JP3086979U - 急降下防止バックル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 ストラップを留めるためのバックルを提供す
る。 【解決手段】 ストラップを留めるためのバックル５０
は、ストラップがクランクで締められるときに特定の方
向のバックルの急降下を制御するためにバックルの力を
与える場所に関して特に配置される装着場所５８を有す
る。装着場所はバックルハウジングから横向きに延在し
かつハウジングの床から離れた１対のフランジを含む。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は急降下防止バックルに関する。

【０００２】

【従来の技術】

ビンディング装置は、スノーボード、スノースキー、ウォータースキー、ウェ イクボード、サーフボードなどの滑走のために構成されたボードおよびその他の 装置に乗り手を固定するために用いられる。この考案の目的に対し、「滑走具」 とは一般的に乗り手に表面を横断させるための前述のあらゆるボードおよびその 他の装置を示す。

【０００３】 ストラップまたはトレイビンディングとして知られる特定の種類のビンディン グは、伸長したストラップを用いて乗り手の足またはブーツを滑走具に装着する 。たとえばストラップ型スノーボードビンディングは、乗り手のブーツを受取る よう適合されるベースプレートと、ブーツをビンディングに固定するためにブー ツ受取り領域を横切って延在する１つまたはそれ以上のストラップとを含む。典 型的なものはトウストラップおよびアンクルストラップであり、その各々は、一 般的にラチェットストラップと呼ばれる鋸歯状の部分と、ブーツをビンディング 中に固定するためにストラップ部分をともに締めているときにラチェットストラ ップと係合しかつそれが偶然引き抜かれることを防ぐバックルを含むブーツ係合 部分とで形成される。

【０００４】 図１に例示される先行技術のビンディングのストラップ部分２０および２２は 互いに分離されることにより、乗り手が彼または彼女のブーツをビンディング中 に置くための開口部を提供してもよい。ラチェットストラップ２０の端部は手で バックル２４に与えられてもよく、次いで駆動レバー２８を動かすことによって 増分的に締められてもよい。ストラップ部分を締めることによって、バックルの 爪２６とラチェットストラップ上の係合する歯との間の接触点に作用する力が増 加し、それは爪をバックルハウジングに旋回的に装着するピンＰに沿ってバック ル上に与えられる。バックルはハウジングフロアを通じてブーツ係合ストラップ に装着される。装着孔３０は点Ｐにおいてバックルに作用する与えられた力の場 所よりも下に位置決めされるため、ブーツ係合部材の方向にモーメントが生じる 。このモーメントがバックルを急降下させるかまたは下向きにねじれさせて、そ れが乗り手のブーツに食い込むおそれがあり、それは特にストラップがきつくク ランクで締められているときに痛みを与える。

【０００５】 この考案の目的は、部品がともに留められているときの急降下を防止する、ス トラップまたはストラップ部分を固定するためのバックルを提供することである 。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この考案の実施例の１つにおいて、ストラップを留めるための急降下防止バッ クルが提供される。このバックルは入口、出口およびフロアを有するハウジング を含み、そのフロアに沿ってストラップは入口から出口への締める方向および出 口から入口への緩める方向に移動する。ストラップ係合部材はハウジングによっ て支持され、ストラップが緩む方向に引き抜かれることを防ぐ。ストラップ部分 が締められるとき、ストラップ係合部材およびラチェットストラップに作用する 力は力を与える場所においてバックルの上に矯正される。バックルハウジングは 、バックルがブーツまたはフットビンディングに組入れられるときにブーツまた はフット係合ストラップなどの表面にバックルを取付けるための装着場所を含み 、それは与えられた場所の方向にバックルのフロアから間隔をおかれる。

【０００７】 この考案の別の実施例において、ストラップを留めるための急降下防止バック ルが提供され、それは１対の側壁およびフロアを有するＵ形ハウジングを含み、 そのフロアに沿ってストラップは入口部分から出口部分への締める方向および出 口部分から入口部分への緩める方向に移動する。爪が第１の軸に沿って側壁に旋 回的に装着され、ストラップと係合することによって緩む方向への動きを防ぐ。 Ｕ形ハウジングは、バックルがブーツまたはフットビンディング中に組入れられ るときにブーツまたはフット係合ストラップなどの表面に急降下防止バックルを 取付けるためのそれぞれの場所を有するハウジング側壁から外向きに延在する１ 対の装着フランジを含み、それは爪がハウジングに旋回的に装着される第１の軸 の方向にハウジングの床から間隔をおかれる。

【０００８】 この考案の別の実施例において、ストラップを留めるための急降下防止バック ルが提供され、それは入口部分および出口部分を有するハウジングを含み、さら にフロアを含み、それに沿ってストラップが入口部分から出口部分への締める方 向および出口部分から入口部分への緩める方向に移動する。ストラップ係合部材 はハウジングによって支持され、ストラップがバックルから緩む方向に引き抜か れることを防ぐ。バックルがブーツまたはフットビンディングに組入れられると きにブーツまたはフット係合ストラップなどの表面にハウジングを取付けるため の装着場所は、ストラップがストラップ係合部材によって締められる際に表面の 方向にバックルに作用するモーメントを減少させるかまたはなくすように選択さ れる。

【０００９】 この考案の別の実施例において、ストラップを留めるための急降下防止バック ルが提供される。このバックルはストラップを摺動可能に受取るためのハウジン グを含む。このバックルは、ストラップと係合しかつハウジングの出口部分から 入口部分への緩める方向へのストラップの動きを防ぎながら、入口部分から出口 部分への締める方向へのストラップの動きを許す手段を含む。ストラップが係合 および防止手段によって締められる際にバックルの入口部分が表面に向けて急降 下することを減少させるかまたはなくすために、バックルがブーツまたはフット ビンディングに組入れられるときにブーツまたはフット係合ストラップなどの表 面にバックルを装着するための手段が与えられる。

【００１０】 この考案の別の実施例において、急降下防止バックルを含むビンディングが提 供される。このビンディングはブーツまたは足受取り領域を有するベースを含む 。少なくとも１つのストラップがベースに接続され、それはブーツ受取り領域を 横切って延在可能である。この少なくとも１つのストラップは、ブーツまたは足 を受取ったり解放したりするために分離可能な第１の部分および第２の部分を含 む。第１の部分は鋸歯状の表面を含み、第２の部分は入口端部と、出口端部と、 第１の部分がそれに沿って移動し得るフロアと、鋸歯状の表面に係合するための 爪とを有するバックルを含む。バックルは、爪の方向にバックルのフロアから間 隔をおかれた少なくとも１つの取付場所を通じてブーツまたはフット係合ストラ ップに装着される。

【００１１】 この考案の別の実施例において、ストラップを留めるための急降下防止バック ルが提供される。このバックルは入口部分、出口部分およびフロアを有するハウ ジングを含み、そのフロアに沿ってストラップが入口部分から出口部分への締め る方向および出口部分から入口部分への緩む方向に移動する。ストラップ係合手 段はハウジングによって支持され、ストラップがハウジングから緩む方向に引き 抜かれることを防ぐ。ハウジングが有する場所に沿ってストラップ係合手段に作 用する力が与えられる。バックルは、バックルを表面に取付けるためにハウジン グによって支持される装着手段を含む。この装着手段は力を与える場所の方向に バックルのフロアから間隔をおかれる。

【００１２】 この考案の別の実施例において、ストラップを留めるための急降下防止バック ルが提供される。このバックルは入口部分、出口部分およびフロアを有するハウ ジングを含み、そのフロアに沿ってストラップは入口部分から出口部分への締め る方向および出口部分から入口部分への緩める方向に移動する。ストラップ係合 手段はハウジングによって支持され、ストラップがハウジングから緩む方向に引 き抜かれることを防ぐ。ハウジングが有する場所に沿ってストラップ係合手段に 作用する力が与えられる。バックルはバックルを表面に取付けるための装着手段 を含む。この装着手段は、ストラップがストラップ係合手段に締められる際にバ ックルに表面の方向に作用するモーメントを減少させるかまたはなくすように選 択される。

【００１３】 この考案のさらなる実施例において、ストラップを留めるための急降下防止バ ックルが提供される。このバックルはストラップを摺動可能に受取るためのハウ ジングを含み、そのストラップは入口部分および出口部分を有する。このバック ルはまた、ストラップと係合しかつ出口部分から入り口部分への緩める方向への ストラップの動きを防ぎながら、入り口部分から出口部分への締める方向へのス トラップの動きを許すストラップ係合手段を含む。バックルは、ストラップがス トラップ係合手段によって締められる際に、表面へのバックルの入口部分の急降 下を防止するためにバックルを表面に装着するための装着手段を含む。

【００１４】 この考案は、添付の図面とともにその例示的な実施例の以下の詳細な説明を参 照することによってより完全に認識されるであろう。図面において類似の参照番 号は類似の特徴を示す。

【００１５】

【考案の実施の形態】

この考案は、ストラップまたはその他の係合部材がバックルに締められるとき にバックルに動作するモーメントの方向および／または大きさを制御するための 配置に関する。この考案のバックルは、ブーツまたは足などの物体を滑走具に固 定するためのストラップなどの１つまたはそれ以上の係合部材を有するビンディ ング、および係合部材が運動靴またはブーツの舌革または爪革を横切って延在す るときにたとえばヒールの押えなどの性能特性を改善するために履物部品を固定 するための１つまたはそれ以上の係合部材を含む運動靴またはブーツに対して特 に適用を有する。特定の実施例においては、このバックルが構成されてブーツま たはフット係合ストラップなどの表面に装着されることによってストラップがバ ックルに留められるときにバックルが乗り手のブーツまたは足に食い込むことが なくなり、他の実施例においては、バックルの食い込みは起こり得るが、その大 きさはバックルがバックルハウジングフロアを通じてその下にあるストラップに 装着されるものに比べて小さくなる。

【００１６】 理解を容易にするために、かつこの考案の範囲を制限することなく、この考案 が向けられるこの考案のバックルについて、乗り手のブーツをスノーボードに固 定するために用いられるスノーボードビンディングに特に関連して以下に開示す る。しかし、この考案のバックル構成は、滑走またはその他の運動適用のために 特定的に設計されていない基板に装着され得るフットまたはブーツビンディング 装置、足またはブーツ以外の物体を拘束するために用いられるビンディング装置 、およびバックルによって締め得る１つまたはそれ以上のストラップを含む履物 を含むがそれに制限されない非ビンディング適用に組入れられてもよいことが認 識されるべきである。この考案の目的に対し、「急降下防止バックル」とは、表 面の上に載るバックル底部を有するストラップを締めるためのバックルであって 、ストラップがクランクで締められるときにバックルが表面に向かって旋回しな いように配置されるバックルを意味する。つまりバックルにモーメントが見られ ないか、またはモーメントの方向が表面から離れる方向である。「急降下防止バ ックル」とはまた、ストラップが固定されるときにバックル底部が載せられる表 面の方向にトルク力を受けても、バックルが表面に底部装着されるときに比べて 急降下の影響が減少するようなバックルを意味する。

【００１７】 図２−６に例示される実施例は、乗り手のブーツをスノーボードに固定するた めにトウストラップ４２およびアンクルストラップ４４とともに配置されるスノ ーボードビンディング４０である。各ストラップはラチェット部分４６およびブ ーツ係合部分４８を含み、それらはブーツをビンディング中に置くために分離可 能であり、次いでブーツをスノーボードに拘束するためにともに固定可能である 。ラチェット部分は、頂面に沿って形成される歯またはその他の刻み目を有する 伸長したプラスチックストリップであってもよい。ブーツ係合部分はバックル５ ０を含み、それはＵ形のハウジング５２を有してもよく、例示されるとおり、そ こには入口端部、出口端部およびフロアが備えられ、そのフロアに沿ってラチェ ット部分が入口端部から出口端部への締める方向および出口端部から入口端部へ の緩める方向に移動する。バックルは、ラチェットストラップの鋸歯状の表面と 係合し、ラチェットストラップがバックルの入口端部の外に逃げ出ることを防ぐ ための爪５４を含む。ロッドまたはピン５６が爪をバックルに旋回的に装着して おり、ピンの端部はバックルハウジングの側壁の開口の中に置かれている。爪の 先端を鋸歯状の表面に押付けて接触させるために、トーションばねなどのばねま たはその他の偏向部材が与えられてもよい。ラチェットストラップがバックルを 通って与えられると、爪は往復する態様で旋回し、ラチェットの歯と断続的に係 合したり外れたりする。

【００１８】 バックルは、ハウジングの側壁から外向きに延在するフランジなどの１つまた はそれ以上の装着場所５８を通じてブーツ係合部分に取付けられる。例示される とおり、フランジはブーツ係合部分に固定可能なねじなどの留め具６０を受取る ための孔を含む。締め具を受取るために、Ｔナットなどの内側にねじを切られた 挿入具６２がブーツ係合部分にしっかり留められてもよい。当業者に明らかであ るとおり、フランジをブーツ係合部分に留めるためのその他の配置が予期される 。たとえば、フランジにはブーツ係合部分に留めるための顎（barb）またはその 他の握り部材が与えられてもよい。または、フランジは２つの部品をともに結合 するための表面を与えてもよい。１対の横向きに延在する装着場所が例示されて いるが、装着場所の数はこの考案の制限ではなく、１つ、３つまたはそれ以上の 装着場所が用いられてもよい。

【００１９】 バックルに対する装着場所は、ストラップ部分をクランクで締めることに応答 してバックルがブーツ係合部分に急降下する傾向を緩和するかまたはなくすよう に選択される。爪および係合される歯に作用する力は、ピン５６を通じてバック ルハウジングに与えられる。ブーツ係合部分に対してバックルの装着場所におい て実質的に等しい反対向きの力が加えられる。力を与える場所に関してバックル の装着場所を特定的に構築および配置することにより、バックルに見られるモー メントアームの大きさおよび方向を制御し得る。装着場所を力を与える場所のよ り近くに配置すると、バックルに作用するモーメントアームの大きさが減少する 。モーメントの方向は、装着場所と力を与える場所との相対的な位置決めによっ て指図される。装着場所が力を与える場所より下にあるとき、バックルは乗り手 のブーツの方向にモーメントを受ける。一方、装着場所が力を与える場所より上 に位置決めされるとき、トルクはブーツ係合部分から離れる方向になる。力を与 える場所およびバックル装着場所を実質的に整列させると、いずれの方向におい てもバックルのはっきりしたモーメントがなくなるはずである。

【００２０】 したがって、装着場所がハウジングのフロアと爪の旋回軸との間に位置決めさ れるとき、バックルはなおも乗り手のブーツに向かう急降下を受け得るが、その モーメントの大きさはバックルがハウジングのフロアを通じてブーツ係合部分に 装着されるときよりも小さくなるはずである。装着場所が旋回軸と実質的に整列 されるとき、はっきりしたモーメントアームは生じないはずである。バックル装 着場所を爪の旋回軸より上に配置することによって、ブーツ係合部分の反対方向 にモーメントが生じ得る。

【００２１】 例示される実施例において、１対の装着フランジはハウジングの側壁に対して 実質的に垂直に延在し、かつ爪の旋回軸と実質的に整列されるため、ストラップ 部分が締められる際にモーメントはほとんどまたは全く生じないはずである。フ ランジは、バックルハウジングが金属ブランクから形成されるときなどには側壁 の部分を曲げることによって形成されても、ハウジングに分離したフランジ部分 を接合することによって形成されても、またはプラスチックバックルハウジング の成形などハウジングの製作の際にフランジ部分を一体的に形成することによっ て形成されてもよい。バックルハウジングおよびフランジを形成するためのその 他の材料および技術が当業者に認識されるであろう。フランジは側壁と直角を形 成する必要はなく、下向きまたは上向きの角度を付けられてもよい。バックルに 対するその他の装着配置も予期され、またこの考案は装着フランジの使用のみに 制限されるものではない。たとえば、また制限的でなく、ブーツ係合部分に固定 される留めループなどのアンカを受取る１つまたはそれ以上の開口部がバックル ハウジングの側壁中に形成されてもよい。

【００２２】 バックルは、鋸歯状のラチェット部分が爪を通って駆動するのを助けるための レバー６２を含んでもよい。また、ストラップを緩めるため、および／またはス トラップ部分の分離を可能にするために爪をラチェット部分から外すための解放 タブ６４が与えられてもよい。ここに示されるとおり、爪は第１の軸に沿ってハ ウジングに旋回的に装着され、解放タブは第１の軸から間隔をおかれた第２の軸 に沿ってバックルに旋回的に装着され、レバーは第１および第２の軸から間隔を おかれた第３の軸に関して旋回的に装着される。装着場所を変更してバックルを 急降下防止にした後、この考案における実現例に対して特に好適なラチェットバ ックルは、さまざまなバートン・スノウボーズビンディングモデルにおいて提供 されかつ本願の所有者であるバートン・スノウボーズに譲渡される米国特許第５ ，７４５，９５９号に記載されるスラップラチェット（Slap Ratchet）（Ｒ）バ ックルである。さらに急降下防止にした後に好適なのは、これもバートン・スノ ウボーズに譲渡される米国特許第５，４１６，９５２号に開示される、第１の軸 に関して旋回する爪および解放タブと、第１の軸から間隔をおかれる第２の軸に 関して旋回する駆動レバーとを有するラチェットバックルである。当業者に明ら かであるとおり、２つのビンディングストラップ部分を解放可能につなぐための その他のバックル構成および留め配置も予期される。

【００２３】 バックルの入口端部は、バックルハウジングのフロアのスロット７２を通る保 持ストリップ７０の例示される配置などによってブーツ係合ストラップに固定さ れてもよい。このストリップはプラスチック、織物またはその他の材料で形成さ れてもよく、ブーツ係合部分の底面からスロットを通ってバックルハウジングの フロアの下に来て、そこでブーツ係合部分の頂面に固定されてもよい。ハウジン グフロアの開口部を通ってその下にあるストラップ部分に固定されるリベットま たはその他の留め具を含む、バックルの入口端部をブーツ係合部分に取付けるた めのその他の配置が用いられてもよい。代替的には、バックルの入口端部から舌 状部が垂れ下がり、それがストラップ部分の本体に埋込まれてもよい。前述の配 置に加えて、またはその代替形として、バックルの入口端部をストラップの所望 の位置に維持するために、バックルの前端部を装着するストラップ部分の表面に は窪み、１つまたはそれ以上の突出部、またはその他の構造が形成されてもよい 。バックルの前端部が装着場所に関して回転することを防ぐために前述のいずれ かが用いられてもよい。２つの装着場所が用いられて、ここに例示される実施例 のようにその各々がハウジングの側壁から外向きに延在するとき、バックルの入 口端部の横向きのねじれに対する心配が少なくなり得る。しかし、バックルの入 口端部をブーツ係合部分の表面と同一平面上に保つために、上に説明および提案 したループおよびスロット配置ならびにその他の構成が用いられてもよい。また 、ハウジングの前部と下にあるストラップ部分との間に空間を形成することによ り、乗り手がストラップ部分をともにつなごうと試みるときにラチェットストラ ップ部分の先端がそこに引っかかってもよい。

【００２４】 バックルを収容するためにストラップ部分に溝または窪み８０が与えられても よい。溝を定めるかまたはそれに隣接するストラップの肩または壁部分の上に装 着フランジが置かれる状態で、バックルハウジングのフロアが溝の底８２に載っ てもよい。ストラップ部分はクッション層８４と、装着フランジが固定されるよ り硬い力伝達層８６とを含んでもよい。力伝達層は、圧力軽減開口部によって分 離される２つの伸長する帯を含む剛性プラスチックシートからなっていてもよい 。その帯は一方端において集まっていてもよいが他方端においては間隔をおかれ たままであり、バックルハウジングを下にあるクッション材料に載せるためのア クセス開口部を形成する。溝がバックルハウジングを受取るために必要な深さを 与えるために、力伝達層とクッション層との間にスペーサ層が挟まれていてもよ い。力伝達層から１対の壁が垂れ下がっていてもよく、それはバックルハウジン グの側壁に当接するかまたはその近くに隣接する。装着フランジをストラップ部 分に留めるためのねじと係合可能な１対の内側にねじを切られた挿入具６２が力 伝達帯に装着されてもよい。窪みを有するストラップのバックル装着部分を構成 する代わりに、ブーツ係合部分の表面がバックルに対する基台またはその他のマ ウントを与えるように作ってもよい。すなわち、前述のような横向きに延在する フランジとともに配置されるバックルに対して、１対の高くしたマウントがスト ラップ部分の表面から突出し、装着フランジを固定するための留め具と係合する ために適切な器具とともに配置されるかまたは他の態様で構成されてもよい。後 者の実施例において、バックルハウジングの底部はストラップの頂面に載っても よく、ストラップは溝を必要としないため、力伝達帯の端部は間隔をおかれる必 要がない。

【００２５】 ここに例示するビンディングは２つのストラップを有し、その各々が急降下防 止バックルとともに配置されるが、この考案は二重ストラップ配置に制限されな い。むしろこの考案は、ストラップが固定されるときにバックルの入口端部が乗 り手のブーツに食い込むことを防ぐように構成および配置されたバックルを含む あらゆる数のストラップを有するビンディングを含む。すなわち、トウストラッ プもしくはアンクルストラップのみを有するビンディング、またはトウストラッ プとアンクルストラップとシンストラップとを有するビンディングも、ここに特 に示さない異なるストラップ配置を用いるその他のビンディング構成と同様に予 期される。さらにこの考案は、２つまたはそれ以上のストラップを有し、１つま たはそれ以上だがすべてではないストラップが急降下を防止するバックルととも に配置されるビンディングを予期する。つまり、ストラップのいくつかはストラ ップがクランクで締められるときにブーツ係合部分にトルクを与えることを防ぐ よう特に構成されていないバックルを含んでもよく、少なくとも１つのストラッ プが急降下を防止するバックルとともに構成される限り、その配置もこの考案の 範囲内にある。代替的に、ビンディングは、ストラップが引張られているときに バックルの急降下を防ぐかまたは制限するために配置されるバックルを含む１つ またはそれ以上のストラップに加えて、ステップイン型のビンディング部品など バックルによらない係合部材を含んでもよい。

【００２６】 分離したストラップ部分を記載したが、ストラップは単一の連続的な部材であ ってもよく、それがベースプレートの片側から他方側に延在してそこでビンディ ングによって支持されるバックルに留められてもよい。分離可能なストラップ部 分が用いられるとき、ブーツ係合ストラップは典型的にラチェットストラップよ りも長く、またストラップがともに締められるときにそれが接触するブーツの部 分に適合される本体部分を含んでもよい。足の敏感な領域における圧力を軽減す るために、ブーツ係合部分の接触部分は詰め物をされるかまたはその他の態様で 特別に構成されてもよい。たとえばそのストラップがアンクルストラップである とき、本体の中央部分は減少した厚みを有してもよく、圧縮可能な材料で形成さ れたり、または１つまたはそれ以上のスロットの付いた部分を含むことによって 乗り手の不快感を減少させてもよい。ストラップまたは特定のストラップ部分は 、それが締められる乗り手のブーツの輪郭を追うよう実質的にＵ形に曲げること ができてもよい。ストラップを解放するかまたはストラップ部分を外すことによ ってストラップはすぐに部分的または全体的に開き、ビンディングからブーツを 除去するための経路を与えてもよい。ストラップ部分は装着端部においてより硬 く、反対側に向けてより柔軟であることにより、ストラップが締められる際のブ ーツ表面に対する適合性を促進してもよい。ラチェットストラップは丸くなった より細い先端を含むことによってバックルへの導入を容易にしてもよい。例示さ れるようにラチェットストラップは歯を有してもよいが、当業者に明らかである とおり、上面が平滑な配置、およびストラップの片側もしくは両側または底部に 歯が配置される配置も予期される。

【００２７】 ストラップまたは個々のストラップ部分の長さは調節可能であってもよい。た とえば、ストラップ部分は第２の部材に入れ子式に装着される第１の部材からな っていてもよく、また２つの部材を所望のストラップ部分全体の長さに固定する ための器具またはその他の留め機構を含んでもよい。入れ子式に構成されない調 節可能な長さのストラップ、および不変の単一の長さのストラップもこの考案の 配置に含まれる。ストラップがブーツのまわりに締められる際の摩擦力を防止す るために、バックルの下のストラップ部分の底部にプラスチックシート９０など の低摩擦材料が置かれてもよい。バックルのスロットまたはその他の係合構造を 通るストリップはこの摩擦防止材料の延長部であってもよい。ストラップの部品 をともに組立てるために、織物の被覆が力伝達およびクッション層を包んでもよ く、所望であれば摩擦防止パッドとともにあらゆるスペーサ層がストラップの底 部に沿った織物に取付けられてもよい。好適なストラップ形成材料は成形、押出 または鋳造プラスチック、天然または合成織物、金属ストリップ、および前述の 材料のいずれかの組合せを含む。

【００２８】 ここに例示されるスノーボードビンディングはフロアと、側壁と、ヒールフー プとを有するベースプレートを含む。プレートのないビンディングベースも予期 され、それはフロアをなくすことによって乗り手のブーツを直接スノーボード表 面に載せる。また、スノーボード表面に与えられるスロットなどにおいてストラ ップが直接スノーボードに装着される配置が予期される。ビンディングは、ヒー ル側の支持およびヒール端縁の制御を与えるためにヒールフープと協力するハイ バックを含んでもよい。また前方傾斜アジャスタを与えることによってハイバッ クをボードに対する予め選択された前方傾斜角度に設定してもよい。ベースプレ ートを多数の姿勢角のいずれか１つにおいてスノーボードに固定するために押え ディスクを用いてもよい。乗り心地性能を促進するためにさまざまなその他の特 徴を実現してもよい。ここに説明するビンディングはスノーボードの乗り手のブ ーツを固定するために構成されるが、この考案の急降下防止バックルを有するス トラップを組入れるビンディングは他の物体を拘束するために構成されてもよく 、ビンディングに含まれる要素の識別はこの考案の本質的な構成要素ではない。

【００２９】 急降下防止バックルは、運動靴またはブーツ、特にステップインのスノーボー ドビンディングに適合するハイブリッドブーツまたはソフトブーツに用いられて もよい。乗っているときのスノーボーダーの踵にはかなりの持上げ力が生成する 。乗り手の制御を最大化するために、乗り手の足、特に踵がブーツの底から持上 がらないようにすることが望ましい。前述の「トレイ」型ビンディングにおいて は、踵が持上がるのを防ぐためにアンクルストラップをブーツの上に締めること ができる。しかしストラップのないソフトブーツのステップインのビンディング には、踵が持上がるのを制限するためのビンディング上のブーツ係合ストラップ がない。スノーボードブーツの紐は持上げ力に抵抗するために利用可能であるが 、紐のみではしばしばその仕事に不十分である。その結果、ステップインビンデ ィングとともに用いるために適合される多くのソフトブーツは紐のシステムに加 えてアンクルストラップを用いる。このアンクルストラップはスノーボードビン ディングに関して前に記載したアンクルストラップと同様に、ラチェットストラ ップおよびラチェットバックルが設けられたブーツ係合ストラップを含む。２つ のストラップ部品の各々はブーツの側に取付けられる固定端を有し、それぞれの 自由端がともにつながれる。ビンディングストラップに関して前述したのと同じ 態様で、バックル装着の場所はバックルの急降下を最小化するかまたはなくすよ うに選択されてもよい。すなわち、１対の横向きに延在するフランジなどの装着 構造をバックルの力を与える場所のより近くに配置してもよく、力を与える場所 はバックルの爪に対する旋回軸であってもよい。装着場所はバックルハウジング のフロアから間隔をおかれることによってフロアと爪の旋回軸との間に延在して も、または爪の旋回軸の上に位置決めされてもよい。これらすべての配置におい ては、バックルがハウジングのフロアを通じてアンクルストラップに留められる 場合に比べて、バックルにブーツの方向に作用するモーメントが小さくなるか、 またはブーツの方向のモーメントがなくなる。

【００３０】 この考案のいくつかの実施例を詳細に説明したが、当業者はさまざまな変更お よび改善を容易に行なうであろう。このような変更および改善はこの考案の趣旨 および範囲内にあることが意図される。したがって前述の説明は例示のためのみ のものであって制限するものとして意図されない。この考案は添付の請求項およ びその同等のものによって定められるものとしてのみ制限される。

【図面の簡単な説明】

【図１】 先行技術のバックルを例示する図である。

【図２】 この考案のバックルの実施例とともに構成さ
れるアンクルおよびトウストラップを含むストラップ型
スノーボードビンディングを示す斜視図である。

【図３】 バックルに係合されるラチェットストラップ
を有するストラップ部分に装着される、急降下を緩和す
るために配置されるバックルを示す断片図である。

【図４】 図３の線４−４に沿った断面図である。

【図５】 図３の線５−５に沿った断面図である。

【図６】 プラスチックストリップをパッドの下からバ
ックルハウジングのスロットを通ってバックルのフロア
の下へと環状にすることを示す分解図である。

【符号の説明】

４６ ラチェット部分、４８ ブーツ係合部分、５８
装着場所。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 デビッド・ペリー アメリカ合衆国、05452 バーモント州、 エセックス・ジャンクション、グリーンフ ィールド・ロード、20、エフ・５ (72)考案者 グラハム・スコット・テイラー アメリカ合衆国、05661 バーモント州、 モリスビル、モレン・ループ、779

Claims (30)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ストラップを留めるための急降下防止バ
   ックルであって、 入口部分および出口部分を有しかつフロアを含むハウジ
   ング（５２）を含み、前記フロアに沿ってストラップが
   前記入口部分から前記出口部分への締める方向および前
   記出口部分から前記入口部分への緩める方向に移動し、
   さらに前記ハウジング（５２）によって支持されるスト
   ラップ係合手段を含み、前記ストラップ係合手段はスト
   ラップが前記ハウジング（５２）から前記緩める方向に
   引き抜かれることを防ぎ、前記ハウジング（５２）が有
   する場所に沿って前記ストラップ係合手段に作用する力
   が与えられ、さらに前記急降下防止バックルを表面に取
   付けるために前記ハウジング（５２）によって支持され
   る装着手段を含み、前記装着手段は前記力を与える場所
   の方向に前記フロアから間隔をおかれている、バック
   ル。
2. 【請求項２】 前記装着手段は、ストラップが前記スト
   ラップ係合手段に締められる際に表面の方向に前記バッ
   クルに作用するモーメントを減少させるかまたはなくす
   よう選択される、請求項１に記載のバックル。
3. 【請求項３】 前記装着手段は、ストラップが前記スト
   ラップ係合手段によって締められる際に表面に向かう前
   記バックルの前記入口部分の急降下を防止する、請求項
   １または２に記載のバックル。
4. 【請求項４】 前記装着手段は、ストラップが前記スト
   ラップ係合手段によって締められる際に表面から離れる
   方向に前記バックルにモーメントを生じさせるための手
   段を含む、請求項１から３のいずれかに記載のバック
   ル。
5. 【請求項５】 前記装着手段は、ストラップが前記スト
   ラップ係合手段によって締められるときに、前記バック
   ルが前記ハウジング（５２）のフロアを通じて表面に装
   着されるときに生じるモーメントよりも小さい表面に向
   かうモーメントを生じさせるための手段を含む、請求項
   １から３のいずれかに記載のバックル。
6. 【請求項６】 前記装着手段は、ストラップが前記スト
   ラップ係合手段によって締められるときに表面に向かう
   かまたは離れる方向にはっきりしたモーメントを生じさ
   せないための手段を含む、請求項１から３のいずれかに
   記載のバックル。
7. 【請求項７】 前記装着手段は装着場所（５８）を含
   み、前記装着場所（５８）は前記フロアと前記力を与え
   る場所との間に位置決めされる、請求項１から３のいず
   れかに記載のバックル。
8. 【請求項８】 前記装着手段は装着場所（５８）を含
   み、前記装着場所（５８）は前記力を与える場所と実質
   的に整列して位置決めされる、請求項１から３のいずれ
   かに記載のバックル。
9. 【請求項９】 前記装着手段は装着場所（５８）を含
   み、前記力を与える場所は前記フロアと前記装着場所
   （５８）との間に位置決めされる、請求項１から３のい
   ずれかに記載のバックル。
10. 【請求項１０】 前記ストラップ係合手段が前記ハウジ
    ング（５２）に旋回的に装着されるときに沿う軸は前記
    力を与える場所である、請求項１から９のいずれかに記
    載のバックル。
11. 【請求項１１】 前記装着手段は装着場所（５８）を含
    み、前記装着場所（５８）は前記出口部分の近くに位置
    決めされる、請求項１から１０のいずれかに記載のバッ
    クル。
12. 【請求項１２】 前記装着場所（５８）は１対のフラン
    ジを含む、請求項１１に記載のバックル。
13. 【請求項１３】 前記１対のフランジの各々は前記バッ
    クルを表面に取付けるための留め具（６０）を受取るた
    めの開口部を含む、請求項１２に記載のバックル。
14. 【請求項１４】 前記１対の装着フランジは前記ハウジ
    ング（５２）から実質的に垂直に延在する、請求項１２
    または１３に記載のバックル。
15. 【請求項１５】 前記ストラップ係合手段は前記ハウジ
    ング（５２）に旋回的に装着される、請求項１から１４
    のいずれかに記載のバックル。
16. 【請求項１６】 前記ストラップはラチェットストラッ
    プであり、前記ストラップ係合手段は前記ハウジング
    （５２）に旋回的に装着される爪（５４）を含み、前記
    ラチェットストラップは前記ハウジング（５２）を通っ
    て与えられ、前記爪（５４）によって緩まないようにさ
    れる、請求項１から１５のいずれかに記載のバックル。
17. 【請求項１７】 締められるブーツ表面に対して適合す
    るストラップの上に装着され、前記ストラップは前記ハ
    ウジング（５２）を受取るための窪み（８０）を含む、
    請求項１から１６のいずれかに記載のバックル。
18. 【請求項１８】 前記窪みは前記ハウジング（５２）の
    底部が載せられる底（８２）を含み、前記装着手段は前
    記ハウジング（５２）から外向きに延在しかつ前記窪み
    （８０）を定める前記ストラップの表面に載せられる１
    対のフランジを含む、請求項１７に記載のバックル。
19. 【請求項１９】 前記ストラップ係合手段は軸に沿って
    前記ハウジング（５２）に装着され、前記軸は前記窪み
    の底から間隔をおかれる、請求項１８に記載のバック
    ル。
20. 【請求項２０】 ストラップに装着され、前記ストラッ
    プは力伝達層（８６）を含み、前記力伝達層（８６）は
    前記バックルハウジング（５２）を受取るための窪みを
    形成するために間隔をおかれる１対の帯を含む、請求項
    １から１９のいずれかに記載のバックル。
21. 【請求項２１】 締められるブーツ表面に対して適合す
    るストラップの上に装着され、前記ストラップは高くし
    たマウントを含み、前記ハウジング（５２）の前記装着
    手段は前記マウントの上に載せられる、請求項１から１
    ６のいずれかに記載のバックル。
22. 【請求項２２】 ストラップを前記ハウジング（５２）
    を通って締める方向に駆動するための手段をさらに含
    む、請求項１から２１のいずれかに記載のバックル。
23. 【請求項２３】 前記ストラップから前記ストラップ係
    合手段を解放するための手段をさらに含む、請求項１か
    ら２２のいずれかに記載のバックル。
24. 【請求項２４】 前記表面は締められるブーツの部分に
    適合するブーツ係合ストラップであり、前記バックルは
    前記ブーツ係合ストラップに装着される、請求項１から
    ２３のいずれかに記載のバックル。
25. 【請求項２５】 前記バックルハウジング（５２）はス
    ロット（７２）を含み、保持ストリップ（７０）が前記
    スロット（７２）を通ることによって前記入口端部を前
    記ブーツ係合ストラップと同一平面上に保持する、請求
    項２４に記載のバックル。
26. 【請求項２６】 前記ブーツ係合ストラップの底部は摩
    擦防止パッド（９０）を含み、前記摩擦防止パッド（９
    ０）の延長部が前記ストリップ（７０）を形成する、請
    求項２４または２５に記載のバックル。
27. 【請求項２７】 前記ストリップ（７０）は前記バック
    ルハウジング（５２）の下を通る、請求項２６に記載の
    バックル。
28. 【請求項２８】 前記ハウジング（５２）はＵ形であ
    る、請求項１から２７のいずれかに記載のバックル。
29. 【請求項２９】 スノーボードブーツビンディングに含
    まれる、請求項１から２８のいずれかに記載のバック
    ル。
30. 【請求項３０】 靴またはブーツと組合せる、請求項１
    から２８のいずれかに記載のバックル。