JP3099269U - 壁面への固定手段を備える水変色性シート - Google Patents

壁面への固定手段を備える水変色性シート Download PDF

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Abstract

【課題】壁や窓ガラス、ドア等の床に対して垂直な壁面への、1つ以上の固定手段を備える水変色性シートを提供する。
【解決手段】水変色性シート1を広げることが可能なだけの空間が無い場合、例えば子供が玩具を整理整頓していない時であっても、壁や窓ガラス、ドアなどに本水変色性シート1を固定用吸盤13で固定することができるので、床面に限定されず、様々な壁面上でも幼児が自由に文字や絵を描くことが出来る。
【選択図】      図4

Description

【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、壁やドア、その他の床に対して垂直な面への固定手段を備える水変色性シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
水変色性シートについては多数の従来例が存在している。多くは防水層、支持層、着色層、多孔質層等の順に積層され、水を多孔質層に塗布すると、該多孔質層が半透明化し、下層の着色層が発色する仕組みである。(例えば、特許文献1参照。)。更に、着色層の上に可視像として手本となる文字を設けて、使用者が文字の練習をすることができる水変色性シートも存在している。即ち、手本からはみ出なければ可視像しか見えないが、手本からはみ出して書いた場合は着色層の色が筆の跡として現われる仕組みである(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
一方で、壁掛け可能な筆記可能なシートとして種々のカレンダーが存在しているが、日付欄以外に拭き取り消去可能なホワイトボードを設けた壁掛けカレンダーが公開されている。(例えば、特許文献3参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特公昭50−5097号公報
【特許文献2】
実公昭55−31750号公報
【特許文献3】
特開平10−35141号公報
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
これらの水変色性シートは、床面に広げてその上で幼児が絵を描いて遊ぶのが通常の使用法であった。絵を自由に描く為には、床面が平坦であること、水変色性シートを広げることができるだけの空間があることが必要であった。しかし、居住空間の問題や子供が玩具を整理整頓していない等の理由によりシートを広げるのに充分な空間を確保することができない場合があった。またホワイトボード付カレンダーは、書いた文字や絵の拭き取り消去は可能ではあるものの、専用の筆記具とその消去用具を用いなければならず、水で描け、乾燥すれば絵や文字が自然に消えるような水変色性シートの利便性を備えてはいなかった。
【0006】
そこで本考案では、従来技術の問題点に鑑みなされたもので、壁、窓ガラス、ドアなどへの1つ以上の固定手段を備える水変色性シートを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の考案は、防水層、支持層、着色層、可視像、多孔質層の順に積層した水変色性シートであって、壁、窓ガラス、ドア等の床に対して垂直な壁面への、1つ以上の固定手段を備えることを特徴とする。
【0008】
本考案によれば、水変色性シートを広げることが可能なだけの空間が無い場合、例えば子供が玩具を整理整頓していない時であっても、壁や窓ガラス、ドアなどに本水変色性シートを固定することができるので、床面に限定されず、壁面上でも幼児が自由に文字や絵を描くことが出来る。
【0009】
請求項2記載の考案は、前記壁面への固定手段が、紐による掛止、磁石による固定、又は吸盤による固定であることを特徴とする。
【0010】
本考案によれば、水変色性シートがその設置環境に応じた種々の固定手段を備えているので、ある程度平滑な壁面であれば床面、床面に垂直な壁面に限らず種々の面に固定することができる。
【0011】
【考案の実施の形態】
本考案の水変色性シートは、平滑な面への1つ以上の固定手段を備えており、床面又は壁面を問わず幼児が自由に好きな場所でシートを広げることができる。また、シート上には可視像として特定のキャラクタの絵やそれに関連する文字が印刷されている。
【0012】
【実施例】
以下、図面に基いて本考案の実施例を詳細に説明する。
図1は本考案の水変色性シートの断面図である。防水層2、支持層3、着色層4、可視像5、多孔質層6の順に積層されている。
【0013】
防水層2は積層構造の最下部にあり、水分を外部に漏出させることのない材質を選択する必要がある。本実施例では、防水層2はポリエチレンを主成分としており、厚み0.2ミリメートルで白色の防水シートである。本防水シートは水分を完全に遮断する効果がある。
【0014】
支持層3は前記防水層2上に設けられ、水分の透過を妨げる効果を持つと共に、ベースとなる生地として丈夫な素材で構成されることが求められる。本実施例では、前記要求を満たすポリエステル65%と綿35%の混紡素材、所謂TCブロードを使用する。
【0015】
着色層4は前記支持層3上に設けられ、着色剤と結合剤、溶剤、分散剤を均等に混合して得られる水性塗料を前記支持層に印刷して得られる。
【0016】
前記着色剤は所望の色が得られる着色顔料であり、カーボンブラック、酸化チタン、などの無機顔料、銅フタロシアニン系顔料、スレン系顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アンスラキノン系顔料、ジオキサン系顔料、インジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、インドレノン系顔料、アゾメチン系顔料などの有機顔料のほか、蛍光顔料、着色樹脂エマルジョンなどが挙げられる。前記顔料の中から任意のものを選択し、着色剤として添加する。
【0017】
前記結合剤は、接着性及び耐水性に優れた水系樹脂エマルジョンであり、具体的にはアクリル樹脂、酢酸ビニル−アクリル共重合樹脂、酢酸ビニル樹脂などが挙げられる。本実施例では酢酸ビニル−アクリル共重合樹脂を使用する。
【0018】
前記溶剤として、粘度調整のために製造時に必要な量の水を使用することができる。好適にはイオン交換水や蒸留水が用いられる。
【0019】
前記分散剤は顔料などの分散性や着色塗料全体の粘度を維持する目的で添加されるもので、セルロース系水溶性樹脂が使用される。具体的には、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロースなどが挙げられる。前記セルロース系水溶性樹脂の中から任意のものを選択し、分散剤として添加する。
【0020】
また、前記水性塗料には防腐剤、消泡剤などを適宜添加することができる。防腐剤としては「プロクセルXL−2」(ベンゾイソチアゾリン系、アビシア社製)が、消泡剤としては「ノブコ8034L」(シリコン系、サンノブコ社製)が挙げられ、防腐剤は1.0%まで、消泡剤は0.5%程度まで添加することができる。
【0021】
着色層4を形成する前記水性塗料は、前記水溶性樹脂を用いて予めメジウムを製造しておき、このメジウムと他の原料とを公知の攪拌装置(ミキサー、ロールミル等)を適宜用いて攪拌した後、各種のロールミル、ビーズミル等で分散することにより製造することができる。原料の配合順序なども特に限定されるものではない。
【0022】
可視像5としては、前記着色層4上に該着色層4と異なる色調で、図2に示すような記号や文字又は漫画やアニメのキャラクターの絵などが印刷されている。また、前記可視像5は乾燥状態でも多孔質層6を通して明瞭に視認することが可能である。
【0023】
多孔質層6は前記可視像5上に設けられ、基本的には前記着色層4と成分、製法はほぼ同じである。即ち、低屈折顔料と前記結合剤、溶剤、分散剤を均等に混合して得られる水性塗料を前記可視像5または着色層4上に印刷して得られる。また、必要に応じて、前記消泡剤や防腐剤も添加することが可能である。低屈折顔料としては、無定形シリカや炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどが用いられる。本実施例では炭酸マグネシウムを添加する。また、前記多孔質層6は白色であり、水分を透過することにより半透明になり、下層の着色層4や可視像5が明瞭に表示される。
【0024】
図2は本考案の水変色性シートの上面図である。可視像としてはキャラクタの絵7やそれに関連する文字8などを前記着色層の上に印刷してあり、これらの可視像はその上層である多孔質層を通して明瞭に視認できる。
【0025】
図2は本考案の実施例で、掛止用の掛紐を備えた水変色性シートである。シート上部の両端には通し穴9が二個所設けられ、前記通し穴9を通して掛紐10が配置されている。壁に掛止用フック11を設置し、前記掛紐10を掛けることにより水変色性シート1を壁に掛止することができる。この方法によれば、床に水変色性シート1を広げることができなくても、壁面をベースとして自由に水変色性シート1に絵や文字を描くことが出来る。
【0026】
図3は本考案の実施例で、裏面に固定用薄型磁石を備えた水変色性シートである。シートの上下左右には合計4個の固定用薄型磁石12が備えられ、磁性を備える金属材質の壁面、例えばスチール製の壁や扉などに水変色性シート1を磁力で固定することができる。
【0027】
図4は本考案の実施例で、裏面に固定用吸盤を備えた水変色性シートである。シートの上下左右には合計4個の樹脂製の固定用吸盤13が備えられており、平滑な面であれば水変色性シート1を自由に壁面に吸着固定することが可能である。
【0028】
前記実施例では、水変色性シートが各々1つの固定手段のみ備えているが、前記固定手段のうちの複数を同時に備えることも可能である。また、当然のことながら通常通りに床面にシートを広げて遊ぶことも可能である他、平滑な面であれば床、壁面に限定されず水変色性シートを固定することが出来る。
【0029】
なお、本考案の水変色性シートの着色層、多孔質層などの各層の色は本考案の実施例に限定されること無く、任意の色を持つことが可能である。また、本考案の水変色性シートの固定手段は種々の水変色性シートに適用可能である。
【0030】
【考案の効果】
本考案は以上説明したような形態で実施され、次のような効果を有する。
【0031】
本考案によれば、水変色性シートを広げることが可能なだけの空間が無い場合、例えば子供が玩具を整理整頓していない時であっても、壁や窓ガラス、ドアなどに本水変色性シートを固定することができるので、床面に限定されず、壁面上でも幼児が自由に文字や絵を描くことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の水変色性シートの断面の概念図である
【図2】本考案の実施例である、掛止用の掛け紐を備えた水変色性シートである。
【図3】本考案の実施例である、壁面固定用の薄型磁石を裏面に備えた水変色性シートである。
【図4】本考案の実施例である、壁面固定用の吸盤を裏面に備えた水変色性シートである。
【符号の説明】
1 水変色性シート本体
2 防水層
3 支持層
4 着色層
5 可視像
6 多孔質層
7 漫画やアニメのキャラクタの絵
8 文字
9 通し穴
10 掛紐
11 掛止用フック
12 固定用薄型磁石
13 固定用吸盤

Claims (2)

  1. 防水層、支持層、着色層、可視像、多孔質層の順に積層され、多孔質層が水分を含有することにより光が透過し、着色層の色が鮮やかに発色される水変色性シートであって、壁、窓ガラス、ドア等の床に対して垂直な壁面への、1つ以上の固定手段を備えることを特徴とする水変色性シート。
  2. 前記固定手段が、紐による掛止、磁石による固定又は吸盤による固定であることを特徴とする請求項1記載の水変色性シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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