JP3089971B2 - 光電変換素子の駆動方法 - Google Patents

光電変換素子の駆動方法

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JP3089971B2
JP3089971B2 JP07026324A JP2632495A JP3089971B2 JP 3089971 B2 JP3089971 B2 JP 3089971B2 JP 07026324 A JP07026324 A JP 07026324A JP 2632495 A JP2632495 A JP 2632495A JP 3089971 B2 JP3089971 B2 JP 3089971B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、光電変換素子の駆動
方法に関し、さらに詳しくは、所謂ダブルゲート構造を
持つMOS型フォトセンサの駆動方法に係る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の光電変換素子としては、
図8に示すように、例えばi型アモルファスシリコン
(i−a−Si)膜などの半導体層1およびこの半導体
層1に設けられた図示しないソース・ドレイン電極を挟
んでその(上下)両側にそれぞれ図示しないゲート絶縁
膜を介して前記半導体層1と対向する上部ゲート電極2
および下部ゲート電極3が設けられた、所謂ダブルゲー
ト構造のものが知られている。なお、前記ソース・ドレ
イン電極は、それぞれ、例えばリン(P)などのn型の
ドーパントが拡散された図示しないアモルファスシリコ
ン(ドープトアモルファスシリコン)層を介して半導体
層1に接続されている。この光電変換素子では、上部ゲ
ート電極2が光センス用ゲートとして用いられ、下部ゲ
ート電極3が読出し選択用ゲートとして用いられてい
る。また、上部ゲート電極2と半導体層1とがコプラナ
ー型の上部MOSトランジスタを構成し、下部ゲート電
極3と半導体層1とが逆スタガー型の下部MOSトラン
ジスタを構成している。
【0003】以下、このような光電変換素子の動作、原
理を説明する。このダブルゲート構造の光電変換素子で
は、上部ゲート電極2に印加された強い負バイアスによ
りピンチオフされるn型チャネルが、上部ゲート電極2
下の半導体層1への光照射によって発生する正孔の蓄積
により変調されることで、光電変換を行っている。その
ため、暗時(暗い照度の光照射の時)は下部MOSトラ
ンジスタのオフ電流と同等の微小電流、明時(明るい照
射の光照射の時)はオン電流と同等の大きな信号電流が
得られる。上部ゲート電極2下に蓄積した正孔は、上部
ゲート電極2を正バイアスにすることで掃き出す(リセ
ットする)ようになっている。ところで、図8は光無照
射の状態で、上部ゲート電極2にセンスゲートバイアス
として−20Vを印加し、かつ下部ゲート電極3に0V
を印加した状態を示している。この状態では、半導体層
1の上部ゲート電極2側から下部ゲート電極3側に向け
て空乏層4が広がり、下部ゲート電極3をゲートとする
下部MOSトランジスタのn型チャネルをピンチオフし
た状態となる。この状態では、上記したようにドレイン
電流IDSは極めて小さい。
【0004】次に、この状態で上部ゲート電極2側から
半導体層1に、例えば明るい照度(Lx1)の光が入射
すると、上部ゲート電極2側の半導体層1のSi−Si
結合が励起され、新たに電子−正孔対が形成される。こ
こで形成された電子は微量であり、すぐに流れてしまう
ためドレイン電流には影響がない。このとき、上部ゲー
ト電極2には−20Vが印加されているが、この電圧で
保持できる正孔の量は制限されている。つまり、すでに
形成された空乏層は、上部ゲート電極2下に正孔が蓄積
されることにより、図9に示すように、上部ゲート電極
2側に向けて後退してその深さが減少する。そして、こ
の状態で下部ゲート電極3に例えば10Vを印加する
と、図10に示すように下部ゲート電極3をゲートとす
る下部MOSトランジスタのn型チャネルに電流が流れ
て、出力VOUtの値の変化により光検出が行われる。こ
のような従来の光電変換素子の駆動方法は、図12のタ
イミングチャートに示すように、光センスゲートとして
の上部ゲート電極2の電圧(Vt)に、正孔蓄積用とし
ての高い負バイアス(センスゲートバイアス)と、読出
し後の正孔掃き出し(リセット)用としての正バイアス
との2値を用いている。また、読出し選択用ゲートとし
ての下部ゲート電極3の電圧(Vb)は、非選択時に0
Vが印加され、読出し選択時に10Vの読出し選択信号
が供給されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の光電変換素子の駆動方法にあっては、上部ゲ
ート電極2の高い負バイアスによって形成される空乏層
を後退させる(打ち消す)だけの正孔発生量がなけれ
ば、下部MOSトランジスタにn型チャネルを形成する
ことができず、このため光検出(光電変換)できないと
いう問題があった。すなわち、図8に示した状態(セン
ス状態)で、図11に示すように暗い照度(Lx2)の
光を半導体層1に入射させた場合、図12のタイミング
チャートに示す蓄積時間内では、暗い照度の光であるこ
とに起因して光入射による正孔の蓄積量が小さい。この
ため、図11に示す空乏層が破線4Aから実線4Bの位
置まで後退するのに時間がかかり、下部ゲート電極3に
読出し選択用信号として正電圧である例えば10Vを高
照度で十分正孔を蓄積できる時間印加しても下部MOS
トランジスタにn型チャネルを形成し得ずに、光電変換
が行えないという問題があった。
【0006】また、低照度において明暗差を読み取る場
合と、全体が高照度の中で明暗差を読み出す場合とで
は、明暗のしきい値になるべき照度が異なるので、単位
時間当たりの正孔発生量が異なる。よって、蓄積時間を
調整する必要があった。これらの問題点を有するため、
従来の光電変換素子の駆動方法では、照度に応じて高感
度にしようとすると高速にスキャンできないという欠点
があった。又、上記問題点を解消するためキャリー時の
上部ゲート電極に印加する電圧を全体的に低減すると、
蓄積時間にチャネルが形成してしまいセンスできなくな
ってしまっていた。この発明は、低照度の環境下でも短
時間で明暗差を検出できる高感度な光電変換素子を提供
することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、請求項1記載の
発明は、半導体層および前記半導体層に設けられたソー
ス・ドレインを挟んでその両側にそれぞれゲート絶縁膜
を介して前記半導体層と対向するゲート電極が設けられ
ると共に、一方のゲート電極側から光が入射され、且つ
前記一方のゲート電極に、蓄積時間中に正孔を蓄積する
ための負のセンスゲートバイアス及び前記蓄積時間の前
に蓄積された正孔を掃き出すためのリセットバイアスが
印加され、他方のゲート電極にn型チャネルを形成する
ための読出し選択信号が供給される光電変換素子の駆動
方法において、読出し選択期間中に、前記他方のゲート
電極に印加される前記読出し選択信号は正電圧であり、
前記読出し選択期間中に、前記一方のゲート電極に対し
て、前記センスゲートバイアスと0Vとの中間の値のオ
フセットバイアスを印加することを、解決手段としてい
る。
【0008】
【0009】
【作用】この発明においては、読出し選択時に、一方の
ゲート電極に対して、読出し選択信号に同期して、セン
スゲートバイアスと0Vとの中間の値のオフセットバイ
アスを印加することにより、半導体層の一方のゲート電
極側から他方のゲート電極側に向けて形成された空乏層
を一方のゲート電極側に後退させる作用がある。このた
め、例えば明るくない照度の光が半導体層に入射しても
空乏層が後退して、他方のゲート電極をゲートとするM
OSトランジスタにチャネルが形成でき、照度に応じた
ドレイン電流をすばやく流すことができる。かくして、
暗い照度の光入射で、半導体層に形成された空乏層へ正
孔が蓄積して、空乏層が一方のゲート電極側に後退する
のが遅い場合でも、一方のゲート電極にオフセットバイ
アス(センスゲートバイアスと0Vとの中間の値)を印
加することで空乏層の後退を早めることができ、光電変
換が可能となる。
【0010】
【実施例】以下、この発明に係る光電変換素子の駆動方
法の詳細を図面に示す実施例に基づいて説明する。図1
は、本発明の駆動方法を適用する本実施例の光電変換素
子の断面構造を示す断面説明図である。同図中10は、
本実施例の光電変換素子を示している。この光電変換素
子10は、基本的に、一方のゲート電極としての上部ゲ
ート電極をゲートとするコプラナー型の上部MOSトラ
ンジスタと、他方のゲート電極としての下部ゲート電極
をゲートとする逆スタガー型の下部MOSトランジスタ
とを、半導体層を単一層にして組み合わせた構成となっ
ている。
【0011】本実施例の光電変換素子の具体的な構造
は、図1に示すように、ガラス基板などの透明な絶縁性
基板11の上に、他方のゲート電極としての下部ゲート
電極12が形成されており、この下部ゲート電極12お
よび絶縁性基板11の上を覆うように、例えば窒化シリ
コン(SiN)などからなる下部ゲート絶縁膜13が形
成されている。この下部ゲート絶縁膜13の上には、下
部ゲート電極12と対向する位置に、真性のアモルファ
スシリコンでなる半導体層14が形成されている。この
半導体層14の両側には、同図に示すように、ソース電
極15と、ドレイン電極16とが設けられている。これ
らソース電極15およびドレイン電極16は、それぞれ
リン(P)などのドーパントが拡散されたドープトアモ
ルファスシリコンよりなるn+シリコン層17、18を
介して半導体層14とオーミック接続されている。これ
ら半導体層14、下部ゲート絶縁膜13、下部ゲート電
極12、ソース電極15およびドレイン電極16など
で、逆スタガー型の下部MOSトランジスタが構成され
ている。
【0012】そして、上記したソース電極15、ドレイ
ン電極16、半導体層14および絶縁性基板11は、透
明な窒化シリコンからなる上部ゲート絶縁膜19で覆わ
れている。この上部ゲート絶縁膜19上には、上記した
下部ゲート電極12と相対向する位置に、透明な導電性
材料からなる一方のゲート電極としての上部ゲート電極
20が形成されている。なお、図示しないが、この上部
ゲート電極20および上部ゲート絶縁膜19を覆うよう
に、窒化シリコンからなる透明なオーバーコート膜が形
成されている。このようにして上部ゲート電極20、上
部ゲート絶縁膜19、半導体層14、ソース電極17お
よびドレイン電極18などで、コプラナー型の上部MO
Sトランジスタが形成されている。この光電変換素子1
0は、上部ゲート電極20側から光が入射され、この入
射光が上部ゲート電極20および上部ゲート絶縁膜19
を透過して、半導体層14に入射するようになってい
る。
【0013】次に、このような光電変換素子10の駆動
方法を説明する。本実施例では、図2のタイミングチャ
ートに示すように、下部ゲート電極12に供給する読出
し選択信号に同期して、上部ゲート電極20にオフセッ
トバイアスを印加するようにしたものである。このよう
にオフセットバイアスを印加することにより、下部ゲー
ト電極12をゲートとする下部MOSトランジスタのn
型チャネルが形成されるようにし、暗い照度の光が入射
した場合でもこのチャネルにドレイン電流が流れること
で光電変換(光検出)を可能としたものである。
【0014】まず、図3は本実施例の光電変換素子10
を模式的に示す説明図である。同図は、光無照射状態
で、上部ゲート電極20にセンスバイアスとして−20
Vを印加し、下部ゲート電極12に0Vを印加した状態
を示している。この状態では、空乏層21が上部ゲート
電極20側から下部ゲート電極12側に(半導体層14
の厚さ方向に)向けて広がり、下部ゲート電極12をゲ
ートとする下部MOSトランジスタのn型チャネルをピ
ンチオフした状態となっている。
【0015】上部ゲート電極20に例えば5Vのリセッ
トバイアスを印加して蓄積されている正孔を掃き出した
後、再度センスバイアスとして−20Vを印加して、上
記したような下部MOSトランジスタのn型チャネルを
ピンチオフした状態で半導体層14に暗い照度(Lx
2)の光を入射させると、半導体層14に電子−正孔対
が発生して上部ゲート電極20下に電荷(正孔)が蓄積
され、図4(A)に示すように、空乏層21は図3に示
す状態から徐々に上部ゲート電極20側に向けて後退す
る。しかし、光の照度が暗いと、図2のタイミングチャ
ートに示す、設定された蓄積時間内に、正孔が半導体層
14の上部ゲート電極20下に蓄積されて空乏層21を
上部ゲート電極20側に後退させることができず、下部
ゲート電極12をゲートとする下部MOSトランジスタ
のn型チャネルを形成することができなくなる。そこ
で、本実施例では、図2に示すように、下部ゲート電極
12に供給される読出し選択信号に同期させて上部ゲー
ト電極20にオフセットバイアスとして−10Vの電圧
を印加するようにした。このようにすると、図4(B)
に示すように、上部ゲート電極20の電圧が負の高バイ
アスから負の低バイアスとなり、正孔の蓄積を待つこと
なく空乏層21が上部ゲート電極20側に後退して、下
部ゲート電極12をゲートとする下部MOSトランジス
タのn型チャネルが形成され得るように設定したもので
ある。このとき、n型チャネルを流れるドレイン電流I
DSは、入射光の光量に応じたチャネル抵抗の変化に伴っ
た変化を示す。なお、図2に示した出力電圧Voutは、
光電変換素子10のドレイン側にプリチャージした電圧
の変化を表している。
【0016】一方、上部ゲート電極20に例えば5Vの
リセットバイアスを印加して蓄積されている正孔を掃き
出した後、図3に示すように、再度センスバイアスとし
て−20Vを印加して下部MOSトランジスタのn型チ
ャネルをピンチオフした状態で、半導体層14に明るい
照度(Lx1)の光を入射させると、図5(A)に示す
ように、半導体層14に電子−正孔対が多く発生して上
部ゲート電極20下に正孔が速やかに蓄積される。この
ため、空乏層21が上部ゲート電極20側に後退する。
このような場合も、図5(B)に示すように、読出し選
択信号に同期させて上部ゲート電極20にオフセットバ
イアスとして−10Vの電圧を印加することにより、空
乏層21を上部ゲート電極20側にさらに後退させる
が、暗い照度の場合にも同バイアスを印加しているた
め、明暗のバランスを失することはない。
【0017】ところで、本実施例の光電変換素子10
は、図6に示すような2次元センサの1画素として適用
することができる。この2次元センサは、多数の光電変
換素子10がマトリックス状に配されている。各光電変
換素子10は、その下部ゲート電極12が下部ゲート側
ドライバ22に下部ゲート駆動線23を介して接続さ
れ、そのドレイン電極16が信号線24に接続されてい
る。下部ゲート側ドライバ22は、下部ゲート電極12
に対して下部ゲート駆動線23を介して下部ゲート電圧
(Vb)を、図2に示すタイミングで0Vと10Vとを
切り替えて印加する。
【0018】なお、この2次元センサは、センサアレイ
ブロック26とデータセレクトブロック27の2つの領
域から大略構成されている。上記した光電変換素子10
はセンサアレイブロック26に配置されている。また、
データセレクトブロック27内には、信号線24の端部
にスイッチング素子Qを介して出力線28の一端が接続
されている。この出力線28の他端は、出力バッファ2
5に接続されている。上記したスイッチング素子Qは、
MOSトランジスタでなり、そのゲートがデータセレク
ト29に接続され、このデータセレクト29から選択的
に出力された電圧がゲートに印加されることにより、所
定の信号線24と出力線28とを、接続または解放する
ようになっている。さらに、1ビットの信号線24、2
4毎に、それぞれ独立した電源線30が、スイッチング
素子Qの出力バッファ25側の位置に接続されている。
また、光電変換素子10の上部ゲート電極20は、上部
ゲート駆動線31に接続され、この上部ゲート駆動線3
1は、上部ゲート側ドライバ32に接続されている。さ
らに、光電変換素子10のソース電極15は、接地され
ている。
【0019】図6に示すような構成において、各画素
(光電変換素子10)を駆動させるには、図2に示した
タイミングチャートに従って、上部ゲート電圧Vtと下
部ゲート電圧Vbとを制御することにより、選択/非選
択の制御およびセンス/リセットの制御を行う。すなわ
ち、図2に示すように、任意の光電変換素子10の上部
ゲート電圧Vtを5V、下部ゲート電圧Vbを0Vとし
てリセットを行う。このとき、この光電変換素子10の
ドレイン電極と接続されたスイッチング素子Qを所定時
間だけ接続状態になるようにデータセレクト29を制御
し、電源線30からドレイン電圧Vddを印加してプリ
チャージする。その後、上部ゲート電圧Vtを−20V
として光電変換素子10をセンス状態とし、このセンス
状態期間に下部ゲート電極12に読出し選択信号として
10Vを印加すると、この光電変換素子10は選択状態
となる。
【0020】ここで、本実施例では、この読出し選択信
号に同期させて、上部ゲート電極20にオフセットバイ
アスとして−10Vを印加する。図7は、チャネル長が
10μm、チャネル幅が800μmの半導体層を有する
光電変換素子を14×14アレイに配列させ、半導体層
がnチャネルを形成するのに必要な光の露光量(飽和露
光量)の、光が照射される時間(sec)と光の照度
(Lx)との関係を示している。図中の二点鎖線は本発
明における図2に示すタイミングチャートの読み出しに
より得られる飽和露光量曲線であり、一点鎖線は図12
に示す従来のタイミングチャートの読み出しにより得ら
れる飽和露光量曲線である。このグラフから判るように
従来の飽和露光量は約2Lx・secであるため、照度
が少ないと飽和量に達するまでの正孔の蓄積時間が長く
なってしまい、高速にスキャンできなかったが、本発明
は読み出し時にオフセットバイアスを軽減させたので、
従来例に比して飽和露光量が小さくてすみ、単位照度あ
たりの蓄積時間が短くても十分高感度にセンスすること
ができる。すなわち、光電変換素子10に入射する光の
照度が暗い場合において、図4(B)に示すように、上
部ゲート電圧Vtを−20Vから−10Vに変化させる
ことにより、従来例程度の飽和露光量である2Lx・s
ecに達しなくとも、半導体層14に形成された空乏層
21を上部ゲート電極20側にやや後退させることがで
きるので電荷の蓄積時間を短縮することができる。この
とき、半導体層14の下部ゲート電極12側に形成され
るn型チャネルは、空乏層21の影響を受けるため、図
5(B)に示すような明るい照度の光が入射されたとき
に比べてチャネル抵抗が大きくなり、小さいドレイン電
流が流れる。すると、プリチャージされたドレイン電圧
が下がり、その値が出力バッファ25に出力され、この
出力バッファ25から出力電圧Voutが出力される。
このときの出力電圧Voutは、入射光が暗い照度であ
るため、チャネル抵抗が大きくなって電圧降下の度合が
少なくなり、例えば5V程度となる。一方、蓄積時間内
に半導体層14へ明るい照度の光が入射した場合は、半
導体層14に形成された空乏層21が速やかに上部ゲー
ト電極20側へ後退するが、この場合の読出し選択時も
上部ゲート電極20に−10Vのオフセットバイアスを
印加する。このため、明るい照度の光の場合も、当然、
確実な光検出が可能となる。なお、このように明るい照
度の光が入射した場合は、プリチャージしたドレイン電
圧の降下が著しいため出力電圧Voutは、たとえば0
V程度となるように設定されている。
【0021】その後、図2に示すように、下部ゲート電
極12の電圧Vbを0Vにすると、非選択状態となり、
この非選択状態で、上部ゲート電極20の電圧Vtを5
Vにすると、この光電変換素子10はリセットされる。
また、プリチャージは、読出し選択後に行うように設定
する。この状態では、上部ゲート電圧が−10Vから−
20Vにシフトしているため、下部ゲート電圧Vbが0
Vであるため、光入射があっても無くても、チャネルに
新たに形成された空乏層は消失しないので出力電圧Vo
utは、10Vとなる。すなわち、プリチャージを行っ
た後、上部ゲート電圧Vtが読み出し時により空乏層を
形成しやすい状態としておくことにより、光の入射に拘
わらず、光電変換素子10を非選択状態とすることがで
きる。さらに、図2からも明らかなように、下部ゲート
電圧Vbのいかんに拘わらず、上部ゲート電圧Vtを5
Vとすることにより、リセット状態とすることができ、
光電変換素子10における次のデータ取り出し処理で迅
速かつ確実に出力電圧Voutを取り出すことができ
る。なお、このような2次元センサにおける画素選択方
法、スキャン方法などは周知の方法を用いることができ
る。
【0022】以上、実施例について説明したが、本発明
はこれに限定されるものではなく、各種の設計変更が可
能である。例えば、上記実施例では上部ゲート電極20
に印加するオフセットバイアスを−10Vに設定した
が、センスゲートバイアス(上記実施例では−20V)
と0Vの中間の値であれば、例えば半導体層14の特
性、周囲の明るさ、被検出物の明暗などを適宜加味して
設定することができる。
【0023】また、上記実施例では、オフセットバイア
スが一定になるように駆動させたが、例えば暗い被検出
物のセンシングを行うときに、オフセットバイアスを加
えるように切り換え手段を備えさせることも可能であ
る。なお、上記実施例では、読み出し選択信号に同期し
て、上部ゲート電極にオフセットバイアスを印加した
が、読み出し選択信号を半導体層に印加している期間中
であれば読み出し期間より短くオフセットバイアスを印
加してもよい。
【0024】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明によれば、従来より小さな電荷蓄積量をしきい値とし
て明暗差を読み出せるという効果がある。また、暗い所
で用いることのできる高感度フォトセンサや、蓄積時間
が短い高速スキャンセンサを実現させる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に用いた光電変換素子の断面
図。
【図2】本実施例のタイミングチャート。
【図3】本実施例の光電変換素子の動作を示す説明図。
【図4】(A)および(B)は本実施例の光電変換素子
の動作を示す説明図。
【図5】(A)および(B)は本実施例の光電変換素子
の動作を示す説明図。
【図6】本発明の駆動方法を適用する2次元センサの回
路図。
【図7】光電変換素子の電荷蓄積が飽和露光量となるた
めの露光量と蓄積時間との関係を示すグラフ。
【図8】従来の駆動方法による光電変換素子の動作を示
す説明図。
【図9】従来の駆動方法による光電変換素子の動作を示
す説明図。
【図10】従来の駆動方法による光電変換素子の動作を
示す説明図。
【図11】従来の駆動方法による光電変換素子の動作を
示す説明図。
【図12】従来の駆動方法のタイミングチャート。
【符号の説明】
12 下部ゲート電極 14 半導体層 20 上部ゲート電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 31/10 - 31/119 H01L 27/14 - 27/148

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体層および前記半導体層に設けられ
    たソース・ドレインを挟んでその両側にそれぞれゲート
    絶縁膜を介して前記半導体層と対向するゲート電極が設
    けられると共に、一方のゲート電極側から光が入射さ
    れ、且つ前記一方のゲート電極に、蓄積時間中に正孔を
    蓄積するための負のセンスゲートバイアス及び前記蓄積
    時間の前に蓄積された正孔を掃き出すためのリセットバ
    イアスが印加され、他方のゲート電極にn型チャネルを
    形成するための読出し選択信号が供給される光電変換素
    子の駆動方法において、読出し選択期間中に、前記他方のゲート電極に印加され
    る前記読出し選択信号は正電圧であり、前記 読出し選択
    期間中に、前記一方のゲート電極に対して、前記センス
    ゲートバイアスと0Vとの中間の値のオフセットバイア
    スを印加することを特徴とする光電変換素子の駆動方
    法。
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