JP3096650U - 断熱防水材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 軽量で工法が簡単で、耐久性のある断熱防水
材を提供するものである。 【解決手段】 所定の厚さを有した方形又は矩形の断熱
材の上面を面取りし、隣り合う２辺それぞれの側面の下
半分をその下面は水平にその上面は上り勾配を付けて所
定の寸法に張り出し、対応する２辺それぞれの側面の上
半分をその上面は水平にその下面は下り勾配を付けて所
定の寸法に張り出した形状の断熱材の少なくとも最上下
の２面にポリウレタン系樹脂を所定の厚みに塗布し、防
水皮膜を形成することを特徴とする。このパネル型断熱
防水材を屋上床面に敷き込み、隣り合うパネル型断熱防
水材との間に生ずる上面のＶ字型の溝にコーキング剤を
塗り込むことにより防水構造を形成する。この形状の断
熱防水材を使用すると、張り出し部分に水を返す勾配が
ついているので、より防水効果を向上させるものであ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、ビルの屋上やベランダ等の防水・断熱工事に使用するパネル型断熱 防水材、側面用断熱防水材、コーナー用断熱防水材に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、屋上やベランダの防水加工は屋上に防水シートを敷き、その上に保 護モルタルを敷き詰める方法が主流である。また、防水・断熱を目的としたパネ ル型断熱防水材はいくつか提案されているが、断熱材の上下２面に強化プラスチ ック等の防水シートを接着した構造のものや、曲げ加工した金属板により断熱材 を覆った構造である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の技術には次のような欠点があった。 （イ）防水シートの上に保護モルタルを敷き詰める方法は工法は簡単であるが、 重量が重くなりすぎる。 （ロ）断熱材の上下２面に強化プラスチック等の防水シートを接着した構造のパ ネル型断熱防水材は、軽量で断熱効果も大きいが、断熱材に直接塗布でき ないので、現場での施工作業に制約を受ける。 （ハ）曲げ加工した金属板を使用した断熱防水パネルは防水シートの接合部が少 ないため、防水効果や断熱効果は得られるが、強化プラスチックを使用し たものには価格や重量の点で及ばない。 本考案は、以上の欠点を解決するために考案されたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前記目的に沿う請求項１記載のパネル型断熱防水材は、所定の厚さを有した方 形又は矩形の発泡スチロールの断熱材の下面にポリウレタン系樹脂を所定の厚み に塗布して、防水皮膜を形成させることを特徴とする。このパネル型断熱防水材 を屋上床面に敷き込み、上面全体にポリウレタン系樹脂を所定の厚さに塗布する ことにより断熱防水構造を形成するものである。

【０００５】 また、請求項２記載のパネル型断熱防水材は、所定の厚さを有した方形又は矩形 の断熱材の上面を面取りし、少なくとも上下２面にポリウレタン系樹脂を所定の 厚みに塗布し、防水皮膜を形成することを特徴とする。このパネル型断熱防水材 を屋上床面に敷き込み、隣り合うパネル型断熱防水材との間に生ずる上面のＶ字 型の溝にコーキング剤を塗り込むことにより断熱防水構造を形成するものである 。

【０００６】 また、請求項３記載のパネル型断熱防水材は、所定の厚さを有した方形又は矩形 の断熱材の隣り合う２辺それぞれの側面の下半分を水平に所定の寸法に張り出し 、対応する２辺それぞれの側面の上半分を水平に所定の寸法に張り出した形状の 断熱材の最下面にポリウレタン系樹脂を所定の厚みに塗布し、防水皮膜を形成す ることを特徴とする。このパネル型断熱防水材を屋上床面に敷き込み、上面全体 にポリウレタン系樹脂を所定の厚さに塗布することにより断熱防水構造を形成す る。また、屋上床面に敷き込む際に張り出し部分が重なりあって防水性を向上さ せるものである。

【０００７】 また、請求項４記載のパネル型断熱防水材は、所定の厚さを有した方形又は矩形 の断熱材の上面を面取りし、隣り合う２辺それぞれの側面の下半分を水平に所定 の寸法に張り出し、対応する２辺それぞれの側面の上半分を水平に所定の寸法に 張り出した形状の断熱材の少なくとも最上下の２面にポリウレタン系樹脂を所定 の厚みに塗布し、防水皮膜を形成することを特徴とする。このパネル型断熱防水 材を屋上床面に敷き込み、隣り合うパネル型断熱防水材との間に生ずる上面のＶ 字型の溝にコーキング剤を塗り込むことにより防水構造を形成する。また、屋上 床面に敷き込む際に張り出し部分が重なりあって防水効果を向上させるものであ る。

【０００８】 また、請求項５記載のパネル型断熱防水材は、所定の厚さを有した方形又は矩形 の断熱材の隣り合う２辺それぞれの側面の下半分をその下面は水平にその上面は 上り勾配を付けて所定の寸法に張り出し、対応する２辺それぞれの側面の上半分 をその上面は水平にその下面は下り勾配を付けて所定の寸法に張り出した形状の 断熱材の最下面にポリウレタン系樹脂を所定の厚みに塗布し、防水皮膜を形成す ることを特徴としたパネル型断熱防水材。このパネル型断熱防水材を屋上床面に 敷き込み、上面全体にポリウレタン系樹脂を所定の厚さに塗布することにより防 水構造を形成する。また、張り出し部分に水を返す勾配がついているので、より 防水効果を向上させるものである。

【０００９】 また、請求項６記載のパネル型断熱防水材は、所定の厚さを有した方形又は矩形 の断熱材の上面を面取りし、隣り合う２辺それぞれの側面の下半分をその下面は 水平にその上面は上り勾配を付けて所定の寸法に張り出し、対応する２辺それぞ れの側面の上半分をその上面は水平にその下面は下り勾配を付けて所定の寸法に 張り出した形状の断熱材の少なくとも最上下の２面にポリウレタン系樹脂を所定 の厚みに塗布し、防水皮膜を形成することを特徴とする。このパネル型断熱防水 材を屋上床面に敷き込み、隣り合うパネル型断熱防水材との間に生ずる上面のＶ 字型の溝にコーキング剤を塗り込むことにより防水構造を形成する。また、張り 出し部分に水を返す勾配がついているので、より防水効果を向上させるものであ る。

【００１０】 また、請求項７記載の側面用断熱防水材は、断面が所定の厚さを有したＬ字型で 所定の長さを有する断熱材の少なくとも内側２面とこれに隣接する２面にポリウ レタン系樹脂を所定の厚みに塗布し、防水皮膜を形成することを特徴とする。こ の端部用断熱防水材は、屋上床面に敷き込まれた請求項１〜６記載の何れかのパ ネル型断熱防水材とビルの屋上の壁との間に接着して設置し、パネル型断熱防水 材と屋上の壁との間にコーキング剤を塗り込むことによりパネル型断熱防水材と 屋上壁面との防水構造を形成するものである。

【００１１】 また、請求項８記載のコーナー用断熱防水材は、断面が所定の厚さを有したＬ字 型で所定の長さを有する断熱材をＬ字型に曲げた形状の断熱材の少なくとも内側 ２面とこれに隣接する２面にポリウレタン系樹脂を所定の厚みに塗布し、防水皮 膜を形成することを特徴とする。このコーナー用断熱防水材は、パネル型断熱防 水材上の屋上の四隅に接着して配置し、パネル型断熱防水材と屋上の壁と側面用 断熱防水材との間にコーキング剤を塗り込むことによりパネル型断熱防水材と屋 上壁面四隅の防水構造を形成するものである。

【００１２】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施の形態について説明する。 ここに、図１は本考案の実施形態に係るパネル型断熱防水材の斜視図、図２は同 断面図である。図３は図１の実施例に面取りを施したパネル型断熱防水材の斜視 図、図４は同断面図である。図５は図１の実施例に水平な張り出しを施したパネ ル型断熱防水材の斜視図、図６は同断面図である。図７は図５の実施例に面取り を施したパネル型断熱防水材の斜視図、図８は同断面図である。図９は図１の実 施例に傾斜の付いた張り出しを施したパネル型断熱防水材の斜視図、図１０は同 断面図である。図１１は図９の実施例に面取りを施したパネル型断熱防水材の斜 視図、図１２は同断面図である。図１３は本考案の実施形態に係る側面用断熱防 水材の斜視図である。図１４は本考案の実施形態に係るコーナー用断熱防水材の 斜視図である。

【００１３】 図１、２に示すように、本考案の第一実施例に係るパネル型断熱防水材（１） は、５０ｍｍの厚さを有する９００ｍｍ×９００ｍｍの発泡スチロールの断熱材 （２）の下面にポリウレタン系樹脂を１ｍｍの厚みに塗布し、防水皮膜（３）を 形成している。

【００１４】 図３、４に示すように、本考案の第二実施例に係るパネル型断熱防水材（４） は、前記第一実施例の断熱材（２）の上面を面取りした断熱材（５）の上面と下 面にポリウレタン系樹脂を１ｍｍの厚みに塗布し、防水皮膜（６）（７）を形成 している。

【００１５】 図５，６に示すように、本考案の第三実施例に係るパネル型断熱防水材（８） は、前記第一実施例の断熱材（２）の隣り合う２辺それぞれの側面の下半分を水 平に３０ｍｍ張り出し（９）、対応する２辺それぞれの側面の上半分を水平に３ ０ｍｍ張り出し（１０）た形状の断熱材の最下面にポリウレタン系樹脂を１ｍｍ の厚みに塗布し、防水皮膜（１１）を形成している。

【００１６】 図７，８に示すように、本考案の第四実施例に係るパネル型断熱防水材（１２ ）は、前記第三実施例のパネル型断熱防水材（８）の最上面を面取りした断熱材 （１３）の最上面と最下面にポリウレタン系樹脂を１ｍｍの厚みに塗布し、防水 皮膜（１４）（１５）を形成している。

【００１７】 図９、１０に示すように、本考案の第五実施例に係るパネル型断熱防水材（１ ６）は、前記第一実施例の断熱材（２）の隣り合う２辺それぞれの側面の下半分 をその下面は水平にその上面は３０分の５の上り勾配に３０ｍｍ張り出し（１７ ）、対応する２辺それぞれの側面の上半分をその上面は水平にその下面は３０分 の５の下り勾配に３０ｍｍ張り出し（１８）た形状の断熱材の最下面にポリウレ タン系樹脂を１ｍｍの厚みに塗布し、防水皮膜（１９）を形成している。

【００１８】 図１１，１２に示すように、本考案の第六実施例に係るパネル型断熱防水材（ ２０）は、前記第五実施例のパネル型断熱防水材（１６）の最上面を面取りした 断熱材（２１）の最上面と最下面にポリウレタン系樹脂を１ｍｍの厚みに塗布し 、防水皮膜（２２）（２３）を形成している。

【００１９】 図１３に示すように、本考案の第七実施例に係る側面用断熱防水材（２４）は 、断面が３０ｍｍの厚さを有した１００ｍｍ×１００ｍｍのＬ字型で１，８００ ｍｍの長さをもつ断熱材（２５）の少なくとも内側２面とこれに隣接する２面に ポリウレタン系樹脂を１ｍｍの厚みに塗布し、防水皮膜（２６）（２７）（２８ ）（２９）を形成することを特徴とする。

【００２０】 図１４に示すように、本考案の第八実施例に係るコーナー用断熱防水材（３０ ）は、断面が３０ｍｍの厚さを有した１００ｍｍ×１００ｍｍのＬ字型の断熱材 を寸法２００ｍｍ×２００ｍｍのＬ字型に曲げた形状の断熱材（３１）の少なく とも内側２面とこれに隣接する２面にポリウレタン系樹脂を１ｍｍの厚みに塗布 し、防水皮膜（３２）（３３）（３４）（３５）を形成することを特徴とする。

【００２１】

【考案の効果】

本考案によるパネル型断熱防水材、側面用断熱防水材、コーナー用断熱防水材 は、より軽量で断熱防水効果の高い断熱防水材を提供するものである。また、ポ リウレタン系樹脂を使用することにより、発泡スチロール等の断熱材に直接塗布 できることから現場での施工が簡単になり、より耐久性のある防水皮膜を形成す ることが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施形態に係るパネル型断熱防水材の
斜視図。

【図２】図１の断面図。

【図３】図１の実施例に面取りを施したパネル型断熱防
水材の斜視図。

【図４】図３の断面図。

【図５】図１の実施例に水平な張り出しを施したパネル
型断熱防水材の斜視図。

【図６】図５の断面図。

【図７】図５の実施例に面取りを施したパネル型断熱防
水材の斜視図

【図８】図７の断面図。

【図９】図１の実施例に傾斜の付いた張り出しを施した
パネル型断熱防水材の斜視図。

【図１０】図９の断面図。

【図１１】図９の実施例に面取りを施したパネル型断熱
防水材の斜視図。

【図１２】図１１の断面図。

【図１３】本考案の実施形態に係る側面用断熱防水材の
斜視図。

【図１４】本考案の実施形態に係るコーナー用断熱防水
材の斜視図。

【符号の説明】

１ 第一実施例に係るパネル型断熱防水材 ２ 断熱材 ３ 防水皮膜 ４ 第二実施例に係るパネル型断熱防水材 ５ 断熱材 ６ 防水皮膜 ７ 防水皮膜 ８ 第三実施例に係るパネル型断熱防水材 ９ 張り出し １０ 張り出し １１ 防水皮膜 １２ 第四実施例に係るパネル型断熱防水材 １３ 断熱材 １４ 防水皮膜 １５ 防水皮膜 １６ 第五実施例に係るパネル型断熱防水材 １７ 張り出し １８ 張り出し １９ 防水皮膜 ２０ 第六実施例に係るパネル型断熱防水材 ２１ 断熱材 ２２ 防水皮膜 ２３ 防水皮膜 ２４ 第七実施例に係る側面用断熱防水材 ２５ 断熱材 ２６ 防水皮膜 ２７ 防水皮膜 ２８ 防水皮膜 ２９ 防水皮膜 ３０ 第八実施例に係るコーナー用断熱防水材 ３１ 断熱材 ３２ 防水皮膜 ３３ 防水皮膜 ３４ 防水皮膜 ３５ 防水皮膜

Claims (8)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定の厚さを有した方形又は矩形の断熱
   材の下面にポリウレタン系樹脂を所定の厚みに塗布し、
   防水皮膜を形成することを特徴としたパネル型断熱防水
   材。
2. 【請求項２】 断熱材の上面を面取りし、少なくとも上
   下２面にポリウレタン系樹脂を所定の厚みに塗布し、防
   水皮膜を形成することを特徴とした請求項１記載の形状
   のパネル型断熱防水材。
3. 【請求項３】 所定の厚さを有した方形又は矩形の断熱
   材の隣り合う２辺それぞれの側面の下半分を水平に所定
   の寸法に張り出し、対応する２辺それぞれの側面の上半
   分を水平に所定の寸法に張り出した形状の断熱材の最下
   面にポリウレタン系樹脂を所定の厚みに塗布し、防水皮
   膜を形成することを特徴としたパネル型断熱防水材。
4. 【請求項４】 断熱材の上面を面取りし、少なくとも最
   上下の２面にポリウレタン系樹脂を所定の厚みに塗布
   し、防水皮膜を形成することを特徴とした請求項３記載
   の形状のパネル型断熱防水材。
5. 【請求項５】 所定の厚さを有した方形又は矩形の断熱
   材の隣り合う２辺それぞれの側面下半分のその下面は水
   平にその上面は上り勾配を付けて所定の寸法に張り出
   し、対応する２辺それぞれの側面上半分のその上面は水
   平にその下面は下り勾配を付けて所定の寸法に張り出し
   た形状の断熱材の最下面にポリウレタン系樹脂を所定の
   厚みに塗布し、防水皮膜を形成することを特徴としたパ
   ネル型断熱防水材。
6. 【請求項６】 断熱材の上面を面取りし、少なくとも最
   上下の２面にポリウレタン系樹脂を所定の厚みに塗布
   し、防水皮膜を形成することを特徴とした請求項５記載
   の形状のパネル型断熱防水材。
7. 【請求項７】 断面が所定の厚さを有したＬ字型で所定
   の長さを有する断熱材の少なくとも内側２面とこれに隣
   接する２面にポリウレタン系樹脂を所定の厚みに塗布
   し、防水皮膜を形成することを特徴とした端部用断熱防
   水材。
8. 【請求項８】 断面が所定の厚さを有したＬ字型で所定
   の長さを有する断熱材をＬ字型に曲げた形状の断熱材の
   少なくとも内側２面とこれに隣接する２面にポリウレタ
   ン系樹脂を所定の厚みに塗布し、防水皮膜を形成するこ
   とを特徴としたコーナー用断熱防水材。