JP3087782B2 - 撮像データ信号伝送方式 - Google Patents

撮像データ信号伝送方式

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JP3087782B2 JP03303641A JP30364191A JP3087782B2 JP 3087782 B2 JP3087782 B2 JP 3087782B2 JP 03303641 A JP03303641 A JP 03303641A JP 30364191 A JP30364191 A JP 30364191A JP 3087782 B2 JP3087782 B2 JP 3087782B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、人工衛星や中継局を用
いて同一観測対象を複数観測点から異なる角度で撮像す
る立体撮像システムに係り、特に、人工衛星で撮像され
たデータ信号を中継局を介して、あるいは直接に地上局
に伝送する方式に関する。
【0002】
【従来の技術】人工衛星から地表面の諸現象を撮像して
地上へ伝送するシステム、あるいは、データ中継衛星又
は地上の主受信局にて受信された後に各受信局へ再伝送
するシステム等では、当初、送信側で撮像された信号を
そのままの形で受信側に伝送していた。
【0003】しかしながら、高分解能観測が進展するに
伴い、その撮像データ量が膨大となり、特に、最近は、
衛星からの立体撮像機能が付加される等、撮像データ量
が更に増大してきている。
【0004】そのため、衛星本体側等の制約によりこれ
ら信号をそのままの形で伝送することが困難となり、撮
像バンド数を削減せざるを得ない等、撮像性能に大きな
インパクトを与えるようになってきた。
【0005】そこで、立体撮像データにデータ圧縮を施
し、衛星本体からの送出データ量の節減を行うデータ圧
縮方式の採用が検討されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、地上に
て採用されている従来のデータ圧縮方式は、通常、撮像
データの相互の相関はとらずに夫々独立にデータ圧縮を
施して伝送しており、その装置構成がかなり複雑なもの
になっている。そのため、このような方式を衛星搭載用
のデータ圧縮方式として用いるのは、電力、寸法、及び
重量の制約から困難であり、また、圧縮後の画像に対し
て高精密画像としての厳しい品質確保が要求されること
を考慮すると、これをそのまま適用することには問題が
多い。
【0007】一方、装置構成の簡単な方式として、例え
ば予測符号化方式等があるが、この方式では、送出デー
タの節減量が小さい問題があった。
【0008】本発明の課題は、上記問題点を解決するこ
とであり、具体的には、高分解能の立体撮像データの画
像品質を低下せずに送出データ量を節減し得る撮像デー
タ信号伝送方式を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では、同一観測対象を相離れた複数観測点か
ら異なる角度で撮像する立体撮像システムに用いられる
方式であって、複数の撮像データ信号に夫々対応して設
けられ、各撮像データ信号を夫々電気信号に変換して複
数の原信号を生成する第一次信号処理回路と、これら原
信号を伝送路に向けて送信する送信手段と、伝送路から
受信した前記撮像データ信号を再生して画像処理装置に
導く受信手段とを有する撮像データ信号伝送方式におい
て、前記複数の原信号のいずれか一つを基準原信号とな
し、この基準原信号に隣接する原信号及びこの原信号に
以後隣接する原信号を副原信号となすとともに、前記送
信手段は、隣接する原信号間の同一観測対象対応点に対
する時間差を表す時間差信号を生成する時間差検出回路
と、前記基準原信号と前記時間差信号とに基づいて前記
副原信号と近似する波形の第一次送信信号を生成する第
一次送信再生回路と、この第一次送信信号と現実の副原
信号とのレベル差を表すレベル差信号を生成するレベル
差検出回路と、前記基準原信号と前記時間差信号と前記
レベル差信号とを多重化して前記伝送路に送出する多重
送出回路とを備え、一方、前記受信手段は、前記伝送路
から受信した多重化信号から前記基準原信号と前記時間
差信号と前記レベル差信号を分離する受信分配回路と、
前記基準原信号と前記時間差信号とに基づいて前記第一
次送信信号と同一の第一次受信信号を再生する第一次受
信再生回路と、再生された第一次受信信号と前記レベル
差信号とに基づいて前記副信号を表す第二次受信再生信
号を生成する第二次受信再生回路とを少なくとも備えて
成る。
【0010】なお、移動物体から一定時間差をおいて立
体撮像を行う場合は、前記送信手段に入力される前記基
準原信号に所定の遅延時間を与える遅延回路を設ける。
【0011】また、原信号相互間の時間差が大きく、移
動物体の側で所要の遅延時間を与えられない場合は、中
継局を設け、この中継局内に、前記時間差検出回路と第
一次送信再生回路とレベル差検出回路と多重送出回路と
を設けた。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。 (第一実施例)図1は、本発明の第一実施例に係る撮像
データ信号伝送方式の信号処理系統図であり、(a)は
送信側系統図、(b)は受信側系統図を示す。なお、本
図では、説明の便宜上、一対の立体撮像信号S1,S2
を伝送する場合の構成を示している。
【0013】図(a)中、1a,1bは画像信号を得る
ための受光素子であり、ここでは、一次元のCCD(電
荷結合デバイス)を主対象として説明する。
【0014】これら受光素子1a,1bにて電気信号に
変換された画像信号は、夫々第一次信号処理回路2a,
2bに導かれる。
【0015】第一次信号処理回路2a,2bでは、入力
された画素信号の増幅、波形補正、及びA/D変換等、
伝送に必要な通常の信号処理を行い、一対の立体撮像原
信号(以下、単に原信号と称する)S1,S2を生々す
る。一方の原信号S1は以後の信号処理の基準となるも
のであり、以下基準原信号と称する。また、他方の原信
号S2を基準原信号S1と区別するため、副原信号と称
する。
【0016】なお、受光素子1a,1bの出力信号を夫
々独立に圧縮又は節減するためのデータ圧縮回路を有す
るシステムにおいては、これら圧縮回路もここでいう第
一次信号処理回路2a,2bの範疇に含まれる。
【0017】3は遅延回路であり、人工衛星あるいは航
空機等の移動物体からある一定時間Tの差をおいて立体
撮像を行う場合に、その時間差Tを補正するために、基
準原信号S1に対して所要の遅延時間(T)を与える回
路である。
【0018】副原信号S2及び遅延回路3を経た基準原
信号S1は、送信信号処理部4に入力される。
【0019】送信信号処理部4は、時間差検出回路5と
第一次送信再生回路6とレベル差検出回路7とを有して
構成されている。
【0020】時間差検出回路5では、同一観測対象対応
点に対する上記一対の原信号S1,S2間の時間差の検
出を行い、この時間差を表す時間差信号dtlを、基準
原信号S1とともに送信再生回路6に出力する。
【0021】第一次送信再生回路6では、入力された基
準原信号S1の各画素データに対して時間差信号dt1
による時間差を与え、これを副原信号S2に近似する第
一次送信信号S2r1として、レベル差検出回路7に出力
する。
【0022】レベル差検出回路7には、時間差検出回路
5からの副原信号S2も入力されており、ここで両入力
信号のレベル差を表すレベル差信号ds1を生成して多
重送出回路8に出力する。
【0023】多重送出回路8では、このレベル差信号d
s1と、送信再生回路6から出力された時間差信号dt
1及び基準原信号S1とを多重化し、受信局に向けて送
出する。
【0024】なお、人工衛星における応用例において
は、多重送出回路8には、大容量のデータレコーダや高
出力送信機等も含まれる。
【0025】次に図1(b)を参照して受信側の構成に
ついて説明する。
【0026】送信側から伝送された多重化信号は、受信
分配回路9で基準原信号S1、時間差信号dt1、レベ
ル差信号ds1に分離され、受信信号処理部10の各回
路に分配される。
【0027】受信信号処理部10は、前記第一次送信再
生回路6と同様の構成、機能を有する第一次受信再生回
路11と、第二次受信再生回路12とを有して構成され
ている。
【0028】第一次受信再生回路11では、送信側と同
様、基準原信号S1と時間差信号dt1とに基づいて、
基準原信号S1の各画素データに時間差を与え、前記第
一次送信信号と同一の第一次受信信号S2r1を再生し、
これを第二次受信再生回路13に出力する。
【0029】第二次受信再生回路13では、この第一次
受信信号S2r1と、受信分配回路9から分配されたレベ
ル差信号ds1とを加算し、副原信号S2と同一の第二
次受信信号S2r2を再生して画像処理装置13に出力す
る。
【0030】画像処理装置13では、この第二次受信信
号S2r2と、第一次受信再生回路11から出力された基
準原信号S1とに基づいてユーザーの利用に供するため
の各種の画像処理を行う。
【0031】次に、図2及び図3を参照して時間差検出
回路5の動作原理を説明する。
【0032】図2は立体撮像の原理を示す図であり、一
例として円錐形状の撮像対象Mを観測する場合を示して
いる。
【0033】離れた二点A1、A2からの撮像が行われ
る場合、その対象物が完全な平面形状のときは撮像され
た相互のデータは原理的に同一信号となり、地点P,R
は、観測点A1,A2のいずれにおいても同様に撮像さ
れ、夫々P1,R1及びP2,R2の位置に出力され
る。
【0034】これに対し、図2の地点Qの如く、撮像対
象平面に対して所定の高度差を有する場合は、観測点A
1からはQ1の位置にシフトして観測され、A2の位置
からはQ2の位置にシフトして観測される。
【0035】図3はこれを衛星画像データを例とした各
部信号波形図であり、(a)は立体撮像された各原信号
S1,S2波形と時間差信号dt1波形、(b)は第一
次受信信号S2r1波形とレベル差信号ds1波形、
(c)は第二次受信信号S2r2波形を夫々示す。図中、
縦軸は各信号のレベル、横軸は時間を示す。なお、実際
には原信号S1,S2等はデジタル信号に変換されてい
ることが多いが、ここでは、説明の便宜上、アナログ信
号として説明する。
【0036】図3(a)中、実線で表す基準原信号S1
の各点は、撮像対象に高度差がある場合には、前述のよ
うに、破線で示す副原信号S2の各点の位置にシフトし
て出力される。従って、基準原信号S1の各点において
副原信号S2中の同一レベルあるいはこれと近接したレ
ベルを示す対応点との時間差を求めることにより、各原
信号S1,S2相互間の時間差信号dt1が得られる。
この時間差信号dt1は、原信号S1,S2相互の相関
が大きいため、各原信号S1,S2と比較すると、極め
て小さい信号レベルになるのが通常である。
【0037】この時間差信号dt1を第一次送信再生回
路6に入力し、基準原信号S1の各画素データに対して
時間差を与える。即ち、画素番号をiとして、S1[i
−dt1[i]]の演算を行うことにより、図3(b)
に示す波形の第一次受信信号S2r1を得る。この信号S
2r1の波形は、副原信号S2に極めて近似したものとな
る。
【0038】この第一次受信信号S2r1と副原信号S2
とをレベル差検出回路7に入力し、下記(1) 式に示すよ
うな減算処理を行わせることにより、レベル差信号ds
1を得る。
【0039】 ds1[i]=S2[i]−S2r1[i] =S2[i]−S1[i−dt1[i]] (1) このレベル差信号ds1も、図3(b)に示すように、
副原信号S2に比較して非常に小さいレベルの信号とな
る。
【0040】これら信号S1、dt1,ds1を含む多
重化信号が受信側に送られ、先ず、基準原信号S1と時
間差信号dt1とを第一次受信再生回路11に入力し、
上記同様に、S1[i−dt1[i]]の演算処理を行
うことにより、第一次受信信号S2r1を再生し、これと
レベル差信号ds1との加算を第二次受信再生回路12
にて行うことにより、図3(c)及び下記(2) に示すよ
うに、副原信号S2の波形と合致する第二次受信信号S
2r2を再生することができる。
【0041】 S2r2[i]=S2r1[i]+ds1[i] =S2r1[i]+{S2[i]−S2r1[i]} =S2[i] (2) 図4は、本実施例の撮像データ信号伝送方式を用いて地
球を周回する人工衛星にて立体撮像を行い、地上局へ伝
送する場合のシステム応用概念図である。
【0042】図4中、14は地球観測衛星、15a,1
5bは集光光学系、16は送信アンテナ、17(17
a、17b)は撮像対象地表面、18は地上局を示す。
【0043】先ず、地球観測衛星14に搭載された集光
光学系15a,15bにて、地表面17a,17bの撮
像が行われ、受光素子1a,1bに結像されて各電気信
号への変換が行われる。これら電気信号が、前述のよう
に、第一次信号処理回路2a,2bに入力され、増幅、
A/D変換その他の処理が行われる。
【0044】ここで、同一対象点を撮像する距離間隔を
B、衛星と地表との相対移動速度をvとすると、遅延回
路3により、前方受光素子1aの出力信号にT=B/v
の遅延時間が与えられ、後方受光素子1bの出力信号と
ともに一組の原信号S1,S2として送信信号処理部4
に入力される。
【0045】以下、図1〜図3に説明した如く、時間差
信号dt1、レベル差信号ds1が検出され、これら信
号dt1、ds1、及び基準原信号S1を含む多重化信
号が多重送信部8から送信アンテナ16を経て地上局1
8へ伝送される。
【0046】地上局18においては、多重化信号が受信
分配回路9を経て受信信号処理部10に入力される。以
下、前述のように、多重化信号から副原信号S2に等し
い第二次受信信号S2r2が再生され、基準原信号S1と
ともに画像処理装置13に出力される。 (第二実施例)図5は本発明の第二実施例に係る撮像デ
ータ信号伝送方式の信号処理系統図であり、(a)は送
信側系統図、(b)は受信側系統図を示す。また、図6
は本実施例により、円錐形状の撮像対象Mを観測する場
合の概念図である。
【0047】本実施例では、同一時刻に離れた二点から
立体撮像を行っており、この場合は、図1及び図4で示
した遅延回路3は不要となる。また、この場合におい
て、第一実施例と同様に、受光素子1a,1bとして一
次元CCDを使用することも勿論可能であるが、本実施
例では二次元CCDにて撮像している。
【0048】まず、図5を参照すると、受光素子1a,
1bの出力信号は、第一次信号処理回路2a,2bを経
て一組の原信号S1,S2となり、送信信号処理部4に
直接入力される。送信信号処理部4の構成、動作は、図
1に示したものと同様であり、入力信号に基づいて時間
差信号dt1、レベル差信号ds1を検出した後、多重
送出回路8で多重化信号に変換し、受信側に伝送してい
る。
【0049】受信側での信号処理も、図5(b)に示す
如く、図1(b)の構成による信号処理と全く同様であ
り、基準原信号S1と時間差信号dt1とにより第一次
受信信号S2r1を再生した後、この第一次受信信号S2
r1とレベル差信号ds1とにより、副原信号S2に相当
する第二次受信信号S2r2が再生されて画像処理装置1
3へ入力される。 (第三実施例)図7は本発明の第三実施例に係る撮像デ
ータ信号伝送方式の信号処理系統図であり、(a)は送
信側系統図、(b)は受信側系統図を示す。また、図8
は本実施例による立体撮像の説明図であり、離れた三点
から同一対象を撮像する場合を概念的に示している。
【0050】立体撮像は、これまで説明してきたよう
に、少なくとも離れた二点からの観測が必要であるが、
人工衛星からの観測においては、特に、計測精度向上等
の理由により三点以上の離れた位置から撮像を行う場合
がある。
【0051】図8はこの様子を図示したもので、前方及
び後方の撮像の他に、直下点での撮像が行われる場合を
示す。なお、この図では、集光光学系を共通にしてこの
結像面内に複数のCCDを配置させた例を示している
が、信号処理の動作は図4に示した複数の集光光学系を
使用する場合と同様である。
【0052】図7及び図8においては、受光素子1a〜
1cの出力信号は、第一次信号処理回路2a〜2c及び
遅延回路3a、3bを経て送信信号処理部4に入力され
る。
【0053】ここで、前方撮像用受光素子1aと後方撮
像用受光素子1cが同一観測対象17aを撮像する間の
距離をBとし、衛星と対象物との相対移動速度をvとす
ると、遅延回路3aの所要遅延時間は、第一実施例の場
合と同様にT=B/vとなる。
【0054】また、前方撮像用受光素子1aと直下方向
撮像用受光素子1bが同一観測対象を撮像する間の距離
はB/2となり、遅延回路3bの所要遅延時間はT/2
となる。
【0055】これら第一次信号処理回路2a〜2c及び
遅延回路3a、3bを経由した原信号S1,S2,S3
が送信信号処理部4に入力される。なお、本実施例で
は、最初の原信号S1を基準原信号とする。
【0056】基準原信号S1及び副信号S2を時間差検
出回路5aに入力して時間差信号dt1を得、更に送信
再生回路6a及びレベル差検出回路7aによりレベル差
信号ds1を出力する過程は図1の場合と全く同様であ
る。
【0057】以下、上記時間差信号dt1を第一の時間
差信号、上記レベル差信号ds1を第一のレベル差信号
と称する。
【0058】隣接する副原信号S2、S3からも同様の
過程により、時間差検出回路5bにより第二の時間差信
号dt2が得られ、この信号dt2と副原信号S2とに
より第二の送信信号S3r1が再生される。
【0059】また、第二の送信再生信号S3r1と副原信
号S3とがレベル差検出回路7bに入力されて第二のレ
ベル差信号ds2が出力される。
【0060】多重送出回路8では、基準原信号S1と第
一の時間差信号dt1、第一のレベル差信号ds1、第
二の時間差信号dt2、第二のレベル差信号ds2を多
重化し、これを受信側に送出する。
【0061】受信側では、図7(b)に示すように、受
信した多重化信号を受信分配回路9にて基準原信号S
1,時間差信号dt1,dt2、レベル差信号ds1,
ds2に分離し、受信信号処理部10の各回路に分配さ
れる。
【0062】各信号S1,dt1,ds1から副原信号
S2と等しい第二次受信信号S2r2を再生する過程は、
第一実施例の場合と全く同様である。
【0063】次に隣接する副原信号S3を再生するため
には、上記のように再生された第二次受信信号S2r2が
副原信号S2と等しいため、この第二次受信信号S2r2
と第二の時間差信号dt2とを第二の第一次受信再生回
路11bに入力して第一次受信信号S3r1を再生し、更
に、この第一次受信信号S3r1と第二のレベル差信号d
s2とを第二次受信再生回路12bにて加算することに
より、隣接する副原信号S3に等しい第二次受信信号S
3r2を再生することができる。 (第四実施例)図9は本発明の第四実施例に係る撮像デ
ータ信号伝送方式のシステム系統図であり、衛星で撮像
され、伝送されてきた一組の立体撮像信号を、再伝送あ
るいは記録する場合の構成を示している。
【0064】この構成は、立体撮像された信号の相互間
の時間差が大きく、小さな衛星内では所要の遅延時間差
を与えられない場合等に用いられる。
【0065】図中、14は地球観測衛星、19は中継局
たる主受信分配局、21は伝送路、22は受信局を示し
ている。
【0066】地球観測衛星14では、立体撮像したデー
タ相互間の演算を行わずに第一次信号処理回路2a,2
bの出力を多重送出回路8で多重化して、そのまま主受
信分配局19に送出する。
【0067】主受信分配局19は、受信分離回路20と
遅延回路3と送信信号処理部4と多重送出回路を有して
成り、受信分離回路20で分離された立体撮像データに
遅延回路3で夫々所定の遅延時間差を与えて時間補正を
行い、一組の原信号S1,S2として送信信号処理部4
に入力する。送信信号処理部4では、前述のように、基
準原信号S1、時間差信号dt1、及びレベル差信号d
s1を生成して多重送出回路8に入力する。多重送出回
路8では、これら各信号を多重化し、伝送路21を用い
て受信局22に送出する。
【0068】伝送路21には、衛星中継等の無線伝送路
の他、光ケーブル等の有線伝送路が用いられる例もあ
る。また、一旦、磁気テープ等のレコーダに記録される
場合にも適用可能なことは本実施例の構成からも明らか
である。
【0069】受信局22は、これまで説明してきた受信
側系統図と同様の構成、動作をなし、副原信号S2に等
しい第二次受信信号S2r2を再生している。
【0070】尚、ここでは、受信局22と主受信分配局
19とを1対1に構成される場合について説明したが、
主受信分配局19から多方向に向けて伝送が行われる場
合もあり、この場合には、破線で示すように、同様の構
成、動作をなす複数の受信局22が設置される。
【0071】また、主受信分配局19は、本実施例では
地上局の例をもって示しているが、宇宙ステーション
等、大規模な衛星プラットホーム上に設置される場合に
も適用可能であることは明らかである。
【0072】
【発明の効果】以上詳述してきたように、本発明では、
複数の原信号をそのまま伝送する従来の方式に代え、こ
れら原信号の相関をとり、基準となるいずれか一つの原
信号と、この原信号に対する時間差信号及びレベル差信
号とを伝送するようにしたので、受信側へのデータ送出
量を節減することができる。通常、時間差信号やレベル
差信号は原信号に比べれば10分の1から数10分の1
程度のデータ量であり、その効果には多大なものがあ
る。
【0073】また、前記(1) 式及び(2) 式で示した如
く、データ伝送量の節減に伴う誤差は皆無であり、受信
側で原信号を完全に復元することが可能となる。
【0074】このように、本発明によれば、高品質の立
体画像データの画像品質を全く損なうことなく、データ
伝送量の大幅節減を可能とする撮像データ信号伝送方式
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例に係る撮像データ信号伝送
方式の信号処理系統図であり、(a)は送信側系統図、
(b)は受信側系統図である。
【図2】本発明の第一実施例による立体撮像の原理を示
す図であり、一例として円錐形状の撮像対象Mを観測す
る場合を示している。
【図3】本発明の第一実施例において、衛星画像データ
を例とした各部信号波形図であり、(a)は立体撮像さ
れた各原信号S1,S2波形と時間差信号dt1波形、
(b)は第一次受信信号S2r1波形とレベル差信号d
s1波形、(c)は第二次受信信号S2r2波形である。
【図4】本発明の第一実施例に係る撮像データ信号伝送
方式を用いて地球を周回する人工衛星にて立体撮像を行
い、地上局へ伝送する場合のシステム応用概念図であ
る。
【図5】本発明の第二実施例に係る撮像データ信号伝送
方式の信号処理系統図であり、(a)は送信側系統図、
(b)は受信側系統図である。
【図6】本発明の第二実施例により、円錐形状の撮像対
象Mを観測する場合の概念図である。
【図7】本発明の第三実施例に係る撮像データ信号伝送
方式の処理系統図であり、(a)は送信側系統図、
(b)は受信側系統図である。
【図8】本発明の第三実施例による立体撮像の説明図で
あり、離れた三点から同一対象を撮像する場合を概念的
に示した図である。
【図9】本発明の第四実施例に係る撮像データ信号伝送
方式のシステム系統図であり、衛星で撮像され、伝送さ
れてきた一組の立体撮像信号を、再伝送あるいは記録す
る場合の構成を示した図である。
【符号の説明】
1a,1b,1c 受光素子(CCD) 2a,2b,2c 第一次信号処理回路 3、3a,3b 遅延回路 4 送信信号処理部 5、5a,5b 時間差検出回路 6、6a,6b 第一次送信再生回路 7、7a,7b レベル差検出回路 8 多重送出回路 9 受信分配回路 10 受信信号処理部 11、11a,11b 第一次受信再生回路 12、12a,12b 第二次受信再生回路 13 画像処理装置 14 地球観測衛星 15、15a,15b 集光光学系 16 送信アンテナ 17、17a,17b 撮像対象地表面 18 地上局 19 主受信分配局(中継局) 20 受信分離回路 21 伝送路 22 受信局

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一観測対象を相離れた複数観測点から
    異なる角度で撮像する立体撮像システムに用いられる方
    式であって、複数の撮像データ信号に夫々対応して設け
    られ、各撮像データ信号を夫々電気信号に変換して複数
    の原信号を生成する第一次信号処理回路と、これら原信
    号を伝送路に向けて送信する送信手段と、伝送路から受
    信した前記撮像データ信号を再生する受信手段とを有す
    る撮像データ信号伝送方式において、 前記複数の原信号のいずれか一つを基準原信号となし、
    この基準原信号に隣接する原信号及びこの原信号に順次
    隣接する原信号を副原信号となすとともに、 前記送信手段は、隣接する原信号間の同一観測対象対応
    点に対する時間差を表す時間差信号を生成する時間差検
    出回路と、 前記基準原信号と前記時間差信号とに基づいて前記副原
    信号と近似する波形の第一次送信信号を生成する第一次
    送信再生回路と、 この第一次送信信号と現実の副原信号とのレベル差を表
    すレベル差信号を生成するレベル差検出回路と、 前記基準原信号と前記時間差信号と前記レベル差信号と
    を多重化して前記伝送路に送出する多重送出回路とを備
    え、 一方、前記受信手段は、前記伝送路から受信した多重化
    信号から前記基準原信号と前記時間差信号と前記レベル
    差信号を分離する受信分配回路と、 前記基準原信号と前記時間差信号とに基づいて前記第一
    次送信信号と同一の第一次受信信号を再生する第一次受
    信再生回路と、 再生された第一次受信信号と前記レベル差信号とに基づ
    いて前記副信号を表す第二次受信再生信号を生成する第
    二次受信再生回路とを少なくとも備えることを特徴とす
    る撮像データ信号伝送方式。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の撮像データ信号伝送方式
    において、前記送信手段に入力され、前記時間差の基準
    となる少なくとも一つの原信号に所定の遅延時間を与え
    る遅延回路を設けたことを特徴とする撮像データ信号伝
    送方式。
  3. 【請求項3】 同一観測対象を相離れた複数観測点から
    異なる角度で撮像する立体撮像システムに用いられる方
    式であって、複数の撮像データ信号に夫々対応して設け
    られ、各撮像データ信号を夫々電気信号に変換して複数
    の原信号を生成する第一次信号処理回路と、これら原信
    号を中継局に向けて送信する第一次送信手段とを移動体
    に搭載するとともに、前記第一次送信手段から送信され
    た各原信号を、中継局を介して受信局に伝送する撮像デ
    ータ信号伝送方式において、 前記複数の原信号のいずれか一つを基準原信号となし、
    この基準原信号と隣接する原信号及びこの原信号に順次
    隣接する原信号を副原信号となすとともに、 前記第一次送信手段は、前記第一次信号処理回路の出力
    を多重化して中継局に送出する第一の多重送出回路を備
    え、 また、前記中継局は、前記第一の多重送出回路から送出
    された多重化信号から前記基準原信号と副原信号とを分
    離する受信分離回路と、 再生された基準原信号に所定の遅延時間を与える遅延回
    路と、隣接する原信号間の同一観測対象対応点に対する時間差
    を表す時間差信号を生成する 時間差検出回路と、前記基準原信号と前記時間差信号とに基づいて前記副原
    信号と近似する波形の第一次送信信号を生成する 第一次
    送信再生回路と、この第一次送信信号と現実の副原信号とのレベル差を表
    すレベル差信号を生成する レベル差検出回路と、 前記基準原信号と前記時間差信号と前記レベル差信号と
    を多重化して前記受信局に送出する第二の多重送出回路
    とを備え、 更に、前記受信局は、前記第二の多重送出回路から受信
    した多重化信号から前記基準原信号と前記時間差信号と
    前記レベル差信号を分離する受信分配回路と、前記基準原信号と前記時間差信号とに基づいて前記第一
    次送信信号と同一の第一次受信信号を再生する 第一次受
    信再生回路と、再生された第一次受信信号と前記レベル差信号とに基づ
    いて前記副信号を表す第二次受信再生信号を生成する
    二次受信再生回路とを少なくとも備えることを特徴とす
    る撮像データ信号伝送方式。
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