JP3092358B2 - 片側ピストン式可変容量圧縮機におけるクラッチレス構造 - Google Patents

片側ピストン式可変容量圧縮機におけるクラッチレス構造

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JP3092358B2
JP3092358B2 JP04295424A JP29542492A JP3092358B2 JP 3092358 B2 JP3092358 B2 JP 3092358B2 JP 04295424 A JP04295424 A JP 04295424A JP 29542492 A JP29542492 A JP 29542492A JP 3092358 B2 JP3092358 B2 JP 3092358B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転軸に傾動可能に支
持された斜板の回転運動を片頭ピストンの往復直線運動
に変換すると共に、クランク室内の圧力と吸入圧との片
頭ピストンを介した差により斜板の傾角を制御する片側
ピストン式可変容量圧縮機におけるクラッチレス構造に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】特開昭59−150988号公報及び特
開昭61−55380号公報に開示される可変容量型揺
動斜板式圧縮機では、外部駆動源と圧縮機の回転軸との
間の動力伝達の連結及び遮断を行なう電磁クラッチを使
用していない。電磁クラッチを無くせば、特に車両搭載
形態ではそのON−OFFのショックによる体感フィー
リングの悪さの欠点を解消できると共に、圧縮機全体の
重量減、コスト減が可能となる。
【0003】前記各公報に開示される可変容量型揺動斜
板式圧縮機ではいずれも、斜板を収容するクランク室内
の圧力を急激に高めて斜板傾角を0°近くにもってゆ
き、吐出容量を零近くに落とすようになっている。この
吐出容量の急激な低下により圧縮機における負荷が急激
に低下する。圧縮機を車両に搭載している場合には、車
両の加速時、登坂時に車両エンジン出力全てを車両の駆
動に振り向けるのが望ましく、このような場合に圧縮機
における負荷の急激な低減が行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来装置では圧縮機における負荷を急激に低下させた場合
の斜板傾角は零ではなく、吐出容量はある程度残されて
いる。そのため、クラッチ装着の圧縮機におけるクラッ
チOFF時の圧縮機無負荷には及ばない。
【0005】本発明は、クラッチ装着の圧縮機における
クラッチOFF時の圧縮機無負荷に匹敵する状態を達成
し得るクラッチレス構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】そのために本発明では、
クランク室、吸入室、吐出室及びこれら各室を接続する
シリンダボアを区画形成し、シリンダボア内に片頭ピス
トンを往復直線運動可能に収容するハウジング内の回転
軸上に斜板支持体をスライド可能に支持し、この斜板支
持体上に斜板を傾動可能に支持すると共に、回転軸上の
回転支持体に斜板を傾動可能に連係し、クランク室内の
圧力と吸入圧との片頭ピストンを介した差により斜板の
傾角を制御する片側ピストン式可変容量圧縮機を対象と
し、第1の発明では、外部制御信号発生器から出力され
る外部制御信号に基づいてクランク室内の圧力を変更し
て斜板傾角を零にする傾角強制変更手段と、前記回転軸
上にて斜板傾角零となる位置にある斜板支持体を斜板の
傾角増大方向へ移動する斜板傾角復帰手段とを備え、吐
出圧領域に通じる吐出圧導入ポートと、吸入圧領域に通
じる吸入圧導入ポートと、クランク室に通じる制御ポー
トと、吐出圧導入ポートと制御ポートとを接続する弁孔
を開閉する弁体と、弁孔を閉塞する方向へ弁体を付勢す
る復帰ばねと、吸入圧によって前記弁体を弁孔開放方向
へ付勢する感圧体と、前記弁体を弁孔開放方向へ付勢す
る方向へ感圧体を駆動する電磁ソレノイドとにより前記
傾角強制変更手段を構成した。
【0007】第2の発明では、片頭ピストンを収容する
シリンダブロックに収容されると共に、回転軸に対して
スライド可能かつ回転軸を相対回転可能に支持するスプ
ールと、このスプールを斜板から離間する方向へ付勢す
る弾性手段と、この弾性手段に対抗する方向へスプール
を駆動する電磁ソレノイドとにより斜板傾角復帰手段を
構成した。
【0008】
【作用】空調装置スイッチ、外部冷媒回路上の蒸発器の
出口温度センサ、外気温センサ、アクセルスイッチ、圧
縮機のロックセンサ等が外部制御信号発生器となる。こ
のような外部制御信号発生器から外部制御信号が出力さ
れると、傾角強制変更手段がクランク室内の圧力を急激
に上昇させる。この昇圧により斜板傾角が零へ移行し、
圧縮機無負荷状態となる。圧縮機無負荷状態では斜板支
持体は斜板傾角零となる位置にある。斜板傾角零となる
位置にある斜板支持体は、斜板傾角復帰手段を作動させ
ると斜板傾角増大方向へ移動し、斜板傾角が0°よりも
大きくなる。圧縮機の運転再開はこの状態から始まる。
【0009】傾角強制変更手段を構成する電磁ソレノイ
ドが外部制御信号発生器からの外部制御信号の出力によ
り励磁される。電磁ソレノイドの励磁により弁体の弁開
度が最大となり、クランク室内の圧力が急激に上昇す
る。通常の圧縮機運転時には電磁ソレノイドは消磁状態
にある。電磁ソレノイドの消磁状態では、吸入圧の圧力
変動によって感圧体が変動し、弁体の弁開度が制御され
る。この弁開度制御によりクランク室内の圧力が吸入圧
の変動に応じて制御され、斜板の傾角制御が行われる。
【0010】第2の発明の斜板傾角復帰手段では、スプ
ールが電磁ソレノイドの励磁により弾性手段の付勢作用
に抗して移動し、斜板傾角零となる位置にある斜板支持
体がスプールによって斜板傾角増大方向へ押される。こ
の移動により斜板が傾角零から傾く。
【0011】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図1〜
図7に基づいて説明する。図1に示すように圧縮機全体
のハウジングの一部となるシリンダブロック1の前端に
はフロントハウジング2が接合されている。シリンダブ
ロック1の後端にはリヤハウジング3がバルブプレート
16、弁形成プレート17A,17B及びリテーナ形成
プレート18を介して接合固定されている。フロントハ
ウジング2内にはアンギュラベアリング4が取り付けら
れている。アンギュラベアリング4には回転支持体5が
支持されており、回転支持体5には回転軸6が止着され
ている。アンギュラベアリング4は回転軸6に作用する
スラスト方向の荷重及びラジアル方向の荷重の両方を回
転支持体5を介して受け止める。
【0012】回転軸6の前端はクランク室2aからフロ
ントハウジング2を介して外部へ突出しており、この突
出端部にはプーリ7が螺着されている。プーリ7はベル
ト7aを介して車両エンジンに作動連結されている。回
転軸6の前端部とフロントハウジング2との間にはリッ
プシール53が介在されている。リップシール53はク
ランク室2a内の圧力洩れを防止する。
【0013】シリンダブロック1の中心部にはスプール
8が回転軸6の軸線方向へスライド可能に嵌入収容され
ている。スプール8は、大径筒部8aと小径筒部8bと
からなり、回転軸6の後端部が大径筒部8a内に突入し
ている。この突入端部はラジアルベアリング9を介して
スプール8に回転可能に支持されている。ラジアルベア
リング9は回転軸6に対してスライド可能である。小径
筒部8bの内端と回転軸6の後端との間には復帰ばね2
1が介在されており、スプール8は復帰ばね21のばね
作用によってバルブプレート16に常には押接されてい
る。スプール8がバルブプレート16に接している場合
には大径筒部8aの端面はシリンダブロック1の端面に
一致する。
【0014】リヤハウジング3には傾角復帰用電磁ソレ
ノイド36が収容されている。傾角復帰用電磁ソレノイ
ド36の励磁によって固定鉄芯37側に吸着される可動
鉄芯38はバルブプレート16に当接しているスプール
8をバルブプレート16から離間する。スプール8がバ
ルブプレート16から離間した場合には大径筒部8aの
端面はシリンダブロック1の端面からクランク室2aへ
突出する。
【0015】回転軸6には球面状の斜板支持体10がス
ライド可能に支持されており、斜板支持体10には斜板
11が回転軸6の軸線方向へ傾動可能に支持されてい
る。斜板11には連結片12A,12Bが止着されてい
る。図2に示すように連結片12A,12Bには一対の
ガイドピン13,14が止着されている。回転支持体5
には支持アーム5aが突設されている。図2に示すよう
に支持アーム5aには支持ピン15が回動可能かつ回転
軸6に対して直角を成す方向へ貫通支持されている。一
対のガイドピン13,14は支持ピン15の両端部にス
ライド可能に嵌入されている。支持アーム5a上の支持
ピン15と一対のガイドピン13,14との連係により
斜板11が斜板支持体10を中心に回転軸6の軸線方向
へ傾動可能かつ回転軸6と一体的に回転可能である。斜
板11の傾動は、支持ピン15とガイドピン12,13
とのスライドガイド関係、斜板支持体10のスライド作
用及び斜板支持体10の支持作用により案内される。
【0016】斜板11の最大傾角は回転支持体5の傾角
規制突部5bと斜板11との当接によって規制される。
又、斜板11の最小傾角はスプール8と斜板支持体10
との当接によって規制される。スプール8がバルブプレ
ート16に当接しているときの斜板11の最小傾角は0
°となる。
【0017】クランク室2aに接続するようにシリンダ
ブロック1に貫設されたシリンダボア1a内には片頭ピ
ストン19が収容されている。片頭ピストン19の首部
19aには一対のシュー20が嵌入されている。斜板1
1の周縁部は両シュー20間に入り込み、斜板11の両
面には両シュー20の端面が接する。従って、斜板11
の回転運動がシュー20を介して片頭ピストン19の前
後往復揺動に変換され、片頭ピストン19がシリンダボ
ア1a内を前後動する。
【0018】リヤハウジング3内には吸入室3a及び吐
出室3bが区画形成されている。バルブプレート16上
には吸入ポート16a及び吐出ポート16bが形成され
ており、弁形成プレート17上には吸入弁17a及び吐
出弁17bが形成されている。吸入室3a内の冷媒ガス
は片頭ピストン19の復動動作により吸入ポート16a
から吸入ポート17aを押し退けてシリンダボア1a内
へ流入する。シリンダボア1a内へ流入した冷媒ガスは
片頭ピストン19の往動動作により吐出ポート16bか
ら吐出弁17bを押し退けて吐出室3bへ吐出される。
吐出弁17bはリテーナ形成プレート18上のリテーナ
18aに当接して開度規制される。
【0019】片頭ピストン19のストロークはクランク
室2a内の圧力とシリンダボア1a内の吸入圧との片頭
ピストン19を介した差圧に応じて変わる。即ち、圧縮
容量を左右する斜板11の傾角が変化する。クランク室
2a内の圧力はシリンダブロック1及びフロントハウジ
ング2の下壁に取り付けられた制御弁22により制御さ
れる。クランク室2aと吸入室3aとは絞り通路1bを
介して連通している。
【0020】図4及び図6に基づいて制御弁22の内部
構成を説明する。ソレノイドハウジング23にはソレノ
イド24及び固定鉄芯25が収容固定されている。固定
鉄芯25の中心軸線上にはガイドロッド26がスライド
可能に貫通支持されている。ガイドロッド26には可動
鉄芯27が止着されており、ガイドロッド26のガイド
作用により固定鉄芯25に対して接離可能である。可動
鉄芯27の移動範囲は固定鉄芯25とソレノイドハウジ
ング23のばね受け23aとの間に規制される。ガイド
ロッド26の一端にはばね受け26aが形成されてお
り、ばね受け26aとソレノイドハウジング23の端壁
23bとの間には弁開放強制ばね49が介在されてい
る。可動鉄芯27は弁開放強制ばね49のばね作用によ
って固定鉄芯25から離間する方向へ付勢されている。
【0021】ソレノイドハウジング23にはバルブハウ
ジング28が結合固定されており、バルブハウジング2
8内には球状の弁体29が収容されている。バルブハウ
ジング28には吐出圧導入ポート28a、吸入圧導入ポ
ート28b及び制御ポート28cが設けられている。吐
出圧導入ポート28aは吐出圧導入通路30を介して吐
出室3bに連通しており、吸入圧導入ポート28bは吸
入圧導入通路31を介して吸入室3aに連通している。
制御ポート28cは制御通路32を介してクランク室2
aに連通している。
【0022】バルブハウジング28の端壁と弁体29と
の間には復帰ばね33が介在されており、弁体29は弁
孔28dを閉塞する方向へ復帰ばね33のばね作用を受
ける。弁孔28dが閉塞されると吐出圧導入ポート28
aと制御ポート28cとの連通が遮断される。
【0023】ソレノイドハウジング23とバルブハウジ
ング28との間にはダイヤフラム34が介在されてい
る。バルブハウジング28内には押圧ロッド35が吸入
圧導入ポート28bと制御ポート28cとを常に遮断す
るようにスライド可能に収容されている。押圧ロッド3
5の一端はダイヤフラム34に止着されている。ばね受
け23aとダイヤフラム34との間には押圧ばね50が
介在されている。押圧ばね50はダイヤフラム34を介
して吸入圧力に対抗する。押圧ロッド35は押圧ばね5
0のばね作用によって常に弁体29に当接している。
【0024】図4に示すように弁体29が弁孔28dを
閉塞しており、かつ可動鉄芯27が固定鉄芯25に接し
ている状態、即ちソレノイド24が励磁状態では、ガイ
ドロッド26はダイヤフラム34から僅かに離間してい
る。ソレノイド24が消磁しているときには、図6に示
すように可動鉄芯27が弁開放強制ばね49のばね作用
によってばね受け23aに当接する。この当接状態では
ガイドロッド26が押圧ロッド35を弁体29側に押し
ており、弁体29の弁開度が最大となる。
【0025】ソレノイド24及び傾角復帰用電磁ソレノ
イド36はいずれも制御コンピュータCによって励消磁
制御される。フロントハウジング2内には回転検出器3
9が設置されている。回転検出器39は回転支持体5の
回転を検出しており、この検出信号は制御コンピュータ
Cに送られる。制御コンピュータCは回転検出器39か
ら回転停止検出信号を得るとソレノイド24及び傾角復
帰用電磁ソレノイド36の消磁を指令する。
【0026】吸入室3a内へ冷媒ガスを導入する導入口
1dと、吐出室3bから冷媒ガスを排出する排出口とは
外部冷媒回路40で接続されている。外部冷媒回路40
上には凝縮器41、膨張弁42及び蒸発器43が介在さ
れている。膨張弁42は蒸発器43の出口側のガス圧の
変動に応じて冷媒流量を制御する。
【0027】蒸発器43の出口側には温度センサ44が
設置されている。温度センサ44は蒸発器43の出口側
温度を検出しており、この検出信号は制御コンピュータ
Cに送られる。制御コンピュータCは温度センサ44か
ら所定温度以下の温度検出情報を得るとソレノイド24
及び傾角復帰用電磁ソレノイド36の消磁を指令する。
【0028】制御コンピュータCには空調装置作動スイ
ッチ45、空調装置停止スイッチ46、アクセルスイッ
チ47及び外気温センサ48が信号接続されている。制
御コンピュータCは空調装置作動スイッチ45のON及
びアクセルスイッチ47のOFFによってソレノイド2
4及び傾角復帰用電磁ソレノイド36の励磁を指令す
る。又、制御コンピュータCは、空調装置停止スイッチ
46及びアクセルスイッチ47のONによってソレノイ
ド24及び傾角復帰用電磁ソレノイド36の消磁を指令
する。さらに制御コンピュータCは外気温センサ48か
ら所定温度以下の温度検出情報を得るとソレノイド24
及び傾角復帰用電磁ソレノイド36の消磁を指令する。
【0029】図1の状態では空調装置作動スイッチ45
がONしており、ソレノイド24及び傾角復帰用電磁ソ
レノイド36はいずれも励磁状態にある。ソレノイド2
4の励磁状態では可動鉄芯27が固定鉄芯25に吸着さ
れており、ガイドロッド26がダイヤフラム34から離
間している。この離間状態のもとにダイヤフラム34が
吸入圧導入ポート28bから導入される吸入圧力の変動
に応じて変位し、この変位が押圧ロッド35を介して弁
体29に伝えられる。吸入圧力が高い(冷房負荷が大き
い)場合には、ダイヤフラム34が押圧ばね50のばね
作用に抗してガイドロッド26側へ撓み変形し、弁体2
9の弁開度が小さくなる。クランク室2a内の圧力が吸
入圧力より高い場合にはクランク室2a内の冷媒ガスは
絞り通路1bを経由して吸入室3aへ流出している。従
って、弁体29の弁開度が小さくなればクランク室2a
内の圧力が低下し、斜板傾角が大きくなる。逆に、吸入
圧力が低い(冷房負荷が小さい)場合には、ダイヤフラ
ム34が押圧ばね50のばね作用によって弁体29側へ
撓み変形し、弁体29の弁開度が大きくなる。従って、
クランク室2a内の圧力が上昇し、斜板傾角が小さくな
る。
【0030】傾角復帰用電磁ソレノイド36が励磁して
いるため、スプール8がバルブプレート16から離間し
ており、スプール8の大径筒部8aの端面がクランク室
2a内に突出している。従って、斜板11の傾角は、傾
角規制突部5bに当接する最大傾角位置と、斜板支持体
10がスプール8に当接する最小傾角位置との間に規制
される。即ち、斜板11のこの傾角範囲内で吐出容量が
制御され、吐出容量が零になることはない。
【0031】制御コンピュータCは、回転検出器39か
らの回転停止検出信号、温度センサ44からの所定温度
以下の検出信号、空調装置停止スイッチ46からのON
信号、アクセルスイッチ47からのON信号あるいは外
気温センサ48からの所定温度以下の検出信号に基づい
てソレノイド24及び傾角復帰用電磁ソレノイド36を
消磁する。即ち、これら各検出信号は、クランク室内の
圧力を変更して斜板傾角を零にする傾角強制変更手段と
なる制御弁22に対する外部制御信号となる。そして、
回転検出器39、温度センサ44、空調装置停止スイッ
チ46、アクセルスイッチ47あるいは外気温センサ4
8が外部制御信号発生器となる。
【0032】ソレノイド24が消磁すると可動鉄芯27
が弁開放強制ばね49のばね作用により固定鉄芯25か
ら離間してばね受け23aに当接する。この可動鉄芯2
7の移動により弁体29の弁開度が最大となり、クラン
ク室2a内の圧力が急激に上昇する。又、傾角復帰用電
磁ソレノイド36が消磁すると、スプール8が復帰ばね
21のばね作用によってバルブプレート16に移動当接
する。この移動当接により大径筒部8aの端面がシリン
ダブロック1の端面に一致する。従って、図5に示すよ
うにクランク室2a内の急激な昇圧及スプール8の移動
により斜板11の傾角が直ちに0°となる。従って、吐
出容量は零となり、クラッチ装着式の圧縮機においてク
ラッチを遮断したときの圧縮機無負荷状態と同じ状態が
得られる。この圧縮機無負荷状態によって車両用エンジ
ンの全出力が車両駆動に向けられる。
【0033】斜板11の傾角が0°となった状態で圧縮
機を運転しても吐出容量が零となるため、圧縮機内及び
外部冷媒回路内の冷媒ガス圧は均一になる。そのため、
クランク室2a内の圧力を低下させて斜板11を傾ける
ことはできない。本実施例では傾角復帰用電磁ソレノイ
ド36を励磁することによって斜板11が傾けられる。
【0034】空調装置作動スイッチ45がONしている
とき、制御コンピュータCは、温度センサ44からの所
定温度以上の検出信号、アクセルスイッチ47からのO
FF信号あるいは外気温センサ48からの所定温度以上
の検出信号に基づいてソレノイド24及び傾角復帰用電
磁ソレノイド36を励磁する。傾角復帰用電磁ソレノイ
ド36の励磁によりスプール8がバルブプレート16か
ら離間し、大径筒部8aの端面がシリンダブロック1の
端面から突出する。この突出により斜板支持体10が回
転支持体5側へ移動し、図7に示すように斜板11が傾
く。従って、片頭ピストン19が往復動を開始し、吐出
作用が行われる。
【0035】このときの斜板11の傾き程度は、例えば
最大吐出容量の10%程度の最小吐出容量をもたらす。
即ち、斜板傾角零(吐出容量零)をもたらす位置から最
大吐出容量の10%程度の最小吐出容量をもたらす位置
に斜板支持体10を配置するように傾角復帰用電磁ソレ
ノイド36の可動鉄芯38のストローク範囲が設定され
ている。
【0036】斜板11の傾角が最大の状態から斜板を回
転し始めると、その起動ショックが車両用エンジン側に
伝わり、体感フィーリングが悪くなる。図7の最小容量
をもたらす斜板傾角から斜板11を回転し始めることに
より、起動ショックが緩和される。
【0037】傾角復帰用電磁ソレノイド36の励磁と同
時にソレノイド24が励磁されることにより、可動鉄芯
27が固定鉄芯25に吸着される。この吸着によりガイ
ドロッド26がダイヤフラム34から離間し、ダイヤフ
ラム34が吸入圧導入ポート28bから導入される吸入
圧力の変動に応じて変位する。即ち、斜板11の傾角が
最小吐出作用をもたらす傾角に復帰すると同時に、斜板
11の傾角制御が冷房負荷を反映する吸入圧力に基づい
て行われる。
【0038】なお、本実施例では、回転検出器39、温
度センサ44、空調装置停止スイッチ46、アクセルス
イッチ47及び外気温センサ48を傾角強制変更手段と
なる制御弁22の励消磁を制御するための外部制御信号
発生器として用いているが、これら以外にも例えば冷媒
ガス圧を検出する圧力センサ、あるいは車両用エンジン
の冷却水温センサも外部制御信号発生器の対象となる。
圧力センサから得られる検出圧力が所定の上下限の範囲
外になったときには制御弁22及び傾角復帰用電磁ソレ
ノイド36を励磁し、斜板11の傾角を零にする。検出
圧力が所定の上下限の範囲内に入ったときには制御弁2
2及び傾角復帰用電磁ソレノイド36を消磁し、斜板1
1の傾角を復帰させる。
【0039】斜板傾角を復帰させる構成としては図8に
示す実施例も可能である。この実施例では可動鉄芯27
の変位がレバー51を介してスプール8に伝えられる。
レバー51の力点51aと作用点51bとの間の支軸5
2を作用点51b側に近づければ、可動鉄芯27に対す
る固定鉄芯25の吸引力がスプール8に対して増大して
作用する。ソレノイド24の吸引力が弱い場合にはこの
増力構成が有効である。支軸52を力点51a側に近づ
ければ可動鉄芯27のストロークが拡大してスプール8
に伝達される。可動鉄芯27のストロークが小さい場合
にはこのストロール拡大構成が有効である。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように本発明は、外部制御
信号発生器から出力される外部制御信号に基づいてクラ
ンク室内の圧力を変更して斜板傾角を零にし、回転軸上
にて斜板傾角零となる位置にある斜板支持体を吐出再開
時には斜板の傾角増大方向へ移動するようにしたので、
外部動力を圧縮機の回転軸に伝達した状態のままで圧縮
機無負荷状態を達成でき、しかも圧縮機無負荷状態の後
でも吐出再開し得るという優れた効果を奏する。
【0041】又、吐出圧領域に通じる吐出圧導入ポート
と、吸入圧領域に通じる吸入圧導入ポートと、クランク
室に通じる制御ポートと、吐出圧導入ポートと制御ポー
トとを接続する弁孔を開閉する弁体と、弁孔を閉塞する
方向へ弁体を付勢する復帰ばねと、吸入圧によって前記
弁体を弁孔開放方向へ付勢する感圧体と、前記弁体を弁
孔開放方向へ付勢する方向へ感圧体を駆動する電磁ソレ
ノイドとにより斜板傾角零にするための傾角強制変更手
段を構成した発明では、この傾角強制変更手段によって
通常の斜板傾角制御も行ない得るという優れた効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を具体化した一実施例の圧縮機全体の
側断面図である。
【図2】 図1のA−A線断面図である。
【図3】 図1のB−B線断面図である。
【図4】 傾角強制変更手段となる制御弁の側断面図で
ある。
【図5】 吐出容量零の状態を示す側断面図である。
【図6】 消磁状態にある制御弁の側断面図である。
【図7】 最小吐出容量状態を示す側断面図である。
【図8】 傾角復帰手段の別例を示す要部側断面図であ
る。
【符号の説明】
2a…クランク室、3a…吸入圧領域となる吸入室、3
b…吐出圧領域となる吐出室、5…回転支持体、6…回
転軸、8…スプール、10…斜板支持体、11…斜板、
19…片頭ピストン、21…復帰ばね、22…傾角強制
変更手段となる制御弁、24…ソレノイド、28a…吐
出圧導入ポート、28b…吸入圧導入ポート、28c…
制御ポート、28d…弁孔、29…弁体、33…復帰ば
ね、34…感圧体となるダイヤフラム、36…傾角復帰
用電磁ソレノイド36。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水藤 健 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式 会社 豊田自動織機製作所 内 (56)参考文献 特開 昭63−183277(JP,A) 特開 平4−259683(JP,A) 特開 平2−49976(JP,A) 特開 昭62−162777(JP,A) 特開 平3−143725(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04B 27/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クランク室、吸入室、吐出室及びこれら各
    室を接続するシリンダボアを区画形成し、シリンダボア
    内に片頭ピストンを往復直線運動可能に収容するハウジ
    ング内の回転軸上に斜板支持体をスライド可能に支持
    し、この斜板支持体上に斜板を傾動可能に支持すると共
    に、回転軸上の回転支持体に斜板を傾動可能に連係し、
    クランク室内の圧力と吸入圧との片頭ピストンを介した
    差により斜板の傾角を制御する片側ピストン式可変容量
    圧縮機において、 外部制御信号発生器から出力される外部制御信号に基づ
    いてクランク室内の圧力を変更して斜板傾角を零にする
    傾角強制変更手段と、 前記回転軸上にて斜板傾角零となる位置にある斜板支持
    体を斜板の傾角増大方向へ移動する斜板傾角復帰手段と
    を備え、 吐出圧領域に通じる吐出圧導入ポートと、吸入圧領域に
    通じる吸入圧導入ポートと、クランク室に通じる制御ポ
    ートと、吐出圧導入ポートと制御ポートとを接続する弁
    孔を開閉する弁体と、弁孔を閉塞する方向へ弁体を付勢
    する復帰ばねと、吸入圧によって前記弁体を弁孔開放方
    向へ付勢する感圧体と、前記弁体を弁孔開放方向へ付勢
    する方向へ感圧体を駆動する電磁ソレノイドとにより前
    記傾角強制変更手段を構成した片側ピストン式可変容量
    圧縮機におけるクラッチレス構造。
  2. 【請求項2】斜板傾角復帰手段は、片頭ピストンを収容
    するシリンダブロックに収容されると共に、回転軸に対
    してスライド可能かつ回転軸を相対回転可能に支持する
    スプールと、このスプールを斜板から離間する方向へ付
    勢する弾性手段と、この弾性手段に対抗する方向へスプ
    ールを駆動する電磁ソレノイドとからなる請求項1に記
    載の片側ピストン式可変容量圧縮機におけるクラッチレ
    ス構造。
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