JP3347247B2 - 高靭性被膜被覆体 - Google Patents
高靭性被膜被覆体Info
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Description
ラミックス焼結体の基体上に、TiとAlとの化合物に
金属または合金を含有してなる高靭性被膜を被覆してな
る高靭性被膜被覆体に関し、具体的には、金属、合金ま
たはセラミックス焼結体の基体上に高硬度、高靭性を有
した被膜を被覆して、例えば旋削工具,フライス工具,
ドリル,エンドミルに代表される切削用工具、スリッタ
−などの切断刃,裁断刃とダイス,パンチなどの型工具
とノズルなどの耐腐食耐摩耗部材として代表される耐摩
耗用工具、ビットに代表される土木建設用工具として最
適な高靭性被膜被覆体に関する。
に厚さが20μm以下のセラミックスの被膜を被覆し、
基体と被膜とのそれぞれの特性を有効に引き出して、長
寿命を達成しようとした被覆部材が多数提案されてい
る。この被覆部材に被膜を被覆する方法は、大別すると
化学蒸着法(CVD法)と物理蒸着法(PVD法)があ
る。これらのうち、特にPVD法により被覆された被膜
は、基体の強度を劣化させることなく耐摩耗性を高める
利点がある。そのために、一般に強度,耐欠損性を重要
視するドリル、エンドミル、フライス用スロ−アウェイ
チップに代表される被覆切削工具の被膜は、PVD法に
より被覆されているのが現状である。
チタンの被膜を被覆することはよく知られている。しか
しながら、窒化チタンを代表とする金属窒化物は高温で
酸化されやすく、耐摩耗性が著しく劣化するという問題
がある。この窒化チタン被膜の酸化の問題を改善しょう
として1980年代中頃から提案されたものに、(Ti
Al)Nの被膜,(TiAlV)Nの被膜および(Ti
AlCr)Nの被膜に代表される被覆部材に関するもの
があり、その代表的なものとして特開昭62−5656
5号公報,特開平2−138458号公報および特開平
4−128363号公報がある。その他、Tiの化合物
と金属との複合被膜に関するものとして特開昭64−7
9373号公報がある。
に関する先行技術としての特開昭62−56565号公
報には、基体の表面にTiとAlの炭化物,窒化物およ
び炭窒化物のうちの1種の単層または2種以上の多層で
なる硬質被覆層を0.5〜10μm厚さで形成した耐摩
耗性に優れた表面被覆硬質部材について記載されてい
る。
当初の通りにTi化合物の被膜に比べて耐酸化性および
耐摩耗性の向上した被覆硬質部材ではあるが、逆に機械
的性質が劣化し、工具、特に苛酷な条件で用いられる切
削工具へ適用した場合に切削性能が低下するという問題
がある。つまり、同公報に記載の表面被覆硬質部材は、
被膜中にAlを含有させることにより、Ti化合物の被
膜に比較して被膜表面の化学的性質の向上を達成した反
面、破壊靭性値が低下すること、特に高速切削用切削工
具として用いると、高温による被膜の酸化,急激な摩耗
の進行,熱衝撃性による劣化および被削材との溶着によ
り短寿命になるという問題がある。
は、基体上にAl量またはV量を段階的もしくは連続的
に増加させた(TiAlV)N系の組成構造を有する複
合被膜を被覆した複合硬質材料について開示されてい
る。また、特開平4−128363号公報には、基体の
表面に(TiAlCr)Nの被膜を被覆した複合材料に
ついて開示されている。
公報は、基体と被膜との熱膨張差による界面における応
力を考慮し、被膜の耐剥離性を高めようとしたものであ
り、後公報は、被膜の耐腐食性を高めようとしたもので
あるが、両公報共に膜生成が困難であること、膜自体が
脆性なために切削用工具のような苛酷な用途では剥離ま
たはチッピングを生じ易くて短寿命になるという問題が
ある。
は、基体上にNi−TiC複合被膜を析出させる方法に
ついて開示されている。同公報に記載の複合被膜は、基
体との密着性に優れており、耐剥離性に優れるという被
膜ではあるが、耐摩耗性、特に高温における耐摩耗性お
よび耐酸化性に劣るために切削用工具のような苛酷な用
途では短寿命になるという問題がある。
もので、具体的には、低温領域から高温領域に至るまで
の広い領域において、高靭性,高硬度性,耐摩耗性,耐
酸化性,耐熱衝撃性,耐欠損性,耐溶着性のある被膜お
よび耐剥離性の被膜を被覆したことにより一層長寿命と
なる高靭性被膜被覆体の提供を目的とする。
の基体上にTiとAlとの化合物の被膜を被覆した被覆
部材が、低温領域で使用すると割合に優れた効果を発揮
するのに対し、高温領域で使用するとその効果が低減さ
れるという問題を検討していたところ、TiとAlとの
化合物に、さらに第3の金属および/または合金を含め
た被膜とし、かつ第3の金属および/または合金の含有
量を選定することにより、高靭性な被膜となること、ま
た低温から高温の領域に至るまで耐摩耗性の低減が生じ
なく、寿命が向上するということを見出し、本発明を完
成するに至ったものである。
焼結合金またはセラミックス焼結体の基体上に被膜を被
覆した被覆体において、該被膜は単層または多層の高靱
性被膜層,もしくは該高靱性被膜層と他の膜層との積層
膜でなり、該高靱性被膜層はTiとAlとを含む複合窒
化物,複合炭窒化物,複合窒酸化物,複合炭窒酸化物の
中の1種でなる第1物質と金属または合金でなる第2物
質とでなり、該高靱性被膜層に含有する該第2物質が1
0原子%以下であることを特徴とするものである。
る基体は、被膜を被覆するときに加熱する温度に耐える
ことができる金属部材,焼結合金またはセラミックス焼
結体でなり、具体的には、例えばステンレス鋼,耐熱合
金,高速度鋼,ダイス鋼,Ti合金,Al合金に代表さ
れる金属部材、超硬合金,サ−メット,粉末ハイスの焼
結合金、Al2O3系焼結体,Si3N4系焼結体,サイア
ロン系焼結体,ZrO2系焼結体のセラミックス焼結体
を挙げることができる。これらのうち、切削用工具また
は耐摩耗用工具として用いるときには、超硬合金,窒素
含有TiC系サ−メットもしくはセラミックス焼結体の
基体が好ましい。
は多層でなる上述の高靭性被膜のみでなる場合、もしく
は後述するように高靭性被膜と他の膜とを組合わせた積
層膜とすることも好ましいことである。この被膜の総膜
厚さは、0.5〜20μmからなることが好ましく、特
に耐剥離性および耐摩耗性から1.0〜10μmでなる
ことが好ましい。また、用途および形状により被膜の厚
さを選定することが好ましく、例えばエンドミル,ドリ
ル,フライス用切削工具に用いるときには被膜厚さを薄
くすることが好ましく、具体的には、例えば1.0〜5
μmの被膜厚さでなることが好ましい。
被膜を構成する第1物質は、具体的には、例えば(Ti
Al)N,(TiAl)CN,(TiAl)NO,(T
iAl)CNOの中の1種でなり、これらは化学量論組
成または非化学量論組成でなる場合でもよく、特に、
(Tia,Alb)CyN1-y の式[但し、式中のTiは
チタン、Alはアルミニウム、a、bはそれぞれTiお
よびAlの原子比を、yは炭素の原子比を表す。また、
a+b=1、0.05≦a≦0.75、 0≦y≦0.
95の関係にある]で表わせる複合窒化物および複合炭
窒化物のなかの1種以上でなる場合が耐摩耗性および高
靭性から好ましい。
る第2物質は、具体的には、例えば周期律表の4a,5
a,6a族金属,鉄族金属,Al,Mn,Y,Siおよ
びこれらの相互合金の中の1種以上の金属または合金を
挙げることができる。これらのうちNi,Co,Fe,
Mn,Al,Ti,Yの中の1種以上の金属または合金
でなる場合には、密着性に優れることから、特に好まし
いことである。
る高靭性被膜は、具体的には、例えば(Ti,Al)N
−Ni、(Ti,Al)CN−Ni、(Ti,Al)N
−Co、(Ti,Al)CN−Co、(Ti,Al)N
−Fe,(Ti,Al)N−Mn、(Ti,Al)N−
Y、(Ti,Al)N−Co−Ni、(Ti,Al)N
−Co−Fe、(Ti,Al)N−Fe−Co−Ni、
(Ti,Al)N−Mn−Ni、(Ti,Al)N−N
i−Fe、および(Ti,Al)N−Ti−Alを挙げ
ることができる。この高靭性被膜は、耐剥離性から0.
5〜10μmでなる膜厚さでなることが好ましく、特に
耐衝撃性を重要視する用途においては0.5〜5μmで
なる膜厚さでなることが好ましい。
i,Co,Fe,Mn,Al,Ti,Yの中の少なくと
も1種の金属または合金でなる第2物質を10原子%以
下含有してなる単層または2層以上の多層からなること
が好ましい。高靭性被膜中における第2物質の含有量が
10原子%を超えて多くなると耐摩耗性の低下が顕著に
なること、より耐摩耗性を高めるためには高靭性被膜中
における第2物質の含有量は、特に、5原子%以下でな
ることが好ましい。
構成は、高靭性,高強度性,高耐摩耗性および優れた付
着性を有している高靭性被膜を、基体に隣接して直接形
成させる第1の構成とすること、または基体と高靭性被
膜との間に下地層および/または内層でなる他の膜を介
在させて積層でなる第2の構成とすること、さらには第
1の構成もしくは第2の構成でなる高靭性被膜の表面に
外層および/または最外層を形成した積層でなる第3の
構成とすることも好ましい。
と、基体上に順次被覆される被膜の構成が基体−高靭性
被膜でなる第1の構成、基体−下地層−高靭性被膜、基
体−内層−高靭性被膜、基体−下地層−内層−高靭性被
膜でなる第2の構成、基体−高靭性被膜−外層、基体−
高靭性被膜−外層−最外層、基体−下地層−高靭性被膜
−外層、基体−内層−高靭性被膜−外層、基体−内層−
高靭性被膜−外層−最外層、基体−下地層−内層−高靭
性被膜−外層でなる第3の構成を挙げることができる。
には、例えばTi,TiAl,Ti3Al,TiAl3,
W,に代表される金属または合金の1種の単層または2
種以上の多層でなるものを挙げることができる。また、
内層および外層は、具体的には、例えば周期律表の4
a,5a,6a族元素の炭化物,窒化物,炭酸化物,窒
酸化物およびこれらの相互固溶体の1種の単層または2
種以上の多層でなるものを挙げることができる。さら
に、最外層は、具体的には、例えば酸化アルミニウム,
(TiAl)N,(TiAl)CN,(TiAl)CN
Oの1種の単層または2種以上の多層でなるものを挙げ
ることができる。
接高靭性被膜を形成することも好ましく、また基体と高
靭性被膜との間にTiの炭化物,窒化物,炭窒化物,炭
酸化物,窒酸化物,炭窒酸化物の中の1種の単層または
2種以上の多層でなる内層を介在させることも特に好ま
しいことである。
販されているステンレス鋼,耐熱合金,高速度鋼,ダイ
ス鋼,Ti合金,Al合金に代表される金属部材、超硬
合金,サ−メット,粉末ハイスの焼結合金、Al2O3系
焼結体,Si3N4系焼結体,サイアロン系焼結体,Zr
O2系焼結体のセラミックス焼結体を基体とし、好まし
くはJIS規格B4053の超硬合金の使用選択基準の
中で分類されているP20〜P40,M20〜40およ
びK10〜K20相当の超硬合金材質、特に好ましくは
P30,M20,M30相当の超硬合金材質でなる基体
を用いればよい。この基体の表面を、必要に応じて研磨
し、超音波,有機溶剤などによる洗浄処理を行った後、
従来から行われている物理蒸着法(PVD法),化学蒸
着法(CVD法)またはプラズマCVD法により基体上
に被膜を被覆することにより作製することができる。
じて被覆する下地層を含めて、それぞれの膜質に応じて
PVD法,CVD法,またはプラズマCVD法を使い分
けることもできる。これらのうち、製造工程上から全て
の被膜を、イオンプレ−ティング法またはスパッタリン
グ法に代表されるPVD法で行うことが好ましく、この
中でもイオンプレ−ティング法、特にア−クイオンプレ
−ティング法で被覆処理することが好ましい。
イオンプレ−ティング法で作製する場合について、さら
に詳述すると、金属源としては第1物質を構成する金属
チタン、金属アルミニウムおよび第2物質となる金属を
それぞれ独立して用いてもよく、またはTiとAlの元
素を含有している合金と第2物質となる金属とを使用し
てもよい。第2物質は、基体に含有している金属が拡散
されて生じる場合も起こり得る。金属のイオン化の方法
もア−ク放電の他、グロ−放電または高周波加熱などの
いずれでもよい。イオンプレ−ティング法で使用するガ
スは、窒化物を生成するためのガス、すなわち窒素ガス
の他、窒素を含んだアンモニアなどの化合物ガスを用い
てもよい。この反応ガスを炉内に導入し、金属源として
の金属または合金をイオン化し、基体に負のバイアスを
印加して被膜を合成することが好ましい。特に、高靭性
被膜を形成するためには、第1物質を構成するための金
属源と、第2物質を構成するための金属源とのイオン化
に時間差をつけることが重要である。
膜全体の破壊靭性値および耐摩耗性を向上させる作用を
し、かつ基体と被膜との界面近傍に残留する応力を緩和
する作用をし、特に超硬合金でなる基体の場合には付着
性を高める作用をし、これらの全ての作用により被覆体
全体に優れた特性を達成させているものである。
の超硬合金(JIS規格B4053のP30相当材質)
を基体とし、この基体表面を有機溶剤で洗浄した後、ア
ーク放電プラズマ装置のチャンバー内に設置し、(逃げ
面とすくい面へ同時に被覆できる治具を用いて設置)、
チャンバー内を1.0×10ー5〜3.0×10ー6To
rrの真空とした。次いでチャンバー内を表1に示すガ
ス組成およびガス圧に保持し、基体を600℃に加熱し
た。最初にTiイオンをアーク放電して、基体に2分間
ボンバードさせた。次に、アーク放電電流を約100A
に保ち、Ni,Fe,Mnの金属(表中、Xと表示)を
約0.5分間放電させた後、さらに放電と中止とを断続
的に行って表1に記載のX分間を合計放電時間としなが
ら、Ti−Al合金を約30分間放電させて、本発明品
1〜5を得た。比較として、Ni,Fe,Mnの金属放
電のみ削除し、他は略同様に処理を行い比較品1〜3を
得た。
1〜3のそれぞれの被膜は、X線回折装置、電子顕微鏡
およびEDX装置により調べて(Ti、Al)化合物お
よび金属でなることを確認した。本発明品1〜5および
比較品1〜3の被膜組成成分は、X線回折装置およびグ
ロー放電発光分析装置により解析し、また、それぞれの
被膜厚さは走査型電子顕微鏡で調べて、表2に示した。
次いで、本発明品1〜5および比較品1〜3を用いて被
削材:S45C(HB190)、切削速度300m/m
in、送り:0.5mm/rev、切込み:2.0m
m、切削時間:60min、乾式切削試験による第1切
削条件と被削材:S48C、切削速度150m/mi
n、送り:0.3mm/rev、切込み:1.5mm、
切削時間:30min、乾式切削試験による第2切削条
件で、切削試験を行い、それぞれの平均逃げ面摩耗幅を
測定し、その結果を表2に併記した。
のM20相当の超硬合金製)を基体として用いた以外
は、実施例1の本発明品1〜5の製造条件と略同様に処
理し、それぞれ本発明品6〜10を得た。また、実施例
1の比較品1〜3の製造条件と略同様に処理し、それぞ
れ比較品4〜6を得た。こうして得た本発明品6〜10
および比較品4〜6のそれぞれの被膜を、実施例1と同
様にして調べて、その結果を表3に示した。
6を用いて被削材:SKD61(HRC41)、送り:
0.08/rev、切込み:Ad=12mm、Rd=
0.8mm、切削速度:20m/min、工具形状:8
mm径の2枚刃エンドミル、水溶性切削による第3切削
条件と、被削材:SUS304(HB180)、送り:
0.03/rev、切込み:Ad=7mm、Rd=1m
m、切削速度:50m/min、工具形状:5mm径の
2枚刃エンドミル、水溶性切削による第4切削条件とで
切削試験を行い、それぞれ切削長50m時における逃げ
面摩耗幅を測定し、その結果を表3に併記した。
の超硬合金(JIS規格B4053のP30相当材質)
を基体とし、この基体表面を有機溶剤で洗浄した後、ア
ーク放電プラズマ法のチャンバー内に設置し、(逃げ面
とすくい面へ同時に被覆できる治具を用いて設置)、チ
ャンバー内を1.1×10-5〜1.5×10-5Torr
の真空とした。次いでチャンバー内をN2−CH4ガス組
成および2.1×10-2Torrのガス圧に保持し、基
体を約600℃に加熱した。最初に電流を約800Aに
保持しながらTiイオンをアーク放電して、基体に3分
間ボンバードさせた。次に、アーク放電電流を約100
A,N2流量:95(SCCM),CH4流量:85(S
CCM),基体バイアス:−100Vに保ち、Co金属
を約0.5分間放電させた後、さらにCo金属を0.5
分間放電させながらTi−Al合金を約30分間放電さ
せて本発明品11を得た。また、N2流量:100(S
CCM),CH4流量:80(SCCM)としたこと、
Ti金属を用いたこと、および放電時間:50分間とし
た以外は、本発明品11と同様に処理して比較品7を得
た。
のそれぞれの被膜を、実施例1における方法と同様にし
て調べた結果、本発明品11は、被膜組成:(T
i0.5,Al0.5)C0.6N0.4−2atm%Co,被膜厚
さ:3.8μm,被膜硬さ:3010(HV−0.0
5),被膜スクラッチ強度:90Nでなり、比較品7
は、被膜組成:Ti(C0.6,N0.4),被膜厚さ:4.
0μm,被膜硬さ:2530(HV−0.05),被膜
スクラッチ強度:65Nであった。
(TiAl)N被膜を被覆した比較品に対比して、高硬
度,高靭性,耐摩耗性,耐酸化性,耐熱衝撃性,耐欠損
性,耐溶着性を有し、かつ被膜の耐剥離性により一層優
れることから、この分野での中速切削領域から高速切削
領域に相当する領域において、長寿命になるという効果
がある。したがって、本発明の高靭性被膜被覆体は、従
来の被覆部材の領域である低速切削領域から高速切削領
域に至るまで広い領域で長寿命を達成できるという優れ
た効果があること、特にエンドミルおよびドリルとして
長寿命が得られるという効果があること、また高靭性お
よび高硬度な被膜を被覆した被覆体であることから、軽
切削領域から重切削領域においても優れた効果を発揮で
きるものである。
Claims (7)
- 【請求項1】 金属材料,焼結合金またはセラミックス
焼結体の基体上に被膜を被覆した被覆体において、該被
膜は単層または多層の高靱性被膜層,もしくは該高靱性
被膜層と他の膜層との積層膜でなり、該高靱性被膜層は
TiとAlとを含む複合窒化物,複合炭窒化物,複合窒
酸化物,複合炭窒酸化物の中の1種でなる第1物質と金
属または合金でなる第2物質とでなり、該高靱性被膜層
に含有する該第2物質が10原子%以下であることを特
徴とする高靱性被膜被覆体。 - 【請求項2】 上記第1物質は、次式(A)で表わせる
窒化物または炭窒化物でなることを特徴とする請求項1
記載の高靭性被膜被覆体。 (Tia,Alb)CyN1-y −−−−(A) [但し、(A)式中のTiはチタン、Alはアルミニウ
ム、a、bはそれぞれTiおよびAlの原子比を、yは
炭素の原子比を表す。また、a+b=1、0.05≦a
≦0.75、 0≦y≦0.95の関係にある] - 【請求項3】 上記第2物質は、Ni,Co,Fe,M
n,Al,Ti,Yの中の少なくとも1種の金属または
これらの合金でなることを特徴とする請求項1または2
記載の高靭性被膜被覆体。 - 【請求項4】 上記高靭性被膜は、TiとAlとを含む
窒化物または炭窒化物でなる第1物質とNiでなる第2
物質とからなることを特徴とする請求項1または2記載
の高靭性被膜被覆体。 - 【請求項5】 上記被膜は、Tiの炭化物,窒化物,炭
窒化物,炭酸化物,窒酸化物,炭窒酸化物の中の1種の
単層または2種以上の多層でなる内層と該内層の表面に
被覆された上記高靭性被膜とからなることを特徴とする
請求項1,2,3または4記載の高靭性被膜被覆体。 - 【請求項6】 上記被膜は、総膜厚さが0.5〜20μ
mでなることを特徴とする請求項1,2,3,4または
5記載の高靭性被膜被覆体。 - 【請求項7】 上記高靭性被膜は、膜厚さが0.5〜1
0μmでなることを特徴とする請求項1,2,3,4,
5または6記載の高靭性被膜被覆体。
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JP31011095A JP3347247B2 (ja) | 1995-11-02 | 1995-11-02 | 高靭性被膜被覆体 |
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1995
- 1995-11-02 JP JP31011095A patent/JP3347247B2/ja not_active Expired - Fee Related
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