JP3095501B2 - マトリクス液晶表示装置 - Google Patents
マトリクス液晶表示装置Info
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- JP3095501B2 JP3095501B2 JP03353828A JP35382891A JP3095501B2 JP 3095501 B2 JP3095501 B2 JP 3095501B2 JP 03353828 A JP03353828 A JP 03353828A JP 35382891 A JP35382891 A JP 35382891A JP 3095501 B2 JP3095501 B2 JP 3095501B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はマトリクス液晶表示装置
に関するものである。
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、いわゆるスーパーツイ
ステッドネマチック(STN)モードや薄膜トランジス
ター駆動のツイステッドネマチックモード(TN)の開
発の進展により、例えば、ワープロやパソコンの表示部
品として必要欠くべからざるものになっている。
ステッドネマチック(STN)モードや薄膜トランジス
ター駆動のツイステッドネマチックモード(TN)の開
発の進展により、例えば、ワープロやパソコンの表示部
品として必要欠くべからざるものになっている。
【0003】従来、液晶表示パネルにおいては、環境湿
度の影響を受け、高湿度中に放置することにより、表示
部分にムラが発生する現象が認められている。この現象
は水分が介在することにより発生しやすいことが知ら
れ、表示パネルを乾燥状態におくと発生しにくいことが
知られている。
度の影響を受け、高湿度中に放置することにより、表示
部分にムラが発生する現象が認められている。この現象
は水分が介在することにより発生しやすいことが知ら
れ、表示パネルを乾燥状態におくと発生しにくいことが
知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような現象を防止
するために、完成した液晶表示装置の輸送のための袋な
どには乾燥剤を入れるなどの方法が行われているが、こ
れでは十分ではなく、袋から出した時に高湿度であると
数時間で表示ムラが発生してしまうという問題点があっ
た。
するために、完成した液晶表示装置の輸送のための袋な
どには乾燥剤を入れるなどの方法が行われているが、こ
れでは十分ではなく、袋から出した時に高湿度であると
数時間で表示ムラが発生してしまうという問題点があっ
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の問題点を
解決すべくなされたものであり、少なくとも一方の基板
表面の端部近傍のシール材の外側に複数の外部駆動回路
接続用端子(以下、接続端子と略記することもある)を
有するマトリクス液晶表示装置において、前記接続用端
子が、隣り合う2本の端子間の抵抗が107〜109Ωと
なるように、非イオン系界面活性剤が添加されたリーク
材で被覆されてなることを特徴とするマトリクス液晶表
示装置を提供するものである。
解決すべくなされたものであり、少なくとも一方の基板
表面の端部近傍のシール材の外側に複数の外部駆動回路
接続用端子(以下、接続端子と略記することもある)を
有するマトリクス液晶表示装置において、前記接続用端
子が、隣り合う2本の端子間の抵抗が107〜109Ωと
なるように、非イオン系界面活性剤が添加されたリーク
材で被覆されてなることを特徴とするマトリクス液晶表
示装置を提供するものである。
【0006】本発明を図1に基いて説明する。図1は液
晶表示パネル端部の断面構造を示す。1はシール材であ
り、3は液晶層、4は電極、5、6は基板である。基板
5の端部はシール材1の端部より通常、0.5mm程度
外側にある。したがって、シール材1の外側の空間は基
板間隔が約10μm程度で幅が0.5mm程度である。
晶表示パネル端部の断面構造を示す。1はシール材であ
り、3は液晶層、4は電極、5、6は基板である。基板
5の端部はシール材1の端部より通常、0.5mm程度
外側にある。したがって、シール材1の外側の空間は基
板間隔が約10μm程度で幅が0.5mm程度である。
【0007】本発明においては、隣り合う2本の接続端
子間の抵抗が107〜109Ωとなるようにリーク材2で
接続端子が被覆される。
子間の抵抗が107〜109Ωとなるようにリーク材2で
接続端子が被覆される。
【0008】最も簡単かつ確実に被覆するためには、リ
ーク材2をシール材1の外側の空間に充填することが望
ましい。
ーク材2をシール材1の外側の空間に充填することが望
ましい。
【0009】充填の方法としては、パネルの一部に液状
のリーク材を滴下し、浸透圧で周囲に浸透させ塗布した
後、硬化する方法、ディスペンサーを用いてパネルの周
囲に樹脂を塗布した後、硬化する方法等が適用できる。
のリーク材を滴下し、浸透圧で周囲に浸透させ塗布した
後、硬化する方法、ディスペンサーを用いてパネルの周
囲に樹脂を塗布した後、硬化する方法等が適用できる。
【0010】異方性導電ゴムなどを介して駆動回路と接
続する場合には端子の接続部分に樹脂がはみだすと接続
不良が生じやすくなるため、塗布するリーク材のはみだ
しを極力防止することが好ましい。一方TAB(Tap
e Automated Bonding)基板などを
異方性導電膜で熱圧着する接続方式の場合には、接続終
了後にTAB基板を含めて塗布すれば樹脂のはみだしに
よる接続不良の心配もなく塗布の精度が問題となること
は少なくなり、塗布自体が容易である。
続する場合には端子の接続部分に樹脂がはみだすと接続
不良が生じやすくなるため、塗布するリーク材のはみだ
しを極力防止することが好ましい。一方TAB(Tap
e Automated Bonding)基板などを
異方性導電膜で熱圧着する接続方式の場合には、接続終
了後にTAB基板を含めて塗布すれば樹脂のはみだしに
よる接続不良の心配もなく塗布の精度が問題となること
は少なくなり、塗布自体が容易である。
【0011】また、リーク材としては、比抵抗を低く制
御した樹脂を用いることが好ましい。基板、電極との高
い密着性が得られるため、水分等の浸入をより効果的に
防止できるからである。特に、絶縁性のエポキシ、シリ
コーン樹脂などの絶縁性の樹脂に比抵抗を下げることが
できる添加剤を添加する方法が、添加物の量で抵抗値の
コントロールができることなどの点で有効である。
御した樹脂を用いることが好ましい。基板、電極との高
い密着性が得られるため、水分等の浸入をより効果的に
防止できるからである。特に、絶縁性のエポキシ、シリ
コーン樹脂などの絶縁性の樹脂に比抵抗を下げることが
できる添加剤を添加する方法が、添加物の量で抵抗値の
コントロールができることなどの点で有効である。
【0012】添加剤としては電極材料として用いられる
酸化インジウム錫(ITO)等の電蝕を発生させないた
めに非イオン系界面活性剤が用いられる。例えば、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンア
ルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポ
リオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類等があ
る。
酸化インジウム錫(ITO)等の電蝕を発生させないた
めに非イオン系界面活性剤が用いられる。例えば、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンア
ルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポ
リオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類等があ
る。
【0013】リーク材の比抵抗としては被覆厚み等にも
よるが、107〜1010Ωcm程度とされるのがよい。
比抵抗が低い場合には電流が増大して消費電流の増加あ
るいはITOの電蝕などが生じやすくなり、比抵抗が高
すぎる場合には塗布の効果が十分に現れにくくなる。
よるが、107〜1010Ωcm程度とされるのがよい。
比抵抗が低い場合には電流が増大して消費電流の増加あ
るいはITOの電蝕などが生じやすくなり、比抵抗が高
すぎる場合には塗布の効果が十分に現れにくくなる。
【0014】なお、ここでいう比抵抗とは、リーク材全
体で平均したものをいう。すなわち、絶縁性物質の表面
に導電性の薄膜を形成して、全体として、上記の比抵抗
に調整したものであってもよい。
体で平均したものをいう。すなわち、絶縁性物質の表面
に導電性の薄膜を形成して、全体として、上記の比抵抗
に調整したものであってもよい。
【0015】また、樹脂としては溶剤をできるだけ含ま
ないものが望ましい。これは樹脂を充填後の硬化時に体
積収縮しやすくなり、このため樹脂中に「す」が入りや
すくなるからである。
ないものが望ましい。これは樹脂を充填後の硬化時に体
積収縮しやすくなり、このため樹脂中に「す」が入りや
すくなるからである。
【0016】本発明は、表示モード、駆動形式にかかわ
ることなく、通常用いられる液晶表示素子一般に適用可
能であるが端子電極の線間幅が、数100μm以下、特
に150μm以下のマトリクス配置の液晶表示素子に適
用すると効果が大きい。
ることなく、通常用いられる液晶表示素子一般に適用可
能であるが端子電極の線間幅が、数100μm以下、特
に150μm以下のマトリクス配置の液晶表示素子に適
用すると効果が大きい。
【0017】使用する液晶層は、従来のツイステッドネ
マチック液晶表示素子、スーパーツイステッド液晶表示
素子、その他の液晶表示素子の液晶層と同じ構成の液晶
層である。例えばスーパーツイステッド液晶表示素子の
場合、具体的には、ほぼ平行に配置された一対の透明電
極基板間に旋光性物質を含有した誘電異方性が正のネマ
チック液晶を挟持し、両電極間での液晶分子のねじれ角
を160〜300°とされる。
マチック液晶表示素子、スーパーツイステッド液晶表示
素子、その他の液晶表示素子の液晶層と同じ構成の液晶
層である。例えばスーパーツイステッド液晶表示素子の
場合、具体的には、ほぼ平行に配置された一対の透明電
極基板間に旋光性物質を含有した誘電異方性が正のネマ
チック液晶を挟持し、両電極間での液晶分子のねじれ角
を160〜300°とされる。
【0018】上記液晶層を挟持した液晶セルの基本構成
は以下のようになる。プラスチック、ガラス等の基板の
表面に、所望のパターンでパターニングされたITO
(In2O3−SnO2)、SnO2等の透明電極が設けら
れて電極付きの基板とされる。電極層は、表示に対応し
て電極群が対向したマトリクス配置になっており、これ
により各ドット毎にオンオフを制御可能とされる。電極
層の形成方法としては、特に限定されないが、層厚を均
一にする見地からは、蒸着法、スパッタ法等が好ましく
用いられる。
は以下のようになる。プラスチック、ガラス等の基板の
表面に、所望のパターンでパターニングされたITO
(In2O3−SnO2)、SnO2等の透明電極が設けら
れて電極付きの基板とされる。電極層は、表示に対応し
て電極群が対向したマトリクス配置になっており、これ
により各ドット毎にオンオフを制御可能とされる。電極
層の形成方法としては、特に限定されないが、層厚を均
一にする見地からは、蒸着法、スパッタ法等が好ましく
用いられる。
【0019】また、本発明においては、必要に応じて電
極の上もしくは下にSiO2、TiO2等の絶縁膜、TF
T、MIM、薄膜ダイオード等の能動素子、位相差膜、
偏光膜、反射膜、光導電膜等が形成されていてもよい。
極の上もしくは下にSiO2、TiO2等の絶縁膜、TF
T、MIM、薄膜ダイオード等の能動素子、位相差膜、
偏光膜、反射膜、光導電膜等が形成されていてもよい。
【0020】この電極付き基板の表面には表面をラビン
グされたポリイミド、ポリアミド等の膜や、斜め蒸着さ
れたSiO等の膜からなる配向制御膜が形成される。表
示モードによっては垂直配向剤を塗布する必要のある場
合もある。2枚の上記基板が準備されて、前記した液晶
層を挟持するようにされる。
グされたポリイミド、ポリアミド等の膜や、斜め蒸着さ
れたSiO等の膜からなる配向制御膜が形成される。表
示モードによっては垂直配向剤を塗布する必要のある場
合もある。2枚の上記基板が準備されて、前記した液晶
層を挟持するようにされる。
【0021】なお、電極と配向制御膜との間に基板間短
絡防止のためにTiO2、SiO2、Al2O3等の絶縁膜
を設けたり、透明電極にAl、Cr、Ti等の低抵抗の
リード電極を併設したり、カラーフィルターを電極の上
もしくは下に積層してもよい。
絡防止のためにTiO2、SiO2、Al2O3等の絶縁膜
を設けたり、透明電極にAl、Cr、Ti等の低抵抗の
リード電極を併設したり、カラーフィルターを電極の上
もしくは下に積層してもよい。
【0022】この基板の両外側に一対の偏光板を配置す
る。この偏光板自体もセルを構成する基板の外側に配置
することが一般的であるが、性能が許せば、基板自体を
偏光板で構成したり、基板と電極との間に偏光層として
設けてもよい。
る。この偏光板自体もセルを構成する基板の外側に配置
することが一般的であるが、性能が許せば、基板自体を
偏光板で構成したり、基板と電極との間に偏光層として
設けてもよい。
【0023】また、カラーフィルターを併用することも
可能である。このカラーフィルターは、セル内面に形成
することにより、視角によるズレを生じなく、より精密
なカラー表示が可能となる。具体的には、電極の下側に
形成されてもよいし、電極の上側に形成されてもよい。
また、色を補正するためのカラーフィルターや、カラー
偏光板を併用したり、液晶中に色素を添加したり、ある
いは特定の波長分布を有する照明を用いたりしてもよ
い。
可能である。このカラーフィルターは、セル内面に形成
することにより、視角によるズレを生じなく、より精密
なカラー表示が可能となる。具体的には、電極の下側に
形成されてもよいし、電極の上側に形成されてもよい。
また、色を補正するためのカラーフィルターや、カラー
偏光板を併用したり、液晶中に色素を添加したり、ある
いは特定の波長分布を有する照明を用いたりしてもよ
い。
【0024】このような構成の液晶セルの電極に電圧を
印加するための駆動手段を接続し、駆動を行う。すなわ
ち、基板端部に導出した接続端子部分に、異方性導電ゴ
ムを介したり、ヒートシール、異方性導電接着剤を用い
て、フレキシブル基板等からなる外部回路基板を接続し
たり、TAB基板を接続したりする。
印加するための駆動手段を接続し、駆動を行う。すなわ
ち、基板端部に導出した接続端子部分に、異方性導電ゴ
ムを介したり、ヒートシール、異方性導電接着剤を用い
て、フレキシブル基板等からなる外部回路基板を接続し
たり、TAB基板を接続したりする。
【0025】本発明では透過型でも反射型でも適用可能
であり、その応用範囲が広い。なお、透過型で使用する
場合には裏側に光源を配置する。もちろん、これにも導
光体、カラーフィルターを併用してもよい。さらに、透
過型で使用する場合、画素以外の背景部分を印刷等によ
る遮光膜で覆うこともできる。また、遮光膜を用いると
ともに、表示したくない部分に選択電圧を印加するよう
に、逆の駆動をすることもできる。
であり、その応用範囲が広い。なお、透過型で使用する
場合には裏側に光源を配置する。もちろん、これにも導
光体、カラーフィルターを併用してもよい。さらに、透
過型で使用する場合、画素以外の背景部分を印刷等によ
る遮光膜で覆うこともできる。また、遮光膜を用いると
ともに、表示したくない部分に選択電圧を印加するよう
に、逆の駆動をすることもできる。
【0026】本発明は、この外、本発明の効果を損なわ
ない範囲内で、通常の液晶表示素子で使用されている種
々の技術が適用可能である。
ない範囲内で、通常の液晶表示素子で使用されている種
々の技術が適用可能である。
【0027】
【作用】本発明の構成により、表示ムラが抑えられる原
理としてはおおよそ以下のようなことが考えられる。
理としてはおおよそ以下のようなことが考えられる。
【0028】図1に示したパネルの部分の模式的な等価
回路図を図2に示す。湿度が上昇するとガラス基板上に
は吸着水が発生することが知られており、この吸着水が
電解質の作用をすることにより、隣り合う電極を電極と
した電池が形成されるものと考えられる。実際に発生す
る電圧をデジタルボルトメータで測定すると最大0.1
V程度の直流電圧が発生している部分があることが確認
された。
回路図を図2に示す。湿度が上昇するとガラス基板上に
は吸着水が発生することが知られており、この吸着水が
電解質の作用をすることにより、隣り合う電極を電極と
した電池が形成されるものと考えられる。実際に発生す
る電圧をデジタルボルトメータで測定すると最大0.1
V程度の直流電圧が発生している部分があることが確認
された。
【0029】このように形成される電池には内部抵抗が
存在する。この内部抵抗が高い場合には、電流を流す
と、電圧降下により、実際に液晶部分にかかる電圧が低
下することになる。このような電池の内部抵抗は吸着し
た水分の抵抗で主に決まり、吸着水の膜厚はせいぜい数
10nm以下であることからすると、電池の内部抵抗は
かなり高くなっていることが予想される。
存在する。この内部抵抗が高い場合には、電流を流す
と、電圧降下により、実際に液晶部分にかかる電圧が低
下することになる。このような電池の内部抵抗は吸着し
た水分の抵抗で主に決まり、吸着水の膜厚はせいぜい数
10nm以下であることからすると、電池の内部抵抗は
かなり高くなっていることが予想される。
【0030】本発明の構成によれば、電極端子間を比較
的導電率の高いリーク材で接続するので、電池の内部抵
抗を実質的に小さくすることにより、電池によって液晶
部分に印加される電圧を減少させることができるものと
考えられる。
的導電率の高いリーク材で接続するので、電池の内部抵
抗を実質的に小さくすることにより、電池によって液晶
部分に印加される電圧を減少させることができるものと
考えられる。
【0031】必要な電圧の減少率を測定したところ、発
生する電圧の大きさが0.05V以下になればVthムラ
(しきい値電圧の変動に基づく表示ムラ)が実用上発生
しないことが認められた。液晶部分の等価回路は正確に
は容量と抵抗の並列回路で表現できるが、直流が印加さ
れる本発明で扱うような場合では抵抗部分だけを考慮す
ればよい。液晶の直流抵抗は1011Ω程度と高いため、
必要なリーク材の抵抗を算出するために液晶の抵抗はあ
まり考慮する必要はなく、電池により発生する電圧0.
1Vを半減するためにリーク材の抵抗値はほぼ電池の内
部抵抗と同等であればよいことになる。
生する電圧の大きさが0.05V以下になればVthムラ
(しきい値電圧の変動に基づく表示ムラ)が実用上発生
しないことが認められた。液晶部分の等価回路は正確に
は容量と抵抗の並列回路で表現できるが、直流が印加さ
れる本発明で扱うような場合では抵抗部分だけを考慮す
ればよい。液晶の直流抵抗は1011Ω程度と高いため、
必要なリーク材の抵抗を算出するために液晶の抵抗はあ
まり考慮する必要はなく、電池により発生する電圧0.
1Vを半減するためにリーク材の抵抗値はほぼ電池の内
部抵抗と同等であればよいことになる。
【0032】電池の内部抵抗は不明確であるが、リーク
材の抵抗は、電極の線間幅や、被覆厚み等によるもの
の、通常の液晶表示素子の構成では余り影響は大きくな
く、接続端子間の抵抗が107〜109 Ω、すなわち、接
続端子間抵抗の2倍以上であり、液晶層の抵抗より小さ
い程度でよいことが認められた。
材の抵抗は、電極の線間幅や、被覆厚み等によるもの
の、通常の液晶表示素子の構成では余り影響は大きくな
く、接続端子間の抵抗が107〜109 Ω、すなわち、接
続端子間抵抗の2倍以上であり、液晶層の抵抗より小さ
い程度でよいことが認められた。
【0033】
【実施例】ガラス基板上に面抵抗15Ω程度のITOの
ストライプパターンを形成し(電極幅150μm、線間
幅150μm)、この上にポリイミドLQ1800(商
品名、日立化成工業(株)製)を0.6μmの厚さにな
るように塗布、焼成して膜形成した。
ストライプパターンを形成し(電極幅150μm、線間
幅150μm)、この上にポリイミドLQ1800(商
品名、日立化成工業(株)製)を0.6μmの厚さにな
るように塗布、焼成して膜形成した。
【0034】この膜を静電植毛のナイロン糸ラビング布
を用いてラビングした。このような基板を2枚用意し、
1枚にはスペーサーを100個/mm2程度散布し、他
の1枚にはセルの周辺に注入孔を残してシール材(商品
名ストラクトボンド、三井東圧化学(株)製)を印刷し
て形成した。
を用いてラビングした。このような基板を2枚用意し、
1枚にはスペーサーを100個/mm2程度散布し、他
の1枚にはセルの周辺に注入孔を残してシール材(商品
名ストラクトボンド、三井東圧化学(株)製)を印刷し
て形成した。
【0035】両基板を熱圧着してセル形成した後、液晶
ZLI−2293(商品名、メルク社製)を封入して液
晶パネルを作製した。
ZLI−2293(商品名、メルク社製)を封入して液
晶パネルを作製した。
【0036】シール材の外側の空間に比抵抗が109Ω
cm程度の樹脂(熱硬化性のエポキシ系樹脂に非イオン
系界面活性剤を1wt%添加したもの)をパネル周辺に
ディスペンサーで塗布した。これにより、隣り合う接続
端子間の抵抗は、おおよそ5×108Ωとなった。
cm程度の樹脂(熱硬化性のエポキシ系樹脂に非イオン
系界面活性剤を1wt%添加したもの)をパネル周辺に
ディスペンサーで塗布した。これにより、隣り合う接続
端子間の抵抗は、おおよそ5×108Ωとなった。
【0037】この後に60℃で1時間保持し、塗布した
樹脂を熱硬化させた。このようにして処理したパネルを
異方性導電ゴムで導電接続を取り駆動回路を組み立て
た。このようにして作製したモジュールを30℃、90
%の高湿度中に2時間放置した後に点灯したところ何の
異常も認められなかった。比較のためにこのような処理
をせずに組み立てたモジュールを加湿雰囲気中に放置
し、同様に点灯したところ部分的に電極部分のVthが異
なりムラとなって見えた。
樹脂を熱硬化させた。このようにして処理したパネルを
異方性導電ゴムで導電接続を取り駆動回路を組み立て
た。このようにして作製したモジュールを30℃、90
%の高湿度中に2時間放置した後に点灯したところ何の
異常も認められなかった。比較のためにこのような処理
をせずに組み立てたモジュールを加湿雰囲気中に放置
し、同様に点灯したところ部分的に電極部分のVthが異
なりムラとなって見えた。
【0038】
【発明の効果】本発明の構成は、加湿雰囲気中に放置し
た場合に発生するVthムラを防止する効果がある。
た場合に発生するVthムラを防止する効果がある。
【0039】また、シール材の外側の空間に水分が浸入
することを防止する作用もあるので、この部分のITO
が駆動中に電気分解の作用を受け、断線するいわゆる電
蝕も防止することができる。
することを防止する作用もあるので、この部分のITO
が駆動中に電気分解の作用を受け、断線するいわゆる電
蝕も防止することができる。
【0040】これは、本発明の構成においても端子間の
絶縁抵抗としては10MΩ以上が確保されており、この
抵抗を介して流れる電流は1μA以下であるためによる
ものと考えられる。
絶縁抵抗としては10MΩ以上が確保されており、この
抵抗を介して流れる電流は1μA以下であるためによる
ものと考えられる。
【図1】本発明の液晶表示素子の端子部分の断面図
【図2】液晶表示素子の隣り合う2つの端子間の模式的
な等価回路図
な等価回路図
1 シール材 2 リーク材 3 液晶層 4 電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1339 505 G02F 1/1345
Claims (2)
- 【請求項1】少なくとも一方の基板表面の端部近傍のシ
ール材の外側に複数の外部駆動回路接続用端子を有する
マトリクス液晶表示装置において、前記接続用端子が、
隣り合う2本の端子間の抵抗が107〜109Ωとなるよ
うに、非イオン系界面活性剤が添加されたリーク材で被
覆されてなることを特徴とするマトリクス液晶表示装
置。 - 【請求項2】前記リーク材がシール材の外側の空間に充
填されている請求項1に記載のマトリクス液晶表示装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03353828A JP3095501B2 (ja) | 1991-12-18 | 1991-12-18 | マトリクス液晶表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03353828A JP3095501B2 (ja) | 1991-12-18 | 1991-12-18 | マトリクス液晶表示装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05165032A JPH05165032A (ja) | 1993-06-29 |
JP3095501B2 true JP3095501B2 (ja) | 2000-10-03 |
Family
ID=18433496
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03353828A Expired - Fee Related JP3095501B2 (ja) | 1991-12-18 | 1991-12-18 | マトリクス液晶表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3095501B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4201002B2 (ja) * | 2005-03-28 | 2008-12-24 | セイコーエプソン株式会社 | 液晶装置、その製造方法およびプロジェクタ |
KR100805477B1 (ko) * | 2005-08-05 | 2008-02-20 | 세이코 엡슨 가부시키가이샤 | 액정 장치, 전기 광학 장치, 프로젝터 및 마이크로디바이스 |
-
1991
- 1991-12-18 JP JP03353828A patent/JP3095501B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH05165032A (ja) | 1993-06-29 |
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