JP3088797B2 - 植物エキス浴用剤の製造方法 - Google Patents

植物エキス浴用剤の製造方法

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JP3088797B2
JP3088797B2 JP03242356A JP24235691A JP3088797B2 JP 3088797 B2 JP3088797 B2 JP 3088797B2 JP 03242356 A JP03242356 A JP 03242356A JP 24235691 A JP24235691 A JP 24235691A JP 3088797 B2 JP3088797 B2 JP 3088797B2
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昌市 桜下
不二彦 澁田見
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昌市 桜下
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、植物エキス浴用剤の製
造方法に関するものである。さらに詳しくいえば、本発
明は、長期間にわたって変質することなく保存しうる
上、浴湯に溶解するだけでただちに使用することができ
る植物エキス浴用剤を効率よく製造する方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、薬用や食用などに供する有用植物
は、温室栽培などにより通年栽培され、季節に関係なく
提供されるようになってきている。しかしながら、この
ような温室栽培植物は露地栽培植物に比べて品質に劣
り、商品価値が低くなるのを免れない。またわさびや茶
木のように温室栽培に不向きな植物もあり、このため、
薬用や食用などに供せられる植物の中で、かなりのもの
が露地栽培されている。
【0003】ところで、露地栽培植物は一定期間に収穫
の時期が限定されているのに対し、その需要は季節に限
定されないことが多く、したがって、該需要に対応する
には、一定期間に収穫された植物又はその加工品を通年
保存しておくことが必要となる。
【0004】生鮮植物の場合、低温保存法や脱エチレン
保存法など、種々の有効な保存法が知られているが、加
工品、中でも大根おろし、練りわさび、あるいは草餅な
どの菓子類に用いられるよもぎ葉や茶葉のペーストな
ど、微小に細断されたペースト状加工品の場合、香気の
散逸や酸敗など変質が生じやすく、生鮮植物に比べて保
存が困難である。
【0005】これまで、このようなペースト状に加工さ
れた植物の保存法としては従来(1)乾燥保存法、
(2)冷凍保存法、(3)密閉保存法(缶詰、レトルト
など)などが行われているが、(1)の乾燥保存法は、
変質の原因となる水分を除去する方法であって、古くか
ら用いられているが、乾燥速度を速めるために加熱する
と、むしろ変質が促進されることが多く、また乾燥によ
ってそのもの本来の香気等の特性が著しくそこなわれた
り、全く別の予期しない香気等の特性を生じるなどの欠
点を有している。また、カードドライ法、スプレイドラ
イ法、凍結乾燥法など、新しい乾燥方式も試みられてい
るが、カードドライ法やスプレイドライ法においては、
乾燥を促進するための接触面積の拡大システムそのもの
が品質変化を促進させる傾向があるし、一方凍結乾燥に
おいては、低温処理のため変質は一応抑えられるもの
の、吸引操作による揮発性成分の喪失が免れない。
【0006】前記(2)の冷凍保存法は、品質保持の面
からは良好な方法であるといえるが、使用時の解凍に時
間を要し、かつ固型成分の分離が起こりやすい上、冷凍
保存装置の管理維持に多額の費用を要し、しかも解凍使
用残品を再び凍結しても著しく品質の劣化をもたらし、
再使用に供することができないなどの欠点を有してい
る。
【0007】一方、缶詰やレトルトなどの密閉保存方法
は、完全殺菌及び完全密閉が行われなければならず、い
ずれか一方が不十分な場合でも腐敗が起こり、また、一
旦開封すると全品を速やかに使用しなければ腐敗するの
で、少量単位の厳重梱包とならざるをえず、経済的に不
利である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事
情のもとで、長期間にわたって変質することなく保存し
うる上、使用が簡単で、かつ経済的に有利である植物エ
キス浴用剤を提供することを目的としてなされたもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは長期間にわ
たって変質することなく保存することができ、かつ使用
が簡単で経済的に有利な植物エキス浴用剤を開発すべき
鋭意研究を重ねた結果、植物体を摩砕して得られたペー
ストに、結晶水をとりうる塩類を無水物の形で混合して
固化させたのち、粉砕して微粉末とした植物エキス浴用
剤が、長期間にわたって変質することなく保存しうる
上、浴湯に溶解するだけでただちに使用することがで
き、かつ製造コストが低く、前記目的に適合しうること
を見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至っ
た。
【0010】すなわち、本発明は、植物体を摩砕してペ
ーストとし、これに結晶水をとりうる塩類を無水物の形
で混合して固化させたのち、粉砕して微粉末とすること
を特徴とする植物エキス浴用剤を提供するものである。
【0011】本発明に従えば、前記植物エキス浴用剤
は、植物体をペースト状に摩砕したのち、これに結晶水
をとりうる塩類を無水物の形で混合して固化させたの
ち、粉砕して微粉末とすることにより、製造することが
できる。
【0012】本発明において用いられる植物体について
は、食用や薬用に供される植物で、摩砕によりペースト
となるものであればよく特に制限されず、例えばかんき
つ類の葉、茶葉、柿の葉、しょうぶなどを用いることが
できる。
【0013】これらの植物をペースト状に摩砕する方法
としては、少量製造する場合には、包丁でたたくか、お
ろし金や乳鉢を使用する方法などが用いられ、多量に製
造する場合には高速で回転するチョッパーを利用する方
法などが有利である。また、摩砕は、通常常温で行われ
るが、必要に応じ、加熱して行うこともできる。
【0014】このようにして、植物体を微小に摩砕して
ペーストを作製したのち、このペーストに結晶水をとり
うる塩類を無水物の形で混合するが、この塩類として
は、吸水反応が急激であると植物組織が破壊されるおそ
れがあるので、吸水反応が比較的ゆるやかで、かつ吸水
量が相対的に多く、しかも人体に対して無害なものが望
ましい。
【0015】このようなものとしては、例えば無水硫酸
ナトリウムや無水酢酸ナトリウムが好適である。硫酸ナ
トリウムは1分子中に10分子の結晶水を保持すること
ができ、一方酢酸ナトリウムは1分子中に3分子の結晶
水を保持することができる。
【0016】これらの塩類は、該ペースト中の水分に対
して、化学量論的な量より若干過剰に用いるのが望まし
い。また、この際、該ペーストに、所望に応じ糖質、ア
ミノ酸、香料、色素などを添加することができる。
【0017】前記ペーストに前記塩類を無水物の形で混
合すると、該無水物の形の塩類がペースト中の水に溶解
し、発熱が起こり、この発熱が完了した時点でペースト
が固化するので、流動性を有している間に、所望の型枠
の中にペーストを流し込み、固化させる。
【0018】また、固化させたペーストの形状について
は特に制限はなく、そのまま砕いて使用しうる板チョコ
状であってもよいし、粉粒状に粉砕しやすい形状であっ
てもよい。
【0019】このようにして、植物体を摩砕して得られ
たペーストと、該ペースト中の水分を結晶水として含有
する塩類とから成る固化物を、粉砕して微粉末とするこ
とにより、植物エキス浴用剤が得られる。
【0020】
【発明の効果】本発明の植物エキス浴用剤は、長期間に
わたって変質することなく保存しうる上、浴湯に溶解す
るだけでただちに使用することができ、かつ製造コスト
が低いなどの多くの利点を有する。また、本発明による
と、これまでの粉砕方法では微粉末にすることができな
かった、しなやかな植物性繊維でも容易に微粉化するこ
とができる上に、このようにして得られる微粉末は水に
急速に溶解するという利点がある。
【0021】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。
【0022】実施例 茶葉1,000gをよく水洗し、脱水してから電子レン
ジで5分間加熱して蒸煮し(含有水分量88.7wt
%)、D‐グルコース80gを加えてチョッパーで細断
したのち、これに無水酢酸ナトリウム1,400gを加
えて混合し、次いでこのペーストを型枠に流し込んで冷
却固化させた。次に、固型化物を型枠から取り出し粉砕
機で粒状に粉砕して、粒状の植物エキス浴用剤を作製し
た。
【0023】試験例1 実施例で得られた加工品と、比較のための、茶葉1,0
00gをよく水洗し、脱水してから電子レンジで5分間
加熱して蒸煮し(含有水分量88.7wt%)、D‐グ
ルコース80gを加えてチョッパーで細断して得たペー
スト状物との経時による品質変化の比較を求めた。その
結果を表1に示す。
【0024】
【表1】 この試験は、温度15℃、湿度60RH%に保ったシャ
ーレ中に、5g入り検体を各3個ずつ収容して行った。
【0025】表1から分かるように、比較のためのペー
スト状物は120時間経過後完全に腐敗したが、本発明
の加工品は、120時間経過しても、いずれも少量の水
でもどすと加工前の状態となんら異なることがなかっ
た。
【0026】試験例2 実施例1で得られた加工品と、試験例1で比較のために
用いたペーストをそのまま冷凍したものとの品質の変化
を、香気、腐敗、分離の3点で比較した。この結果を表
2に示す。
【0027】
【表2】 この試験は、温度15℃、湿度60RH%で行った。
【0028】表2から分かるように、本発明の加工品
は、いずれも冷凍品に比べて品質保持の面において若干
優れている。
【0029】本発明の加工品は常温保存であるので、冷
凍品に比べて維持管理上優れており、また冷凍品は解凍
して使用に供した残品を再凍結しても再使用に耐えうる
品質を維持することは困難であるが、本発明の加工品は
必要量だけ必要な時に任意に使用しうるというメリット
がある。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−52234(JP,A) 特開 昭55−51015(JP,A) 特開 昭58−192815(JP,A) 特開 昭63−51323(JP,A) 特開 昭63−79815(JP,A) 特開 昭63−250317(JP,A) 特開 平3−157325(JP,A) 特開 平4−49226(JP,A) 特開 平4−364119(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/50

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物体を摩砕してペーストとし、これに
    結晶水をとりうる塩類を無水物の形で混合して固化させ
    たのち、粉砕して微粉末とすることを特徴とする植物エ
    キス浴用剤の製造方法。
  2. 【請求項2】 植物体がかんきつ類の皮、茶葉、柿の葉
    又はしょうぶである請求項1記載の製造方法。
JP03242356A 1991-08-29 1991-08-29 植物エキス浴用剤の製造方法 Expired - Lifetime JP3088797B2 (ja)

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