JP3094638B2 - 均一な光沢を有するステンレス鋼調質圧延材の製造法 - Google Patents

均一な光沢を有するステンレス鋼調質圧延材の製造法

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JP3094638B2 JP04078022A JP7802292A JP3094638B2 JP 3094638 B2 JP3094638 B2 JP 3094638B2 JP 04078022 A JP04078022 A JP 04078022A JP 7802292 A JP7802292 A JP 7802292A JP 3094638 B2 JP3094638 B2 JP 3094638B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、均一な光沢を有するス
テンレス鋼調質圧延材の製造法、特に中間焼鈍として大
気焼鈍を行ったステンレス鋼冷延材からの調質圧延材の
製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ステンレス鋼調質圧延材の製造
は、熱間圧延材を焼鈍、酸洗し、次に冷間圧延と焼鈍を
繰り返し行い、最終的に調質圧延を行って所定の機械的
性質を付与することで行っている。
【0003】冷間圧延中に行う中間焼鈍としては、大気
中で焼鈍を行う大気焼鈍法と無酸化雰囲気下で焼鈍を行
う光輝焼鈍法の2通りがある。
【0004】大気中で行う焼鈍を経て得られた冷延材で
は、焼鈍により発生した鋼板表面の酸化スケール(Fe、
Cr、Si等)を除去するため調質圧延前に酸洗を行う(以
下、このようにして得られた材料を中間AP材と称
す)。一方、無酸化の光輝焼鈍を行う場合は、表面の酸
化層が薄いため酸洗を行わずにそのまま調質圧延を行う
場合が多い(以下、このようにして得られた材料を中間
BA材と称する)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記の如き方
法でステンレス鋼冷延鋼板を調質圧延すると鋼板表面の
圧延方向に沿って不均一な光沢(以下、光沢ムラと称
す)が発生し易く美観が損なわれ品質価値が大幅に低下
することがある。このような光沢ムラはAP材、BA材を問
わず発生するのであって、一旦発生するとその修復はほ
とんど不可能であり、光沢ムラの見られる部分を除去す
るしか方法がない。そのため成品歩留が低下し、製造コ
ストを大幅に引き上げる結果となり、早急な解決が求め
られている。
【0006】なお、従来は光沢ムラ防止には有効な対策
がとられていない。ここに、光沢ムラは鋼板表面に表れ
た白黒のすじ状模様である。かくして、本発明は、上述
の光沢ムラの問題点を解決して均一な光沢を有するステ
ンレス鋼調質圧延材の製造法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を達成すべく種々検討を重ねた結果、次のような知見
を得た。 調質圧延材の光沢ムラ発生原因を詳細に調査した結
果、調質圧延中に不均一なロールコーティングが生じ、
これが鋼帯表面に転写される結果、光沢ムラが発生し、
このロールコーティングの不均一さは鋼板表面の酸化皮
膜、特にSiO2層に強く影響されることが判明した。
【0008】中間BA材であっても完全に表面酸化を防
止することはできず、極く僅かでも酸化皮膜の存在は確
認される。 中間AP材、中間BA材を問わず、鋼板表面にSiO2に代表
される酸化皮膜が存在するとロールコーティング層にこ
れが含まれ、ロールコーティングが不安定となる。この
ため調質圧延中に部分的なロールコーティングの剥離が
生じ、これが不均一なロールコーティングとなる結果、
光沢ムラが生じる。
【0009】中間AP材では大気中の焼鈍によって生成
した厚い酸化層が形成されているが、マクロ的にはその
後の酸洗で除去される。しかし、酸洗後も極く表層には
SiO2が残留しており、これが中間BA材の場合と同様に光
沢ムラの原因となっている。
【0010】調質圧延前の焼鈍で鋼帯表面に生じる酸
化皮膜(特にSiO2)を種々の手段で除去することで、調
質圧延後において均一な光沢を有するステンレス調質圧
延材が得られる。
【0011】ここに、本発明は、ステンレス鋼調質圧延
材の製造に際して、中間焼鈍として大気焼鈍、酸洗を行
って得た冷延材に対し、表層1μm以上、1.5 μm以下
を除去することで予め鋼板表面の酸化層を除去してから
調質圧延を行い光沢ムラを解消したことを特徴とする、
均一な光沢を有するステンレス鋼調質圧延材の製造法で
ある。
【0012】ここに、酸化層は中間AP材、中間BA材
を問わず、調質圧延前に鋼板表面にみられるSiO2を主体
とする酸化皮膜である。上記酸化層の除去手段としては
特に制限なく、Fe、Crの酸化層の内側に形成されるSiO2
層が除去できればよく、例えば、ウエットブラスト、ベ
ルト研磨などが例示される。中間AP材では通常1μm以
下のSiO2層が酸洗後も表面に残留しており、したがっ
て、定量的には鋼板表面下1μm またはそれ以上を上記
手段でもって除去すればよい。
【0013】本発明において、熱間圧延、冷間圧延、調
質圧延の各処理条件、さらには中間焼鈍条件は特に制限
されず、慣用手段によれば良い。
【0014】
【作用】次に、本発明の作用についてさらに説明する。
【0015】本発明は、上述のように、中間BA材であっ
ても表面酸化層の存在は免れないこと、光沢ムラの原因
が中間BA材、中間AP材を問わず鋼板表面に存在するSiO2
を主体として酸化層であること、そしてかかる酸化層を
調質圧延に先立って適宜除去することによって光沢ムラ
を完全に除去できたことの各知見に基づくものである。
【0016】なお、「酸洗」によって、酸化皮膜中のF
e、Cr酸化物は容易に除去されるが、SiO2層は、Fe、Cr
酸化物の内側に厚く形成されるため、酸洗のみでは除去
するのは一般に困難である。
【0017】例えば、図1および図2にそれぞれ中間AP
材および酸洗後の中間AP材のSIMSによる表面分析結
果をグラフで示すが、表層にFe、Cr酸化物、その内層に
SiO2が形成されている。これを調質圧延すると不均一な
ロールコーティングを生じ、そのため調質圧延材には光
沢ムラが発生するのである。
【0018】以上のように、本発明は、調質圧延前に鋼
板表面の酸化層を除去し、調質圧延時のロールコーティ
ングを均一にすることで調質圧延材の光沢ムラを防止す
るものである。
【0019】次に、実施例によって本発明をさらに具体
的に説明する。
【0020】
【実施例】本例では、SUS304ステンレス鋼を、慣用手段
でもって熱間圧延( 熱延材厚さ3mm) 、焼鈍、酸洗、次
いで冷間圧延、焼鈍( 中間焼鈍) 、酸洗を行い、厚さ0.
8mm のステンレス鋼冷延材を得た。
【0021】このようにして得たステンレス鋼冷延材に
対し、調質圧延に先立て、ウエットブラスト、ベルト研
磨、電解酸洗を行い、鋼板表面からの酸化皮膜を除去
し、次いで調質圧延(圧下率25%) を行い、厚さ0.6mm
の調質圧延材を得た。
【0022】このときの光沢ムラの有無を目視で検査し
た。これらの結果は、表1にまとめて示す。
【0023】
【表1】
【0024】ここに、「ウエットブラスト」とは、水に
まぜたアルミナ粒子を板表面に吹き付けることにより、
表面を約1μm だけ除去したものであり、ベルト研摩の
処理条件は、#600ベルトにより表層を約1.5 μm 除去し
たものである。
【0025】以上の結果からも分かるように、本発明に
したがって、中間AP材を上記手段により表層の酸化皮膜
を除去すると、安定で均一なロールコーティングが形成
され、光沢ムラは全く発生しなかった。
【0026】
【発明の効果】中間AP材のように安価な製造法ではある
が、酸化層の生成が著しいため光沢ムラの発生は免れな
いと考えられる材料についても本発明によれば簡便な手
段でもって容易に光沢ムラ発生は防止できるのであり、
特に近年のように製造コストの低減は強く求められてい
る状況下からは表面光沢の優れたステンレス鋼板を比較
的安価に製造できる本発明の意義は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】中間AP材のSIMSによる表面分析結果を示すグラ
フである。
【図2】酸洗後の中間AP材のSIMSによる表面分析結果を
示すグラフである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ステンレス鋼調質圧延材の製造に際して、
    冷間圧延中に中間焼鈍として大気焼鈍、酸洗を行って得
    た冷延材に対し、表層1μm以上、1.5 μm以下を除去
    することで予め鋼板表面のSiO2を主体とする酸化皮膜を
    除去してから調質圧延を行い光沢ムラを解消したことを
    特徴とする、均一な光沢を有するステンレス鋼調質圧延
    材の製造法。
JP04078022A 1992-03-31 1992-03-31 均一な光沢を有するステンレス鋼調質圧延材の製造法 Expired - Lifetime JP3094638B2 (ja)

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