JP3092360B2 - ノイズシェーピング回路 - Google Patents

ノイズシェーピング回路

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JP3092360B2 JP04313061A JP31306192A JP3092360B2 JP 3092360 B2 JP3092360 B2 JP 3092360B2 JP 04313061 A JP04313061 A JP 04313061A JP 31306192 A JP31306192 A JP 31306192A JP 3092360 B2 JP3092360 B2 JP 3092360B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、量子化雑音等のノイズ
の周波数構造を変化させるノイズシェーピング回路に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、1〜3ビットの量子化数で16ビ
ット以上の精度を持つアナログ/ディジタル変換器(A
/D変換器)やディジタル/アナログ変換器(D/A変
換器)が登場してきた。これらは、オーバサンプリング
とノイズシェーピングを用いて、量子化の精度を振幅か
ら時間軸に依存する形を取っている。そして、ノイズシ
ェーピングは量子化器を帰還ループ内に設けることで、
量子化雑音に微分特性即ち高域上がりの特性を与えるも
のであり、オーディオ帯域の量子化雑音を低減し、高い
S/Nが得られる特長を持つ。更に、ノイズシェーピン
グの次数を大きくすると低域でのノイズが減少(同一の
標本化周波数fsで周波数fs/32において次数を1次
から2次にすると−13dB、3次にすると−29d
B、4次にすると−44dBとなる)する。
【0003】ところで、2次以下のノイズシェーピング
は安定に動作するが、3次以上の構成では量子化ステッ
プ数の制約や量子化雑音が量子化器の入力と相関を持つ
ため動作が不安定になる。
【0004】そこで、従来より量子化器の量子化ステッ
プ数を増加させ量子化雑音が入力と無相関になるように
する方法や、雑誌「ラジオ技術」(ラジオ技術社)1989
年2月号pp.88〜pp.97に記載されているようなスタガー
ドデルタ・シグマ(ΔΣ)型のノイズシェーピング回路
を用いた1ビットA/D変換器があった。
【0005】以下に、従来のスタガードΔΣ型のノイズ
シェーピング回路について説明する。
【0006】図5は従来のスタガードΔΣ型のノイズシ
ェーピング回路を用いた1ビットA/D変換器を示すも
のである。51はアナログ信号を入力する入力端子、5
2は積分器、53は積分器52の出力を積分する積分
器、54は積分器53の出力を積分し積分した出力を所
定の出力値で制限するリミッタ付きの積分器、55は積
分器53の出力を増幅する増幅器、56は積分器54の
出力を増幅する増幅器、57は積分器52の出力と増幅
器55及び56の出力を加算する加算器、58は加算器
57の出力を1ビットのディジタル信号に変換するA/
D変換器、59はA/D変換器58の出力信号を出力す
る出力端子、510はA/D変換器58の出力を1標本
化周期遅延させる遅延器、511は入力信号と遅延器5
10の出力を加算する加算器であり、加算器511の出
力は積分器52に入力される。
【0007】図5を用いて、系の安定性について説明す
る。58は1ビットのA/D変換器であり、入力をU、
出力をYとすれば、出力Yは入力Uの符号の正負に応じ
て+1,−1となる。ただし、出力Yの大きさは1であ
る。従って、A/D変換器58で発生する量子化雑音を
Qとすると、A/D変換器58の入出力間の関係式は
(数1)、(数2)となる。
【0008】
【数1】
【0009】
【数2】
【0010】但し、|U|は入力Uの大きさを現す。ま
た、遅延器510の位相回転を無視すると図5の系のオ
ープンループゲインG0(s)は(数3)となる。
【0011】
【数3】
【0012】(数3)の周波数特性を図6に示す。図6
(a)はα=β=1としている。図6(a)より、k<
=1ではゲインが1以下になる周波数において位相が−
180度以上になり不安定となる。即ち|U|が1を越
えると発振が始まりUが増大し、kがどんどん小さくな
り発振を加速する。ここで、β<α<1とするとk=1
では図6(b)となり、位相余裕があるためk=1/3
でも発振は開始しない。kがさらに小さくなると発振が
開始するが、積分器54はリミッタを持ち一定値となる
ため系は2次のノイズシェーピングとなり発振は起こら
ない。
【0013】この従来例は、積分器53及び積分器54
の出力にそれぞれゲインが1未満の増幅器55(ゲイン
α)、56(ゲインβ)を設けて系の位相余裕を大きく
し、更に大きな入力信号に対しては積分器54のリミッ
タで積分器54の出力を一定とすることで系を2次に
し、安定なノイズシェーピング回路の構成を可能として
いる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、3次のノイズシェーピング回路を構成する
のに積分器を3個必要とする。そのため、部品点数が増
えることによるコストアップと言う問題点と、部品から
生じる雑音が増加すると言う問題点とを有していた。
【0015】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、積分器に帰還回路としてn次のハイパスフィルタを
用いることで1個の演算増幅器でn次のノイズシェーピ
ング回路を構成し部品点数及び部品から生じる雑音を減
少させることを可能とすることと、積分器の出力信号の
振幅レベルに応じて積分器の帰還回路であるフィルタの
次数をn次から2次に切り換えることで安定なノイズシ
ェーピング回路を構成することを可能とすることと、ま
た、積分器の出力信号の周波数成分により帰還回路であ
るフィルタの遮断特性を切り換えることで安定なノイズ
シェーピング回路を構成することを可能とするノイズシ
ェーピング回路を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のノイズシェーピング回路は、n次のハイパス
フィルタを帰還回路とした積分手段と、積分手段の出力
信号の振幅レベルを判断するレベル検出手段と、レベル
検出手段の出力に基づきハイパスフィルタの次数を2次
に切り換える切り換え手段と、積分手段の出力であるア
ナログ信号をディジタル信号に変換するアナログ/ディ
ジタル変換手段と、アナログ/ディジタル変換手段によ
り変換されたディジタル信号を1標本化周期遅延させる
遅延手段と、遅延手段により遅延されたディジタル信号
をアナログ信号に変換するディジタル/アナログ変換手
段と、ディジタル/アナログ変換手段の出力を前記積分
手段に帰還する帰還抵抗とを備えた構成を持つ。
【0017】また本発明のノイズシェーピング回路は、
n次のハイパスフィルタを帰還回路とした積分手段と、
積分手段の出力信号の周波数を判断する周波数検出手段
と、周波数検出手段の出力に基づき前記ハイパスフィル
タの遮断特性を切り換える切り換え手段と、積分手段の
出力であるアナログ信号をディジタル信号に変換するア
ナログ/ディジタル変換手段と、アナログ/ディジタル
変換手段により変換されたディジタル信号を1標本化周
期遅延させる遅延手段と、遅延手段により遅延されたデ
ィジタル信号をアナログ信号に変換するディジタル/ア
ナログ変換手段と、ディジタル/アナログ変換手段の出
力を前記積分手段に帰還する帰還抵抗とを備えた構成を
持つ。
【0018】
【作用】本発明は上記した構成により、以下のような作
用をする。即ち、アナログ/ディジタル変換手段は積分
手段の出力であるアナログ信号をディジタル信号に変換
する。遅延手段はアナログ/ディジタル変換手段の出力
を1標本化周期遅延する。遅延手段の出力は帰還抵抗を
通じて積分手段に帰還され入力信号と加算される。この
ような構成でノイズシェーピング回路を構成する。そし
て、積分手段の帰還回路がn次のハイパスフィルタであ
るためn次のノイズシェーピング回路を構成する。更
に、レベル検出手段は積分手段の出力信号の振幅レベル
を検出する。そして、積分手段の出力レベルが所定レベ
ルよりも大きくなると切り換え手段に切り換え信号を出
力する。切り換え手段はレベル検出手段の出力に基づき
積分手段の帰還回路であるハイパスフィルタの次数をn
次から2次に切り換えるようにしている。
【0019】また、本発明は上記した構成により、以下
のような作用をする。即ち、アナログ/ディジタル変換
手段は積分手段の出力であるアナログ信号をディジタル
信号に変換する。遅延手段はアナログ/ディジタル変換
手段の出力を1標本化周期遅延する。遅延手段の出力は
帰還抵抗を通じて積分手段に帰還され入力信号と加算さ
れる。このような構成でノイズシェーピング回路を構成
する。そして、積分手段の帰還回路がn次のハイパスフ
ィルタであるためn次のノイズシェーピング回路を構成
する。更に、周波数検出手段は積分手段の出力信号に所
定の周波数成分を持つ信号を検出する。そして、検出し
たら切り換え手段に切り換え信号を出力する。切り換え
手段は周波数検出手段の出力に基づき積分手段の帰還回
路であるハイパスフィルタの遮断特性を切り換えるよう
にしている。
【0020】
【実施例】以下、本発明の一実施例について、図面を参
照しながら説明する。
【0021】図1は本発明の第1の実施例におけるノイ
ズシェーピング回路のブロック図を示す。図1におい
て、1はアナログ信号を入力する入力端子、2は入力抵
抗、3は演算増幅器、4はn次のハイパスフィルタ、5
は演算増幅器3の出力信号をディジタル信号に変換する
A/D変換器、6はA/D変換器5の出力信号を出力す
る出力端子、7はA/D変換器5の出力信号を1標本化
周期遅延させる遅延器、8は遅延器7の出力であるディ
ジタル信号をアナログ信号に変換するD/A変換器、9
はD/A変換器8の出力信号を演算増幅器3に帰還する
帰還抵抗、10は演算増幅器3の出力信号の振幅レベル
が所定のレベル以上であるかを検出するレベル検出器、
11はレベル検出器10の出力に基づきハイパスフィル
タ4の次数をn次から2次に切り換える切り換え器であ
る。
【0022】このように構成された本実施例の第1のノ
イズシェーピング回路について、以下その動作について
説明する。入力端子1から入力されたアナログ信号は、
ハイパスフィルタ4を帰還回路とする入力抵抗2、演算
増幅器3及びハイパスフィルタ4からなる積分器に入力
される。A/D変換器5は演算増幅器3の出力をディジ
タル信号に変換し、出力端子6に出力する。遅延器7は
A/D変換器5の出力信号であるディジタル信号を1標
本化周期Ts遅延する。D/A変換器8は遅延器7の出
力即ちA/D変換器5が出力するディジタル信号を1標
本化周期遅延した信号をアナログ信号に変換する。そし
て、D/A変換器8の出力は帰還抵抗9を通じて演算増
幅器3に帰還される。ハイパスフィルタ4の次数はn次
であるため、全体としてはn次のノイズシェーピング回
路を構成する。ところで、3次以上のノイズシェーピン
グ回路はA/D変換器5の量子化ステップが大きくない
とA/D変換器5で発生した量子化雑音は入力信号と相
関を持つため入力信号の振幅レベルが大きくなると不安
定になり発振する。そこで、レベル検出器10は演算増
幅器3の出力信号の振幅レベルが所定のレベル(ノイズ
シェーピング回路が不安定になる信号レベル)以上であ
ることを検出する。そして、切り換え器11はレベル検
出器10の出力に基づきハイパスフィルタ4の次数をn
次から2次に切り換える。つまり、n次のノイズシェー
ピング回路から2次のノイズシェーピング回路に切り換
わることになる。また、2次のノイズシェーピング回路
はA/D変換器5の量子化ステップに関係なく安定であ
る。そのため、本実施例は安定となる。
【0023】図2は第1の実施例の具体的な回路の一例
であり、21はアナログ信号を入力する入力端子、22
は抵抗器R1、23は演算増幅器、24はコンデンサ
1、25はコンデンサC2、26はコンデンサC3、2
7は抵抗器R3、28は抵抗器R4、29はダイオードD
1,210はダイオードD2,211はコンパレータ、2
12は出力端子、213はD型フリップフロップ(D・
FF)、214はサンプリングクロックを入力する入力
端子、215は抵抗器R2である。
【0024】以上のように構成した具体的な回路例につ
いて説明する。ここでは、ハイパスフィルタ4の次数を
3次(n=3)として説明する。
【0025】コンデンサ24〜26、抵抗器27,28
は3次のハイパスフィルタ4を構成する。そして、この
ハイパスフィルタ4を帰還回路として抵抗器22と演算
増幅器23とで積分器を構成し、入力端子21から入力
される入力信号と抵抗215を通じて入力される帰還信
号との和を積分する。コンパレータ211は演算増幅器
23の出力信号の符号の正負を判定する。即ち、コンパ
レータ211は演算増幅器23の出力であるアナログ信
号をディジタル信号に変換する1ビットのA/D変換器
である。変換されたディジタル信号は出力端子212か
ら出力される。また、D・FF213は入力端子214
から入力されるサンプリングクロック(fs)に基づ
き、コンパレータ211が出力するディジタル信号を1
標本化周期(Ts=1/fs)遅延する。そして、D・F
F213が出力するディジタル信号は二値信号であるた
めD/A変換器8は必要ない。そして、抵抗215を通
じて演算増幅器23に帰還される。
【0026】以上の構成で、3次のノイズシェーピング
回路を構成する。入力信号をx、出力信号をy、コンパ
レータ211で発生する量子化雑音をQとしたときの入
出力間の関係式は(数4)となる。
【0027】
【数4】
【0028】但し、(数5),(数6),(数7)を条
件とする。
【0029】
【数5】
【0030】
【数6】
【0031】
【数7】
【0032】ところで、図2に示したノイズシェーピン
グ回路は次数が3次でA/D変換器の量子化数が1ビッ
トであるため、演算増幅器23の出力信号がコンパレー
タ211の出力レベルを越えると発振が始まる。しか
し、演算増幅器23の出力信号レベルがコンパレータ2
11の出力レベルに等しくなる前にダイオード29,2
10が導通する。更に、ダイオード29,210はコン
デンサ26に並列に接続されているため、ダイオード2
9,210が導通することによりコンデンサ26は短絡
されハイパスフィルタ4は次数が3次から2次に変化す
る。つまり、ダイオード29,210は演算増幅器23
の出力信号レベルが所定レベル以上であるかを検出する
レベル検出器10とハイパスフィルタ4の次数を切り換
える切り換え器11の役割を持っている。従って、演算
増幅器23の出力信号レベルがコンパレータ211の出
力レベルを越える場合、2次のノイズシェーピング回路
となるため本ノイズシェーピング回路は発振しない。な
お、この具体的な回路例では、演算増幅器23の出力レ
ベルを検出する判断の基準レベルをダイオード1個分の
順方向電圧(0.6V)としたが、ダイオードを複数個
直列に接続することで基準レベルを簡単に変更できる。
【0033】以上のように、本発明の第1の実施例で
は、積分器を構成する帰還回路にn次のハイパスフィル
タを用いることで演算増幅器1つでn次のノイズシェー
ピング回路を構成している。さらに、ノイズシェーピン
グ回路の発振をレベル検出器が積分器の出力信号の振幅
レベルを検出し、発振を開始する電圧に達する前にハイ
パスフィルタの次数をn次から2次に切り換えノイズシ
ェーピング回路の次数を2次にして発振を回避してい
る。
【0034】図3は本発明の第2の実施例におけるノイ
ズシェーピング回路のブロック図を示す。図3におい
て、31はアナログ信号を入力する入力端子、32は入
力抵抗、33は演算増幅器、34はn次のハイパスフィ
ルタ、35は演算増幅器33の出力信号をディジタル信
号に変換するA/D変換器、36はA/D変換器35の
出力信号を出力する出力端子、37はA/D変換器35
の出力信号を1標本化周期遅延させる遅延器、38は遅
延器37の出力であるディジタル信号をアナログ信号に
変換するD/A変換器、39はD/A変換器38の出力
信号を演算増幅器33に帰還する帰還抵抗、310は演
算増幅器33の出力信号に所定の周波数(低域)成分を
持つ信号が存在するかを検出する周波数検出器、311
は周波数検出器310の出力に基づきハイパスフィルタ
34の遮断特性を切り換える切り換え器である。
【0035】このように構成された本実施例の第2のノ
イズシェーピング回路について、以下その動作について
説明する。入力端子31から入力されたアナログ信号
は、ハイパスフィルタ34を帰還回路とする入力抵抗3
2、演算増幅器33及びハイパスフィルタ34からなる
積分器に入力される。A/D変換器35は演算増幅器3
3の出力をディジタル信号に変換し、出力端子36に出
力する。遅延器37はA/D変換器35の出力信号であ
るディジタル信号を1標本化周期Ts遅延する。D/A
変換器38は遅延器37の出力即ちA/D変換器35が
出力するディジタル信号を1標本化周期遅延した信号を
アナログ信号に変換する。そして、D/A変換器38の
出力は帰還抵抗39を通じて演算増幅器33に帰還され
る。ハイパスフィルタ34の次数はn次であるため、全
体としてはn次のノイズシェーピング回路を構成する。
ところで、3次以上のノイズシェーピング回路はA/D
変換器35の量子化ステップが大きくないとA/D変換
器35で発生した量子化雑音が入力信号と相関を持つた
め入力信号の振幅レベルが大きくなると不安定になり発
振する。そこで、周波数検出器310は演算増幅器33
の出力信号に所定の周波数(ハイパスフィルタ34で大
きく減衰される周波数)成分の信号(この周波数では、
ハイパスフィルタ34で大きく減衰されるため帰還量が
減り、ゲインが大きくなる。そのため、ノイズシェーピ
ング回路は不安定になる。)が存在するかを検出する。
そして、切り換え器311は周波数検出器310の出力
に基づきハイパスフィルタ34の遮断特性を切り換え
る。つまり、演算増幅器の33の出力信号にノイズシェ
ーピング回路を不安定にする周波数成分の信号が存在す
る場合、ハイパスフィルタの遮断特性を変化させ、即ち
系を不安定にする周波数成分の帰還量を小さくする。そ
のため、本実施例は安定となる。
【0036】図4は第2の実施例の具体的な回路の一例
であり、41はアナログ信号を入力する入力端子、42
は抵抗器R1、43は演算増幅器、44はコンデンサ
1、45はコンデンサC2、46はコンデンサC3、4
7はコンデンサC4、48は抵抗器R3、49は抵抗器R
4、410はコンパレータ、411は出力端子、412
はD型フリップフロップ(D・FF)、413はサンプ
リングクロックを入力する入力端子、414は抵抗器R
2である。
【0037】以上のように構成した具体的な回路例につ
いて説明する。ここでハイパスフィルタ34の次数を3
次(n=3)として説明する。
【0038】コンデンサ44〜47、抵抗器48,49
は3次のハイパスフィルタ34を構成する。そして、こ
のハイパスフィルタ34を帰還回路として抵抗器42と
演算増幅器43とで積分器を構成し、入力端子41から
入力される入力信号と抵抗414を通じて入力される帰
還信号との和を積分する。コンパレータ410は演算増
幅器43の出力信号の符号の正負を判定する。即ち、コ
ンパレータ410は演算増幅器43の出力であるアナロ
グ信号をディジタル信号に変換する1ビットのA/D変
換器である。変換されたディジタル信号は出力端子41
1から出力される。また、D・FF412は入力端子4
13から入力されるサンプリングクロック(fs)に基
づき、コンパレータ410が出力するディジタル信号を
1標本化周期(Ts=1/fs)遅延する。そして、D・
FF412が出力するディジタル信号は二値信号である
ためD/A変換器38は必要ない。そして、抵抗414
を通じて演算増幅器43に帰還される。
【0039】以上の構成で、コンデンサ47のインピー
ダンス(1/sC4)が充分小さい周波数においては3
次のノイズシェーピング回路を構成する。そして、入出
力間の関係式は(数4)と等しい。
【0040】ところで、図4に示したノイズシェーピン
グ回路は次数が3次でA/D変換器の量子化数が1ビッ
トであるため、演算増幅器43の出力信号がコンパレー
タ410の出力レベルを越えると発振が始まる。しかも
演算増幅器43の帰還回路はハイパスフィルタであり低
域の帰還量が少ない。そのため、低域のゲインが高くな
る。つまり、演算増幅器43の出力は低域成分の信号レ
ベルが大きい。よって、発振を防止するには低域のゲイ
ンを低下させれば良いことがわかる。低域でのゲインを
制御する、つまりハイパスフィルタの低域での遮断特性
を制御するのは、コンデンサ47である。コンデンサ4
7のインピーダンスが(数8)のとき、全体は3次のノ
イズシェーピング回路となり、(数4)となる。また、
コンデンサ47のインピーダンスが(数9)のとき、2
次のノイズシェーピング回路と近似され、(数10)と
なる。
【0041】
【数8】
【0042】
【数9】
【0043】
【数10】
【0044】即ち、コンデンサ47は周波数検出器31
0及び切り換え器311の機能を持っている。コンデン
サ47は演算増幅器43の出力信号の周波数によりイン
ピーダンスが変化し、ハイパスフィルタの遮断特性が変
化する。つまり、次数が3次(高域)から2次(低域)
に変化する。そのため、演算増幅器43の出力がコンパ
レータ410の出力レベルを越えても図4に示したノイ
ズシェーピング回路は安定である。
【0045】以上のように、本発明の第2の実施例で
は、積分器を構成する帰還回路にn次のハイパスフィル
タを用いることで演算増幅器1つでn次のノイズシェー
ピング回路を構成している。また、積分器の帰還回路は
ハイパスフィルタのため低域のゲインは高い。そのた
め、3次のノイズシェーピング回路は低域で発振する。
そこで、周波数検出器は積分器の出力信号に低域周波数
成分を持つ信号を検出し、ハイパスフィルタの低域での
遮断特性を変化させ、信号レベルが発振を開始する電圧
にならないように積分器の低域のゲインを制御する。こ
のようにして発振を回避している。
【0046】
【発明の効果】以上のように本発明は、積分器を構成す
る帰還回路にn次のハイパスフィルタを用いることで演
算増幅器1つでn次のノイズシェーピング回路を構成で
きるため、部品点数及び部品から生じる雑音を減少させ
ることを可能とする効果が得られる。
【0047】また、3次以上のノイズシェーピング回路
が発振するのを、積分器の出力信号の振幅レベルに応じ
て積分器の帰還回路であるフィルタの次数をn次から2
次に切り換えることで安定なノイズシェーピング回路を
構成することを可能とする効果が得られる。
【0048】更に、3次以上のノイズシェーピング回路
が発振するのを、積分器の出力信号の周波数成分により
帰還回路であるフィルタの遮断特性を切り換える即ち積
分器のゲインを制御することで安定なノイズシェーピン
グ回路を構成することを可能とする効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例におけるノイズシェーピ
ング回路の構成を示すブロック図
【図2】同第1の実施例のノイズシェーピング回路の具
体的な構成を示す回路図
【図3】本発明の第2の実施例におけるノイズシェーピ
ング回路の構成を示すブロック図
【図4】同第2の実施例のノイズシェーピング回路の具
体的な構成を示す回路図
【図5】従来のノイズシェーピング回路の構成を示すブ
ロック図
【図6】同従来例の動作を説明する動作説明図
【符号の説明】
1,31 入力端子 2,32 入力抵抗 3,33 演算増幅器 4,34 ハイパスフィルタ 5,35 A/D変換器 6,36 出力端子 7,37 遅延器 8,38 D/A変換器 9,39 帰還抵抗 10 レベル検出器 11,311 切り換え器 310 周波数検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−96018(JP,A) 特開 平5−110442(JP,A) 特開 平4−320111(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03M 3/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 n次のハイパスフィルタを帰還回路とし
    た積分手段と、 前記積分手段の出力信号の振幅レベルを判断するレベル
    検出手段と、 前記レベル検出手段の出力に基づき前記ハイパスフィル
    タの次数を2次に切り換える切り換え手段と、 前記積分手段の出力であるアナログ信号をディジタル信
    号に変換するアナログ/ディジタル変換手段と、 前記アナログ/ディジタル変換手段により変換されたデ
    ィジタル信号を1標本化周期遅延させる遅延手段と、 前記遅延手段により遅延されたディジタル信号をアナロ
    グ信号に変換するディジタル/アナログ変換手段と、 前記ディジタル/アナログ変換手段の出力を前記積分手
    段に帰還する帰還抵抗とを備えたことを特徴とするノイ
    ズシェーピング回路。
  2. 【請求項2】 n次のハイパスフィルタを帰還回路とし
    た積分手段と、 前記積分手段の出力信号の周波数を判断する周波数検出
    手段と、 前記周波数検出手段の出力に基づき前記ハイパスフィル
    タの遮断特性を切り換える切り換え手段と、 前記積分手段の出力であるアナログ信号をディジタル信
    号に変換するアナログ/ディジタル変換手段と、 前記アナログ/ディジタル変換手段により変換されたデ
    ィジタル信号を1標本化周期遅延させる遅延手段と、 前記遅延手段により遅延されたディジタル信号をアナロ
    グ信号に変換するディジタル/アナログ変換手段と、 前記ディジタル/アナログ変換手段の出力を前記積分手
    段に帰還する帰還抵抗とを備えたことを特徴とするノイ
    ズシェーピング回路。
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