JP3091824B2 - セラミックス被覆鋼管成形ロール - Google Patents

セラミックス被覆鋼管成形ロール

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JP3091824B2
JP3091824B2 JP06320555A JP32055594A JP3091824B2 JP 3091824 B2 JP3091824 B2 JP 3091824B2 JP 06320555 A JP06320555 A JP 06320555A JP 32055594 A JP32055594 A JP 32055594A JP 3091824 B2 JP3091824 B2 JP 3091824B2
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    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C28/00Coating for obtaining at least two superposed coatings either by methods not provided for in a single one of groups C23C2/00 - C23C26/00 or by combinations of methods provided for in subclasses C23C and C25C or C25D
    • C23C28/04Coating for obtaining at least two superposed coatings either by methods not provided for in a single one of groups C23C2/00 - C23C26/00 or by combinations of methods provided for in subclasses C23C and C25C or C25D only coatings of inorganic non-metallic material
    • C23C28/044Coating for obtaining at least two superposed coatings either by methods not provided for in a single one of groups C23C2/00 - C23C26/00 or by combinations of methods provided for in subclasses C23C and C25C or C25D only coatings of inorganic non-metallic material coatings specially adapted for cutting tools or wear applications

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  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、鋼管を成形、造管す
る場合の耐摩耗性と耐凝着性に優れたセラミックス被覆
鋼管成形ロールに関する。
【0002】
【従来の技術】鋼管成形ロールは、摩耗が激しいと、精
度の良い成形ができない。さらに、成形ロールと被加工
鋼材との間で凝着が発生すると、鋼管表面にキズが残り
商品価値を下げる。このため、摩耗や凝着が起きる前に
ロール交換が行われている。近年需要の増えている高強
度鋼管やステンレス鋼管の造管に対しては、成形ロール
の摩耗や凝着が激しく、ロール寿命が特に短い。ロール
交換頻度が増えると、ロール整備費用がかかり、作業効
率も著しく落ちるという問題があった。
【0003】成形ロールの材質として、ダイス鋼などの
工具鋼が使用される場合が多い。この工具鋼表面を窒化
したり、工具鋼の代わりに超硬合金を使用して、耐摩耗
性や耐凝着性を向上させる対策が取られている。しか
し、窒化処理は大きな改質効果は見られず、さらに高温
処理のため寸法精度に問題が残る。超硬合金は材料単価
のみならず再研磨費用も高く、また欠損が起こりやすく
それに見合うメリットが出にくいという問題があった。
凝着に対する対策として、造管速度を遅くすることも試
みられているが、生産効率を著しく悪化させるという問
題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、工具鋼を基
材とする成形ロールに高硬度セラミックスをコーティン
グし、鋼管を成形する際に、耐摩耗性と耐凝着性に優れ
た、使用寿命の長いロールを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、工具鋼を基材
とする成形ロールの表面に、Ti、Al、Hf、Zrの
炭化物、窒化物、または炭窒化物からなる膜厚1μm以
上10μm以下のセラミックス皮膜を成膜してなること
を特徴とするセラミックス被覆鋼管成形ロールである。
成形ロール表面には密着性良くセラミックス皮膜が成膜
され、表面のビッカース硬度2000以上であることを
特徴とする。特に、高強度材料やステンレス材料を対象
とした成形には、次に示す多層被膜が耐久性が高い。つ
まり、工具鋼を基材とする鋼管成形ロール表面に、窒化
チタン、炭化チタンまたは炭窒化チタン膜であって当該
膜をTiCX 1-X と表すとき、前記基材表面に0≦X
≦0.1の界面層、0.6≦X≦1.0の中間層、さら
に0≦X≦0.6の最表層からなる複層被膜を膜厚1μ
m以上10μm以下で成膜してなることを特徴とするセ
ラミックス被覆鋼管成形ロールである。
【0006】鋼管成形ロールの寿命は、前述したように
摩耗と凝着で決まる。摩耗は、成形ロールの凹部(図1
のA)で見られることが多く、凝着は外周部内側(図1
のB)の周速の速い部分で起こることが多い。従来の窒
化処理では表面ビッカース硬度はせいぜい1000程度
で耐摩耗性向上効果はあまり高くない。超硬合金の表面
硬度は1000〜1500だが、これは工具鋼の数倍〜
十数倍の材料費がかかる。さらに、衝撃に対して弱く欠
損しやすい。そこで、靭性は工具鋼基材で保ち、耐摩耗
性は表面に高硬度セラミックスコーティングを施すこと
で向上した。工具鋼基材としては、SKD11等の高温
(500℃〜600℃焼戻温度)焼戻材が強度、靭性に
優れ、後述するようにコーティング処理も容易なので適
当である。さらに、鋼との凝着を起こしにくい皮膜を選
ぶことが重要である。凝着は、成形した鋼管の表面キズ
の原因となるだけでなく、凝着による摩耗も促進される
ので十分な対策が必要である。
【0007】高硬度セラミックス皮膜は、プラズマを媒
体とし、金属蒸気あるいは金属蒸気とガスをイオン化し
成膜するイオンプレーティング法で得られる。例えばT
iCNを成膜するとき、イオンプレーティング法では電
子銃蒸発源に金属チタンをいれ、これを1×10-3Torr
以下の高真空下で電子ビームで溶解する。電子銃蒸発源
の上部に設置されたイオン化電極に正の直流バイアスを
かけ、プラズマを発生させ、基材には負の直流バイアス
をかけ成膜する。この時、基材付近に窒素ガスとアセチ
レンガスを反応ガスとして導入することでTiCNが得
られる。成形ロールは、均質な皮膜を得るために回転さ
せ成膜することが望ましい。成膜時の温度は400℃程
度で、十分な密着性が得られる。SKD11等工具鋼の
高温(500℃〜600℃焼戻温度)焼戻材であれば、
基材の温度による軟化や変形はほとんどない。皮膜表面
粗度も10μm程度であれば基材とほぼ同じ粗度に成膜
できるので再研磨は必要なく、加工精度も保てる。溶射
法では窒化物、炭化物の高純度の緻密皮膜は得られにく
く、CVD法では高温成膜のため結晶粒が粗大化しある
いは熱による基材の軟化と変形を招き、スパッタリング
法では密着性のある厚膜が得られにくいので不適当であ
る。
【0008】Ti、Al、Hf、Zrの炭化物、窒化
物、または炭窒化物からなるセラミックスは硬度が高
く、鋼と凝着しにくく、耐摩耗性に優れている。例え
ば、ビッカース硬度でTiCN、TiAlCN、Zr
C、HfCはそれぞれ2500〜4000、2000〜
2700、2600〜2800、2600〜3200と
工具鋼基材(ビッカース硬度500〜700)に比べる
と高硬度である。硬度が2000以上の皮膜は、特に鋼
との耐摩耗性に優れている。皮膜の厚さは、1μmより
薄いと耐摩耗性が十分でなく、10μmより厚いと成膜
処理時間が長くなるうえに、皮膜剥離といった問題を引
き起こすことから1μm以上10μm以下とする。
【0009】高強度材料やステンレス材料を対象とした
成形には、より高い耐摩耗性と耐凝着性が望まれる。こ
れには、Ti−C−N系多層皮膜の適用が望ましい。皮
膜の組成をTiCX 1-X と表すとき、基材との十分な
密着性を得るために、0≦X≦0.1の層を基材表面に
成膜することが必要である。Xが0.1を超えるよう
な、皮膜中の炭素含有量が大きいと、鉄鋼をベースとし
た基材との密着性は劣る。セラミックス皮膜と基材との
密着性は耐摩耗部材として使用できる程度に十分高いこ
とが必要で、例えばLEVETESTのスクラッチテス
ターによる皮膜臨界剥離荷重値が10N以上、望ましく
は20N以上であればよい。
【0010】次に、皮膜の硬度を上げるために、前記層
上に0.6≦X≦1.0の中間層を成膜すると効果的で
ある。Xが0.6以上のような、皮膜中の炭素含有量が
大きくなると、皮膜が高硬度化し、ビッカース硬度(荷
重50g)が約3000から5000程度になる。基材
の工具鋼や軸受鋼ではビッカース硬度は800未満であ
り、前記0≦X≦0.1の窒化チタンまたは窒化チタン
に近い組成の皮膜でもビッカース硬度は約2000から
2500であるので、中間層中の炭素含有量を大きくす
ることが高硬度化に効果的である。Xが0.6未満では
高硬度化の効果は少ない。最表層には、化学的に安定な
特性が必要である。炭窒化チタンは組成により反応性が
異なり、窒素含有量が高いと耐酸化性が増し、窒素含有
量が低いと硬度が上がり耐摩耗性が向上する。そこで、
最表層には、大気中での耐酸化性、鋼との凝着性を考慮
し、0≦X≦0.6の層とした。Xが0.6超のよう
な、皮膜中の炭素含有量が大きくなると、空気中で40
0℃程度でも表面が酸化し、酸化チタンが生成しこれに
より硬度がビッカース硬度で1000以下となり、耐摩
耗性を著しく損なうので好ましくない。
【0011】各層の膜厚は、上記特性を発揮するため
に、基材との界面層が膜厚0.5μm以上2.0μm以
下、中間層は膜厚0.5μm以上5.0μm以下、さら
には最表層は膜厚1.0μm以上5.0μm以下とする
ことが好ましい。多層膜化は、皮膜の耐久性向上に効果
的である。多層膜の場合、結晶の成長が断続的に行われ
るため、粒界や欠陥に沿ったクラックの進展に抵抗が生
じる。
【0012】
【作用】Ti、Al、Hf、Zrの炭化物、窒化物、ま
たは炭窒化物からなるセラミックス皮膜は、表面硬度が
高く化学的にも安定で、鋼との耐摩耗性に優れている。
これらセラミックス皮膜が成形ロール表面の耐摩耗性と
耐凝着性を向上させ、成形ロールの寿命延長に効果があ
る。本発明のセラミックス被膜鋼管成形ロールは、耐摩
耗性と耐凝着性に優れ、従来より長時間、高性能のまま
で使用することができる。
【0013】
【実施例】皮膜の特性を表1に示す。ロール基材は工具
鋼SKD11を使用した。基材焼き戻し温度は、510
℃である。ロールサイズは、φ377×160で、φ7
5.0の鋼管を成形した。造管速度は、40m/min〜8
0m/minで行った。200トン造管した時点での、ロー
ルの凹部(図1のA)の摩耗幅と外周部内側(図1の
B)の凝着幅を測定した。摩耗幅は、基材の露出が認め
られた部分とした。凝着幅は、皮膜表面の色が変化し表
面粗度が粗くなった部分とした。皮膜の化学組成は、G
DS(Glow Discharged Spectroscopy)法により決定し
た。試料番号1から9までが実施例で、10から13が
比較例である。いずれもイオンプレーティング(IP)
法により成膜した。イオンプレーティングは、金属蒸発
源にTi,Al,Zr,Hfを使い、電子銃で溶解し、
これを直流プラズマ中で活性化させた。反応ガスとして
窒素、アセチレンを使った。コーティング中、いずれも
バイアスは300Vの直流バイアスを印加し、圧力は4
×10-4Torrで行なった。膜厚1μm以上10μm以下
のセラミックス皮膜を基材表面に成膜することで、耐摩
耗性と耐凝着性に優れたセラミックス被覆鋼管成形ロー
ルを得ることができた。
【0014】
【表1】
【0015】
【発明の効果】以上の如く本発明によれば、鋼管を成
形、造管する場合の、耐摩耗性と耐凝着性に優れたセラ
ミックス被覆鋼管成形ロールを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する成形ロールの模式図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−26210(JP,A) 特開 平4−297565(JP,A) 特開 平5−214512(JP,A) 特開 平4−214855(JP,A) 特開 昭63−33108(JP,A) 特開 昭59−53673(JP,A) 特開 昭50−160159(JP,A) 特開 平3−268809(JP,A) 特開 平1−293911(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 27/00 B21B 27/02 C23C 14/06 C23C 14/32 C23C 28/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工具鋼を基材とする鋼管成形ロールの表
    面に、Ti、Al、Hf、Zrの炭化物、窒化物、また
    は炭窒化物からなる膜厚1μm以上10μm以下のセラ
    ミックス皮膜を成膜してなることを特徴とするセラミッ
    クス被覆鋼管成形ロール。
  2. 【請求項2】 工具鋼を基材とする鋼管成形ロール表面
    に、窒化チタン、炭化チタンまたは炭窒化チタン膜であ
    って当該膜をTiCX 1-X と表すとき、前記基材表面
    に0≦X≦0.1の界面層、0.6≦X≦1.0の中間
    層、さらに0≦X≦0.6の最表層からなる複層被膜を
    膜厚1μm以上10μm以下で成膜してなることを特徴
    とするセラミックス被覆鋼管成形ロール。
JP06320555A 1994-12-22 1994-12-22 セラミックス被覆鋼管成形ロール Expired - Lifetime JP3091824B2 (ja)

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