JP3094064B1 - 整流器 - Google Patents

整流器

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JP3094064B1
JP3094064B1 JP11147375A JP14737599A JP3094064B1 JP 3094064 B1 JP3094064 B1 JP 3094064B1 JP 11147375 A JP11147375 A JP 11147375A JP 14737599 A JP14737599 A JP 14737599A JP 3094064 B1 JP3094064 B1 JP 3094064B1
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Abstract

【要約】 【課題】 簡易な構成で、低損失で交流を整流すること
ができる整流器と、そのような整流器の製造を容易にす
るトランジスタとを提供することである。 【解決手段】 p型半導体からなるベースBとサブエミ
ッタSは、互いに接しないようにして、n型半導体から
なるコレクタCに接合されている。n型半導体からなる
エミッタEは、ベースBに接合されている。ベースB−
エミッタE間には抵抗器Rが接続され、サブエミッタS
にはバイアス用電源VBの正極が接続され、エミッタE
には負極が接続される。コレクタCとエミッタEが実質
的に同電位となったとき、ベースB−サブエミッタS間
が導通して抵抗器Rに電圧降下が生じるが、コレクタC
−エミッタE間は導通しない。コレクタCを基準とした
エミッタEの電圧が更に低下すると、コレクタC−エミ
ッタE間が導通する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、整流器に関し、
特に、低損失で交流を整流するための整流器に関する。
【0002】
【従来の技術】交流電圧を直流電圧に変換する整流回路
は、従来より、シリコンダイオード、ショットキーバリ
アダイオード等を用いて構成されている。しかし、これ
らダイオードを用いた整流回路では、ダイオードの順方
向電圧が0.4V〜1.0V程度であり、整流回路を構
成するダイオードでの電圧降下、即ち、損失が大きく、
整流の効率が低いという問題があった。
【0003】この問題を解決する手法として、バイポー
ラトランジスタやFET(Field Effect Transistor)
が備える電流路を流れる電流やそれらの両端間の電圧を
検出して、それらのバイポーラトランジスタやFETを
オン及びオフする同期整流の技術がある。トランジスタ
を用いて同期整流を行う場合は、トランジスタが、整流
する対象の電圧の印加を検知したり、負荷への電流の流
入を検知したりすることにより、トランジスタの電流路
のオン及びオフのタイミングが決定されている。
【0004】整流する対象の電圧が印加されたことを検
知するには、コンパレータや演算増幅器を用いる手法が
ある。また、負荷への電流の流入を検知する手法として
は、電流トランスを用いる手法や、抵抗器を用いる手法
がある。電流トランスを用いる手法では、負荷への電流
供給路に電流トランスの一次巻線を挿入して、該電流ト
ランスの二次巻線から、負荷に流れる電流に比例した大
きさの信号を取り出す。また、抵抗器を用いる手法で
は、負荷への電流供給路に抵抗器を挿入し、該抵抗器の
両端間の電圧を計測することによって負荷に流れる電流
を検出する。
【0005】なお、電流トランスや抵抗器を用いて電流
を検知する手法は、トランジスタの電流路のオン及びオ
フのタイミングを決定する目的に限られず、電流を検出
する手法として広く用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のいずれ
の手法においても、コンパレータ、演算増幅器、電流ト
ランスあるいは抵抗器が付加される結果、回路構成は複
雑となっていた。
【0007】また、上述のいずれの手法においても、コ
ンパレータ、演算増幅器、電流トランスあるいは抵抗器
は、これら自体が電力を消費するため、損失が発生す
る。このため、この損失が無視し得る範囲内に止まるよ
うにするため、電流トランスの消費電力を十分に小さく
したり、抵抗器の抵抗値を十分小さくする必要がある。
【0008】しかし、電流トランスの感度を高めるため
には、電流トランスの二次巻線の巻数を増やす必要があ
り、電流トランスの二次巻線の巻数が増大すると、二次
トランス自体による電力の損失が増加する。また、負荷
への電流供給路に挿入された抵抗器の両端間の電圧は、
この抵抗器の抵抗値の大きさに比例して増大する。しか
し、この抵抗器による損失も、抵抗値が大きくなるほど
増大する。
【0009】また、電流トランスは、電源からみて誘導
性負荷として作用するため、電流トランスの二次巻線に
現れる電圧の位相は、電源から供給される電圧の位相と
異なる値となる。そして、この位相のずれは、負荷のイ
ンピーダンスや電源から供給される電圧の周波数に依存
して変化する。このため、電流トランスの二次巻線に現
れる電圧を用いて、整流を行うトランジスタのオン及び
オフのタイミングを決定することはきわめて困難であ
る。
【0010】また、コンパレータや演算増幅器の入力端
は、トランジスタの制御端(すなわち、バイポーラトラ
ンジスタのベースや、電界効果トランジスタのゲート)
に接続されている。トランジスタの制御端は耐圧が小さ
く、整流する対象の電圧が瞬間的にこのトランジスタの
耐圧の定格を超える等の原因で、容易に破壊に至る。
【0011】また、バイポーラトランジスタを整流に用
いる場合、バイポーラトランジスタの電流路(すなわ
ち、エミッタ−コレクタ間)のオン抵抗の値を十分に低
くするためには、バイポーラトランジスタのベースに十
分なベース電流を流す必要がある。しかし、ベース電流
を増大させるほど、バイポーラトランジスタ自身による
損失もまた増大する。
【0012】この発明は、上述した事情に鑑みてなされ
たもので、簡易な構成で、低損失で交流を整流すること
ができる整流器を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明にかかる整流器は、第1導電型の第1の半
導体層と、前記第1の半導体層に接合された、第2導電
型の第2の半導体層と、前記第2の半導体層に接しない
ようにして前記第1の半導体層に接合された、第2導電
型の第3の半導体層と、前記第2の半導体層に接合され
た第1導電型の第4の半導体層と、を備え、前記第1、
第2及び第4の半導体層が、前記第1、第2及び第4の
半導体層をそれぞれコレクタ、ベース及びエミッタとす
る第1のバイポーラトランジスタとして機能し、前記第
1、第2及び第3の半導体層が、前記第1、第2及び第
3の半導体層をそれぞれベース、コレクタ及びエミッタ
とする第2のバイポーラトランジスタとして機能するト
ランジスタと、前記第2及び第4の半導体層の間に接続
されたインピーダンス源と、前記第1及び第4の半導体
層が実質的に同電位となったとき、前記第2のバイポー
ラトランジスタのコレクタ及びエミッタと前記インピー
ダンス源とを含む電流路に電流が流れるようにし、且
つ、前記第1の半導体層の電位を基準とした前記第4の
半導体層の電圧が所定の条件を満たすようになったと
き、前記第1のバイポーラトランジスタのエミッタ及び
コレクタを含む電流路がオンするような電圧が前記イン
ピーダンス源の両端間に発生するように、前記第1、第
2及び第3の半導体層の電位を決定するバイアス用電圧
源と、を有し、前記第1の半導体層と前記第4の半導体
層との間に流れる電流を整流することを特徴とする。
【0014】このような整流器によれば、第1の半導体
層の電位を基準とした第4の半導体層の電圧が所定の条
件を満たすようになったとき、第1のバイポーラトラン
ジスタがオンする。オン状態にあるバイポーラトランジ
スタのコレクタ−エミッタ間の電圧はほぼ0ボルトであ
るため、このような整流器は、簡単な構成でありなが
ら、低損失で交流を整流する。
【0015】
【0016】
【0017】第1の半導体層から放出される多数キャリ
アは、第1及び第2のバイポーラトランジスタがオン状
態にあるとき、第2及び第3の半導体層に引き寄せられ
る。しかし、前記第2の半導体層は、前記第1及び第4
の半導体層を実質的に最短距離で結ぶ線分上に配置さ
れ、前記第3の半導体層は、前記第1及び第4の半導体
層を実質的に最短距離で結ぶ線分上に位置しないように
配置されているものとすれば、第2の半導体層が、第3
の半導体層より強くこの多数キャリアを引き寄せるの
で、この多数キャリアの流れは、その大部分が第1のバ
イポーラトランジスタのコレクタ電流となる。従ってイ
ンピーダンス源による不要な電力消費が抑制される。
【0018】また、前記第3の半導体層はメッシュ状に
形成されており、前記第3の半導体層が形成するメッシ
ュは、前記第2の半導体層に接しないようにして、且
つ、前記第1及び第2の半導体層を直線的に結ぶ線分上
に位置するようにして、前記第1の半導体層内に埋設さ
れているものとすれば、第3の半導体層が引き寄せた多
数キャリアは、第3の半導体層が形成するメッシュを通
過して第2の半導体層により引き寄せられるので、この
多数キャリアの流れは、その大部分が第1のバイポーラ
トランジスタのコレクタ電流となる。従って、インピー
ダンス源による不要な電力消費も抑制される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施の形態を説明する。図1は、この発明の実施の形
態にかかる整流器の構成を示す回路図である。図示する
ように、この整流器は、トランジスタTRと、抵抗器R
と、バイアス用電源VBとより構成される。
【0020】トランジスタTRは、図1に示すように、
エミッタE、サブエミッタS、ベースB及びコレクタC
を備えており、コレクタC、ベースB及びエミッタEが
第1のバイポーラトランジスタQ1(以下、バイポーラ
トランジスタQ1と呼ぶ)を形成し、ベースB、コレク
タC及びサブエミッタSが第2のバイポーラトランジス
タQ2(以下、バイポーラトランジスタQ2と呼ぶ)を
形成する。
【0021】なお、コレクタC、ベースB及びエミッタ
Eは、それぞれ、バイポーラトランジスタQ1のエミッ
タ、ベース及びコレクタとして機能する。また、ベース
B、コレクタC及びサブエミッタSは、それぞれ、バイ
ポーラトランジスタQ2のコレクタ、ベース及びエミッ
タとして機能する。
【0022】コレクタCはn型半導体領域(以下、n型
領域と呼ぶ)からなり、ベースB及びサブエミッタSに
接合されていて、外部接続用のコレクタ端子tCが接続
されている。
【0023】ベースB及びサブエミッタSは、いずれも
p型半導体領域(以下、p型領域と呼ぶ)からなり、互
いが直接に接することなく、各々コレクタCに接合され
ている。ベースBには、外部接続用のベース端子tBが
接続されており、サブエミッタSには、外部接続用のサ
ブエミッタ端子tSが接続されている。
【0024】エミッタEは、n型領域からなり、コレク
タCにもサブエミッタSにも接することなく、ベースB
に接合されている。ベースBには、外部接続用のベース
端子tBが接続されている。
【0025】トランジスタTRのエミッタ端子tEは、
この整流器のアノードをなし、トランジスタTRのコレ
クタ端子tCは、この整流器のカソードをなす。
【0026】抵抗器Rは、トランジスタTRのベース端
子tBとエミッタ端子tEとの間に接続されている。バ
イアス用電源VBの正極はサブエミッタ端子tSに接続
されており、バイアス用電源VBの負極は、エミッタ端
子tEに接続されている。
【0027】バイアス用電源VBの電圧及び抵抗器Rの
抵抗値は、バイポーラトランジスタQ2がオン状態にな
ったとき、抵抗器Rの両端間に発生する電位差が、バイ
ポーラトランジスタQ1をオンさせるための実質的に最
小の電位差となるように選ばれている。
【0028】また、バイアス用電源VBの電圧は、バイ
アス用電源VBの両端から直流電圧が供給された状態
で、この整流器のアノードの電位が、カソードの電位と
実質的に同電位のときバイポーラトランジスタQ2がオ
フし、この整流器のアノードの電位が、カソードの電位
よりわずかに高くなったとき、バイポーラトランジスタ
Q2がオンするように選ばれている。
【0029】図1の整流器において、バイアス用電源V
Bの両端から直流電圧が供給された状態で、この整流器
のアノード及びカソードがいずれも開放されていたとす
る。この場合、バイポーラトランジスタQ2のベースで
あるコレクタCには、実質的に電流が流れない。従っ
て、バイポーラトランジスタQ2はオフする。
【0030】従って、バイポーラトランジスタQ2のコ
レクタであるベースBと、バイポーラトランジスタQ2
のエミッタであるサブエミッタSとの間には、実質的に
電流が流れない。このため、抵抗器Rにも実質的に電流
が流れず、従って抵抗器Rの両端間には実質的に電圧降
下が発生しない。
【0031】このため、バイポーラトランジスタQ1の
ベースであるベースBとバイポーラトランジスタQ1の
エミッタであるエミッタEとの間の電圧はほぼ0とな
り、従ってバイポーラトランジスタQ1はオフする。す
なわち、この整流器のアノード及びカソードの間は、実
質的に遮断される。
【0032】次に、バイアス用電源VBの両端から直流
電圧が供給された状態で、この整流器のアノードの電位
が、カソードの電位よりわずかに高くなったとする。こ
の場合、サブエミッタS(バイポーラトランジスタQ2
のエミッタ)の電位を基準としたコレクタC(バイポー
ラトランジスタQ2のベース)の電圧は、バイアス用電
源VBの負極を基準とした正極の電圧よりわずかに高く
なる。この結果、サブエミッタS(バイポーラトランジ
スタQ2のエミッタ)からコレクタC(バイポーラトラ
ンジスタQ2のベース)へとベース電流が流れ、バイポ
ーラトランジスタQ2はオンする。
【0033】従って、バイポーラトランジスタQ2のコ
レクタであるベースBと、バイポーラトランジスタQ2
のエミッタであるサブエミッタSとの間、及び抵抗器R
にはコレクタ電流が流れる。このため、抵抗器Rの両端
間には、バイポーラトランジスタQ1がオンするのにや
や足らない程度の電圧降下が発生する。従って、バイポ
ーラトランジスタQ1は引き続きオフし続け、この整流
器のアノード及びカソードの間は、引き続き実質的に遮
断される。
【0034】そして、この整流器のカソードの電位を基
準としたアノードの電圧を更に高くしたとする。この場
合も、飽和しているトランジスタQ2のコレクタ電流を
流している抵抗器Rの両端間の電圧はほぼ一定に保たれ
るため、バイポーラトランジスタのコレクタ(トランジ
スタTRのコレクタC)の電位を基準としたベース(ト
ランジスタTRのベースB)の電圧は相対的に上昇し、
バイポーラトランジスタQ1がオンするのに足る程度の
値となる。
【0035】従って、バイポーラトランジスタQ1は、
そのコレクタ(コレクタC)がエミッタとして機能し、
エミッタ(エミッタE)がコレクタとして機能した状態
でオンし、この整流器のアノード及びカソードの間は実
質的に導通する。
【0036】なお、この電流検出器の構成は上述のもの
に限られない。例えば、トランジスタTRの構成は上述
のものに限られない。具体的には、コレクタC、ベース
B、サブエミッタS及びエミッタEの導電型(不純物
型)は、それぞれn型、p型、p型及びn型である必要
はなく、それぞれ、p型、n型、n型及びp型としても
よい。この場合におけるトランジスタTRの動作は、第
1及び第2のバイポーラトランジスタをオン状態とする
ためにベースBやコレクタCに流すべき電流の向きが逆
になる点を除き、コレクタC、ベースB、サブエミッタ
S及びエミッタEの導電型がそれぞれn型、p型、p型
及びn型である上述の構成のトランジスタTRの動作と
実質的に同一である。
【0037】また、ベースBとサブエミッタSの不純物
濃度をほぼ同程度とすれば、バイポーラトランジスタQ
2のコレクタ−エミッタ間の耐圧が高くなる。
【0038】また、トランジスタTRのベースB−エミ
ッタE間の接合面の面積は、図2に示すように、ベース
B−コレクタC間の接合面の面積より小さくなっていて
もよい。図2の構成においては、エミッタEからベース
Bを介してコレクタCに注入するキャリアの量は、わず
かなベース電流により制御することができる。すなわ
ち、トランジスタTRのベースBの入力インピーダンス
は大きくなり、また電流増幅率が大きくなる。なお、エ
ミッタEからベースBに流れ込んだ少数キャリアはベー
スBに幅広く拡散し、コレクタCに流れるコレクタ電流
として吸収される。
【0039】また、ベースB−エミッタE間の接合面の
面積を小さくすることにより、これらの部分が形成する
コンデンサが有する接合容量も小さくなる。このため、
図1のトランジスタTRでは、良好な周波数特性を得る
こと(すなわち、高いトランジション周波数を得るこ
と)もできる。従来の大電力用トランジスタは、電流増
幅率が小さく周波数特性も悪いという欠点があった。こ
れに対し、図2に示すトランジスタTRは、大電力用で
あっても小電力用並に制御が容易であるので、電力制御
用として幅広く使用できる。
【0040】また、トランジスタTRは、図3に示すよ
うに、基板上にプレーナ型に集積されていてもよい。
【0041】図3の構成において、トランジスタTRの
コレクタCは、n型半導体からなる基板より構成されて
いる。
【0042】また、トランジスタTRのベースB及びサ
ブエミッタSは、基板にリンなどからなるp型不純物を
拡散して生成されるp型半導体層より構成される。ただ
し、ベースBは、コレクタCとエミッタEとを実質的に
最短距離で結ぶ線分上に位置するように集積され、サブ
エミッタSは、コレクタCとエミッタEとを実質的に最
短距離で結ぶ線分上に位置しないように集積されてい
る。
【0043】また、トランジスタTRのエミッタEは、
トランジスタTRのベースBの表面に砒素などからなる
n型不純物を拡散して生成されるn型半導体層より構成
される。
【0044】トランジスタTRのコレクタC、ベース
B、サブエミッタS及びエミッタEの表面には、例えば
金属等の導体から構成されるコンタクトが各々接続され
ている。そのうち、コレクタCに接続されているものが
コレクタ端子tCを構成し、ベースBに接続されている
ものがベース端子tBを構成し、サブエミッタSに接続
されているものがサブエミッタ端子tSを構成し、エミ
ッタEに接続されているものがエミッタ端子tEを構成
する。
【0045】図3の構成においては、コレクタCから放
出される多数キャリアである電子は、バイポーラトラン
ジスタQ1及びQ2がオン状態にあるとき、サブエミッ
タS及びベースBに引き寄せられる。しかし、ベースB
は、サブエミッタSより強くこの電子を引き寄せるの
で、この電子の流れは、その大部分がトランジスタQ1
のコレクタ電流となる。従って、トランジスタQ2のコ
レクタ電流の増加が抑制され、抵抗器Rによる不要な電
力消費も抑制される。
【0046】また、トランジスタTRは、図4に示す構
成を有していてもよい。図4の構成において、トランジ
スタTRのコレクタCは、図3の構成と同様、n型半導
体からなる基板より構成されている。
【0047】また、トランジスタTRのサブエミッタS
は、図示するようにp型半導体からなるメッシュを形成
している。このメッシュは、ベースB及びコレクタCを
直線的に結ぶ線分上に位置するようにして、且つ、ベー
スBと接しないようにして、且つ、一部がコレクタCか
ら露出するようにして、コレクタC内に埋設されてい
る。サブエミッタSは、たとえば、コレクタCにp型不
純物をイオン注入することにより形成される。
【0048】また、トランジスタTRのベースBは、基
板にp型不純物を拡散して生成されるp型半導体層より
構成される。ベースBは、コレクタCとエミッタEとを
実質的に最短距離で結ぶ線分上に位置するように集積さ
れている。
【0049】また、トランジスタTRのエミッタEは、
図3の構成と同様、トランジスタTRのベースBの表面
にn型不純物を拡散して生成されるn型半導体層より構
成される。
【0050】図4の構成においても、図示するように、
トランジスタTRのコレクタC、ベースB、サブエミッ
タS及びエミッタEの表面には、導体から構成されるコ
ンタクトが各々接続されている。そのうち、コレクタC
に接続されているものがコレクタ端子tCを構成し、ベ
ースBに接続されているものがベース端子tBを構成
し、サブエミッタSに接続されているものがサブエミッ
タ端子tSを構成し、エミッタEに接続されているもの
がエミッタ端子tEを構成する。
【0051】図4の構成においても、コレクタCから放
出される多数キャリアである電子は、バイポーラトラン
ジスタQ1及びQ2がオン状態にあるとき、サブエミッ
タS及びベースBに引き寄せられる。しかし、図4の構
成において、サブエミッタSが引き寄せた電子は、サブ
エミッタSが形成するメッシュを通過してベースBによ
り引き寄せられるので、この電子の流れは、その大部分
がトランジスタQ1のコレクタ電流となる。従って、ト
ランジスタQ2のコレクタ電流の増加が抑制され、従っ
て抵抗器Rによる不要な電力消費も抑制される。
【0052】図3や図4に示すように、トランジスタT
Rが、単一の基板上に集積されることにより、この整流
器はモノリシック半導体集積回路より構成されることと
なるので、この整流器を含んだ装置の構成が物理的に簡
略化され、装置のサイズも小さくなる。なお、更に、抵
抗器Rが、薄膜抵抗器や拡散抵抗器から構成されていて
もよい。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、簡易な構成で、低損失で交流を整流することができ
る整流器が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態にかかる整流器の構成を
示す回路図である。
【図2】図1の整流器のトランジスタの変形例の構成を
示す模式的断面図である。
【図3】図1の整流器のトランジスタの変形例の構成を
示す模式的断面図である。
【図4】図1の整流器のトランジスタの変形例の構成を
示す模式的断面図である。
【符号の説明】
TR トランジスタ B ベース E エミッタ C コレクタ S サブエミッタ tB ベース端子 tC コレクタ端子 tE エミッタ端子 tS サブエミッタ端子 R 抵抗器 VB バイアス用電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 27/082 29/73 H03K 17/56 (56)参考文献 特開 平7−321301(JP,A) 特開 平6−69495(JP,A) 特開 昭64−69118(JP,A) 特開 昭55−65461(JP,A) 特開 昭53−114363(JP,A) 特開 昭61−208260(JP,A) 特開 昭52−128046(JP,A) 特開 平3−62612(JP,A) 特開 昭57−194564(JP,A) 特開 昭59−218768(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/33 - 21/331 H01L 29/68 - 29/737 H01L 21/8222 - 21/8228 H01L 21/8232 H01L 27/06 - 27/06 101 H01L 27/08 - 27/08 101 H01L 27/082 H01L 21/332 H01L 29/74 - 29/749 H03K 17/00 - 17/70

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1導電型の第1の半導体層と、前記第1
    の半導体層に接合された、第2導電型の第2の半導体層
    と、前記第2の半導体層に接しないようにして前記第1
    の半導体層に接合された、第2導電型の第3の半導体層
    と、前記第2の半導体層に接合された第1導電型の第4
    の半導体層と、を備え、前記第1、第2及び第4の半導
    体層が、前記第1、第2及び第4の半導体層をそれぞれ
    コレクタ、ベース及びエミッタとする第1のバイポーラ
    トランジスタとして機能し、前記第1、第2及び第3の
    半導体層が、前記第1、第2及び第3の半導体層をそれ
    ぞれベース、コレクタ及びエミッタとする第2のバイポ
    ーラトランジスタとして機能するトランジスタと、 前記第2及び第4の半導体層の間に接続されたインピー
    ダンス源と、 前記第1及び第4の半導体層が実質的に同電位となった
    とき、前記第2のバイポーラトランジスタのコレクタ及
    びエミッタと前記インピーダンス源とを含む電流路に電
    流が流れるようにし、且つ、前記第1の半導体層の電位
    を基準とした前記第4の半導体層の電圧が所定の条件を
    満たすようになったとき、前記第1のバイポーラトラン
    ジスタのエミッタ及びコレクタを含む電流路がオンする
    ような電圧が前記インピーダンス源の両端間に発生する
    ように、前記第1、第2及び第3の半導体層の電位を決
    定するバイアス用電圧源と、 を有し、前記第1の半導体層と前記第4の半導体層との
    間に流れる電流を整流することを特徴とする整流器。
  2. 【請求項2】前記第2の半導体層は、前記第1及び第4
    の半導体層を実質的に最短距離で結ぶ線分上に配置さ
    れ、 前記第3の半導体層は、前記第1及び第4の半導体層を
    実質的に最短距離で結ぶ線分上に位置しないように配置
    されている、 ことを特徴とする請求項1に記載の整流器。
  3. 【請求項3】前記第3の半導体層はメッシュ状に形成さ
    れており、前記第3の半導体層が形成するメッシュは、
    前記第2の半導体層に接しないようにして、且つ、前記
    第1及び第2の半導体層を直線的に結ぶ線分上に位置す
    るようにして、前記第1の半導体層内に埋設されてい
    る、 ことを特徴とする請求項1に記載の整流器。
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