JP3095757B2 - 電子楽器 - Google Patents

電子楽器

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JP3095757B2
JP3095757B2 JP01282434A JP28243489A JP3095757B2 JP 3095757 B2 JP3095757 B2 JP 3095757B2 JP 01282434 A JP01282434 A JP 01282434A JP 28243489 A JP28243489 A JP 28243489A JP 3095757 B2 JP3095757 B2 JP 3095757B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、電子楽器に関し、より詳しくは奏法を判別
してその奏法に応じた楽音制御を行なう電子楽器に関す
るものである。
(従来の技術) 従来、例えばギタータイプの電子弦楽器が各種開発さ
れ、これら電子弦楽器においてはギター演奏による演奏
情報を基礎として電子楽音を発生させている。
ところで、このような電子弦楽器において、発音すべ
き音高を決定する方法として、演奏された弦の音高、言
い換えれば振動数を検出し、この検出された振動数にも
とづいて楽音を発生させるものが提案されている。
一般に、ギターにおいては、次のような撥弦後に音
高,振動数を変化させる種々の奏法が用いられている。
i)ビブラート ii)チョーキング 撥弦後に弦を押えている指を、弦の張設方向と垂直に
弦を引張るように動かし、音高を上げる奏法。
iii)ハンマリング 撥弦後に左手の指により弦を叩くように押え、フレッ
トに対応して半音単位で音高を上げる方向に変化させる
奏法。
iv)スライド 撥弦後に弦を押えている指を、フレットを越えて滑ら
せ、フレットに対応して半音単位で音高を上がる/下が
る両方向に変化させる奏法。
v)プリング 撥弦後に弦を押えている指を、その弦を引っ掻くよう
に離し、フレットに対応して半音単位で音高を下がる方
向に変化させる奏法。
このような奏法に対応させるために、前述された振動
数を検出して楽音を発生させる電子弦楽器においては、
撥弦後にも弦の振動数を検出し、この検出された振動数
にもとづいて発生させている楽音の周波数を刻々と変化
させている。
(発明が解決しようとする課題) ところで、ビブラート、チョーキング等の奏法による
場合の音色変化は少ないために、前述のような振動数を
検出して楽音を発生させる電子弦楽器においては、これ
らの奏法による良好な演奏効果を得ることができる。
しかしながら、ハンマリング、スライド、プリング等
の奏法による場合、音高変化のみならず瞬間的に独特な
音色変化が発生するために、前述のような振動数を検出
して楽音を発生させる電子弦楽器においては、音色の変
化を得られることができない。したがって、これらの奏
法による演奏効果としては不十分なものしか得られない
という問題点がある。
本発明は、このような問題点を解決することを目的と
し、奏法に応じた音色の楽音を発生させることができ、
より表現力に富んだ演奏を行なうことができる電子楽器
を提供するものである。
(課題を解決するための手段) 前述したハンマリング、スライド、プリング等の奏法
を行なった場合には、ビブラート、チョーキングの奏法
を含む通常演奏を行なった場合と比較して音高変化が急
激である。本発明は、このような奏法による音高変化に
着目して前述の課題を解決しようとするものである。
即ち、本発明による電子楽器は、演奏により得られた
楽音の経時的に変化する音高およびエンベロープを検出
する検出手段と、上記検出手段により検出された音高お
よびエンベロープに基づいて、新たな楽音の生成を指示
する指示手段とを有する電子楽器において、上記検出手
段により検出されたエンベロープの変化量が所定値を越
えたか否かを判断する第1判断手段と、上記検出手段に
より検出された音高が所定単位で変化したか否かを判断
する第2判断手段と、上記検出手段により検出された音
高の変化部分の変化速度が所定値を越えたか否かを判断
する第3判断手段と、上記第1判断手段が上記検出手段
により検出されたエンベロープの変化量が所定値を越え
ていないと判断し、かつ、上記第2判断手段が上記検出
手段により検出された音高が所定単位で変化したと判断
し、かつ、上記第3判断手段が上記検出手段により検出
された音高の変化部分の変化速度が所定値を越えたと判
断した場合に、上記指示手段が通常の楽音とは異なる音
色の楽音の生成を指示するように制御する制御手段とを
有するようにしたものである。
(作 用) 音高およびエンベロープの経時的変化にもとづいて、
生成する楽音の制御を行う。
(発明の効果) 音高およびエンベロープの経時的変化にもとづいて、
生成する楽音の制御を行うので、奏法に応じた音色の楽
音を発生させることができるようになり、より表現力に
富んだ演奏を行うことができる。
(実施例) 次に、本発明による電子楽器の具体的一実施例につ
き、図面を参照しつつ説明する。
まず、第3弦の第5フレットからハンマリング、スラ
イド、プリングの各奏法を行なった場合における音高変
化例が示されている第1図(1)乃至(4)を参照しつ
つ、奏法判別動作の原理を説明する。なお、各第1図
(1)乃至(4)の横軸は時間を、縦軸は音高を示して
いる。
a.第1図(1)参照: 音高を半音分上昇させるハンマリングあるいは音高を
上昇させる方向にスライドの奏法を行なった場合の音高
変化を示し、音高変化部分においては1ms当たり8セン
トから15セント程度の経時的変化率で音高が変化してい
る(100セント=半音)。なお、音高を全音分以上に亘
って変化させるハンマリングの奏法を行なった場合に
は、この経時的変化率はもっと大きくなる。
b.第1図(2)参照; 音高を下降させる方向にスライドの奏法を行なった場
合の音高変化を示し、音高の経時的変化率は1ms当たり
5セントから10セント程度である。比較的緩やかな音高
変化となっている。
c.第1図(3)参照; 音高を半音分下降させるプリングの奏法を行なった場
合の変化を示し、音高の経時的変化率は1ms当たり15セ
ントから20セント程度である。
比較的急激な音高変化となっている。音高を全音分以
上に亘って変化させるプリングの奏法を行なった場合に
は、この経時的変化率はもっと大きくなる。なお、音高
が半音分変化した後に音高の非安定状態が100ms程度の
間に亘って続いているが、通常演奏においても撥弦後に
100ms程度の間に亘って非安定状態は続く。
d.第1図(4)参照; 音高を上昇させる方向に2フレット分のスライドの奏
法を行なった場合、言い換えればスライドの奏法を2度
連続して行なった場合の音高変化を示し、音高が半音分
変化したところで音高変化に段ができている。しかし、
音高が半音分変化する部分の音高の経時的変化率はa.の
場合と同様である。第1の音高変化部分から第2の音高
変化部分まで25ms程度の間隔が空いている。
なお、図示はしないがビブラート、チョーキングの奏
法を行なった場合を含む通常演奏時の音高の経時的変化
率は、1ms当たり1セント以下であって前述の各奏法に
よる音高変化よりずっと緩やかである。また、発音中に
新たに撥弦した場合には、エンベロープが急激に変化す
るが、前述の各奏法を行なった場合には、エンベロープ
はわずかな変化しかしない。
以上の音高の経時的変化(率)にもとづいて、次のよ
うな原理により奏法を判別する。
i)音高が各フレットに対応して半音毎に設定されてい
る標準の音高より10セント以上変化した場合に奏法判別
を有効とするとともに、この条件によって音高変化が安
定した部分において判別を行なう。
ii)1ms当たりの音高変化が3セントより大きい場合に
は、ハンマリング、プリング、スライドのいずれかの奏
法が行なわれたと判断する。
iii)前項の場合であって音高が1ms当たり12セントより
大きく下降変化した場合には、プリングの奏法であると
判断する。
iv)ii)項の場合であって前項でない場合には、ハンマ
リングあるいはスライドの奏法であると判断する。
v)撥弦あるいはプリングの奏法であると判断された場
合には100ms、またハンマリングあるいはスライドの奏
法であると判断された場合には20msの間に亘って奏法判
別を無効とし、音高変化の非安定部分において奏法判別
を行なわないようにする。
次に、前述した奏法判別動作の原理にもとづく具体的
実施例を説明する。
本発明が適用された電子楽器の一種である電子弦楽器
が概略的に示されている第2図において、本体に張設さ
れている合計6本の弦S1〜S6の振動を電気的信号に変換
するために、各弦S1〜S6に対応してピックアップP1〜P6
が設けられている。これらピックアップP1〜P6から得ら
れる電気的信号は、各ピックアップP1〜P6に対応する同
一構成の楽音発生装置1〜6に供給される。これら楽音
発生装置1〜6に供給される電気的信号は音高検出回路
10およびエンベロープ検出回路11に供給され、これら音
高検出回路10およびエンベロープ検出回路11においては
その電気的信号にもとづいて弦S1〜S6の振動数、言い換
えれば音高、およびエンベロープを検出する。これら検
出された音高およびエンベロープの、音高情報Pおよび
エンベロープ情報Eは、マイコン12の制御のもとにバス
13を介してマイコン12に供給される。なお、音高検出回
路10およびエンベロープ検出回路11については詳述しな
いが、例えば特開昭63−298396号公開特許公報に開示さ
れているものが利用できる。
前記マイコン12は、所定プログラムを実行する中央処
理装置(CPU)12Aと、実行されるプログラムを記憶する
読出し専用メモリ(ROM)12Bと、このプログラムを実行
するに必要な各種レジスタ、フラグ等を含むワーキング
メモリとしての書込み可能メモリ(RAM)12Cと、このプ
ログラム中の時間を計測するタイマ回路12Dとより構成
されている。このタイマ回路12Dは1ms毎にマイコン12に
タイマインタラプトをかけるとともに、このタイマイン
タプラトによってマイコン12により実行される楽音制御
ルーチンが起動される。
マイコン12は、音高検出回路10およびエンベロープ検
出回路11から供給される音高情報Pおよびエンベロープ
情報Eにもとづき、前記プログラムを実行することによ
って音高制御情報、音色制御情報および音量制御情報等
の楽音制御情報を楽音発生回路14に供給する。そして、
この楽音制御情報により楽音発生回路14を制御して電子
音による所望の楽音信号を発生させる。
各楽音発生装置1〜6における楽音発生回路14により
発生された楽音信号は、混合器15に供給され、加算混合
された後に増巾器16を介してスピーカ17より楽音として
放音される。
前記楽音発生回路14は同時に楽音信号を発生させるこ
とができる2個の楽音発生器A、Bより構成されている
とともに、各楽音発生器A、Bはマイコン12から供給さ
れる楽音制御情報、詳しくは音色制御情報にもとづき予
め記憶されている波形を選択読出しすることにより所望
の楽音信号を発生させる。なお、記憶されている波形、
言い換えれば音色は、次の3つである。
ノーマルギター音色 通常演奏した場合のギターの音色。
ハンマリング/スライドノイズ音色 ハンマリングあるいはスライドの演奏を行なった場合
の音高(音色)の変化部分のノイズ成分(非定常成分)
を抽出した音色。
プリングノイズ音色 プリングの奏法を行なった場合の音高(音色)の変化
部分のノイズ成分(非定常成分)を抽出した音色。
なお、ノーマルギター音色は楽音発生器Aにより発
生され、ハンマリング/スライドノイズ音色および
プリングノイズ音色は楽音発生器Bにより発生される。
次に、前述のように構成された電子弦楽器の基本的動
作について、第3図に示されているマイコン12により実
行される楽音制御ルーチンにもとづき詳述する。なお、
電源投入時に起動される別途ルーチンによりRAM12Cおよ
び楽音発生回路14等は、電源投入時に初期設定されてい
るとする。
A レジスタENVnに記憶されている前回検出したエンベ
ロープ情報EnをレジスタENVoに書込み、エンベロープ検
出回路11より供給された新たなエンベロープ情報Eをレ
ジスタENVnに書込む。
B レジスタPITCHnに記憶されている前回検出した音高
情報PnをレジスタPITCHoに書込み、音高検出回路10より
供給された新たな音高情報PをレジスタPITCHnに書込
む。
C レジスタENVnに記憶された新たなエンベロープ情報
Enが予め設定されているしきい値th1を超えているか否
かを判断し、超えていない場合にはステップIに進むと
ともに、超えている場合には次ステップDに進む。な
お、エンベロープ情報Enがしきい値th1を超えているこ
とは所定以上の振幅の弦振動が存在することを示す。
D レジスタENVnに記憶されている新たなエンベロープ
情報EnとレジスタENVoに記憶されている前回のエンベロ
ープ情報Eoとの差En−Eoが予め設定されているしきい値
th2を超えているか否かを判断し、しきい値th2を超えて
いない場合にはステップGに進むとともに、しきい値th
2を超えて新たに撥弦された場合には次ステップに進
む。
E レジスタPITCHnに書込まれた音高情報Pnおよびレジ
スタENVnに記憶されたエンベロープ情報Enにもとづき音
高制御情報、音高制御情報および音量制御情報等の楽音
制御情報および発音開始指示を楽音発生器Aに与え、
ノーマルギター音色による楽音を発生させる。
F 発音中を示すフラグflgを“1"とし、レジスタcount
に値100を記憶させる。なお、レジスタcountは、後述す
る奏法処理を所定時間の間禁止するためのものであり、
レジスタcountの記憶内容が“0"でない場合には奏法処
理が禁止される。
G ステップDにおける判断においてしきい値th2を超
えていない場合には、レジスタPITCHnに書込まれた音高
情報Pnにもとづいた音高制御情報およびレジスタENVnに
記憶されたエンベロープ情報Enにもとづいた音量制御情
報を楽音発生器Aに与え、ノーマルギター音色による
楽音の音高制御、音量制御を行なう。
H 奏法処理ルーチン。詳細は、第4図に示されている
フローチャート図により後述する。
I ステップCにおける判断においてしきい値th1を超
えていない場合には、フラグflgが“1"か否かを判断
し、発音中でなく“0"である場合には楽音制御ルーチン
を終了するとともに、発音中であることを示す“1"であ
る場合には次ステップに進む。なお、次ステップに進む
ことは弦の振動が止められたこと、言い換えれば充分減
衰したことを検出したことを意味する。
J 楽音発生器Aおよび楽音発生器Bに消音指示を与
え、発生されていた楽音を消音させる。
K フラグflgを発音中でないことを示す“0"とする。
次に、奏法処理ルーチン(ステップH)について、第
4図を参照しつつ詳述する。
H−1 レジスタcountの記憶内容が“0"か否かを判断
し、“0"である場合にはステップH−3に進み、“0"で
ない場合には次ステップに進む。
H−2 レジスタcountの記憶内容を“1"減らして時間
経過を反映させる。
H−3 レジスタPITCHnに記憶された新たな音高情報Pn
のフレットに対応して半音毎に設定されている標準の音
高からのずれが10セントを超えているか否かを判断し、
10セントを超えていない場合には奏法処理ルーチンを終
了するとともに、10セントを超えている場合には次ステ
ップに進む。
H−4 レジスタPITCHnに記憶された今回検出された音
高情報PnとレジスタPITCHoに記憶された前回検出された
音高情報Poとの差の絶対値|Pn−Po|が3セントを超えて
いるか否かを判断し、3セントを超えていない場合には
奏法処理ルーチンを終了するとともに、3セントを超え
ている場合には次ステップに進む。
H−5 レジスタPITCHnに記憶された今回検出された音
高情報PnとレジスタPITCHoに記憶された前回検出された
音高情報Poとを比較判断し、今回検出された音高情報Pn
の方が大きくて音高が高い方向に変化した場合にはステ
ップH−7に進み、前回検出された音高情報Po方が大き
くて音高が低い方向に変化した場合には次ステップに進
む。このステップH−5においては音高の変化方向を検
出し、この検出によって後の処理を異ならせている。
H−6 レジスタPITCHoに記憶された前回検出された音
高情報PoとレジスタPITCHnに記憶された今回検出された
音高情報Pnとの差Po−Pnが12セントを超えているか否か
を判断し、12セントを超えている場合にはステップH−
9に進み、12セントを超えていない場合には次ステップ
に進む。
H−7 ステップH−5における判断において今回検出
された音高情報Pnの方が大きい場合、またはステップH
−6における判断において12セントを超えていない場合
には、ハンマリング/スライドノイズ音色を示す音色
制御情報、レジスタENVnに記憶されたエンベロープ情報
Enにもとづいた音量制御情報および発音開始指示を楽音
発生器Bに与え、ハンマリング/スライドノイズ音色
による楽音を発生させる。
H−8 レジスタcountに値20を記憶させる。
H−9 ステップH−6における判断において12セント
を超えている場合には、プリングノイズ音色を示す音
色制御情報、レジスタENVnに記憶されたエンベロープ情
報Enにもとづいた音量制御情報および発音開始指示を楽
音発生器Bに与え、プリングノイズ音色による楽音を
発生させる。
H−10 レジスタcountに値100を記憶させる。
以上に示した電子弦楽器の動作について説明する。
撥弦すると検知された弦の音高とエンベロープとに応
じて、ノーマルギター音色による楽音が発生され、そ
の後に弦のエンベロープの変化に応じて発音されている
楽音の音量が制御される。発音中に弦を押えている指を
動かしてビブラートあるいはチョーキング等を行なった
場合には、振動中の弦の音高の変化に応じて発音されて
いる楽音の音高が変更制御される。また、ハンマリング
あるいはスライドの奏法を行なった場合には、弦の音高
の変化に応じて発音されている楽音(ノーマルギター
音色)の音高が変更制御され、同時にハンマリング/
スライドノイズ音色による楽音がエンベロープに応じた
音量で発生される。プリングの奏法を行なった場合に
は、弦の音高の変化に応じて発音されている楽音(ノ
ーマルギター音色)の音高が変更制御され、同時にプ
リングノイズ音色による楽音がエンベロープに応じた音
量で発生される。
ところで、一般に音高検出回路10は弦振動にもとづく
電気的信号のゼロクロスに応じて弦の振動周期を検出す
るようになっているために、音高情報Pは弦の振動周期
毎にしか更新されない。本実施例においては1ms毎に弦
の音高情報Pの変化を検知するようにしたが、音高の低
い弦では振動周期が1msより長くなるために粗くしか音
高変化が検知できない。この場合には、スライドの奏法
とプリングの奏法との判別が困難となるために、通常演
奏とハンマリング、スライド、プリングの奏法との判別
のみを行なうようにしても良い。また、特開平1−1791
96号公開特許公報に開示されているように弦の振動数を
発生させる楽音の周波数よりも高くなるように設定して
も良い。
本実施例においては、奏法判別時の音高情報の経時的
変化の比較対象の数値を固定としたが、各奏法を行なっ
た場合の音高情報の経時的変化は使用するギター、弦あ
るいは演奏者の癖などによって変るために必要に応じて
変更設定できるようにしても良い。この場合に、演奏者
が設定できるようにしたり、さらに設定を複数種類記憶
させるようにしても良く、各弦毎に設定できるようにし
ても良い。また、各奏法を行なった場合の音高情報の経
時的変化が発音中の楽音の音高(フレット位置)、音量
等によって異なる場合には、発音中の楽音の音高、音量
等の情報を奏法判別に適用するようにしても良い。
本実施例においては、音高情報の経時的変化を所定時
間当たりの変化幅によって求めているが、所定幅を変化
するに要する所要時間によって求めるようにしても良
い。
本実施例においては、スライドの奏法を判別した場合
に音高が上昇する場合も下降する場合も同じ音色(ハ
ンマリング/スライドノイズ音色)の楽音を付加させて
いるが、音高が上昇する場合と下降する場合とで付加す
る楽音の音色を異ならせるようにしても良い。
本実施例においては、ハンマリング、スライド、プリ
ング等の奏法をするフレット位置あるいは弦に拘らず前
述の奏法に対応して付加する楽音の音色を同じにしてい
るが、フレット位置あるいは弦に応じて異なる音色によ
る楽音を付加するようにしても良い。
本実施例においては、ハンマリング、スライド、プリ
ング等の奏法が判別された場合には通常の楽音(ノー
マルギター音色)に特殊な楽音(ハンマリング/スラ
イドノイズ音色、プリングノイズ音色)を付加し音色
変化を得ているが、奏法に応じた楽音を発生させれるも
のであればどのような楽音発生方法/制御方法を用いて
も良い。
本実施例においては、各弦S1〜S6に対応して各楽音発
生装置1〜6を設けたが1個の楽音発生装置を時分割す
るようにしても良い。
本実施例においては、演奏情報検出部(10,11,12)と
楽音発生部(12,14)とを両方内蔵した電子弦楽器につ
いて説明したが、演奏情報検出部と楽音発生部とが別々
の装置として分離され、演奏情報検出部によって検出さ
れた演奏情報がMIDIなどの通信手段を介して楽音発生部
に供給される形の電子弦楽器においても使用できる。こ
の場合に、演奏情報検出部において奏法判別を行ない、
その結果を楽音発生部に与えるようにしても良い。ま
た、演奏情報検出部では検出された音高情報を刻々と楽
音発生部に供給して奏法判別を楽音発生部で行なうよう
にしても良いし、奏法判別を行なってその結果を出力す
る独立した装置を演奏情報検出部と楽音発生部との間に
挿入するようにしても良い。さらに、演奏情報検出部で
検出された演奏情報を自動演奏装置に記録させる場合に
は、自動演奏装置内で奏法判別を行ない、楽音制御情報
を発生させるようにしても良い。
本実施例においては、本発明を電子弦楽器に適用した
場合について説明したが、奏法によって急激に音高が変
化するような他の楽器にも使用できることは言うまでも
ない。
【図面の簡単な説明】
第1図(1)乃至(4)は本発明の原理を説明するため
の図面であり、第2図乃至第4図は本発明による電子楽
器の具体的実施例を説明するための図面であって、第2
図は全体概略図であり、第3図および第4図それぞれは
メインルーチンおよび奏法処理ルーチンの各フローチャ
ート図である。 S1〜S6……弦 P1〜P6……ピックアップ 10……音高検出回路 11……エンベロープ検出回路 12……マイコン 13……バス 14……楽音発生回路 15……混合器 16……増巾器 17……スピーカ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−98(JP,A) 特開 昭63−173095(JP,A) 特開 昭54−50311(JP,A) 特開 平1−312598(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10H 1/00 G10H 1/043 - 1/057

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】演奏により得られた楽音の経時的に変化す
    る音高およびエンベロープを検出する検出手段と、 前記検出手段により検出された音高およびエンベロープ
    に基づいて、新たな楽音の生成を指示する指示手段と を有する電子楽器において、 前記検出手段により検出されたエンベロープの変化量が
    所定値を越えたか否かを判断する第1判断手段と、 前記検出手段により検出された音高が所定単位で変化し
    たか否かを判断する第2判断手段と、 前記検出手段により検出された音高の変化部分の変化速
    度が所定値を越えたか否かを判断する第3判断手段と、 前記第1判断手段が前記検出手段により検出されたエン
    ベロープの変化量が所定値を越えていないと判断し、か
    つ、前記第2判断手段が前記検出手段により検出された
    音高が所定単位で変化したと判断し、かつ、前記第3判
    断手段が前記検出手段により検出された音高の変化部分
    の変化速度が所定値を越えたと判断した場合に、前記指
    示手段が通常の楽音とは異なる音色の楽音の生成を指示
    するように制御する制御手段と を有することを特徴とする電子楽器。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の電子楽器において、 前記通常の楽音とは異なる音色の楽音とは、ノイズ音色
    の楽音である ことを特徴とする電子楽器。
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