JP3092908B2 - 屋根板支持金具および二重屋根 - Google Patents

屋根板支持金具および二重屋根

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JP3092908B2
JP3092908B2 JP09028366A JP2836697A JP3092908B2 JP 3092908 B2 JP3092908 B2 JP 3092908B2 JP 09028366 A JP09028366 A JP 09028366A JP 2836697 A JP2836697 A JP 2836697A JP 3092908 B2 JP3092908 B2 JP 3092908B2
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重一 安本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば金属の折
板からなる屋根の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】屋根では、軒先、ケラバ、棟に対して風
圧によって掛かる負荷は大きい。これには、頑丈な梁材
を通すことで対処していたが、屋根自体の強度を高める
わけではないので、自ずと限界があった。
【0003】
【解決すべき課題及びそのための手段】そこでこの発明
は、屋根板を重ね葺きすることで、屋根自体の強度を高
め、強い屋根を得ることを主たる課題とする。なお、屋
根板を重ね葺きすることは、断熱および改修の目的で従
来から行われているが、屋根板の曲げ強度の強い方向が
上下の屋根板で同一であるので、屋根の剛性を増す効果
はあまり大きくない。
【0004】上述の課題を解決するための手段は、左右
一対の挟持部材で形成され、各挟持部材の上端部に相対
向するコ字形の保持部を連設して、下葺屋根上に固定
る第1固定部材と、帯状板で本体を折曲形成して、
葺屋根を上部に固定する第2固定部材とを備え、上記第
1固定部材のコ字形保持部に第2固定部材の本体中間部
を嵌合保持させると共に、上記下葺屋根と上葺屋根の折
山方向を所定角度上下で交差させるべく、上記第2固定
部材の向きと上記第1固定部材の向きとを所定角度上下
でずらせて固定した屋根板支持金具であることを特徴と
する。
【0005】なお、記第2固定部材の本体下面に、連
結板を垂設し上記連結板を上記第1固定部材の一対の
挟持部材の上端部で挟持して第1固定部材と第2固定部
材とを連結固定した屋根板支持金具であるもよい。
【0006】別の手段は、略逆U字状の本体部を設ける
とともに、該本体部の下端部に、 側から外側に向かっ
て「つ」字状に屈曲して下葺屋根の突条部を挟持する本
体挟持部を形成し、上記本体部の上部には、上葺屋根と
下葺屋根との折山方向を上下で交差させて固定すべく係
止手段を装着する屋根板支持金具であることを特徴とす
る。
【0007】さらに別の手段は、上述の屋根板支持金具
を介して、下葺屋根と上葺屋根とを、その折山方向を所
定角度上下で交差させて重合した二重屋根であることを
特徴とする。
【0008】なお、上記折山とは、角や湾曲により形成
された、曲げに対する強度の高い部分のことである。
【0009】
【作用及び効果】すなわち、上述の構成によれば、下葺
屋根と上葺屋根とが、その曲げ強度の強い方向が上下に
交差するように重ね葺きされるので、屋根の剛性が増大
し、強度が高く、耐久性のよい屋根が得られる。
【0010】また、屋根板支持金具を断熱作用を有する
ように構成して下葺屋根と上葺屋根との間に断熱材を充
填すれば、断熱および防音効果の得られる屋根となり、
また、老朽化した屋根の上に、上記屋根板支持金具を用
いて新しい屋根を葺けば、屋根の改修が行なえる。この
とき、屋根の折山方向が上下で交差するので、老朽化し
た既設の屋根の強い部分だけではなく弱い部分も補いつ
つ改修が行なえ、効果的な改修となる。
【0011】さらに、請求項1や請求項2のように部材
を組み付けて構成すると、接合部分ができ、これが補強
部となって強度の高い屋根板支持金具を得ることができ
る。
【0012】
【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳
述する。図1は、二重屋根1の構成を示す斜視図であ
り、この図に示すように二重屋根1は、下葺屋根2の上
に上葺屋根3を重ね葺きして形成している。下葺屋根2
と上葺屋根3とを構成する折板2a,3aは、両側が立
ち上がる形状に形成された長尺状で、両側縁同士を係止
手段としての吊子4を介して相互に係止した後、馳締す
る。屋根の形が形成されると、馳部5aを有した山部5
が横に並ぶことになる。
【0013】折板2a,3aには、長さ方向に沿って直
線状の折山2b,3bが多数あるので、長さ方向での曲
げに対して剛性がある。このため、下葺屋根2と上葺屋
根3とでは、それらの折山2b,3bの方向を変えてい
る。すなわち、それぞれの折山2b,3bが上下で交差
するようにしている。上葺屋根3の向きを変えつつ固定
するのが、折板支持金具11(以下、金具という)で、
図2にその斜視図を、図3に分解斜視図を、それぞれ表
している。
【0014】金具11は、第1固定部材12と第2固定
部材13とからなり、第1固定部材12は下葺屋根2の
上に固定され、第2固定部材13は上葺屋根3を固定す
る。
【0015】第1固定部材12は、左右一対の挟持部材
14,14からなり、相互に面接触する当接部14aの
下方には、下葺屋根2の山部5の上面に面接触する水平
部14bと傾斜部14cとからなる裾部14dを延設し
て、固定状態の安定化を図るようにしている。また、当
接部14aの下部には、下葺屋根2の馳部5aを掴持す
るように挟む挟持部14eをC字形に膨出して形成する
とともに、中央部には挟持用のボルト15を挿通する挿
通孔14fを形成している。当接部14aの上端から
は、コ字形の保持部14gを形成して、さらにこれの上
端に立上がり部14hを形成し、第2固定部材13との
一体化の強化を図っている。
【0016】第2固定部材13は、その本体16をすべ
て同一幅の帯状の金属板を折曲して形成し、中間部16
aを上述の保持部14gで嵌合保持させるようにしてい
る。中間部16aの両側は、内側斜め上方に向けて立ち
上げ、その上端をさらに逆U字状に折曲して受け部16
b,16bを形成し、該受け部16b,16b間には、
係止手段としての吊子4を差込む隙間を形成している。
吊子4はボルト17ナット18により固定するため、各
受け部16b,16bには、横方向に貫通する挿通孔1
6cを形成している。
【0017】また、上記中間部16aの下面には、連結
板19をボルト20ナット21により固定する。連結板
19の中央には、第1固定部材12の挿通孔14fに対
応する挿通孔19aを形成している。また、連結板19
の両端において相異なる方向に向けて折曲したのは、固
定用の装着片19bである。なお、上記連結板19は用
いなくとも、第1固定部材12と第2固定部材13との
固定はできる。
【0018】組立ては、第2固定部材13の本体16に
連結板19をボルト20ナット21により固定した後、
第1固定部材12と吊子4を装着すればよい。すると、
下葺屋根2の馳部5aを挟持する第1部材12の長さ方
向と、上葺屋根3の馳部5aを係止する第2固定部材1
3に取付けた吊子4の長さ方向とが上下で直交するよう
になる。
【0019】図4が、二重屋根1の要部を示す断面図
で、このように、下葺屋根2と上葺屋根3とは上下で直
交する。すなわち、強度の高い各屋根2,3の折山2
b,3b部分が上下で直交する。このため、二重屋根1
の剛性は、単に同じ方向性で重合した場合に比して増大
し、強度が高く、耐久性のよい二重屋根1が得られる。
なお、図では、下葺屋根2の折板2aと上葺屋根3の折
板3aとを接触させなかったが、接触させるようにする
とさらに剛性が高まる。
【0020】また、金具11を、図5、図6に示したよ
うに合成樹脂製の断熱部材22,23を介装して形成
し、断熱作用を有するように構成して、下葺屋根2と上
葺屋根3との間に断熱材(図示せず)を充填すれば、断
熱および防音効果の得られる屋根となる。
【0021】さらに、老朽化した屋根の上に、上記金具
11を用いて新しい屋根を上葺屋根3として葺けば、屋
根の改修が行なえる。このとき、各屋根の折山方向が上
下で交差するので、老朽化した既設の屋根の強い部分だ
けではなく弱い部分も補いつつ改修が行なえ、効果的な
改修となる。
【0022】なお、係止手段としては、吊子4のほか、
剣先ボルトや係止金具、係止部などを用いるもよい。す
なわち、下葺屋根2および上葺屋根3は、スレート屋根
や瓦棒屋根などでもよい。係止手段として剣先ボルトを
用いる場合は、方向性がないので、金具11の形成も容
易である。また、下葺屋根2と上葺屋根3との上下での
交差は、直交だけではなく、適宜角度に交わるようにす
るもよく、適宜角度に回転可能にするもよい。排水機能
や意匠感の点で効果を得ることができる。
【0023】さらに、第1固定部材12と第2固定部材
13を組み付けて構成したので、固定強度が高く、かつ
組付け性がよく強度の高い金具11を得ることができ
る。
【0024】図7は、一部材で構成した金具11の一例
である。すなわちこの金具11は、略逆U字状の本体部
31を設けるとともに、該本体部31の下端部に、下葺
屋根2の山部の馳部5aを挟持する相対向した本体挟持
部32,32を、内側から外側に向かって「つ」字状に
折曲して形成し、本体部31の上下方向の中間部には、
上記本体挟持部32,32を仮想線で示したように締め
付けるためのボルト33ナット34を挿通保持してい
る。また、本体部31の上端面の両側には、斜め下方に
向けて受け片35,35を延設して、折板の肩部を受け
るようにしている。さらに、本体部31の上端面には、
係止手段としての剣先ボルト36を立設している。な
お、仮想線で示したように、上述の受け片35,35を
真っ直ぐ下に向けて折曲した後、これに沿わせて吊子4
を取付けるもよい。金具11自体の軽量化を図ることが
でき、軽いわりに強度の高い二重屋根1を得ることがで
きるとともに、コストの低減も図ることができる。
【0025】この発明の屋根板は、上記実施例における
折板2a,3aに対応し、屋根板支持金具は、折板支持
金具11に、下葺折板の突条部は、山部5またはおよび
馳部5aに対応する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 二重屋根の構造を示す斜視図。
【図2】 屋根板支持金具の斜視図。
【図3】 屋根板支持金具の分解斜視図。
【図4】 作用状態の断面図。
【図5】 他の例に係る屋根板支持金具の斜視図。
【図6】 図5の断面図。
【図7】 他の例に係る屋根板支持金具の斜視図。
【符号の説明】
1…二重屋根 2…下葺屋根 3…上葺屋根 2a,3a…折板 2b,3b…折山 4…吊子 5…山部 5a…馳部 11…折板支持金具 12…第1固定部材 13…第2固定部材 14…挟持部材 16…本体 19…連結板 31…本体部 32…本体挟持部 36…剣先ボルト
フロントページの続き (72)発明者 鹿島 嘉彦 大阪市中央区南本町4丁目1番1号 株 式会社淀川製鋼所内 (56)参考文献 特開 平9−302852(JP,A) 特開 平10−82139(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04D 3/00 - 3/40

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】左右一対の挟持部材で形成され、各挟持部
    材の上端部に相対向するコ字形の保持部を連設して、
    葺屋根上に固定される第1固定部材と、 帯状板で本体を折曲形成して、 上葺屋根を上部に固定す
    る第2固定部材とを備え、 上記第1固定部材のコ字形保持部に第2固定部材の本体
    中間部を嵌合保持させると共に、 上記下葺屋根と上葺屋根の折山方向を所定角度上下で交
    差させるべく、上記第2固定部材の向きと上記第1固定
    部材の向きとを所定角度上下でずらせて固定した屋根板
    支持金具。
  2. 【請求項2】記第2固定部材の本体下面に、連結板を
    垂設し 上記連結板を上記第1固定部材の一対の挟持部材の上端
    部で挟持して第1固定部材と第2固定部材とを連結固定
    した請求項1記載の屋根板支持金具。
  3. 【請求項3】略逆U字状の本体部を設けるとともに、該
    本体部の下端部に、内側から外側に向かって「つ」字状
    に屈曲して下葺屋根の突条部を挟持する本体挟持部を形
    成し、 上記本体部の上部には、上葺屋根と下葺屋根との折山方
    向を上下で交差させて固定すべく係止手段を装着する屋
    根板支持金具。
  4. 【請求項4】請求項1から請求項3のうちのいずれか一
    項に記載の屋根板支持金具を介して、下葺屋根と上葺屋
    根とを、その折山方向を所定角度上下で交差させて重合
    した二重屋根。
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