JP3087430B2 - 粉体状ポリマーの固相重合方法 - Google Patents

粉体状ポリマーの固相重合方法

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JP3087430B2 JP04083712A JP8371292A JP3087430B2 JP 3087430 B2 JP3087430 B2 JP 3087430B2 JP 04083712 A JP04083712 A JP 04083712A JP 8371292 A JP8371292 A JP 8371292A JP 3087430 B2 JP3087430 B2 JP 3087430B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粉体状ポリマーの固相
重合方法に関し、詳しくは伝熱体を設けてなるトレー中
で重合することを特徴とする粉体状ポリマーの固相重合
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術、発明が解決しようとする課題】従来よ
り、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフ
タレートなどのポリエステル粉体状ポリマーを不活性気
体中で固相重合する方法は知られており、ポリマー品質
のばらつきを小さくする方式として、タンブラー方式
(特開昭56-43324号公報)や流動床方式などの方式も知
られている。
【0003】しかしながら、これらの方式は装置の構造
が複雑で高価であるという欠点を有するのみならず装置
内にポリマーが残存し易いので、品種やグレード切替時
には、その都度装置の分解、掃除が必要であるという欠
点を有している。このため、これらの方式は特に少量多
品種の生産においては作業性が悪く、経済的な方式では
なかった。
【0004】一方、皿状のトレーにポリマーを入れて、
そのトレーを加熱炉に挿入して、ポリマーを静置したま
ま攪拌することなしに加熱して、固相重合する方式(以
下静置トレー方式という)も考えられる。
【0005】しかしながら、ポリマー自身の伝熱が悪い
ためか、この方式では、ポリマー品質のばらつきが大き
く、これを小さくするためには、生産性を犠牲にしなけ
ればならないという問題があった。すなわち大きなトレ
ーを用る、ポリマー層を厚くする等の場合は、長時間の
加熱処理が必要となり設備生産性が低下し、一方、トレ
ーのサイズを小さくしたり、ポリマー層を薄くした場合
は、加熱処理時間は短縮できるものの、処理量が低下す
る結果、設備生産性が低下するという問題があった。い
ずれにしても、ポリマーの固相重合を大量に行なうため
には、従来の静置トレー方式では、設備生産性の点で問
題があり、この点の改良が要望されていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な問題点を克服し、均一で安定した品質のポリマーを効
率的に製造すべく、鋭意検討を重ねた結果、静置トレー
方式で固相重合する際に、熱伝導性の良好な伝熱体を設
けてなるトレーを用いることにより、設備生産性が向上
し、均一で安定した品質のポリマーが効率良く製造し得
ることを見出し、本発明を完成した。
【0007】すなわち本発明は、粉末状ポリマーを固相
重合せしめるにあたり、200℃における熱伝導率が10W
/m・K以上の伝熱体を設けてなるトレー中で固相重合
させることを特徴とする粉末状ポリマーの工業的に優れ
た固相重合方法を提供するものである。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いられるポリマーとしては、特に限定されるものでは
ないが、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリアミド
イミド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド等があ
げられる。中でもポリエステルが好ましく使用される。
【0009】ここで、ポリエステルとしては、例えばポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリ−m−フェニレンテレフタレート、ポリ−p−
フェニレンイソフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサ
ンジメチレンテレフタレート等のポリエステル、p−ヒ
ドロキシ安息香酸や2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸等
の芳香族ヒドロキシカルボン酸から得られるポリエステ
ル、さらにこれらとテレフタル酸、イソフタル酸、2,
6-ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸とハ
イドロキノン、レゾルシン、4,4'−ジヒドロキシジ
フェニル、2,6-ジヒドロキシナフタレン等の芳香族
ヒドロキシ化合物とから得られる液晶性ポリエステルな
どが挙げられる。
【0010】また本発明に使用される粉体状ポリマー
は、粉末状であっても粒状であってもペレット状であっ
ても良く、平均粒径が0.05〜5mm程度のものが通常使用
される。好ましくは0.1〜2mm程度である。
【0011】本発明は、上記のような粉体状ポリマー
を、伝熱体を設けてなるトレー中で固相重合させること
を特徴とするものである。固相重合させるにあたり、伝
熱体は、通常、トレーに充填された粉体状ポリマー中に
挿入して使用されるが、伝熱体を設けたトレー中に粉体
状ポリマーを充填しても良い。伝熱体は、その上端がポ
リマー層表面より0.5cm程度以上、とりわけ1cm程度以
上、上に出ていることが好ましい。 さらに伝熱体はト
レーの底面板、側面板等と接触していることが好まし
い。これにより、より均一で安定した品質のポリマーを
得ることができる。
【0012】伝熱体としては、200℃における熱伝導率
が10W/m・K以上、好ましくは100W/m・K以上の
金属が用いられる。強度、操作性、価額等を考慮すると
アルミニウム、銅、亜鉛、ステンレス、これらを含む合
金等が好ましく、なかでもアルミニウム、その合金等が
特に好ましい。
【0013】伝熱体の形状としては、板状、網状、棒状
などが挙げられるが、加熱炉雰囲気下における粉体状ポ
リマーへの伝熱、操作性などを考慮すると、板状が好ま
しい。 特に、厚みが0.5〜10mm程度のものが好まし
い。より好ましくは1〜5mm程度である。また伝熱板と
しては、複数の短冊状のものを組合せたもの、例えば図
1に示す格子状に組合せたものが、好ましい。トレーに
充填された粉体状ポリマー中に格子状伝熱板が設けられ
た状態の断面概略図を図2に示す。
【0014】伝熱板を垂直方向に複数個用いる場合は、
トレーの側壁板と伝熱板および伝熱板相互の間隔は、30
cm程度以下、特に20cm程度以下であることが好ましい。
ここで、伝熱板相互の間隔とは、短冊状の場合は短冊相
互間の間隔であり、図1のような格子状の伝熱体の場合
は一つの格子における対面する伝熱板相互間の間隔であ
る。
【0015】伝熱板は、その側端がトレーの側壁板に、
その下端が底面板に密着するように設けるのが好ましい
が、トレーと伝熱板との間に若干のポリマー層が存在す
るような状態でも特に支障はない。また伝熱板の高さ
は、その下端をトレー底面板に密着するように設けたと
きに、その上端がポリマー層表面より0.5cm程度以上、
とりわけ1cm程度以上、上に出るようにするのが好まし
い。
【0016】トレーの形状、大きさ等は、特に限定され
るものではないが、加熱装置の形状や伝熱体の操作性等
を考慮すると、上面が開放された直方体状(重箱状)のト
レーが好ましい。またトレーの材質は、200℃における
熱伝導率が10W/m・K以上、好ましくは100W/m・
K以上の金属が良い。強度、操作性、価額等を考慮する
とアルミニウム、銅、亜鉛、ステンレス、これら2種以
上の合金等が好ましく、なかでもアルミニウム、その合
金等が特に好ましい。固相重合は、通常、不活性ガス雰
囲気下で実施される。その温度は、ポリマーの種類によ
りそれぞれ用いられる通常の温度、例えば150〜350℃程
度で実施される。
【0017】本発明によれば、粉体状ポリマーを、伝熱
体を設けてなるトレー中で固相重合させることにより、
設備生産性が向上し、均一で安定した品質のポリマーが
効率良く製造し得る。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。なお、例中の各物性は
以下の方法で測定した値である。
【0019】流動温度:(株)島津製作所の高化式フロー
テスターCFT-500型を用い、4℃/分の昇温速度で加熱さ
れた樹脂を荷重100Kg/cm2下で、内径1mm、長さ10mmの
ノズルから押出す時に、溶融粘度が48,000ポイズを示す
時点の温度である。この温度が低い樹脂ほど流動性が大
きいことを意味する。
【0020】光学異方性:加熱ステージ上に置かれた粉
末状樹脂を偏光下10℃/分で昇温し、肉眼により観察
し、液晶開始温度を求めた。なお静置下で完全溶融しな
い場合はスプリング圧を利用し加圧下で行なった。
【0021】引張強度、加熱変形温度(HDT):ASTM4号
引張ダンベル、HDT測定用試験片(127mm長×12.7mm幅×
6.4mm厚)を成形し、それぞれASTM D638、ASTM D648に
準じて測定した。薄肉成形品のフクレ:46mm長×5mm幅
×0.8mm厚の短冊型試験片を成形し、肉眼でフクレの有
無を観察した。
【0022】参考例1(液晶ポリエステルAの製造) p−アセトキシ安息香酸10.81Kg(60モル)、4,4'-ジアセ
トキシジフェニル5.41Kg(20モル)、テレフタル酸3.32Kg
(20モル)を櫛形攪拌翼を有する50l SUS−316L製重合
槽に仕込んだ。窒素ガス雰囲気下に昇温し180℃から攪
拌しながら1℃/分の速度で昇温し、副生する酢酸を留
去しながら300℃で60分重合した。その後、系を密閉し
窒素で槽内圧力を1Kg/cm2Gに保ち、重合槽底部のバ
ルブを開け、反応物をステンレス製トレーに約1cmの厚
みに抜き出した。この反応物の得量は13.41Kgで理論量
の99.2%であった。これをホソカワミクロン(株)製のハ
ンマーミルで平均粒径約0.5mmに粉砕して、流動温度が2
85℃で下記の繰り返し構造単位からなる全芳香族ポリエ
ステル(以下「液晶ポリエステルA」と言う)を得た。こ
のポリマーは、加圧下で、305℃以上で光学異方性を示
した。すなわち液晶開始温度は350℃であった。
【0023】
【0024】参考例2(液晶ポリエステルBの製造) p−アセトキシ安息香酸10.81Kg(60モル)、4,4'-ジアセ
トキシジフェニル5.41Kg(20モル)、テレフタル酸2.49Kg
(15モル)、イソフタル酸0.83Kg(5モル)を仕込み、参考
例1と同様に300℃で60分重合し、反応物を抜き出し
た。得量は13.11Kgで理論収量の97%であった。
【0025】これをホソカワミクロン(株)製のハンマー
ミルで平均粒径約0.5mmに粉砕して、流動温度が270℃で
下記の繰り返し構造単位からなる全芳香族ポリエステル
(以下「液晶ポリエステルB」と言う)を得た。このポリ
マーは、加圧下で、290℃以上で光学異方性を示した。
すなわち液晶開始温度は290℃であった。
【0026】
【0027】実施例1 トレー材料として、JISH4000で規定されるA1080Pのアル
モニウムを用いた。該アルミニウムの200℃における熱
伝導率は230W/m・K(0.55cal/sec・cm・℃)であ
る。内寸120cm×120cm×深さ10cmのアルミニウム製トレ
ーに、参考例1の条件で繰り返し製造した液晶ポリエス
テルAを53Kg仕込んだ(ポリマー厚みは6.5cm)。次にト
レーと同じ材料のアルミニウム板、長さ119cm×高さ8c
m×厚さ2mmの板を用いて、20cm間隔の格子状に組み立
てた伝熱板をトレーの底に接するように挿入した。伝熱
板の上端は、粉体状ポリマーの上面より1.5cm上に出て
いた。
【0028】このものを窒素雰囲気下のオーブンに入
れ、室温から250℃まで1時間かけて上昇させ、その後
4時間かけて320℃まで昇温し、同温度で5時間保持
し、さらに200℃まで冷却して、固相重合を終了した。
【0029】全体にシンタリングも認められず、きれい
な粉体が回収された。重量減少は2.5%であった。格子
間中心部の表面部と中間層部のポリマーをサンプリング
し、流動温度を測定すると、それぞれ376℃、374℃であ
り、その差は小さかった。また全量混合したポリマーの
流動温度は、375℃であり、液晶開始温度は396℃であっ
た。
【0030】次に、このポリマー600gとガラス繊維(セ
ントラル硝子(株)製EFH-75-01)400gを混合し、二軸押
出機(池貝鉄工(株)製PCM-30)を用いて、350℃で溶融混
練することによりペレットを得た。このペレットを射出
成形機(日精樹脂工業(株)製PS40E5ASE)を用いて、シリ
ンダー温度390℃、金型温度130℃で、引張強度評価用の
試験片、HDT評価用の試験片及び薄肉成形品でのフク
レ発生有無評価用の試験片を成形した。
【0031】評価結果を表1に示す。後記比較例1に比
べて、物性が全般的に高く、薄肉成形品におけるフクレ
も観察されなかった。
【0032】実施例2 伝熱板として、実施例1で用いた伝熱板の間隔を10cmと
狭くしたものを用いる以外は、実施例1に準拠して実施
した。固相重合における重量減少は2.6%で、ポリマー
のシンタリングも認められなかった。
【0033】また格子間中心部の表面部と中間層部のポ
リマーをサンプリングし、流動温度を測定すると、それ
ぞれ377℃、377℃であった。また全量混合したポリマー
の流動温度は、377℃であり、液晶開始温度は400℃であ
った。
【0034】このポリマーを用い、実施例1と同様に溶
融混練、射出成形し、各種試験片を作成し、物性を測定
した。結果を表1に示したが、物性は全般的に良好であ
った。
【0035】実施例3 伝熱板として、実施例1で用いた伝熱板の間隔を40cmと
広くしたものを用いる以外は、実施例1に準拠して実施
した。
【0036】固相重合における重量減少は2.0%で、格
子間中心部の表面部と中間層部のポリマーの流動温度
は、それぞれ372℃、364℃であった。また全量混合した
ポリマーの流動温度は、366℃であり、液晶開始温度は3
87℃であった。
【0037】このポリマーを用い、実施例1と同様に溶
融混練、射出成形し、各種試験片を作成し、物性を測定
した。結果を表1に示した。薄肉成形品の表面に数個の
フクレが見られた。
【0038】比較例1 伝熱板を用いない以外は実施例1と同様に実施した。固
相重合における重量減少は1.7%で、トレー中心部の表
面部と中間層部のポリマーの流動温度は、それぞれ369
℃、358℃であった。また全量混合したポリマーの流動
温度は、360℃であり、液晶開始温度は380℃であった。
【0039】このポリマーを用い、実施例1と同様に溶
融混練、390℃で射出成形したが、成形品全般にバリが
多く、380℃で成形することにより各種試験片を作成し
た。物性を測定した結果を表1に示した。薄肉成形品の
表面に多くのフクレが見られた。
【0040】比較例2 比較例1において、仕込みの液晶ポリエステルAの量を
20Kg(ポリマー厚み2.5cm)と少なくする以外は、比較例
1と同様に実施した。
【0041】固相重合における重量減少は2.5%で、ま
た全量混合したポリマーの流動温度は、376℃であり、
液晶開始温度は398℃であった。 このポリマーを用
い、実施例1と同様に溶融混練、射出成形し、各種試験
片を作成した。物性も良好であり、薄肉成形品にもフク
レは見られなかった。結果を表1に示すが、生産量は実
施例1〜3の場合の約40%であり、生産効率は著しく悪
い。
【0042】実施例4 実施例1で用いたと同じトレーに、参考例2の条件で繰
り返し製造した液晶ポリエステルBを53Kg仕込んだ(ポ
リマー厚みは、6.5mm)。次いで、実施例1で用いたと同
じ格子間隔20cmである伝熱板をトレーの底に接するよう
に挿入した。伝熱板の上端は、粉体状ポリマーの上面よ
り1.5cm上に出ていた。
【0043】これを窒素雰囲気下のオーブンに入れ、室
温から250℃まで1時間かけて上昇させ、その後3時間
かけて275℃まで昇温し、同温度で5時間保持し、固相
重合を終了した。固相重合における重量減少は1.4%で
あった。格子間中心部の表面部と中間層部のポリマーを
サンプリングし、流動温度を測定すると、それぞれ330
℃、329℃であり、その差は小さかった。また全量混合
したポリマーの流動温度は、330℃であり、液晶開始温
度は350℃であった。
【0044】次いで実施例1と同様に、このポリマー60
0gとガラス繊維400gを混合し、二軸押出機用い330℃で
溶融混練してペレットを得、シリンダー温度350℃、金
型温度130で射出成形した。成形品の物性を表2に示し
たが、外観もきれいで、物性も良好であった。
【0045】実施例5 伝熱板として、実施例1で用いた伝熱板の間隔を10cmと
狭くしたものを用いる以外は、実施例1に準拠して実施
した。固相重合における重量減少は1.5%で、また格子
間中心部の表面部と中間層部のポリマーの流動温度は、
それぞれ331℃、330℃であった。また全量混合したポリ
マーの流動温度は、332℃であり、液晶開始温度は353℃
であった。
【0046】このポリマーを用い、実施例1と同様に溶
融混練、射出成形し、各種試験片を作成し、物性を測定
した。結果を表2に示したが、物性は全般的に良好であ
った。
【0047】比較例3 伝熱板を用いない以外は実施例4と同様に実施した。固
相重合における重量減少は1.1%で、トレー中心部にお
ける表面部と中間層部のポリマーの流動温度は、それぞ
れ324℃、316℃であった。また全量混合したポリマーの
流動温度は、348℃であり、液晶開始温度は336℃であっ
た。このポリマーを用い、実施例4と同様に溶融混練、
射出成形できたが、各試験片にはバリが少し発生し、物
性も全般的に低く、薄肉成形品の表面には、多くのフク
レが見られた。結果を表2に示した。
【0048】比較例4 比較例3において、仕込みの液晶ポリエステルBの量を
20Kg(ポリマー厚み2.5cm)と少なくする以外は、比較例
3と同様に実施した。固相重合における重量減少は1.6
%で、また全量混合したポリマーの流動温度は、334℃
であり、液晶開始温度は356℃であった。
【0049】このポリマーを用い、実施例4と同様に溶
融混練、射出成形し、各種試験片を作成した。物性も良
好であった。結果を表2に示すが、生産量は比較例2と
同様に生産効率は著しく悪い。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【発明の効果】本発明によれば、粉体状ポリマーを静置
トレー方式で固相重合せしめるにあたり、伝熱体を設け
てなるトレー中で固相重合させることにより、伝熱体を
介して加熱炉の雰囲気の熱を粉体状ポリマーに素早く伝
えることができ、品質のばらつきの少ないポリマーを短
時間で効率よく製造し得る。比較例に示したように伝熱
体がない場合には、短時間では品質の安定したポリマー
は得られず、品質の安定したポリマーを得ようとすれ
ば、トレー当たりのし込み量を極端に削減せねばなら
ず、工業的に不利となる。これに対し、本発明によれば
実施例からも明らかなように、伝熱体を設けてなるトレ
ー中で固相重合させるという簡便な方法を採用すること
により、トレー当たりのし込み量を増大せしめて設備生
産性の向上をはかることができ、品質のばらつきの少な
いポリマーを効率よく製造し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】格子状の伝熱板の斜視図
【図2】トレーに充填された粉体状ポリマー中に格子状
伝熱板が設けられた状態の断面概略図
【符号の説明】
1.伝熱板 2.トレー 3.粉体状ポリマー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−43324(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 85/00 C08G 63/80 C08G 69/06 C08G 73/10 C08G 75/02 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粉体状ポリマーを固相重合せしめるにあた
    り、200℃における熱伝導率が10W/m・K以上の伝熱
    体を設けてなるトレー中で固相重合させることを特徴と
    する粉体状ポリマーの固相重合方法。
  2. 【請求項2】伝熱体の上端が、トレーに充填されたポリ
    マーの上面より0.5cm以上、上にでてることを特徴と
    する請求項1記載の固相重合方法。
  3. 【請求項3】 伝熱体が、アルミニウム、銅、亜鉛、ステ
    ンレスまたはこれらを含む合金からなることを特徴とす
    る請求項1〜2記載の固相重合方法。
  4. 【請求項4】 伝熱体が、複数の短冊状の板を格子状に組
    合せた格子状伝熱板であることを特徴とする請求項1〜
    3記載の固相重合方法。
  5. 【請求項5】 粉体状ポリマーが、ポリエステル、ポリア
    ミド、ポリアミドイミド、ポリイミドおよびポリフェニ
    レンスルフィドから選ばれる少なくとも1種であること
    を特徴とする請求項1〜3記載の固相重合方法。
  6. 【請求項6】 粉体状ポリマーが、平均粒径が0.05〜5mm
    であることを特徴とする請求項1〜5記載の固相重合方
    法。
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