JP3096830B2 - 芳香族カルボン酸またはその誘導体にカルボキシル基を導入する方法 - Google Patents

芳香族カルボン酸またはその誘導体にカルボキシル基を導入する方法

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JP3096830B2 JP04355300A JP35530092A JP3096830B2 JP 3096830 B2 JP3096830 B2 JP 3096830B2 JP 04355300 A JP04355300 A JP 04355300A JP 35530092 A JP35530092 A JP 35530092A JP 3096830 B2 JP3096830 B2 JP 3096830B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芳香族カルボン酸また
はその誘導体にカルボキシル基を導入する方法に関す
る。更に詳しくは、芳香族カルボン酸またはその誘導体
をシクロデキストリンおよびアルカリ金属水酸化物の存
在下で四ハロゲン化炭素と反応させて、該芳香族カルボ
ン酸またはその誘導体にカルボキシル基を導入する方法
に関する。
【0002】芳香族ポリカルボン酸類およびその誘導体
は、ポリエステル系フィルム、樹脂およびその繊維、ア
ラミド系フィルム、樹脂およびその繊維ならびにポリア
リレート系フィルム、樹脂およびその繊維の原料、また
各種の液晶を構成する高分子化合物および低分子化合物
の原料、また農薬、医薬、染料などの原料として工業的
に重要なものである。
【0003】
【従来の技術】従来の芳香族ポリカルボン酸の製造方法
としては、アルキル基置換芳香族炭化水素を酸化する方
法が用いられている。しかし、この方法においては、反
応温度160℃以上および反応系内の圧力10atm以
上の厳しい条件と、コバルトおよびマンガン触媒の多量
の使用が必要であり、またこの酸化反応には20時間以
上という長い滞留時間を必要とする。さらにこの従来法
の問題はその原料が制約されることにある。たとえば、
テレフタル酸を製造するには高価なパラキシレンを原料
として使用することが必要であり、イソフタル酸を製造
するには同じく高価なメタキシレンを原料として使用す
ることが必要である。また、4,4'−ビフェニルジカル
ボン酸を製造するには、4,4'−ジメチルビフェニルを
原料として使用することが必要であり、2,6−ナフタ
レンジカルボン酸を製造するには、2,6−ジメチルナ
フタレンを原料として使用することが必要である。
【0004】また、安息香酸から安息香酸カリウムを製
造し、安息香酸カリウムを不均化反応によりテレフタル
酸二カリウムとベンゼンにする方法が知られている。し
かし、反応温度430〜440℃、二酸化炭素圧5〜2
0atm、触媒として安息香酸カドミウムおよび安息香
酸亜鉛を必要とし、厳しい反応条件の制御とカリウム塩
の取扱いが難しい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した芳香族ポリカ
ルボン酸製造のための従来技術に伴う諸問題を解決する
ための手法として、原料として芳香族カルボン酸又はそ
の誘導体に直接カルボキシル基を導入することが考えら
れる。芳香環に直接カルボキシル基を導入する反応とし
てはKolbe-Schmitt反応やReimer-Tiemann反応があり、
これら反応は求電子芳香族置換反応として知られてい
る。しかし、求電子芳香族置換反応の場合、芳香環の置
換基として水酸基(−OH)またはアミノ基(−N
2)が存在する場合にはそれらの基が求電子芳香族置
換反応の強力な活性基としてオルト位およびパラ位に容
易に置換反応が起こるが、一方、芳香環の置換基として
カルボキシル基またはカルボン酸エステル基が存在し、
水酸基もアミノ基も存在しない場合には、カルボキシル
基またはカルボン酸エステル基が求電子芳香族置換反応
の強力な不活性基として作用して置換反応を阻害するこ
とがよく知られており、カルボキシル基を置換基として
有し且つ水酸基およびアミノ基のいずれをも有さない原
料芳香族カルボン酸に直接カルボキシル基を導入するこ
とは極めて困難とされていて、事実、そのようなカルボ
キシル基導入についての報告は今まで見られない[東京
化学同人発行のモリソン・ボイド(Morrison・Boyd)著、
中西他訳、有機化学(上)、第3版、p.428〜431
を参照]。
【0006】また一方、出発物質である芳香族カルボン
酸においてカルボキシル基の他に水酸基またはアミノ基
が共存する場合には、求電子芳香族置換反応に対する水
酸基またはアミノ基の強力な活性によって、導入される
カルボキシル基は水酸基またはアミノ基に対してオルト
位またはパラ位に置換配向性があり、出発芳香族カルボ
ン酸のカルボキシル基に対してメタ位より遠くの位置に
カルボキシル基が導入された有用な芳香族ポリカルボン
酸が得られないという問題があった。
【0007】そこで本発明者等は、芳香族カルボン酸ま
たはその誘導体へカルボキシル基を直接導入すべく鋭意
研究の結果、シクロデキストリンおよびアルカリ金属水
酸化物の存在下に芳香族カルボン酸を四ハロゲン化炭素
と反応させると、驚くべきことに、出発芳香族カルボン
酸またはその誘導体に水酸基またはアミノ基が置換基と
して存在しなくても、温和な条件で直接該芳香族カルボ
ン酸またはその誘導体へカルボキシル基を効果的に、ま
た効率的に導入することができ、また、出発芳香族カル
ボン酸またはその誘導体に水酸基またはアミノ基が置換
基として共存している場合でも、シクロデキストリンお
よびアルカリ金属水酸化物の存在下に芳香族カルボン酸
を四ハロゲン化炭素と反応させると、導入されるカルボ
キシル基は水酸基またはアミノ基の位置に対してオルト
位またはパラ位以外の位置に導入することができる。す
なわち、出発芳香族カルボン酸またはその誘導体がモノ
カルボン酸の時は、出発カルボン酸のカルボキシル基の
位置に対してメタ位より遠い位置に導入され、出発芳香
族カルボン酸またはその誘導体がポリカルボン酸の時に
は、出発カルボン酸のそれぞれのカルボキシル基のメタ
位より遠い位置に導入される(ただし、モノカルボン
酸、ポリカルボン酸のいずれの場合にも、その位置に、
置換基が存在する場合は除く)ことを知見した。上記の
知見された現象は、出発芳香族カルボン酸のカルボキシ
ル基に対して本来のカルボキシル基のメタ置換配向性
[東京化学同人発行のモリソン・ボイド(Morrison・Boy
d)著、中西他訳、有機化学(中)、第5版、p.645〜
653参照]からは考えられないことであり、求電子芳
香族置換反応におけるカルボキシル基の強力な不活性化
挙動および水酸基またはアミノ基の強力な活性化挙動を
考えると全く意外なことである。本発明はこれらの知見
に基いてなされたものである。すなわち、本発明の目的
は芳香族カルボン酸またはその誘導体にカルボキシル基
を導入する方法を開示するものであって、この方法は、
従来技術に必然的に付随する短所を伴わず、さまざまな
タイプの芳香族ポリカルボン酸またはその誘導体を高い
選択性で得るのに適している。本発明の上述および他の
諸目的、諸特徴、諸利益は、下記の詳細な説明および特
許請求の範囲の記載から明らになろう。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち本発明によれば、一
般式(1),(2),(3)または(4)で示される芳
香族カルボン酸またはその誘導体を、シクロデキストリ
ンおよびアルカリ金属水酸化物の存在下で四ハロゲン化
炭素と反応させ、それにより該芳香族カルボン酸または
誘導体の芳香環に結合する水素と置換してカルボキシル
基を該芳香環に導入することを特徴とする芳香族カルボ
ン酸またはその誘導体にカルボキシル基を導入する方法
が提供される。
【0009】式(1)は であり、式中、R1は水素、アルキル基またはアルカリ
金属を示し;R2は水素、アルキル基、アルコキシ基、
カルボキシル基、ニトロ基またはハロゲンを表すが、そ
の結合位置はCOOR1に対してオルト位またはメタ位
であり;
【0010】式(2)は であり、R1は水素、アルキル基またはアルカリ金属を
示し;R2は水素、アルキル基、アルコキシ基、カルボキ
シル基、ニトロ基、アミノ基またはハロゲンを表し;C
OOR1は2、3または4位に結合しており;R2はCO
OR1が2位の場合3、4、5または6位、COOR1
3位の場合2、4、5または6位、COOR1が4位の
場合2または3位に結合し;R3は水素、水酸基、アル
キル基、アルコキシ基、カルボキシル基、ニトロ基、ア
ミノ基またはハロゲンを表し、その結合位置は2’、
3’、4’、5’または6’位であり;
【0011】式(3)は であり、R1は水素、アルキル基またはアルカリ金属を
示し;R2は水素、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、
カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基またはハロゲンを
表し;COOR1は1または2位に結合しており;R2
COOR1が1位の場合2、3または4位、COOR1
2位の場合1、3または4位であり;R3は水素、水酸
基、アルキル基、アルコキシ基、カルボキシル基、ニト
ロ基、アミノ基またはハロゲンを表し、その結合位置
は、5、6、7または8位であり;および、
【0012】式(4)は であり、R1は水素、アルキル基またはアルカリ金属を
示し;R2は水素、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、
カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基またはハロゲンを
表し;COOR1は2、3または4位に結合しており;
2は式COOR1が2位の場合3、4、5または6位、
COOR1が3位の場合2、4、5または6位、COO
1が4位の場合2または3位であり;R3は水素、水酸
基、アルキル基、アルコキシ基、カルボキシル基、ニト
ロ基、アミノ基またはハロゲンを表し、その結合位置は
2’、3’、4’、5’または6’位であり;Xは-O
-,-CH2-,-C(CH3)2-、-CH=CH-,-(C=O)
-,-NH-, -N=N-,-S-,または-SO2-を表す。
【0013】本発明における置換基の置換位置の表示法
はIUPAC有機化学命名規則による。
【0014】本発明に用いる出発物質は、式(1)で示
される安息香酸またはその誘導体(以下「安息香酸」と
しばしば略記する)、式(2)で示されるビフェニルカ
ルボン酸またはその誘導体(以下、単に[ビフェニルカ
ルボン酸」としばしば略記する)、式(3)で示される
ナフタレンカルボン酸またはその誘導体(以下、単に
「ナフタレンカルボン酸」としばしば略記する)式
(4)で示されるジフェニルカルボン酸またはその誘導
体(以下、単に「ジフェニルカルボン酸」としばしば略
記する)からなる群から選ばれる。
【0015】また上記一般式(1)〜(4)において、
1、R2及びR3のアルキル基ならびにアルコキシ基中
のアルキルの好ましい例は炭素数12以下の直鎖状また
は分枝状炭化水素残基であり、R2及びR3のハロゲンの
例はF、Cl,Br、Iであり、好ましくはClおよび
Brである。
【0016】本発明に用いられるシクロデキストリンと
しては、β−シクロデキストリンおよびγ−シクロデキ
ストリンなどが用いられるが、β−シクロデキストリン
が好ましい。また、これらのシクロデキストリンをメチ
ル化、エチル化、ヒドロキシエチル化およびヒドロキシ
プロピル化した修飾シクロデキストリンも用いることが
できる。前記のシクロデキストリンの水酸基をヒドロキ
シアルキル基で架橋した固体状固定化シクロデキストリ
ンを用いることもできる。固体状固定化シクロデキスト
リンを用いることによって高価なシクロデキストリンを
回収して再利用することができて有利である。固体状固
定化シクロデキストリンについての詳細については、米
国特許第4,663,478号明細書を参照することがで
きる。シクロデキストリンの量は、一般に芳香族カルボ
ン酸1モルに対して0.01〜5モルが用いられる。特
に、芳香族カルボン酸が、安息香酸の場合、その1モル
に対してシクロデキストリン0.1〜2モル、ビフェニ
ルカルボン酸、ナフタレンカルボン酸およびジフェニル
カルボン酸の場合は、それぞれの1モルに対して0.2
〜2モルの量を用いるのが好ましい。また、シクロデキ
ストリンの量は、四ハロゲン化炭素1モルに対して0.
001〜3モルが好ましく用いられる。
【0017】本発明に用られる四ハロゲン化炭素の好ま
しい例としては、四塩化炭素および四臭化炭素などをあ
げることができる。四ハロゲン化炭素の量は、一般に芳
香族カルボン酸1モルに対して1〜200モルが用いら
れる。特に、芳香族カルボン酸が、安息香酸の場合、そ
の1モルに対して四ハロゲン化炭素は1〜100モル、
ビフェニルカルボン酸の場合、その1モルに対して1〜
100モル、ナフタレンカルボン酸およびジフェニルカ
ルボン酸の場合、それぞれの1モルに対して1〜20モ
ルを用いるのが好ましい。
【0018】本発明の方法に用いられるアルカリ金属水
酸化物の好ましい例としては、水酸化ナトリウムおよび
水酸化カリウムなどが挙げられる。アルカリ金属水酸化
物の量は出発物質としての芳香族カルボン酸1モルに対
して一般に3〜130モル、好ましくは20〜100モ
ルが用いられる。後述するように、本発明の方法は通常
反応溶媒中で行ない、アルカリ金属水酸化物は、反応溶
媒に溶解した溶液の形で用い、その濃度は、通常1wt
%から50wt%、好ましくは10wt%から35wt
%である。
【0019】上述したように本発明の方法は通常反応溶
媒中で実施され、アルカリ金属水酸化物を溶解できるこ
とから水系溶媒、好ましくは水が使用される。水に可溶
性であり、本発明の方法の反応条件下で安定なメタノー
ル、エタノール、アセトン、ジメトキシエタンのような
有機溶媒を水に少量添加した混合溶媒も溶媒として用い
ることができる。反応溶媒は通常、出発芳香族カルボン
酸に対して50から1000モル、好ましくは300か
ら600モルが用いられる。
【0020】本発明は銅触媒を用いなくても行なうこと
ができるが、銅触媒を用いる方が反応が円滑に進む。銅
触媒の例としては、金属銅の粉末すなわち銅粉、銅ブロ
ンズ[Copper bronze:アルドリッチ カ
タログ ハンドブック オブ ファイン ケミカルズ(Al
drich Catalog Handbookof
Fine Chemicals),1990−199
1,p.345、米国を参照]、銅クロマイト、酸化銅
(I)、硫酸銅および銅(I)アセチルアセトナトなど
を挙げることができる。銅粉および銅ブロンズなどの場
合には粒径の小さいもの、たとえば平均粒径0.5から
300μmのものが好ましい。銅触媒の量としては、出
発物質としての芳香族カルボン酸1モルに対し、一般に
0.01〜4モル(銅原子モル)、銅粉、酸化銅(I)
及び硫酸銅の場合には、好ましくは0.3〜2モル、銅
ブロンズ、銅クロマイトおよび銅(I)アセチルアセト
ナトの場合には、好ましくは0.01〜0.5モル(銅
原子モル)が用いられる。
【0021】反応温度としては、一般に20〜85℃、
好ましくは40〜70℃で行われる。
【0022】反応時間に特に制限はなく、使用する芳香
族カルボン酸および四ハロゲン化炭素の種類と量、シク
ロデキストリンおよび銅触媒の種類と量、反応温度、出
発物質および反応試薬の添加方法等により変るが、一般
には5分〜40時間である。
【0023】反応は空気下で行うことができるが、好ま
しくは窒素下で行なわれる。反応圧に特に制限はない
が、通常は、反応は大気圧下で行われる。
【0024】本発明の方法を実施する場合、出発物質で
ある芳香族カルボン酸、アルカリ金属水酸化物とシクロ
デキストリンを含む反応系に、反応開始時に、使用する
四ハロゲン化炭素の量の全てを加えることができる。ま
た、その代りに、実施例29に示すように、四ハロゲン
化炭素を上記の反応液に、シクロデキストリンの四ハロ
ゲン化炭素に対するモル比が上記の0.001から3の
範囲に維持されるように、制御しながら徐々に加えるこ
ともできる。
【0025】本反応において、シクロデキストリンは触
媒として作用し、特別の効果的な反応場を提供している
と考えられ、シクロデキストリンを用いないと反応はほ
とんど進行しない。四ハロゲン化炭素はアルカリ水溶液
にはほとんど溶解しないが、シクロデキストリンが存在
すると、反応溶液に溶解するようになる。更に、注目す
べきことは、シクロデキストリンは、単に四ハロゲン化
炭素の溶解を向上させるのみでなく、本発明の方法の反
応において、出発芳香族カルボン酸のカルボキシル基に
対してメタ位より遠くの位置にカルボキシル基を導入し
て所望の生成物を選択的に高い収率で生成せしめるのに
有効である。このことは、例えば後記の比較例2に示す
ように、シクロデキストリンの代りに多量のエタノール
(四ハロゲン化炭素の溶解性を高める効果を有すること
がよく知られている)を用いても、カルボキシル基が出
発芳香族カルボン酸のカルボキシル基に対してメタ位よ
り遠くの位置に導入された所望の芳香族ポリカルボン酸
は得られず、カルボキシル基が出発芳香族カルボン酸の
カルボキシル基に対してメタ位に導入された生成物しか
得られないという事実からみて、誠に驚くべきことであ
る。
【0026】本発明の方法において、一般式(1)で示
される芳香族カルボン酸またはその誘導体を出発物質と
して用いる時、式(5)で示すテレフタル酸またはその
誘導体が選択的に得られる。 (式中、R1およびR2は式(1)で定義したものであ
り、R4は水素またはアルカリ金属を示す。)これらの
テレフタル酸類およびその誘導体の例としては、テレフ
タル酸、メチルテレフタル酸、メトキシテレフタル酸、
1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、ニトロテレフタル
酸、クロロテレフタル酸、およびそれらのナトリウム塩
などがあげられる。これらは、ポリエステル系繊維、フ
ィルムおよび樹脂、アラミド系繊維、フィルムおよび樹
脂、ポリアリレート系繊維、フィルムおよび樹脂の原
料、および液晶用の高分子および低分子化合物の原料、
農薬、医薬および染料などの原料として工業的に重要な
ものである。
【0027】本発明の方法において、一般式(2)で示
されるビフェニルカルボン酸またはその誘導体を出発物
質として用いる時、式(6)で示すビフェニルジカルボ
ン酸またはその誘導体が選択的に得られる。 (式中、R1、R2およびR3は式(2)で定義したもの
と同一であり、R4は式(5)で定義したものと同一で
ある。COOR4は2’位、3’位、4’位、5’位ま
たは6’位に結合しているが、但し、出発物質R3が水
素以外の場合にはR3の位置には結合しない。)
【0028】これらのビフェニルジカルボン酸およびそ
の誘導体の例としては、4,4'−ビフェニルジカルボン
酸、2,2'−ビフェニルジカルボン酸、3,3'−ビフェ
ニルジカルボン酸、2,4'−ビフェニルジカルボン酸、
3−メチル−4,4'−ビフェニルジカルボン酸、3−メ
トキシ−4,4'−ビフェニルジカルボン酸、3,4,4'
−ビフェニルトリカルボン酸、3−ニトロ−4,4'−ビ
フェニルジカルボン酸、2−クロロ−4,4'−ビフェニ
ルジカルボン酸、4−アミノ−3,4'−ビフェニルジカ
ルボン酸、およびそれらのナトリウム塩などがあげられ
る。これらは、ポリエステル系、アラミド系、およびポ
リアリレート系のそれぞれの繊維、フィルムおよび樹
脂、また液晶用の高分子化合物および低分子化合物の原
料として工業的に重要なものである。
【0029】本発明の方法において、一般式(3)で示
されるナフタレンカルボン酸またはその誘導体を出発物
質として用いる時、式(7)で示すナフタレンジカルボ
ン酸またはその誘導体が選択的に得られる。 (式中、R1、R2およびR3は式(3)で定義したもの
と同一であり、R4は式(5)で定義したものと同一で
ある。COOR4は5位、6位、7位または8位に結合
しているが、但し、出発物質のR3が水素以外の場合に
はR3の位置には結合しない。)
【0030】これらのナフタレンジカルボン酸および誘
導体の例としては、2,6−ナフタレンジカルボン酸、
2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,6−ナフタレンジ
カルボン酸、3−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸、8−メチル−2,6−ナフタレンジカルボン
酸、8−メトキシ−2,6−ナフタレンジカルボン酸、
1,2,6−ナフタレントリカルボン酸、8−ニトロ−
2,6−ナフタレンジカルボン酸、7−アミノ−2,6−
ナフタレンジカルボン酸、7−ブロモ−2,6−ナフタ
レンジカルボン酸、およびそれらのナトリウム塩などが
あげられる。これらは、ポリエステル系およびポリアリ
レート系のそれぞれの繊維、フィルムおよび樹脂、また
液晶用の高分子化合物および低分子化合物、染料などの
原料として工業的に重要なものである。
【0031】本発明の方法において、一般式(4)で示
されるジフェニルカルボン酸またはその誘導体を出発物
質として用いる時、式(8)で示すジフェニルジカルボ
ン酸またはその誘導体が選択的に得られる。 (式中、R1、R2およびR3は式(4)で定義したもの
と同一であり、R4は式(5)で定義したものと同一で
ある。COOR4は2'位、3'位、4'位、5'位または
6'位に結合しているが、但し、出発物質のR3が水素以
外の場合にはR3の位置には結合しない。)
【0032】これらのジフェニルジカルボン酸類および
その誘導体の例としては、4,4'−ジカルボキシジフェ
ニルエーテル、4−(4'−カルボキシベンジル)安息
香酸、4−(4'−カルボキシフェニルジメチルメチ
ル)安息香酸、4−(4'−カルボキシスチリル)安息
香酸、4−(4'−カルボキシベンゾイル)安息香酸、
4,4'−イミノ二安息香酸、4,4'−(1,1’−ア
ゾ)安息香酸、4,4'−チオ二安息香酸、4,4'−スル
ホニル二安息香酸およびそれらのナトリウム塩などがあ
げられる。これらは、ポリエステル系、およびポリアリ
レート系のそれぞれの繊維、フィルムおよび樹脂、また
液晶用高分子化合物および低分子化合物、農薬、医薬お
よび染料などの原料として工業的に重要なものである。
【0033】本発明の方法により、得られる生成物は次
に述べる方法により単離することができる。カルボキシ
ル基導入反応によって得られる反応液を中和し弱酸性
(pH2〜5)にすると生成物である芳香族ポリカルボ
ン酸と大部分の未反応の出発芳香族カルボン酸が沈殿す
る。これを濾過して得られる濾滓中の未反応の出発芳香
族カルボン酸と副生成物はpH2〜5の条件下でメタノ
ールあるいはエタノールに溶解するが、一方所望の芳香
族ポリカルボン酸は溶解しないので、濾滓をメタノール
あるいはエタノールで処理することで未反応出発物質と
副生成物を抽出し、所望の芳香族ポリカルボン酸を、未
反応出発物質と副生成物から分離することができる。ま
た、芳香族ポリカルボン酸生成物の純度を更に上げたい
場合には、イオン交換カラムクロマトグラフ法によって
精製・単離することができる。イオン交換カラムとして
は強アニオン交換樹脂カラムが好ましい。強アニオン交
換樹脂カラムを用いて更に精製する場合、前記のアルコ
ール処理した濾滓を硝酸ナトリウムおよびホウ酸系水溶
液(水酸化ナトリウムを加えてpH9.7に調整)にア
セトニトリルを加えた溶液に加えて撹拌し、生成物を溶
解した後再び濾過し、濾液を強アニオン交換カラムに流
下させるとモノカルボン酸を出発物質として用いた場
合、ジカルボン酸が未反応のモノカルボン酸より先に分
離して溶出するので、ジカルボン酸を未反応のモノカル
ボン酸と単離することができる。同様に、ジカルボン酸
を出発物質として用いた場合、トリカルボン酸が未反応
のジカルボン酸より先に溶出するので、トリカルボン酸
を未反応のジカルボン酸と単離することができる。また
上記クロマトグラフ法における溶出の順序の違いを利用
して副生成物も除去できる。上記の操作において、加え
るアセトニトリルの量は、生成物がテレフタル酸の場合
は0〜5vol%、生成物がビフェニルジカルボン酸、
ナフタレンジカルボン酸及びジフェニルジカルボン酸の
場合には10〜25vol%加えるのが好ましい。
【0034】上記したように、本発明により従来極めて
困難とされていた水酸基またはアミノ基を有さない芳香
族カルボン酸へのカルボキシル基の導入が始めて容易に
行なうことが可能になると共に、出発芳香族カルボン酸
に水酸基またはアミノ基が共存する場合でも、水酸基ま
たはアミノ基の位置に対してオルト位またはパラ位では
なく出発芳香族カルボン酸のカルボキシル基に対してカ
ルボキシル基の本来のメタ置換配向性からは考えられな
い遠い位置に導入して有用な芳香族ポリカルボン酸を得
ることが可能になった。このようにして、本発明の方法
によれば、例えば、多くの高機能性樹脂や繊維、あるい
は液晶構成物質としての高分子または低分子化合物等の
原料として工業的に重要な芳香族ジカルボン酸は、安息
香酸またはその誘導体などの芳香族モノカルボン酸を原
料として選択的に有利に得ることができる他、順次カル
ボキシル基を1個づつ導入していくことによって所望の
芳香族ポリカルボン酸を選択的に得ることができる。
【0035】次に、本発明を具体的に実施例を挙げて説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。以下の実施例において、出発物質および反応生
成物の分析は液体クロマトグラフ法を用いて行なった。
高速液体クロマトグラフ装置(東ソー製、8010シリ
ーズ)に紫外可視吸収検出器(東ソー製、UV−801
0)およびイオン交換カラム(東ソー製、TSK−ge
l SAX、強アニオン交換カラム)を装着して用い
た。
【0036】式(1)で示される安息香酸類の反応の場
合は、検出波長254nm、流速1.0ml/min、
カラム温度40℃、展開溶媒[0.3M硝酸ナトリウム
+0.05Mほう酸(pH9.7)+5%アセトニトリ
ル]で測定を行った。ただし、イソフタル酸を分析する
ためには、展開溶媒[0.3M硝酸ナトリウム+0.0
5Mほう酸(pH9.7)]を用いた。式(2)〜
(4)で示されるその他の芳香族カルボン酸類の反応の
場合は、検出波長258nm、流速1.0ml/mi
n、カラム温度40℃、展開溶媒[0.5M硝酸ナトリ
ウム+0.05Mほう酸(pH9.8)+10〜25v
ol%アセトニトリル]で測定を行った。出発物質およ
び反応生成物にそれぞれ対応する標準物質を用いて、保
持時間を比較することにより定性を行い、また、絶対検
量線法により定量を行なった。なお、反応生成物の収率
は、各反応で仕込んだ芳香族カルボン酸類に対するモル
%で示す。また、未反応のまま反応液中に残存する出発
物質の量は、仕込んだ芳香族カルボン酸に対するモル%
で示した。
【0037】
【実施例】
実施例1 還流冷却器付き200ml丸底フラスコ中に、安息香酸
(関東化学製特級試薬)0.36g(3.00mmo
l)、銅粉(関東化学製一級試薬)0.05g(0.8
0mmol)およびβ−シクロデキストリン(東京化成
製試薬)1.7g(1.50mmol)を採取し、反応
器の空間部を窒素置換した後、これに30wt%水酸化
ナトリウム水溶液30mlを加え、磁気撹拌器を用い十
分撹拌した後、60℃に加温し、これに四塩化炭素(関
東化学製特級試薬)0.9ml(9.55mmol)を
加え反応を行った。7時間後、反応溶液を冷却し塩酸で
中和し、弱酸性(pH2)として反応を停止した。この
反応溶液を濾過し、濾液は炭酸水素ナトリウム(関東化
学製鹿1級試薬)水溶液で中和した後、前記した液体ク
ロマトグラフ法により出発物質および反応生成物の分
析、定量を行なった。濾滓は0.5M炭酸水素ナトリウ
ム水溶液200mlに投入し、3時間、撹拌混合して、
出発物質および反応生成物を溶解し、再び濾過して、濾
液を液体クロマトグラフ法で分析、定量した。テレフタ
ル酸およびイソフタル酸をそれぞれ収率31.0モル%
および1.8モル%で得た。フタル酸は検出されなかっ
た。未反応安息香酸の量は37.0モル%であった。
【0038】実施例2 β−シクロデキストリンを1.7g(1.50mmo
l)の代りに0.35g(0.31mmol)を用いる
以外は実施例1と同様の操作を行なったところ、テレフ
タル酸のみを収率9.9モル%で得た。フタル酸および
イソフタル酸は検出されなかった。未反応安息香酸の量
は86.0モル%であった。
【0039】実施例3 β−シクロデキストリン1.7g(1.50mmol)
の代りに6.8g(6.00mmol)を用いる以外は
実施例1と同様の操作を行なったところ、テレフタル酸
およびイソフタル酸をそれぞれ収率7.0モル%および
3.3モル%で得た。フタル酸は検出されなかった。未
反応安息香酸の量は58.1モル%であった。
【0040】実施例4 四塩化炭素0.9ml(9.55mmol)の代りに
6.0ml(62.4mmol)用いる以外は実施例1
と同様の操作を行なったところ、テレフタル酸およびイ
ソフタル酸をそれぞれ収率44.4モル%および5.0
モル%で得た。フタル酸は検出されなかった。未反応安
息香酸の量は25.7モル%であった。
【0041】比較例1 β−シクロデキストリンを用いない以外は実施例1と同
様の操作を行なったところ、反応はほとんど進行しなか
った。
【0042】比較例2 比較例1と同様にβ−シクロデキストリンを用いずに、
さらに30wt%水酸化ナトリウムの代りに30wt%
水酸化ナトリウム水溶液:エタノール=1:2混合溶媒
を用いて実施例1と同様の操作を行なったところ、イソ
フタル酸のみを収率1.1モル%で得た。未反応安息香
酸の量は98.9モル%であった。
【0043】実施例5 実施例1と同様な反応装置に、安息香酸0.36g
(3.00mmol)、銅粉0.05g(0.80mm
ol)およびβ−シクロデキストリン1.7g(1.5
0mmol)を採取し、反応器の空間部を窒素置換した
後、これに15wt%水酸化ナトリウム水溶液30ml
を加え、磁気撹拌器を用い十分撹拌した後、60℃に加
温し、これに四塩化炭素0.9ml(9.55mmo
l)を加え反応を行った。7時間後、反応溶液を冷却し
塩酸で中和し弱酸性(pH2)として反応を停止した。
テレフタル酸およびイソフタル酸をそれぞれ収率7.3
モル%および1.3モル%で得た。フタル酸は検出され
なかった。未反応安息香酸の量は87.2モル%であっ
た。
【0044】比較例3 β−シクロデキストリンを用いない以外は実施例5と同
様の操作を行なったところ、テレフタル酸のみを収率
0.1モル%で得た。フタル酸およびイソフタル酸は検
出されなかった。未反応安息香酸の量は98.7モル%
であった。
【0045】実施例6 15wt%水酸化ナトリウム水溶液30mlの代りに4
0wt%水酸化ナトリウム水溶液30mlを用いる以外
は、実施例5と同様の操作を行なったところ、テレフタ
ル酸のみを収率0.5モル%で得た。フタル酸およびイ
ソフタル酸は検出されなかった。未反応安息香酸の量は
96.4モル%であった。
【0046】実施例7 β−シクロデキストリンの代りにγ−シクロデキストリ
ン(ナカライテスク製特級試薬)1.9g(1.46m
mol)を用いる以外は、実施例1と同様の操作を行な
ったところ、テレフタル酸およびイソフタル酸をそれぞ
れ収率2.8モル%、2.5モル%で得た。フタル酸は
検出されなかった。未反応安息香酸の量は77.1モル
%であった。
【0047】実施例8 銅粉を用いない以外は、実施例4と同様の操作を行なっ
たところ、テレフタル酸およびイソフタル酸をそれぞれ
収率9.7モル%および1.2モル%で得た。フタル酸
は検出されなかった。未反応安息香酸の量は77.0モ
ル%であった。
【0048】実施例9 30wt%水酸化ナトリウム水溶液の代りに30wt%
水酸化カリウム水溶液30mlを用いる以外は、実施例
1と同様の操作を行なったところ、テレフタル酸および
イソフタル酸をそれぞれ収率17.1モル%および1
0.3モル%で得た。フタル酸は検出されなかった。未
反応安息香酸の量は72.0モル%であった。
【0049】実施例10 実施例1と同様な反応装置に、安息香酸0.36g
(3.00mmol)、銅ブロンズ(アルドリッチ製試
薬)0.05g(0.80mmol)およびβ−シクロ
デキストリン1.7g(1.50mmol)を採取し、
反応器の空間部を窒素置換した後、これに30wt%水
酸化ナトリウム水溶液30mlを加え、磁気撹拌器を用
い十分撹拌した後、60℃に加温し、これに四塩化炭素
6.0ml(62.4mmol)を加え反応を行った。
7時間後、反応溶液を冷却し塩酸で中和し弱酸性(pH
4)として反応を停止した。この溶液に炭酸水素ナトリ
ウム水溶液を加えてpH8とし、3時間撹拌を行って、
出発物質および反応生成物を溶解した。その後、濾過
し、その濾液について液体クロマトグラフ法で分析、定
量した。テレフタル酸およびイソフタル酸をそれぞれ収
率63.2モル%および12.6モル%で得た。フタル
酸は検出されなかった。未反応安息香酸の量は17.4
モル%であった。
【0050】実施例11 四塩化炭素6.0ml(62.4mmol)の代りに1
5.0ml(156mmol)を用いる以外は実施例1
0と同様の操作を行なったところ、テレフタル酸および
イソフタル酸をそれぞれ収率73.8モル%および1
4.3モル%で得た。フタル酸は検出されなかった。未
反応安息香酸の量は11.9モル%であった。
【0051】実施例12 銅ブロンズ0.05g(0.80mmol)の代りに
0.02g(0.31mmol)を用いる以外は実施例
11と同様の操作を行なったところ、テレフタル酸およ
びイソフタル酸をそれぞれ収率74.4モル%および1
1.8モル%で得た。フタル酸は検出されなかった。未
反応安息香酸の量は13.8モル%であった。
【0052】実施例13 実施例1と同様な反応装置に、4−ビフェニルカルボン
酸(ナカライテスク製一級試薬)0.60g(3.00
mmol)、銅粉0.05g(0.80mmol)およ
びβ−シクロデキストリン3.4g(3.00mmo
l)を採取し、反応器の空間部を窒素置換した後、これ
に30wt%水酸化ナトリウム水溶液30mlを加え、
磁気撹拌器を用い十分撹拌した後、60℃に加温し、こ
れに四塩化炭素0.9ml(9.55mmol)を加え
反応を行った。7時間後、反応溶液を冷却し塩酸で中和
し弱酸性(pH2)として反応を停止した。その溶液を
濾過し、濾液を水で200mlまで希釈し、これに硝酸
ナトリウム(関東化学製特級試薬)8.5g、ほう酸
(関東化学製特級試薬)0.6gを加え、1N水酸化ナ
トリウム(関東化学製)水溶液でpH9.8とし、さら
にアセトニトリルを50ml加え、3時間撹拌を行なっ
た後、再び濾過し、この濾液について液体クロマトグラ
フ法で分析定量した。最初の濾過で得た濾滓は、前に説
明した展開溶媒[0.5M硝酸ナトリウム+0.05M
ほう酸(pH9.8)+25vol%アセトニトリル]
200mlに加えて3時間、撹拌した後、再び濾過し、
この濾液について液体クロマトグラフ法で分析定量し
た。4,4'−ビフェニルジカルボン酸を収率24.9モ
ル%で得た。未反応4−ビフェニルカルボン酸の量は3
8.2モル%であった。
【0053】実施例14 β−シクロデキストリン3.4g(3.00mmol)
の代りに1.7g(1.50mmol)を用いる以外
は、実施例13と同様の操作を行なったところ、4,4'
−ビフェニルジカルボン酸を収率19.1モル%で得
た。未反応4−ビフェニルカルボン酸の量は68.7モ
ル%であった。
【0054】比較例4 β−シクロデキストリンを用いない以外は実施例13と
同様の操作を行なったところ、反応はほとんど進行しな
かった。
【0055】実施例15 四塩化炭素を0.9ml(9.55mmol)の代りに
6.0ml(62.4mmol)を用いる以外は、実施
例13と同様の操作を行なったところ、4,4'−ビフェ
ニルジカルボン酸を収率28.9モル%で得た。未反応
4−ビフェニルカルボン酸の量は51.6モル%であっ
た。
【0056】実施例16 四塩化炭素0.9ml(9.55mmol)の代りに1
2.0ml(125mmol)を用いる以外は、実施例
13と同様の操作を行なったところ、4,4'−ビフェニ
ルジカルボン酸を収率33.4%で得た。未反応4−ビ
フェニルカルボン酸の量は56.3モル%であった。
【0057】実施例17 実施例1と同様な反応装置に4−ビフェニルカルボン酸
(ナカライテスク製一級試薬)0.60g(3.00m
mol)、銅ブロンズ0.05g(0.80mmol)
およびβ−シクロデキストリン3.4g(3.00mm
ol)を採取し、反応器の空間部を窒素置換した後、こ
れに30wt%水酸化ナトリウム水溶液30mlを加
え、磁気撹拌器を用い十分撹拌した後、60℃に加温
し、これに四塩化炭素12.0ml(125mmol)
を加え反応を行った。7時間後、反応溶液を冷却し、塩
酸で中和し、弱酸性(pH5)として反応を停止した。
この溶液を水で200mlまで希釈し、その溶液に硝酸
ナトリウム(関東化学製特級試薬)8.5g、ほう酸
(関東化学製特級試薬)0.6gを加え、1N水酸化ナ
トリウム水溶液(関東化学製)でpH9.8とし、さら
にアセトニトリルを50ml加え、3時間撹拌を行なっ
た後、再び濾過し、この濾液について液体クロマトグラ
フ法で分析定量した。その結果、4,4'−ビフェニルジ
カルボン酸を収率64.9モル%で得た。未反応4−ビ
フェニルカルボン酸の量は30.5モル%であった。
【0058】実施例18 実施例1と同様な反応装置に、2−ナフタレンカルボン
酸(ナカライテスク製特級試薬)0.52g(3.00
mmol)、銅粉0.05g(0.80mmol)およ
びβ−シクロデキストリン3.4g(3.00mmo
l)を採取し、反応器の空間部を窒素置換した後、これ
に30wt%水酸化ナトリウム水溶液30mlを加え、
磁気撹拌器を用い十分撹拌した後、60℃に加温し、こ
れに四塩化炭素0.9ml(9.55mmol)を加え
反応を行った。7時間後、反応溶液を冷却し塩酸で中和
し弱酸性(pH5)として反応を停止した。この溶液に
ついて実施例17と同様の方法で分析定量した結果、
2,6−ナフタレンジカルボン酸を収率39.0モル%
で得た。未反応2−ナフタレンカルボン酸の量は28.
2モル%であった。
【0059】実施例19 β−シクロデキストリン3.4g(3.00mmol)
の代りに1.7g(1.50mmol)を用いる以外
は、実施例18と同様の操作を行なったところ、2,6
−ナフタレンジカルボン酸を収率24.4モル%で得
た。未反応2−ナフタレンカルボン酸の量は59.3モ
ル%であった。
【0060】比較例5 β−シクロデキストリンを用いない以外は実施例18と
同様の操作を行なったところ、反応はほとんど進行しな
かった。
【0061】実施例20 銅粉の代りに銅ブロンズ0.05g(0.80mmo
l)を用いる以外は実施例18と同様の操作を行なった
ところ、2,6−ナフタレンジカルボン酸を収率44.
5モル%で得た。未反応2−ナフタレンカルボン酸の量
は27.7モル%であった。
【0062】実施例21 銅粉の代りに銅ブロンズ0.02g(0.31mmo
l)を用いる以外は実施例18と同様の操作を行なった
ところ、2,6−ナフタレンジカルボン酸を収率47.
1モル%で得た。未反応2−ナフタレンカルボン酸の量
は27.3モル%であった。
【0063】実施例22 安息香酸の代りにオルトメチル安息香酸(東京化成製特
級試薬)0.41g(3.01mmol)を用いる以外
は、実施例4と同様の操作を行なったところ、メチルテ
レフタル酸のみを収率3.9モル%で得た。未反応オル
トメチル安息香酸の量は36.2モル%であった。
【0064】実施例23 銅粉の代りに銅ブロンズ0.05g(0.80mmo
l)を用いる以外は実施例22と同様の操作を行なった
ところ、メチルテレフタル酸のみを収率5.4モル%で
得た。未反応オルトメチル安息香酸の量は44.1モル
%であった。
【0065】実施例24 安息香酸の代りにオルトメトキシ安息香酸(関東化学製
特級試薬)0.46g(3.02mmol)を用いる以
外は、実施例4と同様の操作を行なったところ、メトキ
シテレフタル酸のみを収率5.4モル%で得た。未反応
オルトメトキシ安息香酸の量は94.6モル%であっ
た。
【0066】実施例25 銅ブロンズ0.05g(0.80mmol)の代りに
0.04g(0.63mmol)を用いる以外は実施例
11と同様の操作を行なったところ、テレフタル酸およ
びイソフタル酸をそれぞれ収率75.1モル%および1
1.1モル%で得た。未反応の安息香酸の量は13.7
モル%であった。
【0067】実施例26 銅ブロンズ0.05g(0.80mmol)の代りに
0.08g(1.26mmol)を用いる以外は実施例
17と同様の操作を行なったところ、4,4’−ビフェ
ニルジカルボン酸を収率69.0モル%で得た。未反応
の4−ビフェニルカルボン酸の量は20.0モル%であ
った。
【0068】実施例27 四塩化炭素0.9ml(9.55mmol)の代りに
1.5ml(15.6mmol)を用いる以外は実施例
21と同様の操作を行なったところ、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸およ
び1,6−ナフタレンジカルボン酸をそれぞれ収率5
8.4モル%、10.0モル%および2.4モル%で得
た。未反応2−ナフタレンカルボン酸は検出されなかっ
た。
【0069】実施例28 β−シクロデキストリン3.4g(3.00mmol)
の代りに6.8g(6.00mmol)を用いる以外は
実施例27と同様の操作を行なったところ、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン
酸および1,6−ナフタレンジカルボン酸をそれぞれ収
率61.2モル%、8.8モル%および2.6モル%で
得た。未反応2−ナフタレンカルボン酸は検出されなか
った。
【0070】実施例29 実施例1と同様な反応装置に、2−ナフタレンカルボン
酸(ナカライテスク製特級試薬)0.52g(3.00
mmol)、銅ブロンズ0.02g(0.31mmo
l)およびβ−シクロデキストリン6.8g(6.00
mmol)を採取し、反応器の空間部を窒素置換した
後、これに30wt%水酸化ナトリウム水溶液30ml
を加え、磁気撹拌器を用い十分撹拌した後、60℃に加
湿した。これに四塩化炭素0.06ml(0.62mm
ol)を加え反応を行ない、以後15分毎に四塩化炭素
0.06ml(0.62mmol)ずつ加え続けた。8
時間後、反応溶液を冷却し塩酸で中和し弱酸性(pH
5)として反応を停止した。この溶液について実施例1
7と同様の方法で分析定量した結果、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸およ
び1,6−ナフタレンジカルボン酸をそれぞれ収率6
7.4モル%、10.6モル%および2.4モル%で得
た。未反応2−ナフタレンカルボン酸は検出されなかっ
た。
【0071】実施例30 四塩化炭素6.0ml(62.4mmol)の代りに1
5ml(156mmol)を、β−シクロデキストリン
1.7g(1.50mmol)の代りに3.4g(3.
00mmol)を用いる以外は実施例23と同様の操作
を行なったところ、メチルテレフタル酸のみを収率6.
2モル%で得た。未反応オルトメチル安息香酸の量は3
7.0モル%であった。
【0072】実施例31 オルトメチル安息香酸の代りにメタメチル安息香酸(東
京化成製特級試薬)0.41g(3.00mmol)を
用いる以外は、実施例30と同様の操作を行なったとこ
ろ、メチルテレフタル酸のみを収率1.2モル%で得
た。未反応メタメチル安息香酸の量は65.5モル%で
あった。
【0073】実施例32 安息香酸の代りにオルトクロロ安息香酸(ナカライテス
ク製特級試薬)0.47g(3.00mmol)を用い
る以外は、実施例11と同様の操作を行なったところ、
クロロテレフタル酸および6−クロロイソフタル酸をそ
れぞれ収率5.8モル%および3.2モル%で得た。未
反応オルトクロロ安息香酸の量は90.2モル%であっ
た。
【0074】実施例33 安息香酸の代りにオルトニトロ安息香酸(東京化成製特
級試薬)0.50g(3.00mmol)を用い、四塩
化炭素15.0ml(156mmol)の代りに0.9
ml(9.55mmol)を用いる以外は、実施例11
と同様の操作を行なったところ、ニトロテレフタル酸お
よび3−ニトロフタル酸をそれぞれ収率2.2モル%お
よび0.7モル%で得た。未反応オルトニトロ安息香酸
の量は41.0モル%であった。
【0075】実施例34 安息香酸の代りにメタニトロ安息香酸(東京化成製特級
試薬)0.50g(3.00mmol)を用い、反応時
間を7時間から5分にする以外は、実施例11と同様の
操作を行なったところ、5−ニトロイソフタル酸のみを
収率2.5モル%で得た。未反応メタニトロ安息香酸の
量は43.3モル%であった。
【0076】実施例35 安息香酸の代りに4−ベンゾイル安息香酸(和光純薬製
特級試薬)0.68g(3.00mmol)を用い、β
−シクロデキストリン1.7g(1.5mmol)の代
りに3.4g(3.00mmol)を用いる以外は、実
施例11と同様の操作を行なったところ、4−(4’−
カルボキシベンゾイル)安息香酸のみを収率11.7モ
ル%で得た。未反応4−ベンゾイル安息香酸の量は6
7.9モル%であった。
【0077】実施例36 安息香酸の代りに4−フェノキシ安息香酸0.64g
(3.00mmol)を用い、β−シクロデキストリン
1.7g(1.5mmol)の代りに3.4g(3.0
0mmol)を用いる以外は、実施例11と同様の操作
を行なったところ、4,4’−ジカルボキシジフェニル
エーテルのみを収率2.0モル%で得た。未反応4−フ
ェノキシ安息香酸の量は84.4モル%であった。なお
4−フェノキシ安息香酸は、4−フェノキシアセトフェ
ノン(アルドリッチ製試薬)、次亜塩素酸カリウム(関
東化学鹿1級試薬)、亜硫酸水素ナトリウム(ナカライ
テスク製特級試薬)およびクロロホルム(ナカライテス
ク製特級試薬)を用いて、Marta I.Litter and C.S.Mar
vel,Journal of Polymer Science: Polymer Chemistry
Edition 23 2205 〜 2223 (1985)に従って合成および精
製したものを使用した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B01J 31/04 C07C 63/15 Z C07C 63/15 63/333 63/333 63/38 63/38 67/313 67/313 69/76 A 69/76 Z 69/88 69/88 69/92 69/92 69/94 69/94 201/12 201/12 205/57 205/57 C07B 61/00 300 // C07B 61/00 300 B01J 23/82 X (72)発明者 斎藤 和弘 東京都板橋区板橋一丁目29番4号 (56)参考文献 特開 昭58−26840(JP,A) 特開 昭58−170729(JP,A) 特開 昭53−46934(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 51/093 B01J 23/72 B01J 23/835 B01J 23/84 B01J 27/053 B01J 31/04 C07C 63/15 C07C 63/333 C07C 63/38 C07C 67/313 C07C 69/76 C07C 69/88 C07C 69/92 C07C 69/94 C07C 201/12 C07C 205/57 C07C 227/02 C07C 229/52 C07C 245/08 C07C 315/04 C07C 317/44 C07C 319/20 C07C 323/62 C07B 61/00 300

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1),(2),(3)または
    (4)で示される芳香族カルボン酸またはその誘導体
    を、シクロデキストリンおよびアルカリ金属水酸化物の
    存在下で四ハロゲン化炭素と反応させ、それにより該芳
    香族カルボン酸または誘導体の芳香環に結合する水素と
    置換してカルボキシル基を該芳香環に導入することを特
    徴とする芳香族カルボン酸またはその誘導体にカルボキ
    シル基を導入する方法。但し式(1)は 【化1】 であり、式中、Rは水素、アルキル基またはアルカリ
    金属を示し;Rは水素、アルキル基、アルコキシ基、
    カルボキシル基、ニトロ基またはハロゲンを表すが、そ
    の結合位置はCOORに対してオルト位またはメタ位
    であり; 式(2)は 【化2】 であり、Rは水素、アルキル基またはアルカリ金属を
    示し;Rは水素、アルキル基、アルコキシ基、カルボ
    キシル基、ニトロ基、アミノ基またはハロゲンを表し;
    COORは2、3または4位に結合しており;R
    COORが2位の場合3、4、5または6位、COO
    が3位の場合2、4、5または6位、COOR
    4位の場合2または3位に結合し;Rは水素、水酸
    基、アルキル基、アルコキシ基、カルボキシル基、ニト
    ロ基、アミノ基またはハロゲンを表し、その結合位置は
    2’、3’、4’、5’または6’位であり; 式(3)は 【化3】 であり、Rは水素、アルキル基またはアルカリ金属を
    示し;Rは水素、水酸基、アルキル基、アルコキシ
    基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基またはハロゲ
    ンを表し;COORは1または2位に結合しており;
    はCOORが1位の場合2、3または4位、CO
    ORが2位の場合1、3または4位であり;Rは水
    素、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、カルボキシル
    基、ニトロ基、アミノ基またはハロゲンを表し、その結
    合位置は、5、6、7または8位であり;および、 式(4)は 【化4】 であり、Rは水素、アルキル基またはアルカリ金属を
    示し;Rは水素、水酸基、アルキル基、アルコキシ
    基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基またはハロゲ
    ンを表し;COORは2、3または4位に結合してお
    り;Rは式COORが2位の場合3、4、5または
    6位、COORが3位の場合2、4、5または6位、
    COORが4位の場合2または3位であり;Rは水
    素、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、カルボキシル
    基、ニトロ基、アミノ基またはハロゲンを表し、その結
    合位置は2’、3’、4’、5’または6’位であり;
    Xは-O-,-CH-,-C(CH)-、-CH=CH-,
    -(C=O)-,-NH-, -N=N-,-S-,または-SO
    -を表し、但し、 上記式(1)で示される芳香族カルボン酸またはその誘
    導体を出発物質として用いる時、下記式(5): 【化5】 (式中、R およびR は式(1)で定義したものであ
    り、R は水素またはアルカリ金属を示す。)で示され
    るテレフタル酸またはその誘導体が選択的に得られ; 上記式(2)で示されるビフェニルカルボン酸またはそ
    の誘導体を出発物質として用いる時、下記式(6): 【化6】 (式中、R 、R およびR は式(2)で定義したも
    のと同一であり、R は式(5)で定義したものと同一
    であり、COOR は2’位、3’位、4’位、5’位
    または6’位に結合しているが、但し、出発物質のR
    が水素以外の場合にはR の位置には結合しない。)で
    示されるビフェニルジカルボン酸またはその誘導体が選
    択的に得られ; 上記式(3)で示されるナフタレンカルボン酸またはそ
    の誘導体を出発物質として用いる時、下記式(7): 【化7】 (式中、R 、R およびR は式(3)で定義したも
    のと同一であり、R は式(5)で定義したものと同一
    であり、COOR は5位、6位、7位または8位に結
    合しているが、但し、出発物質のR が水素以外の場合
    にはR の位置には結合しない。)で示されるナフタレ
    ンジカルボン酸またはその誘導体が選択的に得られ; 上記式(4)で示されるジフェニルカルボン酸またはそ
    の誘導体を出発物質として用いる時、下記式(8): 【化8】 (式中、R 、R およびR は式(4)で定義したも
    のと同一であり、R は式(5)で定義したものと同一
    であり、COOR は2'位、3'位、4'位、5'位また
    は6'位に結合しているが、但し、出発物質のR が水
    素以外の場合にはR の位置には結合しない。)で示さ
    れるジフェニルジカルボン酸またはその誘導体が選択的
    に得られる。
  2. 【請求項2】 該反応を反応溶媒中で行なう請求項1に
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 アルカリ金属水酸化物を該反応溶媒に溶
    解した溶液の形で用い、その濃度が1〜50重量%であ
    る請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 該反応を銅触媒の存在下で行なうことを
    特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 シクロデキストリンが、β-シクロデキ
    ストリン、γ-シクロデキストリン、修飾シクロデキス
    トリン及び固体状固定化シクロデキストリンからなる群
    から選ばれることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    に記載の方法。
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