JP3092375B2 - 変圧器の巻線構造 - Google Patents

変圧器の巻線構造

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JP3092375B2
JP3092375B2 JP05028357A JP2835793A JP3092375B2 JP 3092375 B2 JP3092375 B2 JP 3092375B2 JP 05028357 A JP05028357 A JP 05028357A JP 2835793 A JP2835793 A JP 2835793A JP 3092375 B2 JP3092375 B2 JP 3092375B2
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政芳 伊藤
雄一 本良
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Fuji Electric Co Ltd
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Fuji Electric Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、低圧巻線と安定巻線
とが同軸に、かつ半径方向に対向して配された変圧器の
巻線構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図3は、従来の変圧器の巻線構造を示す
要部片側断面図である。図3の左端を上下する図示され
ていない中心軸に対して安定巻線1と低圧巻線2とが同
軸に巻回され、半径方向(図3の左右方向)に対向して
配されている。安定巻線1は、絶縁被覆された導線1A
が半径方向に4本重ねられるとともに軸方向に2本並べ
れ、この8本を並列導体1Bとして一体にらせん状に巻
回されている。一方、低圧巻線2も、絶縁被覆された導
線2Aが半径方向に8本重ねられるとともに軸方向に2
本並べられ、この16本を並列導体2Bとしてターン間
にスペーサ41を介して一体にらせん状に巻回されてい
る。安定巻線1と低圧巻線2との間には、巻線間のギャ
ップを埋めるためのコイル間スペーサ31が介装されて
いる。なお、低圧巻線2に同軸に、さらに高圧巻線が配
されているが図示は省略されている。
【0003】安定巻線1は、星形−星形結線、または星
形−千鳥結線変圧器において、星形結線された巻線の零
相インピーダンスを小さくする目的で設けられるもの
で、外部回路には接続されない三角結線の巻線である。
また、安定巻線1や低圧巻線2のように、複数の導線が
一体にらせん状に巻回される構成はヘリカルコイルと称
され、この複数の導線は巻線の終端部で並列接続されて
いる。ヘリカルコイルは大電流が流れる巻線に用いら
れ、巻線の中間位置では導線の転位が施されている。な
お、安定巻線は単一の導線で軸方向に巻回される構成の
円筒コイルが用いられる場合もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たような従来の装置は、コイル間スペーサを巻線間に介
装することがどうしても必要であり、変圧器全体が大き
くなるという問題があった。すなわち、互いに半径方向
に対向し、同軸に配置される2つの巻線は巻枠にてそれ
ぞれ別々に巻回され、しかる後に互いに同軸に嵌挿され
るコイル入れが行われる。コイル入れの際には、予めコ
イル入れ用のギャップが巻線間にないと組み立てること
ができない。したがって、従来は外側の巻線の内径を内
側の巻線の外径より5〜10mm程度大きい目に形成し
ておき、コイル入れの後にコイル間スペーサを軸方向か
ら挿入していた。このスペーサで巻線間のギャップを埋
め、巻線が互いに同軸に固定されるように調整されてい
た。そのために、外側の巻線外径が増大し、その影響で
鉄心やタンクも大きくなり、さらには変圧器全体も大き
くなるという欠点があった。
【0005】この発明の目的は、コイル入れ用のギャッ
プをなくし変圧器全体を小さくすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明によれば、軸方向に互いに同軸に巻回され
た導体よりなる2つの巻線が半径方向に対向して配され
た変圧器の巻線構造であって、2つの巻線の導体同士が
巻き込みスペーサを介して半径方向に重ねられるととも
に、ターン間に共通スペーサを介してらせん状に一体に
巻回されてなるものとする。
【0007】かかる構成において、2つの巻線の導体が
それぞれ複数本の並列導線よりなり、ヘリカルコイルを
形成したものとする、あるいは、2つの巻線の導体のう
ち、一方が単一導線よりなり、円筒コイルを形成し、他
方が複数本の並列導線よりなり、ヘリカルコイルを形成
したものとする。
【0008】
【作用】この発明の構成によれば、2つの巻線の導体同
士を巻き込みスペーサを介して半径方向に重ね、ターン
間に共通スペーサを介してらせん状に一体に巻回する。
巻き込みスペーサで巻線間の絶縁寸法が確保され、2つ
の巻線の導体が同時に巻回され2巻線として組み上が
る。したがって、この構造は、コイル入れ用のギャップ
を必要としないので、その分だけ巻線の外径が小さくな
る。
【0009】かかる構成において、2つの巻線をヘリカ
ルコイル同士、または円筒コイルとヘリカルコイルの組
み合わせにすることによって、安定巻線と低圧巻線とを
備えた変圧器に適用することができる。
【0010】
【実施例】以下この発明を実施例に基づい説明する。図
1はこの発明の実施例にかかる変圧器の巻線構造を示す
要部片側断面図である。並列導体1Bと2Bとが巻き込
みスペーサ3を介して半径方向に重ねられ、ターン間に
共通スペーサ4を介してらせん状に一体に巻回されてい
る。その他の構成は図3の従来の構造と同じである。同
じ部分には同一参照符号を用いることにより詳細な説明
は省略する。
【0011】巻き込みスペーサ3は絶縁片であって、安
定巻線1と低圧巻線2との絶縁寸法を確保するために所
々に介装される。コイル入れ工程がないので、巻線間に
はギャップは不用である。ターン間に共通スペーサ4が
介装されるので、並列導体1Bと2Bとの軸方向長は同
一にしておく。これは、最終的に安定巻線1と低圧巻線
2とが一緒に上下から締め付け処理がなされるからであ
る。導体1A、2Aに含まれる絶縁材の軸方向厚さも各
並列導体で同一にしておく。これによって、巻線を乾燥
処理しても導線1Aと2Aとの絶縁材の厚さの差が生じ
ないので、両者の並列導体1B、2Bの軸方向長も全く
変わらない。
【0012】図2はこの発明の異なる実施例にかかる変
圧器の巻線構造を示す要部片側断面図である。安定巻線
10が1本の導線10Aだけで形成された円筒コイルに
なっている。その他の構成は図1と同じである。この場
合も並列導体2Bと導線10Aとの絶縁材の軸方向厚さ
を同一にするために、導線10Aの片側絶縁被覆厚さは
導線2Aのそれに対して2倍になっている。
【0013】
【発明の効果】この発明は前述のように、2つの巻線が
巻き込みスペーサと共通スペーサとを介して同時に巻回
されて形成された。これによって、コイル入れ用の巻線
間のギャップを予め確保する必要がなくなったので、変
圧器全体が縮小され経済的なメリットが出て来た。さら
に、コイル入れ作業がなくなるとともに、巻線の前締処
理も1回で済むので巻線の製作工数が減る。
【0014】また、2つの巻線をヘリカルコイル同士ま
たは円筒コイルとヘリカルコイルとの組み合わせにする
ことによって、安定巻線と低圧巻線とを備えた変圧器の
全体を縮小化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例にかかる変圧器の巻線構造を
示す要部片側断面図
【図2】この発明の異なる実施例にかかる変圧器の巻線
構造を示す要部片側断面図
【図3】従来の変圧器の巻線構造を示す要部片側断面図
【符号の説明】
1,10:安定巻線、2:低圧巻線、1A,2A,10
A:導線、1B,2B:並列導体、3:巻き込みスペー
サ、4:共通スペーサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 27/28 H01F 27/32

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸方向に互いに同軸に巻回された導体より
    なる2つの巻線が半径方向に対向して配された変圧器の
    巻線構造であって、2つの巻線の導体同士が巻き込みス
    ペーサを介して半径方向に重ねられるとともに、ターン
    間に共通スペーサを介してらせん状に一体に巻回されて
    なることを特徴とする変圧器の巻線構造。
  2. 【請求項2】請求項1記載のものにおいて、2つの巻線
    の導体がそれぞれ複数本の並列導線よりなり、ヘリカル
    コイルを形成したことを特徴とする変圧器の巻線構造。
  3. 【請求項3】請求項1記載のものにおいて、2つの巻線
    の導体のうち、一方が単一導線よりなり、円筒コイルを
    形成し、他方が複数本の並列導線よりなり、ヘリカルコ
    イルを形成したことを特徴とする変圧器の巻線構造。
JP05028357A 1993-02-18 1993-02-18 変圧器の巻線構造 Expired - Lifetime JP3092375B2 (ja)

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JPH06244038A JPH06244038A (ja) 1994-09-02
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