JP3089827B2 - 染料熱転写画像受容シート - Google Patents

染料熱転写画像受容シート

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JP3089827B2
JP3089827B2 JP04132693A JP13269392A JP3089827B2 JP 3089827 B2 JP3089827 B2 JP 3089827B2 JP 04132693 A JP04132693 A JP 04132693A JP 13269392 A JP13269392 A JP 13269392A JP 3089827 B2 JP3089827 B2 JP 3089827B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、染料熱転写画像受容シ
ート(以下、受像シートと記す)に関するものである。
更に詳しく述べるならば、本発明は、濃度ムラがなく、
高濃度の鮮明な画像が得られ、かつ、プリント時の熱に
より発生するカールに対する耐カール性を改善した受像
シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、熱転写方式の高画質のカラーハー
ドコピー、特に染料熱転写型プリンターの開発が急速に
進んでいる。染料熱転写型プリンターでは、3色(イエ
ロー、マゼンタ、シアン)の昇華性染料層を、サーマル
ヘッドの加熱エネルギーを連続的に制御して加熱し、そ
れによってそれぞれの色の染料の転写量を変化させて濃
度階調のフルカラー画像の形成が可能になっている。
【0003】このような染料熱転写プリンターにより、
高画質のプリントを高速において受像シート上に形成す
るためには、受像シートの基材として、ポリオレフィン
などの熱可塑性樹脂を主成分とし、多数の空孔(ボイ
ド)を有する二軸延伸フィルムを用いることが知られて
おり、このような受像シートは、前記基材上に、熱可塑
性樹脂を主成分とする画像受容層を設けて製造されてい
る。上記の基材を用いた受像シートは、厚さが均一で、
柔軟性があり、しかもセルロース繊維からなる紙等に比
べて熱伝導度が低いなどの利点があり、このため均一で
濃度の高いプリントが得られるという長所がある。
【0004】しかしながら、このような二軸延伸フィル
ムを、高い画像再現性を要求される受像シートの基材と
して用いた場合、フィルム延伸時の残留応力がプリント
時の熱で解放され、延伸方向に熱収縮し、その結果、受
像シートにカールやシワが発生し、これが、プリンター
中を走行する受像シートの紙詰まりなどのトラブルの原
因となっていた。
【0005】上記カール、またはシワの発生という欠点
を改善するために、比較的熱収縮性の小さい芯材や、弾
性率の大きい芯材の両面に、延伸フィルムを積層貼合し
て得られるラミネートシートを基材として用いることが
知られている。しかしながら、このような基材は、熱収
縮率の異なるシートを積層しているため、熱などによる
収縮率の差が原因となってカールが発生していた。ま
た、表裏に積層する延伸フィルムとして、収縮率が互い
に同一のものを使用しても、プリント時に熱は表方向に
のみかかるため、受像シートの表面と裏面とでは温度が
異なり、このため表裏の熱収縮率に差が生じ、カールが
発生していた。さらに、この場合、表裏に延伸フィルム
を積層しているためコストが大幅に上昇する等の問題が
あった。
【0006】プリント時のカール発生を防止し、および
画像の不均一を解消するために、特開平2−10639
7号、および同2−307786号には高円滑な紙の表
面に厚さ5〜35μm 、重量5〜25g/m2 のポリオレ
フィン樹脂層をラミネートした基材を用いることが提案
されているが、これを受像シートの基材を用いた場合
は、カール防止の改善はなされるものの、紙繊維が形成
する凹凸に起因するプリント画像の濃度ムラや、プリン
ト濃度の低下などの問題が発生するため、上記の基材も
未だ十分には実用化されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、受像シート
の支持体として二軸延伸フィルムを用いた場合に発生す
るカールの問題、および、受像シートの支持体として、
高平滑な紙にポリオレフィン樹脂をラミネートした積層
体を用いた場合に発生する画像濃度ムラ、プリント濃度
低下等の欠点を解消し、受容した画像の濃度が高く、し
かも濃度ムラがなく、プリントの際の加熱によりカール
を発生することのない染料熱転写画像受容シートを提供
しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の課
題を解決した受容シートを得るべく鋭意研究した結果、
特定の密度を有する原紙の表面に、活性エネルギー線を
照射することにより硬化する樹脂(以下、活性エネルギ
ー線硬化性樹脂と云う)から形成された樹脂被覆層を設
け、この樹脂被覆層上に画像受容層を形成した構成の受
容シートを作成することにより、上記課題の解決に成功
したのである。
【0009】すなわち、本発明の染料熱転写画像受容シ
ートは、シート状支持体と、前記シート状支持体の少な
くとも一方の表面上に形成され、かつ加熱によりインク
シートから転写された染料を受容する画像受容層とを有
し、前記シート状支持体が、パルプを主成分として含
み、かつ抄紙後の加熱乾燥工程において発泡した発泡性
粒子を含み、 0. 2 〜 0. 5 g/cm3 の密度を有する原
紙と、前記原紙の画像受容層が形成される側の表面上に
形成され、かつ活性エネルギー線照射により硬化した樹
脂を主成分として含有する樹脂被覆層とからなることを
特徴とするものである。
【0010】
【作用】本発明に用いる受像シート用のシート状支持体
は、例えば活性エネルギー線照射により硬化するアクリ
ル化合物を主成分として含有する塗料組成物を、原紙の
一表面に塗布して塗布層を形成し、前記塗布層の表面を
高光沢成型面に押し当てながら、前記原紙を通して前記
塗布層に活性化エネルギー線を照射してこれを硬化し、
次いで、前記操作により得られた硬化樹脂層を前記高光
沢成型面から剥離することにより製造することができ
る。このようにして得られたシート状支持体の樹脂被覆
層の表面はきわめて高い平滑性を有している。
【0011】本発明のシート状支持体と従来のものとの
大きな差は、本発明により得られるシート状支持体は、
その画像受容層形成側の表面の平滑度が高く、かつ均質
なものであり、このため原紙の繊維状の凹凸に起因して
発生する画像の濃度ムラ等が解消できるという利点があ
る。さらに、本発明に使用される塗料組成物は、一般的
な活性エネルギー線硬化性樹脂と同様に、無溶剤型であ
るため溶剤の蒸発工程が不必要であり、このため、均質
で表面平滑性の高いシート状支持体が得られるという利
点がある。
【0012】かくして得られたシート状支持体の樹脂被
覆層のキャスト面上に、画像受容層を形成することによ
り、プリント濃度が高く、画像の濃度ムラのない、優れ
た画質のプリント画像が得られる受像シートを作製する
ことができる。さらに、活性エネルギー線硬化性樹脂か
らなる樹脂層は、熱収縮率が小さいため、これをシート
状支持体上に形成した場合、プリント時の熱によるカー
ル発生を大幅に減少することができる。
【0013】本発明に用いる原紙はパルプを主成分とす
るものであって、その密度は 0. 2〜 0. 5 g/cm3
なければならない。このような低密度原紙は、パルプに
発泡性粒子を配合して抄造した発泡性原紙を加熱により
発泡させることにより得られるものである。
【0014】このような発泡性粒子を配合した原紙の製
造に使用されるパルプは、特に限定はされないが、例え
ば、広葉樹や針葉樹に化学的処理や機械的処理を施して
得られる木材パルプ、古紙パルプ、麻や綿等の非木材天
然パルプ、ポリエチレンやポリプロピレン等を原料とし
た合成パルプ等を使用することができる。これらのパル
プを単独で使用してもよく、又は数種類のパルプを組み
合わせて使用してもよい。
【0015】さらに上記のパルプの他に、アクリル繊
維、レーヨン繊維、フェノール繊維、ポリアミド繊維、
およびポリエステル繊維等の有機繊維、並びにガラス繊
維、炭素繊維、およびアルミナ繊維等の無機繊維などの
少なくとも1種を混抄してもよいが、抄紙性の観点よ
り、パルプが50重量%以上配合されている原紙を用い
ることが好ましい。
【0016】本発明に用いる原紙の製造に使用される発
泡性粒子は、低沸点有機溶剤を膨脹剤として内包し、熱
可塑性樹脂からなる殼により形成された熱膨脹性マイク
ロカプセルである。発泡性粒子に内包され、膨脹剤とし
て作用する低沸点有機溶剤としては、イソブタン、ペン
タン、石油エーテル、ヘキサン、低沸点ハロゲン化炭化
水素、およびメチルシランなどが使用される。また殼と
なる熱可塑性樹脂としては、塩化ビニリデン、アクリロ
ニトリル、アクリル酸エステル、およびメタクリル酸エ
ステルなどの2種以上の共重合体が使用される。このよ
うな発泡性粒子としては、例えば、商標: マツモトマイ
クロスフェアーF−30D、同F−30GS、同F−2
0D、同F−50D、同F−80D(松本油脂製薬社
製)、および商標:エクスパンセルWU、同DU(エク
スパンセル社製)などが知られており、これらはいずれ
も本発明の原紙の製造に使用可能である。
【0017】このような発泡性粒子の殼を形成している
ポリマーがその軟化点付近の温度に加熱されると、殼ポ
リマーが軟化して内包されている膨脹剤の蒸気圧により
押し広げられ、カプセルが膨脹する。この発泡性粒子
は、10〜30μm の平均粒子径を有する粒子である
が、80〜200℃の温度における短時間の加熱によ
り、その体積が50〜100倍に膨脹し独立気泡を形成
する。従って、パルプと発泡性粒子を混抄し、発泡させ
て製造された原紙は、低密度で優れた断熱性を有してい
る。
【0018】本発明に用いられる原紙は、その密度が
0. 2 〜 0. 5 g/cm3 であることが好ましい。密度が
0. 2 g/cm3 未満では、原紙の強度が不十分になり、
またそれが 0. 5 g/cm3 を越えて高くなると、シート
状基材として用いた場合の断熱性が不十分になる。
【0019】0. 2 〜 0. 5 g/cm3 の密度を有する原
紙を得るためには、発泡性粒子の配合量が、パルプ10
0重量部に対して1〜40重量部、好ましくは3〜20
重量部であることが好ましく、また発泡加熱温度は11
0〜140℃の範囲であることが好ましい。発泡性粒子
の配合量が1重量部未満では、充分な独立気泡が得られ
ず、従って原紙密度が過度に高くなる。また、それが4
0重量部を越えると均一な発泡が得られなくなり、得ら
れる原紙の強度が不十分になる。また、発泡加熱温度が
110℃未満では、十分な発泡が得られず、またそれが
140℃を越えて高くなると、マイクロカプセルの膜が
溶融するため独立気泡が得られなくなる。
【0020】パルプと発泡性粒子をパルプに混抄する工
程において各種の歩留り向上剤、紙力増強剤、サイズ
剤、顔料等を適宜選択して混合することができる。さら
に染料、pH調整剤、スライムコントロール剤、消泡剤等
も必要に応じてパルプに混合して使用できる。
【0021】また、サイズプレスやゲートロール、ブレ
ードコーター、エアナイフコーター等により原紙表面に
澱粉やポリビニルアルコール、表面サイズ剤、顔料等を
塗布してもよい。
【0022】上記の構成成分を含むパルプスラリーを用
いて通常の抄紙機により原紙を抄造する。まず、抄紙工
程でのワイヤーパートでシート状湿紙を形成した後、こ
れをプレスパートで脱水する。次いで、湿紙をドライヤ
ーパートで乾燥するが、このドライヤーパートの多筒式
あるいはヤンキー式のドライヤー表面の加熱温度におい
て、乾燥と同時に原紙中に混抄された発泡性粒子が発泡
し、原紙中に無数の独立気泡が形成され、密度が低く、
断熱性が優れている原紙が形成される。
【0023】本発明に用いる原紙の坪量は10〜100
g/m2 であることが好ましく、より好ましくは20〜7
0g/m2 である。この坪量が10g/m2 未満では十分な
断熱効果が得られず、原紙強度が不十分になる。またそ
れが100g/m2 を越えると抄紙機のドライヤーの負荷
が大きくなり、経済性が悪くなる。
【0024】本発明で用いられる上記の原紙の、画像受
容層が形成される側の表面上に、活性エネルギー線硬化
性樹脂を含む樹脂塗布層をキャスト塗工法により形成す
る。
【0025】本発明に用いられる活性エネルギー線硬化
性樹脂としては、下記のものがあげられる。 (1)脂肪族、脂環族、芳香脂肪族の1〜6価のアルコー
ルおよびポリアルキレングリコールの(メタ)アクリレ
ート類 (2)脂肪族、脂環族、芳香脂肪族の1〜6価のアルコー
ルとアルキレンオキサイドとの付加物の(メタ)アクリ
レート類 (3)ポリ(メタ)アクリロイルアルキルリン酸エステル
類 (4)カルボン酸と、ポリオールと、および(メタ)アク
リル酸との反応物類 (5)イソシアネートと、ポリオールと、および(メタ)
アクリル酸との反応物類 (6)エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応物類 (7)エポキシ化合物と、ポリオールと、(メタ)アクリ
ル酸との反応物類 (8)メラミンと(メタ)アクリル酸との反応物類
【0026】上記活性エネルギー線硬化性樹脂には、白
色度や平滑性を向上させるために、白色顔料を配合させ
ることが好ましい。白色顔料としては、酸化チタン、炭
酸カルシウム、クレー、酸化亜鉛などが用いられる。白
色顔料の配合量は、塗料粘度により異なるが、活性エネ
ルギー線硬化性樹脂100重量部に対して5〜60重量
部であることが好ましい。この配合量が5重量部未満で
は充分な白色度が得られないことがあり、またそれを6
0重量部を越えて多く配合しても白色度、表面平滑性の
向上効果が飽和してしまうことがある。更に、活性エネ
ルギー線硬化性樹脂に、群青、ベンガラなどの着色顔
料、および/又は蛍光増白剤などを加えてもよい。ま
た、酸化チタンは、その粒子表面を水酸化アルミニウム
あるいは二酸化ケイ素で処理して変性させたものであっ
てもよい。
【0027】本発明で使用される活性エネルギー線とし
ては、電子線、紫外線、γ線等の電離性放射線があげら
れる。なかでも、比較的安価で大出力が得られるカーテ
ンビーム方式の電子線加速器から得られる電子線を、活
性エネルギー線として用いることが好ましい。このカー
テンビーム方式においては、加速電圧が100〜300
Kv であり、吸収線量が 0. 5 〜10 Mradであることが
好ましい。また、照射雰囲気中の酸素濃度は、500pp
m 以下であるのが好ましい。
【0028】原紙面に活性エネルギー線硬化性樹脂から
なる樹脂塗布層を形成し、これに活性エネルギー線を照
射して硬化させて樹脂被覆層を形成する方法には格別の
制限はない。また、樹脂被覆層の厚さは、硬化後の厚み
で5〜50μm であることが好ましく、より好ましくは
10〜30μm である。この厚さが5μm 未満では、原
紙表面の凹凸に起因する濃度ムラが発生することがあ
り、また、それが50μm を越えて厚くなると原紙の断
熱効果が不十分になることがある。
【0029】本発明のシート状支持体は、さらに画像受
容層との接着性を向上させるために樹脂被覆層表面にゼ
ラチン等の中間樹脂層を設けてもよく、また、耐カール
性を改善するためにシート状支持体の裏面(画像受容層
を形成する側とは反対側)に、ポリオレフィン樹脂や活
性エネルギー線硬化性樹脂からなるバック樹脂被覆層を
設けてもよい。
【0030】本発明の受像シートは、前記シート状支持
体の活性エネルギー線硬化樹脂からなる樹脂被覆層表面
上に画像受容層を設けて作製される。本発明の画像受容
層に使用される樹脂としては、染料の染着性が良好で、
転写速度が早く、画像濃度が高く、画像の熱による退色
が少なく、得られる受像シートの走行性が良好であるこ
とが要求される。具体的には、ポリエステル樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、塩化ビニル共重合体、および活性エ
ネルギー線硬化性樹脂等があげられる。
【0031】画像受容層には、プリントの際に、加熱に
よりインクシートに融着することを防止する目的で、樹
脂の架橋剤、滑剤、剥離剤、および顔料などを必要に応
じて添加するのが通常である。さらに、必要に応じて他
の添加剤、顔料、蛍光染料、ブルー又はバイオレットな
どの染料、紫外線吸収剤、および酸化防止剤などを適宜
に添加することができる。これらの添加剤は、画像受容
層の主成分樹脂と混合してもよく、あるいは別の被覆層
として画像受容層の上、もしくは下に形成してもよい。
【0032】画像受容層の厚さは、1〜10μm である
ことが好ましく、より好ましくは2〜6μm である。画
像受容層の厚さが1μm 未満では、画像の濃度及び感度
が低下し、あるいはプリント面の光沢が低下する等の欠
点を生ずることがある。またそれを10μm を越えて厚
くしても、効果は飽和し、不経済であるばかりでなく画
像受容層の強度も低下する。
【0033】また、受像シートがプリンター内で走行す
る際に静電気が発生し、これが受像シートの走行トラブ
ルとなることを防ぐために、受像シートの少なくとも一
方の面に帯電防止剤を含む塗布層を設けてもよい。帯電
防止剤としては、カチオン系親水性高分子が有利に用い
られる。
【0034】
【実施例】本発明を下記実施例によりさらに詳細に説明
するが、本発明はこれによって限定されるものではな
い。尚、実施例中の「部」および「%」はすべて「重量
部」および「重量%」を示す。
【0035】実施例1 カナダ標準濾水度(C.S.F)450mlに叩解した広
葉樹晒クラフトパルプ80%と、カナダ標準濾水度
(C.S.F)470mlに叩解した針葉樹晒クラフトパ
ルプ20%とからなる混合パルプスラリーに、絶乾パル
プ100部当り、平均粒子径10〜20μm の発泡性粒
子(松本油脂製薬製、商標: マツモトマイクロスフェア
ーF−30D、最高発泡温度130℃)5部、乾燥紙力
増強剤(荒川化学製、商標: ポリストロン117) 0.
2 部、カチオン化澱粉(王子ナショナル製、商標: CA
TO−15)1部、アルキルケテンダイマー系サイズ剤
(荒川化学製、商標: サイズパインK903) 0. 03
部、および湿潤紙力増強剤(ディックハーキュレス社
製、商標: カイメン575H) 0. 4 部をよく攪拌しな
がら添加した後、パルプ濃度を0.03%に、pHを7.
3に調整してインレット原料を調製した。
【0036】得られたインレット原料を用いて傾斜網式
抄紙機により抄紙し、130℃のヤンキードライヤーで
加熱乾燥して発泡性粒子を発泡させた後、多筒ドライヤ
ーで乾燥し、これを線圧30kg/cmでマシンカレンダー
処理し、坪量は60g/m2 、厚さ120μm 、密度 0.
5 g/cm3 の原紙を作成した。
【0037】次に、上記で得られた原紙の一方の表面
に、ペンタエリスリトールオリゴマー(荒川化学製、商
標: ビームセット700)80部、二酸化チタン(石原
産業製、商標: A200)20部からなる活性エネルギ
ー線硬化性樹脂組成物を、塗工バーにより、塗布量が1
0g/m2 になるように塗布し、この塗布層表面をキャス
トドラムに押圧し、原紙の背面から電子線を3Mradの吸
収線量になるように照射して塗布層を硬化させて樹脂被
覆層を形成し、シート状支持体を作製した。
【0038】かくして得られたシート状支持体に、下記
組成の画像受容層形成用塗料を塗布し、乾燥して画像受
容層を形成し、受像シートを作製した。画像受容層形成用塗料 成 分 重量部 ポリエステル樹脂(東洋紡製、商標: バイロン200) 100 シリコーンオイル(信越シリコン製、商標: KF393) 3 イソシアネート(武田薬品製、商標: タケネートD-110N) 5 トルエン 300
【0039】実施例2 実施例1と同様にして受像シートを作製した。但し、発
泡性粒子の添加量を10部(対絶乾パルプ)とした。得
られた原紙は、坪量30g/m2 、厚さ120μm 、密度
0. 25 g/cm3 のものであった。
【0040】実施例3 実施例1と同様にして受像シートを作製した。但し、活
性エネルギー線硬化性樹脂組成物としてトリプロピレン
グリコールジアクリレートを使用した。
【0041】実施例4 実施例1と同様にして受像シートを作製した。但し、原
紙の裏面に20g/m2のポリエチレン樹脂をラミネート
したシート状支持体を用いた。
【0042】比較例1 実施例1と同様にして受像シートを作製した。但し、活
性エネルギー線硬化性樹脂組成物の替わりに、ポリビニ
ルアルコール(クラレ製、商標: PVA−CST)を、
5g/m2 の塗布量で塗布、乾燥して樹脂層を形成した。
【0043】比較例2 実施例1と同様にして受像シートを作製した。但し、前
記原紙の代わりに、坪量110g/m2 、厚さ120μm
、密度 0. 92 g/cm3 の上質紙を用いた。
【0044】比較例3 実施例1と同様にして受像シートを作製した。但し、発
泡性粒子の添加量を2部(対絶乾パルプ)とした。得ら
れた原紙は、坪量72g/m2 、厚さ120μm、密度 0.
6 g/cm3 のものであった。
【0045】性能テスト 上記実施例1〜4、および比較例1〜3の各々で得られ
た受像シートに、カラーバー信号発生機(シバゾク製、
商標: C13A2)のステップパターンを、熱転写プリンター
(ソニー製、商標: UP5000) を用いてプリントし、得ら
れたプリント画像の画像濃度、濃度ムラ、およびプリン
ト操作後の受像シートのカール度について評価した。
【0046】おな、プリント濃度、濃度ムラ、プリント
後のカール度の評価は次のようにして行った。 1.プリント濃度: プリント画像の最高濃度をマクベス
濃度計(RD−914、Kollmorgen Corp.製)で測定し
た。
【0047】2.濃度ムラ: 合成紙/コート紙/合成紙
の貼合基材を使用した受容シートを基準にして、プリン
ト画像の濃度ムラを、すぐれているものを3、一般的な
品質のものを2、劣るものを1、とする3段階で官能評
価を行った。
【0048】3.プリント後のカール度: 14cm×10
cmの大きさの受容シートを用いて黒ベタのプリントを行
い、プリント後の受容シートのプリント面を上向きにし
て平面上に置き、受容シートの4隅の平面からの高さを
測定し、高さの最大値について評価した。上記テストの
結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】本発明の染料熱転写画像受容シートは、
その上に形成されるプリント画像の濃度が高く、濃度ム
ラがなく、画質が優れており、さらにプリント時の熱に
よりカールすることのないものであって、実用上きわめ
てすぐれたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 重谷 恒久 東京都江東区東雲1丁目10番6号 王子 製紙株式会社商品研究所内 (56)参考文献 特開 平2−223484(JP,A) 特開 平4−21489(JP,A) 特開 平4−113891(JP,A) 特開 平4−125187(JP,A) 特開 平3−32888(JP,A) 特開 平5−286260(JP,A) 特公 昭52−24122(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/38 - 5/40

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状支持体と、前記シート状支持体
    の少なくとも一方の表面上に形成され、かつ加熱により
    インクシートから転写される染料を受容する画像受容層
    とを有し、前記シート状支持体が、パルプを主成分とし
    て含み、かつ抄紙後の加熱乾燥工程において発泡した発
    泡性粒子を含み、 0. 2 〜 0. 5 g/cm3 の密度を有す
    る原紙と、前記原紙の画像受容層が形成される側の表面
    上に形成され、かつ活性エネルギー線照射により硬化し
    た樹脂を主成分として含有する樹脂被覆層とからなるこ
    とを特徴とする染料熱転写画像受容シート。
JP04132693A 1992-05-25 1992-05-25 染料熱転写画像受容シート Expired - Fee Related JP3089827B2 (ja)

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