JP3093576B2 - 靱性に優れた微細黒鉛均一分散鋼線とその製造方法 - Google Patents

靱性に優れた微細黒鉛均一分散鋼線とその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は冷間加工(鍛造、切削)
後に焼入・焼戻して使用される鋼線に係わり、特に黒鉛
を微細かつ均一に分散させることにより焼入・焼戻後の
靱性に優れた微細黒鉛均一分散鋼線に係わるものであ
る。
【0002】
【従来の技術】中炭素鋼中のフェライト+パーライト組
織をフェライト+黒鉛の2相組織にするとその硬さはビ
ッカース硬さでHv160からHv110程度にまで減
少する。そのために黒鉛率を上げると冷間鍛造性は硫黄
快削鋼のそれを上回ることが、例えば日本金属学会誌v
ol.53(1989)P.206の研究論文に報告さ
れている。工業的にも特公昭63−9580号公報に見
られるように、ミクロ組織をフェライト+黒鉛の2相組
織にすると冷間鍛造性は著しく向上することが紹介され
ている。
【0003】また、黒鉛の潤滑作用により被削性能が向
上することもよく知られている。日本金属学会誌vo
l.52(1988)P.1285によれば、黒鉛化率
が大きくなると切削抵抗主分力、切削抵抗送り分力がほ
ぼ半減すること、せん断角が大きくなりせん断応力が低
減すること、摩擦係数が小さくなること及び切り屑のカ
ール半径が小さくなり処理性が良好になるとされてい
る。工業的にも特公昭53−15450号、特公昭53
−15451号、特公昭53−46774号、特公昭5
3−5367号、特公昭54−11773号、特開平2
−111842号の各公報にみられるように被削性が向
上することが開示されている。
【0004】一方、特開平2−111842号公報によ
ると、黒鉛分散鋼は、冷間鍛造性及び切削性は優れてい
るものの、焼入加熱時に黒鉛の分解速度が遅く十分にオ
ーステナイト中に溶解しないために焼入硬さが不足する
欠点があるとされている。そこで、同公報では、この欠
点を解決するためには、黒鉛を微細化すればよいこと、
その具体的な方法として、BNを黒鉛の析出核として利
用すること、及び酸素含有量を30ppm以下にするこ
とが有効であると開示されている。従来技術で得られる
黒鉛寸法は、微細化されているものの、例えば、特公昭
53−46774号公報に述べられているように、黒鉛
の平均粒径はほぼ30μm程度である。しかし、この程
度の黒鉛粒度では、焼入れ加熱の際に黒鉛が未分解のま
ま残存し、また、炭素が拡散して黒鉛の存在していた箇
所が30μm程度の空孔となって残存するという問題が
あった。
【0005】また、焼入れ加熱時に均一なオーステナイ
ト組織とするためには、黒鉛が分解した後に炭素が拡散
して炭素濃度が均一化する必要があるが、この点でもB
Nを黒鉛の析出核とする黒鉛分散鋼には問題がある。す
なわち、よく知られているようにBNは黒鉛を微細析出
させるが、結晶粒界に偏析するために、BNを核発生サ
イトとする黒鉛も同様にフェライト粒界に偏析して不均
一に分散して、黒鉛間距離の変動が大きくなりその最大
値も大きくなる。特に、高周波加熱焼入れのような加熱
保持時間が数秒と短い場合には、黒鉛間距離の最大値が
大きくなると、炭素の拡散が不十分となり均一なオース
テナイト組織になりにくい。このような鋼では、例えば
黒鉛粒径を小さくして黒鉛の分解時間を短くしても、拡
散律速となってマルテンサイト+フェライトの混在組織
となる。このような従来鋼は、混在組織と空孔が原因
で、破壊靱性値(衝撃値)が低い欠点がある。
【0006】次に、微細な黒鉛を均一に分散させるため
の従来技術の製造方法について述べる。黒鉛核発生箇所
を導入して黒鉛化を促進させるための従来知見が、日本
金属学会誌vol.30(1966)P.279及びv
ol.43(1979)P.640に紹介されている。
即ち、フェライト中の炭素過飽和、マルテンサイト変態
歪、加工歪が、黒鉛析出箇所として有効であることを述
べている。
【0007】上記知見を応用した、炭素過飽和の状態
(マルテンサイト組織)とマルテンサイト変態歪を利用
する方法として、特開昭49−67817号公報があ
る。これによると、C(Total):0.45〜1.
5%、黒鉛:0.45〜1.50%、Si:0.5〜
2.5%、Mn:0.1〜2.0%、P:0.02〜
0.15%、S:0.001〜0.015%、N:0.
008〜0.02%、Ni:0.1〜2.0%、Al、
Tiの1種又は2種で0.015〜0.5%、Ca:
0.0005〜0.030%を含有する鋼を、熱延後、
750〜950℃に再加熱して焼入れしてマルテンサイ
ト変態させ、これを再々加熱して600〜750℃で焼
鈍する製造方法である。しかし、この製造方法は加工歪
を付加していないために黒鉛化のための焼鈍時間が長く
なり、また熱延後に加熱工程を2回必要とするために製
造コストに問題がある。
【0008】加工歪を利用する方法として、特開昭63
−9580号公報がある。これによると、C:0.01
5〜0.140%、Mn:0.3%以下、Sol.A
l:0.02〜0.30%、N:0.006%以下、
P:0.01%以下、S:0.010%以下を含有する
と共に式P(%)×S(%)≦10×10-6を満足し、
さらにSi:0.03〜2.50%、Ni:0.1〜
4.0%、Cu:0.03〜1.00%のうち1種以上
を含み、残部がFe及び不純物からなる鋼を熱間圧延し
た後、圧下率30%以上で冷間圧延して加工歪を導入
し、次いで焼鈍する製造方法である。しかし、熱間圧延
後、圧下率30%で冷間圧延できる工程を新たに必要と
するために現実的な製造方法とは言えない。以上に述べ
たように靱性に優れた微細黒鉛均一分散鋼線を得るため
の化学成分と製造方法にかかわる知見は見出されていな
いために、破壊靱性値を必要としない薄中板を除いて、
鋼線では未だに工業的規模で利用されるに至っていな
い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解消すべく案出されたものであり、成分及び製造条件
に改良を加えることにより、黒鉛の平均粒径(焼入れ後
の空孔の平均寸法)を小さくし、かつ、粒界に留まらず
フェライト粒内にも黒鉛を均一に分散させた靱性に優れ
た微細黒鉛均一分散鋼線とその製造方法を提供せんとす
るものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
従来法の欠点を有利に排除しうる靱性に優れた微細黒鉛
均一分散鋼線とその製造方法であり、その要旨とすると
ころは、 重量%で、C:0.30〜1.0%、Si:0.6
〜1.3%、Mn:0.4〜1.0%、P:≦0.02
%、S:0.015〜0.055%、Al:0.01〜
0.10%、B:0.001〜0.004%、N:0.
002〜0.008%、Mo:0.05〜0.20%を
基本成分とし、残部Fe及び不可避的不純物からなり、
平均粒径4.0μm以下、粒数3000個/mm2 以上
の黒鉛0.3〜1.0%を有することを特徴とする靱性
に優れた微細黒鉛均一分散鋼線。 重量%で、C:0.30〜1.0%、Si:0.6
〜1.3%、Mn:0.4〜1.0%、P:≦0.02
%、S:0.015〜0.055%、Al:0.01〜
0.10%、B:0.001〜0.004%、N:0.
002〜0.008%、Mo:0.05〜0.20%、
を基本成分とし、残部Fe及び不可避的不純物からな
る、熱間圧延直後の鋼線を、その熱間圧延ラインの後面
に設置した水冷却装置により、冷却開始温度をAr1点以
上、冷却終了温度をMS 点以下、平均冷却速度を5〜3
0℃/sとして冷却後、さらに自然冷却し、次いで加熱
温度610〜710℃で黒鉛化処理することを特徴とす
る平均粒径4.0μm以下、粒数3000個/mm2
上の黒鉛0.3〜1.0%を有することを特徴とする靱
性に優れた微細黒鉛均一分散鋼線の製造方法である。
【0011】
【作用】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明者ら
は、種々検討を重ねた結果、Moを添加すると、黒鉛粒
子数が著しく増加して黒鉛粒径が小さくなること、及び
析出箇所がフェライト結晶粒内及び粒界の双方となり黒
鉛が均一分散することを新しく見出した。ところが、従
来は、特開平2−111842号公報(特に、第4頁左
上欄第7行〜第12行)で紹介されているように、Mo
はセメンタイトに固溶してセメンタイトの分解を遅延さ
せ、ひいてはCrと同様に黒鉛化を阻害する元素である
と考えられていた。この常識に反する黒鉛粒子の生成機
構としては、Mo2 Cの結晶構造がBNと同じ六方晶で
あることから、Mo2 Cが、同じく六方晶である黒鉛の
析出箇所になる機構が推測される。また、黒鉛が均一分
散するのは、Mo2 Cが粒界、粒内にかかわらず均一分
散していることと関係していると考えられる。
【0012】一方、製造方法について、本発明者らは、
熱間圧延直後の鋼線を、その熱間圧延ラインの後面に設
置した水冷却装置により、冷却開始温度をAr1点以上、
冷却終了温度をMS 点以下、平均冷却速度を5〜30℃
/sとして冷却後、さらに自然冷却し、次いで加熱温度
610〜710℃で黒鉛化処理することにより黒鉛が微
細化することを見出した。これはマルテンサイト変態歪
に加えて熱間圧延後の急冷によりマルテンサイトに残留
する圧延歪が付加されるために、マルテンサイトが内包
する歪の総量が増え、その結果、黒鉛発生箇所が増加し
たためと考えられる。
【0013】本発明は、上記知見に基づいて構成された
ものである。本発明の請求範囲を上記のように定めた理
由を以下に示す。請求項1については、Cは焼入れ後の
強度を確保するために、また十分な被削性能を得るため
に必要な黒鉛の量を確保するために、その下限値を0.
30%とした。上限は冷間加工後の熱処理における焼割
れを防止するために1.0%とした。Siは鋼中の炭素
原子との結合力が小さく、黒鉛化を促進する有力な元素
の1つであるために必須の元素である。焼入+焼鈍処理
により十分な黒鉛を析出させて高い黒鉛化率とするため
にはSiを添加することが必要であり、その下限値は
0.6%でなければならない。1.3%以上になると黒
鉛化率は大きくなるもののフェライト相に固溶するSi
含有量の増加により硬さが大きくなるために冷間加工性
能が劣化する。黒鉛化による硬さの低減効果が相殺され
るので、上限値を1.3%に限定した。Mnは、鋼中硫
黄をMnSとして固定・分散させるために必要な量及び
マトリックスに固溶させて強度を確保するために必要な
量を加算した量が必要であり、その下限値は0.4%で
ある。Mn量が大きくなると黒鉛化を著しく阻害するの
で上限値は1.0%とした。
【0014】Pは、鋼中において粒界に析出した燐化合
物、フェライトに固溶したPとして存在するために、被
削性を改善するもの熱間の加工性を著しく損なうので、
その上限を0.02%とした。Sは、Mnと結合してM
nS介在物として存在する。鋼中MnS介在物の量が増
えると工具とMnS介在物とが接触する機会が増加し、
MnS介在物が工具すくい面上で塑性変形して被膜を形
成する。その結果、フェライトと工具との接触する機会
が減少するために凝着は抑制され切削仕上げ面の性状は
向上する。凝着を抑制するためには、Sの下限値は0.
015%必要である。Sは冷間鍛造性を損なうので上限
値は0.055%とした。
【0015】Alは、鋼中酸素を酸化物系介在物として
除去する。また、結晶粒度を調整するために、0.01
%以上の添加が必要である。酸化物系介在物が多すぎる
と靱性を損なうので上限値を0.10%とした。BとN
は、BNを生成して黒鉛化焼鈍時間を短縮させる。短縮
効果を十分得るためには0.001%以上のBを添加し
なければならない。Bが0.004%を越えると短縮効
果は飽和するので、その上限を0.004%とした。N
は0.001〜0.004%BをBNとするために必要
な量、即ち0.002〜0.008%である。Moは、
フェライト粒内に黒鉛を析出させるために0.05%以
上添加しなければならない。0.20%を越えるとフェ
ライト地の硬さが上昇するので、その上限値を0.20
%とした。
【0016】黒鉛の平均粒径は靱性(衝撃特性)の点か
らその上限を4μmとしなければならない。4μmを越
えると、焼入れ組織がフェライト+マルテンサイトの混
合組織となって衝撃値が低下する。黒鉛の粒数が300
0個/mm2 未満では黒鉛間の距離が大きくなり炭素の
拡散距離が大きくなるために、焼入組織はマルテンサイ
ト+フェライトの不完全焼入組織となる。そのために下
限値を3000個/mm2 としなけらばならない。鋼中
Cのほぼ全量を黒鉛化させるために、黒鉛の下限値はC
含有量の下限値0.30%と、上限値は同じくC含有量
の上限値1.0%と一致しなければならない。
【0017】請求項2の発明の化学成分及び製造条件の
限定理由について述べる、C,Si,Mn,P,S,A
l,B,N,Moについては請求項1と全く同じであ
る。製造条件については、熱間仕上圧延した直後の鋼線
を、その熱延ラインの延長線上に設置した水冷却装置に
より強制冷却するのは、熱間圧延による圧延歪を焼入れ
マルテンサイト組織に残存させるためである。この方法
によると熱延後の赤熱状態の鋼線の熱エネルギーを焼入
れに利用でき再加熱を必要としないので、結果として熱
処理コストの低減をはかることができる。
【0018】鋼線表面で測定した冷却開始温度は、マル
テンサイト変態歪と圧延歪とを同時に発生させて黒鉛生
成箇所を多くするためにAr1点以上でなければならな
い。冷却終了温度は充分なマルテンサイト変態組織を得
て黒鉛生成を容易にするためにMS 点以下でなければな
らない。平均冷却速度の下限値を5℃/sとしたのは、
マルテンサイト変態組織を得るためと加工歪を残留させ
て黒鉛化を容易にするためであり、上限値を30℃/s
としたのは、これ以上に急冷却してもマルテンサイト変
態量は増加しないためである。焼鈍温度の下限値を61
0℃、上限値を710℃に限定したのはこの温度範囲に
おける黒鉛化時間が最も短いためである。
【0019】
【実施例】次に実施例により本発明の効果をさらに具体
的に示す。表1に供試鋼の化学成分と製造条件及び黒鉛
化率を示す。本試験に使用した鋼線は直径5.5〜19
mmで、熱延ラインの延長線上に設置した水槽内で冷却
した。仕上げ圧延スタンドから水槽までの距離は約45
mm、圧延速度は10〜100mm/sで、圧延終了か
ら水槽にいたるまでの所用時間は約1〜3秒である。線
材をコイル状に巻いて水温20〜100℃の水槽に挿入
した。水槽内の滞留時間は20〜200秒である。冷却
開始温度、冷却終了時間は鋼材の表面温度を放射温度計
で測定した値であり、平均冷却速度は、冷却開始温度と
冷却終了温度との差を冷却時間で除すことにより求め
た。その後、自然冷却させ、さらにオフラインの焼鈍炉
で黒鉛化処理した。黒鉛化率は次式により算出した。 (鋼中黒鉛含有量/鋼の炭素含有量)×100(%) 鋼の炭素含有量は化学分析により定量した。黒鉛含有量
は平均黒鉛粒子径、密度及び黒鉛粒子数から算出した。
本製造法による鋼線の黒鉛化率は焼鈍時間が10時間前
後と短いにも係わらず、100%と著しく優れた結果で
ある。比較製造法の場合には黒鉛化率は70%程度と低
い。
【0020】
【表1】
【0021】表2に黒鉛粒径及び黒鉛間の最大距離を示
す。黒鉛粒径の測定は次の方法によった。黒鉛粒子に電
子線を照射して、反射電子線の強度を2値化することに
よりSEM画面上に黒鉛を結像させて、解析システムを
使用して粒径を測定・解析した。1視野の面積は100
μm×100μmで視野数は25であり、測定総面積は
0.25mm2 である。黒鉛面の最大距離は、倍率20
0倍の光学顕微鏡写真上で測定した。写真上に黒鉛の存
在しない箇所のみを含む円弧を描きその直径の最大値を
黒鉛間の最大距離とした。本発明鋼の黒鉛粒径及び黒鉛
間の最大距離は比較鋼のそれよりいずれも小さくなって
いる。
【0022】
【表2】
【0023】表3にシャルピー衝撃値を示す。シャルピ
ー衝撃試験方法について以下に述べる。黒鉛析出状態の
直径19mmの鋼線を、高周波焼入(1000℃×3s
ec→水冷)、及び焼戻(600℃×6min→水冷)
した、焼入・焼戻した鋼線からUノッチのJIS3号試
験片を切り出した。シャルピー試験温度は20℃であ
る。本発明鋼の靱性を示すシャルピー衝撃値は比較鋼の
それと比較して著しく高い。
【0024】
【表3】
【0025】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように本発
明によれば、靱性の優れた極微細黒鉛均一分散鋼線を提
供することが可能であり、産業上の効果は極めて顕著な
ものがある。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−60296(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60 C21D 8/06,9/52

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 C :0.30〜1.0% Si:0.6〜1.3% Mn:0.4〜1.0% P :≦0.02% S :0.015〜0.055% Al:0.01〜0.10% B :0.001〜0.004% N :0.002〜0.008% Mo:0.05〜0.20% を基本成分とし、残部Fe及び不可避的不純物からな
    り、平均粒径4.0μm以下、粒数3000個/mm2
    以上の黒鉛0.3〜1.0%を有することを特徴とする
    靱性に優れた微細黒鉛均一分散鋼線。
  2. 【請求項2】 重量%で、 C :0.30〜1.0% Si:0.6〜1.3% Mn:0.4〜1.0% P :≦0.02% S :0.015〜0.055% Al:0.01〜0.10% B :0.001〜0.004% N :0.002〜0.008% Mo:0.05〜0.20% を基本成分とし、残部Fe及び不可避的不純物からな
    る、熱間圧延直後の鋼線を、その熱間圧延ラインの後面
    に設置した水冷却装置により、冷却開始温度をAr1点以
    上、冷却終了温度をMS 点以下、平均冷却速度を5〜3
    0℃/sとして冷却後、さらに自然冷却し、次いで加熱
    温度610〜710℃で黒鉛化処理することを特徴とす
    る平均粒径4.0μm以下、粒数3000個/mm2
    上の黒鉛0.3〜1.0%を有する靱性に優れた微細黒
    鉛均一分散鋼線の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102296225A (zh) * 2011-09-20 2011-12-28 中南大学 一种烧结无铅易切削钢的制备方法

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CN102296225A (zh) * 2011-09-20 2011-12-28 中南大学 一种烧结无铅易切削钢的制备方法

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