JP3099772B2 - 複合フィルムコンデンサの製造方法 - Google Patents

複合フィルムコンデンサの製造方法

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邦雄 大嶋
康輝 ▲たか▼田
純一郎 平塚
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブラウン管(以下
CRT)を使用するディスプレイの高圧回路等に使用さ
れる高圧用フィルムコンデンサの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、耐電圧が数kV以上必要なコンデ
ンサを複数個使用する回路、例えばCRTを使用するデ
ィスプレイのダブルフォーカス回路には、10〜15k
V程度の耐電圧を有し、静電容量が100〜1000p
Fのコンデンサを2個用意し、1個ずつ別々にホルダー
等で固定して回路に接続し組み立てが行われており、部
品点数を削減して、生産性を向上する上で問題となって
いた。
【0003】そのため、従来より1個のコンデンサ素子
の中に、複数個のコンデンサ素子を持つ高圧用の複合コ
ンデンサが考案されてきており、特公平7−46667
号公報に開示されている。その構造を図に、また同等
価回路を図に、同外観を図に示しており、誘電体フ
ィルム1の長さ方向に複数のコンデンサ要素が直列に接
続されるように金属電極2aを配置し、この金属電極2
a上に誘電体フィルム1を形成し、この誘電体フィルム
1を介して隣り合う金属電極2aと重なるように金属電
極2bを形成する。そして金属電極2bの内、両端と任
意の中間電極から端子を引き出すことで、図に示すよ
うな2個の高耐圧コンデンサを有する複合コンデンサを
構成している。図は、このように構成したものを巻回
しでコンデンサにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の構成では、1個のコンデンサ素子に含まれる2個
の高耐圧コンデンサは、中間電極が共通であるため、前
記ダブルフォーカス回路用のように、2個のコンデンサ
が独立した回路に接続され共通端子がない場合は使用で
きない欠点があった。
【0005】本発明は、このように共通端子がなく独立
した回路にも使用できる複合フィルコンデンサの製造方
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の複合フィルムコ
ンデンサの製造方法は、誘電体フィルムの両面に配置す
る電極を、貫通孔がある長さ方向の絶縁部によって幅方
向に2分割し、且つそれぞれの電極は、誘電体フィルム
の長さ方向に互いに絶縁された複数の電極から構成さ
れ、誘電体フィルムの一方の面の電極が他方の面に配置
された長さ方向に隣合う2つの電極と重なり合って対向
するように配置してコンデンサ素子を形成し、長さ方向
の両端の電極より端子を引き出した後にロール状に巻回
して、互いに絶縁された2個のコンデンサを得、さらに
前記ロール状に巻回した後に含浸剤に浸せきさせること
により、前記含浸剤を前記貫通孔から前記絶縁部に侵入
させることを特徴とする
【0007】通孔によって含浸剤の侵入を容易とし絶
縁部の絶縁耐圧を高めることで、2個のコンデンサ間の
絶縁耐圧を高くする作用がある。
【0008】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の実施の形態につい
て、図1から図を用いて説明する。図1は本発明の複
合フィルムコンデンサの構造図である。同図において、
帯状の誘電体フィルム1、例えばポリエステルフィルム
上にアルミニウム等の金属電極2を、蒸着等によって誘
電体フィルム1の長さ方向の絶縁部3及び幅方向の絶縁
部4により互いに絶縁して複数形成する。さらに誘電体
フィルム5についても誘電体フィルム1と同様に複数の
金属電極2を形成し、誘電体フィルム1の面の電極が誘
電体フィルム5の面に配置された長さ方向に隣合う2つ
の電極と重なり合って対向するように重ね合わせて、長
さ方向にロール状に巻回してコンデンサ素子を形成し、
長さ方向の両端の電極より端子6〜9を引き出し複合フ
ィルムコンデンサを構成する。この構成により端子6と
端子7の間及び端子8と端子9の間には、図2に示す等
価回路のように複数のコンデンサ要素C1〜Cnが直列
接続された高耐圧コンデンサが得られ、1個のコンデン
サ素子の中に互いに絶縁された2個の高耐圧コンデンサ
を有する複合フィルムコンデンサを得ることができる。
図3はロール状に巻回した本発明の複合フィルムコンデ
ンサの外観図である。
【0009】図1において、誘電体フィルム1及び5の
長さ方向の絶縁部3に貫通孔10を設けている。この構
成により、ロール状に巻回した後エポキシ樹脂等の含浸
剤に浸せきすることによって、含浸剤は貫通孔を通して
容易に絶縁部3に侵入し絶縁部3の絶縁耐圧を高めるこ
とで、2個のコンデンサ間の絶縁耐圧を高くする作用を
有する。
【0010】なお、以上の説明では、誘電体フィルムを
ポリエステルフィルムとしたが、ポリプロピレン、ポリ
エチレンナフタレートフィルム等も同様に使用でき限定
するものではない。
【0011】また、誘電体フィルムは電極間に1枚で説
明したが、複数枚重ねても同様に実施可能である。
【0012】また、誘電体フィルム上に形成する金属電
極は金属箔も同様に使用でき、特に端子を接続する電極
にのみ金属箔を用いその他を蒸着電極とする構成が信頼
性の向上には好ましい。
【0013】また、図1の金属電極のX、Yの寸法を任
意に設定することによって2個のコンデンサの静電容量
を任意に得ることができる。
【0014】
【発明の効果】以上の本発明によれば、1個のコンデン
サ素子の中に互いに絶縁された2個の高耐圧コンデンサ
を有する複合フィルムコンデンサを得ることができ、使
用回路での部品点数を削減して、生産性を向上させるこ
ができる効果がある。また、誘電体フィルムの長さ方
向の絶縁部に貫通孔を設けており、この構成により、ロ
ール状に巻回した後エポキシ樹脂等の含浸剤に浸せきす
ることによって、含浸剤は貫通孔を通して容易に絶縁部
に侵入し絶縁部の絶縁耐圧を高めることで、2個のコン
デンサ間の絶縁耐圧を高くすることができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による複合フィルムコン
デンサを示す構造図
【図2】本発明の一実施の形態による複合フィルムコン
デンサの等価回路図
【図3】本発明の一実施の形態による複合フィルムコン
デンサの外観図
【図4】従来の複合フィルムコンデンサの構造図
【図5】従来の複合フィルムコンデンサの等価回路図
【図6】従来の複合フィルムコンデンサの外観図
【符号の説明】
1、5 誘電体フィルム 2 金属電極 3 誘電体フィルムの長さ方向の絶縁部 4 誘電体フィルムの幅方向の絶縁部 6〜9 端子 10 貫通孔 11 金属箔電極 12 リード線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平塚 純一郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 一家 敏文 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−181037(JP,A) 特開 昭54−94653(JP,A) 特開 平7−326541(JP,A) 実開 昭52−59254(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 4/00 - 4/40 H01G 13/00 - 13/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘電体フィルムの両面に配置する電極を、
    貫通孔がある長さ方向の絶縁部によって幅方向に2分割
    し、且つそれぞれの電極は、誘電体フィルムの長さ方向
    に互いに絶縁された複数の電極から構成され、誘電体フ
    ィルムの一方の面の電極が他方の面に配置された長さ方
    向に隣合う2つの電極と重なり合って対向するように配
    置してコンデンサ素子を形成し、長さ方向の両端の電極
    より端子を引き出した後にロール状に巻回して、互いに
    絶縁された2個のコンデンサを得、さらに前記ロール状
    に巻回した後に含浸剤に浸せきさせることにより、前記
    含浸剤を前記貫通孔から前記絶縁部に侵入させることを
    特徴とする複合フィルムコンデンサの製造方法
  2. 【請求項2】 前記含浸剤がエポキシ樹脂である、請求
    項1記載のフィルムコンデンサの製造方法
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