JP2002345242A - ワールドワイド電源 - Google Patents

ワールドワイド電源

Info

Publication number
JP2002345242A
JP2002345242A JP2001143158A JP2001143158A JP2002345242A JP 2002345242 A JP2002345242 A JP 2002345242A JP 2001143158 A JP2001143158 A JP 2001143158A JP 2001143158 A JP2001143158 A JP 2001143158A JP 2002345242 A JP2002345242 A JP 2002345242A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
power supply
switching
switching power
switching element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001143158A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeru Hisada
茂 久田
Hisaki Matsubara
寿樹 松原
Masahiro Kuriyama
昌弘 栗山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shindengen Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Shindengen Electric Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shindengen Electric Manufacturing Co Ltd filed Critical Shindengen Electric Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2001143158A priority Critical patent/JP2002345242A/ja
Publication of JP2002345242A publication Critical patent/JP2002345242A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Dc-Dc Converters (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】広い入力電圧に対し、損失の小さいスイッチン
グ電源を提供する。 【解決手段】入力電圧が高くなるとスイッチング周波数
が高くなるRCC型スイッチング電源2において、出力
トランジスタ13に、ショットキー接合型のIGBTを
用いる。ショットキー接合型のIGBTは、低濃度層内
への少数キャリアの注入があり、伝導度変調が起こるか
ら、導通抵抗はMOSFETよりも小さい。他方、少数
キャリアの注入量は少ないため、PN接合型のIGBT
よりもスイッチング速度が早く、スイッチング損失はP
N接合型のIGBTよりも小さい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スイッチング電源
の技術分野に係り、特に、入力電圧範囲が広いワールド
ワイド電源の技術分野に関する。
【0002】
【従来の技術】スイッチング電源の構成を図8に示す。
一般的に、スイッチング電源102は、一次側整流平滑
回路111と、本体回路112と、トランス104と、
二次側整流平滑回路121とを有している。
【0003】一次側整流平滑回路111の入力端子11
6、117間に入力された交流電圧は、一次側整流平滑
回路111によって整流平滑され、略直流の入力直流電
圧が本体回路112に供給される。ここでは、一次側整
流平滑回路111は、ダイオードブリッジ131と入力
コンデンサ132とを有しており、ダイオードブリッジ
131によって全波整流された電圧が、入力コンデンサ
132で平滑されて本体回路112に供給されている。
【0004】本体回路112内には、スイッチング素子
113と制御回路114とが設けられている。トランス
104内には一次巻線141が設けられており、該一次
巻線141とスイッチング素子113とは直列接続さ
れ、その直列接続回路に入力直流電圧が供給されてい
る。
【0005】スイッチング素子113の制御端子は、制
御回路114に接続され、制御回路114が出力するゲ
ート信号によって導通と遮断が制御されるように構成さ
れている。
【0006】また、トランス104内には、一次巻線1
41と磁気結合した二次巻線142と、一次巻線141
及び二次巻線142と磁気結合した補助巻線143が設
けられている。
【0007】スイッチング素子113がスイッチング動
作し、一次巻線141に断続的に電流が流れると、二次
巻線142と補助巻線143に電圧が誘起される。
【0008】二次側整流平滑回路121は、二次巻線1
42に誘起された電圧を整流平滑して直流出力電圧を生
成し、出力端子126、127から出力する。ここで
は、二次側整流平滑回路121は、ダイオード122
と、チョークコイル123と、第1、第2の出力コンデ
ンサ124、125を有している。チョークコイル12
3と第1、第2の出力コンデンサ124はπ型接続され
ており、二次巻線142に誘起された電圧は、ダイオー
ド122によって半波整流され、チョークコイル123
と第1、第2の出力コンデンサ124、125によって
平滑されるようになっている。
【0009】補助巻線143の両端に生じる電圧は、制
御回路143を介して、スイッチング素子113の制御
端子に入力されている。この電源回路102は、リンギ
ングチョークコンバータ方式のスイッチング電源であ
り、スイッチング素子113は補助巻線143に生じた
電圧によって、自励でスイッチング動作するようになっ
ている。
【0010】また、出力端子126、127間の電圧
は、フォトカプラ129を介して制御回路114にフィ
ードバックされている。
【0011】出力端子126、127間の電圧が低下し
た場合には、制御回路114は、スイッチング素子11
3の導通期間を強制的に長くし、逆に、出力端子12
6、127間の電圧が上昇した場合には、スイッチング
素子113の導通期間を強制的に短くし、出力端子12
6、127に現れる電圧が一定値に維持されるようにな
っている。
【0012】なお、制御回路114内部では、補助巻線
143に誘起された電圧を利用し、補助的な直流電圧を
生成しており、制御回路114は、始動時を除き、その
補助的な直流電圧で動作するようになっている。
【0013】上記のようなスイッチング電源102で
は、損失は主としてスイッチング素子113で生じる。
【0014】スイッチング素子113は、通常、MOS
FETが用いられている。一般に、バイポーラトランジ
スタでは、導通状態から遮断状態に切り替わるときのス
イッチング損失は大きいが、MOSFETはスイッチン
グ速度が早いため、スイッチング損失は小さい。その反
面、MOSFETは、バイポーラトランジスタとは異な
り、導通抵抗が大きいため導通損失が無視できない。従
って、大電流が流れると損失が大きくなってしまう。
【0015】近年では、スイッチング電源の技術分野に
おいても、MOSFETの基板の裏面側に、ドレイン層
とは逆極性の不純物層を形成し、基板のドレイン層内に
少数キャリアを注入するPN接合型のIGBTが注目さ
れている。
【0016】このようなIGBTをスイッチング素子1
13に用いた場合、バイポーラトランジスタと同様に伝
導度変調が生じるため、導通抵抗は小さくなるものの、
少数キャリアを利用するため、スイッチング速度が遅
く、スイッチング損失が大きくなる。
【0017】商用交流電圧の大きさは、国毎に異なり、
例えば日本国内ではAC100Vであり、ヨーロッパで
はAC220V〜240Vである。同じスイッチング電
源を各国で使用しようとした場合、交流電圧が大きな商
用電源に接続すると、入力直流電圧は大きくなり、逆
に、交流電圧が小さな商用電源に接続すると、入力直流
電圧は小さくなる。
【0018】上記のようなRCC方式のスイッチング電
源102では、入力直流電圧が低い場合には、スイッチ
ング素子113のスイッチング周波数が低下すると共に
スイッチング素子113の導通期間が長くなり、一次巻
線141に大電流が流れることで出力端子126、12
7間の電圧が一定値に維持される。
【0019】逆に入力直流電圧が高い場合には、スイッ
チング素子113のスイッチング周波数が高くなると共
に導通期間が短くなり、一次巻線141に流れる電流が
減少することで出力端子126、127間の電圧が一定
値に維持される。
【0020】従って、スイッチング損失と導通損失の両
方を総合的に見た場合、直流入力電圧が低い場合には、
低周波・大電流になるため、MOSFETが不利であ
り、IGBTが有利になる。逆に入力直流電圧が高い場
合には、高周波・低電流になるため、MOSFETが有
利であり、IGBTが不利になる。
【0021】図9は、MOSFETの損失とIGBTの
損失を比較したグラフである。最大損失PMAXが規格に
設定されている場合、低周波側ではMOSFETが規格
を満たさず、高周波側ではIGBTが規格を満たしてい
ない。
【0022】このように入力直流電圧の幅が広い場合、
従来技術では、MOSFETを用いたスイッチング電源
と、IGBTを用いたスイッチング電源の二種類を用意
し、使い分ける必要がある。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の不都合を解決するために創作されたものであり、その
目的は、1台のスイッチング電源で幅の広い入力直流電
圧に対応できる技術を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、入力直流電圧が印加される
スイッチング素子と、前記スイッチング素子の出力端子
に接続された一次巻線と、前記一次巻線に磁気結合され
た二次巻線と、前記二次巻線に誘起された電圧を整流平
滑し、負荷に出力直流電圧を供給する整流平滑回路とを
有し、前記スイッチング素子のスイッチング周波数は、
前記入力直流電圧が高いときの方が、前記入力直流電圧
が低いときに比べて高くなるように構成されたスイッチ
ング電源であって、前記スイッチング素子は、第1導電
型の低濃度層と、前記第1導電型の表面側に配置された
第2導電型のベース領域と、前記ベース領域内に配置さ
れた前記第1導電型のソース領域と、前記ソース領域縁
と前記ベース領域の縁との間の前記ベース領域の部分で
構成されたチャネル領域と、前記チャネル領域上に配置
されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に配置され
たゲート電極膜と、前記低濃度層の裏面に配置されたシ
ョットキー電極とを有し、前記ショットキー電極と前記
低濃度層との間には、ショットキー接合が形成され、前
記ショットキー接合は、前記低濃度層と前記ベース領域
との間のPN接合が逆バイアスされた状態で、前記チャ
ネル領域に形成された反転層内に電流が流れる場合に、
順バイアスされる極性のスイッチング電源である。請求
項2記載の発明は、前記第1導電型はN型であり、前記
ショットキー接合の極性は、前記低濃度層側をカソード
とし、前記ショットキー電極側をアノードとする向きで
ある請求項1記載のスイッチング電源である。請求項3
記載の発明は、前記ショットキー接合のショットキー障
壁の高さは、0.74eV以上0.88eV以下の範囲
である請求項1又は請求項2のいずれか1項記載のスイ
ッチング電源である。請求項4記載の発明は、前記入力
直流電圧が、100V以上400V以下の範囲に設定さ
れた請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載のスイッ
チング電源である。請求項5記載の発明は、請求項1乃
至請求項4のいずれか1項記載のスイッチング電源であ
って、前記一次巻線と前記二次巻線の両方に磁気結合さ
れた補助巻線を有し、前記補助巻線に誘起された電圧
が、制御回路を介して前記スイッチング素子のゲート端
子に印加されるように構成されたリンギングチョークコ
ンバータ方式のスイッチング電源である。
【0025】本発明は上記のように構成されており、シ
ョットキー接合型のIGBTをスイッチング素子に有す
るスイッチング電源である。
【0026】ショットキー電極と低濃度層との間にはシ
ョットキー接合が形成されており、ショットキー電極が
MOSFETの場合のドレイン電極膜となっている。
【0027】nチャネル型のデバイスである場合、導通
状態では、ベース領域と低濃度層とは逆バイアスされ、
チャネル層内に形成される反転層を通ってショットキー
電極からソース電極に向かって電流が流れる。このと
き、ショットキー接合は順バイアスされるので、低濃度
層内に少数キャリアが注入され、低濃度層の伝導度が変
調し、抵抗値が低くなる。
【0028】少数キャリアの注入量は、PN接合型のI
GBTに比べて少ないので、ショットキー接合型のIG
BTでは、PN接合型のIGBTに比べ、導通状態から
遮断状態に転じるときに、ソース電極膜とショットキー
電極膜の間の電圧が大きい状態で、大きな電流が流れる
期間は短くて済む。
【0029】従って、導通損失とスイッチング損失の両
方が小さいスイッチング電源を得ることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明のスイッチング電源2の一
例を図1に示す。本スイッチング電源2は、リンギング
チョークコンバータ(RCC)方式のスイッチング電源で
あり、一次側整流平滑回路11と、本体回路12と、ト
ランス4と、二次側整流平滑回路21を有している。
【0031】一次側整流平滑回路11は、ダイオードブ
リッジ31と入力コンデンサ32とを有している。符号
16、17は、商用電源に接続される入力端子を示して
おり、入力端子16、17間に印加された交流電圧は、
ダイオードブリッジ31によって全波整流され、入力コ
ンデンサ32に入力され、平滑され、入力直流電圧が生
成される。
【0032】本体回路12内には、スイッチング素子1
3と制御回路14とが設けられている。
【0033】本発明のスイッチング素子13は、トラン
ジスタであり、より詳しくは、ショットキー接合型IG
BTである。ショットキー接合型のIGBTとは、後述
するように、MOSFETとショットキーダイオードが
結合した構造を有している。本発明のスイッチング素子
13は、Nチャネル型である。
【0034】トランス4内には一次巻線41が設けられ
ており、該一次巻線41の一端とスイッチング素子13
のドレイン端子が接続されており、一次巻線41の他端
は、入力コンデンサ32の高電位側の端子に接続されて
いる。
【0035】スイッチング素子13のソース端子は、入
力コンデンサ32の接地電位側の端子に接続されてお
り、従って、一次側整流平滑回路11から出力される入
力直流電圧は、一次巻線41とスイッチング素子13の
直列接続回路に印加される。
【0036】トランス4内には、一次巻線41と磁気結
合した二次巻線42と、一次巻線41及び二次巻線42
と磁気結合した補助巻線43が設けられており、一次巻
線41に断続的に電流が流れた場合、二次巻線42と補
助巻線43とに電圧が誘起されるように構成されてい
る。
【0037】補助巻線43に誘起された電圧は、制御回
路14を介してスイッチング素子13のゲート端子に入
力されており、補助巻線43に誘起される電圧によっ
て、スイッチング素子13は自励発振するように構成さ
れている。スイッチング素子13が自励発振によってス
イッチング動作すると一次巻線41に断続的に電流が流
れ、二次巻線42と補助巻線43とに電圧が誘起され
る。
【0038】二次側整流平滑回路21内には、整流ダイ
オード22と、チョークコイル23と、第1、第2の出
力コンデンサ24、25とが設けられている。
【0039】二次巻線42の一端は、整流ダイオード2
2のアノード端子に接続されており、該整流ダイオード
22のカソード端子は、第1の出力コンデンサ24の高
電位側の端子に接続されている。
【0040】また、整流ダイオード22のカソード端子
は、チョークコイル23の一端に接続されており、該チ
ョークコイル23の他端は、高電位側の出力端子26に
接続されている。
【0041】二次巻線42の他端は、低電位側の出力端
子27に接続されており、その低電位側の出力端子27
には、第1の出力コンデンサ24の低電圧側の端子と、
第2の出力コンデンサ25の低電圧側の端子も接続され
ている。
【0042】二次巻線42に誘起される電圧の極性は、
スイッチング素子13が導通状態から遮断状態に転じた
ときに、整流ダイオード22のアノード端子に正電圧が
印加される極性になっており、このとき、整流ダイオー
ド22が順バイアスされ、電流が流れる。
【0043】整流ダイオード22に流れた電流は、第1
の出力コンデンサ24を充電すると共に、チョークコイ
ル23を流れ、第2の出力コンデンサ25を充電する。
出力端子26、27間に負荷が接続されていた場合、チ
ョークコイル23を流れた電流は、負荷にも供給され
る。
【0044】この状態では、第1、第2の出力コンデン
サ24、25と、チョークコイル23によって、二次巻
線42に誘起された電圧が平滑化されている。
【0045】スイッチング素子13が遮断状態から導通
状態に転じたときには、二次巻線42には、整流ダイオ
ード22を逆バイアスする電圧が誘起されるため、整流
ダイオード22には電流は流れない。
【0046】この状態では、第1、第2のコンデンサに
蓄積された静電エネルギーと、チョークコイル23に蓄
積された磁気エネルギーによって、負荷に電流が供給さ
れる。
【0047】出力端子26、27間の電圧は、フォトカ
プラ29を介して制御回路14にフィードバックされて
いる。制御回路14内は、フォトカプラ29から入力さ
れる電圧の大きさによって、スイッチング素子13の導
通期間を制御しており、制御回路14は、出力端子2
6、27間の電圧が低下した場合には、スイッチング素
子13の導通期間を長くし、逆に、出力端子26、27
間の電圧が上昇した場合には、スイッチング素子13の
導通期間を強制的に短くすることで、出力端子26、2
7に現れる電圧が一定値に維持されるようになってい
る。
【0048】二次巻線42に電圧が誘起される状態で
は、補助巻線43にも電圧が誘起されている。制御回路
14内部では、補助巻線43に誘起された電圧を利用
し、補助的な直流電圧を生成しており、制御回路14
は、始動時を除き、その補助的な直流電圧で動作するよ
うになっている。
【0049】上記のスイッチング電源2では、入力電圧
が高くなると、スイッチング素子13のドレイン端子と
ソース端子間に印加される電圧が高くなるため、導通期
間が一定に維持されていても、スイッチング素子13に
流れる最大電流が大きくなってしまう。
【0050】従って、出力端子26、27間の電圧が一
定に維持されている場合に、入力直流電圧が高くなる
と、スイッチング素子13のスイッチング周波数が上昇
し、1回の導通期間が短くなることでスイッチング素子
13に流れる最大電流が減少し、二次側に過剰なエネル
ギーが伝達されないようになる。
【0051】逆に、入力直流電圧が低くなると、スイッ
チング素子13のスイッチング周波数が低くなり、1回
の導通期間が長くなることで、スイッチング素子13に
流れる最大電流が増大し、二次側に伝達されるエネルギ
ーが確保される。
【0052】本発明のスイッチング電源2に用いられる
スイッチング素子13は、このような動作に適したショ
ットキー接合型IGBT素子であり、図2に、スイッチ
ング素子13内に設けられた半導体チップ205の構造
を示す。
【0053】この半導体チップ205は、シリコンから
成るチップ本体201を有しており、該チップ本体20
1内には、N型不純物が低濃度に含有された低濃度層2
12が設けられている。この低濃度層212は、MOS
FETではドレイン層に対応する半導体層である。
【0054】低濃度層212の一面側には、P型不純物
の拡散層から成るベース領域254が形成されている。
ベース領域254内部の表面側には、N型不純物の拡散
層から成るソース領域261が配置されている。ソース
領域261の拡散深さはベース領域254よりも浅くな
っており、ソース領域261は低濃度層212には接触
していない。ソース領域261の表面不純物濃度はベー
ス領域254の表面不純物濃度よりも高く、また、ベー
ス領域254の表面不純物濃度は、低濃度層212の不
純物濃度よりも高くなっている。
【0055】ベース領域254の縁の近傍部分であっ
て、ソース領域261の縁とベース領域254の縁との
間の部分はチャネル領域210となっており、少なくと
も、そのチャネル領域210の表面には、ゲート絶縁膜
226とゲート電極膜227が下層からこの順序で配置
されている。
【0056】ソース領域261とベース領域254の表
面には、ソース電極膜244が配置されており、このソ
ース電極膜244によって、ベース領域254とソース
領域261とは短絡されている。
【0057】ゲート電極膜227の表面と側面には層間
絶縁膜241が配置されており、この層間絶縁膜241
によって、ゲート電極膜227とソース電極膜244は
絶縁されている。符号250は保護膜である。
【0058】低濃度層212の、ベース領域254が配
置された面とは反対側の面の表面には、ショットキー電
極228が形成されている。
【0059】このショットキー電極228は、低濃度層
212との間、即ち、チップ本体201との間でショッ
トキー接合を形成しており、ショットキー電極228が
アノードとなり、チップ本体201側がカソードとなる
ショットキーダイオードが形成されている。
【0060】この半導体チップ205は、プラスチック
パッケージ内に納められている。ディスクリートデバイ
スの場合、プラスチックパッケージからは、少なくとも
3本の端子が導出されており、ソース電極膜244と、
ゲート電極膜227と、ショットキー電極膜228は、
それぞれ別の端子に接続されている。コントロールIC
などの他の半導体チップも同じプラスチックパッケージ
に納められている場合には、ゲート電極膜227はパッ
ケージ内でコントロールICに接続され、外部に接続す
るための端子は設けられない。
【0061】いずれにしろ、ソース電極膜244を接地
電位に接続し、ショットキー電極膜228に正電圧を印
加した状態で、ゲート電極膜227にスレッショルド電
圧以上の正電圧を印加すると、チャネル領域210の表
面に近い部分がN型に反転する。
【0062】ベース領域254は低濃度層212と接触
しており、チャネル領域の表面部分がN型に反転する
と、その反転層によって、ソース領域261と低濃度層
212とが接続さる。この状態ではショットキー接合は
順バイアスされるから、低濃度層212側からソース領
域261に向けて電流が流れ、スイッチング素子13は
導通状態になる。
【0063】この状態では、ショットキー電極228か
ら低濃度層212内に少数キャリアである正孔が注入さ
れ、低濃度層212の伝導度が変調され、低濃度層21
2の抵抗値は低下する。
【0064】比較のため、MOSFETのチップの構造
を図3に示し、IGBTのチップの構造を図4に示す。
本発明で用いた半導体チップ205と同じ部分には同じ
符号を付し、説明を省略する。
【0065】図3のMOSFETのチップ206は、低
濃度層212の裏面側に低濃度層212と同じ導電型の
不純物が拡散されたオーミック層213を有しており、
該オーミック層213の表面には、ドレイン電極膜27
8が形成されている。
【0066】ドレイン電極膜278とオーミック層21
3との間は、オーミック接触されており、ドレイン電極
膜278から低濃度層212内に少数キャリアは注入さ
れない。従って、低濃度層212は伝導度変調されず、
MOSFET206が導通状態にあるときにも抵抗が高
い。
【0067】図4のIGBTのチップ207は、低濃度
層212の裏面側に、低濃度層212とは逆極性の導電
型の不純物が拡散されたコレクタ層214が形成されて
おり、このコレクタ層214と低濃度層212によっ
て、PN接合ダイオードが構成されている。
【0068】コレクタ層214の表面には、コレクタ層
214とオーミック接触するコレクタ電極膜288が形
成されており、IGBTの導通状態では、ソース電極膜
244が接地電位に置かれ、コレクタ電極膜288に正
電圧が印加されるから、コレクタ層214と低濃度層2
12の間に形成されたPN接合ダイオードは順バイアス
され、コレクタ層214から低濃度層212内に大量の
少数キャリアが注入される。
【0069】従って、導通状態では低濃度層212の伝
導度が大きく変調され、低濃度層212の抵抗値は大き
く低下するものの、ゲート電極膜227に印加される電
圧が正電圧から接地電位に切り替わっても、低濃度層2
12内に注入された大量の少数キャリアは直ぐには消滅
できないため、導通状態から遮断状態に切り替わるのに
一定の遷移時間を要する。
【0070】この遷移時間中は、低濃度層212に大き
な電圧が印加された状態で電流が流れるため、スイッチ
ング損失が大きくなってしまう。
【0071】それに対し、本発明のスイッチング素子1
3を構成する半導体チップ205では、ショットキー電
極228の材質を選択することで、ショットキー接合が
有するショットキー障壁の高さを、0.74eV以上
0.88eV以下の範囲になるようにしている。
【0072】この範囲の障壁高さでは、PN接合型のI
GBTに比べ、低濃度層212内への少数キャリアの注
入量は少ないため、PN接合型のIGBT程スイッチン
グ速度は低下せず、従って、ショットキー接合型のIG
BTは、PN接合型のIGBTよりもスイッチング損失
が少ない。
【0073】また、完全に多数キャリア動作のMOSF
ET206とは異なり、少量でも少数キャリアの注入が
あるので、導通抵抗はMOSFET206よりも小さ
い。
【0074】従って、このショットキー接合型のIGB
Tは、低周波では、PN接合型のIGBTよりも損失が
大きいものの、MOSFETよりも損失が小さく、高周
波では、逆にMOSFETよりも損失が大きいものの、
PN接合型のIGBTよりも損失が小さい。
【0075】これをグラフに示すと、図5のようにな
る。SIGBTは、ショットキー接合型のIGBTを使
用した場合の損失を示している。
【0076】スイッチング素子13に印加される広い入
力直流電圧範囲に対し、スイッチング電源2に許容され
る損失PMAXが一定値に設定されている場合、図5から
分かるように、ショットキー接合型のIGBTでは、損
失PMAXの規格は全入力直流電圧範囲(ここでは交流電圧
で90V以上280V以下の範囲であり、直流電圧に換
算すると、108V以上396Vになる。このときのス
イッチング素子13の発振周期は約35kHz以上約1
00kHz以下の範囲で動作している。)で満たされて
いるものの、MOSFETでは、低周波側で満足されて
おらず、PN接合型のIGBTでは高周波側で満足され
ていない。
【0077】異なる金属をスイッチング素子13のショ
ットキー電極228に用い、ショットキー障壁の高さφ
Bnと、導通電圧の関係を測定した。
【0078】図6は、6mm×6mmの面積の半導体チ
ップを使用し、電流を5A流したときの導通電圧(V)の
値(縦軸)と、各金属に対応するショットキー障壁φBn
(eV)の値(横軸)の関係を示すグラフである。
【0079】導通電圧は低いほど望ましいが、約11V
以下を目標にすると、ショットキー障壁φBnは、0.
74eV以上の値が必要になることが分かる。
【0080】また、ショットキー障壁の高さφBnと、
スイッチング損失の関係を測定した。図7は、同様に、
6mm×6mmの面積の半導体チップを使用し、スイッ
チング動作をさせたときのオシロスコープの波形から、
損失を読みとった値(縦軸)と、各金属に対応するショッ
トキー障壁φBn(eV)の値(横軸)の関係を示すグラフ
である。
【0081】周囲温度25℃(Tc=25℃)において、
スイッチング損失を50μI×V以下にすることを目標
にすると、ショットキー障壁φBnは、0.88eV以
下の値が必要になることが分かる。
【0082】図6、7のグラフから、本発明のスイッチ
ング電源では、ショットキー障壁φBnが、0.74e
V以上、且つ0.88eVの金属を選択すると、AC9
0V以上AC280V以下の範囲で、MOSFETとP
N接合型IGBTの欠点を補う電源が得られる。
【0083】
【発明の効果】幅広い入力電圧範囲に対応できるスイッ
チング電源が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスイッチング電源の一例の回路図
【図2】本発明に用いられるショットキー接合型のIG
BTの構造を説明するための図
【図3】MOSFETの構造を説明するための図
【図4】PN接合型のIGBTの構造を説明するための
【図5】MOSFET、PN接合型のIGBT、ショッ
トキー接合型のIGBTを使用した場合の直流入力電圧
と損失の関係を示すグラフ
【図6】ショットキー障壁の高さと導通電圧の関係を示
すグラフ
【図7】ショットキー障壁の高さとスイッチング損失の
関係を示すグラフ
【図8】従来のスイッチング電源の動作を説明するため
の回路図
【図9】MOSFETを使用した場合と、PN接合型の
IGBTを使用した場合の損失を比較したグラフ
【符号の説明】
2……スイッチング電源 13……スイッチング素子 41……一次巻線 42……二次巻線 43……補助巻線 210……チャネル領域 212……低濃度層 226……ゲート絶縁膜 227……ゲート電極膜 228……ショットキー電極膜 244……ソース電極膜 254……ベース領域 261……ソース領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗山 昌弘 埼玉県飯能市南町10番13号 新電元工業株 式会社飯能工場内 Fターム(参考) 5H730 AA10 AA14 AS01 BB43 BB57 CC01 CC16 DD04 EE02 EE08 FD01 FF19 FG02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力直流電圧が印加されるスイッチング素
    子と、 前記スイッチング素子の出力端子に接続された一次巻線
    と、 前記一次巻線に磁気結合された二次巻線と、 前記二次巻線に誘起された電圧を整流平滑し、負荷に出
    力直流電圧を供給する整流平滑回路とを有し、 前記スイッチング素子のスイッチング周波数は、前記入
    力直流電圧が高いときの方が、前記入力直流電圧が低い
    ときに比べて高くなるように構成されたスイッチング電
    源であって、 前記スイッチング素子は、 第1導電型の低濃度層と、 前記第1導電型の表面側に配置された第2導電型のベー
    ス領域と、 前記ベース領域内に配置された前記第1導電型のソース
    領域と、 前記ソース領域縁と前記ベース領域の縁との間の前記ベ
    ース領域の部分で構成されたチャネル領域と、 前記チャネル領域上に配置されたゲート絶縁膜と、 前記ゲート絶縁膜上に配置されたゲート電極膜と、 前記低濃度層の裏面に配置されたショットキー電極とを
    有し、 前記ショットキー電極と前記低濃度層との間には、ショ
    ットキー接合が形成され、 前記ショットキー接合は、前記低濃度層と前記ベース領
    域との間のPN接合が逆バイアスされた状態で、前記チ
    ャネル領域に形成された反転層内に電流が流れる場合
    に、順バイアスされる極性のスイッチング電源。
  2. 【請求項2】前記第1導電型はN型であり、前記ショッ
    トキー接合の極性は、前記低濃度層側をカソードとし、
    前記ショットキー電極側をアノードとする向きである請
    求項1記載のスイッチング電源。
  3. 【請求項3】前記ショットキー接合のショットキー障壁
    の高さは、0.74eV以上0.88eV以下の範囲で
    ある請求項1又は請求項2のいずれか1項記載のスイッ
    チング電源。
  4. 【請求項4】前記入力直流電圧が、100V以上400
    V以下の範囲に設定された請求項1乃至請求項3のいず
    れか1項記載のスイッチング電源。
  5. 【請求項5】請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載
    のスイッチング電源であって、 前記一次巻線と前記二次巻線の両方に磁気結合された補
    助巻線を有し、前記補助巻線に誘起された電圧が、制御
    回路を介して前記スイッチング素子のゲート端子に印加
    されるように構成されたリンギングチョークコンバータ
    方式のスイッチング電源。
JP2001143158A 2001-05-14 2001-05-14 ワールドワイド電源 Pending JP2002345242A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001143158A JP2002345242A (ja) 2001-05-14 2001-05-14 ワールドワイド電源

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001143158A JP2002345242A (ja) 2001-05-14 2001-05-14 ワールドワイド電源

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002345242A true JP2002345242A (ja) 2002-11-29

Family

ID=18989343

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001143158A Pending JP2002345242A (ja) 2001-05-14 2001-05-14 ワールドワイド電源

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002345242A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007115871A (ja) * 2005-10-20 2007-05-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd 高耐圧半導体スイッチング素子及びそれを用いたスイッチング電源装置
US7759696B2 (en) 2005-10-20 2010-07-20 Panasonic Corporation High-breakdown voltage semiconductor switching device and switched mode power supply apparatus using the same
JP2011082548A (ja) * 2010-11-30 2011-04-21 Panasonic Corp 高耐圧半導体スイッチング素子及びそれを用いたスイッチング電源装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58122782A (ja) * 1982-01-14 1983-07-21 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> ダイオ−ド
JPH02155474A (ja) * 1988-12-08 1990-06-14 Nippon Chemicon Corp スイッチング電源装置
JPH033661A (ja) * 1989-05-30 1991-01-09 Matsushita Electric Ind Co Ltd スイッチング電源装置
JPH03155677A (ja) * 1989-08-19 1991-07-03 Fuji Electric Co Ltd 伝導度変調型mosfet

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58122782A (ja) * 1982-01-14 1983-07-21 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> ダイオ−ド
JPH02155474A (ja) * 1988-12-08 1990-06-14 Nippon Chemicon Corp スイッチング電源装置
JPH033661A (ja) * 1989-05-30 1991-01-09 Matsushita Electric Ind Co Ltd スイッチング電源装置
JPH03155677A (ja) * 1989-08-19 1991-07-03 Fuji Electric Co Ltd 伝導度変調型mosfet

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007115871A (ja) * 2005-10-20 2007-05-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd 高耐圧半導体スイッチング素子及びそれを用いたスイッチング電源装置
US7759696B2 (en) 2005-10-20 2010-07-20 Panasonic Corporation High-breakdown voltage semiconductor switching device and switched mode power supply apparatus using the same
JP4695961B2 (ja) * 2005-10-20 2011-06-08 パナソニック株式会社 高耐圧半導体スイッチング素子及びそれを用いたスイッチング電源装置
JP2011082548A (ja) * 2010-11-30 2011-04-21 Panasonic Corp 高耐圧半導体スイッチング素子及びそれを用いたスイッチング電源装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6747880B2 (en) Self-powered synchronous rectifiers
US20190043969A1 (en) Bidirectional bipolar-mode jfet driver circuitry
US8299737B2 (en) Motor driving circuit
US20170287721A1 (en) Anodic etching of substrates
JP2018064453A (ja) 整流装置と整流器構成
US20190363196A1 (en) Bidirectional bipolar-mode jfet driver circuitry
US10547250B2 (en) Rectifier device
JPH11285248A (ja) スナバ回路、そのスナバ回路を用いたスイッチング電源、及びサージ電圧吸収方法
JPH11113254A (ja) スイッチング電源、及び二次巻線の電圧整流方法
JP4695961B2 (ja) 高耐圧半導体スイッチング素子及びそれを用いたスイッチング電源装置
US20200321455A1 (en) Double-sided vertical power transistor structure
JP2010251517A (ja) パワー半導体素子
Pan et al. Design of smart power synchronous rectifier
TWI425730B (zh) 具有完整漏源電壓鉗位元的功率開關裝置及限制耦合變壓器推拉式整流器之主開關場效應電晶體的最大漏源電壓的裝置及方法
KR20050107460A (ko) 온 칩 전원
JP2006519485A (ja) 半導体ダイオード、電子構成部品、電力変換装置および制御方法
JPH11146640A (ja) スイッチング電源用整流回路およびこの整流回路を用いたスイッチング電源
US20210351178A1 (en) Double-sided vertical power transistor structure
US6621722B1 (en) Rectifier circuits with low forward voltage JFET device
JP2002345242A (ja) ワールドワイド電源
CN102570779B (zh) 功率电路及其直流对直流转换器
US20190372476A1 (en) Rectifier device
US20080290405A1 (en) Power mosfet diode
JPH08298241A (ja) サイリスタ、スイッチング回路、およびモノリシックな半導体部品
JP5264869B2 (ja) 高耐圧半導体スイッチング素子及びそれを用いたスイッチング電源装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070810

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100406

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100511

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20100708

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100921