JP3099591U - 工作機械用工具ホルダ - Google Patents
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Abstract
【課題】重量を軽減し、しかもバランス調整手段を設けることにより工具ホルダの回転バランスを良好にして高速回転を可能にする。
【解決手段】アーバーを介して工作機械に取り付けられる本体部と、該本体部に嵌め込まれるところの刃部を備えたツールヘッドからなり、ツールヘッドをアルミ材にて構成するとともに、ツールヘッドの外周面には、等間隔毎に複数のバランスネジ取付用のネジ穴を形成してなる。 軽量化によって回転バランスが良好に維持され、また必要に応じて回転によるバランス負側に位置するバランスネジ取付用のネジ穴内にボルトを螺入させて回転バランスを微細に調整してより高速の回転を可能し作業効率の向上をはかることができる。
【選択図】図1
【解決手段】アーバーを介して工作機械に取り付けられる本体部と、該本体部に嵌め込まれるところの刃部を備えたツールヘッドからなり、ツールヘッドをアルミ材にて構成するとともに、ツールヘッドの外周面には、等間隔毎に複数のバランスネジ取付用のネジ穴を形成してなる。 軽量化によって回転バランスが良好に維持され、また必要に応じて回転によるバランス負側に位置するバランスネジ取付用のネジ穴内にボルトを螺入させて回転バランスを微細に調整してより高速の回転を可能し作業効率の向上をはかることができる。
【選択図】図1
Description
本考案は、マシニングセンタ等の工作機械用刃具を取り付けるための工具ホルダに関し、軽量化と吸震性を良好にし、該工具ホルダにおける本体部の回転バランス性を向上させることにより刃部を備えたツールヘッドの高速回転を可能にすると同時に製品の加工性を良好にすることを目的とする。
マシニングセンタ等の工作機械に加工用の超硬刃具を取り付けるためには工具ホルダが必要であるが、この工具ホルダは一般的にはアーバーにより工作機械に取り付けられる本体部と、この本体部に嵌め込まれるところの刃部を備えたツールヘッドとから構成される。
しかしながら、上記の工具ホルダは通常比重7.87程度のスチール材により構成されているところから自重が重く、そのために回転速度を増すにつれて遠心力も増して回転バランスが悪化して回転ブレを生じ、また刃具の把持力も低下するところから、せいぜい420rpm/min程度までで、それ以上の回転高速化、ひいては製品加工効率の向上を期待することはできない。 この傾向はアーバー基部を基準とし、刃具を備えたツールヘッドまでの距離、すなわち工具長が長くなるほど顕著である。
そこで本考案は、特に工具長の長い工具ホルダであっても、高速回転による回転ブレを殆ど生ずることがなく、また刃具の把持力低下の少ない工具ホルダを開発したものであって、具体的にはアーバーを介して工作機械に取り付けられる本体部と、該本体部に嵌め込まれるところの刃部を備えたツールヘッドからなり、該ツールヘッドをアルミ材にて構成してなるとともに、さらに必要に応じてツールヘッドの外周面に、等間隔毎に複数のバランスネジ取付用のネジ穴を形成してなることを特徴とした工作機械用工具ホルダに関する。
上記の構成において、工作機械に対し、アーバーを介して本体部を取り付けるとともに、該本体部にアルミ製のツールヘッドを嵌め込み、さらに該ツールヘッドに工作用の刃部を取り付けて工具ホルダを構成する。 この工具ホルダを回転させた場合に、ツールヘッドの質量が軽いために回転遠心力が軽減され、工具長がある程度長くてもあまりブレを生ずることがなく、またブレを生じてもツールヘッドの外周面に施した複数のバランスネジ取付用のネジ穴のうち、偏心対称部位に相当するネジ穴内に適当なネジを螺入保持させてバランスを調整することにより回転ブレを無くし、被切削加工面にビリ等の不具合を発生させるのを防止できる。
本考案は上記した通り、アーバーを介して工作機械に取り付けられる本体部と、該本体部に嵌め込まれるところの刃部を備えたツールヘッドからなり、本体部をアルミ材にて構成されているために本体部が軽く、全体重量が著しく軽減されるとともに吸震性があり、しかも刃具の把持力低下も殆どみられないから回転速度を増しても遠心力増加を生じにくいばかりでなく、回転バランスが良好に維持されて回転ブレを生じ難い。 そのために高速回転が可能となり、また切削加工面にビリなどの不具合を生ずることがなく製品の加工効率と品質の向上をはかることができる。
また本体部又はツールヘッドの外周面には、等間隔毎に複数のバランスネジ取付用のネジ穴を形成してあるために、取り付ける刃具の種類如何によっては回転によるバランス負側に位置するバランスネジ取付用のネジ穴内にボルトを螺入させることにより、さらに回転バランスを微細に調整してより高速の回転を可能とすることができる。
以下において本考案の具体的な内容を図1に示した第1実施例をもとに説明すると、1は工作機械用工具ホルダの本体部、4はアーバー、5はツールヘッドを示す。 本体部1はベースフランジ2を基礎とし、片側にアーバー4を一体に取り付けるとともに、反対側にはツールヘッド5を嵌め込んでベースフランジ2に対して複数のネジ3により一体に取り付けるようになっている。
さらにツールヘッド5はアルミ材によって構成され、加工用の刃6a・6b、および7・8が取り付けてあるとともに、さらに外周面には周方向等間隔毎に複数のバランスネジ取付用のネジ穴9・9が形成され、アーバー4の基部からの工具長がhとなるように構成されている。 なおツールヘッド5を構成するアルミ材は、ブリネル硬さがHB:100以上の硬度で、しかも比重:2.70以上の硬質アルミ材の使用が好ましい。
また上記したバランスネジ取付用のネジ穴9・9に螺入させるネジはネジ穴9に合致するものであれば既成のものでもよく、ツールヘッド5の回転バランスに合わせ、質量の負側に対応する1または複数のネジ穴9にネジを螺入させることにより回転バランスの均衡をとる。
また図2には本発明の工作機械用工具ホルダの第2実施例が示されている。 この工具ホルダは片側にアーバー12を、また反対側にツールヘッド取付部11aを、それぞれ一体に有する本体部11と、該本体部11のツールヘッド取付部11aに嵌め込んでネジ16により取り付けられるツールヘッド13とからなり、工具長hはこの場合比較的短く構成され、しかも該ツールヘッド13は前記した第1実施例の場合と同様にアルミ材により構成される。
またこの場合のツールヘッド13は、図2(B)にあらわしたように非円形で同図においてネジ止めされる回転軸芯から左右方向にだけ長く突出させた略長四角形状をなし、さらに該突出両端部にはそれぞれ加工用の刃14a・14bがネジ15によりツールヘッド13の端面に取り付けられている。
さらに図3には本発明の工作機械用工具ホルダの第3実施例が示されている。 この工具ホルダは片側にアーバー22を、また反対側にツールヘッド取付部21aを、それぞれ一体に有する本体部21と、該本体部21のツールヘッド取付部21aに嵌め込んでネジ26により取り付けられるところの、周方向均等間隔毎の外周端縁部にネジ25により取り付けた加工用の刃24a・24b・24c・24dを有する円形のツールヘッド23〔図3(B)参照〕とから構成されている。
上記した3つの実施例の構成において、図示しない工作機械に対し、アーバー4・12・22を介して本体部1・11・21を取り付けるとともに、該本体部1・11・21にアルミ製ツールヘッド5・13・23を嵌め込み、さらに該ツールヘッド5・13・23に加工用の刃部6a・6bあるいは7・8/14a・14b/24a・24b・24c・24dを取り付けて工具ホルダを構成する。 さらにこの工具ホルダを回転させた場合に、工具長hがある程度長くともツールヘッド5・13・23の質量が軽いために回転遠心力が軽減されて、殆ど回転ブレを生じない。
しかし、それでも回転バランスが十分に良好でない場合には、第1実施例の場合においてはツールヘッド5の外周面に施されている複数のバランスネジ取付用のネジ穴9・・・のうち、偏心対称部位に相当するネジ穴9内に適当なネジを螺入保持させてバランスを調整することにより回転ブレを無くし、被切削加工面にビリ等の不具合を発生させるのを防止できる。
また第2実施例の場合においても適宜ツールヘッド13の両端部に同様のバランスネジ取付用のネジ穴(図示省略)を形成して適当なバランスネジを螺入取り付け、また第3実施例の場合においても必要に応じてツールヘッド23の周りにバランスネジ取付用のネジ穴(図示省略)を形成して適当なバランスネジを螺入取り付けることにより、それぞれ回転ブレを無くして高速回転を可能にすることが可能である。
第1実施例で説明したツールヘッド5の材質をスチール材(比重:7.87)からHB:95〜180の範囲のアルミ材(比重:2.70)に変更して工作実験に供した。 使用アルミ材としてHB:95を使用してみたところ、200回転を超えるあたりからブレを生じたが、使用アルミ材としてHB:100を越えると回転バランスが良好となり、しかもツールヘッド5の把持力が向上する結果、ツールヘッド5をスチール材で構成した場合の回転数(430rpm/min)であったものを、4、300rpm/minにまで10.8倍もの回転数向上を実現することができた。
またそれに伴って切削送りについても、スチール材で30mm/minであったものを硬質アルミ材にして360mm/minにまで高速切削を可能とし、さらに切削時間についても12分の1にまで短縮化することができた。 このようにツールヘッド5について硬質のアルミ材を用いた場合においては、重量について約3分の1の軽量化が実現でき、回転バランスが良好となることがわかった。
1 本体部
2 ベースフランジ
3 ネジ
4 アーバー
5 ツールヘッド
6a 加工用の刃部
6b 加工用の刃部
7 工作用の刃部
8 工作用の刃部
9 バランスネジ取付用のネジ穴
11 本体部
11a ツールヘッド取付部
12 アーバー
13 ツールヘッド
14a 加工用の刃部
14b 加工用の刃部
15 ネジ
16 ネジ
21 本体部
22 アーバー
23 ツールヘッド
24 加工用の刃部
25 ネジ
26 ネジ
h 工具長
2 ベースフランジ
3 ネジ
4 アーバー
5 ツールヘッド
6a 加工用の刃部
6b 加工用の刃部
7 工作用の刃部
8 工作用の刃部
9 バランスネジ取付用のネジ穴
11 本体部
11a ツールヘッド取付部
12 アーバー
13 ツールヘッド
14a 加工用の刃部
14b 加工用の刃部
15 ネジ
16 ネジ
21 本体部
22 アーバー
23 ツールヘッド
24 加工用の刃部
25 ネジ
26 ネジ
h 工具長
Claims (3)
- アーバーを介して工作機械に取り付けられる本体部と、該本体部に嵌め込まれるところの刃部を備えたツールヘッドからなり、該ツールヘッドをアルミ材にて構成してなることを特徴とした工作機械用工具ホルダ。
- ツールヘッドの外周面には、等間隔毎に複数のバランスネジ取付用のネジ穴を形成してなることを特徴とした請求項1に記載の工作機械用工具ホルダ。
- ツールヘッドを構成するアルミ材が、HB:100以上の硬度を有する硬質アルミ材であるところの請求項1又は請求項2に記載の工作機械用工具ホルダ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003270312U JP3099591U (ja) | 2003-07-31 | 2003-07-31 | 工作機械用工具ホルダ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003270312U JP3099591U (ja) | 2003-07-31 | 2003-07-31 | 工作機械用工具ホルダ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3099591U true JP3099591U (ja) | 2004-04-08 |
Family
ID=43253288
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003270312U Expired - Fee Related JP3099591U (ja) | 2003-07-31 | 2003-07-31 | 工作機械用工具ホルダ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3099591U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015058484A (ja) * | 2013-09-17 | 2015-03-30 | トヨタ自動車株式会社 | 工具ホルダ |
-
2003
- 2003-07-31 JP JP2003270312U patent/JP3099591U/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015058484A (ja) * | 2013-09-17 | 2015-03-30 | トヨタ自動車株式会社 | 工具ホルダ |
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