JP3094644B2 - 耐候性シート及びその製造方法 - Google Patents
耐候性シート及びその製造方法Info
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- JP3094644B2 JP3094644B2 JP04097074A JP9707492A JP3094644B2 JP 3094644 B2 JP3094644 B2 JP 3094644B2 JP 04097074 A JP04097074 A JP 04097074A JP 9707492 A JP9707492 A JP 9707492A JP 3094644 B2 JP3094644 B2 JP 3094644B2
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- sheet
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は耐候性シート及びその製
造方法に関し、更に詳しくはフッ素ポリマー含有シート
を金属層又は合成樹脂層と充分な接着強度で複合化した
耐候性シート及びその製造方法に関する。
造方法に関し、更に詳しくはフッ素ポリマー含有シート
を金属層又は合成樹脂層と充分な接着強度で複合化した
耐候性シート及びその製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
りフッ素樹脂は、その耐熱性、耐候性、耐薬品性などに
優れた特性を有することから耐候性シートとして着目さ
れ、単独で或いは他の樹脂とブレンドされて使用されて
いる。この場合、フッ素樹脂の使用に際しては、フッ素
樹脂は非常に高価であることから、薄膜シートとして用
い、他のシートと接着積層して、気密性、材料強度など
は他の安価なシート材料に負わせるのが有効である。
りフッ素樹脂は、その耐熱性、耐候性、耐薬品性などに
優れた特性を有することから耐候性シートとして着目さ
れ、単独で或いは他の樹脂とブレンドされて使用されて
いる。この場合、フッ素樹脂の使用に際しては、フッ素
樹脂は非常に高価であることから、薄膜シートとして用
い、他のシートと接着積層して、気密性、材料強度など
は他の安価なシート材料に負わせるのが有効である。
【０００３】しかし、フッ素樹脂は、その特徴である化
学的安定性の故に難接着性であり、複合化が難しい。こ
のため、以前からフッ素樹脂系組成物シートの接着性を
良好にするための処理法が種々検討されている。このよ
うな処理法としては、フッ素樹脂シート表面を機械的に
粗面化する方法、化学的エッチング、スパッタリング、
火焔処理を施す方法、更にプラズマやコロナなどの放電
処理を施す方法が知られているが、これらの方法はなお
充分な接着強度を発現させるに到っていないのが現状で
ある。
学的安定性の故に難接着性であり、複合化が難しい。こ
のため、以前からフッ素樹脂系組成物シートの接着性を
良好にするための処理法が種々検討されている。このよ
うな処理法としては、フッ素樹脂シート表面を機械的に
粗面化する方法、化学的エッチング、スパッタリング、
火焔処理を施す方法、更にプラズマやコロナなどの放電
処理を施す方法が知られているが、これらの方法はなお
充分な接着強度を発現させるに到っていないのが現状で
ある。
【０００４】上記処理法のうち、プラズマによる表面処
理は、クリーンでかつ表面改質の自由度が大きいことか
ら、フッ素系部材の表面処理方法として注目されてい
る。しかし、フッ素樹脂シートをプラズマ放電処理方法
により親水化し、接着に適する表面に改質する場合、酸
素，アルゴン，窒素やこれらを含む気体雰囲気下で行わ
れており、特に、酸素／四フッ化炭素混合ガスを用いる
ことがよく知られているが、かかる従来法では上述した
ようにフッ素ポリマー含有シートの表面を十分に親水化
することができず、従って充分な接着力が得られなかっ
た。また、工業的に実用化されているコロナ放電処理も
同様に充分な接着力が得られていない。
理は、クリーンでかつ表面改質の自由度が大きいことか
ら、フッ素系部材の表面処理方法として注目されてい
る。しかし、フッ素樹脂シートをプラズマ放電処理方法
により親水化し、接着に適する表面に改質する場合、酸
素，アルゴン，窒素やこれらを含む気体雰囲気下で行わ
れており、特に、酸素／四フッ化炭素混合ガスを用いる
ことがよく知られているが、かかる従来法では上述した
ようにフッ素ポリマー含有シートの表面を十分に親水化
することができず、従って充分な接着力が得られなかっ
た。また、工業的に実用化されているコロナ放電処理も
同様に充分な接着力が得られていない。
【０００５】しかも、低圧グロープラズマ処理は、通常
１０Ｔｏｒｒ以下の低圧において行われるため、これを
工業的に実施する場合、大型の真空装置が必要となり、
設備費や処理コストが大きくなる等の問題もある。
１０Ｔｏｒｒ以下の低圧において行われるため、これを
工業的に実施する場合、大型の真空装置が必要となり、
設備費や処理コストが大きくなる等の問題もある。
【０００６】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたもので、フッ素ポリマー含有シートを金属層又は合
成樹脂層と充分な接着強度で複合化した耐候性シート及
びその製造方法を提供することを目的とする。
れたもので、フッ素ポリマー含有シートを金属層又は合
成樹脂層と充分な接着強度で複合化した耐候性シート及
びその製造方法を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは上
記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、フッ素ポ
リマー含有シート（フッ素ポリマーのみからなるシー
ト、フッ素ポリマーと他の合成樹脂とのブレンドシート
等）の表面を大気圧グロープラズマ処理すること、しか
もこの場合その処理をヘリウムガス雰囲気において行う
ことにより、難接着性のフッ素ポリマー含有シート表面
が高度に親水化されて接着に適した表面に改質すること
ができ、この表面が改質されたフッ素ポリマー含有シー
トに接着剤を介して又は直接に金属箔等の金属層又はフ
ッ素ポリマー以外の合成樹脂の層を形成した場合、フッ
素ポリマー含有シートに金属層又はフッ素ポリマー以外
の合成樹脂層が強固に接着し、従って両者の特性が効果
的に発揮する耐候性シートが得られ、しかもこの方法は
装置が大型化する等の経済的不利もないので、フッ素ポ
リマー含有シートを用いた耐候性シートが安価に製造し
得ることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、フッ素ポ
リマー含有シート（フッ素ポリマーのみからなるシー
ト、フッ素ポリマーと他の合成樹脂とのブレンドシート
等）の表面を大気圧グロープラズマ処理すること、しか
もこの場合その処理をヘリウムガス雰囲気において行う
ことにより、難接着性のフッ素ポリマー含有シート表面
が高度に親水化されて接着に適した表面に改質すること
ができ、この表面が改質されたフッ素ポリマー含有シー
トに接着剤を介して又は直接に金属箔等の金属層又はフ
ッ素ポリマー以外の合成樹脂の層を形成した場合、フッ
素ポリマー含有シートに金属層又はフッ素ポリマー以外
の合成樹脂層が強固に接着し、従って両者の特性が効果
的に発揮する耐候性シートが得られ、しかもこの方法は
装置が大型化する等の経済的不利もないので、フッ素ポ
リマー含有シートを用いた耐候性シートが安価に製造し
得ることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
【０００８】従って、本発明は、フッ素ポリマー含有シ
ートの一面に必要により接着剤を介して金属層又はフッ
素ポリマー以外の合成樹脂層が積層されてなる耐候性シ
ートにおいて、上記フッ素ポリマー含有シートの一面が
ヘリウムガス雰囲気下において大気圧グロープラズマ法
により処理されて親水化されていることを特徴とする耐
候性シート、及び、フッ素ポリマー含有シートの一面に
必要により接着剤を介して金属層又はフッ素ポリマー以
外の合成樹脂層が積層されてなる耐候性シートを製造す
る方法において、上記フッ素ポリマー含有シートの表面
をヘリウムガス雰囲気下において大気圧グロープラズマ
法により処理した後、この表面処理フッ素ポリマー含有
シートに金属層又はフッ素ポリマー以外の合成樹脂層を
積層することを特徴とする耐候性シートの製造方法を提
供する。
ートの一面に必要により接着剤を介して金属層又はフッ
素ポリマー以外の合成樹脂層が積層されてなる耐候性シ
ートにおいて、上記フッ素ポリマー含有シートの一面が
ヘリウムガス雰囲気下において大気圧グロープラズマ法
により処理されて親水化されていることを特徴とする耐
候性シート、及び、フッ素ポリマー含有シートの一面に
必要により接着剤を介して金属層又はフッ素ポリマー以
外の合成樹脂層が積層されてなる耐候性シートを製造す
る方法において、上記フッ素ポリマー含有シートの表面
をヘリウムガス雰囲気下において大気圧グロープラズマ
法により処理した後、この表面処理フッ素ポリマー含有
シートに金属層又はフッ素ポリマー以外の合成樹脂層を
積層することを特徴とする耐候性シートの製造方法を提
供する。
【０００９】以下、本発明を更に詳細に説明すると、本
発明の耐候性シートは表面をヘリウムガス雰囲気中にお
いて大気圧グロープラズマ法により表面処理を行ったフ
ッ素ポリマー含有シートと金属層又はフッ素ポリマー以
外の合成樹脂層とを積層したものである。
発明の耐候性シートは表面をヘリウムガス雰囲気中にお
いて大気圧グロープラズマ法により表面処理を行ったフ
ッ素ポリマー含有シートと金属層又はフッ素ポリマー以
外の合成樹脂層とを積層したものである。
【００１０】ここで、本発明で使用するフッ素ポリマー
含有シートとしては、フッ素ポリマー単独シートやフッ
素ポリマーと他の合成樹脂とのブレンドシートなどがあ
り、フッ素ポリマーとしては、例えばポリテトラフルオ
ロエチレン樹脂、パーフルオロアルキルフッ素樹脂、四
フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、エチレ
ン−四フッ化エチレン共重合体、ポリクロロ三フッ化エ
チレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル樹脂
等のフッ素樹脂、フッ素ゴムなどが挙げられる。また、
フッ素ポリマーとブレンドされる合成樹脂としては、ポ
リスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、ポリエチレン−（メタ）アクリル酸エステ
ル共重合体、ポリ（メタ）アクリル酸エステル、ポリ塩
化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、ポリアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩
化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリ−４−メチル−
ペンテン−１、シス−１，２−ポリブタジエン、アクリ
ロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、エチレン
−プロピレン共重合体などのフッ素原子を含まない樹脂
が挙げられる。
含有シートとしては、フッ素ポリマー単独シートやフッ
素ポリマーと他の合成樹脂とのブレンドシートなどがあ
り、フッ素ポリマーとしては、例えばポリテトラフルオ
ロエチレン樹脂、パーフルオロアルキルフッ素樹脂、四
フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、エチレ
ン−四フッ化エチレン共重合体、ポリクロロ三フッ化エ
チレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル樹脂
等のフッ素樹脂、フッ素ゴムなどが挙げられる。また、
フッ素ポリマーとブレンドされる合成樹脂としては、ポ
リスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、ポリエチレン−（メタ）アクリル酸エステ
ル共重合体、ポリ（メタ）アクリル酸エステル、ポリ塩
化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、ポリアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩
化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリ−４−メチル−
ペンテン−１、シス−１，２−ポリブタジエン、アクリ
ロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、エチレン
−プロピレン共重合体などのフッ素原子を含まない樹脂
が挙げられる。
【００１１】而して、本発明は上記フッ素ポリマー含有
シートの少なくとも一面を大気圧グロープラズマ法によ
りヘリウムガス雰囲気下で表面処理するものであるが、
グロー放電（処理に用いる均一放電）は、従来、「低気
圧で生ずる」と定義されており、大気圧ではアーク放
電、コロナ放電、火花放電などの高温での不均一な放電
のみ考えられていた。即ち、大気圧でのグロー放電は、
一般には不可能と思われていた。しかし、最近、ある条
件下では、大気圧でグロープラズマを得ることが可能で
あること（特開平１−３０６５６９号，同２−１５１７
１号公報など）が提案されており、本発明の処理条件と
しては、雰囲気をヘリウムガスとする以外は上記公知の
条件を採用し得る。
シートの少なくとも一面を大気圧グロープラズマ法によ
りヘリウムガス雰囲気下で表面処理するものであるが、
グロー放電（処理に用いる均一放電）は、従来、「低気
圧で生ずる」と定義されており、大気圧ではアーク放
電、コロナ放電、火花放電などの高温での不均一な放電
のみ考えられていた。即ち、大気圧でのグロー放電は、
一般には不可能と思われていた。しかし、最近、ある条
件下では、大気圧でグロープラズマを得ることが可能で
あること（特開平１−３０６５６９号，同２−１５１７
１号公報など）が提案されており、本発明の処理条件と
しては、雰囲気をヘリウムガスとする以外は上記公知の
条件を採用し得る。
【００１２】本発明に係る大気圧グロープラズマの発生
方法としては、プラズマを発生し、かつこれにより被処
理物表面で反応を起こすことができる方法であれば、い
かなる方法も採用することができる。電圧の印加方法
は、大きく分けて直流、交流の２通りあるが、工業的に
は交流放電の方が容易である。しかし、いずれの場合も
高電圧印加側と接地側の少なくとも一組の電極が必要で
ある。
方法としては、プラズマを発生し、かつこれにより被処
理物表面で反応を起こすことができる方法であれば、い
かなる方法も採用することができる。電圧の印加方法
は、大きく分けて直流、交流の２通りあるが、工業的に
は交流放電の方が容易である。しかし、いずれの場合も
高電圧印加側と接地側の少なくとも一組の電極が必要で
ある。
【００１３】交流放電は更にその周波数により、低周
波、高周波、マイクロ波の３つに大別することができ
る。大気圧グロープラズマの形成に使用する電極は、低
周波放電の場合、電極のうちの片方又は両方を絶縁体で
被覆する内部電極方式を採用すると、安定した大気圧グ
ロープラズマを容易に得ることができるので、電極を絶
縁体で被覆することが推奨される。高周波放電の場合も
低周波放電と同様の内部電極方式を採用することができ
るが、高周波放電の場合は上記の絶縁体の厚さの影響が
小さいことから、処理室がガラス等の絶縁体からなる場
合には外部電極方式を採用することもでき、また、コイ
ル型方式による放電も可能である。マイクロ波放電の場
合は、導波管型方式による放電又は電子サイクロトロン
共鳴等が挙げられる。なお、直流放電の場合、電極から
の直接の電子流入により直流グローを形成、安定化させ
るため、高電圧印加側及び接地側共に絶縁体で被覆しな
い方がよい。
波、高周波、マイクロ波の３つに大別することができ
る。大気圧グロープラズマの形成に使用する電極は、低
周波放電の場合、電極のうちの片方又は両方を絶縁体で
被覆する内部電極方式を採用すると、安定した大気圧グ
ロープラズマを容易に得ることができるので、電極を絶
縁体で被覆することが推奨される。高周波放電の場合も
低周波放電と同様の内部電極方式を採用することができ
るが、高周波放電の場合は上記の絶縁体の厚さの影響が
小さいことから、処理室がガラス等の絶縁体からなる場
合には外部電極方式を採用することもでき、また、コイ
ル型方式による放電も可能である。マイクロ波放電の場
合は、導波管型方式による放電又は電子サイクロトロン
共鳴等が挙げられる。なお、直流放電の場合、電極から
の直接の電子流入により直流グローを形成、安定化させ
るため、高電圧印加側及び接地側共に絶縁体で被覆しな
い方がよい。
【００１４】本発明に係るフッ素含有シートの表面処理
の実施に用いる好適な製造装置の例を説明すると、例え
ば、図１に示すようにプラズマが形成される領域に被処
理物を配置し、この処理室内にヘリウムガスを供給する
ことにより表面処理を行う。即ち、図中１はヘリウム供
給管２が連結された処理室であり、その内部に絶縁体で
被覆された２個の電極３，３が互いに所定間隔離間して
対向配置され、一方の電極３には交流電源４が接続され
ていると共に、他方の電極３は接地されている。シート
状物を連続的に処理する場合、これら電極３，３間にシ
ート状の被処理物５がローラ６，６によって移動すると
共に、表面処理が行われるものである。
の実施に用いる好適な製造装置の例を説明すると、例え
ば、図１に示すようにプラズマが形成される領域に被処
理物を配置し、この処理室内にヘリウムガスを供給する
ことにより表面処理を行う。即ち、図中１はヘリウム供
給管２が連結された処理室であり、その内部に絶縁体で
被覆された２個の電極３，３が互いに所定間隔離間して
対向配置され、一方の電極３には交流電源４が接続され
ていると共に、他方の電極３は接地されている。シート
状物を連続的に処理する場合、これら電極３，３間にシ
ート状の被処理物５がローラ６，６によって移動すると
共に、表面処理が行われるものである。
【００１５】以上のようにして表面処理されたフッ素ポ
リマー含有シートは、その表面が高度に親水化され、こ
のため金属層又はフッ素ポリマー以外の合成樹脂層が接
着よく積層される。
リマー含有シートは、その表面が高度に親水化され、こ
のため金属層又はフッ素ポリマー以外の合成樹脂層が接
着よく積層される。
【００１６】この場合、金属層は、アルミニウム、銅、
鉄、メッキ鋼板、ステンレススチール、ブラスなどの１
０μｍ以上の厚さの金属箔類などによって形成でき、ま
た、合成樹脂層は、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリ（メタ）ア
クリル酸エステル、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネー
ト、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの樹脂シート類
などによって形成することができる。中でもアルミニウ
ム箔は、気密性、経済性、加工性などに優れており、最
も好適に用いることができる。なお、これらの箔類やシ
ート類の使用により、フッ素ポリマー含有シートを１０
〜１０００μｍと薄膜化した場合でも、フッ素ポリマー
含有シートに代わり、強度や気密性などの性能を発揮す
る。
鉄、メッキ鋼板、ステンレススチール、ブラスなどの１
０μｍ以上の厚さの金属箔類などによって形成でき、ま
た、合成樹脂層は、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリ（メタ）ア
クリル酸エステル、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネー
ト、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの樹脂シート類
などによって形成することができる。中でもアルミニウ
ム箔は、気密性、経済性、加工性などに優れており、最
も好適に用いることができる。なお、これらの箔類やシ
ート類の使用により、フッ素ポリマー含有シートを１０
〜１０００μｍと薄膜化した場合でも、フッ素ポリマー
含有シートに代わり、強度や気密性などの性能を発揮す
る。
【００１７】上記フッ素ポリマー含有シートと上記箔類
やシート類の接合は、フッ素ポリマー含有シートの表面
は上記表面処理により高度に親水化されているため、公
知方法、例えば加熱、圧着、加熱圧着などの手段により
容易に接合して複合化することができる。
やシート類の接合は、フッ素ポリマー含有シートの表面
は上記表面処理により高度に親水化されているため、公
知方法、例えば加熱、圧着、加熱圧着などの手段により
容易に接合して複合化することができる。
【００１８】また、フッ素ポリマー含有シートに上記の
ように金属層又は合成樹脂層を積層する場合、使用材料
や表面処理条件等によっては接着剤を用いず直接積層す
ることもできるが、一般的には接着剤を使用することが
好ましい。この接着剤としては、例えばエポキシ系，ウ
レタン系，フェノール系，ＮＢＲフェノール系，アクリ
ル系，ゴム系接着剤などがよく用いられ、フッ素ポリマ
ー含有シートと接合する他の材料の種類やその表面状
態、接着の方法などにより適宜選定することができる。
ように金属層又は合成樹脂層を積層する場合、使用材料
や表面処理条件等によっては接着剤を用いず直接積層す
ることもできるが、一般的には接着剤を使用することが
好ましい。この接着剤としては、例えばエポキシ系，ウ
レタン系，フェノール系，ＮＢＲフェノール系，アクリ
ル系，ゴム系接着剤などがよく用いられ、フッ素ポリマ
ー含有シートと接合する他の材料の種類やその表面状
態、接着の方法などにより適宜選定することができる。
【００１９】以上説明したように、大気圧グロープラズ
マ法により表面処理したフッ素ポリマー含有シートを他
のシート類と接着複合化することにより強固に接合した
耐候性シート材料を得ることができた。
マ法により表面処理したフッ素ポリマー含有シートを他
のシート類と接着複合化することにより強固に接合した
耐候性シート材料を得ることができた。
【００２０】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明
するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではな
い。
するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではな
い。
【００２１】［実施例１］図１に示す内部電極型大気圧
グロープラズマ放電装置を用い、表１に示す処理条件で
表２に示す各種フッ素ポリマー含有シート表面を処理
し、水滴接触角法により、処理前後の親水性を比較し
た。結果を表３に示す。
グロープラズマ放電装置を用い、表１に示す処理条件で
表２に示す各種フッ素ポリマー含有シート表面を処理
し、水滴接触角法により、処理前後の親水性を比較し
た。結果を表３に示す。
【００２２】なお、水滴接触角による親水性の評価方法
は、フッ素樹脂系組成物のみならず、ポリオレフィン等
の汎用樹脂シートの表面の親水性の評価法としてよく知
られており、接触角の低下に伴い接着強度は増大する。
は、フッ素樹脂系組成物のみならず、ポリオレフィン等
の汎用樹脂シートの表面の親水性の評価法としてよく知
られており、接触角の低下に伴い接着強度は増大する。
【００２３】
【表１】
【００２４】
【表２】 １，２，３，４：ダイキン工業製 ５：ペンウォルト社（現アトケミ社）製 ６：デュポン社製（厚さ３８μｍ） ７：デンカ社製（ＤＸ４１フィルム，厚さ４０μｍ）
【００２５】
【表３】
【００２６】表３の結果より、フッ素ポリマー含有シー
ト表面を大気圧グロープラズマ法によって高度に親水化
できること、即ち、金属箔或いは合成樹脂シートとの接
着に適した易接着性表面への改質が可能なことが確認さ
れた。
ト表面を大気圧グロープラズマ法によって高度に親水化
できること、即ち、金属箔或いは合成樹脂シートとの接
着に適した易接着性表面への改質が可能なことが確認さ
れた。
【００２７】［実施例２］表１に示した条件下で実施例
１と同様の大気圧グロープラズマ処理を施したＰＶＤ
Ｆ，ＥＴＦＥ，ＦＥＰ，ＰＦＡを三洋化成製ウレタン系
接着剤（ＮＳ５０／ＣＡ２５）を用い、厚さ０．２ｍｍ
のアルミニウム箔に接着させ、その剥離接着力を測定し
た。また、大気圧グロープラズマの未処理品との接着力
の比較も合わせて行った。結果を表４に示す。なお、接
着剤の硬化は１００℃のオーブン中で１５分間放置する
ことにより行った。
１と同様の大気圧グロープラズマ処理を施したＰＶＤ
Ｆ，ＥＴＦＥ，ＦＥＰ，ＰＦＡを三洋化成製ウレタン系
接着剤（ＮＳ５０／ＣＡ２５）を用い、厚さ０．２ｍｍ
のアルミニウム箔に接着させ、その剥離接着力を測定し
た。また、大気圧グロープラズマの未処理品との接着力
の比較も合わせて行った。結果を表４に示す。なお、接
着剤の硬化は１００℃のオーブン中で１５分間放置する
ことにより行った。
【００２８】
【表４】
【００２９】表４の結果より、大気圧グロープラズマに
よってフッ素ポリマー含有シートとアルミニウム箔との
接着性が著しく向上することが確認された。
よってフッ素ポリマー含有シートとアルミニウム箔との
接着性が著しく向上することが確認された。
【００３０】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
フッ素ポリマー含有シートの表面を高度に親水化し、接
着に適する表面に改質することにより、フッ素ポリマー
含有シートに金属層或いは合成樹脂層を強固に接合、積
層した耐候性シートを得ることができる。
フッ素ポリマー含有シートの表面を高度に親水化し、接
着に適する表面に改質することにより、フッ素ポリマー
含有シートに金属層或いは合成樹脂層を強固に接合、積
層した耐候性シートを得ることができる。
【図１】本発明の実施に用いる大気圧グロープラズマ放
電装置の一例を示す概略図である。
電装置の一例を示す概略図である。
１ 処理室 ２ ヘリウムガス供給管 ３ 絶縁体で被覆した電極 ４ 交流電源 ５ 被処理物シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ // Ｃ０８Ｌ 27:12 (72)発明者 田沼 逸夫 埼玉県狭山市柏原3405−181 (72)発明者 吉川 雅人 東京都小平市小川東町３−５−９−202 (72)発明者 内藤 壽夫 神奈川県川崎市宮前区馬絹969−１ (72)発明者 岡崎 幸子 東京都杉並区高井戸東２−20−11 (72)発明者 小駒 益弘 埼玉県和光市下新倉843−15 (56)参考文献 特開 平３−143930（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−74525（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−145139（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B32B 15/08 B32B 27/30 B32B 31/12 C08J 7/00
Claims (4)
- 【請求項１】 フッ素ポリマー含有シートの一面に金属
層又はフッ素ポリマー以外の合成樹脂層が積層されてな
る耐候性シートにおいて、上記フッ素ポリマー含有シー
トの表面がヘリウムガス雰囲気下において大気圧グロー
プラズマ法により処理されて親水化されていることを特
徴とする耐候性シート。 - 【請求項２】 フッ素ポリマー含有シートの一面に接着
剤を介して金属層又はフッ素ポリマー以外の合成樹脂層
を積層した請求項１記載の耐候性シート。 - 【請求項３】 フッ素ポリマー含有シートの一面に金属
層又はフッ素ポリマー以外の合成樹脂層が積層されてな
る耐候性シートを製造する方法において、上記フッ素ポ
リマー含有シートの表面をヘリウムガス雰囲気下におい
て大気圧グロープラズマ法により処理した後、この表面
処理フッ素ポリマー含有シートに金属層又はフッ素ポリ
マー以外の合成樹脂層を積層することを特徴とする耐候
性シートの製造方法。 - 【請求項４】 フッ素ポリマー含有シートの一面に接着
剤を介して金属層又はフッ素ポリマー以外の合成樹脂層
を積層するようにした請求項３記載の製造方法。
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| JP10847291 | 1991-04-12 |
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