JP3092701B2 - クロック生成装置 - Google Patents

クロック生成装置

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JP3092701B2
JP3092701B2 JP09312590A JP31259097A JP3092701B2 JP 3092701 B2 JP3092701 B2 JP 3092701B2 JP 09312590 A JP09312590 A JP 09312590A JP 31259097 A JP31259097 A JP 31259097A JP 3092701 B2 JP3092701 B2 JP 3092701B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディジタル放送で
使用されているMPEG2トランスポートパケット等の
ビットストリームに含まれるレファレンス情報の応じて
基準クロックを生成するクロック生成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ディジタル放送においては、多数の番組
に関する映像、音声などの各種信号をビットストリーム
として多重して伝送する。これを受信するためには、受
信側で基準クロックとしてのシステムクロックを生成す
る必要がある。そこで、システムクロックを生成するた
めのレファレンス情報をビットストリーム内に適当な間
隔で挿入し、受信側でこれを検出して、受信側発振器を
検出したレファレンス情報と位相ロックさせる位相ロッ
クループ回路(PLL回路)を用いてシステムクロック
を得ることが従来より行われている。
【0003】ビットストリームとしてMPEG2トランスポ
ートストリームを用いる場合には、以下に述べる様なレ
ファレンス情報であるプログラムクロックレファレンス
レファレンス(PCR:Program Clock Reference、以下
「PCR」という)信号が伝送され、これを基準に受信
側で27MHzのシステムクロックが生成される。図3は、M
PEG2のトランスポートストリームの構造を示す図であ
り、188バイトのトランスポートパケットのうち、先頭
の4バイト(32ビット)はヘッダである。ヘッダ内のア
ダプテーションフィールド制御フィールドF7により、
アダプテーションフィールドF9の有無が示される。ア
ダプテーションフィールドF9が無いことが示される
と、ヘッダの後には直ちにペイロードF10が続く。こ
のペイロードF10にビデオやオーディオ等のデータが
挿入されて送られる。アダプテーションフィールドF9
の存在が示されると、ヘッダの後にはアダプテーション
フィールドF9が続き、残りの部分がペイロードF10
となる。アダプテーションフィールドF9の後に続くペ
イロードF10にはビデオ等のデータを入れても良い
が、他と違う長さのペイロードにデータを入れるのが処
理を複雑にすることを避けたい場合には、このペイロー
ドには「スタッフィングデータ」(場所を詰めるために
入れるデータで、内容的には意味のないデータ)を挿入
すればよい。
【0004】アダプテーションフィールドF9の構造は
同図(c)、(d)に示すようになっており、この中で
PCR信号を含むフィールドF11が定義されている。
PCR信号は、実データが42ビットのデータで、これを
含んだトランスポートパケットが各番組毎に0.1秒以下
の周期で伝送される。PCR信号の中での所定位置(例
えば最終バイトの先頭)が時刻の標準化位置と規定さ
れ、受信機側ではこの位置の到着時点でPCR信号の示
す値に従ってクロックを修正することが求められる。
【0005】以下、図4を用いてMPEG2トランスポ
ートストリームのディジタル放送を受信する受信機にお
けるシステムクロック生成PLL回路の構成を述べる。
まず、受信したディジタル信号から、PCR検出器10
2により当該番組のパケットからPCR信号を抽出す
る。PCR検出器102により検出されたPCR信号の
時刻標準化位置においてPCR検出器102内で発生さ
れるラッチパルスにより、電圧制御発振器(以下「VC
O」という)106の出力をカウントするカウンタ10
7のカウント値をラッチする。PCR信号のデータはP
CR検出器102により解読され、比較回路103の一
方の入力に供給される。比較回路103の他方の入力に
はカウンタ107のラッチされた出力が供給され、両者
が比較される。比較結果は、例えばPWM信号(パルス
幅変調信号)に変換され、ローパスフィルタ104によ
り平滑化されてスイッチ105を介してVCO10
供給される。ここで、PCR信号が入力されているとき
は、スイッチ105の可動接片はB側に保持される。V
CO106の出力は、システムクロックとして出力端子
108を介して、例えばMPEG2トランスポートスト
リームの記録再生装置に供給される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ディジタル放送を受信
しているときには、入力端子101に受信ディジタル信
号が供給され、上記の様にスイッチ105の可動接片が
B側に保持され、システムクロック生成PLL回路が、
その出力信号をPCR信号に位相ロックさせるようにV
CO106に制御電圧VPLLが供給され、27MHz
のシステムクロックが得られる。一方、ディジタル放送
からのPCR信号の非受信時、例えばディジタル放送受
信機一体型記録再生装置における再生時には、スイッチ
105の可動接片がA側に切り換えられ、定電圧回路1
09から一定の電圧VCSTがVCO106に供給され
る。この場合、再生から放送受信に切り換えた時にPL
L回路が素早く位相ロックするためには、非受信時のV
CO106の制御電圧VCSTがロック時の制御電圧V
PLLに近い事が望ましい。
【0007】しかし、VCO106を含めたPLL回路
には製造上のバラツキがあるので、VCO制御電圧のオ
フセットは個々に調整が必要となり、製造コストが増え
るという問題点があった。
【0008】本発明は、この点に着目してなされたもの
であり、オフセット調整を行わなくても、基準クロック
を生成するためのレファレンス情報の入力開始時におけ
るPLL回路の位相ロック動作を迅速に行うことを可能
としたクロック生成装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1に記載の発明は、入力ディジタル信号に含まれ
るレファレンス情報を抽出するレファレンス情報抽出手
段と、該抽出したレファレンス情報に応じて制御信号を
生成する制御信号生成手段と、前記制御信号に応じて発
振周波数が制御される発振手段とを備え、前記レファレ
ンス情報に位相ロックした基準クロックを出力するよう
に前記発振手段を制御するクロック生成装置において、
前記入力ディジタル信号がディジタル放送受信信号であ
って、かつ前記基準クロックが前記レファレンス情報に
位相ロックしているときに、前記制御信号を記憶する記
憶手段を備え、前記入力ディジタル信号がディジタル放
送受信信号である場合には、前記レファレンス情報に位
相ロックした基準クロックを前記発振手段が出力し、
記入力ディジタル信号がディジタル放送受信信号でない
場合には、前記記憶手段に記憶した制御信号に基づき前
記発振手段が基準クロックを出力することを特徴とす
る。
【0010】
【0011】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態にかか
るディジタル放送受信機一体型記録再生装置の構成を示
すブロック図であり、この装置は、アンテナからの信号
が入力され、周波数変換、誤り訂正などの所定の処理を
施してベースバンド信号(ディジタル放送受信信号)を
出力する受信処理回路121と、スイッチ114と、デ
ィジタル放送受信信号の記録再生を行う記録再生部12
3と、MPEGトランスポートストリームをデコードし
てビデオ信号及びオーディオ信号を出力するMPEGデ
コーダ122と、記録再生部123及びMPEGデコー
ダ122に27MHzシステムクロックを供給するクロ
ック生成部100とを備えている。記録再生部123
は、例えばD−VHS(登録商標)方式に準拠したVT
R(ビデオテープレコーダ)によって構成され、クロッ
ク生成部100から供給されるシステムクロックを使用
して記録再生時の信号処理を行う。記録再生部123の
出力は、外部ディジタル信号入力端子113を介して、
スイッチ114に入力される。
【0012】ディジタル放送の受信時は、スイッチ11
4の可動接片は、図に示すようにA側に保持され、クロ
ック生成部100、MPEGデコーダ122及び記録再
生部123には、ディジタル放送受信信号が供給され
る。一方、記録再生部123の再生時には、スイッチ1
14の可動接片は、B側に保持され、再生ディジタル信
号がクロック生成部100及びMPEGデコーダ122
に供給される。 図2は、クロック生成部100の構成
を示すブロック図であり、同図において、図4と同様の
部分については同一の番号を付して示している。
【0013】すなわち、クロック生成部100は、受信
したディジタル信号中の当該番組のパケットからPCR
信号を抽出するPCR検出器102と、VCO106
と、VCO106の出力をカウントし、PCR検出器1
02により検出されたPCR信号の時刻標準化位置にお
いてPCR検出器102内で発生されるラッチパルスに
より、カウント値がラッチされるカウンタ107と、P
CR検出器102により解読されたPCR信号のデータ
と、カウンタ107のラッチ出力とを比較し、その比較
結果を例えばPWM信号(パルス幅変調信号)に変換し
て出力する比較回路103と、比較回路103の出力信
号を平滑化するローパスフィルタ104と、ローパスフ
ィルタ104の出力信号をディジタル信号に変換するA
/D変換器110と、A/D変換器110の出力ディジ
タル信号を記憶するメモリ111と、メモリ111から
読み出したディジタル信号をアナログ信号に変換するD
/A変換器112と、スイッチ105とを備えている。
すなわち、このクロック生成部100は、図4の従来の
装置に、A/D変換器110、メモリ111、及びD/
A変換器112が追加された構成を有する。
【0014】ディジタル放送受信時においては、PCR
検出器102には、上述したようにディジタル放送受信
信号が入力される。このとき、スイッチ105の可動接
片はB側に保持され、PLL回路は、図4の装置と同様
に動作する。そして、PLL回路が位相ロックしたこと
が検出されると、ローパスフィルタ104の出力の電圧
値VPLLは、A/D変換器110を介してメモリ11
1に蓄積される。位相ロックしたことの検出は、例えば
A/D変換器110出力のディジタル値をマイクロコン
ピュータで監視し、その変動が所定量よりも少なくなっ
たことをもって位相ロックしたと判定する等の方法で行
う。
【0015】一方記録再生部123の再生時には、スイ
ッチ105の可動接片をB側とした状態でPLL回路が
位相ロックすれば、スイッチ105はそのまま保持さ
れ、VCO106は、LPF104の出力信号で制御さ
れる。ただし、その場合でも、再生されたPCR信号の
精度は十分ではないので、電圧値VPLLの、A/D変
換器110を介したメモリ111への書き込みは行わな
いようにする。また、スイッチ105の可動接片をB側
とした状態でPLL回路が位相ロックしないときは、ス
イッチ105の可動接片はA側に切り換えられ、ディジ
タル放送を受信していた時にメモリ111に蓄積された
電圧値の情報がD/A変換されてアナログ電圧VPLL
Mとされ、VCO106に供給される。
【0016】これにより、再生動作からディジタル放送
受信状態への移行時、すなわちPCR信号の入力開始時
において、PLL回路の位相ロックを迅速に行わせるこ
とが可能となる。
【0017】上述した動作は、ディジタル放送の受信信
号であって周波数変換、誤り訂正などの所定の処理が施
された信号が、入力端子101を介して入力される場合
のものであるが、外部ディジタル入力端子113を介し
て、記録再生部123の再生信号ではなく、例えばディ
ジタルインターフェイス経由で外部から(ディジタル放
送受信信号以外の)ディジタル信号が供給されるように
構成してもよい。その場合には、たとえPCR信号がデ
ィジタル信号の中に入っていたとしても、PCR信号の
精度が十分でない事も考えられる。したがって、このよ
うなことが想定されるときには、スイッチ114の可動
接片がB側に接続されて外部入力からのディジタル信号
を受けているときには、スイッチ105の可動接片はB
側に切り換えられ、PLL回路は入力信号に入っている
PCR信号に位相ロックする様に動作するが、A/D変
換器110を介してのメモリ111への書き込みは行わ
ないようにする。こうすることにより、十分信頼性のあ
る放送受信信号についてのみ制御電圧VPLLの記憶が
行われ、再生状態から放送受信状態への切り換え時に迅
速な引き込み動作を実現することができる。
【0018】なお本発明は上述した実施形態に限るもの
ではなく、種々の変形が可能である。例えば、VCO1
06の制御情報の記憶は、上記の例の様にローパスフィ
ルタ104の出力を記憶する方法に限らず、比較器10
3に入力される2つの入力について放送受信時の典型的
な値を記憶して、非受信時にはそれらの値に応じた信号
を比較器103に供給し続ける方法や、比較器103の
出力のPWM信号等についてパルス幅などのパラメータ
の情報を記憶する等の方法を用いてもよい。
【0019】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1に記載した
発明によれば、基準クロックが、ディジタル放送受信信
号から抽出されたレファレンス情報に位相ロックしてい
るときに、発振手段の制御信号が記憶され、入力信号が
ディジタル放送受信信号である場合には、レファレンス
情報に位相ロックした基準クロックを発振手段が出力
し、入力信号がディジタル放送受信信号でない場合に
は、前記記憶した制御信号に基づき発振手段が基準クロ
ックを出力するので、オフセット調整を行わなくても、
基準クロックを生成するためのレファレンス情報の入力
開始時における発振手段の位相ロック動作を迅速に行う
ことが可能となる。
【0020】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるディジタル放送受
信機一体型記録再生装置の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】図1の装置のクロック生成部の構成を示すブロ
ック図である。
【図3】MPEG2トランスポートストリームの構成を
説明するための図である。
【図4】従来のクロック生成装置の構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
102 PCR検出器(レファレンス情報抽出手段) 103 比較器(制御信号生成手段) 104 ローパスフィルタ(制御信号生成手段) 105 スイッチ 106 電圧制御発振器(発振手段) 107 カウンタ(制御信号生成手段) 110 A/D変換器 111 メモリ(記憶手段) 112 D/A変換器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 5/91 - 5/956 H04N 7/24 - 7/68 H04L 7/033

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力ディジタル信号に含まれるレファレ
    ンス情報を抽出するレファレンス情報抽出手段と、該抽
    出したレファレンス情報に応じて制御信号を生成する制
    御信号生成手段と、前記制御信号に応じて発振周波数が
    制御される発振手段とを備え、前記レファレンス情報に
    位相ロックした基準クロックを出力するように前記発振
    手段を制御するクロック生成装置において、 前記入力ディジタル信号がディジタル放送受信信号であ
    って、かつ前記基準クロックが前記レファレンス情報に
    位相ロックしているときに、前記制御信号を記憶する記
    憶手段を備え、前記入力ディジタル信号がディジタル放
    送受信信号である場合には、前記レファレンス情報に位
    相ロックした基準クロックを前記発振手段が出力し、
    記入力ディジタル信号がディジタル放送受信信号でない
    場合には、前記記憶手段に記憶した制御信号に基づき前
    記発振手段が基準クロックを出力することを特徴とする
    クロック生成装置。
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