JP3098117B2 - 重質油混合燃料 - Google Patents

重質油混合燃料

Info

Publication number
JP3098117B2
JP3098117B2 JP04295039A JP29503992A JP3098117B2 JP 3098117 B2 JP3098117 B2 JP 3098117B2 JP 04295039 A JP04295039 A JP 04295039A JP 29503992 A JP29503992 A JP 29503992A JP 3098117 B2 JP3098117 B2 JP 3098117B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heavy oil
emulsion
weight
particle size
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP04295039A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06145676A (ja
Inventor
正則 飯塚
高雄 谷口
和雄 磯部
さゆり 玉置
忠一 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP04295039A priority Critical patent/JP3098117B2/ja
Publication of JPH06145676A publication Critical patent/JPH06145676A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3098117B2 publication Critical patent/JP3098117B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Carbonaceous Fuels (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は重質油、炭素固体燃料粉
末、界面活性剤及び水を必須構成成分とする重質油混合
燃料に関する。更に詳しくは、重質油エマルジョンと炭
素質固体燃料粉末との混合スラリーであって、高濃度/
低粘度/貯蔵安定性に優れる重油代替燃料に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
エネルギー源として最も多量に使用されてきた石油が、
その埋蔵量の限界やそれに伴う価格の高騰がおこってお
り、石油代替エネルギーの開発が要請されている。この
ような背景から、新たな化石資源として、オイルサンド
やビチューメン、石油の蒸留残渣やアスファルト等の重
質油の燃料化が検討されている。更に、埋蔵量の豊富な
石炭や、コークス、石油コークス等の炭素質固体の流体
燃料化が検討されている。
【0003】しかしながら、これらの炭素質固体燃料粉
末や重質油は、常温では固体や非常に高粘性を有する油
状物質であって、そのままでは流動しない。そのため、
重油代替燃料として使用するには、微粒化して水スラリ
ーにしたり 280〜300 ℃などの高温にして使用したりす
るが、ハンドリングや霧化などで問題があり、また、燃
焼ボイラーの配管などの閉塞トラブルを起こしやすく、
きわめて使用しにくい燃料である。
【0004】この欠点を解決すべく、公開特許公報昭53
-104434 や公開特許公報昭61-247757 、公表特許公報昭
61-501754 が知られている。しかしこれらには重質油と
炭素質固体燃料粉末を混合使用し、化石燃料をトータル
で見て有効利用しようとする考えは見えない。これに対
して、公開特許公報昭60-223896 には固体燃料と重油を
混合した水系燃料が開示されている。しかし、この方法
によると W/O型のエマルジョンとなり高粘度となってし
まう。これらの流体燃料では、炭素質固体燃料粉末や重
質油分の系の状態についてなんら検討がなされておら
ず、従って、重質油分の高濃度化や貯蔵安定性に、おの
ずと限界があり、満足すべき流体燃料とは言えない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
の結果、重質油と炭素質固体燃料粉末の系の状態が極め
て重要な因子であり、混合燃料として最適な系の状態の
存在を発見し、水に比較的近い粘度を示し、常温〜90℃
の温度で充分な霧化が可能であり、ハンドリング性に優
れ、更に、極めて高濃度であるにもかかわらず流動性に
優れ、且つ長期間貯蔵しても沈降や粘度増加の起きない
極めて安定性に優れた混合水スラリー燃料を完成するに
至った。
【0006】即ち本発明は、常圧での沸点340℃以上の
成分を90重量%以上含む重質油、界面活性剤及び水を必
須構成成分とする水中油滴型エマルジョン50〜99重量%
と、炭素質固体燃料粉末50〜1重量%とからなる重質油
混合燃料に関する。
【0007】本発明のエマルジョンは水中油滴型である
ところに特徴がある。一般に水中油滴型を得るために
は、次の3つのポイントが知られているが、本発明はこ
れらのポイントを考慮して製造する事が出来る。
【0008】(1) 水の量は連続層に必要な最小限以上必
要。 (2) 用いる活性剤の HLBはその価を高くする。 (3) 水に油を添加する。
【0009】本発明は、更に炭素質固体燃料粉末が特定
の粒度分布を有する事によって、貯蔵安定性を向上させ
る事が出来る。又、エマルジョン中の重質油の油滴の粒
度分布との関係において、以下に挙げた様にする事によ
って広い粒度分布をもたせる事により高濃度化が出来
る。
【0010】(A) 油滴を大きく固体粉末を小さくする。 (B) 油滴を小さく固体粉末を大きくする。 (C) 油滴及び固体粉末共に粒度分布を広くする。
【0011】(A)〜(C) の中でも特に(C) が好ましく、
炭素質固体燃料粉末の場合には、 100μ以下の粒子径を
有する粒子が80重量%以上を占め、かつ(1) 式に示すロ
ジンラムラー(Rosin-Rammler) 分布関数において、累積
フルイ上重量10%に対応する粒子径(μ)と、累積フル
イ上重量90%に対応する粒子径(μ)の2点から求まる
均等数nが、 0.4〜1.5 の範囲である粒度分布をもたせ
ると良い。更に、好ましくは 0.5〜1.3 である。この値
が 1.3を越えると、即ち粒度分布の範囲が狭くよりシャ
ープな分布であると、粒子間空隙割合(空隙率)が増大
し混合燃料の高濃度化が困難となる。又、この値が 0.4
未満になると粗大粒子の割合が大きくなり、粒子の沈降
が顕著となり好ましくないと考えられる。
【0012】 R(D) = 100 exp{−(D/D e ) n } ・・・・・ (1) 式 ただし R(D);累積フルイ上重量%、 D;粒子径、 n;
定数(均等数) D e;定数(粒度特性数) 〔ロジンラムラー分布関数については、例えば、日刊工
業新聞社発行、粉体工学会編「粉体工学便覧」7〜11頁
参照〕。
【0013】エマルジョン中の油滴については、特に限
定は出来ないが、同じく均等数nが0.5〜1.8 の範囲が
良いと言える。更に好ましくは 0.8〜1.6 である。
【0014】この値が 1.8を越えると、即ち粒度分布の
範囲が狭くよりシャープな分布であると、粒子間空隙割
合 (空隙率) が増大し重質油の高濃度化が困難となるば
かりでなく、重質油と水との界面積が増大し界面自由エ
ネルギーの増大により、系の安定性が著しく低下する傾
向がある。又、この値が 0.5未満になると、即ち粒度分
布の範囲が広くよりブロードな分布であると、エマルジ
ョンの製造が困難であると共に、粒子間空隙割合の増大
が起こり、エマルジョンの高濃度化が困難となる。
【0015】互いに溶け合わない二種類以上の液体が他
方に細粒状に分散した状態にあるエマルジョン、或いは
固体が液体中に細粒状に分散した状態にあるサスペンジ
ョンは、物質間の界面積の増大に伴い界面の自由エネル
ギーが増大するために、熱力学的に不安定な非平衡系で
あり、分散状態は時間と共に変化し、分散系の状態は解
消の方向に向かう。界面の自由エネルギーを低減させ系
の安定性を向上させる目的で界面活性剤の使用が一般的
であるが、いかに性能の良い界面活性剤を使用しても、
界面自由エネルギーはゼロにはならず、真に安定性の良
いエマルジョンを得ることは困難である。
【0016】そこで、分散系の高濃度化のためには、重
質油と炭素質固体燃料粉末を高密度に充填できるように
粒子間空隙割合(空隙率)を極力小さくして、分散系の
流動化に必要な溶媒(水)量を最小にすること、さらに
系の安定化のために、重質油、炭素質固体燃料粉末と水
との界面積の増大を極力最小に抑え、界面の自由エネル
ギーを低減させることと考え、重質油と炭素質固体燃料
粉末の粒度分布の最適化を図った。
【0017】重質油の油滴と炭素質固体燃料粉末の平均
粒径は1〜100 μの範囲である事が好ましく、更に、 1
00μ以下の粒子径を有する粒子が80重量%以上を占める
ことが望ましい。 100μ以上の粒子径を有する粗大粒子
が多いと、燃料としての燃焼時に未燃焼を起こし燃焼効
率の低下をきたすと共に、貯蔵時の沈澱やボイラー配管
等の閉塞の原因となり好ましくない。
【0018】一般に重質油をホモジナイザー等の乳化機
で単純に乳化したり、石油蒸留残分をミル等で粉砕した
場合には、上述のような粒度分布要件を満足するものが
得られず、粒度分布の比較的狭い、均等数n値が 1.8を
越える場合が多い。このような粒度分布を持つ重質油エ
マルジョンでは、本発明が目的とする高濃度/低粘度/
貯蔵安定性に優れた混合燃料を得ることはできにくい。
【0019】本発明で使用できる上述のような粒度分布
を持つエマルジョンを得るには、単純な乳化ではなく、
特別に考案された粒度調整法によることが望ましい。例
えば、複数の乳化機を並列に用い、各々の乳化機の剪断
力を変えることにより粒度分布の異なるエマルジョンを
製造し、このエマルジョンを最適な粒度分布になるよう
に配合する方法;界面活性剤の種類や添加量を変化さ
せ、粒度分布の異なるエマルジョンを製造し、このエマ
ルジョンを最適な粒度分布になるように配合する方法;
ラインミキサ等を用い連続生産をしながら、一部のエマ
ルジョンを循環させ、その循環量や時間を制御すること
によりブロードな粒度分布を有するエマルジョンを得る
方法;界面活性剤の種類やフィード量を周期的に変化さ
せながら、その量やサイクル時間を制御することにより
ブロードな粒度分布を有するエマルジョンを得る方法等
である。
【0020】本発明で使用する乳化機としては、ホモミ
キサ、ホモジナイザ、ラインミキサ、コロイドミル、サ
ンドミル、マイルダー、スタティックミキサ、モーショ
ンレスミキサ等の一般に使用されている乳化機や分散機
の使用が可能である。
【0021】本発明に使用するエマルジョンは、重質油
が30〜85重量%、好ましくは50〜80重量%である。濃度
が低すぎると発熱量が低下すると共に、場合によっては
直接燃焼が困難になる。又、濃度が高すぎるとエマルジ
ョンの粘度が高くなり流動性が低下すると共に、貯蔵中
に粒子の合一や凝集が起こり貯蔵安定性が低下する。
【0022】本発明における炭素質固体燃料粉末を上述
のような特定の粒度分布にするには、単純な粉砕ではな
く、特別に考案された粉末調整法による必要がある。例
えば、複数の粉砕機を並列に用い、適切な粒度分布にな
る様に配合する方法、粉砕機による粉砕後ふるい分け操
作を行う方法等を採る事が出来る。粉砕機としては、ボ
ールミル、コロイドミル、クロスフィーダーミル、アト
ライター等任意の形式のものが使用でき、又、粉砕方法
が乾式粉砕もしくは湿式粉砕の何れでも良い。更に、重
質油の乳化と炭素質固体燃料粉末の粉砕を同時平行的に
同一粉砕機で行うことも可能である。
【0023】本発明におけるエマルジョンと炭素質固体
燃料粉末の配合比率は、特にこだわらないが、エマルジ
ョンが50〜99重量%、炭素質固体燃料粉末が50〜1重量
%が良い。濃度が低すぎると発熱量が低下すると共に、
場合によっては直接燃焼が困難になる。又、濃度が高す
ぎるとスラリーの粘度が高くなり、流動性が低下すると
共に、貯蔵中に粒子の合一や凝集が起こり貯蔵安定性が
低下する。
【0024】本発明における水スラリー混合燃料の製造
は、重質油エマルジョンと炭素質固体燃料粉末を別々に
調整した後、混合攪拌機を用いて規定量となる様に混合
する方法が一般的である。炭素質固体燃料粉末を湿式粉
砕法にて粉砕した場合には、重質油エマルジョンの水量
を、あらかじめ湿式粉砕によりもたらされる水量だけ減
じておく必要がある。又他の方法として、湿式粉砕した
スラリー中に、エマルジョン調整に必要な水と重質油と
界面活性剤を添加し乳化する方法も可能である。
【0025】本発明における界面活性剤としては、ノニ
オン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性
界面活性剤及び両性界面活性剤の中から選ばれる1種又
は2種以上を使用する。使用し得る界面活性剤としては
下記のものが挙げられる。
【0026】<ノニオン性界面活性剤> (i)フェノール、クレゾール、ブチルフェノール、ノ
ニルフェノール、ジノニルフェノール、ドデシルフェノ
ール、パラクミルフェノール、ビスフェノールAなどの
フェノール性水酸基を有する化合物のアルキレンオキシ
ド付加物。
【0027】(ii)アルキルフェノール、フェノール、
メタクレゾール、スチレン化フェノール、ベンジル化フ
ェノールなどのフェノール性水酸基を有する化合物のホ
ルマリン縮合物のアルキレンオキシド付加物。縮合度の
平均は1.2 〜100 、好ましくは2〜20である。
【0028】(iii)炭素数2〜50の一価の脂肪族アルコ
ールのアルキレンオキシド付加物。
【0029】(iv) 炭素数2〜50の一価の脂肪族アミン
のアルキレンオキシド付加物。
【0030】(v)アルキレンオキシドのブロック又は
ランダム付加重合物。
【0031】(vi)多価アルコールのアルキレンオキシ
ド付加物。
【0032】(vii)多価アルコールと炭素数8〜18の脂
肪酸とのエステルのアルキレンオキシド付加物。
【0033】(viii)エチレンジアミン、テトラエチレン
ジアミン、ポリエチレンイミン(分子量 600〜1万) な
どの複数個の活性水素を有する多価アミンのアルキレン
オキシド付加物。
【0034】(iv) トリグリセライド型油脂1モルと、
多価アルコール及び/又は水0.1 〜5モルとの混合物
に、アルキレンオキシドを付加反応させた生成物。
【0035】尚、上記(vi)、(vii) の多価アルコールと
しては、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタ
エリスリトール、ソルビトール、ショ糖、ポリグリセリ
ン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等が例
示される。
【0036】<アニオン性界面活性剤> (I) ナフタリン、アルキルナフタリン、アルキルフェ
ノール、アルキルベンゼンなどの芳香族環化合物のスル
ホン酸又はスルホン酸塩のホルマリン縮合物。好ましく
は、ホルマリンの平均縮合度は 1.2〜100 である。
【0037】(II) リグニンスルホン酸、リグニンスル
ホン酸塩、その誘導体、リグニンスルホン酸とナフタリ
ン、アルキルナフタリンなどの芳香族化合物のスルホン
酸とのホルマリン縮合物及びその塩。好ましくは、ホル
マリンの平均縮合度は 1.2〜50である。
【0038】(III)ポリスチレンスルホン酸又はその塩
及びスチレンスルホン酸と他の共重合性モノマーとの共
重合体とその塩。好ましくは、分子量は 500〜50万であ
る。
【0039】(IV) ジシクロペンタジエンスルホン酸重
合物又はその塩。好ましくは、重合物の分子量は 500〜
50万である。
【0040】(V) 無水マレイン酸又は/及び無水イタ
コン酸と他の共重合性モノマーとの共重合体とその酸及
び塩。好ましくは、分子量は 500〜50万である。
【0041】(VI) 液状ポリブタジエンのマレイン化物
及びその塩。好ましくは、液状ポリブタジエンの分子量
は 500〜20万である。
【0042】(VII)親水基を分子中に1個又は2個持
つ、次のアニオン界面活性剤。
【0043】(a) 炭素数4〜18のアルコールの硫酸エス
テル塩。
【0044】(b) 炭素数4〜18のアルカン、アルケン又
は/及びアルキルアリールスルホン酸又はその塩。
【0045】(c) 活性水素を分子中に1個以上持つ化合
物のアルキレンオキシド付加物の硫酸化物又はリン酸エ
ステル化物及びそれらの塩。
【0046】(d) 炭素数4〜22の飽和又は不飽和脂肪酸
のエステルであるスルホコハク酸塩。 (e) アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸又はその
塩。アルキル基は炭素数8〜18のアルキル基である。
【0047】(f) ロジン酸又はその塩。ロジン酸と高級
脂肪酸の混合酸であるトール油混酸とその塩。
【0048】(g) 炭素数4〜18のアルカン又はアルケン
脂肪酸とその塩。
【0049】(h) 下記の一般式で表されるα−スルホ脂
肪酸エステル塩。
【0050】
【化1】
【0051】但し、R1は炭素数6〜22のアルキル基又は
アルケニル基、R2は炭素数1〜22のアルキル基、M は1
価又は2価の金属原子、NH4 、有機アミン、n は1又は
2を表す。
【0052】尚、(I)〜 (VII)の化合物について、塩
としてはアンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタ
ノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミ
ンなどの低級アミン、ナトリウム、カリウム、マグネシ
ウム、カルシウムなどのアルカリ金属又はアルカリ土類
金属類である。
【0053】<カチオン性界面活性剤及び両性界面活性
剤> (I)炭素数4〜18のアルキル又は/及びアルケニルア
ミンを無機酸又は有機酸で中和したアルキル又は/及び
アルケニルアミン塩。
【0054】(II)下記式 (1) 〜(3) で表される第
4級アンモニウム塩。
【0055】
【化2】
【0056】
【化3】
【0057】
【化4】
【0058】(III)次式で表されるアルキルベタイン。
【0059】
【化5】
【0060】(IV) 次式で表されるアルキルアミンオキ
サイド。
【0061】
【化6】
【0062】(V)次式で表されるアルキルアラニン。
【0063】
【化7】
【0064】(VI)次式(4)又は(5)で表されるポ
リアミート。
【0065】
【化8】
【0066】(VII)次式 (6) 又は (7) で表されるポ
リアミン塩。
【0067】RNHC3H6NHX' (6) RNH(C3H6NH)2X' (7) (但し、R は前記と同じ意味を有し、X'は無機酸又は有
機酸である。) (VIII)次式で表されるイミダゾリン型両性界面活性
剤。
【0068】
【化9】
【0069】(IX)次式で表されるスルホベタイン型両
性界面活性剤。
【0070】
【化10】
【0071】これらの界面活性剤の使用量は、エマルジ
ョンの0.01〜10重量%の範囲であり、好ましくは 0.1〜
5重量%である。これより少ない使用量では重質油の乳
化及び乳化安定性の発現が不充分であり、又、炭素質固
体燃料粉末の分散及び分散安定性も不充分となる。これ
より多い使用量では不経済であるばかりではなく、乳化
時の泡立ちや粒径制御が困難となり好ましくない。界面
活性剤の添加はエマルジョン製造時に、水に溶解して使
用するのが一般的であるが、重質油に添加しても良い。
又、炭素質固体燃料粉末製造時に界面活性剤の一部を添
加することも可能であり、特に湿式法により粉砕する場
合には、界面活性剤の一部を添加することが重要であ
る。
【0072】本発明においては、必要に応じて水溶性高
分子の配合も可能である。即ち貯蔵安定性の更なる向上
を目的として、分子量1万以上の水溶性高分子を、エマ
ルジョンの 0.005〜3重量%配合することが可能であ
る。使用し得る水溶性高分子としては下記のものが挙げ
られる。
【0073】<水溶性合成高分子> (A)次式で表されるアクリル酸及びその誘導体のホモ
ポリマー、及び他のモノマーとのコポリマー。
【0074】
【化11】
【0075】但し、 R':H, メチル基又はエチル基 M1:H, Na, K, Li, NH4
【0076】
【化12】
【0077】いはその塩(NH4,Na, K, Li)から誘導され
る2価の基、例えば、(無水)マレイン酸、(無水)イ
タコン酸、α−オレフィン、アクリルアミド、ビニルス
ルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、ア
クリルアミドメチルプロピルスルホン酸又はその塩(NH
4, Na, K) 、ジアルキル(メチル又はエチル)エチルア
ミノメタアクリレート及びその塩(塩素、ジエチル硫
酸、ジメチル硫酸)。 n :50〜100,000 。
【0078】(B)次式で表されるアクリルアミド及び
その誘導体のホモポリマー、及び他の共重合可能なモノ
マーとのコポリマー。
【0079】
【化13】
【0080】但し、 R":H, C2H4OH
【0081】
【化14】
【0082】はその塩(NH4, Na, K, Li)から誘導される
2価の基、例えば、ビニルスルホン酸、アリルスルホン
酸、メタリルスルホン酸、アクリルアミドメチルプロピ
ルスルホン酸、ジアルキル(メチル又はエチル)エチル
アミノメタアクリレート及びその塩(塩素、ジメチル硫
酸、ジエチル硫酸など)、スチレン、α−オレフィン
(C2〜C18)、ビニルアリルアルコール。 n :50〜100,000 。
【0083】(C)無水マレイン酸又は無水イタコン酸
のホモポリマー、及び次式で表されるコポリマー。
【0084】
【化15】
【0085】但し、 M2:無水マレイン酸又は無水イタコン酸残基 Z3:α−オレフィン(エチレン、プロピレン、ブチレ
ン、イソブチレン、オクテン、デセン、ドデセン等)又
はスチレン残基 n :50〜100,000 。
【0086】(D)ビニルアルコールのホモポリマー及
び次式で表されるコポリマー。
【0087】
【化16】
【0088】但し、 Z4:酢酸ビニル又はスチレン残基 n':30〜100,000 。
【0089】(E)ビニルピロリドンのホモポリマー及
び次式で表されるコポリマー。
【0090】
【化17】
【0091】但し、 Z5:ビニルピロリドンと共重合可能なモノマー又はその
塩(NH4, Na, K, Li) から誘導される2価の基、例え
ば、アクリルアミド、ビニルスルホン酸、メタリルスル
ホン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、スチレン、
α−オレフィン(C2〜C18)など。 n :50〜100,000 。
【0092】(F)分子量1万〜500 万のポリアルキレ
ンオキシド(但し、エチレンオキシド95%以上)。5%
以下のプロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレ
ンオキシドの各々のブロックポリマーやアルキルアリ
ル、アルキル基などを分子中に持つものも含まれる。
【0093】本発明で使用される重質油とは、常温では
流動性に乏しく高温に加熱しないと流動しない油で
圧での沸点340℃以上の成分を90重量%以上含む下記油
が含まれる。 (1)石油系アスファルト類およびその油の混合物 (2)石油系アスファルト各種処理物、その中間製品、残
渣、及びそれらの混合物 (3)常温で流動しない高流動点油或いは原油 (4)石油系タールピッチ及びその油混合物 (5)ビチューメン類、天然アスファルト、オリノコター
【0094】本発明で使用される炭素質固体燃料粉末と
は、 100℃で流動性を示さない炭素含有量が40重量%以
上である可燃性物質であり、亜炭、褐炭、歴青炭、無煙
炭等の石炭粉末、コークス粉末、石油精製残渣、石油ピ
ッチ、石油コークス、木炭等である。
【0095】
【発明の効果】上述のごとく、本発明による、ある特定
の系の状態を有する重質油/炭素質固体燃料粉末の高濃
度/低粘度流体は、従来エネルギー源として有効に利用
されていなかったビチューメンやアスファルト等の重質
油や、石油精製残渣、石油ピッチ、石油コークス、石
炭、木炭等のハンドリング性に問題があって有効に利用
されていなかった炭素質固体を、重油代替燃料として使
用可能ならしめる画期的な発明である。又、本発明によ
る燃料は、重質油/炭素質固体燃料粉末が高濃度である
と共に水に近い低粘度であるがゆえに、従来から一般に
使用されている重油燃焼用ボイラーを改造することなく
使用できる可能性があると言う大きな特徴も有してい
る。更に、重質油/炭素質固体燃料粉末を微粒子にする
事によって、燃焼効率が高く、又、燃焼後の窒素酸化物
の低減が図れる。
【0096】
【実施例】以下実施例により本発明を詳述するが、本発
明はこれらに限定されるものではない。尚、以下の例に
おける百分率は重量百分率である。
【0097】実施例1 (1) 重質油エマルジョンの調整 アラビアンライト原油から得られたアスファルト(比重
1.015 、粘度595cP/100℃、軟化点29℃、針入度370/25
℃)192g、ノニオン性界面活性剤(ポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテル、花王(株)製 エマルゲン92
0)1.5g、アニオン性界面活性剤(ナフタリンスルホン酸
ホルマリン縮合物、花王(株)製 マイテイ100)1.5g、
水105gを1バッチとした。80℃の温度条件下にて、特殊
機化工業(株)製のTKホモミキサ(低粘度攪拌翼付)
を用い、攪拌翼の回転数と攪拌時間を変化させエマルジ
ョンを3種類調整した。エマルジョン(A) は、回転数50
00rpm,攪拌時間3分間、エマルジョン(B) は、回転数10
000rpm, 攪拌時間5分間、エマルジョン(C) は、エマル
ジョン(A) とエマルジョン(B) を1:1で混合したもの
である。調整したエマルジョンの物性を表1に示す。
【0098】
【表1】
【0099】(2) 炭素質固体燃料粉末の調整 ハンマーにて粗粉砕した石油ピッチ(アシュランド社製
商品名アシュランド240ピッチ、軟化点 240℃、ベン
ゼン不溶分 5.5%、比重1.228 、硫黄分 2.8%、灰分
0.1%、炭化収率50.3%)2kgを、直径30cmのボールミ
ル(直径1cmの鋼球15kg充填) に投入し、50rpm で3時
間乾式粉砕し粉末(A) を調整した。更に粉末(A) を 100
メッシュ及び 200メッシュふるいを用いて分級した後、
目的の粒度分布になる様に混合し粉末(B) とした。調整
した粉末の物性を表2に示す。
【0100】
【表2】
【0101】(3) 混合燃料の調整 (1)で得たエマルジョン200gと (2)で得た粉末50gを、
特殊機化工業(株)製のTKホモミキサ(ディスパー翼
付)を用いて、回転数5000rpm にて5分間混合して調整
した。調整した混合燃料の物性を表3に示す。
【0102】諸物性の測定方法は下記の通りである。 粒度;レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置((株)
堀場製作所製、LA700)により測定した。結果の解析は体
積基準で行い、平均粒径はメジアン径である。 均等数n;粒度測定結果より、累積フルイ上重量10%に
対応する粒子径と累積フルイ上重量90%に対応する粒子
径とをフィッティングにより求め、ロジンラムラー分布
関数から誘導した下記計算式により求めた。
【0103】
【数1】
【0104】粘度;東京計器製造所製 B型粘度計(型
式BM) を用い、ローターNo.3,4を用い、60rpm にて、
回転開始1分後の値を測定した。 安定性;沈降試験管(100cc)を用い、静置1カ月後の状
態を観察し、表面層への水の分離(なし、少し有り(1
〜5mm) 、有り(5mm以上))の3ランク、下層への沈
澱(なし、少し有り(1〜5mm) 、有り(5mm以上))
の3ランクで評価した。
【0105】
【表3】
【0106】表3の測定結果より、実験No.1〜5は、本
発明の理想とする諸物性とは若干異なる性状である。即
ち、実験No.1,2はエマルジョンの 100μ以下の粒子が80
%以下であり、実験No.3,4はエマルジョンの均等数nが
1.8よりも大きく、実験No.5は炭素質固体燃料粉末の 1
00μ以下の粒子が80%以下である。従って、一週間後は
貯蔵安定性も実用上問題のない範囲であるが、一ヶ月後
では沈降分離やゲル化が発生し、燃料としての使用が困
難である。一方、本発明である実験No.6は、72%という
高濃度であるにもかかわらず、粘度は 500cP以下であ
り、又一ヶ月後の貯蔵安定性も満足すべき性能である。
【0107】実施例2 (1) 重質油エマルジョンの調整 アラビアンライト原油から得られたアスファルト(比重
1.015 、粘度595cP/100℃、軟化点29℃、針入度370/25
℃)220g、ノニオン性界面活性剤(ポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテル、花王(株)製 エマルゲン92
0)2.5g、アニオン性界面活性剤(オレイン酸カリ石鹸、
花王(株)製 OSソープ) 2.5g、水75gを1バッチとし
た。80℃の温度条件下にて、特殊機化工業(株)製のT
Kホモミキサ(低粘度攪拌翼付)を用い、攪拌翼の回転
数と攪拌時間を変化させエマルジョンを3種類調整し
た。エマルジョン(D) は、回転数5000rpm,攪拌時間3分
間、エマルジョン(E) は、回転数10000rpm, 攪拌時間5
分間、エマルジョン(F) は、エマルジョン(D) とエマル
ジョン(E) を1:1で混合したものである。調整したエ
マルジョンの物性を表4に示す。
【0108】
【表4】
【0109】(2) 炭素質固体燃料粉末の調整 ハンマーにて粗粉砕した石油ピッチ(アシュランド社製
商品名アシュランド240ピッチ、軟化点 240℃、ベン
ゼン不溶分 5.5%、比重1.228 、硫黄分 2.8%、灰分
0.1%、炭化収率50.3%)325gと水175g及びアニオン性
界面活性剤としてナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合
物 (花王(株)製 マイテイ100)3.25gを、直径20cmの
ボールミル(直径20mmと直径10mmの鋼球各 1.3kg充填)
に投入し、70rpm で5時間湿式粉砕し石油ピッチ水スラ
リーを調整した。得られたスラリーの物性は下記の通り
である。 粘度; 850cP、平均粒径;21.1、均等数;0.76 100 μ以下;85.9%、固形分濃度;65.3% (3) 混合燃料の調整 (1)で得たエマルジョン200gと (2)で得た石油ピッチ水
スラリー200gを、特殊機化工業(株)製のTKホモミキ
サ(ディスパー翼付)を用いて、回転数3000rpm にて3
分間混合して調整した。調整した混合燃料の物性を表5
に示す。諸物性の測定方法は実施例1と同様である。
【0110】
【表5】
【0111】表5の測定結果より、実験No.1,2は、本発
明の理想とする諸物性とは若干異なる性状である。即
ち、実験No.1はエマルジョンの 100μ以下の粒子が80%
以下であり、実験No.2はエマルジョンの均等数nが 1.8
よりも大きい。従って、一週間後は貯蔵安定性も実用上
問題のない範囲であるが、一ヶ月後では沈降分離やゲル
化が発生し、燃料としての使用が困難である。一方、本
発明の理想とする条件を満足する実験No.3は、70%とい
う高濃度であるにもかかわらず、粘度は 570cPであり、
又一ヶ月後の貯蔵安定性も満足すべき性能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 玉置 さゆり 和歌山市砂山南1−3−9 (72)発明者 山下 忠一 横浜市中区千鳥町八番地 日本石油株式 会社中央技術研究所内 (56)参考文献 特開 平1−315492(JP,A) 特開 昭62−185790(JP,A) 特開 昭54−40809(JP,A) 特開 昭53−18604(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10L 1/32

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常圧での沸点340℃以上の成分を90重量
    %以上含む重質油、界面活性剤及び水を必須構成成分と
    する水中油滴型エマルジョン50〜99重量%と、炭素質固
    体燃料粉末50〜1重量%とからなる重質油混合燃料。
  2. 【請求項2】 エマルジョン中の重質油が30〜85重量
    %、界面活性剤が0.01〜10重量%、水が10〜70重量%で
    ある請求項記載の重質油混合燃料。
  3. 【請求項3】 炭素質固体燃料粉末が、100μ以下の粒
    子径を有する粒子が80重量%以上を占め、かつ(1)式に
    示すロジンラムラー分布関数において、累積フルイ上重
    量10%に対応する粒子径(μ)と、累積フルイ上重量90
    %に対応する粒子径(μ)の2点から求まる均等数n
    が、0.4〜1.5の範囲である粒度分布をもつことを特徴と
    する請求項1又は2記載の重質油混合燃料。 R(D)=100exp{−(D/De)n} ・・・・・(1)式 ただしR(D);累積フルイ上重量%、D;粒子径、n;定数
    (均等数) De;定数(粒度特性数)
JP04295039A 1992-11-04 1992-11-04 重質油混合燃料 Expired - Fee Related JP3098117B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04295039A JP3098117B2 (ja) 1992-11-04 1992-11-04 重質油混合燃料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04295039A JP3098117B2 (ja) 1992-11-04 1992-11-04 重質油混合燃料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06145676A JPH06145676A (ja) 1994-05-27
JP3098117B2 true JP3098117B2 (ja) 2000-10-16

Family

ID=17815535

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04295039A Expired - Fee Related JP3098117B2 (ja) 1992-11-04 1992-11-04 重質油混合燃料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3098117B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100981094B1 (ko) * 2008-04-24 2010-09-08 (주)유성콘크리트 에멀젼 연료 및 그 제조 방법
KR101357772B1 (ko) * 2012-10-15 2014-02-03 김철호 석유 코크스를 이용한 b-c유 대체 유화 연료유 제조방법
JP2020093200A (ja) * 2018-12-11 2020-06-18 株式会社Nfラボ 調整された微小粒子径の液体、気体又は固体を含有する混合物の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06145676A (ja) 1994-05-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH01313594A (ja) 超重質油エマルション燃料
JPH06322382A (ja) 重質油エマルジョン燃料組成物
US20030024852A1 (en) Fuel-water emulsions containing polybutene-based emulsifying agents
JP3098117B2 (ja) 重質油混合燃料
Piskunov et al. Individual and synergistic effects of modifications of the carrier medium of carbon-containing slurries on the viscosity and sedimentation stability
JP3069673B2 (ja) 重質油エマルジョン燃料
JP3069674B2 (ja) 重質油エマルジョン燃料の製造方法
JPH06346071A (ja) エマルジョン燃料
SU1709914A3 (ru) Способ обогащени угл
CA1339650C (en) Method of regenetating deteriorated o/w type ultraheavy oil emulsion fuel
Fu et al. A low-viscosity synfuel composed of light oil, coal and water
JP2710266B2 (ja) 超重質油エマルション燃料
JPH07157781A (ja) 重質油エマルジョンの製造方法
JPH09268296A (ja) 高濃度アスファルト・水混合燃料
JPH0770574A (ja) 重質油エマルジョン燃料組成物およびその製造方法
JPH0718274A (ja) 重質油エマルジョンの製造方法
JPH0782578A (ja) 重質油エマルジョンの製造方法
JPH0718275A (ja) 重質油エマルジョンの製造方法
JP2648094B2 (ja) 超重質油エマルション燃料
JPH06264077A (ja) 重質油エマルジョン燃料組成物
JP2886840B2 (ja) 超重質油エマルション燃料
JPH0798954B2 (ja) 重質油、水混合燃料油用添加剤
JPH0873873A (ja) 重質油エマルジョン燃料組成物
JPH01313592A (ja) 超重質油エマルション燃料
JPH01252697A (ja) 重質油、水混合燃料油製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees