JP3094612B2 - ジェット推進装置のインペラハウジング構造 - Google Patents

ジェット推進装置のインペラハウジング構造

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JP3094612B2 JP03359725A JP35972591A JP3094612B2 JP 3094612 B2 JP3094612 B2 JP 3094612B2 JP 03359725 A JP03359725 A JP 03359725A JP 35972591 A JP35972591 A JP 35972591A JP 3094612 B2 JP3094612 B2 JP 3094612B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジェット推進装置のイ
ンペラハウジング構造に係り、さらに詳しくは、前記イ
ンペラハウジング内面に形成された皮膜の耐久性を向上
させるための構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】図10には、ジェット推進装置における
従来のインペラハウジング構造が示されている。この図
において、図示しないインペラ軸に連結されるインペラ
1は、当該インペラ1の外縁側に位置されたインペラハ
ウジング2内で回転可能に設けられ、このインペラ1の
回転により水を吸入し、後方へ吐出することによって所
定の推進力が得られるようになっている。
【0003】前記インペラハウジング2は、船体に形成
される水の流路3内に固定配置された略円筒状のハウジ
ング本体4と、このハウジング本体4の内面側に形成さ
れた皮膜5とを含み構成されている。この皮膜5は、当
該皮膜5の形成領域における耐摩耗性,潤滑性,防食,
防汚等を目的とする種々の船底塗料を用いた溶射皮膜と
して形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記インペラハウジン
グ2における皮膜5の形成によれば、インペラ1とハウ
ジング本体4との直接的接触が良好に回避されて両者の
摩耗,損傷等の防止が期待でき、また、海中に浮遊する
藤壺等の海洋生物の付着,成長の防止効果も期待できる
が、ハウジング本体4は、前記流路3の内壁部分へ締付
け固定する際、あるいはインペラ1回転時の温度変化に
より歪が発生し、ハウジング本体4と皮膜5との界面に
応力が発生するという問題があった。
【0005】すなわち、前記応力の発生により、これに
基因した皮膜5の剥離を惹起せしめ、インペラ1とハウ
ジング本体4との直接的接触等を防止するという前記効
果を有効に維持することが困難となる問題があった。
【0006】特に、応力緩和は皮膜5の全面にて行なわ
れるため、図10図中A,Cの各領域を除く内面領域B
で皮膜5の剥離を生じさせ易いという欠点があった。こ
れは、インペラ1が回転した際の運転状態においては、
当該領域Bが最も使用環境が厳しいことに基因したもの
である。
【0007】このように、従来例においては、最も皮膜
5の必要性が要求される領域Bでの皮膜の長期保持が困
難なため、これを有効に改善する構造が待望されてい
た。
【0008】
【発明の目的】ここに、本発明の目的は、ハウジング本
体4内面に形成された皮膜5を長期に亘って安定保持が
期待でき、これによって耐摩耗性,防食,防汚効果を良
好に保つことが期待できるジェット推進装置のインペラ
ハウジング構造を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、インペラの回転に伴う水の吸入,吐出作
用で推進力を得るジェット推進装置のインペラハウジン
グ構造において、前記インペラハウジングの吸入側と吐
出側の各内面一定領域を除くハウジング本体の内面に前
記インペラとインペラハウジングの材質に対応して所定
の必要性能を有する皮膜を形成した
【0010】そして上記構成に加えて、本発明のハウジ
ング構造は、前記皮膜形成領域の一部に皮膜を形成しな
い部分、すなわち不溶射部分を形成すると共に、当該不
溶射部分により皮膜を周方向に沿って並んだ複数の領域
に分割したことを特徴として構成されている。また或い
は、上記不溶射部分をハウジング本体の内面周方向に連
続的に形成したスリットとしたことを特徴として構成さ
れている。
【0011】
【作用】本発明の前記構成により、インペラハウジング
内面における皮膜形成領域を必要部分に限定したことに
よって、当該部分に生ずる応力の負担を軽減して皮膜密
着性が向上し、さらに、前記不溶射部分を形成したハウ
ジング構造においては、応力緩和を更に有効に行ない
得、皮膜の耐久性をより良く向上することが達成でき
る。
【0012】
【発明の実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づい
て説明する。
【0013】図1には、本発明に係るジェット推進装置
のインペラハウジング構造の全体を示す概略図が示され
ている。この図において、船体に形成される水の流路1
0の底部側には水の吸入口11が形成されているととも
に、船尾側には吐出口12が形成されている。こらら吸
入口および吐出口12との間における流路10の内壁部
分にはインペラハウジング15がボルト等の適宜な締着
手段を介して固定されている。このインペラハウジング
15の内側位置にはインペラ16が収容配置されている
とともに、当該インペラ16はインペラ軸17を介して
回転駆動されるようになっている。
【0014】前記インペラハウジング15は、図2に拡
大して示されるように、ハウジング本体19と、このハ
ウジング本体19の内面側に形成された皮膜20とを備
えて構成されている。本実施例では、前記ハウジング本
体19は内径145mm,長さ85mmのものが採用さ
れており、このハウジング本体19の内面における吸入
側と吐出側の一定領域A,Cを除く領域Bにのみ皮膜2
0が形成されている。実施例では領域Aが20mm,領
域Cが10mmとして設定されており、皮膜20の材料
には50Ni−50Cr合金が用いられている。この際、
皮膜20の材料は、インペラ15およびハウジング本体
19の形成材料により適宜決定,変更されるものであ
り、材料自体は限定的ではない。
【0015】前記皮膜20の形成は、例えば図3に示さ
れる装置を用い形成することができる。すなわち、ハウ
ジング本体19の両端側には、前記領域A,Cに皮膜2
0が形成されないようにマスキング治具22,23が予
め取付けられ、ターンテーブル24上に設置されてい
る。このターンテーブル24の上方位置にはプラズマト
ーチ25が昇降自在に設けられており、前記ターンテー
ブル24を回転させた状態でプラズマトーチを降下させ
てプラズマ溶射がなされるようになっている。ここで、
本願発明と関連する参考例について説明する。この参考
例の制作の際に、ターンテーブル24の回転速度が30
r.p.mに設定されているとともに、プラズマトーチ
25は2mm/sの速度で、50Ni−50Cr合金が
0.5g/sでプラズマ溶射される。このようにして溶
射が完了した後に前記マスキング治具22,23を除去
することにより、図4の展開図に示されるような態様で
皮膜20の形成が行なわれることとなる。
【0016】従って、このような参考例によれば、前記
領域AおよびCを除く領域Bにのみ皮膜20を形成した
ことから、A,Cの各領域をも含む全領域に皮膜を形成
していた従来例の如く大きな残留応力の発生を招来する
ことがなく、かかる残留応力に基因した皮膜20の剥離
を防止することが期待できるという効果がある。
【0017】また、皮膜20は最も必要性の高い領域B
にのみ設けられているため、A,Cの各領域に皮膜20
が形成されていなくても実際上はさほど不利はない。こ
れは、インペラ16における外縁の回転軸跡に対応する
領域はB部に含まれるため、A,C各領域にはインペラ
16との接触等、直接的に関与することがないためであ
る。
【0018】また、皮膜20の形成は、前記ターンテー
ブル24とプラズマトーチ25との相対移動により連続
的、かつ、自動的に行ない得るため、皮膜厚等の均一精
度も確保できるとともに、形成作業を簡易,迅速に行な
うことが可能である。この際マスキング治具22,23
は、図元構成例以外のマスキング手段を用いることでも
よい。
【0019】次に本発明の実施例について説明する。
【0020】図5には、前記皮膜20を形成した領域B
の一部に不溶射部分であるスリット30をハウジング本
体19の内面周方向にらせん状に連続的に形成した展開
図が示されている。このようなスリット30を形成する
方法としては、皮膜20形成用のプラズマトーチ25の
降下速度を5mm/sに設定することにより行なわれ
る。この際、前記降下速度は皮膜形成領域Bに均一な皮
膜20を形成する速度の2倍以上であればよく前記数値
に限定されるものではない。
【0021】図6は、プラズマトーチ25の降下速度を
更に増加させ、略10mm/sに設定した場合に得られ
るスリット30の形成幅が変化した状態を示している。
【0022】このように、皮膜20を形成した領域Bに
部分的なスリット30を形成したインペラハウジング構
造にあっては、更に応力緩和に資することとなり、皮膜
20をより強固にハウジング本体19に保持せしめるこ
とが可能となり、長期間の耐久性が維持できるという効
果が付加できる。
【0023】なお、図7は、ターンテーブル24の回転
方向を逆に設定した場合に得られるハウジング内面を示
しており、図8はスリットをハウジング本体19の軸方
向所定間隔毎に形成した場合の内面を示したものであ
る。図8に示されるスリット30の形成は、例えばプラ
ズマトーチ25の間欠作動等によって形成することがで
きる。このようなスリット30により、分割された皮膜
20の各領域は、ハウジング本体19の周方向に沿って
並んだ状態になる。
【0024】このようなスリット30形成によっても、
前記実施例と同様の効果を得ることができる。
【0025】なお、前記実施例の説明にあたり、皮膜2
0の形成はプラズマ溶射による例について図示説明した
が本発明はその皮膜形成方法に限定されるものでなく、
公知,その他の方法によるものであってもよい。
【0026】
【発明の効果】本発明は、インペラハウジングの吸入側
と吐出側の各内面一定領域を除いて皮膜を形成すると共
に、この皮膜を形成した領域に部分的に不溶射部分を形
成したため、これによるとハウジング本体19の内面に
対する皮膜20の応力緩和に資することとなり皮膜をよ
り強固に保持せしめ、当該皮膜の密着強度を向上させる
ことが期待でき、最も皮膜20が必要とされる領域にお
いて長期に亘って皮膜20の保持が可能となり、皮膜2
0の剥離等に基因したインペラ15の損傷や、海中生物
の付着,成長等を有効に回避することができるハウジン
グ構造を提供できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のハウジング構造の一実施例に係る全体
を示す概略構成図である。
【図2】図1に示したハウジング構造の拡大断面図であ
る。
【図3】前記実施例における皮膜形成方法を説明するた
めの装置概略斜視図である。
【図4】参考例におけるインペラハウジングの内面側を
示す展開図である。
【図5】本願発明の実施例であって皮膜形成領域に不溶
射部分を形成した図4と同様の展開図である。
【図6】本願発明の実施例であって皮膜形成領域に不溶
射部分を形成した前述と異なる態様を示す図4と同様の
展開図である。
【図7】本願発明の実施例であって皮膜形成領域に不溶
射部分を形成した前述と異なる態様を示す図4と同様の
展開図である。
【図8】本願発明の実施例であって皮膜形成領域に不溶
射部分を形成した前述と異なる態様を示す図4と同様の
展開図である。
【図9】ジェット推進装置における従来のインペラハウ
ジング構造を示す断面図である。
【符号の説明】
15 インペラハウジング 16 インペラ 19 ハウジング本体 20 皮膜 30 不溶射部分としてのスリット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 豊 静岡県浜松市高塚町300番地 スズキ株 式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−261700(JP,A) 特開 昭54−38450(JP,A) 実開 昭49−20803(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B63B 35/73 B63H 5/15 B63H 11/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インペラの回転に伴う水の吸入,吐出作
    用で推進力を得るジェット推進装置のインペラハウジン
    グ構造において、前記インペラハウジングの吸入側と吐
    出側の各内面一定領域を除くハウジング本体の内面に前
    記インペラとインペラハウジングの材質に対応して所定
    の必要性能を有する皮膜を形成すると共に、前記皮膜が
    形成された領域の一部に不溶射部分を形成し、当該不溶
    射部分により前記皮膜を周方向に沿って並んだ複数の領
    域に分割したことを特徴とするジェット推進装置のイン
    ペラハウジング構造。
  2. 【請求項2】 インペラの回転に伴う水の吸入,吐出作
    用で推進力を得るジェット推進装置のインペラハウジン
    グ構造において、前記インペラハウジングの吸入側と吐
    出側の各内面一定領域を除くハウジング本体の内面に前
    記インペラとインペラハウジングの材質に対応して所定
    の必要性能を有する皮膜を形成すると共に、前記皮膜が
    形成された領域の一部に不溶射部分を形成し、当該不溶
    射部分を前記ハウジング本体の内面周方向に連続的に形
    成したスリットとしたことを特徴とするジェット推進装
    置のインペラハウジング構造。
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