JP3543353B2 - クラッチレス片側ピストン式可変容量圧縮機 - Google Patents
クラッチレス片側ピストン式可変容量圧縮機 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、シリンダボア内に片頭ピストンを往復直線運動可能に収容するハウジング内の回転軸に回転支持体を止着し、この回転支持体に斜板を傾動可能に支持し、クランク室内の圧力と吸入圧との片頭ピストンを介した差に応じて斜板の傾角を制御し、吐出圧領域の圧力をクランク室に供給すると共に、クランク室の圧力を吸入圧領域に放出してクランク室内の調圧を行なうクラッチレス片側ピストン式可変容量圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特開平3−37378号公報に開示される可変容量型揺動斜板式圧縮機では、外部駆動源と圧縮機の回転軸との間の動力伝達の連結及び遮断を行なう電磁クラッチを使用していない。電磁クラッチを無くせば、特に車両搭載形態ではそのON−OFFのショックによる体感フィーリングの悪さの欠点を解消できると共に、圧縮機全体の重量減、コスト減が可能となる。
【0003】
このようなクラッチレス圧縮機では冷房不要時の吐出容量の多少及び外部冷媒回路上の蒸発器におけるフロスト発生が問題になる。冷房不要の場合あるいはフロスト発生のおそれがある場合には外部冷媒回路上の冷媒循環を止めればよい。特開平3−37378号公報のクラッチレス圧縮機では外部冷媒回路から吸入室への冷媒ガス流入を止めることによって外部冷媒回路上の冷媒循環停止を達成している。冷媒循環は電磁開閉弁を閉じることによって行われる。
【0004】
外部冷媒回路から圧縮機内の吸入室への冷媒ガス流入が止められると、吸入室の圧力が低下し、吸入室の圧力に感応する容量制御弁が全開する。この全開により吐出室の吐出冷媒ガスがクランク室へ流入し、クランク室の圧力が上昇する。又、吸入室の圧力低下のためにシリンダボア内の吸入圧も低下する。そのため、クランク室内の圧力とシリンダボア内の吸入圧との差が大きくなり、斜板傾角が最小傾角へ移行して吐出容量が最低となる。吐出容量が最低になれば圧縮機におけるトルクは最低となり、冷房不要時の動力損失が避けられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、電磁開閉弁で冷媒循環を阻止する構成では、冷媒循環の阻止及び阻止解除が瞬間的に行われるため、吐出圧の変動が急激である。吐出圧の急激変動は圧縮機における負荷トルクの急激変動をもたらし、無視できない衝撃が発生する。
【0006】
又、傾動する斜板はシャフトスリーブに傾動可能に支持されており、シャフトスリーブは回転軸上にスライド可能に支持されている。又、斜板はドライブプレートに長孔及び位置決め用ピンを介して懸架支持されている。このような支持構成により斜板傾角が最小傾角から最大傾角の範囲にわたって変化でき、かつピストンの上死点位置が不変となる。しかし、シャフトスリーブの採用構成はコストアップをもたらす。
【0007】
本発明は、負荷トルクの急激変動を抑制すると共に、コスト的に有利なクラッチレス片側ピストン式可変容量圧縮機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そのために本発明では、シリンダボア内に片頭ピストンを往復直線運動可能に収容するハウジング内の回転軸に回転支持体を止着し、この回転支持体に斜板を傾動可能に支持し、クランク室内の圧力と吸入圧との片頭ピストンを介した差に応じて斜板の傾角を制御し、吐出圧領域の圧力をクランク室に供給すると共に、クランク室の圧力を吸入圧領域に放出してクランク室内の調圧を行なうクラッチレス片側ピストン式可変容量圧縮機を対象とし、請求項1に記載の発明では、外部冷媒回路から前記吸入圧領域へ冷媒ガスを導入不能な閉位置と導入可能な開位置とに切り換えられる遮断体と、前記遮断体と斜板との間に介在され、前記斜板の傾動の少なくとも一部に前記遮断体を連動させる傾動伝達手段とを備えたクラッチレス圧縮機を構成し、斜板にガイド孔を貫設すると共に、回転軸上に前記ガイド孔を介して斜板を傾動可能かつスライド可能に直接支持し、前記傾動伝達手段は前記ガイド孔の左右で斜板の傾動を遮断体に伝えるようにした。
【0009】
請求項2に記載の発明では、斜板の前記遮断体に対向する面上に一体形成された伝達突部と、この伝達突部に接して斜板の傾動を受承する受承部とからなる傾動伝達手段を構成した。
【0010】
請求項3に記載の発明では、斜板の前記遮断体に対向する面上に一体形成された伝達面と、この伝達面に接して斜板の傾動を受承する受承突部とからなる傾動伝達手段を構成した。
【0011】
請求項4に記載の発明では、前記伝達突部を円弧形状とし、この円弧中心を斜板の半径中心上に設定した。
【0012】
【作用】
クランク室内の昇圧により斜板傾角が最小傾角となる位置へ斜板が移行するに伴い、斜板の傾動が前記ガイド孔の左右で傾動伝達手段を介して遮断体に均等に伝えられ、遮断体が斜板の傾動に連動して前記閉位置に移行する。遮断体が閉位置へ接近するに伴い、外部冷媒回路から吸入圧領域へ流入する冷媒ガスの通過断面積が徐々に絞られてゆく。この絞り作用が外部冷媒回路から吸入圧領域への冷媒ガス流入量の減少を緩和する。従って、吸入圧領域からシリンダボア内への冷媒ガス吸入量もゆっくりと減少してゆき、吐出容量が最低容量側へ急激変動することはない。その結果、圧縮機におけるトルクが短時間で急激に変動することはない。
【0013】
クランク室内の圧力低下により斜板傾角が最小傾角から増大するに伴い、遮断体が傾動伝達手段を介して追随し、斜板の傾動に連動して前記閉位置から開位置に移行する。遮断体が閉位置から離間するに伴い、外部冷媒回路から吸入圧領域への冷媒ガスの通過断面積が徐々に拡大してゆく。この徐々に行われる通過断面積拡大が外部冷媒回路から吸入圧領域への冷媒ガス流入量の増大を緩和する。従って、吸入圧領域からシリンダボア内への冷媒ガス吸入量もゆっくりと増大してゆき、吐出容量が最大容量側へ急激変動することはない。その結果、圧縮機におけるトルクが短時間で急激に変動することはない。
【0014】
請求項2に記載の発明では、斜板の傾動が伝達突部及び受承部を介して遮断体に伝えられ、請求項3に記載の発明では、斜板の傾動が伝達面及び受承突部を介して遮断体に伝えられる。
【0015】
請求項4に記載の発明では、伝達突部の円弧中心が回転軸の回転軸線上にあるため、伝達突部は受承部の略同一位置に当接する。
【0016】
【実施例】
以下、本発明を具体化した第1実施例を図1〜図6に基づいて説明する。
図1に示すように圧縮機全体のハウジングの一部となるシリンダブロック1の前端にはフロントハウジング2が接合されている。シリンダブロック1の後端にはリヤハウジング3がバルブプレート4、弁形成プレート5A,5B及びリテーナ形成プレート6を介して接合固定されている。ハウジングの一部となってクランク室2aを形成するフロントハウジング2とシリンダブロック1との間には回転軸9が回転可能に架設支持されている。回転軸9の前端はクランク室2aから外部へ突出しており、この突出端部には被動プーリ10が止着されている。被動プーリ10はベルト11を介して車両エンジンに作動連結されている。被動プーリ10はアンギュラベアリング7を介してフロントハウジング2に支持されている。
【0017】
回転軸9の前端部とフロントハウジング2との間にはリップシール12が介在されている。リップシール12はクランク室2a内の圧力洩れを防止する。
回転軸9には回転支持体8が止着されている。回転軸9に支持される斜板15の半径中心部にはガイド孔15aが貫設されており、回転軸9がガイド孔15aに通される。斜板15はガイド孔15aの内面と回転軸9との接触を介して回転軸9の軸線方向へスライド可能かつ傾動可能に直接支持されている。
【0018】
図2に示すようにシリンダブロック1に対向する斜板15の面上には一対の伝達突部15b,15cが一体形成されている。伝達突部15b,15cはガイド孔15aの左右位置に設定されている。伝達突部15b,15cは円弧形状であり、この円弧中心Cは斜板15の半径中心上に設定されている。ガイド孔15aの下側のガイド面15a1 と回転軸9とが接触している状態では円弧中心Cは回転軸9の回転軸線L上に位置する。ここで、伝達突部15b,15cが形成される左右位置とは、図2に示すように回転軸線L及び斜板15における上下死点を含む平面Pに対峙する位置を示す。
【0019】
斜板15には連結片16,17が止着されている。連結片16,17には一対のガイドピン18,19が止着されている。ガイドピン18,19の先端部にはガイド球18a,19aが形成されている。回転支持体8には支持アーム8aが突設されており、支持アーム8aには一対のガイド孔8b,8cが形成されている。ガイド球18a,19aはガイド孔8b,8cにスライド可能に嵌入されている。支持アーム8aと一対のガイドピン18,19との連係により斜板15が回転軸9の軸線方向へ傾動可能かつ回転軸9と一体的に回転可能である。斜板15の傾動は、支持アーム8aとガイドピン18,19とのスライドガイド関係、回転軸9のスライド支持作用により案内される。
【0020】
図1、図4及び図5に示すようにシリンダブロック1の中心部には収容孔13が回転軸9の軸線方向に貫設されており、収容孔13内には筒状の遮断体21がスライド可能に収容されている。遮断体21と収容孔13の内面との間には吸入通路開放ばね24が介在されている。吸入通路開放ばね24は遮断体21を斜板15側へ付勢している。
【0021】
遮断体21の筒内には回転軸9の後端部が挿入されている。回転軸9の後端部と遮断体21の内周面との間には深溝玉軸受け部材25が介在されている。回転軸9の後端部は深溝玉軸受け部材25及び遮断体21を介して収容孔13の内周面で支持される。深溝玉軸受け部材25の外輪25aは遮断体21の内周面に止着されており、内輪25bは回転軸9の周面をスライド可能である。図5に示すように回転軸9の後端部の周面には段差部9aが形成されており、内輪25bが段差部9aにより斜板15側への移動を規制される。即ち、深溝玉軸受け部材25は段差部9aにより斜板15側への移動を阻止される。従って、深溝玉軸受け部材25が段差部9aに当接することによって遮断体21が斜板15側への移動を阻止される。
【0022】
リヤハウジング3の中心部には吸入通路26が形成されている。吸入通路26は収容孔13に連通しており、収容孔13側の吸入通路26の開口の周囲には位置決め面27が形成されている。遮断体21の先端は位置決め面27に当接可能である。遮断体21の先端が位置決め面27に当接することにより遮断体21が斜板15から離間する方向への移動を規制されると共に、吸入通路26と収容孔13との連通が遮断される。
【0023】
斜板15と深溝玉軸受け部材25との間には受承部となる伝達筒28が回転軸9上をスライド可能に介在されている。伝達筒28の一端は斜板15の伝達突部15b,15cに当接可能であり、伝達筒28の他端は深溝玉軸受け部材25の外輪25aに当接することなく内輪25bにのみ当接可能である。受承部となる伝達筒28及び伝達突起15b,15cにより傾動伝達手段が構成される。
【0024】
斜板15が遮断体21側へ移動するに伴い、斜板15の伝達突部15b,15cが伝達筒28に当接し、伝達筒28を深溝玉軸受け部材25の内輪25bに押接する。深溝玉軸受け部材25は回転軸9のラジアル方向のみならずスラスト方向の荷重も受け止める。そのため、遮断体21は伝達筒28の押接作用により吸入通路開放ばね24のばね力に抗して位置決め面27側へ付勢され、遮断体21の先端が位置決め面27に当接する。従って、斜板15の最小傾角は遮断体21の先端と位置決め面27との当接によって規制される。
【0025】
斜板15の最小傾角は0°よりも僅かに大きい。この最小傾角状態は遮断体21が吸入通路26と収容孔13との連通を遮断する閉位置に配置されたときにもたらされ、遮断体21は前記閉位置とこの位置から離間した開位置とへ斜板15に連動して切り換え配置される。
【0026】
斜板15の最大傾角は回転支持体8の傾角規制突部8bと斜板15との当接によって規制される。
クランク室2aに接続するようにシリンダブロック1に貫設されたシリンダボア1a内には片頭ピストン22が収容されている。片頭ピストン22の首部には一対のシュー23が嵌入されている。斜板15の回転運動はシュー23を介して片頭ピストン22の前後往復揺動に変換され、片頭ピストン22がシリンダボア1a内を前後動する。
【0027】
図1及び図3に示すようにリヤハウジング3内には吸入室3a及び吐出室3bが区画形成されている。バルブプレート4上には吸入ポート4a及び吐出ポート4bが形成されている。弁形成プレート5A上には吸入弁5aが形成されており、弁形成プレート5B上には吐出弁5bが形成されている。吸入室3a内の冷媒ガスは片頭ピストン22の復動動作により吸入ポート4aから吸入弁5aを押し退けてシリンダボア1a内へ流入する。シリンダボア1a内へ流入した冷媒ガスは片頭ピストン22の往動動作により吐出ポート4bから吐出弁5bを押し退けて吐出室3bへ吐出される。吐出弁5bはリテーナ形成プレート6上のリテーナ6aに当接して開度規制される。
【0028】
回転支持体8とフロントハウジング2との間にはスラストベアリング29が介在されている。スラストベアリング29はシリンダボア1aから片頭ピストン22、シュー23、斜板15、連結片16,17及びガイドピン18,19を介して回転支持体8に作用する圧縮反力を受け止める。この圧縮反力により斜板15は図1において時計回り方向のモーメントを受け、ガイド面15a1 が回転軸9の周面に押接される。即ち、斜板15の傾動はガイド面15a1 を介して回転軸9により摺接案内される。
【0029】
吸入室3aは通口4cを介して収容孔13に連通している。遮断体21が前記閉位置に配置されると、通口4cは吸入通路26から遮断される。吸入通路26は圧縮機内へ冷媒ガスを導入する入口であり、遮断体21が吸入通路26から吸入室3aに到る通路上で遮断する位置は吸入通路26の下流側である。
【0030】
回転軸9内には通路30が形成されている。通路30はクランク室2aと遮断体21の筒内とを連通している。図1、図4及び図5に示すように遮断体21の先端には放圧通口21aが貫設されている。放圧通口21cは収容孔13と遮断体21の筒内とを連通する。
【0031】
図1及び図4に示すように吐出室3bとクランク室2aとは圧力供給通路31で接続されている。圧力供給通路31上には電磁開閉弁32が介在されている。電磁開閉弁32のソレノイド33の励磁により弁体34が弁孔32aを閉鎖する。ソレノイド33が消磁すれば弁体34が弁孔32aを開放する。即ち、電磁開閉弁32は吐出室3bとクランク室2aとを接続する圧力供給通路31を開閉する。
【0032】
吸入室3aへ冷媒ガスを導入する吸入通路26と、吐出室3bから冷媒ガスを排出する排出口1bとは外部冷媒回路35で接続されている。外部冷媒回路35上には凝縮器36、膨張弁37及び蒸発器38が介在されている。膨張弁37は蒸発器38の出口側のガス圧の変動に応じて冷媒流量を制御する。蒸発器38の近傍には温度センサ39が設置されている。温度センサ39は蒸発器38における温度を検出し、この検出温度情報が制御コンピュータC0 に送られる。
【0033】
電磁開閉弁32のソレノイド33は制御コンピュータC0 の励消磁制御を受ける。制御コンピュータC0 は温度センサ39から得られる検出温度情報に基づいてソレノイド33を励消磁制御する。制御コンピュータC0 は空調装置作動スイッチ40のON状態のもとに検出温度が設定温度以下になるとソレノイド33の消磁を指令する。この設定温度以下の温度は蒸発器38においてフロストが発生しそうな状況を反映する。
【0034】
制御コンピュータC0 には空調装置作動スイッチ40、エンジン回転数を検出する回転数検出器41が接続されている。制御コンピュータC0 は空調装置作動スイッチ40のON状態のもとに回転数検出器41からの特定の回転数変動検出情報によってソレノイド33を励磁する。又、制御コンピュータC0 は空調装置作動スイッチ40のOFFによってソレノイド33を消磁する。
【0035】
図1及び図5の状態ではソレノイド33は励磁状態にあり、圧力供給通路31は閉じられている。従って、吐出室3bからクランク室2aへの高圧冷媒ガスの供給は行われない。この状態ではクランク室2a内の冷媒ガスが通路30を介して吸入室3aに流出するばかりであり、クランク室2a内の圧力は吸入室3a内の低圧力、即ち吸入圧に近づいていく。そのため、斜板15の傾角は最大傾角に保持され、吐出容量は最大となる。
【0036】
冷房負荷が小さくなった状態で斜板15が最大傾角を維持して吐出作用が行われると、蒸発器38における温度がフロスト発生をもたらす温度に近づくように低下してゆく。温度センサ39は蒸発器38における検出温度情報を制御コンピュータC0 に送っており、検出温度が設定温度以下になると制御コンピュータC0 はソレノイド33の消磁を指令する。ソレノイド33が消磁されると圧力供給通路31が開かれ、吐出室3bとクランク室2aとが連通する。従って、吐出室3b内の高圧冷媒ガスが圧力供給通路31を介してクランク室2aへ供給され、クランク室2a内の圧力が高くなる。クランク室2a内の圧力上昇により斜板15の傾角が最小傾角側へ迅速に移行する。
【0037】
斜板15が最小傾角側へ移行すると、伝達突部15b,15cが伝達筒28の端面に当接する。伝達筒28が深溝玉軸受け部材25の内輪25bに押接された状態で斜板15が最小傾角に近づくと、遮断体21の先端が位置決め面27へ接近してゆく。この接近動作により吸入通路26から吸入室3aに到る間の冷媒ガス通過断面積が徐々に絞られてゆく。この絞り作用が吸入通路26から吸入室3aへの冷媒ガス流入量を徐々に減らしてゆく。そのため、吸入室3aからシリンダボア1a内へ吸入される冷媒ガス量も徐々に減少してゆき、吐出容量が徐々に減少してゆく。その結果、吐出圧が徐々に低下してゆき、圧縮機におけるトルクが短時間で大きく変動することはない。
【0038】
図4及び図6に示すように遮断体21の先端が位置決め面27に当接すると、斜板傾角は最小となる。斜板最小傾角は0°ではないため、斜板傾角が最小の状態においてもシリンダボア1aから吐出室3bへの吐出は行われている。シリンダボア1aから吐出室3bへ吐出された冷媒ガスは圧力供給通路31を通ってクランク室2aへ流入する。クランク室2a内の冷媒ガスは通路30及び放圧通口21cという放圧通路を通って吸入室3aへ流入し、吸入室3a内の冷媒ガスはシリンダボア1a内へ吸入されて吐出室3bへ吐出される。即ち、斜板傾角が最小状態では、吐出室3b、圧力供給通路31、クランク室2a、通路30、放圧通口21c、吸入室3a、シリンダボア1aを経由する循環通路が圧縮機内にできており、冷媒ガスと共に流動する潤滑油が圧縮機内を潤滑する。又、吐出室3b、クランク室2a及び吸入室3aの間では圧力差が生じている。
【0039】
図6の状態から冷房負荷が増大した場合、この冷房負荷の増大が蒸発器38における温度上昇として表れ、蒸発器38における検出温度が前記設定温度を越える。制御コンピュータC0 はこの検出温度変移に基づいてソレノイド33の励磁を指令する。ソレノイド33の励磁により圧力供給通路31が閉じ、クランク室2aの圧力が通路30及び放圧通口21cを介した放圧に基づいて減圧してゆく。この減圧により斜板15の傾角が最小傾角から最大傾角へ移行する。
【0040】
斜板15の傾角増大によって遮断体21が吸入通路開放ばね24のばね力によって斜板15の傾動に追随し、遮断体21の先端が位置決め面27から離間する。この離間動作により吸入通路26から吸入室3aに到る間の冷媒ガス通過断面積が徐々に拡大してゆく。この徐々に行われる通過断面積拡大が吸入通路26から吸入室3aへの冷媒ガス流入量を徐々に増やしてゆく。そのため、吸入室3aからシリンダボア1a内へ吸入される冷媒ガス量も徐々に増大してゆき、吐出容量が徐々に増大してゆく。その結果、吐出圧が徐々に増大してゆき、圧縮機におけるトルクが短時間で大きく変動することはない。
【0041】
伝達筒28の端面の1箇所のみに斜板15の傾動を伝達する構成では伝達筒28が傾きモーメントを受け、伝達筒28が円滑にスライドしない。伝達筒28が円滑にスライドしなければ遮断体21も円滑にスライドできず、遮断体21の先端が位置決め面27へ円滑に接近できない。そうすると、吸入通路26から吸入室3aに到る間の冷媒ガス通過断面積が急激変化するおそれがあり、冷媒ガス通過断面積が急激変化すれば負荷トルクが短時間で大きく変動する。
【0042】
本実施例では、伝達筒28と共に傾動伝達手段を構成する伝達突部15b,15cはガイド孔15aの左右にあり、斜板15の傾動が伝達突部15b,15c及び伝達筒28を介してガイド孔15aの左右から遮断体21に均等に伝達する。斜板15の傾動が回転軸9を挟んだ左右から伝達筒28に伝達するため、伝達筒28が受ける傾きモーメントは斜板15の傾動を伝達筒28の端面上1箇所で受ける場合に比して大きく減る。そのため、伝達筒28は回転軸9上を円滑にスライドする。従って、遮断体21が円滑にスライドし、吸入通路26から吸入室3aに到る間の冷媒ガス通過断面積が急激変化するおそれはない。その結果、冷媒ガス通過断面積が急激変化することはなく、負荷トルクが短時間で大きく変動することはない。
【0043】
又、この実施例では伝達突部15b,15cが円弧形状であり、その円弧中心Cが回転軸線L上に位置するため、伝達突部15b,15cは回転軸線Lと直交する線上で伝達筒28と当接する。即ち、伝達突部15b,15cは伝達筒28の端面に対して常にその直径線上で当接し、伝達筒28が傾きモーメントを受けることはない。従って、伝達筒28が受ける傾きモーメントは殆どなく、遮断体21のスライドは非常に円滑である。
【0044】
以上説明したような負荷トルクの急激変動の回避をもたらす構成には特開平3−37378号公報に開示されるような斜板を支持するためのシャフトスリーブはない。即ち、本発明のクラッチレス圧縮機にはシャフトスリーブを不要とすることによるコスト上の有利性がある。
【0045】
本発明は勿論前記実施例にのみ限定されるものではなく、例えば図7及び図8に示す実施例も可能である。
この実施例では、遮断体21に対向する斜板15の対向面15dが伝達面となり、伝達筒28Aには一対の受承突部28a(一方のみ図示)が一体形成されている。伝達筒28Aは回転軸9に対してスライド可能かつ相対回転不能に支持されており、受承突部28aはガイド孔15aの左右側に配置されている。斜板15に一体形成された伝達面15d及び伝達筒28Aは傾動伝達手段を構成する。斜板15が図7の最大傾角状態から図8の最小傾角状態に向けて移行すると、伝達面15dと受承突部28aとが当接する。
【0046】
この実施例においても斜板15の傾動が伝達面15d及び受承突部28aを介してガイド孔15aの左右から遮断体21に均等に伝達する。斜板15の傾動が回転軸9を挟んだ左右から伝達筒28Aに伝達するため、伝達筒28Aが受ける傾きモーメントは斜板15の傾動を伝達筒28の端面上1箇所で受ける場合に比して大きく減る。そのため、伝達筒28Aは回転軸9上を円滑にスライドする。従って、遮断体21が円滑にスライドし、吸入通路26から吸入室3aに到る間の冷媒ガス通過断面積が急激変化するおそれはない。その結果、冷媒ガス通過断面積が急激変化することはなく、負荷トルクが短時間で大きく変動することはない。
【0047】
又、本発明は斜板の傾動を前記各実施例の伝達筒を介することなく直接遮断体に伝達するように構成した実施例も可能である。
なお、吸入圧領域としては吸入室3a以外にも、遮断体21によってクランク室2aから区画された収容孔13内、通口4cがある。
【0048】
吐出圧領域としては吐出室3b以外にも、排出口1b内、排出口1bと凝縮器36との間の外部冷媒回路がある。
【0049】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明は、回転軸上にガイド孔を介して斜板を傾動可能かつスライド可能に直接支持し、外部冷媒回路から前記吸入圧領域へ冷媒ガスを導入不能な閉位置と導入可能な開位置とに切り換えられる遮断体に対して傾動伝達手段を介して前記ガイド孔の左右で斜板の傾動を伝えるようにしたので、圧縮機における負荷トルクの急激変動を抑制し得ると共に、クラッチレス圧縮機のコストを抑制し得るという優れた効果を奏する。
【0050】
請求項2に記載の発明は、斜板の前記遮断体に対向する面上に一体形成された伝達突部と、この伝達突部に接して斜板の傾動を受承する受承部とからなる傾動伝達手段を構成したので、斜板の傾動がガイド孔の左右から伝達突部及び受承部を介して遮断体に均等に伝えられ、遮断体を円滑にスライドして圧縮機における負荷トルクの急激変動を抑制し得るという優れた効果を奏する。
【0051】
請求項3に記載の発明では、斜板の前記遮断体に対向する面上に一体形成された伝達面と、この伝達面に接して斜板の傾動を受承する受承突部とからなる傾動伝達手段を構成したので、斜板の傾動がガイド孔の左右から伝達面及び受承突部を介して遮断体に均等に伝えられ、遮断体を円滑にスライドして圧縮機における負荷トルクの急激変動を抑制し得るという優れた効果を奏する。
【0052】
請求項4に記載の発明では、前記伝達突部を円弧形状とし、この円弧中心を斜板の半径中心上に設定したので、斜板の傾動が伝達突部及び受承部の略同一位置を介して遮断体に均等に伝えられ、遮断体を円滑にスライドして圧縮機における負荷トルクの急激変動を抑制し得るという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施例の圧縮機全体の側断面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図1のB−B線断面図である。
【図4】斜板傾角が最小状態にある圧縮機全体の側断面図である。
【図5】斜板傾角が最大状態にある要部拡大断面図である。
【図6】斜板傾角が最小状態にある要部拡大断面図である。
【図7】別例を示す要部拡大断面図である。
【図8】斜板傾角が最小状態にある要部拡大断面図である。
【符号の説明】
2a…クランク室、3a…吸入圧領域となる吸入室、3b…吐出圧領域となる吐出室、9…回転軸、15…斜板、15a…ガイド孔、15b,15c…傾動伝達手段を構成する伝達突部、15d…伝達面、28,28A…傾動伝達手段を構成する受承部となる伝達筒、28a…傾動伝達手段を構成する受承突部、C…円弧中心。
【産業上の利用分野】
本発明は、シリンダボア内に片頭ピストンを往復直線運動可能に収容するハウジング内の回転軸に回転支持体を止着し、この回転支持体に斜板を傾動可能に支持し、クランク室内の圧力と吸入圧との片頭ピストンを介した差に応じて斜板の傾角を制御し、吐出圧領域の圧力をクランク室に供給すると共に、クランク室の圧力を吸入圧領域に放出してクランク室内の調圧を行なうクラッチレス片側ピストン式可変容量圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特開平3−37378号公報に開示される可変容量型揺動斜板式圧縮機では、外部駆動源と圧縮機の回転軸との間の動力伝達の連結及び遮断を行なう電磁クラッチを使用していない。電磁クラッチを無くせば、特に車両搭載形態ではそのON−OFFのショックによる体感フィーリングの悪さの欠点を解消できると共に、圧縮機全体の重量減、コスト減が可能となる。
【0003】
このようなクラッチレス圧縮機では冷房不要時の吐出容量の多少及び外部冷媒回路上の蒸発器におけるフロスト発生が問題になる。冷房不要の場合あるいはフロスト発生のおそれがある場合には外部冷媒回路上の冷媒循環を止めればよい。特開平3−37378号公報のクラッチレス圧縮機では外部冷媒回路から吸入室への冷媒ガス流入を止めることによって外部冷媒回路上の冷媒循環停止を達成している。冷媒循環は電磁開閉弁を閉じることによって行われる。
【0004】
外部冷媒回路から圧縮機内の吸入室への冷媒ガス流入が止められると、吸入室の圧力が低下し、吸入室の圧力に感応する容量制御弁が全開する。この全開により吐出室の吐出冷媒ガスがクランク室へ流入し、クランク室の圧力が上昇する。又、吸入室の圧力低下のためにシリンダボア内の吸入圧も低下する。そのため、クランク室内の圧力とシリンダボア内の吸入圧との差が大きくなり、斜板傾角が最小傾角へ移行して吐出容量が最低となる。吐出容量が最低になれば圧縮機におけるトルクは最低となり、冷房不要時の動力損失が避けられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、電磁開閉弁で冷媒循環を阻止する構成では、冷媒循環の阻止及び阻止解除が瞬間的に行われるため、吐出圧の変動が急激である。吐出圧の急激変動は圧縮機における負荷トルクの急激変動をもたらし、無視できない衝撃が発生する。
【0006】
又、傾動する斜板はシャフトスリーブに傾動可能に支持されており、シャフトスリーブは回転軸上にスライド可能に支持されている。又、斜板はドライブプレートに長孔及び位置決め用ピンを介して懸架支持されている。このような支持構成により斜板傾角が最小傾角から最大傾角の範囲にわたって変化でき、かつピストンの上死点位置が不変となる。しかし、シャフトスリーブの採用構成はコストアップをもたらす。
【0007】
本発明は、負荷トルクの急激変動を抑制すると共に、コスト的に有利なクラッチレス片側ピストン式可変容量圧縮機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そのために本発明では、シリンダボア内に片頭ピストンを往復直線運動可能に収容するハウジング内の回転軸に回転支持体を止着し、この回転支持体に斜板を傾動可能に支持し、クランク室内の圧力と吸入圧との片頭ピストンを介した差に応じて斜板の傾角を制御し、吐出圧領域の圧力をクランク室に供給すると共に、クランク室の圧力を吸入圧領域に放出してクランク室内の調圧を行なうクラッチレス片側ピストン式可変容量圧縮機を対象とし、請求項1に記載の発明では、外部冷媒回路から前記吸入圧領域へ冷媒ガスを導入不能な閉位置と導入可能な開位置とに切り換えられる遮断体と、前記遮断体と斜板との間に介在され、前記斜板の傾動の少なくとも一部に前記遮断体を連動させる傾動伝達手段とを備えたクラッチレス圧縮機を構成し、斜板にガイド孔を貫設すると共に、回転軸上に前記ガイド孔を介して斜板を傾動可能かつスライド可能に直接支持し、前記傾動伝達手段は前記ガイド孔の左右で斜板の傾動を遮断体に伝えるようにした。
【0009】
請求項2に記載の発明では、斜板の前記遮断体に対向する面上に一体形成された伝達突部と、この伝達突部に接して斜板の傾動を受承する受承部とからなる傾動伝達手段を構成した。
【0010】
請求項3に記載の発明では、斜板の前記遮断体に対向する面上に一体形成された伝達面と、この伝達面に接して斜板の傾動を受承する受承突部とからなる傾動伝達手段を構成した。
【0011】
請求項4に記載の発明では、前記伝達突部を円弧形状とし、この円弧中心を斜板の半径中心上に設定した。
【0012】
【作用】
クランク室内の昇圧により斜板傾角が最小傾角となる位置へ斜板が移行するに伴い、斜板の傾動が前記ガイド孔の左右で傾動伝達手段を介して遮断体に均等に伝えられ、遮断体が斜板の傾動に連動して前記閉位置に移行する。遮断体が閉位置へ接近するに伴い、外部冷媒回路から吸入圧領域へ流入する冷媒ガスの通過断面積が徐々に絞られてゆく。この絞り作用が外部冷媒回路から吸入圧領域への冷媒ガス流入量の減少を緩和する。従って、吸入圧領域からシリンダボア内への冷媒ガス吸入量もゆっくりと減少してゆき、吐出容量が最低容量側へ急激変動することはない。その結果、圧縮機におけるトルクが短時間で急激に変動することはない。
【0013】
クランク室内の圧力低下により斜板傾角が最小傾角から増大するに伴い、遮断体が傾動伝達手段を介して追随し、斜板の傾動に連動して前記閉位置から開位置に移行する。遮断体が閉位置から離間するに伴い、外部冷媒回路から吸入圧領域への冷媒ガスの通過断面積が徐々に拡大してゆく。この徐々に行われる通過断面積拡大が外部冷媒回路から吸入圧領域への冷媒ガス流入量の増大を緩和する。従って、吸入圧領域からシリンダボア内への冷媒ガス吸入量もゆっくりと増大してゆき、吐出容量が最大容量側へ急激変動することはない。その結果、圧縮機におけるトルクが短時間で急激に変動することはない。
【0014】
請求項2に記載の発明では、斜板の傾動が伝達突部及び受承部を介して遮断体に伝えられ、請求項3に記載の発明では、斜板の傾動が伝達面及び受承突部を介して遮断体に伝えられる。
【0015】
請求項4に記載の発明では、伝達突部の円弧中心が回転軸の回転軸線上にあるため、伝達突部は受承部の略同一位置に当接する。
【0016】
【実施例】
以下、本発明を具体化した第1実施例を図1〜図6に基づいて説明する。
図1に示すように圧縮機全体のハウジングの一部となるシリンダブロック1の前端にはフロントハウジング2が接合されている。シリンダブロック1の後端にはリヤハウジング3がバルブプレート4、弁形成プレート5A,5B及びリテーナ形成プレート6を介して接合固定されている。ハウジングの一部となってクランク室2aを形成するフロントハウジング2とシリンダブロック1との間には回転軸9が回転可能に架設支持されている。回転軸9の前端はクランク室2aから外部へ突出しており、この突出端部には被動プーリ10が止着されている。被動プーリ10はベルト11を介して車両エンジンに作動連結されている。被動プーリ10はアンギュラベアリング7を介してフロントハウジング2に支持されている。
【0017】
回転軸9の前端部とフロントハウジング2との間にはリップシール12が介在されている。リップシール12はクランク室2a内の圧力洩れを防止する。
回転軸9には回転支持体8が止着されている。回転軸9に支持される斜板15の半径中心部にはガイド孔15aが貫設されており、回転軸9がガイド孔15aに通される。斜板15はガイド孔15aの内面と回転軸9との接触を介して回転軸9の軸線方向へスライド可能かつ傾動可能に直接支持されている。
【0018】
図2に示すようにシリンダブロック1に対向する斜板15の面上には一対の伝達突部15b,15cが一体形成されている。伝達突部15b,15cはガイド孔15aの左右位置に設定されている。伝達突部15b,15cは円弧形状であり、この円弧中心Cは斜板15の半径中心上に設定されている。ガイド孔15aの下側のガイド面15a1 と回転軸9とが接触している状態では円弧中心Cは回転軸9の回転軸線L上に位置する。ここで、伝達突部15b,15cが形成される左右位置とは、図2に示すように回転軸線L及び斜板15における上下死点を含む平面Pに対峙する位置を示す。
【0019】
斜板15には連結片16,17が止着されている。連結片16,17には一対のガイドピン18,19が止着されている。ガイドピン18,19の先端部にはガイド球18a,19aが形成されている。回転支持体8には支持アーム8aが突設されており、支持アーム8aには一対のガイド孔8b,8cが形成されている。ガイド球18a,19aはガイド孔8b,8cにスライド可能に嵌入されている。支持アーム8aと一対のガイドピン18,19との連係により斜板15が回転軸9の軸線方向へ傾動可能かつ回転軸9と一体的に回転可能である。斜板15の傾動は、支持アーム8aとガイドピン18,19とのスライドガイド関係、回転軸9のスライド支持作用により案内される。
【0020】
図1、図4及び図5に示すようにシリンダブロック1の中心部には収容孔13が回転軸9の軸線方向に貫設されており、収容孔13内には筒状の遮断体21がスライド可能に収容されている。遮断体21と収容孔13の内面との間には吸入通路開放ばね24が介在されている。吸入通路開放ばね24は遮断体21を斜板15側へ付勢している。
【0021】
遮断体21の筒内には回転軸9の後端部が挿入されている。回転軸9の後端部と遮断体21の内周面との間には深溝玉軸受け部材25が介在されている。回転軸9の後端部は深溝玉軸受け部材25及び遮断体21を介して収容孔13の内周面で支持される。深溝玉軸受け部材25の外輪25aは遮断体21の内周面に止着されており、内輪25bは回転軸9の周面をスライド可能である。図5に示すように回転軸9の後端部の周面には段差部9aが形成されており、内輪25bが段差部9aにより斜板15側への移動を規制される。即ち、深溝玉軸受け部材25は段差部9aにより斜板15側への移動を阻止される。従って、深溝玉軸受け部材25が段差部9aに当接することによって遮断体21が斜板15側への移動を阻止される。
【0022】
リヤハウジング3の中心部には吸入通路26が形成されている。吸入通路26は収容孔13に連通しており、収容孔13側の吸入通路26の開口の周囲には位置決め面27が形成されている。遮断体21の先端は位置決め面27に当接可能である。遮断体21の先端が位置決め面27に当接することにより遮断体21が斜板15から離間する方向への移動を規制されると共に、吸入通路26と収容孔13との連通が遮断される。
【0023】
斜板15と深溝玉軸受け部材25との間には受承部となる伝達筒28が回転軸9上をスライド可能に介在されている。伝達筒28の一端は斜板15の伝達突部15b,15cに当接可能であり、伝達筒28の他端は深溝玉軸受け部材25の外輪25aに当接することなく内輪25bにのみ当接可能である。受承部となる伝達筒28及び伝達突起15b,15cにより傾動伝達手段が構成される。
【0024】
斜板15が遮断体21側へ移動するに伴い、斜板15の伝達突部15b,15cが伝達筒28に当接し、伝達筒28を深溝玉軸受け部材25の内輪25bに押接する。深溝玉軸受け部材25は回転軸9のラジアル方向のみならずスラスト方向の荷重も受け止める。そのため、遮断体21は伝達筒28の押接作用により吸入通路開放ばね24のばね力に抗して位置決め面27側へ付勢され、遮断体21の先端が位置決め面27に当接する。従って、斜板15の最小傾角は遮断体21の先端と位置決め面27との当接によって規制される。
【0025】
斜板15の最小傾角は0°よりも僅かに大きい。この最小傾角状態は遮断体21が吸入通路26と収容孔13との連通を遮断する閉位置に配置されたときにもたらされ、遮断体21は前記閉位置とこの位置から離間した開位置とへ斜板15に連動して切り換え配置される。
【0026】
斜板15の最大傾角は回転支持体8の傾角規制突部8bと斜板15との当接によって規制される。
クランク室2aに接続するようにシリンダブロック1に貫設されたシリンダボア1a内には片頭ピストン22が収容されている。片頭ピストン22の首部には一対のシュー23が嵌入されている。斜板15の回転運動はシュー23を介して片頭ピストン22の前後往復揺動に変換され、片頭ピストン22がシリンダボア1a内を前後動する。
【0027】
図1及び図3に示すようにリヤハウジング3内には吸入室3a及び吐出室3bが区画形成されている。バルブプレート4上には吸入ポート4a及び吐出ポート4bが形成されている。弁形成プレート5A上には吸入弁5aが形成されており、弁形成プレート5B上には吐出弁5bが形成されている。吸入室3a内の冷媒ガスは片頭ピストン22の復動動作により吸入ポート4aから吸入弁5aを押し退けてシリンダボア1a内へ流入する。シリンダボア1a内へ流入した冷媒ガスは片頭ピストン22の往動動作により吐出ポート4bから吐出弁5bを押し退けて吐出室3bへ吐出される。吐出弁5bはリテーナ形成プレート6上のリテーナ6aに当接して開度規制される。
【0028】
回転支持体8とフロントハウジング2との間にはスラストベアリング29が介在されている。スラストベアリング29はシリンダボア1aから片頭ピストン22、シュー23、斜板15、連結片16,17及びガイドピン18,19を介して回転支持体8に作用する圧縮反力を受け止める。この圧縮反力により斜板15は図1において時計回り方向のモーメントを受け、ガイド面15a1 が回転軸9の周面に押接される。即ち、斜板15の傾動はガイド面15a1 を介して回転軸9により摺接案内される。
【0029】
吸入室3aは通口4cを介して収容孔13に連通している。遮断体21が前記閉位置に配置されると、通口4cは吸入通路26から遮断される。吸入通路26は圧縮機内へ冷媒ガスを導入する入口であり、遮断体21が吸入通路26から吸入室3aに到る通路上で遮断する位置は吸入通路26の下流側である。
【0030】
回転軸9内には通路30が形成されている。通路30はクランク室2aと遮断体21の筒内とを連通している。図1、図4及び図5に示すように遮断体21の先端には放圧通口21aが貫設されている。放圧通口21cは収容孔13と遮断体21の筒内とを連通する。
【0031】
図1及び図4に示すように吐出室3bとクランク室2aとは圧力供給通路31で接続されている。圧力供給通路31上には電磁開閉弁32が介在されている。電磁開閉弁32のソレノイド33の励磁により弁体34が弁孔32aを閉鎖する。ソレノイド33が消磁すれば弁体34が弁孔32aを開放する。即ち、電磁開閉弁32は吐出室3bとクランク室2aとを接続する圧力供給通路31を開閉する。
【0032】
吸入室3aへ冷媒ガスを導入する吸入通路26と、吐出室3bから冷媒ガスを排出する排出口1bとは外部冷媒回路35で接続されている。外部冷媒回路35上には凝縮器36、膨張弁37及び蒸発器38が介在されている。膨張弁37は蒸発器38の出口側のガス圧の変動に応じて冷媒流量を制御する。蒸発器38の近傍には温度センサ39が設置されている。温度センサ39は蒸発器38における温度を検出し、この検出温度情報が制御コンピュータC0 に送られる。
【0033】
電磁開閉弁32のソレノイド33は制御コンピュータC0 の励消磁制御を受ける。制御コンピュータC0 は温度センサ39から得られる検出温度情報に基づいてソレノイド33を励消磁制御する。制御コンピュータC0 は空調装置作動スイッチ40のON状態のもとに検出温度が設定温度以下になるとソレノイド33の消磁を指令する。この設定温度以下の温度は蒸発器38においてフロストが発生しそうな状況を反映する。
【0034】
制御コンピュータC0 には空調装置作動スイッチ40、エンジン回転数を検出する回転数検出器41が接続されている。制御コンピュータC0 は空調装置作動スイッチ40のON状態のもとに回転数検出器41からの特定の回転数変動検出情報によってソレノイド33を励磁する。又、制御コンピュータC0 は空調装置作動スイッチ40のOFFによってソレノイド33を消磁する。
【0035】
図1及び図5の状態ではソレノイド33は励磁状態にあり、圧力供給通路31は閉じられている。従って、吐出室3bからクランク室2aへの高圧冷媒ガスの供給は行われない。この状態ではクランク室2a内の冷媒ガスが通路30を介して吸入室3aに流出するばかりであり、クランク室2a内の圧力は吸入室3a内の低圧力、即ち吸入圧に近づいていく。そのため、斜板15の傾角は最大傾角に保持され、吐出容量は最大となる。
【0036】
冷房負荷が小さくなった状態で斜板15が最大傾角を維持して吐出作用が行われると、蒸発器38における温度がフロスト発生をもたらす温度に近づくように低下してゆく。温度センサ39は蒸発器38における検出温度情報を制御コンピュータC0 に送っており、検出温度が設定温度以下になると制御コンピュータC0 はソレノイド33の消磁を指令する。ソレノイド33が消磁されると圧力供給通路31が開かれ、吐出室3bとクランク室2aとが連通する。従って、吐出室3b内の高圧冷媒ガスが圧力供給通路31を介してクランク室2aへ供給され、クランク室2a内の圧力が高くなる。クランク室2a内の圧力上昇により斜板15の傾角が最小傾角側へ迅速に移行する。
【0037】
斜板15が最小傾角側へ移行すると、伝達突部15b,15cが伝達筒28の端面に当接する。伝達筒28が深溝玉軸受け部材25の内輪25bに押接された状態で斜板15が最小傾角に近づくと、遮断体21の先端が位置決め面27へ接近してゆく。この接近動作により吸入通路26から吸入室3aに到る間の冷媒ガス通過断面積が徐々に絞られてゆく。この絞り作用が吸入通路26から吸入室3aへの冷媒ガス流入量を徐々に減らしてゆく。そのため、吸入室3aからシリンダボア1a内へ吸入される冷媒ガス量も徐々に減少してゆき、吐出容量が徐々に減少してゆく。その結果、吐出圧が徐々に低下してゆき、圧縮機におけるトルクが短時間で大きく変動することはない。
【0038】
図4及び図6に示すように遮断体21の先端が位置決め面27に当接すると、斜板傾角は最小となる。斜板最小傾角は0°ではないため、斜板傾角が最小の状態においてもシリンダボア1aから吐出室3bへの吐出は行われている。シリンダボア1aから吐出室3bへ吐出された冷媒ガスは圧力供給通路31を通ってクランク室2aへ流入する。クランク室2a内の冷媒ガスは通路30及び放圧通口21cという放圧通路を通って吸入室3aへ流入し、吸入室3a内の冷媒ガスはシリンダボア1a内へ吸入されて吐出室3bへ吐出される。即ち、斜板傾角が最小状態では、吐出室3b、圧力供給通路31、クランク室2a、通路30、放圧通口21c、吸入室3a、シリンダボア1aを経由する循環通路が圧縮機内にできており、冷媒ガスと共に流動する潤滑油が圧縮機内を潤滑する。又、吐出室3b、クランク室2a及び吸入室3aの間では圧力差が生じている。
【0039】
図6の状態から冷房負荷が増大した場合、この冷房負荷の増大が蒸発器38における温度上昇として表れ、蒸発器38における検出温度が前記設定温度を越える。制御コンピュータC0 はこの検出温度変移に基づいてソレノイド33の励磁を指令する。ソレノイド33の励磁により圧力供給通路31が閉じ、クランク室2aの圧力が通路30及び放圧通口21cを介した放圧に基づいて減圧してゆく。この減圧により斜板15の傾角が最小傾角から最大傾角へ移行する。
【0040】
斜板15の傾角増大によって遮断体21が吸入通路開放ばね24のばね力によって斜板15の傾動に追随し、遮断体21の先端が位置決め面27から離間する。この離間動作により吸入通路26から吸入室3aに到る間の冷媒ガス通過断面積が徐々に拡大してゆく。この徐々に行われる通過断面積拡大が吸入通路26から吸入室3aへの冷媒ガス流入量を徐々に増やしてゆく。そのため、吸入室3aからシリンダボア1a内へ吸入される冷媒ガス量も徐々に増大してゆき、吐出容量が徐々に増大してゆく。その結果、吐出圧が徐々に増大してゆき、圧縮機におけるトルクが短時間で大きく変動することはない。
【0041】
伝達筒28の端面の1箇所のみに斜板15の傾動を伝達する構成では伝達筒28が傾きモーメントを受け、伝達筒28が円滑にスライドしない。伝達筒28が円滑にスライドしなければ遮断体21も円滑にスライドできず、遮断体21の先端が位置決め面27へ円滑に接近できない。そうすると、吸入通路26から吸入室3aに到る間の冷媒ガス通過断面積が急激変化するおそれがあり、冷媒ガス通過断面積が急激変化すれば負荷トルクが短時間で大きく変動する。
【0042】
本実施例では、伝達筒28と共に傾動伝達手段を構成する伝達突部15b,15cはガイド孔15aの左右にあり、斜板15の傾動が伝達突部15b,15c及び伝達筒28を介してガイド孔15aの左右から遮断体21に均等に伝達する。斜板15の傾動が回転軸9を挟んだ左右から伝達筒28に伝達するため、伝達筒28が受ける傾きモーメントは斜板15の傾動を伝達筒28の端面上1箇所で受ける場合に比して大きく減る。そのため、伝達筒28は回転軸9上を円滑にスライドする。従って、遮断体21が円滑にスライドし、吸入通路26から吸入室3aに到る間の冷媒ガス通過断面積が急激変化するおそれはない。その結果、冷媒ガス通過断面積が急激変化することはなく、負荷トルクが短時間で大きく変動することはない。
【0043】
又、この実施例では伝達突部15b,15cが円弧形状であり、その円弧中心Cが回転軸線L上に位置するため、伝達突部15b,15cは回転軸線Lと直交する線上で伝達筒28と当接する。即ち、伝達突部15b,15cは伝達筒28の端面に対して常にその直径線上で当接し、伝達筒28が傾きモーメントを受けることはない。従って、伝達筒28が受ける傾きモーメントは殆どなく、遮断体21のスライドは非常に円滑である。
【0044】
以上説明したような負荷トルクの急激変動の回避をもたらす構成には特開平3−37378号公報に開示されるような斜板を支持するためのシャフトスリーブはない。即ち、本発明のクラッチレス圧縮機にはシャフトスリーブを不要とすることによるコスト上の有利性がある。
【0045】
本発明は勿論前記実施例にのみ限定されるものではなく、例えば図7及び図8に示す実施例も可能である。
この実施例では、遮断体21に対向する斜板15の対向面15dが伝達面となり、伝達筒28Aには一対の受承突部28a(一方のみ図示)が一体形成されている。伝達筒28Aは回転軸9に対してスライド可能かつ相対回転不能に支持されており、受承突部28aはガイド孔15aの左右側に配置されている。斜板15に一体形成された伝達面15d及び伝達筒28Aは傾動伝達手段を構成する。斜板15が図7の最大傾角状態から図8の最小傾角状態に向けて移行すると、伝達面15dと受承突部28aとが当接する。
【0046】
この実施例においても斜板15の傾動が伝達面15d及び受承突部28aを介してガイド孔15aの左右から遮断体21に均等に伝達する。斜板15の傾動が回転軸9を挟んだ左右から伝達筒28Aに伝達するため、伝達筒28Aが受ける傾きモーメントは斜板15の傾動を伝達筒28の端面上1箇所で受ける場合に比して大きく減る。そのため、伝達筒28Aは回転軸9上を円滑にスライドする。従って、遮断体21が円滑にスライドし、吸入通路26から吸入室3aに到る間の冷媒ガス通過断面積が急激変化するおそれはない。その結果、冷媒ガス通過断面積が急激変化することはなく、負荷トルクが短時間で大きく変動することはない。
【0047】
又、本発明は斜板の傾動を前記各実施例の伝達筒を介することなく直接遮断体に伝達するように構成した実施例も可能である。
なお、吸入圧領域としては吸入室3a以外にも、遮断体21によってクランク室2aから区画された収容孔13内、通口4cがある。
【0048】
吐出圧領域としては吐出室3b以外にも、排出口1b内、排出口1bと凝縮器36との間の外部冷媒回路がある。
【0049】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明は、回転軸上にガイド孔を介して斜板を傾動可能かつスライド可能に直接支持し、外部冷媒回路から前記吸入圧領域へ冷媒ガスを導入不能な閉位置と導入可能な開位置とに切り換えられる遮断体に対して傾動伝達手段を介して前記ガイド孔の左右で斜板の傾動を伝えるようにしたので、圧縮機における負荷トルクの急激変動を抑制し得ると共に、クラッチレス圧縮機のコストを抑制し得るという優れた効果を奏する。
【0050】
請求項2に記載の発明は、斜板の前記遮断体に対向する面上に一体形成された伝達突部と、この伝達突部に接して斜板の傾動を受承する受承部とからなる傾動伝達手段を構成したので、斜板の傾動がガイド孔の左右から伝達突部及び受承部を介して遮断体に均等に伝えられ、遮断体を円滑にスライドして圧縮機における負荷トルクの急激変動を抑制し得るという優れた効果を奏する。
【0051】
請求項3に記載の発明では、斜板の前記遮断体に対向する面上に一体形成された伝達面と、この伝達面に接して斜板の傾動を受承する受承突部とからなる傾動伝達手段を構成したので、斜板の傾動がガイド孔の左右から伝達面及び受承突部を介して遮断体に均等に伝えられ、遮断体を円滑にスライドして圧縮機における負荷トルクの急激変動を抑制し得るという優れた効果を奏する。
【0052】
請求項4に記載の発明では、前記伝達突部を円弧形状とし、この円弧中心を斜板の半径中心上に設定したので、斜板の傾動が伝達突部及び受承部の略同一位置を介して遮断体に均等に伝えられ、遮断体を円滑にスライドして圧縮機における負荷トルクの急激変動を抑制し得るという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施例の圧縮機全体の側断面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図1のB−B線断面図である。
【図4】斜板傾角が最小状態にある圧縮機全体の側断面図である。
【図5】斜板傾角が最大状態にある要部拡大断面図である。
【図6】斜板傾角が最小状態にある要部拡大断面図である。
【図7】別例を示す要部拡大断面図である。
【図8】斜板傾角が最小状態にある要部拡大断面図である。
【符号の説明】
2a…クランク室、3a…吸入圧領域となる吸入室、3b…吐出圧領域となる吐出室、9…回転軸、15…斜板、15a…ガイド孔、15b,15c…傾動伝達手段を構成する伝達突部、15d…伝達面、28,28A…傾動伝達手段を構成する受承部となる伝達筒、28a…傾動伝達手段を構成する受承突部、C…円弧中心。
Claims (4)
- シリンダボア内に片頭ピストンを往復直線運動可能に収容するハウジング内の回転軸に回転支持体を止着し、この回転支持体に斜板を傾動可能に支持し、クランク室内の圧力と吸入圧との片頭ピストンを介した差に応じて斜板の傾角を制御し、吐出圧領域の圧力をクランク室に供給すると共に、クランク室の圧力を吸入圧領域に放出してクランク室内の調圧を行なうクラッチレス片側ピストン式可変容量圧縮機において、
外部冷媒回路から前記吸入圧領域へ冷媒ガスを導入不能な閉位置と導入可能な開位置とに切り換えられる遮断体と、
前記遮断体と斜板との間に介在され、前記斜板の傾動の少なくとも一部に前記遮断体を連動させる傾動伝達手段とを備え、
斜板にガイド孔を貫設すると共に、回転軸上に前記ガイド孔を介して斜板を傾動可能かつスライド可能に直接支持し、前記傾動伝達手段は前記ガイド孔の左右で斜板の傾動を遮断体に伝えるようにしたクラッチレス片側ピストン式可変容量圧縮機。 - 前記傾動伝達手段は、斜板の前記遮断体に対向する面上に一体形成された一対の伝達突部と、この伝達突部に接して斜板の傾動を受承する受承部とからなる請求項1に記載のクラッチレス片側ピストン式可変容量圧縮機。
- 前記傾動伝達手段は、斜板の前記遮断体に対向する面上に一体形成された伝達面と、この伝達面に接して斜板の傾動を受承する一対の受承突部とからなる請求項1に記載のクラッチレス片側ピストン式可変容量圧縮機。
- 前記伝達突部は円弧であり、この円弧中心は斜板の半径中心上に設定されている請求項2に記載のクラッチレス片側ピストン式可変容量圧縮機。
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- 1994-03-15 JP JP04435194A patent/JP3543353B2/ja not_active Expired - Fee Related
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