JPH09268296A - 高濃度アスファルト・水混合燃料 - Google Patents

高濃度アスファルト・水混合燃料

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JPH09268296A
JPH09268296A JP10333296A JP10333296A JPH09268296A JP H09268296 A JPH09268296 A JP H09268296A JP 10333296 A JP10333296 A JP 10333296A JP 10333296 A JP10333296 A JP 10333296A JP H09268296 A JPH09268296 A JP H09268296A
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JP
Japan
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asphalt
water
mixed fuel
fuel
water mixed
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Application number
JP10333296A
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English (en)
Inventor
Yoshinobu Nagasawa
義信 長澤
Hisao Yamazaki
久夫 山崎
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KYUSHU SEKIYU KK
Lion Corp
Original Assignee
KYUSHU SEKIYU KK
Lion Corp
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Publication date
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  • Liquid Carbonaceous Fuels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特定の粘度特性指数に制御することにより、
貯蔵時と流動時のアスファルト粒子の分散状態の改善と
最適化が計られ、流動性に優れるとともに低温でもスト
レーナーやバーナーでのシェアに充分耐える機械的安定
性の付与が可能となり、得られるアスファルト・水混合
燃料は従来品の如きストレーナーやバーナーでの高シェ
アによる乳化破壊が発生するという機械的安定性の悪化
が観察されず、電力や一般産業の分野において運用が可
能となる。 【解決手段】 石油アスファルト、水および添加剤から
なるアスファルト・水混合物であって、特定の粘度特性
をもつ高濃度アスファルト・水混合燃料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高濃度アスファル
ト・水混合燃料に関する。
【0002】
【従来の技術】オイルサンド油等の天然ビチューメンお
よび石油の精製工程から発生する石油アスファルトは、
資源的には中東、カナダ、メキシコ、ベネズエラ、中
国、ロシアなどに広く分布しており豊富な埋蔵量を有し
ている。そこで化石燃料資源の節約・有効利用の観点か
ら、重油に代わる燃料資源としてアスファルテンを大量
に含有するオリノコタール等の天然アスファルト、石油
アスファルトが注目されている。しかしアスファルト
は、常温では固体または半固体状であることより、常温
での取り扱いが困難であった。アスファルトの常温での
取り扱いを改良する手段として、O/W型アスファルト
・水乳化燃料の研究が活発に行われている。しかし従来
のアスファルト・水乳化燃料は、乳化物であるがゆえに
機器保護のため一般的に設置されているストレーナーを
通過する際に受けるシェア、またはバーナーでのシェア
により乳化破壊が発生する、すなわちこれらのシェアに
耐えうる機械的安定性が著しく劣っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】アスファルテンを大量
に含有する超重質油エマルジョン燃料分野での従来技術
としては、特開平7−233381号公報、特開平7−
138583号公報に報告されている。しかし、特開平
7−233381号公報では、重質油がもつハンドリン
グや霧化の問題を認識しながら、ハンドリングの1要素
でしかない貯蔵安定性についてしか改良されておらず、
霧化等については何ら改良出来ていない。そのために本
来は原料として常温では流動性に乏しく、高温に加熱し
ないと流動しない油を用いたいと述べているにも関わら
ず、霧化の問題をカバーするために貴重な軽留分が多量
に含まれる低軟化点、高針入度のアスファルトしか用い
られないのが現状である。また、特開平7−13858
3号公報では、ハンドリングや霧化の問題を解決できな
いがゆえに燃料が受けるシェアを低減させるため霧化温
度を高温にせざるを得なかった。また、それでも乳化破
壊によりO/W型からW/O型に転相してしまった場合
でも配管やストレーナー、バーナーにて閉塞が起きない
よう低軟化温度の油を用いざるを得ない等、アスファル
ト・水混合燃料としての要求性能を十分に満足すること
は困難であった。
【0004】一方、これら乳化燃料を使用するボイラー
メーカー側もこれら課題が未だ解決出来ていない現状を
把握しており、雑誌「COAL REPORT第318
7号」((株)エネルギー経済センター)にて報告され
ているように、低流動点の油を原料とする乳化燃料でも
コストをかけて運用温度を高温にして粘度を低下させ、
燃料にかかるシェアを軽減させているのが現状である。
これらの燃料としての有効利用のためにも低温でもスト
レーナーやバーナーでのシェアに耐えうる高濃度アスフ
ァルト・水混合燃料の開発が望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記のよう
な欠点のない高濃度なアスファルト・水混合燃料を提供
することを目的として鋭意研究を重ねた結果、流動性に
優れるとともに、低温でもストレーナーやバーナーでの
シェアに充分耐える機械的安定性を有するアスファルト
・水混合燃料を得ることを見出し、本発明を完成するに
至った。すなわち、本発明の高濃度アスファルト・水混
合燃料は、石油アスファルト、水および添加剤からなる
アスファルト・水混合物であって、以下の外2の範囲の
高濃度アスファルト・水混合燃料である。
【外2】
【0006】
【数2】
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる高濃度アスフ
ァルト・水混合燃料の具体例としては、以下の外3に挙
げられる高濃度アスファルト・水混合燃料を挙げること
ができる。
【外3】
【0008】
【数3】
【0009】
【外4】 書籍「分散・凝集の解明と応用技術P.585(株)テ
クノシステム」に述べられているように、一般にブラウ
ン運動による貯蔵安定化が望めない系については粒子間
に緩い凝集構造を持たせることにより貯蔵安定性の改善
を行うことが可能である。しかし、石炭のような完全な
固体粒子とは異なり石油アスファルトのような見かけは
固体ではあっても粒子同士の衝突により容易に合一する
ような重質油の系では凝集や合一を引き起こさないよう
粒子同士を分散させておく必要がある。すなわち配管内
を流れている状態でのアスファルト粒子間の分散状態と
比較して、貯蔵タンクより払い出した直後の状態でのア
スファルト粒子の分散状態が近似するに従い、式(I)
で表される粘度特性指数が大きくなる。
【0010】粘度特性指数としては0.65〜1.0の
範囲が好ましい。より好ましくは0.7〜1.0の範囲
である。粘度特性指数がこの範囲より小さい場合、貯蔵
安定性は良好であるがアスファルト粒子は分散不良であ
り、ストレーナーやバーナー等で乳化破壊が発生すると
いう問題が発生する。粘度指数がこの範囲より大きい場
合、燃料が流動し流速が高まるにつれてアスファルト粒
子にかかる応力が急激に高まり、乳化破壊が容易に発生
し配管を閉塞させてしまう。また、この時の燃料の粘度
は100s-1のずり速度で1Pa・s以下が好ましい。
より好ましくは0.8Pa・s以下である。粘度が1P
a・sをこえる場合、アスファルト粒子が分散良好であ
っても粘度自体が非常に高いことより燃料にかかるシェ
アが非常に高くなるため乳化破壊が容易に発生しやす
い。また、燃料の流動性が乏しいためコストをかけて運
用温度を高めて低粘度化を行うか、設備投資を行い噴燃
ポンプの大型化を行う等の本来の目的を逸脱する施策を
施さざるを得ない。
【0011】本発明で用いられる添加剤としてはノニオ
ン界面活性剤、アニオン界面活性剤、アニオン性高分子
化合物、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、水溶性
高分子化合物が挙げられる。好ましくはノニオン界面活
性剤、アニオン界面活性剤、アニオン性高分子化合物で
ある。より好ましくはアニオン界面活性剤、アニオン界
面活性剤および/またはアニオン性高分子化合物であ
る。ノニオン界面活性剤の具体例としては、以下の
(A)〜(J)に示すものが挙げられる。
【0012】(A)高級アルコールアルキレンオキサイ
ド付加物およびアルキルフェノールアルキレンオキサイ
ド付加物。 高級アルコールとしては例えばヤシ油還元アルコール、
牛脂還元アルコール、抹香アルコール等の天然アルコー
ルおよびチーグラーアルコール、オキソアルコール、セ
カンダリーアルコール等の合成アルコールが挙げられ
る。また高級アルコールとしてはラウリルアルコール、
セチルアルコール、オレイルアルコール等の分留した単
一組成物でもよい。アルキルフェノールとしてはノニル
フェノール、ドデシルフェノール、オクチルフェノー
ル、クレゾール、ジノニルフェノール、ブチルフェノー
ル等が挙げられる。またアルキル基は分岐でもよいし直
鎖でもよい。アルキレンオキサイドとしてはエチレンオ
キサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイ
ド、スチレンオキサイドが単独で付加してもよいし、2
種以上混合して付加してもよい。
【0013】(B)脂肪酸アルキレンオキサイド付加
物。 例えばポリオキシエチレンラウリン酸エステル、ポリオ
キシエチレンミリスチン酸エステル、ポリオキシエチレ
ンパルミチン酸エステル、ポリオキシエチレンステアリ
ン酸エステル、ポリオキシエチレンオレイン酸エステ
ル、ポリオキシエチレンヒドロキシステアリン酸エステ
ル、ポリオキシエチレン−9,10ジヒドロキシステア
リン酸エステル、ポリオキシエチレンフェニルステアリ
ン酸エステル、ポリオキシエチレン−o−キシリルステ
アリン酸エステル等が挙げられる。またこれらはモノエ
ステル型でもよいしジエステル型でもよい。アルキレン
オキサイドとしてはエチレンオキサイド、プロピレンオ
キサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイドが
単独で付加してもよいし、2種以上混合して付加しても
よい。
【0014】(C)高級脂肪族アミンおよび脂肪族アミ
ドのアルキレンオキサイド付加物。 例えば高級脂肪族アミンのエチレンオキサイド付加物と
してはポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシ
エチレンステアリルアミン等が挙げられる。また脂肪族
アミドのエチレンオキサイド付加物としてはポリオキシ
エチレンラウリルアミド、ポリオキシエチレンオレイル
アミド等が挙げられる。アルキレンオキサイドとしては
エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレン
オキサイド、スチレンオキサイドが単独で付加してもよ
いし、2種以上混合して付加してもよい。
【0015】(D)ポリアルキレングリコールエチレン
オキサイド付加物。 例えばポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロ
ック付加物またはランダム付加物が挙げられる。アルキ
レン基はプロピレン基、ブチレン基またはスチレンであ
り、これらが単独でポリオキシアルキレングリコールを
形成してもよいし、混成してポリアルキレングリコール
を形成してもよい。
【0016】(E)グリセリンまたはペンタエリスリッ
トの脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物。 例えばグリセリンの脂肪酸エステルエチレンオキサイド
付加物としてはポリオキシエチレングリセリンラウリン
酸モノエステル、ポリオキシエチレングリセリンパルミ
チン酸モノエステル等が挙げられる。またペンタエリス
リットの脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物とし
てはポリオキシエチレンペンタエリスリットステアリン
酸モノエステル、ポリオキシエチレンペンタエリスリッ
ト牛脂脂肪酸モノエステル等が挙げられる。またこれら
はモノエステル型ではなくジエステル型でもよい。アル
キレンオキサイドとしてはエチレンオキサイド、プロピ
レンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサ
イドが単独で付加してもよいし、2種以上混合して付加
してもよい。
【0017】(F)ソルビットまたはソルビタンの脂肪
酸エステル、またはそのアルキレンオキサイド付加物。 例えばソルビタンラウリン酸モノエステルまたはそのエ
チレンオキサイド付加物、ソルビタンパルミチン酸モノ
エステルまたはそのエチレンオキサイド付加物、ソルビ
タンステアリン酸モノエステルまたはそのエチレンオキ
サイド付加物、ソルビタンステアリン酸トリエステルま
たはそのエチレンオキサイド付加物、ソルビタンオレイ
ン酸モノエステルまたはそのエチレンオキサイド付加
物、ソルビタンオレイン酸トリエステルまたはそのエチ
レンオキサイド付加物等が挙げられる。アルキレンオキ
サイドとしてはエチレンオキサイド、プロピレンオキサ
イド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイドが単独
で付加してもよいし、2種以上混合して付加してもよ
い。
【0018】(G)砂糖またはしょ糖の脂肪酸エステ
ル。 例えば砂糖またはしょ糖のラウリン酸モノエステル、ミ
リスチン酸モノエステル、パルミチン酸モノエステル、
オレイン酸モノエステル、ステアリン酸モノエステル等
が挙げられる。
【0019】(H)脂肪酸アルカノールアミド。 ラウリン酸、ラウリン酸メチル等の脂肪酸とモノエタノ
ールアミン、ジエタノールアミン、モノイソプロパノー
ルアミン等のアルカノールアミンの縮合物である脂肪酸
アルカノールアミドとしては、例えばラウリン酸モノエ
タノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ヤシ
油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノイソプロ
パノールアミド等が挙げられる。また、これらは脂肪酸
とアルカノールアミンのモル比が1:1である1:1型
脂肪酸アルカノールアミドでもよいし、モル比が1:2
である1:2型脂肪酸アルカノールアミドでもよい。
【0020】(I)高級脂肪族アミンまたは多価アミン
のアルキレンオキサイド付加物。 例えばエチレンジアミン、テトラエチレンジアミン、ポ
リエチレンイミン等のエチレンオキサイド付加物が挙げ
られる。アルキレンオキサイドとしてはエチレンオキサ
イド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、ス
チレンオキサイドが単独で付加してもよいし、混合して
付加してもよい。
【0021】(J)アルキルフェノール等の芳香環を有
する化合物をホルマリン等のアルデヒドで縮合した化合
物のアルキレンオキサイド付加物。 上記非イオン界面活性剤のアルキレンオキサイド付加モ
ル数は任意の値でかまわないが、HLB値が10〜20
の範囲のものが好適である。より好ましくはHLB値が
13〜20のものである。
【0022】本発明で用いられるアニオン界面活性剤の
具体例としては、以下の(a)〜(h)に示すものが挙
げられる。 (a)下記化1の一般式(I)または(II)ないしは
(III) で表わされるα−スルホ脂肪酸エステル塩およ
びその誘導体。
【0023】
【化1】 (R1,R4:炭素数6〜22のアルキル基またはアルケ
ニル基、 R2 :炭素数1〜22のアルキル基またはアルケニル
基、 R3 :水素または炭素数1〜22のアルキルないしアル
ケニル基、 A:炭素数2〜4のアルキレン基、 n:1〜50 M:対イオン)
【0024】(b)アルキル、アルケニルまたはアルキ
ルアリールスルホン酸塩。 アルキル、アルケニルまたはアルキルアリール基の炭素
数は4〜22の範囲が好適であり、より好ましくは炭素
数が6〜18の範囲のものである。 (c)飽和または不飽和の脂肪酸塩。 炭素数は4〜22の範囲が好適であり、より好ましくは
炭素数が6〜18の範囲のものである。 (d)アルキルまたはアルケニル硫酸エステル塩。 アルキルまたはアルケニル基の炭素数は4〜22の範囲
が好適であり、より好ましくは炭素数が6〜18の範囲
のものである。
【0025】(e)ポリオキシアルキレンアルキルもし
くはアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩またはス
ルホン酸塩。 アルキルまたはアルケニル基の炭素数は4〜22の範囲
が好適であり、より好ましくは炭素数が6〜18の範囲
のものである。また、エチレンオキシド、プロピレンオ
キシド等のアルキレンオキシドの平均付加モル数は1〜
100の範囲が好適であり、より好ましくは3〜70の
範囲のものである。 (f)アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩。 アルキルまたはアルケニル基の炭素数は4〜22の範囲
が好適であり、より好ましくは炭素数が6〜18の範囲
のものである。 (g)アルファオレフィンスルホン酸塩。 炭素数は4〜22の範囲が好適であり、より好ましくは
炭素数が6〜18の範囲である。 (h)アルキルまたはアルケニルスルホコハク酸エステ
ル塩。 アルキルまたはアルケニル基の炭素数は4〜22の範囲
が好適であり、より好ましくは炭素数が6〜18の範囲
である。
【0026】本発明で用いられるアニオン性高分子化合
物の具体例としては、以下の(i)〜(p)に示すもの
が挙げられる。 (i)リグニンスルホン酸塩。 (j)ロジン酸塩。 (k)ポリスチレンスルホン酸塩。 (l)ポリアクリル酸塩。 重量平均分子量(以下Mwと表記)としては、5,00
0〜100万が好適であり、より好ましくは1万〜50
万のものである。
【0027】(m)ナフタリン、アルキルナフタリン、
アルキルフェノール等の芳香族環化合物のホルマリンア
ルデヒド縮合物スルホン酸塩。 平均縮合度として2〜100が好適であり、より好まし
くは2〜50のものである。 (n)無水マレイン酸または無水イタコン酸と共重合性
モノマーとの共重合体の塩。 (o)ジシクロペンタジエンスルホン酸(共重合体)
塩。 (p)液状ポリブタジエンのマレイン化物塩。
【0028】アニオン界面活性剤、アニオン性高分子化
合物における対イオン(塩)としては、ナトリウム、カ
リウム等のアルカリ金属;カルシウム、マグネシウム等
のアルカリ土類金属;アンモニウム、モノエタノールア
ミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の
アミン塩が好適であり、好ましくはナトリウム、カリウ
ム、マグネシウム、カルシウム、アンモニウム、アルカ
ノールアミンの水溶性塩である。
【0029】本発明で用いるアニオン性高分子化合物
は、アルキル基、ポリアルキレン基や芳香環基等のアス
ファルト粒子表面に吸着する疎水基と、スルホン酸基や
カルボン酸基等のアニオン性電解質である親水基を有す
る高分子分散剤である。本発明で用いるアスファルト
は、オイルサンド油等の天然ビチューメンおよび石油の
精製工程から発生する石油アスファルト等の常温ではポ
ンプ輸送の困難な重質油である。詳しくは50℃におけ
る動粘度が500mm2/s 以上のものが好適である。
好ましくは動粘度が500mm2/s 未満となる温度が
100℃以上のものが適しており、より好ましくは動粘
度が500mm2/s 未満となる温度が120℃以上の
ものである。動粘度がこの範囲未満では流動性を確保す
る手段として乳化物とする必要性が高くない。本発明の
高濃度アスファルト・水混合燃料において、アスファル
ト濃度は以下の表1の範囲とすることが望ましい。
【0030】
【表1】 表1:配合量 通常範囲 好ましい範囲 最適範囲 アスファルト 60〜85重量部 70〜85重量部 70〜80重量部 水 15〜40重量部 15〜30重量部 20〜30重量部
【0031】水40重量部に対してアスファルト量が6
0重量部未満となると燃料としての燃焼カロリーが十分
でなく、一方、水15重量部に対してアスファルトが8
5重量部を超えると、アスファルトが連続相となり流動
性を損なうおそれがある。本発明に用いる添加剤の添加
量は、アスファルトと水の総量100重量部に対して
0.01〜5重量部が好適であり、好ましくは0.05
〜2重量部、より好ましくは0.1〜1重量部である。
この添加量が0.01重量部未満となると乳化が充分に
行なわれず、水とアスファルトが分離したり、アスファ
ルトが連続相となり流動性を損なう恐れがあるととも
に、必要な機械的安定性を付与することが出来ない。一
方、添加量が5重量部より多いと、燃焼カロリー当たり
のコストが非常にかかり現実的ではない。
【0032】本発明では、乳化機にて前述のアスファル
ト、水および添加剤を混合、乳化して高濃度アスファル
ト・水混合燃料とする。乳化条件としては乳化機内部の
圧力を大気圧以上に加圧して乳化することが望ましく、
高軟化点のアスファルトを原料として用いた場合でも貯
蔵安定性に優れた高濃度・水アスファルト混合燃料が得
られる。好ましくは、乳化時の乳化機内部を大気圧に対
して0.05MPa以上加圧すること(0.05MPa
Gとすること)が好適であり、好ましくは0.2MP
a以上、より好ましくは0.3MPa以上大気圧に対し
て加圧することが適している。上限は乳化機の耐久性お
よび製造ラインの耐圧性能により異なるが、大気圧に対
して1MPa以下とすることが好ましい。
【0033】本発明におけるアスファルト・水混合燃料
は、固定子および回転子をそれぞれ1個、または複数個
有するラインミキサーやホモミキサータイプの一般的な
乳化または撹拌装置を用いて製造可能であるが、好まし
くはホモジナイザーやコロイドミルタイプの高剪断型装
置を用いる。具体的にはハイビスラインミキサー、ホモ
ミックラインミル、パイプラインホモミキサー、ハイラ
インミル(以上、特殊機化工業)、マイルダー(荏原製
作所)、キャビトロン(ユーロテック)があげられる。
本発明のアスファルト・水混合燃料の製造におけるアス
ファルトおよび水の温度は、それぞれが流動可能な温度
に加熱することが好ましい。アスファルト温度は好まし
くは動粘度が1,000mm2/s 未満となる温度、よ
り好ましくは500mm2/s 以下となる温度である。
水または/かつ添加剤の温度は好ましくは20℃以上、
より好ましくは40℃以上である。乳化温度としては好
ましくは80℃以上、より好ましくは100℃以上であ
る。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、特定の粘度特性指数に
制御することにより、貯蔵時と流動時のアスファルト粒
子の分散状態の改善と最適化が計られ、流動性に優れる
とともに低温でもストレーナーやバーナーでのシェアに
充分耐える機械的安定性の付与が可能となり、得られる
アスファルト・水混合燃料は従来品の如きストレーナー
やバーナーでの高シェアによる乳化破壊が発生するとい
う機械的安定性の悪化が観察されず、電力や一般産業の
分野において運用が可能となる。
【0035】
【実施例】使用した原料アスファルトは後記の表2に示
した。また、使用した添加剤の内容は表3に示した。乳
化機として回転式ホモジナイザータイプである同軸上に
回転子と固定子を交互に配置するキャビトロンCD10
10型(ユーロテック)を用いて、原料アスファルトお
よび添加剤水溶液をそれぞれ独立したポンプにて供給
し、大気圧との相対圧力にて0.4MPaの加圧雰囲気
下(0.4MPa G)エマルジョン換算で400kg
毎時の処理量をワンスルー・ワンパスにて乳化を行っ
た。この時の原料アスファルトの温度は原料No.1が
180℃、No.2およびNo.3は150℃、添加剤
水溶液温度は60℃で行なった。
【0036】
【表2】 表2:石油アスファルトの性状 原料アスファルト 原料No.1 原料No.2 原料No.3 項 目 アスファルトの種類 中東系ストレートアスファルト 引火点(℃;JIS K 2265) >200 358 346 針入度(at 25℃;JIS K 2207) − 71 68 三塩化エタン可溶分(重量%;JIS K 2207) − 99.9 99.9 軟化点(℃;JIS K 2207) − 46.5 46.5 密度(g/cm at 15℃;JIS K 2249) 1.05 1.03 1.03 動粘度(mm2/s at 120℃;JIS K 2207) − 1007 876 動粘度(mm2/s at 140℃;JIS K 2207) 724 358 318 動粘度(mm2/s at 180℃;JIS K 2207) 120 − − 流動点(℃;JIS K 2207) 70 53 55
【0037】
【表3】 表3:添加剤の性状 記 号 添 加 剤 の 種 類 添−A ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルNa塩 (エチレンオキサイド50モル付加) 添−B ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル硫酸エステルNa塩 (エチレンオキサイド22モル付加) 添−C ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルNa塩 (アルキル炭素数12〜15,エチレンオキサイド3モル付加) 添−D ポリスチレンスルホン酸Na塩(Mw=14,000) 添−E ナフタリンスルホン酸Na塩ホルマリン縮合物(平均縮合度25)
【0038】評価方法および判定基準は以下のとおりで
ある。後記の表4、表5に示した本発明の実施例におい
ては、いずれもアスファルト粒子の水分散体であるアス
ファルト・水混合燃料が得られた。また、比較例の結果
については、後記表6に示した。
【0039】[乳化性]レーザー回折式粒度分布測定器
(日機装マイクロトラックFRA)を用い、累積50%
体積平均粒径(D50%)を測定した。同様に10%
(D10%)、90%(D90%)についても測定を行
った。 [流動性]ハーケ動粘度測定器を用いて25℃にて7s
-1 up、100s-1 upを測定し粘度特性指数を算
出した。また100s-1 downの粘度を測定し流動
性を評価した。測定に際してはホールド時間5分後、ず
り速度を120-1まで5分で上昇させたのち120s-1
で1分間保持、5分間で0s-1まで下降させて行った。
【0040】[機械的安定性]噴燃ポンプとしてはC重
油等の噴燃ポンプとして一般的に用いられている一軸偏
心ネジポンプであるモーノポンプ(兵神装備)を使用し
た。燃料タンクから自吸によりポンプへ燃料を供給し、
吐出側より150リットル毎時の流量にて燃料をバーナ
ーへ供給し、燃焼を行った。配管は全て内径1/2イン
チφで、バーナー前には温度計、圧力計およびY型スト
レーナー(目開き500μm)を設置した。この時のバ
ーナー前圧力計は0.5MPa Gを示していた。評価
は1時間燃料を移送した後、ストレーナーを取り外して
水にて十分に洗浄した後に水分を蒸発させてストレーナ
ーを秤量し、ふるい上残留量を算出した。そのふるい上
残留量を以下の基準で評価した。 ◎:非常に良好(1g未満) ○:良好(3g未満) ×:不良(3g以上) ××:1時間未満で目詰まり [総合評価] ◎:非常に良好 ○:良好 ×:不良
【0041】
【表4】 表4:実施例 添加剤 添加量 AS 乳化性 流動性 添加剤 (重量部) 原料 濃度 D10% D50% D90% 100s-1down粘度 No 成 分 (対EM) AS (重量部) (μm) (Pa・s) 1 添−A 0.4 No.1 71 1.4 4.3 9.2 0.40 添−D 0.2 2 添−B 0.8 No.2 71 1.4 3.8 8.9 0.60 3 添−C 0.2 No.3 71 1.4 4.1 9.2 0.23 添−D 0.2 4 添−C 0.2 No.3 71 1.4 4.1 9.2 0.25 添−E 0.3 EM:エマルジョン AS:アスファルト
【0042】
【表5】 表5:実施例 粘度特性指数 機械的安定性 機械的安定性 総合評価 液温 評価 液温 評価 (℃) (℃) 1 0.78 35 ◎ 25 ◎ ◎ 2 0.80 35 ◎ 25 ◎ ◎ 3 0.70 35 ◎ 25 ◎ ◎ 4 0.65 35 ○ 25 × ○
【0043】
【表6】 表6:比較例 添加剤 添加量 AS 乳化性 流動性 添加剤 (重量部) 原料 濃度 D10% D50% D90% 100s-1down粘度 No 成 分 (対EM) AS (重量部) (μm) (Pa・s) 1 添−C 0.2 No.1 71 1.4 3.8 9.4 0.28 添−D 0.5 2 添−B 0.8 No.2 76 1.4 4.4 9.9 >1.5 3 無添加 No.3 71 測定不能 測定不能(>2.0) EM:エマルジョン AS:アスファルト
【0044】
【表7】 表7:比較例 粘度特性指数 機械的安定性 機械的安定性 総合評価 液温 評価 液温 評価 (℃) (℃) 1 0.62 35 ×× 25 ×× × 2 1.70 35 移送不能 25 移送不能 × 3 測定不能 35 移送不能 25 移送不能 ×

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石油アスファルト、水および添加剤から
    なるアスファルト・水混合物であって、下記の外1の範
    囲の高濃度アスファルト・水混合燃料。 【外1】 【数1】
  2. 【請求項2】 石油アスファルト60〜85重量部、水
    40〜15重量部、添加剤0.01〜5重量部であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の高濃度アスファルト・
    水混合燃料。
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JP2004300191A (ja) * 2003-03-28 2004-10-28 Nicca Chemical Co Ltd 廃プラスチック含有エマルジョン用乳化剤
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