JP3094101B1 - 銀イオン交換樹脂触媒を用いた第三級カルボン酸及びそのエステルの製造法 - Google Patents

銀イオン交換樹脂触媒を用いた第三級カルボン酸及びそのエステルの製造法

Info

Publication number
JP3094101B1
JP3094101B1 JP11147727A JP14772799A JP3094101B1 JP 3094101 B1 JP3094101 B1 JP 3094101B1 JP 11147727 A JP11147727 A JP 11147727A JP 14772799 A JP14772799 A JP 14772799A JP 3094101 B1 JP3094101 B1 JP 3094101B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ion exchange
carboxylic acid
exchange resin
producing
silver ion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP11147727A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000336059A (ja
Inventor
芳枝 相馬
強 徐
正浩 藤原
Original Assignee
工業技術院長
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 工業技術院長 filed Critical 工業技術院長
Priority to JP11147727A priority Critical patent/JP3094101B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3094101B1 publication Critical patent/JP3094101B1/ja
Publication of JP2000336059A publication Critical patent/JP2000336059A/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

【要約】 【課題】強酸溶液を使用しないで、カルボン酸を選択的
に且つ設備の腐食等の問題を伴うことなしに製造する。 【解決手段】炭素数4以上のオレフィン、アルコール又
は炭素数8以上のジエンに一酸化炭素を反応させる第三
級カルボン酸の製造法であって、反応を銀イオン交換樹
脂及び水又はアルコールの存在下、加圧及び加熱下に行
うことを特徴とする第三級カルボン酸又はそのエステル
の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、第三級カルボン酸
及びそのエステルの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】第三級カルボン酸は、一般に強酸中で高
圧の一酸化炭素とオレフィンとの反応により製造され
る。しかしながら、このような製造法においては、反応
が高温高圧条件下で行われるため、原料が重合すること
は避けられず、二量体、三量体のカルボン酸が副生し、
さらに第二級カルボン酸も副生する。従って、このよう
な方法においては、原料よりも炭素数が1個増えた第三
級カルボン酸の選択率は高くない。
【0003】また、穏和な条件で第三級カルボン酸を製
造する方法として、強酸中で銅カルボニル触媒及び銀カ
ルボニル触媒を用いる方法がある(特許第716043
号、特許第739918号、特許第727514号)。
しかし、これらの方法においては、いずれも多量の強酸
を触媒兼溶媒として用いているので、強酸による装置の
腐食、廃酸処理等の問題があり、生成物の分離が煩雑で
あり、触媒のリサイクル使用は、限定された条件でのみ
可能である。そこで、反応プロセスを簡易化するために
強酸を固形化することが要望されている。
【0004】以上のような背景に基づき、銅或いは銀カ
ルボニル触媒を担持した固定化触媒を用いた方法が報告
されているが(特許第1602826号)。この方法で
は、固体表面に強酸が多量に付着しており、強酸及び反
応活性種が固体表面から溶出するため反応施設の腐食、
分離プロセスの煩雑さ等の問題は解決されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、強酸溶液を
使用しないで、固形触媒の存在下で第三級カルボン酸な
いしそのエステルを選択的に且つ設備の腐食等の問題を
伴うことなしに製造する方法を提供することを主な目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記のよう
な従来技術の問題点を解決しうる新たな方法を見出すべ
く鋭意研究を重ねた結果、一酸化炭素とアルコール、オ
レフィン又はジエンとを反応させて第三級カルボン酸を
製造するに際し、銀イオン交換樹脂の存在下において、
加圧、加熱下で原料より1個(アルコール、オレフィ
ン)又は2個(ジエン)増加した第三級カルボン酸(ア
ルコール、オレフィン由来)または第三級ジカルボン酸
(ジエン由来)或いはそれらのエステルを高い選択率で
製造し得ることを見出した。
【0007】すなわち、本発明は、下記の第三級カルボ
ン酸及びそのエステルの製造法を提供するものである。 1. 炭素数4以上のオレフィン、アルコール又は炭素
数8以上のジエンに一酸化炭素を反応させる第三級カル
ボン酸の製造法であって、反応を銀イオン交換樹脂の存
在下、加圧及び加熱下に行うことを特徴とする第三級カ
ルボン酸の製造法。 2. 銀イオン交換樹脂がパーフルオロスルホン酸樹脂
またはスルホン酸基を有するイオン交換樹脂に銀イオン
を交換したものである、請求項1に記載の第三級カルボ
ン酸の製造法。 3. 炭素数4以上のオレフィン、アルコール又は炭素
数8以上のジエンに一酸化炭素を反応させる第三級カル
ボン酸エステルの製造法であって、反応を銀イオン交換
樹脂の存在下、加圧及び加熱下に行い、アルコールと反
応させることを特徴とする第三級カルボン酸エステルの
製造法。 4. 銀イオン交換樹脂がパーフルオロスルホン酸樹脂
またはスルホン酸基を有するイオン交換樹脂に銀イオン
を交換したものである、請求項3に記載の第三級カルボ
ン酸エステルの製造法。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において使用する銀イオン
交換樹脂は、硫酸銀、硝酸銀等の水溶液又はアセトニト
リル溶液にイオン交換樹脂を約20時間浸漬することに
より形成できる。またこの銀イオン交換樹脂は、一酸化
炭素雰囲気下で一酸化炭素と反応して銀カルボニルイオ
ン交換樹脂を形成する。 RSO3H + Ag+ → RSO3Ag + H+ RSO3Ag + CO → RSO3AgCO (式中、RSO3Hはイオン交換樹脂を示し、RSO3
gは銀イオン交換樹脂を示す。) なお、オレフィンやアルコールのカルボニル化反応に際
しては、プロトンが必要であるので、イオン交換の際に
スルホン酸基の全量ではなく一部を銀イオン交換せず、
SO3H型のままとするのが好ましい。この銀イオン交
換樹脂触媒を用いれば、プロトン化剤としての強酸を加
える必要はない。銀イオン交換の割合は、特に限定され
るものではないが、90%以下、好ましくは70%以
下、より好ましくは50%以下であり、下限は10%以
上、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上
である。銀イオンの比率は、イオン交換樹脂を浸漬する
溶液中の銀イオン量、浸漬時間等を調節することにより
増減できる。
【0009】なお、イオン交換樹脂の全部のSO3Hを
SO3Agで置換した場合には、さらに銀イオン交換さ
れていない強酸性のイオン交換樹脂などの強酸を加えれ
ばよい。
【0010】銀イオン交換樹脂は、使用する前に活性を
高めるための前処理を行うことができる。例えば、銀イ
オン交換樹脂触媒を使用する前に真空下で加熱する前処
理を数時間行うことによってさらに高い活性を示す場合
もある。通常、10-3mmHg、180℃で3時間加熱するこ
とにより活性が向上する。前処理を行わなくても一定の
触媒活性を発揮することができる。
【0011】本発明で用いるイオン交換樹脂としては、
パーフルオロスルホン酸樹脂(ナフィオン(登録商
標)、デュポン社製など)または官能基がスルホン酸で
あるイオン交換樹脂、例えばダイヤイオンSK-IB(登録
商標、三菱化成工業社製)、アンバーライトIR-120B、I
R-122、IR-124(登録商標、ローム・アンド・ハース社
製)、ダウエックスHCR-W2, HGR-WM, 50W-X12(登録商
標、ダウケミカル社製)、パームチットH70(登録商
標、パームチット社製)が挙げられる。
【0012】上記のようにして得られた銀イオン交換樹
脂或いはそのカルボニル錯体からなる触媒にオレフィン
またはアルコールを添加すると、オレフィンはプロトン
付加、アルコールはプロトン付加に次いで脱水を経てカ
ルボカチオンを与える。カルボカチオンは、より安定な
第三級カルボカチオンに異性化した後、一酸化炭素と反
応して第三級カルボン酸を与える、反応混合物に対し水
に代えてアルコールを加えれば、第三級カルボン酸エス
テルが得られる。
【0013】
【化1】
【0014】(Rはアルキル基を示す。) 本発明において、第三級カルボン酸及びそのエステル製
造原料として使用するオレフィンとしては、炭素数4以
上の末端オレフィン、内部オレフィン及び環状オレフィ
ンのいずれもが使用可能であり、例えば、1−ブテン、
2−ブテン、1−ヘキセン、2−エチル−1−ヘキセ
ン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、プロピレ
ントリマー、プロピレンテトラマー、ブテンダイマー、
ブテントリマー、シクロヘキセン、シクロオクテンなど
が挙げられる。
【0015】オレフィンを原料とする場合に、等モルの
水を共存させれば第三級カルボン酸が得られ、等モルの
アルコールと共存させると第三級カルボン酸エステルが
得られる。
【0016】本発明において、第三級カルボン酸及びそ
のエステル製造原料として使用するアルコールとして
は、一級アルコール、二級アルコール、三級アルコール
及び環状アルコールのいずれもが使用可能である。合成
原料として炭素数4以上のアルコールを使用すれば、第
三級カルボン酸を製造することができる。
【0017】一級アルコールとしては、1−ブタノー
ル、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、
1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−メチル−3
−ブタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、
3−メチル−3−ペンタノール、1−ヘプタノール、2
−ヘプタノール、3−メチル−3−ヘキサノール、1−
オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘ
キサノール、1−デカノール、2−デカノール、1−ノ
ニルアルコール、1−ドデカノール、シクロヘキサノー
ルなどが挙げられる。
【0018】第三級カルボン酸及びそのエステル製造原
料としては、ジエンも使用でき、これらは一酸化炭素と
反応し、炭素数8以上のジエンは第三級ジカルボン酸又
は第三級ジカルボン酸エステルを与える。ジエンとし
て、分子中に二個の二重結合を有する化合物はいずれも
使用することができる。ジエンとしては、1,7-オクタジ
エン、1,9-デカジエン、1,11-ドデカジエン、1,12-トリ
デカジエン、リモネン等が挙げられる。ジエンを原料と
する場合に、2倍モルの水を共存させると第三級ジカル
ボン酸が得られ、2倍モルのアルコールを共存させると
第三級ジカルボン酸エステルが得られる。
【0019】本発明において、陽イオン交換樹脂への銀
のイオン交換は、例えば次のようにして行うことができ
る。
【0020】脱水アセトニトリル100mlに硝酸銀3.40g(2
0mmol)を溶解させ、ナフィオンNR50(50g, 40ミリ当量)
を一晩浸漬する。銀イオンの交換を高周波誘導結合プラ
ズマ発光分析(IPC)による測定の結果、99.3%の銀イオン
が交換されており、ナフィオンのスルホン酸基のうち4
9.6%が銀イオンに交換されていた。
【0021】このようにして得られる銀イオン交換ナフ
ィオンNR50は脱水アセトニトリルで洗浄し、110℃の
乾燥器で一晩乾燥させた後、更に10-3mmHg、180℃で
3時間乾燥させる。
【0022】本発明における銀イオン交換樹脂触媒の効
果を明らかにするために、t−ブタノールのカルボニル
化反応において、ナフィオンと銀イオン交換ナフィオン
を用いた場合のピバリン酸収率の結果を表1に示す。t
−ブタノールのカルボニル化反応は、次のようにして行
われる。
【0023】ナフィオンNR50(2g)または銀イオン交換
ナフィオンNR50(2g)を120mlのオートクレーブに入れ、
t−ブタノール(20mmol)、クロロベンゼン50mlを加え、
一酸化炭素でパージした。次いで50気圧の一酸化炭素
を導入し、攪拌しながら所定の温度で22時間反応させ
た。反応終了後、固体触媒を濾別し、生成物を分析して
ピバリン酸の存在を確認した。
【0024】
【表1】
【0025】表1の結果から明らかなように、銀をイオ
ン交換することにより触媒活性は大幅に向上した。樹脂
上で銀カルボニルが形成されて、t−ブタノールのカル
ボニル化反応が加速されたためである。尚、この反応に
際して20mmolのメタノールを共存させるとピバリン酸の
代わりにピバリン酸メチルが得られた。
【0026】上記のように本発明においては、プロトン
化剤としての液体酸の添加を必要としないので、装置の
腐食がなく、生成物と触媒との分離も簡単であり、触媒
のリサイクル使用が可能になる。また、本発明で使用す
る銀イオン交換樹脂は、酸化され難いため、酸素共存下
においても充分な触媒能を発揮する。
【0027】本発明によるカルボニル化反応は、通常一
酸化炭素圧10〜100気圧、望ましくは40〜90気
圧、反応温度110〜220℃、望ましくは140〜2
00℃で行われる。
【0028】本発明の反応は、オートクレーブに合成原
料(アルコール、オレフィン又はジエン)及び銀イオン
交換樹脂並びに必要に応じて溶媒および/または水を入
れ、一酸化炭素でパージした後、一定の圧力の一酸化炭
素を導入する。攪拌しながら所定の温度まで昇温し、一
定時間内で反応させる。反応終了後、反応混合物を濾過
して銀イオン交換樹脂を除去することにより、カルボン
酸及び溶媒等を含有する混合液を得る。
【0029】溶媒としては、極性溶媒及び非極性溶媒の
いずれも使用することができる。一定の極性を有する溶
媒を使用することによって、原料の重合が抑制され、よ
り高い収率でカルボン酸を合成することができる。
【0030】非極性溶媒としては、例えばヘキサンなど
の脂肪族炭化水素、メチルシクロヘキサン、シクロヘキ
サンなどの脂環式炭化水素及びベンゼン等の芳香族炭化
水素を使用することができる。極性溶媒としては、クロ
ロベンゼン、フルオロベンゼンなどのハロゲン化芳香族
炭化水素、並びに、クロロホルム及びジクロロメタンな
どのハロゲン化脂肪族炭化水素を使用することができ
る。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、オレフィン、アルコー
ル及びジエンからなる群から選ばれた少なくとも1種に
一酸化炭素を反応させて第三級カルボン酸及びそのエス
テルを製造するに際し、反応系に銀イオン交換樹脂触媒
を存在させることによって原料よりも炭素数が1個又は
2個増加した第三級カルボン酸又は第三級ジカルボン酸
或いはそのエステルを選択的且つ高収率に得ることがで
きる。また、プロトン化剤としての液体酸の添加を必要
としないので、装置の腐食がなく、生成物と触媒の分離
が容易で、触媒のリサイクル使用も容易になる。
【0032】本発明で使用する銀イオン交換樹脂は、空
気の存在下でも触媒機能が低下しないという利点を有す
る。
【0033】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明の特徴とすると
ころをより一層明確にする。 実施例1 脱水アセトニトリル100mlに硝酸銀3.40gを溶解させ、ナ
フィオンNR50(50g)を一晩浸漬して、銀イオンの交換を
行う。
【0034】銀イオン交換ナフィオンを脱水アセトニト
リルにより洗浄、乾燥した後、10-3mmHg、180℃で3
時間乾燥させる。このようにして得られた銀イオン交換
ナフィオンNR50(2g)、t−ブタノール(20mmol)、クロロ
ベンゼン50mlを容量120mlのオートクレーブに入れ、一
酸化炭素でパージする。その後、50気圧の一酸化炭素
を導入し、攪拌しながら190℃に昇温し、22時間反
応させた。反応終了後、触媒を濾別し、クロロベンゼン
中の生成物をガスクロマトグラフィー、1H−NMR、
IRにより分析し0.1N NaOHで滴定した結果、
ピバリン酸が40%の収率で生成していることが確認さ
れた。 実施例2 実施例1と同様に調製された銀イオン交換ナフィオンNR
50(2g)、1−オクテン(20mmol)、水(20mmol)、n−ヘキ
サン50mlを容量120mlのオートクレーブに入れ、一酸化
炭素で置換した。70気圧に一酸化炭素を導入し、攪拌
しながら160℃に昇温し、10時間反応させた。反応
終了後、触媒を濾別し、n−ヘキサン層の生成物をガス
クロマトグラフィー、1H−NMR、IRにより分析し
0.1NNaOHで滴定した結果、第三級C9カルボン
酸(2,2-ジメチルヘプタン酸:2-メチル-2-エチルヘキ
サン酸:2-メチル-2-プロピルペンタン酸の4:2:1
混合物)が50%の収率で生成していることが確認され
た。 実施例3 脱水アセトニトリル100mlに硝酸銀3.40gを溶解させ、ダ
ウエックス(50g)を一晩浸漬して、銀イオンの交換を行
う。
【0035】銀イオン交換ダウエックスを乾燥させた
後、10-3mmHg、160℃で3時間乾燥させる。このよう
にして得られた銀イオン交換ダウエックス(2g)、2−ヘ
キサノール(20mmol)、メチルシクロヘキサン50mlを容量
120mlのオートクレーブに入れ、一酸化炭素でパージす
る。その後、70気圧の一酸化炭素を導入し、攪拌しな
がら160℃に昇温し、5時間加熱した。反応終了後銀
イオン交換ダウエックスを濾別し、溶液中の生成物をガ
スクロマトグラフィー、1H−NMR、IRにより分析
し0.1N NaOHで滴定した結果、第三級C7カル
ボン酸(2,2-ジメチルペンタン酸:2-メチル-2-エチル
ブタン酸の2:1混合物)が45%の収率で生成してい
ることが確認された。 実施例4 実施例1と同様に調製された銀イオン交換ナフィオンNR
50(2g)、1,11−ドデカジエン(10mmol)、水(20mmo
l)、n−ヘキサン50mlを容量120mlのオートクレーブに
入れ、一酸化炭素で置換した。70気圧に一酸化炭素を
導入し、攪拌しながら、160℃に昇温し、10時間反
応させた。反応終了後、触媒を濾別し、n−ヘキサン層
の生成物をガスクロマトグラフィー、1H−NMR、I
Rにより分析し0.1N NaOHで滴定した結果、2,
2,9,9-テトラメチルデカンジカルボン酸を主成分とした
第三級C14ジカルボン酸が15%の収率で生成している
ことが確認された。 実施例5 実施例1と同様に調製された銀イオン交換ナフィオンNR
50(2g)、1−オクテン(20mmol)、メタノール(20mmol)、
n−ヘキサン50mlを容量120mlのオートクレーブに入
れ、一酸化炭素で置換した。70気圧に一酸化炭素を導
入し、攪拌しながら160℃に昇温し、10時間反応さ
せた。反応終了後、触媒を濾別し、n−ヘキサン層の生
成物をガスクロマトグラフィー、1H−NMR、IRに
より分析し0.1N NaOHで滴定した結果、第三級
9カルボン酸(2,2-ジメチルヘプタン酸メチル:2-メ
チル-2-エチルヘキサン酸メチル:2-メチル-2-プロピル
ペンタン酸メチルの4:2:1混合物)が45%の収率
で生成していることが確認された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07C 67/38 C07C 67/38 69/24 69/24 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (56)参考文献 特開 昭61−118343(JP,A) 特開 昭50−123614(JP,A) 特開 昭62−187424(JP,A) 特開 昭51−56409(JP,A) 特開 平11−12220(JP,A) 「化学大辞典 1」(昭和35−3− 30)共立出版 第554頁 「イオン交換樹脂触媒」及び「イオン 交換触媒作用」の項 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 51/12 B01J 31/08 C07C 51/14 C07C 53/126 C07C 53/128 C07C 55/02 C07C 67/36 C07C 67/38 C07C 69/24 C07B 61/00 330 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素数4以上のオレフィン、アルコール又
    は炭素数8以上のジエンに一酸化炭素を反応させる第三
    級カルボン酸の製造法であって、反応を銀イオン交換樹
    脂の存在下、加圧及び加熱下に行うことを特徴とする
    ロトン化剤としての液体酸を用いない第三級カルボン酸
    の製造法。
  2. 【請求項2】銀イオン交換樹脂がパーフルオロスルホン
    酸樹脂またはスルホン酸基を有するイオン交換樹脂に銀
    イオンを交換したものである、請求項1に記載の第三級
    カルボン酸の製造法。
  3. 【請求項3】炭素数4以上のオレフィン、アルコール又
    は炭素数8以上のジエンに一酸化炭素を反応させる第三
    級カルボン酸エステルの製造法であって、反応を銀イオ
    ン交換樹脂の存在下、加圧及び加熱下に行い、アルコー
    ルと反応させることを特徴とするプロトン化剤としての
    液体酸を用いない第三級カルボン酸エステルの製造法。
  4. 【請求項4】銀イオン交換樹脂がパーフルオロスルホン
    酸樹脂またはスルホン酸基を有するイオン交換樹脂に銀
    イオンを交換したものである、請求項3に記載の第三級
    カルボン酸エステルの製造法。
JP11147727A 1999-05-27 1999-05-27 銀イオン交換樹脂触媒を用いた第三級カルボン酸及びそのエステルの製造法 Expired - Lifetime JP3094101B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11147727A JP3094101B1 (ja) 1999-05-27 1999-05-27 銀イオン交換樹脂触媒を用いた第三級カルボン酸及びそのエステルの製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11147727A JP3094101B1 (ja) 1999-05-27 1999-05-27 銀イオン交換樹脂触媒を用いた第三級カルボン酸及びそのエステルの製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP3094101B1 true JP3094101B1 (ja) 2000-10-03
JP2000336059A JP2000336059A (ja) 2000-12-05

Family

ID=15436813

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11147727A Expired - Lifetime JP3094101B1 (ja) 1999-05-27 1999-05-27 銀イオン交換樹脂触媒を用いた第三級カルボン酸及びそのエステルの製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3094101B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111790379A (zh) * 2020-07-17 2020-10-20 安庆师范大学 一种银-碳化树脂复合物及其制备方法

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
「イオン交換樹脂触媒」及び「イオン交換触媒作用」の項
「化学大辞典 1」(昭和35−3−30)共立出版 第554頁

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111790379A (zh) * 2020-07-17 2020-10-20 安庆师范大学 一种银-碳化树脂复合物及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000336059A (ja) 2000-12-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Joó et al. Biphasic reduction of unsaturated aldehydes to unsaturated alcohols by ruthenium complex-catalyzed hydrogen transfer
JPS642575B2 (ja)
JP3094101B1 (ja) 銀イオン交換樹脂触媒を用いた第三級カルボン酸及びそのエステルの製造法
JPH10204002A (ja) 置換芳香族化合物の核水素化方法
KR101323528B1 (ko) α,β-불포화 알데하이드 및/또는 α,β-불포화 카복실산의 제조 방법
JP2588374B2 (ja) ヒドリドカルボニルトリス(トリオガノホスホラス)ロジウム化合物の製造方法
CN110343209B (zh) 一种二齿磷配体聚合物及其制备方法和在烯烃氢甲酰化反应中的应用
Oberhauser et al. Aerobic diol lactonization by Au-nanoparticles supported onto an anion-exchange resin
Giannoccaro et al. Phenylacetylene carbonylation catalysed by Pd (II) and Rh (III) intercalated in zirconium phosphates
JP3987929B2 (ja) 第三級カルボン酸の製造法
JP2915309B2 (ja) イリジウム基材溶液の製造法、得られた溶液及びその触媒としての使用
JP3350707B2 (ja) 金属イオン交換ゼオライトを用いた第三級カルボン酸及びそのエステルの製造方法
JP3062752B1 (ja) ヘテロポリ酸銀触媒による第三級カルボン酸及びそのエステルの製造法
JP3259030B2 (ja) 強酸性固体酸触媒を用いた第三級カルボン酸の製造法
RU2790246C1 (ru) Катализатор и способ получения высших 2-кетонов С5-С10
JPH03391B2 (ja)
US6011171A (en) Process for synthesis of tertiary carboxylic acids and the esters thereof
JPH046692B2 (ja)
JPH11315047A (ja) 固体酸触媒による第三級カルボン酸の合成法
Nakamura et al. Reduction of. ALPHA.,. BETA.-unsaturated carbonyl compounds by a model of NAD (P) H with chlorotris (triphenylphosphine) rhodium.
JP2896507B2 (ja) パラジウムカルボニル触媒による第三級カルボン酸の合成法
WO2024107323A1 (en) Heterogeneous catalysts
US4943644A (en) Olefin and alkane oxidations, ruthenium carboxylate catalyst therefor and method of preparation thereof
US4885377A (en) Olefin and alkane oxidations, ruthenium carboxylate catalyst therefor and method of preparation thereof
JP2001163825A (ja) ビス(パーフルオロアルキルスルホニル)イミド金属塩触媒を用いた第三級カルボン酸及びそのエステルの製造法

Legal Events

Date Code Title Description
S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term