JP3090636B2 - 光ディスクを構成する液止め溝を備えたディスク基板 - Google Patents
光ディスクを構成する液止め溝を備えたディスク基板Info
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Description
するディスク基板に関し、更に詳しくはディスク基板の
液止め溝の構造に関する。
開発が活発に行われている。この光ディスクは、2枚の
ディスク基板が貼り合わされ構成されているが、少なく
とも一方には情報が記憶されている。ディスク基板の貼
り合わせは、一般的に、例えば図9に概略的に示すよう
に、回転する基台の上で行われる。以下、簡単にその貼
り合わせ工程(STEP)を説明する。
えた基台8に第1のディスク基板D1が載置されて該基
台8上に均等に吸引保持される。
塗布する〔塗布工程〕。この塗布工程では、基台8を低
速回転させながら、吐出ノズルNより、接着剤Rである
紫外線硬化樹脂を静かに吐出させる。尚、吐出する接着
剤Rは、ディスク基板上に、図のようにドーナツ状軌跡
として形成されることが好ましい。
の第2のディスク基板D2を載置して重ねる。
基台8と共に高速回転(通常、回転数は数千rpm以
上、回転時間は数秒程度)させる〔延展工程〕。この回
転により、上下両ディスク基板間に介在する接着剤Rが
遠心力により満遍なく且つ均一に延展される。ここで、
延展の際に両ディスク基板の中心穴Pに挿入した基台8
のボス81(ボスには図示しない吸引制御された吸引穴
が設けられている)から、接着剤Rを中心方向へ吸引す
る。この吸引作用は、ディスク基板D1,D2に備わっ
た液止め溝の位置にまで接着剤が丁度達するような吸引
力で行なわれる。
ィスク基板の間で接着剤Rが延展された後、ディスク基
板全体に紫外線を照射して、基板間に介在する全接着剤
を硬化させる〔硬化工程〕。
り、2枚のディスク基板は貼り合わされ、単独の光ディ
スクとなる。上記工程のうち、工程4はディスク基板の
品質に特に影響するものであり、極めて重要となる工程
である。
延展が行われなければならない。この延展工程は、ディ
スク基板D1,D2の回転による遠心力を利用した延展
のため、前工程でドーナツ状に塗布された接着剤は、デ
ィスク基板の半径外方向(反中心方向)へは延展し易い
が、半径内方向(中心方向)へは延展し難い。そのため
ボス81から吸引を行って中心部を負圧化し、中心方向
への延展を促進するようにしている。通常、延展が終了
した状態では、延展された接着剤Rの最内周ライン(延
展端R1)は、いわゆる液止め溝の位置に納まり円形と
なる。
けられたスタッキングリブの径と同じ程度の径に設けら
れており、その溝幅は1mm〜2mm程度である。とこ
ろで、ディスク基板は、射出成形により精密に製造され
るものであるが、厚さが極めて薄い上に、情報が記憶さ
れていることから、高品質のものが要求されている。そ
のため厳密な品質管理のもとで製造が行われているが、
品質管理上の許容範囲内においては、寸法、形等に多少
のバラツキがあり、製造されたディスク基板は僅かなが
らも誤差を有するものとなる。
歪み(例えは反り具合等)として生じた場合、大きな問
題点となる。延展時は、2枚のディスク基板に接着剤を
介在させて極めて薄い延展層を作り込む作用が行われる
ので、許容範囲内での僅かな歪みがあると延展状態が変
化し定まらない。
の強さ、接着剤の量、等)を一定に設定しても、この基
板の歪みの誤差によるバラツキを生ずるのである。すな
わち、先述したように、通常は、中心方向への吸引によ
って、前記液止め溝A(従来は先述したように液止め溝
の溝幅は1mm〜2mm程度)の手前端にて接着剤の延
展が停止するが、上記のような僅かな製造上の歪み等が
ディスク基板に生じている場合は、それが原因となっ
て、延展端の一部が液止め溝を越えてこれより内方にま
で進展するのである。
模式的に示したもので、(A)は上面図を、(B)は断
面図を示す。図のように、延展端R1の一部が液止め溝
Aより内方にまで進むと、延展端R1で形成される最内
周ラインが乱れて正確に円形に形成されない。不用意に
も延展端R1が泡等を巻き込んだ場合は、その乱れたラ
インが明確に外から視認されるため外観上良くない。そ
して乱れが更に極端になると、ディスク基板Dの中心穴
Pの端部まで接着剤Rの延展端R1が達することがあ
る。
態を模式的に示したもので、(A)は上面図を、(B)
は断面図を示す。このような場合は、接着剤Rが基台8
のボス81に付着したり、また、貼り合わせた後の光デ
ィスクを積み上げて置く際、中心穴の位置で光ディスク
どうしが連結してしまう現象が生じ、以後の作業ができ
なくなる。
題点を背景に、本発明はなされたものである。すなわ
ち、本発明の目的は、ディスク基板の設計上の誤差にか
かわらず、延展工程において、接着剤の過剰な半径内方
向への延展が防止されるディスク基板を提供することで
ある。
上記の課題を背景に液止め溝の構造を改良することをヒ
ントに鋭意研究した結果、解決点を見出し、それにより
本発明を完成させた。
成する液止め溝を備えたディスク基板において、その液
止め溝が深さの異なる複数の段部を備えているディスク
基板に存する。
止め溝を備えたディスク基板において、その液止め溝が
深さの異なる複数の段部を備えており、該段部は、該デ
ィスクの中心に近い段部程深さが浅くなっているディス
ク基板に存する。
る液止め溝を備えたディスク基板において、その液止め
溝が深さの異なる複数の段部を備えており、該段部は、
該ディスクの中心に近い段部程深さが浅くなっており、
各段部の内側壁がテーパ面に形成されているディスク基
板に存する。
する際に金型の分割部により生じるバリを液止め溝の底
面に形成させた上記(3)のディスク基板に存する。
と上記(1)のディスク基板に存する。
側壁が傾斜25度〜45度のテーパ面に形成されている
上記(1)のディスク基板に存する。
mm〜3.5mmである上記(1)のディスク基板に存
する。
る液止め溝を備えたディスク基板において、その液止め
溝が溝幅が2mm〜3.5mmであって、深さの異なる
3段の段部を備えており、各段部は、該ディスクの中心
に近い段部程深さが浅くなっており、各段部の内側壁が
テーパ面に形成されているディスク基板に存する。
説明していく。本発明のディスク基板Dは、図1に示す
ように光ディスクを構成するディスク基板の一方をい
う。ディスク基板Dは、通常、ポリカーボネート等を原
料として射出成形にて製造されているもので、2枚のデ
ィスク基板が貼り合わされて、単独の光ディスクとして
完成する。一般に、ディスク基板Dの貼り合わせの面に
は液止め溝Aが形成されている。この液止め溝Aは、デ
ィスク基板Dの中心から、例えば、クランピングエリア
を考慮して半径11mmの円形に設定される。さて、本
発明のディスク基板Dの液止め溝Aは、独特の形状を備
えたものである。
の段部1,段部2,段部3,・・・を備えたものに形成
されている。そして各段部は、ディスクの中心に近い段
部程深さが浅く形成されており、各段部の内側壁はテー
パ面となっている。また、後述するように第1番目の段
部の外側壁は傾斜25度〜45度のテーパ面に形成され
ている。図2は3つの段部を備えた液止め溝Aの例であ
る。液止め溝Aは、反対側表面に設けられた図示しない
スタッキングリブの位置より中心側に位置して配置され
る。
側)に配置された第1番目の段部1は、底が平面11に
なっており、内側壁12と外側壁13がテーパ面に形成
されている。外側壁13は、このテーパ面を介してディ
スク表面S2に続く。因みに、このテーパ面は、後述す
るように、成形金型のスタンパー7を押さえる部分であ
って、今や主流となっているメカニカルクランプの爪部
により必然的に形成される。このメカニカルクランプを
有する成形金型を使用するためには、爪部は必ず必要で
ある。
2は、底面21が平面で内側壁22がテーパ面となって
いる。従って、第1番目の段部1の底面12から第2番
目の段部2の底面12に移る領域は、このようにテーパ
面を介して連続した状態になっており、延展時、中心穴
方向へ(矢印)接着剤を吸引した際に、泡等が生じな
い。この第2番目の段部2の深さL2は、第1番目の段
部1の深さ(ディスク基板の表面Sのレベルと段部1の
底面11との距離L1)より浅い(L2<L1)。第2
番目の次に形成された第3番目の段部3は、やはり底面
31が平面で外側壁32がテーパ面となっている。
の段部3の底面31に移る領域は、このようにテーパ面
で連続した状態になっており、やはり延展時、泡等が生
じることはない。
番目の段部2の深さ(ディスク基板の表面Sのレベルと
段部2の底面21との距離L2)より浅い(L3<L
2)。第3番目の内側壁32もテーパ面に形成され、表
面S2に続いている。液止め溝Aの溝幅は、好ましく
は、2mm〜3.5mmの幅が採用される。この範囲の
液止め溝Aであれば、上記のような3つの段部を備えた
場合は、3段に区画された各部分(段部)により、接着
剤の延展に大きな抵抗力が生じて延展がこの液止め溝の
範囲内にて確実に納まることができる。
展状態を模式的に示す図である。延展後は、(A)に示
すように、接着剤Rの延長端R1は、主なる第1番目の
段部1の入り口で止まるのが普通であるが、先述したよ
うに延展条件が同じであっても、製造されたディスク基
板に歪みがあると、吸引効果が異なる。そのため接着剤
の延展端は、(B)に示すように、第1番目を通り越し
て第2番目の段部2の入り口にまで達することがある。
更に、歪みの度合いによっては、(C)に示すように、
第2番目を通り越して第3番目の段部3の位置にまで達
して停止する場合もある。
目の段部2に移動する際、又は第2番目の段部2から第
3番目の段部3に移動する際、このような入り口のとこ
ろで両ディスク基板の間隙が急激に狭まることから、接
着剤の延展が進行する際にそこで抵抗力が大きく発生す
る。従って、品質上誤差である歪みの度合いが原因とな
って吸引効果が異なったとしても、液止め溝Aが作用す
る上記抵抗力により、液止め溝Aの範囲内で延展端R1
を停止することができる。すなわち、ディスク基板Dの
中心穴Pの端まで延展端が到達することはない。
うな2mm〜3.5mmの溝幅Wを持つ液止め溝の場
合、段部の数は少なくとも3段あれば十分液止め溝の範
囲内にて延展端が停止することが分かってる。一方、各
段部の境界がテーパ面に形成されているので、吸引によ
り接着剤Rが内方に延展される際、乱流が生じにくくい
わゆる気泡を巻き込むことがない。このように本発明の
液止め溝Aにおいては、延展時、常に液止め溝Aの中で
接着剤Rの延展端R1が停止する点、及び気泡を巻き込
むようなことがない点の2つのメリットがあり極めて有
用である。
Dに必然的に生じるバリBの位置を、液止め溝の中に形
成させることができる利点がある。この点について、以
下、簡単に説明する。
成形機の金型の要部を示した概略図である。デイスク基
板は上金型と下金型との間のキャビテイに、矢印の如
く、ゲートから樹脂材が注入されることにより成形され
る。上金型5と下金型6はそれぞれ、デイスク基板の情
報印加部を成形するための第1分割金型51、中心穴周
辺を成形するための第2分割金型(別名、センター押さ
え)52、及び中心穴を成形するためのコアー金型(別
名、スプルブッシュ)54よりなる。
7が取り付けられている。このスタンパー7は、印加さ
れた情報をデイスク基板に転写付与せしめるためのもの
で、第2分割金型52の角に設けられた微小な爪部52
Aにより第1分割金型51に支持固定されている。そし
て第2分割金型52は、カップリング(別名、固定ブッ
シュ)53により第1分割金型51に支持固定される。
め楔状の形に設計されているが、その形状により、上述
したように液止め溝Aの第1番目の段部1の外側壁13
のテーパ面が必然的に決定される。ところで、上記のよ
うに、第2分割金型52を金型に準ずるカップリング5
3にて固定する構造としているので、第2分割金型52
とカップリング53との合わせ目にバリBが発生する。
リ発生の位置を示す図である。このバリBは、従来にお
いては、図6に示すように、液止め溝の内方のディスク
基板の平らな表面S1に生じ、弊害となっていた。すな
わち、ディスク基板同志を貼り合わせる場合、このバリ
Bがディスク基板同志の間隙を広げるように作用するた
め、延展後に両ディスク基板の間隔が開き過ぎてしまう
のである。
ことで、金型においては、バリの発生位置である第2分
割金型52とカップリング53との境目を液止め溝内の
位置に配置することができる。そして結果的にバリBは
液止め溝内に存在することが可能となるのである。その
場合、具体的には、例えば、液止め溝の底面にバリを形
成することができる。図6のように、液止め溝の範囲内
で、段部の底にバリBが生じるようになれば貼り合わせ
の支障にはならない。
2Aにより、ディスク基板Dの液止め溝Aの外側壁13
が形成されるが、そのテーパ度は25度〜45度が採用
される。この角度だと、使用する第2分割金型52にお
いても、スタンパー7を支持固定するためのメカニカル
クランプとしての機能を十分発揮でき、また、ディスク
基板としても接着剤を吸引した際、全く気泡の巻き込み
がないことを発明者等は実験で確認している。
施の形態に限らず目的に沿ったものである限り種々の変
形が可能である。例えば、各段部の幅の大きさや幅の相
互のバランスは自由である。
内方向への延展が防止され、製造上の誤差に影響されな
い。接着剤の吸引に際し、液止め溝の位置で気泡を巻き
込むようなことがない。成形時、使用する金型により必
然的に生じるべきバリが、液止め溝の底面に形成される
ため、ディスク基板の貼り合わせの邪魔とならない。
示す。
す。
を模式的に示す図である。
機の金型の要部を示した概略図である。
を示す図である。
の位置を示す図である。
の延展状態であり、(A)は上面図を、また(B)は断
面図を示す。
まで達した接着剤の延展状態であり、(A)は上面図
を、また(B)は断面図を示す。
程を概略的に示す図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 光ディスクを構成する液止め溝を備えた
ディスク基板において、その液止め溝が深さの異なる複
数の段部を備えていることを特徴とするディスク基板。 - 【請求項2】 光ディスクを構成する液止め溝を備えた
ディスク基板において、その液止め溝が深さの異なる複
数の段部を備えており、該段部は、該ディスクの中心に
近い段部程深さが浅くなっていることを特徴とするディ
スク基板。 - 【請求項3】 光ディスクを構成する液止め溝を備えた
ディスク基板において、その液止め溝が深さの異なる複
数の段部を備えており、該段部は、該ディスクの中心に
近い段部程深さが浅くなっており、各段部の内側壁がテ
ーパ面に形成されていることを特徴とするディスク基
板。 - 【請求項4】 ディスク基板を成形する際に金型の分割
部により生じるバリを液止め溝の底面に形成させたこと
を特徴とする請求項3記載のディスク基板。 - 【請求項5】 段部が3段であることを特徴とする請求
項1記載のディスク基板。 - 【請求項6】 第1番目の段部の外側壁が傾斜25度〜
45度のテーパ面に形成されていることを特徴とする請
求項1記載のディスク基板。 - 【請求項7】液止め溝の溝幅が2mm〜3.5mmであ
ることを特徴とする請求項1記載のディスク基板。 - 【請求項8】 光ディスクを構成する液止め溝を備えた
ディスク基板において、その液止め溝が溝幅が2mm〜
3.5mmであって、深さの異なる3段の段部を備えて
おり、各段部は、該ディスクの中心に近い段部程深さが
浅くなっており、各段部の内側壁がテーパ面に形成され
ていることを特徴とするディスク基板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09291740A JP3090636B2 (ja) | 1997-10-07 | 1997-10-07 | 光ディスクを構成する液止め溝を備えたディスク基板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09291740A JP3090636B2 (ja) | 1997-10-07 | 1997-10-07 | 光ディスクを構成する液止め溝を備えたディスク基板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11120618A JPH11120618A (ja) | 1999-04-30 |
JP3090636B2 true JP3090636B2 (ja) | 2000-09-25 |
Family
ID=17772797
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP09291740A Expired - Fee Related JP3090636B2 (ja) | 1997-10-07 | 1997-10-07 | 光ディスクを構成する液止め溝を備えたディスク基板 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3090636B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005071436A (ja) | 2003-08-21 | 2005-03-17 | Meiki Co Ltd | 光ディスクおよび光ディスク用ディスク基板の成形方法 |
-
1997
- 1997-10-07 JP JP09291740A patent/JP3090636B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH11120618A (ja) | 1999-04-30 |
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