JP3099214B2 - 可変容量油圧ポンプのトルク制御装置 - Google Patents
可変容量油圧ポンプのトルク制御装置Info
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Description
される可変容量油圧ポンプを含むパワーユニットにおけ
る、上記ポンプのトルク制御装置に関する。
平4−362286号公報等に開示されている如く、油
圧ショベル等の建設機械に装備されているパワーユニッ
トは、ガバナを有する燃料噴射手段を備えたディーゼル
エンジン、このエンジンによって駆動される可変容量油
圧ポンプ、油圧ポンプから圧油が供給される、油圧シン
リンダの如きアクチュエータ、アクチュエータの作動を
制御するための操作器、及び上記油圧ポンプのトルク制
御装置を含んでいる。可変容量油圧ポンプはトルク一定
特性(吐出圧の変動に対応して吐出量が変動せしめられ
てトルクが一定に維持される特性)を有する。トルク一
定特性を有する可変容量油圧ポンプの典型例としては、
排出量を変動せしめるために斜板の傾斜角度を変化せし
める斜板制御機構に吐出圧がフィードバックされる形態
の斜板型アキシャルピストンポンプを挙げることができ
る。かようなパワーユニットにおける上記制御装置は、
一般に、検出されるエンジンの回転数に応じて、油圧ポ
ンプの吐出量(従って斜板型アキシャルピストンポンプ
の場合は斜板傾斜角度)を適宜に補正して油圧ポンプの
トルクを適宜に制御している。
ニットにおける従来のトルク制御装置には、アクチュエ
ータが急激に作動せしめられる等に起因して油圧ポンプ
の吐出圧に相当大きな変動が生成せしめられた時に、吐
出圧の変動に応じて吐出量が変動され、そして更に吐出
量の変動に起因して更に吐出圧が変動されるという現象
が比較的長時間に渡って繰り返えされ、アクチュエータ
に所謂ハンチングと称される振動が比較的長時間に渡っ
て持続される、という問題が存在する。
あり、その主たる技術的解決課題は、上記パワーユニッ
トにおける可変容量油圧ポンプのトルク制御装置を改良
して、アクチュエータの急激な作動等に起因して油圧ポ
ンプの吐出圧に相当大きな振動が生成せしめられた場合
にも、かかる変動が充分迅速に且つ効果的に減衰され、
かくして吐出圧及び吐出量に望ましくない振動が比較的
長時間に渡って持続することが充分確実に回避されるよ
うになすことである。
解決するために、本発明においては、可変容量ポンプの
トルク制御装置を改良して、ポンプの吐出圧を検出し、
この検出圧力における交流成分、即ち高周波数で変動す
る変動成分を導出し、そしてかかる交流成分にゲインを
乗じて制振吐出量を導出し、この制振吐出量をポンプの
吐出量補正に加えるようになす。
有する燃料噴射手段を備えたエンジン、該エンジンによ
って駆動される可変容量油圧ポンプ、該ポンプから圧油
が供給される少なくとも1個の油圧アクチュエータ、該
ポンプの吐出圧を検出する吐出圧検出器、及び該アクチ
ュエータの作動を制御するための操作器を含むパワーユ
ニットにおける、該ポンプのトルク制御装置にして、該
操作器の状態に対応して該ポンプの要求吐出量を導出す
る要求吐出量導出手段と、目標トルクを設定する目標ト
ルク設定手段と、該吐出圧検出器が検出する検出吐出圧
における交流成分を導出するための吐出圧交流成分導出
手段と、該検出吐出圧における直流成分を導出するため
の吐出圧直流成分導出手段と、該要求吐出量と該検出吐
出圧の該直流成分とから該ポンプの要求トルクを導出す
る要求トルク導出手段と、該目標トルクを該要求トルク
で除算し且つ除算値を1以下に制限して補償係数を導出
する補償係数導出手段と、該要求吐出量に該補償係数を
乗算して補償吐出量を導出する補償吐出量導出手段と、
該検出吐出圧の該交流成分にゲインを乗算して制振吐出
量を導出する制振吐出量導出手段と、該補償吐出量と該
制振吐出量から補正吐出量を導出する補正吐出量導出手
段とを具備する、ことを特徴とするトルク制御装置が提
供される。
を有する燃料噴射手段を備えたエンジン、該エンジンに
よって駆動される可変容量油圧ポンプ、該ポンプから圧
油が供給される少なくとも1個の油圧アクチュエータ、
該ポンプの吐出圧を検出する吐出圧検出器、該エンジン
の回転数を検出するエンジン回転数検出器、及び該アク
チュエータの作動を制御するための操作器を含むパワー
ユニットにおける、該ポンプのトルク制御装置にして、
該操作器の状態に対応して該ポンプの要求吐出量を導出
する要求吐出量導出手段と、目標トルクを設定する目標
トルク設定手段と、該吐出圧検出器が検出する検出吐出
圧における交流成分を導出するための吐出圧交流成分導
出手段と、該検出吐出圧における直流成分を導出するた
めの吐出圧直流成分導出手段と、該要求吐出量と該検出
吐出圧の該直流成分とから該ポンプの要求トルクを導出
する要求トルク導出手段と、目標エンジン回転数を設定
する目標エンジン回転数設定手段と、該エンジン回転数
検出器が検出する検出回転数から該目標回転数を減算し
て回転数偏差を導出する回転数偏差導出手段と、該回転
数偏差に基いて補償トルクを導出する補償トルク導出手
段と、該目標トルクと該補償トルクとを加算して補償目
標トルクを導出する補償目標トルク導出手段と、該補正
目標トルクを該要求トルクで除算し且つ除算値を1以下
に制限して補償係数を導出する補償係数導出手段と、該
要求吐出量に該補償係数を乗算して補償吐出量を導出す
る補償吐出量導出手段と、該検出吐出圧の該交流成分に
ゲインを乗算して制振吐出量を導出する制振吐出量導出
手段と、該補償吐出量と該制振吐出量とから補正吐出量
を導出する補正吐出量導出手段とを具備する、ことを特
徴とするトルク制御装置が提供される。
吐出圧における交流成分、即ち吐出圧の振動を生成する
ところの高周波数(更に詳しくはパワーユニットの固有
振動数近傍の高周波数)で振動する変動成分が導出さ
れ、そしてかかる変動成分を減衰せしめるための制振吐
出量が直接的に導出され、ポンプの吐出量補正(トルク
補正)にかかる制振吐出量が加えられる。かくして、後
述する図4及び図5に関する記載からも理解されるとお
り、ポンプの吐出圧における振動が充分迅速に且つ効果
的に減衰せしめられる。
装置の好適実施例を具備するパワーユニットの一例を図
示している添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
装備されるパワーユニットの主要構成要素が簡略に図示
されている。このパワーユニットは,ガバナを有する燃
料噴射手段を備えたそれ自体は周知のディーゼルエンジ
ンでよいエンジン2を含んでいる。図2はこのエンジン
2の出力特性(エンジン回転数と出力トルクとの関係)
を示している。周知の如く、燃料噴射手段のガバナで回
転制御が遂行されるガバナ域においては、負荷トルクに
応じた出力トルクが安定して得られる。一方、ガバナに
よる回転制御限度を越えるラギング域においては、、負
荷トルクが増大するとエンジン回転数が大幅に低下せし
められる。そして、負荷トルクが過大になると、エンジ
ン回転数が過剰に低下し、エンジン停止に至る。従っ
て、エンジン2をガバナ域において安定して運転せしめ
るためには、エンジン2の負荷トルク(従って後述する
可変容量油圧ポンプ4a及び4bのトルク)が所定値
(ガバナ域における最大トルク値以下に設定される所定
値)を越えないように制御することが必要である。ま
た、高出力トルクを得るためにエンジン2をラギング域
において運転せしめる時には、エンジン停止を確実に回
避するために、エンジン回転数が所定値(例えば最大出
力トルク点における回転数よりも幾分大きい回転数)以
下に低下しないように制御することが重要である。
ワーユニットには、上記エンジン2によって回転駆動さ
れる2台の可変容量油圧ポンプ4a及び4bが配設され
ている。かかる油圧ポンプ4a及び4bの各々は、斜板
制御機構6a及び6bが付設されている斜板型アキシャ
ルピストンポンプであるのが好都合である。当業者には
周知の如く、斜板制御機構6a及び6bには油圧ポンプ
4a及び4bの吐出圧がフィードバックされ、後述する
とおりにして斜板制御機構6a及び6bに制御操作が加
えられない限り、油圧ポンプ4a及び4bの吐出量はそ
れらのトルクが一定に維持されるように制御される(所
謂トルク一定制御)。パワーユニットには複数個(図1
には2個のみを図示している)のアクチュエータ8a及
び8bが配設されており、油圧シリンダ機構等でよいか
かるアクチュエータ8a及び8bに負荷が作用する。か
かるアクチュエータ8a及び8bには、制御弁機構10
を介して上記油圧ポンプ4a及び4bから圧油が供給さ
れる。アクチュエータ8a及び8bの作動は手動操作器
12によって制御され、操作器12によって設定される
速度でアクチュエータ8a及び8bを作動せしめるため
に、圧油がアクチュエータ8a及び8bに供給される。
て改良されたトルク制御装置14が配設され、そしてか
かるトルク制御装置14に関連せしめて、油圧ポンプ4
a及び4bの吐出圧を検出する吐出圧検出器16a及び
16b、エンジン2の回転数を検出するエンジン回転数
検出器18、並びに電気油圧変換手段20a及び20b
が配設されている。上記操作器12からの電気信号と共
に、吐出圧検出器16a及び16bからの電気信号並び
にエンジン回転数検出器18からの電気信号がトルク制
御装置14に供給される。マイクロコンピュータから構
成することができるトルク制御手段14の出力信号は、
電気油圧変換手段20a及び20bに供給され、かかる
電気油圧変換手段20a及び20bにおいて油圧信号に
変換され、しかる後に上記斜板制御機構6a及び6bに
供給され、かくして油圧ポンプ4a及び4bの吐出量
(従ってトルク)が適宜に制御される。
おける信号処理を示す信号フローチャートである図3を
参照して、トルク制御装置14による斜板制御機構6a
及び6bの制御を説明する。信号処理の点から考察する
と、図示のトルク制御装置14は、油圧ポンプ4aに付
設されている斜板制御機構6aに関連せしめて配設され
た電気油圧変換手段20aに出力信号を供給する第一ト
ルク制御部22aと、油圧ポンプ4bに付設されている
斜板制御機構6bに関連せしめて配設された電気油圧変
換手段20bに出力信号を供給する第二トルク制御部2
2bと、トータルトルク制御部24と、エンジン回転制
御部26とを含んでいる。
と、上記吐出圧検出器16a(図1)が検出する、油圧
ポンプ4aの吐出圧はバンドパスフィルタ102aに供
給される。吐出圧交流成分導出手段を構成するバンドパ
スフィルタ102aは、検出吐出圧における、パワーユ
ニットの固有振動数近傍の高周波数で変動する変動成分
即ち交流成分を抽出し、これを減算器104aに供給す
る。吐出圧直流成分導出手段を構成する減算器104a
には上記交流成分が供給されると共に吐出圧検出器16
aが検出する吐出圧も供給され、油圧ポンプ4aの吐出
圧から上記交流成分が減算され、かくして油圧ポンプ4
aの吐出圧における、低周波数で変動する変動成分即ち
直流成分が導出される。要求吐出量導出手段106aは
手動操作される上記操作器12(図1)の状態に応じて
油圧ポンプ4aの要求吐出量を導出する。要求吐出量導
出手段106aが導出する要求吐出量は乗算器108a
に供給される。要求トルク導出手段を構成する乗算器1
08aは、上記減算器104aから供給される、油圧ポ
ンプ4aの吐出圧の直流成分と、要求吐出量導出手段1
06aから供給される要求吐出量とを乗算して、油圧ポ
ンプ4aの要求トルクを導出する。そして、かかる要求
トルクはトータルトルク制御部24に供給される(これ
については後に更に言及する)。要求吐出量導出手段1
06aが導出する要求吐出量は乗算器110aにも供給
される。補償吐出量導出手段を構成する乗算器110a
は、要求吐出量導出手段106aから供給される要求吐
出量とトータルトルク制御部24から供給される補償係
数とを乗算して、油圧ポンプ4aの吐出量(従ってトル
ク)を適宜に制御するための補償吐出量を導出する(ト
ータルトルク制御部24から供給される補償係数につい
ては後に更に言及する)。上記バンドパスフィルタ10
2aが抽出する吐出圧の交流成分は、制振吐出量導出手
段112aにも供給され、この制振吐出量導出手段11
2aは吐出圧の交流成分にゲインを乗算して、油圧ポン
プ4aの吐出量における振動を減衰するための制振吐出
量を導出する。吐出圧の交流成分に乗算せしめられるゲ
イン自体は、本発明が適用されるパワーユニットにおい
て遂行される実験から算出することができる。上記乗算
器110aが導出する補償吐出量と、上記制振吐出量導
出手段112aが導出する制振吐出量とは減算器114
aに供給される。補正吐出量導出手段を構成する減算器
114aは補償吐出量から制振吐出量を減算して補正吐
出量を導出し、かかる補正吐出量を最小値選択手段11
6aに供給する。
ンプ4aの吐出量が必要量を越えて増大せしめられてし
まうことを確実に回避するために、上記要求吐出量導出
手段106aが導出する要求吐出量自体も直接的に供給
される。更に、上記減算器104aが導出する吐出圧の
直流成分は制限吐出量導出手段118aに供給される。
制限吐出量導出手段118aは、油圧ポンプ4aに許容
される最大トルク値と上記吐出圧の直流成分とから油圧
ポンプ4aに許容される吐出量の限度即ち制限吐出量を
導出し、そして油圧ポンプ4aの吐出量が許容量を越え
て増大せしめられてしまうことを確実に回避するため
に、上記制限吐出量を上記最小値選択手段116aに供
給する。最小値選択手段116aは、それに供給される
上記補償吐出量、要求吐出量及び制限吐出量のうちの最
小値を選択して、上記電気油圧変換手段20aに供給す
る。
トルク制御部22aと実質上同一である。それ故に、第
一トルク制御部22aにおける構成要素と第二トルク制
御部22bにおける構成要素とに関して、実質上同一の
構成要素には同一の数字を使用し、第一トルク制御部2
2aの構成要素については数字にaを付し第二トルク制
御部22bの構成要素については数字にbを付している
ことに言及して、第二トルク制御部22bの構成につい
ての説明は省略する。
トルク制御部24は目標トルク設定手段120を含んで
いる。この目標トルク設定手段120には、例えば建設
機械によって遂行される作業が比較的軽作業である場合
には図2に示す出力特性におけるガバナ域のトルクLが
目標トルクとして手動で設定され、建設機械によって遂
行される作業が比較的重作業である場合には図2に示す
出力特性におけるガバナ域のトルクHが目標トルクとし
て手動で設定される。目標トルク設定手段120に設定
される目標トルクは加算器122に供給される。加算器
122の他方の入力には切替え器124の出力が接続さ
れている。状態切替え手段を構成する切替え器124は
手動操作される作動モード選択器126によってその状
態が切替えられる。切替え器124がOFFに設定され
ている時には、定数設定器127からの零信号が切替え
器124を介して上記加算器122に供給され、従って
加算器122は入力された目標トルクをそのまま出力す
る。切替え器124がONに設定された場合にはエンジ
ン回転制御部26からの信号が切替え器124を介して
加算器122に供給される(これについては後に更に言
及する)。そして、加算器122の出力は除算器128
に供給される。一方、上記第一トルク制御部22aにお
ける乗算器108aの出力、即ち油圧ポンプ4aの要求
トルクと、上記第二トルク制御部22bにおける乗算器
108bの出力、即ち油圧ポンプ4bの要求トルクとは
加算器130において加算された後に、除算器128に
供給される。除算器128は加算器122が出力する目
標トルク(或いは後述する補償目標トルク)を加算器1
30から供給される総要求トルクで除算して、リミッタ
132に供給する。リミッタ132は出力値を1以下の
値に制限、換言すれば入力される値が1以下の場合(総
要求トルクが目標トルク又は補償目標トルクよりも大き
い場合)にはかかる値をそのまま出力し、入力される値
が1よりも大きい場合(総要求トルクが目標トルク又は
補償目標トルクよりも小さい場合)には1にして出力す
る。即ち、除算器128とリミッタ132とは協働して
補償係数導出手段を構成し、目標トルク(或いは後述す
る補償目標トルク)を総要求トルクで除算し且つ除算値
を1以下に制限して補償係数を導出する。かかる補償係
数は上記第一トルク制御部22aの乗算器110a及び
上記第二トルク制御部22bの乗算器110bに供給さ
れる。乗算器110a及び110bにおいては、上述し
たとおり、要求吐出量106a及び106bから供給さ
れる要求吐出量に上記補償係数が乗算されて補償吐出量
が導出される。従って、上記切替え器124がOFFに
設定されている場合には、エンジン2(図1)の出力ト
ルクがガバナ域における上記L又はHを越えるのを回避
して、油圧ポンプ4a及び4bの吐出量(従ってトル
ク)が適切に制御される。
記目標トルク設定器120に設定されている目標トルク
と上記加算器130の出力である総要求トルクとが供給
される減算器134も配設されている。減算器134は
総要求トルクから目標トルクを減算し、その結果を係数
発生器136に供給する。係数発生器136は減算器1
34の出力が零より大きい時(従って、総要求トルクが
目標トルクよりも大きい時)には係数1を出力し、それ
以外の時は係数零を出力する。
回転制御部26は目標エンジン回転数設定手段138を
含んでいる。この目標エンジン回転数設定手段138に
は、図2に示す出力特性におけるラギング域中の回転数
Gが目標エンジン回転数として手動で設定される。そし
て、かかる目標エンジン回転数は減算器140に供給さ
れる。回転数偏差導出手段を構成する減算器140に
は、上記エンジン回転数検出器18(図1)が検出する
エンジン2の検出回転数も供給され、減算器140は検
出エンジン回転数から目標エンジン回転数を減算して回
転数偏差を導出する。かかる回転数偏差は乗算器142
に供給され、乗算器142において上記係数発生器13
6が出力する係数1又は零を乗算される。従って、係数
発生器136が係数1を発生する時のみ、換言すれば総
要求トルクが目標トルクよりも大きい時にのみ、上記回
転数偏差に基づく制御が有効になる。乗算器142の出
力はリミッタ144に供給され、リミッタ144によっ
て所要範囲内に制限される。リミッタ144によるかか
る制限は、エンジン回転数検出器18によって検出され
る検出回転数がノイズ等によって異常に変化した場合
に、かかる異常値に基いて油圧ポンプ4a及び4bの斜
板制御機構6a及び6bを急激に制御してしまうことを
回避する。リミッタ144の出力は更に補償器146に
供給され、補償器146においては、それ自体は周知の
PID(比例・積分・微分)制御処理が実行される。そ
して、補償器146の出力は、上記切替え器124がO
Nに設定されている場合に、上記切替え器124を介し
て上記加算器122に供給される。切替え器124は、
例えば建設機械によって遂行される作業が重作業であ
り、必要に応じて図2に示す出力特性においてガバナ域
における出力トルクを越えてラギング域における出力ト
ルクが望まれる場合等に、ONに選定される。補償器1
46の出力が切替え器124を介して加算器122に供
給される場合には、加算器122は上記目標トルクと補
償器146の出力とを加算して、上記回転数偏差を考慮
して補償された補償目標トルクを導出する(従って、加
算器122は補償目標トルク導出手段を構成する)。か
かる補償目標トルクは目標トルクに代えて上記除算器1
28に供給され、補償係数導出手段を構成する除算器1
28及びリミッタ132は、目標トルクではなくて補償
目標トルクを総要求トルクで除算し且つ除算値を1以下
に制限して、第一トルク制御部22aの乗算器110a
及び第二トルク制御部22bの乗算器110bに供給す
る補償係数を導出する。
置14においては、第一トルク制御部22aの最小値選
択手段116a及び第二トルク制御部22bの最小値選
択手段116bに供給される補正吐出量は、油圧ポンプ
4a及び4bの吐出圧における交流成分に基いて算出さ
れた制振吐出量を加味した値である。それ故に、アクチ
ュエータ8a及び8bにおける負荷の急激な変化等に起
因して油圧ポンプ4a及び4bの吐出圧に急激な変動が
生成せしめられた場合にも、かかる吐出圧の変動は充分
迅速に減衰せしめられ得る。因みに、本出願人が製造及
び販売している油圧ショベルにおけるパワーユニットに
おいて、上記制振吐出量を加味した場合の制振効果を実
際に検証したところ、一例として、制振吐出量を加味し
なかった場合の油圧ポンプの吐出圧の変動が図4に示す
とおりであったのに対して、制振吐出量を加味して油圧
ポンプのトルク制御を遂行した場合の油圧ポンプの吐出
圧の変動は図5に示すとおりであり、制振吐出圧を加味
することによる吐出圧の変動減衰効果が顕著なものであ
ることが確認された。
124がOFFに設定されている場合には、エンジン2
がガバナ域において安定して運転され得るように油圧ポ
ンプ4a及び4bのトルクが制御されるが、状態切替え
手段を構成する切替え器124がONに設定されると、
高トルクを出力するためにエンジン2はラギング域にお
いても運転される。そして、この場合には、油圧ポンプ
4a及び4bのトルク制御にエンジン2の検出回転数が
加味され、これによってエンジン2の回転数が所定値
(図2におけるG)を越えて低下しないように制御さ
れ、かくしてエンジン回転数が過剰に低下してエンジン
停止に至ることが充分確実に回避される。
適実施例が適用されたパワーユニットの一例を示す簡略
図。
特性線図。
の信号処理を示す信号フローチャト。
加味しないで油圧ポンプのトルク制御を遂行した時の油
圧ポンプの吐出圧変動を示す線図。
加味して油圧ポンプのトルク制御を遂行した時の油圧ポ
ンプの吐出圧変動を示す線図。
段) 102b:バンドパスフィルタ(吐出圧交流成分導出手
段) 104a:減算器(吐出圧直流成分導出手段) 104b:減算器(吐出圧直流成分導出手段) 106a:要求吐出圧導出手段 106b:要求吐出圧導出手段 108a:乗算器(要求トルク導出手段) 108b:乗算器(要求トルク導出手段) 110a:乗算器(要求吐出量導出手段) 110b:乗算器(要求吐出量導出手段) 112a:制振吐出量導出手段 112b:制振吐出量導出手段 114a:減算器(補正吐出量導出手段) 114b:減算器(補正吐出量導出手段) 116a:最小値選択手段 116b:最小値選択手段 118a:制限吐出量導出手段 118b:制限吐出量導出手段 120:目標トルク設定手段 122:加算器 124:切替え器(状態切替え手段) 126:作動モード選択器 127:定数設定器 128:加算器(補償係数導出手段) 130:加算器 132:リミッタ(補償係数導出手段) 134:減算器 136:係数発生器 138:目標エンジン回転数設定器 140:減算器(回転数偏差導出手段) 142:乗算器 144:リミッタ 146:補償器
Claims (6)
- 【請求項1】 ガバナを有する燃料噴射手段を備えたエ
ンジン、該エンジンによって駆動される可変容量油圧ポ
ンプ、該ポンプから圧油が供給される少なくとも1個の
油圧アクチュエータ、該ポンプの吐出圧を検出する吐出
圧検出器、及び該アクチュエータの作動を制御するため
の操作器を含むパワーユニットにおける、該ポンプのト
ルク制御装置にして、 該操作器の状態に対応して該ポンプの要求吐出量を導出
する要求吐出量導出手段と、目標トルクを設定する目標
トルク設定手段と、該吐出圧検出器が検出する検出吐出
圧における交流成分を導出するための吐出圧交流成分導
出手段と、該検出吐出圧における直流成分を導出するた
めの吐出圧直流成分導出手段と、該要求吐出量と該検出
吐出圧の該直流成分とから該ポンプの要求トルクを導出
する要求トルク導出手段と、該目標トルクを該要求トル
クで除算し且つ除算値を1以下に制限して補償係数を導
出する補償係数導出手段と、該要求吐出量に該補償係数
を乗算して補償吐出量を導出する補償吐出量導出手段
と、該検出吐出圧の該交流成分にゲインを乗算して制振
吐出量を導出する制振吐出量導出手段と、該補償吐出量
と該制振吐出量から補正吐出量を導出する補正吐出量導
出手段とを具備する、ことを特徴とするトルク制御装
置。 - 【請求項2】 更に、該検出吐出圧の該直流成分から制
限吐出量を導出する制限吐出量導出手段と、該要求吐出
量、該補正吐出量、及び該制限吐出量のうちの最小値を
選択する最小値選択手段とを具備する、請求項1記載の
トルク制御装置。 - 【請求項3】 ガバナを有する燃料噴射手段を備えたエ
ンジン、該エンジンによって駆動される可変容量油圧ポ
ンプ、該ポンプから圧油が供給される少なくとも1個の
油圧アクチュエータ、該ポンプの吐出圧を検出する吐出
圧検出器、該エンジンの回転数を検出するエンジン回転
数検出器、及び該アクチュエータの作動を制御するため
の操作器を含むパワーユニットにおける、該ポンプのト
ルク制御装置にして、 該操作器の状態に対応して該ポンプの要求吐出量を導出
する要求吐出量導出手段と、目標トルクを設定する目標
トルク設定手段と、該吐出圧検出器が検出する検出吐出
圧における交流成分を導出するための吐出圧交流成分導
出手段と、該検出吐出圧における直流成分を導出するた
めの吐出圧直流成分導出手段と、該要求吐出量と該検出
吐出圧の該直流成分とから該ポンプの要求トルクを導出
する要求トルク導出手段と、目標エンジン回転数を設定
する目標エンジン回転数設定手段と、該エンジン回転数
検出器が検出する検出回転数から該目標回転数を減算し
て回転数偏差を導出する回転数偏差導出手段と、該回転
数偏差に基いて補償トルクを導出する補償トルク導出手
段と、該目標トルクと該補償トルクとを加算して補償目
標トルクを導出する補償目標トルク導出手段と、該補償
目標トルクを該要求トルクで除算し且つ除算値を1以下
に制限して補償係数を導出する補償係数導出手段と、該
要求吐出量に該補償係数を乗算して補償吐出量を導出す
る補償吐出量導出手段と、該検出吐出圧の該交流成分に
ゲインを乗算して制振吐出量を導出する制振吐出量導出
手段と、該補償吐出量と該制振吐出量とから補正吐出量
を導出する補正吐出量導出手段とを具備する、ことを特
徴とするトルク制御装置。 - 【請求項4】 該補償トルク導出手段は該要求トルクが
該目標トルクよりも大きい場合にだけ該補償トルクを導
出する、請求項3記載のトルク制御装置。 - 【請求項5】 更に、該検出吐出圧の該直流成分から制
限吐出量を導出する制限吐出量導出手段と、該要求吐出
量、該補正吐出量、及び該制限吐出量のうちの最小値を
選択する最小値選択手段とを具備する、請求項3又は4
記載のトルク制御装置。 - 【請求項6】 更に、回転数偏差考慮状態と非回転数偏
差考慮状態とに選択的に設定される状態切替え手段とを
備え、該状態切替え手段が該回転数偏差考慮状態にある
時には、該補償係数導出手段は該補償目標トルクを該要
求トルクで除算し且つ除算値を1以下に制限して該補償
係数を導出するが、該状態切替え手段が該非回転数偏差
考慮状態にある時には、該補償係数導出手段は該目標ト
ルクを該要求トルクで除算し且つ除算値を1以下に制限
して該補償係数を導出する、請求項3から5までのいず
れかに記載のトルク制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06106907A JP3099214B2 (ja) | 1994-05-20 | 1994-05-20 | 可変容量油圧ポンプのトルク制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06106907A JP3099214B2 (ja) | 1994-05-20 | 1994-05-20 | 可変容量油圧ポンプのトルク制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07310671A JPH07310671A (ja) | 1995-11-28 |
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JP (1) | JP3099214B2 (ja) |
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JP5026228B2 (ja) * | 2007-10-31 | 2012-09-12 | 東芝機械株式会社 | 建設機械の油圧制御装置 |
JP5026227B2 (ja) * | 2007-10-31 | 2012-09-12 | 東芝機械株式会社 | 建設機械の油圧制御装置 |
JP2013234694A (ja) * | 2012-05-07 | 2013-11-21 | Sumitomo Heavy Ind Ltd | 建設機械の制御装置及びその制御方法 |
-
1994
- 1994-05-20 JP JP06106907A patent/JP3099214B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH07310671A (ja) | 1995-11-28 |
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