JP3089123B2 - 金属検出機 - Google Patents

金属検出機

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JP3089123B2 JP33797592A JP33797592A JP3089123B2 JP 3089123 B2 JP3089123 B2 JP 3089123B2 JP 33797592 A JP33797592 A JP 33797592A JP 33797592 A JP33797592 A JP 33797592A JP 3089123 B2 JP3089123 B2 JP 3089123B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は食品、薬品を含む各種
の生活関連物資や、加工用原材料などの被検査対象物体
内に混入した金属片を検出する金属検出機に関する。
【0002】
【従来の技術】製品中に金属異物が混入している場合
(例えばハム、みそ、菓子などの食品、あるいは薬品、
あるいはゴム、ビニール、ペイントなどの加工材料など
に金属異物が混入している場合)、衛生上の大きなトラ
ブルとなったり、製造機械に損傷を与えるおそれがある
ため、金属検出を行うことが必要である。この種の金属
検出機として、出願人発行のアンリツテクニカルNo.
64,1992年10月発行pp62〜68に紹介記事
があるし、本願と同一発明者、同一出願人の第一発明
(特開昭64−54281号公報記載のもの)、第二発
明(特願平03−290616号に開示したもの)など
があり、ほかにも別出願人の特開平03−115992
号公報に記載の第四発明が知られている。
【0003】図7、図8は上記の各発明において一般に
用いられている金属検出機の検出原理を示す図である。
すなわち、送信コイルPに所定周波数の基準信号と同一
周波数をもつ高周波電流を供給して交番磁界を発生させ
る。この送信コイルPからの交番磁界による磁力線を等
量受ける位置に、2つの受信コイルS1、S2が図7の
ように対向して、あるいは図8のように同軸状に配置さ
れていて、各受信コイルS1、S2はそれぞれ交番磁界
によって送信コイルP1の交番磁界と同一周波数の正弦
波形の誘起電圧出力を生じている。
【0004】前記第四発明では、受信コイルS1、S2
から得られる受信信号を高周波増幅回路で同調増幅し、
その出力をA/D変換器でA/D変換し、ディジタル信
号処理するという技術思想に特徴があるとしている。前
記第一乃至第三発明それぞれ、金属検出機がかかえてき
た特定の課題を解決するためにされているが、いずれも
共通の構成を有し、2つの受信コイルS1、S2の出力
は、両コイルの出力の差(不平衡信号)を出力するよう
に差動接続されている。
【0005】この磁界中をコンベアなどで被検査体Wを
矢印方向に通過させる。磁界中を通る被検査体Wに金属
が混入していない場合には、磁力線に被検査体Wは影響
を与えないので、2つの受信コイルS1、S2の出力電
圧は同一となるため、不平衡出力は生じない。
【0006】しかして、被検査体Wに金属がもし混入し
ていれば、混入した金属が磁性体であっても、非磁性体
であっても金属によって磁力線に変化が生じて、受信コ
イルに生ずる所定周波数の交番磁界は、混入した金属の
形状及び特質に対応して、基準信号を位相及び振幅変調
したものとなり、2つの受信コイルS1、S2に交わる
磁力線は、等量でなくなる。このため、被検査体Wの通
過中に、被検査体内に金属が混入していれば、両受信コ
イルS1、S2における誘起電圧出力信号の位相、振幅
に変化が生じ、両信号の差を表わす不平衡信号が出力さ
れる。この不平衡信号を直流化してそのレベルが基準以
上の場合に金属有りと判定する。
【0007】図9は、このような検出原理による従来の
金属検出機の具体的な構成を示している。即ち、基準信
号発生器1から出力される所定周波数の基準パルス信号
はフィルタ2によって正弦波に変換され、この正弦波信
号が電力増幅器3によって増幅されて送信コイルPに励
磁電流として与えられて、送信コイルPから交番磁界が
発生する。送信コイルPから発生する磁界の磁束を等量
受ける位置に、1対の受信コイルS1、S2が図7の対
向型あるいは図8の同軸型に配置されていて、このた
め、2つの受信コイルS1、S2には等しい大きさの誘
起電圧が生じる。2つの受信コイルS1、S2は差動増
幅器4に接続されている。
【0008】この交番磁界中を被検査体Wが、一方の受
信コイルS1から他方の受信コイルS2方向に、コンベ
ヤなどで搬送される。被検査体中に金属が混入していな
い場合には、理想的には両受信コイルS1、S2の誘起
電圧に変化が生じず、両コイルの出力は等しいので、不
平衡信号は出力されず、差動増幅器4の出力は零とな
る。もし、被検査体Wに金属が含まれていると、金属に
よって磁界が変化して各受信コイルS1、S2の誘起電
圧の出力信号の位相及び振幅が変化し、一方の受信コイ
ルS1から他方の受信コイルS2方向に移動する間に2
つの受信コイルS1、S2の出力信号に差が生じ、この
不平衡出力が差動増幅器4から出力される。
【0009】この不平衡出力は検波回路5で、位相差の
検出がされる。すなわち、検波回路5は、基準信号発生
器1からの基準パルス信号の位相が可変された移相回路
6からの移相基準信号によって同期検波されて直流化さ
れ、その検波出力信号をフィルタ7、A/D変換器8を
介して判定回路9へ出力される。
【0010】判定回路9は、基準値と比較して、入力さ
れた検波出力信号のレベルが基準値を越えたとき、被検
査体Wに金属が混入していることを示す判定信号を出力
する。なお、表示器10は、フィルタ7の出力レベルを
表示する。
【0011】しかして、実際には、このように被検査体
中の金属によってだけでなく、被検査体が例えば水分や
塩分などの導電性物質などを含んでいる場合、被検査体
自身によっても磁束に変化が生じ、受信コイルS1、S
2の誘起電圧出力信号の位相、振幅に変化が生じて、差
動増幅器4から不平衡出力が生じる。この被検査体自身
による不平衡出力は、金属検出感度を著しく低下させる
原因となる。
【0012】従って、この被検査体自身による不平衡出
力が生じていても、この影響が最も小さくなるように、
不平衡出力を直流化する検波回路5へ与えられる移相基
準信号の位相角を、調整する必要がある。
【0013】このため、従来の金属検出機では、被検査
体の基準サンプルすなわち、金属の含まれていないとさ
れる被検査体をコンベヤで何度も搬送を繰り返して、移
相回路6で移相基準信号の位相角を変化させつつ検波し
て、表示器10で検波出力信号のレベルを表示して、繰
り返し操作により漸近式にそのレベルが最小となる位相
角を求め、以後、この予め定めた1つの位相角で検波回
路5の同期検波を行なって被検査体中の金属の有無を検
査している。このように従来は、漸近式にレベル最小と
なる位相角への追い込みを自動化することはできるが、
基準サンプルを何度も繰り返して搬送させる必要は避け
られない初期調整作業があった。
【0014】さらにここで、第三発明が解決しようとす
る課題について考察しておく。この発明は、例えば長さ
の長い被検査体では、その長手方向(移動方向)の全体
にわたって太さが均一でなかったり、形状に変化がある
場合や、また、長手方向の全体にわたって材質が均一で
ない場合に対処するものである。このような被検査体W
では、前記した方法で被検査体自身による検波出力レベ
ルが最小となる1つの位相角を選ぼうとしても、被検査
体の長手方向移動方向の全体にわたって検波出力レベル
が一定とならず、例えば図10に示すように被検査体の
先端が第1の受信コイルS1に到達した時刻taから被
検査体の後端が第2の受信コイルS2を通り過ぎる時刻
tbの間において、初めのA及びCの部分では被検査体
自身による影響を無視できる程度に低減できても、B及
びDの部分では、被検査体自身による大きな検波出力を
生ずるような場合がある。このことは、図11に示すよ
うに被検査体Wが矢印方向に移動するとすると、その
A′、C′部分では被検査体自身の影響がないが、
B′、D′の部分では被検査体自身の影響が検波出力に
大きく顕われていることを意味している。
【0015】このため、被検査体自身すなわち基準サン
プルによる影響が最小レベルとなるように、いかに移相
回路6で位相角を調整しても、被検査体の長手方向のあ
る部分では被検査体自身による無視できないレベルの検
波出力が生じるのを避けられず、このため金属検出機の
精度ひいては高感度の金属検出には限界があった。
【0016】このような問題点を解決するために第三発
明の金属検出機では、図12に示す構成をとり、不平衡
信号の直流化を、被検査体の移動に伴って被検査体の部
分ごとに、被検査体自身による直流出力レベルが最小と
なる予め定めた異なる位相角に切替えて直流化を行なう
ことを特徴としており、被検査体の移動に合わせて、被
検査体の各部分ごとに被検査体自身(基準サンプル)に
よる直流出力レベルが最小となる予め定めた位相角に、
切替えて不平衡信号を直流化するため、被検査体の移動
方向にわたって太さや形状が変化したり、材質が変化す
る場合でも、移動方向の全体にわたって、被検査体自身
による影響が最小にされるようにしている。そのために
時間設定回路22と位相角設定回路23とを図9の構成
に付加した構成としている。前述した基準サンプルの繰
り返し搬送作業と、この被検査体の部分ごとの調整とを
組み合わせる初期調整作業は、煩雑で煩わしいとされる
ものであった。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、こ
れまでの金属検出機では高周波磁界中を被検査体を通過
させるときに、送信及び受信コイルのもつ構造の非対称
性と、被検査体のもつ複素導電率(導電率と誘電率の相
乗効果)など被検査体自身が持つ位相、振幅特性並びに
形状の影響から、受信コイルで生ずる不平衡電位を最も
小さい値とする初期設定作業には、基準サンプルを何回
も機械に通過させるという作業が必要とされていた。こ
の発明では、基準サンプルを通過させたときに、不平衡
電圧が最も小さくなるように、位相差検出器に加える基
準信号の位相の選定、信号処理回路の利得の選定及び検
出限界の設定を唯一回の基準サンプルの機械通過だけで
行えるようにすることを目的としている。したがって、
自動的な初期条件設定作業(いわゆるオート設定)をき
わめて容易なものとすることを目的としている。加え
て、前記第三発明のように場所により性質の異なる被検
査体を対象とする場合にも応用できて、煩わしさからの
解放がされるような手段を実現することも目的としてい
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】この発明では二つの受信
コイルS1、S2の間の不平衡信号を出力する回路(差
動増幅器)と、位相差を検出する手段(検波回路)との
間で、被検査体の基準サンプルが送信コイルと受信コイ
ルとの間を移動する際に発生する不平衡信号をメモリに
記憶するようにする。それとともにメモリに記憶した信
号すなわち、一回の基準サンプルの移動で得られたデー
タを利用して、基準信号と不平衡信号との間の位相を数
回にわたって処理し、不平衡信号が最小となるような位
相検波が実現できるようにする位相制御手段を備えた。
実施例を示す図1について説明すると、図12に示した
従来技術の構成に代わって、鎖線で示したブロック10
0が差動増幅器14と検波回路15との間に挿入され、
回路ブロック100は端子IPから差動増幅器14の出
力信号を受け、端子OPから検波回路15に出力信号を
発し、端子C1およびC2から被検査体によるデータ出
力要請信号をそれぞれ受ける構成である。図1の構成部
品の番号は波形表示記憶装置30を除き、図12のそれ
に10を加えた項番で示してある。例えばフィルタ2は
フィルタ12となっている。
【0019】
【作用】本発明の金属検出機によれば、被検査体の基準
サンプルを一回限り移動して得たデータを記憶すること
とし、記憶したデータを同期検波するときに基準信号と
記憶したデータである不平衡信号との間の位相を変化す
るようにした制御手段を備えたから、一回限りの被検査
体の基準サンプルの移動作業で、これまでの金属検出機
に必要とされた初期条件設定作業を自動的に行えるよう
になる。
【0020】
【実施例】以下、図1に基づいて本発明の一実施例を説
明する。本発明の構成の基本は、従来技術の実施例(図
12)に記憶手段を加え、信号処理のための制御手段を
備えた点に特徴がある。図1の実施例では記憶手段10
0としてデータ記憶メモリ102をディジタルメモリと
したので、メモリ102を中心とした回路ブロック10
0として構成されている。
【0021】回路ブロック100にはA/D変換器10
1、データ記憶用のメモリ102、データ出力制御10
3、D/A変換器104があり、入力端子IPと出力端
子OPとがある。また被検査体による信号全体を取り込
むタイミングを合わせる指令信号を受ける端子C1と、
データ出力を要請する制御信号を受ける端子C2とがあ
る。
【0022】基準信号発生器11から出力される所定周
波数の基準パルス信号はフィルタ12によって正弦波に
変換され、この正弦波信号が電力増幅器13によって増
幅されて送信コイルPに励磁電流として与えられて、送
信コイルPから交番磁界が発生する。送信コイルPから
発生する磁界の磁束を等量受ける位置に、1対の受信コ
イルS1、S2が図7の対向型あるいは図8の同軸型に
配置されていて、このため、2つの受信コイルS1、S
2には等しい大きさの誘起電圧が生じる。2つの受信コ
イルS1、S2は差動増幅器14に接続されている。
【0023】この交番磁界中を被検査体Wが、一方の受
信コイルS1から他方の受信コイルS2方向に、コンベ
ヤなどで搬送される。被検査体中に金属が混入していな
い場合には、理想的には両受信コイルS1、S2の誘起
電圧に変化が生じないで、両コイルの出力は等しいので
不平衡信号は出力されず、差動増幅器14の出力は零と
なる。もし、被検査体Wに金属が含まれていると、金属
によって磁界が変化して各コイルS1、S2の誘起電圧
出力信号の位相、振幅が変化し、一方の受信コイルS1
から他方の受信コイルS2方向に移動する間に2つの受
信コイルS1、S2の誘起電圧出力信号に差が生じ、こ
の不平衡出力が差動増幅器14から出力される。
【0024】また、実際には金属だけでなく、被検査体
(ワーク)W自身によってもそれが不均一であって非対
称性をもてば、磁界に変化が生じて不平衡出力が生じ
る。金属検出機どは、被検査体(ワーク)中に金属があ
るかないかを検査する作業に先立って、この不平衡出力
ができるだけ小さくなるような検波状態を作り出さなけ
ればならない。この作業を一回のワークの搬送で自動的
に行うようにする。
【0025】被検査体の基準サンプルをワークWとし、
そのときの差動増幅器14から発せられる不平衡信号出
力をスイッチSWを経て記憶手段100の入力端子IP
に導き、A/D変換器101を経てメモリ102に記憶
する。メモリ102への記憶のタイミング信号は、被検
査体Wを検出する検出装置(例えば光源と光センサとを
用いる)21からの信号による。基準サンプルをワーク
Wとしたときにそれが移動したときの不平衡信号出力の
波形(時間対振幅)を記憶する。
【0026】次にこの波形をアナログ量として読み出し
て、検波回路15に加え、基準信号発生器11からのあ
る位相の信号(この位相は移相回路24によって決めら
れる)との間の位相差として同期検波する。検波回路1
5からの検波出力は低域ろ波器(LPF)17により高
周波成分を除去され、A/D変換器18を経て、判定回
路19に送られ、必要に応じて波形表示記憶装置30に
送られる。
【0027】判定回路19では不平衡信号出力の検波後
の振幅(直流分の大きさ)を判定し、同期検波に用いる
基準信号の位相角を設定する位相角設定回路23に信号
を送り、移相回路24に作用して基準信号と不平衡信号
との間の位相を変化させる。図中、鎖線105がこの位
相を変化させる位相制御手段を表している。メモリから
の基準サンプルの不平衡信号出力の読出しと同期検波→
判定→位相設定→同期検波を繰り返して、基準サンプル
について、不平衡信号の検波出力が実質的に最小となる
位相角度を設定する。この作業はマイクロコンピュータ
を用いて自動化することができ、オート設定が唯一回の
基準サンプルの移動で実現できる。
【0028】初期設定が終了後、スイッチを切り換え
て、差動増幅器14と検波回路15とを直結して、金属
検出の作業を行う。あるいは、各被検査体Wのデータを
記憶するようにしてもよい。図1の構成から、金属検出
機の動作を制御する手段としてのCPUおよびプログラ
ムメモリなどを省略してある。
【0029】次に実施例の変形として、図1に含まれて
いる別の機能について述べる。基準サンプルについても
その形状、組成によって、位置により不平衡信号出力が
変わるような被検査体を処理する特別な機能を説明す
る。図1に示すように、第1の受信コイルS1の入口側
には、被検査体Wを例えば光学的手段で検出する検出装
置21が設けられていて、コンベヤなどで搬送される被
検査体Wが通過する間、検出信号(図2の(イ)に示
す)を出力する。
【0030】時間設定回路22には、前記検出装置21
の検出信号の出力時から位相角切替えまでの時間(例え
ばt1 、t2 )及び被検査体Wの後端部が第2の受信コ
イルS2を去るまでの時間(例えばt3 )が予め設定さ
れていて、図2の(ロ)に示すように、前記被検査体検
出信号を受けると、その立上りから時間t1 、時間t2
後、時間t3 後にそれぞれパルスを出力する。
【0031】位相角設定回路23には、切替えるべき位
相角のα、β、γがディジタル値として予め設定されて
いて、検出装置21の検出信号の立上り時にディジタル
値αを出力し、次に時間設定回路22からの時間t1
のパルスを受けるとディジタル値βを出力し、次に時間
2 後のパルスを受けるとディジタル値γを出力し、時
間t3 後のパルスで出力を停止する。
【0032】移相回路24は、基準信号発生器1からの
基準パルスの位相を、位相角設定回路23からの位相角
を表わす信号に応じて移相した移相基準信号を、検波回
路15へ出力する。検波回路15はこの順次位相が変わ
る移相基準信号によって不平衡出力を同期検波する。検
波回路15の検波出力は、フィルタ17、A/D変換器
18を経て、判定回路19で基準値と比較され、基準値
以上の場合、金属有りの判定信号が出力される。
【0033】前記時間設定回路22の時間及び位相角設
定回路23の位相角の設定は、次のように行なう。ま
ず、位相角設定回路23で1つのある任意の位相角を設
定して、検査すべき種類の被検査体(金属が混入してい
ないもの)をコンベヤで搬送して、このある1つの任意
の位相角で不平衡出力を検波し、その検波出力波形を波
形表示記憶回路30に表示させ、記憶させる。次に、異
なる位相角を設定して、同じ被検査体を搬送して同様に
検波出力波形を表示記憶させる。このようにして、幾つ
かの異なる位相角で検波出力波形を得て、被検査体自身
による検波出力が部分的に最小となる検波出力波形を選
択する。このようにして例えば図3の(イ)、(ロ)、
(ハ)に示すように被検査体の長手方向(移動方向)の
いずれかの部分で被検査体自身による検波出力が最小と
なる3つの検波出力波形を選ぶと、被検査体Wの前端部
が検出された検出信号(図3の(ニ)に示す)の立上り
時から時間t1 後に(イ)から(ロ)へ、時間t2 後に
(ロ)から(ハ)に切替えれば良いことがわかる。検出
出力波形(イ)の位相角がα、(ロ)の位相角がβ、
(ハ)の位相角がγであるとすると、時間設定回路22
には、時間t1 、t2 及び被検査体の後端部が第2の受
信コイルS2を去るまでの時間t3 を設定し、位相角設
定回路23には位相角α、β、γをその順序で設定すれ
ばよい。
【0034】このように被検査体の種類ごとに切替える
ための複数の位相角及び切替タイミングを設定した後、
その種類の被検査体の金属検出にとりかかる。
【0035】このように被検査体Wの移動に伴なって時
間t1 、t2 において被検査体自身による検波出力が最
も小さくなる位相角、即ち、まずα、次にβ、次にγに
自動的に切替えて、不平衡信号が同期検波されるから、
被検査体の長手方向の全体にわたって被検査体の材質に
よる影響をなくすことができる。従って、検波回路15
からの検波出力には、被検査体自身の材質による出力が
ほとんど含まれていないから、フィルタ17、A/D変
換器18を経て判定回路19で基準値と比較され、金属
の有無は極めて高感度に正確に判定されることになる。
【0036】このように、検査すべき被検査体の種類ご
とに、その長手方向の各部分ごとの被検査体自身の影響
の最も小さい位相角に切替えるように設定して、金属検
出を行なえばよい。
【0037】図4は、本発明の他の実施例を示してい
る。この実施例では、位相角設定回路23のディジタル
出力のα、β、γは、図5の(ハ)に示すようにD/A
変換器25でアナログの電圧レベル信号α′、β′、
γ′にそれぞれ変換され、比較回路26へ出力される。
(なお、図5の(イ)は検出装置21の検出信号、
(ロ)は時間設定回路の出力信号である。)一方、基準
信号発生器11の基準信号は、三角波発生回路27で図
6の(イ)に示すような三角波にされて、比較回路26
へ入力している。
【0038】比較回路26は、D/A変換器25のアナ
ログ電圧レベル信号と三角波信号とを比較して、三角波
信号のレベルがアナログ電圧レベルを上回ると出力を生
じる。このため、比較回路26からは、図6の(ロ)、
(ハ)、(ニ)に示すようにそれぞれアナログ電圧レベ
ルα′、β′、γ′に対応して位相角がそれぞれ異なる
移相基準信号が、検波回路15へ出力され、同期検波さ
れる。
【0039】なお、以上の実施例の金属検出機では、送
信コイルPに対向するように配置された1対の受信コイ
ルS1、S2によって磁気センサを構成していたが、ホ
ール素子等の半導体センサを磁気センサとして用いた金
属検出機についても本発明を同様に適用できる。
【0040】また、不平衡信号を直流レベルに変換する
ものであれば、前記実施例の検波回路15の代りにサン
プルホールド回路などを用いてもよい。
【0041】
【発明の効果】この発明によれば次のような効果が得ら
れる。 1.ワークすなわち被検査体を送信、受信コイルの間を
流す回数が1回で済む。容易に初期条件を設定できるの
で、とくに重い重量のワークの場合には有効である。つ
まり、検出ヘッドからの信号を一度記憶しておき、これ
を用いて不平衡電圧が最小となる位相検波の条件を設定
することができる。 2.設定の正確さが向上する。一回のワークのデータで
オート設定(自動条件設定作業)を完了させるので、流
し方によるばらつきでワークの影響が最小になる位相と
違った位相で完了する可能性がなくなる。 3.被検査体の形状、特性などにより、位置により不平
衡電圧が異なる場合にも、この発明を応用することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】図1に示す実施例を特定の態様で使用する際の
各部の動作を示す信号波形図である。
【図3】本発明における位相角及び切替えタイミングの
設定の原理を説明するための信号波形図である。
【図4】本発明の他の実施例の構成を示すブロック図で
ある。
【図5】図4に示す実施例を特定の態様で使用する際の
各部の動作を示す信号波形図である。
【図6】図4に示す実施例の各部の動作を示す信号波形
図である。
【図7】金属検出の原理説明図である。
【図8】金属検出の原理説明図である。
【図9】従来装置の構成を示すブロック図である。
【図10】従来装置の動作を説明するための信号波形図
である。
【図11】従来装置の動作を説明するための説明図であ
る。
【図12】従来装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
P 送信コイル S1、S2 受信コイル W 被検査体 SW スイッチ 11 基準信号発生器 14 差動増幅器 15 検波回路 18 A/D変換器 19 判定回路 21 検出装置 22 時間設定回路 23 位相角設定回路 24 移相回路 25 D/A変換器 26 比較回路 27 三角波発生回路 30 波形表示記憶回路 100 記憶手段 101 A/D変換器。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定周波数の基準信号を基に交番磁界を発
    生する磁界発生部と、前記磁界の磁束をほぼ等量受ける
    位置に配置された一対の磁気センサと、前記一対の磁気
    センサの不平衡信号出力回路からの不平衡信号と前記基
    準信号との位相差を検出する位相差検出手段とを備えた
    移動する被検査体中に混入している金属の有無を判定す
    る金属検出機において、 前記不平衡信号出力回路と前記位相差検出手段の間に備
    えられていて、被検査体の基準サンプルが一回だけ移動
    して発生する不平衡信号を記憶する記憶手段(100)
    と、前記記憶手段からの出力を受け前記基準信号と前記
    不平衡信号との間の位相を変化させて前記不平衡信号が
    最小となるようにするための位相制御手段(105)と
    を備えたことを特徴とする金属検出機。
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