物等
の中から適宜選択して使用することができる。
【0010】これらのポリスチレン系樹脂には、発泡核
剤となるタルク、炭酸カルシウム等の無機物、可塑剤及
び安定剤を、所望する物性に応じて添加することができ
る。また、発泡剤としては、ポリスチレン系樹脂発泡体
の発泡剤として公知の物理発泡剤や化学発泡剤の中から
適宜選択して使用することができる。
【0011】物理発泡剤としては、例えばプロパン、ブ
タン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素化合物、フレオ
ン−11、フレオン−12、フレオン−113、フレオ
ン−114(フレオンはデュポン社の商品名)、メチル
クロライド、メチレンクロライド等のハロゲン化炭化水
素化合物を挙げることができる。化学発泡剤としては例
えば、アゾジカーボンアミド等の有機系熱分解型発泡剤
や、重炭酸塩とクエン酸等の有機酸との組み合わせ等を
挙げることができる。
【0012】本発明で用いることができるポリスチレン
系樹脂発泡シートは、一般に行われている押し出し発泡
成型法によって得られるシートを使用することができ
る。押し出し発泡成型法においては、前述の樹脂組成物
(必要に応じて可塑剤、安定剤)と発泡核剤(気泡調整
剤)である無機物及び発泡剤を、所定の温度に加熱され
た押し出し機内で溶融混練し、環状のダイオリフィスか
ら大気中に吐出させることによってポリスチレン系樹脂
発泡体をチューブ状に形成した後、該チューブ状のポリ
スチレン系樹脂発泡体の内面を冷却されたドラムに接触
させて冷却する。
【0013】次いでチューブ状のポリスチレン系樹脂発
泡体を両サイドから切り開き、上下に分割して巻き取る
ことによりポリスチレン系樹脂発泡シートが得られる。
該ポリスチレン系樹脂発泡シートの物性は、厚さが1m
m〜4mmで発泡倍率が5倍〜15倍の範囲になるよう
に、適宜押し出し条件(温度、押し出し量、引き取り速
度、ブローアップ比等の製造条件)を調節することによ
り、及び/又は、発泡剤や発泡核剤等の添加量などによ
って調整することができる。
【0014】得られたポリスチレン系樹脂発泡シートに
は、少なくとも一方の面に厚さ方向の一部を残して切り
込みを入れることによって、単体でも目的とする柔軟性
及びフラット性を付与することができるが、単体では発
泡シート自体の折り曲げ強度が弱いことに加え、切り込
みによって残された厚さ部分が非常に薄くなるため、実
用的には折り曲げ強度を改善するという課題が残る。
【0015】これに対し、本発明の場合には、一方の面
のみに、厚みの1/2〜2/3に達する複数の切り込み
を有する発泡ポリスチレン基体の、切り込みが設けられ
ていない面に非発泡樹脂層が積層されているので、折り
曲げ性、フラット性のみならず曲げ強度も十分である。
本発明においては、ポリスチレン系樹脂発泡シート基体
の両面に非発泡樹脂層を積層し、一方の面から、ポリス
チレン系樹脂発泡シート基材の厚みの、1/2〜2/3
に達する切り込みを設けても良い。本発明によれば、ポ
リスチレン系樹脂発泡シート積層体に、折り曲げ強度を
備えた柔軟性を付与することができるので、従来使用で
きなかったフラット性が要求される用途や、比較的小径
に巻き取る用途等に対しても、用途範囲を拡大すること
となる。
【0016】本発明で使用するポリスチレン系樹脂発泡
シートは、厚さが1mm〜4mmで、発泡倍率が5倍〜
15倍であるが、これは、ポリスチレン系樹脂発泡シー
トの特徴である断熱性、緩衝性、強度及び用途等を考慮
したものである。また、本発明で使用する非発泡樹脂層
は、充分な折り曲げ強度を維持するため、及び経済性の
観点から20μm〜200μmであることが必要であ
る。
【0017】ポリスチレン系樹脂発泡シートと合成樹脂
非発泡樹脂層とを積層する複合化には、一般的に用いら
れている熱ロール間で圧着する所謂熱ラミネーション方
式、及びポリスチレン系樹脂発泡シートと合成樹脂非発
泡樹脂層とを、溶融押し出しされた熱可塑性樹脂層を介
して接着積層する、所謂サンドラミネーション方式、若
しくは、ポリスチレン系樹脂発泡シート基体に、非発泡
樹脂層を直接溶融押し出しして積層する押し出しラミネ
ーション方式のいずれを採用しても良い。
【0018】本発明において、ポリスチレン系樹脂発泡
シートへの切り込みは、先ずポリスチレン系樹脂発泡シ
ート基体の少なくとも一方の面に非発泡性樹脂層を設け
て積層体とした後、刃を有するロールを用いた所謂ダイ
ロール方式、又は、刃を有する板状物を用いた打ち抜き
機、丸刃或いはレザー刃を用いたスリッター方式等、公
知の方法によって、基体の1/2〜2/3に達する切り
込みを入れることによって行われる。この切り込みは、
柔軟性を付与する上から、その間隔を20mm以下とす
ることか好ましいが、強度を加味すると3mm〜20m
mとすることが好ましい。
【0019】切り込み深さを上記の範囲にしたのは、折
り曲げ強度及び全体的な強度の低下を極力抑えるととも
に十分な柔軟性を付与するためである。切り込み深さが
深いと強度低下が顕著となり、浅いと充分な柔軟性を得
ることができない。尚、ポリスチレン系樹脂発泡シート
基体の一方の面にのみ非発泡性樹脂層を設けた場合の切
り込みは、当然、非発泡性樹脂層が積層されていない側
から設けられる。また、本発明のポリスチレン系樹脂発
泡シート積層体の表面に入れる切り込みパターンは任意
である。
【0020】熱ラミネーション方式又はサンドラミネー
ション方式を使用する場合に非発泡樹脂層として用いる
合成樹脂フィルムは、ポリエチレン樹脂フィルム、ポリ
プロピレン樹脂フィルム、ハイインパクトポリスチレン
樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィル
ム等が好ましい。これは、これらのフィルムの強度特性
から、ポリスチレン系樹脂発泡シートの、切り込みを設
けることによる強度低下を極力抑えることができる上、
汎用性のフィルムであるので容易に入手できると共に安
価であり、製造コストの高騰を防止できるからである。
【0021】また、サンドラミネーション方式で使用す
る熱可塑性樹脂層、又は押し出しラミネーション方式で
使用する非発泡性樹脂層としては、ポリエチレン樹脂、
ポリプロピレン樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹
脂、ポリスチレン樹脂等が好ましい。これは、これらの
樹脂が汎用の押し出し設備を用いて基材との接着性を充
分に確保できる特性を有しており、発泡シート積層体の
製造を容易に行えるからである。
【0022】本発明で言う柔軟性は、「たわみ」を指標
としてその程度を評価するものである。即ち、サンプル
を2cm×10cmの長矩体とし、先端に0.1kgの
荷重を乗せて、先端より5cmの梁長さを支点とした時
の先端のたわみ距離を測定し評価する。剛性の高いもの
(柔軟性の劣るもの)ほどたわみ距離は少なく、柔軟性
が増すことによってたわみ距離は大きくなる。また本発
明で言うフラット性は、50cm角のシートサンプルを
平らな場所に静置したときに、カールなどの変形が解消
される程度を評価したものである。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明のポリスチレン系樹脂発泡
シート積層体は厚さ1mm〜4mmのポリスチレン系樹
脂発泡シートの少なくとも一方の面に、熱ラミネーショ
ン法、サンドラミネーション法、又は溶融押し出しによ
って厚さ20μm〜200μmの非発泡樹脂層を積層
し、次いで前記ポリスチレン系樹脂発泡シートに、その
厚みの1/2〜2/3に達する、複数の切り込みを入れ
ることによって製造することができる。
【0024】
【発明の効果】本発明のポリスチレン系樹脂発泡シート
積層体は、ポリスチレン系樹脂発泡シートに必要な最小
限の強度、及び剛性を維持させつつ、柔軟性を与え、表
面からストレスを取り除くことができるため、カールな
どによる外観的不具合が解消され、フラット性に優れる
ので、通常では使用できなかった分野への用途範囲の拡
大が期待される。このことは、ポリスチレン系樹脂発泡
シート積層体としての利用価値を高めるので、本発明は
廃棄物の低減をもたらし、延いては環境保護にも貢献で
きる。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。 実施例1.厚さ2.2mm、発泡倍率9.8倍のポリス
チレン樹脂からなる発泡シートの一方の面に、厚さ30
μmのポリスチレン樹脂から成るフィルムを、表面温度
約150℃に加熱されたロールを用いて、熱圧着によっ
て接着積層(熱ラミネーション方式)し、複合シートを
製造した。
【0026】次いで、該複合シートの発泡シート側(ポ
リスチレン樹脂層が積層されていない側)の表面に、1
0mm間隔で、格子状に深さ1.4mmの切り込みを入
れ、本発明のポリスチレン系樹脂発泡シート積層体を得
た。切り込みを入れる前のポリスチレン系樹脂発泡シー
ト積層体は、巻き取り時についたカールが残存して外観
的に劣るものであったが、切り込みを入れたものは、カ
ールが取れてフラット性に富むシートであった。また、
柔軟性の指標となる「たわみ」は30mmであり、切り
込みを入れる前の従来のシートの3mmに比べ、柔軟性
が改善されたことが明らかである。
【0027】実施例2.切り込みの間隔を5mmとした
他は、実施例1と全く同様にして、本発明のポリスチレ
ン系樹脂発泡シート積層体を得た。得られたポリスチレ
ン系樹脂発泡シート積層体は、実施例1のものと同様に
フラット性が良好である上、「たわみ」は50mmにな
り、実施例1の場合より更に柔軟性が改良された。 実施例3.厚さ3.8mm、発泡倍率11.8倍のポリ
スチレン樹脂からなる発泡シートを用いた他は、実施例
1と全く同様にして複合シートを製造した。次いで、該
複合シートの発泡シート側の表面に、10mm間隔で格
子状に深さ2.4mmの切り込みを入れ、本発明のポリ
スチレン系樹脂発泡シート積層体を得た。得られたポリ
スチレン系樹脂発泡シート積層体は、実施例1と同様に
フラット性に優れるものであり、「たわみ」も22mm
と柔軟性が改善されていた。
【0028】実施例4.厚さ1.4mm、発泡倍率1
0.0倍のポリスチレン樹脂からなる発泡シートを用い
た他は、実施例1と同様にして複合シートを製造した。
次いで、該複合シートの発泡シート側の表面に、10m
m間隔で、格子状に深さ0.7mmの切り込みを入れ、
本発明のポリスチレン系樹脂発泡シート積層体を得た。
得られたポリスチレン系樹脂発泡シート積層体は、実施
例1と同様にフラット性に優れるものである上、「たわ
み」は極めて大きく、測定が不可能であった。
【0029】実施例5.厚さ2.2mm、発泡倍率9.
8倍のポリスチレン樹脂からなる発泡シートの一方の面
に、厚さ30μmのポリスチレン樹脂からなるフィルム
を、溶融押し出されたハイインパクトポリスチレン樹脂
を介して接着積層(サンドラミネーション方式)し、3
層構造の複合シートを製造した。このときのハイインパ
クトポリスチレン樹脂の層厚は100μmであった。つ
いで該複合シートの発泡シート側の表面に実施例1と同
様に切り込みを入れ、ポリスチレン系樹脂発泡シート積
層体を得た。得られたポリスチレン系樹脂発泡シート積
層体のフラット性は良好であり、「たわみ」も23mm
と、柔軟性が改善された。
【0030】実施例6.厚さ2.2mm、発泡倍率9.
8倍のポリスチレン樹脂からなる発泡シートの一方の面
に、ハイインパクトポリスチレン樹脂を150μの厚さ
に溶融押し出しして積層(押し出しラミネーション方
式)し、複合シートを製造した。次いで実施例1と同様
に発泡シート側の表面に切り込みを入れ、ポリスチレン
系樹脂発泡シート積層体を得た。得られたポリスチレン
系樹脂発泡シート積層体のフラット性は良好であり、
「たわみ」は30mmと極めて柔軟性に富んでいた。
【0031】比較例1.切り込みを入れない他は実施例
1と全く同様にして積層シートを製造した。得られたポ
リスチレン系樹脂発泡シート積層体は、巻き取り時につ
いたカールが残存して外観的に劣るものであり、強制的
にカールの修正を試みたが全く解消することができず、
フラット性に劣るものであった。また、「たわみ」は3
mmと、極めて剛直性が高く、柔軟性は殆ど得られなか
った。
【0032】比較例2.切り込みを入れない他は実施例
5と全く同様にして積層シートを得た。得られたポリス
チレン系樹脂発泡シート積層体は、巻き取り時についた
カールが残存して外観的に劣るものであった。また、強
制的にカール修正を試みたが全く解消することができず
フラット性に劣るものであった。更に、「たわみ」は1
mmと極めて剛直性が高く、柔軟性は殆ど得られなかっ
た。
【0033】比較例3.実施例1で使用した厚さ2.2
mm、発泡倍率9.8倍のポリスチレン樹脂からなる発
泡シートの一方の面に10mm間隔で、格子状に深さ
1.1mmの切り込みを入れ、ポリスチレン系樹脂発泡
シート単体の切り込み品を得た。得られたポリスチレン
系樹脂発泡シート単体は、切り込みを入れる前では巻き
取り時についたカールが残存して外観的に劣るものであ
ったが、所定の切り込みを入れたものはカールが取れて
フラット性に富むシートであり、柔軟性も充分に付与さ
れた。しかしながら、その指標となる「たわみ」評価時
に、シート破壊を起こすほどの強度低下を招き、実用す
るには不適当なものであった。
【0034】比較例4.実施例1と同様にして得られた
2層構造の複合シートを用い、実施例1と同様に切り込
みを入れその深さを1.8mmにした。得られた積層シ
ートはフラット性に優れ、柔軟性も充分であったが、比
較例3の場合と同様に「たわみ」評価時にシート破壊を
起こすほどの強度低下を招き、実用するには不適当なも
のであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のポリスチレン系樹脂発泡シート積層
体を示す斜視図である。
【図2】 本発明のポリスチレン系樹脂発泡シート積層
体の各例を示す横断面模式図である。
【図3】 本発明のポリスチレン系樹脂発泡シート積層
体の各例を示す横断面模式図である。
【図4】 本発明のポリスチレン系樹脂発泡シート積層
体の各例を示す横断面模式図である。
【図5】 本発明のポリスチレン系樹脂発泡シート積
層体に入れる切り込みパターンの模式図である。
【図6】 本発明のポリスチレン系樹脂発泡シート積層
体に入れる切り込みパターンの模式図である。
【図7】 本発明のポリスチレン系樹脂発泡シート積層
体に入れる切り込みパターンの模式図である。
【図8】 本発明のポリスチレン系樹脂発泡シート積層
体に入れる切り込みパターンの模式図である。
【図9】 本発明のポリスチレン系樹脂発泡シート積層
体に入れる切り込みパターンの模式図である。
【符号の説明】
1 ポリスチレン系樹脂発泡シート 2 合成樹脂フィルム 3 熱可塑性樹脂層 4 切り込み
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 剛生 東京都新宿区上落合1丁目30番6号 日 本製紙株式会社 商品開発研究所 内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚さ1mm〜4mmのポリスチレン系樹
    脂発泡シートを基体とするポリスチレン系樹脂発泡シー
    ト積層体であって、その一方のみの面に、深さが基体の
    厚みの1/2〜2/3に達する複数の切り込みを有する
    と共に、切り込みのない方の面に厚さ20μm〜200
    μmの非発泡樹脂層が積層されてなることを特徴とす
    る、柔軟性を有するポリスチレン系樹脂発泡シート積層
    体。
  2. 【請求項2】 非発泡樹脂層が、厚さ20μm〜70μ
    mの、ポリエチレン樹脂フィルム、ポリプロピレン樹脂
    フィルム、ハイインパクトポリスチレン樹脂フィルム及
    びポリエチレンテフタレート樹脂フィルムからなる群の
    中から選択されたフィルムであって、ポリスチレン系樹
    脂発泡シート基体に熱圧着により積層されている、請求
    項1に記載された、柔軟性を有するポリスチレン系樹脂
    発泡シート積層体。
  3. 【請求項3】 非発泡樹脂層が、厚さ20μm〜70μ
    mの、ポリエチレン樹脂フィルム、ポリプロピレン樹脂
    フィルム、ハイインパクトポリスチレン樹脂フィルム及
    びポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムからなる群
    の中から選択されたフィルムを、溶融押し出しされた熱
    可塑性樹脂層を介してポリスチレン系樹脂発泡シート基
    体に積層接着して設けられている、請求項1に記載され
    た柔軟性を有するポリスチレン系樹脂発泡シート積層
    体。
  4. 【請求項4】 非発泡樹脂層が、ポリエチレン樹脂、ポ
    リプロピレン樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂及
    びポリスチレン樹脂からなる群の中から選択された樹脂
    を、ポリスチレン樹脂発泡シート基体に溶融押し出しに
    より積層した厚さ50μm〜200μmの層である、請
    求項1に記載された柔軟性を有するポリスチレン系樹脂
    発泡シート積層体。
  5. 【請求項5】 ポリスチレン系樹脂発泡シートの切り込
    みのある面が、予め非発泡樹脂層が設けられた後切り込
    まれた面である、請求項1〜4の何れかに記載された柔
    軟性を有するポリスチレン系樹脂発泡シート積層体。
  6. 【請求項6】 切り込みが3mm〜20mm間隔で複数
    設けられている、請求項1〜5の何れかに記載された柔
    軟性を有するポリスチレン系樹脂発泡シート積層体。
  7. 【請求項7】 切り込みが格子状に設けられている請求
    項6に記載された、柔軟性を有するポリスチレン系樹脂
    発泡シート積層体。
  8. 【請求項8】 ポリスチレン系樹脂発泡シート基体の発
    泡倍率が5倍〜15倍である、請求項1〜7の何れかに
    記載された柔軟性を有するポリスチレン系樹脂発泡シー
    ト積層体。
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