JP3086792B2 - バタフライ弁 - Google Patents

バタフライ弁

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JP3086792B2
JP3086792B2 JP09238654A JP23865497A JP3086792B2 JP 3086792 B2 JP3086792 B2 JP 3086792B2 JP 09238654 A JP09238654 A JP 09238654A JP 23865497 A JP23865497 A JP 23865497A JP 3086792 B2 JP3086792 B2 JP 3086792B2
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義則 万木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バタフライ弁に関
し、特に、弁体周辺部にくし歯状突起を設けてキャビテ
ーションの発生及び成長を抑制させるようにした弁体の
構造に関し、オン・オフ弁並びにコントロール弁として
広く用いるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、バタフライ弁の弁体を閉状態か
ら徐々に開いていくと、微小な隙間から弁体下流側に噴
流が生じ、渦流と共に流れの剪断層が形成される。この
渦流のために弁体背面に極度の低圧部が生じ、この部分
で流体が急激に蒸気圧以下になり沸騰し気泡を発生す
る。該弁体よりやゝ下流側において圧力が回復するに伴
い、気泡は衝撃的速さで圧潰し、騒音、振動を生じると
共に部材を異常に摩耗させたりする、いわゆるキャビテ
ーション現象を生じることは従来公知である(一例とし
て特開昭57−157866号公報参照)。
【0003】図4(a)(b)は、上記従来例を示すも
ので、1は本体(弁本体)2の中心部に直交する弁棒3
によって軸支された全閉状態を示す弁体であって、該弁
体1は、全閉時、弁棒3に垂直の断面がくの字形をなす
弁板(ディスク)1aを有し、本体2の内面2aと弁板
周面とのシール面(図で点線1bで示されている。)
が、弁棒穴を通過する中心形バタフライ弁の弁体を形成
しており、上記シール面1bの中心軸1cと、弁棒孔を
通り本体内面2aの垂直軸線2bとは、15度〜20度
の角度で傾斜している。
【0004】本体内面(ボア)2a内で密接している長
円形の弁板1aは、二つのほぼ半円形壁部分が上記のよ
うにくの字形に角度的にずれて形成されており、該弁板
1aの半円周に亙って、使用時、流体の流入方向(太い
矢印fで示す。)に向って突設された流入側くし歯状突
起4と、同様に、他の半円周に亙って、弁板1aに対し
て前記くし歯状突起4と反対側の流体の流出方向に向っ
て突設された流出側くし歯突起5とが一体に設けられて
おり、これらの両くし歯状突起4と5は、全閉時、本体
2の内面2aとほぼ平行するように形成され、且つこれ
らのくし歯状突起の端部は、本体2の内面2aに垂直の
面内に位置するように形成されており、これらのくし歯
状突起の長さは、中心のボス方向に向かって短かく形成
されている。
【0005】弁作動時、図4(a)に示す全閉状態から
弁体1が矢印に示す時計方向に回動すると、弁体1の開
度に応じて流量が変化して流量制御が行われるようにな
っている。そしてこの際、本体2の内面2aと、弁棒3
よりも下流側に位置する弁体1の周縁部とが形成する開
口部であるノズル流れ部(ノズル側)及び同様に本体2
の内面2aと、弁棒3よりも上流側に位置する弁体1の
周縁部とが形成する開口部であるオリフィス流れ部(オ
リフィス側)を通過する流体は、該部に設けられた複数
個の各くし歯状突起4,5の間に形成された、図(a)
の2b線による断面図である図(b)に示す流体を導く
断面台形(梯形)状通路6から流体を細かいジェット流
に変え、弁体の下流側に発生するキャビテーションを分
散すると共に、キャビテーションの成長を抑制してい
る。同図(b)において、6aは傾斜した入口、7は弁
棒穴、8はボス部を示す。
【0006】一方、弁体1が開状態にあるとき、オリフ
ィス流れ部に位置する弁体1の、弁棒軸に直交する断面
くの字形弁板部の上流面(外側面)を流れる流体の流れ
は、くし歯状突起5により滑らかな速度プロフィルが破
壊され、それにより、くし歯状突起を有しない通常の弁
板のオリフィス流れ部の上流面を流れる流体の流れによ
って生じる弁板への揚力(該揚力は、弁体を閉じる方向
に作用する。)の発生が効果的に妨げられ、その結果、
弁棒に作用する動的トルクを減少させることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来のくし歯
状突起を有する弁体(図4)は、低トルク及び低騒音の
問題を解決することができるが、弁板1aが長円形であ
るため、外周縁の旋削加工は断続的となり、加工精度及
び工数等に問題があった。又全閉時において、本体内面
2aの内径部がメタルで構成されているため、閉弁時に
おけるシール性、及び弁板外周と弁軸部との接点のシー
ル性が確実性に欠けるという問題点があった。また全開
時において、突出したくし歯状突起4,5が出入口側に
おいて流過し易いように断面が台形状に形成されている
(図4(b))が、何れもくし歯状突起の角(かど)部
による流体抵抗と剥離を起こす等の問題点があった。
【0008】本発明は、上記した従来技術の問題点を解
決し、全閉時におけるシール性を向上させると共に、中
間開度及び全開時におけるくし歯状突起部を通過する流
れの流体抵抗を軽減させ、動的低トルク及びキャビテー
ションの発生を抑える弁体を提供し、オン・オフ弁用並
びにコントロール弁用として広い流量範囲で使用できる
バタフライ弁を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために本発明の採った手段は、剛性材料からなる円筒状
本体内に弁棒を介して弁体を回動自在に設けたウエハー
形本体に山形シートリングを張設した中心形バタフライ
弁において、上記弁体の開弁作動方向の上流側背面の周
縁部近傍に、円滑な外形を有する複数のくし歯状突起を
円弧状に複数列、互いに重ならないように交互に設け、
他方、開弁作動方向前面の両端に分離された弁棒挿入ボ
ス部を円筒面で形成し、これら両端部の弁棒挿通ボス部
を除く中央部を、弁体外周部より肉厚の凸状球面によっ
て形成し、該球面に沿って全開時における流路軸線と平
行になるような整流溝を設け、且つ開弁作動方向の下流
側外周縁に魚尾部を形成すると共に、弁体外周縁と、本
体内周面に一体的に張設されたシートリングの内周面と
が傾斜角度10°±2°にて当接形成したことを特徴と
している。
【0010】また、複数のくし歯状突起を円弧状に複数
列設けた中で、複数列の突起の断面形状、断面の大き
さ、高さ及び数を内周面部と外周面部で異ならしめたこ
とを特徴とし、また、複数のくし歯状突起の底面を弁体
の表面上に円周方向に連続して形成し、また先端を縮小
させたほぼ截頭円錐状に形成したことを特徴としてい
る。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を、図
面に記載した実施例を用いて説明する。図1は、本発明
の一実施形態を示す本体に弁体を組立てた組立図の弁棒
と直角の断面図である。
【0012】図において、11は、本発明の弁体であっ
て、端部にフランジを有しないウエハー形本体12の内
周面及び両側端面を被覆する、一体加硫成形されたシー
トリング13の内面に、閉弁時圧接するように弁棒14
によって軸支されている。
【0013】上記シートリング13の円筒部の内面で弁
棒挿通孔15を含む直径方向は内方に向って山形が突出
し、弁体が閉弁時に該山形突出部の手前(裾野)、即ち
傾斜角度α=10°±2°で当接(圧接)するようにし
ている。この常態で当接することにより、閉弁時又開弁
時に弁体の始動が容易になる。
【0014】また、シートリング13の弁棒挿通孔近傍
は、弁体回動受け座が内向きに突設され球面又は平面状
をなしており、これに対して弁体も同様に形成され、若
干の圧接代(喰い込み代)のもとで、弁の開閉に係らず
常時圧接しており、弁棒側への漏洩を防止する作用を行
なっている。
【0015】上記したほぼ円筒状の本体12を構成する
剛性材料としては、一般的に鋳鉄、鋳鋼等の炭素鋼材料
があり、又硬質の合成樹脂材料としては、シートリング
を構成する弾性材料の加硫温度で変形しない程度の耐熱
性を有するものがよい。例えば熱可塑性樹脂として塩化
ビニル、ポリプロピレン、ポリカーボネイト、等があ
り、又熱硬化性樹脂としてメラミン、不飽和ポリエステ
ル等がある。特にポリカーボネイト、メラミンは強度お
よび成形時の耐熱性に優れており好ましい。又上記樹脂
材料にガラス繊維や炭素繊維を加えて強度を一層高める
ことができる。
【0016】また、シートリング13を構成する弾性材
料としては、ゴム様の弾性を有するものであればよく、
アクリロニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロ
ロプレンゴム等があり、弾性材料の硬度はJiS−Aゴ
ム硬度の70〜80度が好ましい。
【0017】上記本体12とシートリング13の一体化
は加硫接着によって行なわれるが、本体の円筒状内周面
にシートリングの円筒状外周面を又これらの両端面のフ
ランジ面を成形するために、本体を金型(外型)代りに
使用して弾性材料を加硫成形する。
【0018】上記、本体12とシートリング13の接着
面は、互に噛み合う凹凸面又は楔状として抜け止めとし
ての投錨効果を上げることができる。この凹凸面の噛合
いによる物理的接合を上記加硫接着の化学的接合と併用
することにより、両者の一体化を一層強固にすることが
できる。なお、シートリング円筒部内面の回動受け座
は、弁体11のボス部球面座又は平面座17に対向して
設けられており、弁体の回動を円滑にするため弁棒に対
して直角方向に球面又平面に形成される。
【0019】上記弁体11は、図1における弁体のみを
取り出して詳細に示した図2及び図3に示されており、
同図2(b)は弁体の正面図、同図2(a)は図(b)
の左側面図、同図2(c)は図(b)の右側面図であ
る。また、図3の中心線Z−Z線の左側は、図2(c)
のY1 −Y2 −O線部分の外形を示す説明図、同右側
は、図2(c)の中心線Y2 −Y3 より右半分(O−X
2 の範囲)を下方より見た外形図である。
【0020】図2(b)において、弁体11は、中心部
を紙面に直交する弁棒挿通孔15に弁棒14(図1)を
固着して軸支回動される弁体であって、微小開弁時に弁
棒14より下流側(図1のC部)に位置する弁体周縁部
16に、該周縁部16を中心として左右対称に尾ひれ状
に突出した魚尾部18が一体に形成されており、該魚尾
部18には、図2(a)(c)に示すように、外周縁1
6に沿ってほぼ等間隔に、全開時における流路軸線と平
行となる、弁棒軸線に直角方向の魚尾部溝18aが、魚
尾部壁18bを隔てて複数形成されており、該魚尾部1
8は、弁棒軸線と直角の直径方向(図(c)のO−Y3
方向)で幅広く、両端部の円筒状ボス部19に近づくに
つれて幅狭く縮小して形成されている。また、上記魚尾
部18に形成された魚尾部溝18a及び魚尾部壁18b
の周方向の幅及び高さは、平行又は台形等の形状にする
ことができる。
【0021】他方、微小開弁時弁棒より上流側(図1の
B部)に位置する弁体周縁部16の背面は、オリフィス
側流れ部となり、該背面の弁体周縁部近傍に円滑な外形
を有する複数の外周側くし歯状突起20aが、又その内
方に内周側くし歯状突起20bが、重ならないようにそ
れぞれ円弧状に設けられ、その内径方向に弁棒軸線と直
交する方向で平行に、両端の弁棒挿通ボス部19を除く
中央部に形成される凸状球面21の表面に沿って、全開
時における流路軸線と平行になるような複数の整流溝2
2が設けられており、これらの整流溝22と、前記魚尾
部溝18aとが連通(対向)するように形成されてい
て、前記くし歯状突起20の間隙を通った流体は、これ
らの各溝22,18aを経て下流側に流出するようにな
っている。
【0022】上記した内・外周側くし歯状突起20の断
面形状、断面の大きさ、高さ、数量等は流体条件により
一定でなく、又突起の底面を連続させ、先端と縮小させ
たほヾ截頭円錐状にすることにより、成形時の利便を図
ることができる。また、該くし歯状突起20の横断面形
状は楕円形以外の形状でもよい。
【0023】又、内・外周側くし歯状突起20を交互に
配列すること及び整流溝の巾を中心部(直径方向)と端
部とで変えることもできる。
【0024】弁体11は、閉弁時においてシートリング
13の内周面と傾斜角度をもって圧接するが、上記外周
側くし歯状突起20及び魚尾部18は、弁体回動時にシ
ートリング内面に接触しないように、弁棒中心を軸とし
て円弧状に形成されている。図中、図2において、23
は、円筒面で形成された弁棒挿通ボス部19の半径方向
外側の凸状球面部であり、また図3において、24は弁
棒軸線の外側に形成された補強部である。
【0025】次に、作用について説明すると、図1に示
す全閉状態から、太い矢印fで示す流体の流れ方向に対
して、細い矢印で示す反時計方向に開弁する場合、微小
開度時における矢印B部がオリフィス側、矢印Cがノズ
ル側となる。
【0026】弁体11が図1の全閉状態から反時計方向
に回動すると、矢印Bのオリフィス側においては、流体
は、弁体周縁部16から弁体の背面側へ流れ、外周側く
し歯状突起20a同士の空隙を通り、次に内周側くし歯
状突起20b同士の空隙を通り、次いで凸状球面21の
整流溝22及び魚尾部18の魚尾部溝18aを通って、
流出側に流出する間に、流体は形状の異なる流路により
分散効果は大となり、流出側に乱流の少ないジェット流
として、キャビテーションの発生を有効に抑えることが
できる。また、内外周側の両くし歯状突起20a,20
bが前記したように交互に列設されているので、流体の
流れを一層細分化し、エネルギーを拡散させるようにし
ている。
【0027】一方、矢印Cのノズル側においては、弁体
11が逐次開弁していくと流体が増えるにつれて、上流
側からノズル側に向かって弁体の前面に沿って流れる流
体は、上流側(オリフィス側)に位置する弁体外周縁1
6から上流側(前面)に面した凸状球面21の整流溝2
2を経て、魚尾部18の魚尾溝18aを通る間に流れが
細分化され、ジェット流となって下流側(ノズル側)に
位置する弁体外周縁16、つまり魚尾部18の中心部か
ら下流側に流出し、ここで上記したオリフィス側から弁
体11の背面に沿って流れて来た流れと合流して下流側
へ流出する。
【0028】一般に微小開度時オリフィス側の流出域で
キャビテーションが発生しやすく、弁体の構成が重要で
あり、本発明では、オリフィス側背面にくし歯状突起2
0を設け、更に整流溝22を設けている。
【0029】また、この際、溝の形状が流れに対して円
滑に形成されることにより、通過する流体抵抗を少なく
し乱れの少ないジェット流にすることが必要である。ま
た、流路の間隙を同一にせず、中心部を狭く端部を広く
することにより流速を変えることが可能である。
【0030】また、本発明では、特に弁体11の開弁時
に流出側(ノズル側)の弁体周縁部に魚尾部18が設け
られているので、当該バタフライ弁をコントロール弁と
して使用するとき微小開度で使用されることが多いが、
このような微小開度において、弁体に作用するアンバラ
ンストルク(流体の動力学的トルク)の減小が重要な課
題となるが、本発明では、弁体のオリフィス側の背面に
設けられたくし歯状突起20の外、該魚尾部18を設け
たことにより、より効果的に行われる。
【0031】即ち、上記魚尾部18の最外周縁部はシー
トリング13との圧接端を有しており、弁体11の前面
および背面のボス部19を除く中央部は、ボス部の中央
拡大部分と相似形をなし、外周縁に向かって収れんし、
外周近傍に魚尾部を設けているので、該魚尾部の壁部1
8bにより、流れに抵抗をもたせて振動を抑え、弁体の
位置を安定させ、且つ必要トルクを減少する作用を生じ
る。該魚尾部18の高さは弁軸挿通ボス部19とほヾ同
一であり、この結果、魚尾部の内周部に作用する流体圧
力により、弁体を開こうとする力が働いて、弁体を閉じ
ようとするアンバランストルクは20〜40%程度減少
されることになる。
【0032】一方、凸状球面21からなる中央拡大部、
収れん部及び魚尾部18にはそれぞれ形状の異なった整
流溝22,18aを設け、前記くし歯状突起20からの
流体を細分化しジェット流にする作用を有する。該整流
溝の巾、深さ等はバルブ口径及び流体条件等により決定
される。
【0033】上記したように、本発明においては、弁体
の開弁作動方向の上流側背面にくし歯状突起20を設
け、且つ開弁作動方向の下流側外周縁を魚尾状に形成し
たことにより、弁体開度の小さいコントロール弁として
使用したときの動的低トルクの実現及びキャビテーショ
ン発生の抑制を図ることができるばかりでなく、本体内
面に一体的に張設されたシートリングの作用により全閉
時のシール作用が確保されるので、オン・オフ用弁とし
ても有効に適応でき、幅広い流量範囲に対応することの
できるバタフライ弁を提供することができる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
剛性材料からなる円筒状本体内に弁棒を介して弁体を回
動自在に設けたウエハー形本体に山形シートリングを張
設した中心形バタフライ弁において、上記弁体の開弁作
動方向の上流側背面の周縁部近傍に、円滑な外形を有す
る複数のくし歯状突起を円弧状に複数列、互いに重なら
ないように交互に設け、他方、開弁作動方向前面の両端
に分離された弁棒挿入ボス部を円筒面で形成し、これら
両端部の弁棒挿通ボス部を除く中央部を、弁体外周部よ
り肉厚の凸状球面によって形成し、該球面に沿って全開
時における流路軸線と平行になるような整流溝を設け、
且つ開弁作動方向の下流側外周縁に魚尾部を形成すると
共に、弁体外周縁と、本体内周面に一体的に張設された
シートリングの内周面とが傾斜角度10°±2°にて当
接形成したことにより、次のような効果が奏される。
【0035】(i)本体内周面にシートリングを一体固
着化したことにより、嵌込式シートリングと比較して、
弁体周縁部及び弁棒挿通部共に圧接することができ確実
なシール性を保持でき、且つ弁体の閉弁角度をα=10
°±2°にすることにより、開弁及び閉弁動作を容易に
し、円滑な開閉ができる。
【0036】(ii)微少開度又は中間開度で流体は、弁
体の開弁作動方向の上流側背面において外周及び内周側
くし歯状突起を通り、整流溝を経て魚尾部溝から流出
し、他方弁体前面において半円形凸状球面の整流溝を経
て、魚尾部溝から流出するので、流体は細分化され、エ
ネルギーの拡散をするので、キャビテーションの発生を
抑制し振動、騒音の発生を最小限にすることができる。
【0037】(iii) 微少開度又は中間開度において魚尾
部壁により、流体の動的トルク(アンバランストルク)
が減少されるので、小型で安価なアクチュエータにて弁
の開閉又制御が可能となる。
【0038】(iv)本体内周面にシートリングを一体的
に張設したことにより、腐食性流体にも使用可能となり
高価な本体材質を使用することがなくなり、低廉な製品
を提供することができるばかりでなく、弁体の弁棒方向
の上下動を防止し、且つ弁棒部からの流体漏洩を防止す
ると共に、微小開度時における流体による振動を防止す
ることができる。
【0039】(v)複数のくし歯状突起を円弧状に複数
列、互いに重ならないように交互に設けたことにより、
これらのくし歯状突起を通る流体の流れを一層細分化し
てエネルギーを拡散させ、キャビテーションの発生を効
果的に抑えることができる。
【0040】また、複数のくし歯状突起の底面を弁体の
表面上に円周方向に連続して形成することにより、くし
歯状突起の強度を持たせることができ、また、くし歯状
突起の先端を縮小させることにより、鋳造を容易にする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態(実施例)を示す組立断面
図である。
【図2】本発明の弁体を示し、図(b)は弁体の正面
図、図(a)は図(b)の左側面図、図(c)は図
(b)の右側面図である。
【図3】本発明の弁体の説明図で、中心線Z−Z線の左
側は、図2(c)のY1 −Y2−O線部分の外形を示す
説明図、同右側は、図2(c)の中心線より右半分の下
方からみた外形図である。
【図4】従来のくし歯状突起を備えたバタフライ弁で、
(a)は全閉状態の断面側面図(b)は図(a)の2b
線による断面図である。
【符号の説明】
11 弁体 12 本体 13 シートリング 14 弁棒 15 弁棒穴 16 弁体外周縁 17 球面又は平面部 18 魚尾部 18a 魚尾部溝 18b 魚尾部壁 19 弁棒挿通ボス部 20 くし歯状突起 20a 外周側くし歯状突起 20b 内周側くし歯状突起 21 半円形凸状球面 22 整流溝 23 凸状球面部 24 補強部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭45−36704(JP,A) 特開 昭62−151674(JP,A) 特開 平9−170665(JP,A) 特開 平2−190690(JP,A) 特許2606956(JP,B2) 特公 平4−57912(JP,B2) 特公 平4−57913(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16K 1/22 - 1/32

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 剛性材料からなる円筒状本体内に弁棒を
    介して弁体を回動自在に設けたウエハー形本体に山形シ
    ートリングを張設した中心形バタフライ弁において、上
    記弁体の開弁作動方向の上流側背面の周縁部近傍に、円
    滑な外形を有する複数のくし歯状突起を円弧状に複数
    列、互いに重ならないように交互に設け、他方、開弁作
    動方向前面の両端に分離された弁棒挿入ボス部を円筒面
    で形成し、これら両端部の弁棒挿通ボス部を除く中央部
    を、弁体外周部より肉厚の凸状球面によって形成し、該
    球面に沿って全開時における流路軸線と平行になるよう
    な整流溝を設け、且つ開弁作動方向の下流側外周縁に魚
    尾部を形成すると共に、弁体外周縁と、本体内周面に一
    体的に張設されたシートリングの内周面とが傾斜角度1
    0°±2°にて当接形成したことを特徴とするバタフラ
    イ弁。
  2. 【請求項2】 複数のくし歯状突起を円弧状に複数列設
    けた中で、複数列の突起の断面形状、断面の大きさ、高
    さ及び数を内周面部と外周面部で異ならしめたことを特
    徴とする請求項1記載のバタフライ弁。
  3. 【請求項3】 複数のくし歯状突起の底面を弁体の表面
    上に円周方向に連続して形成し、また先端を縮小させた
    ほぼ截頭円錐状に形成したことを特徴とする請求項1又
    は2記載のバタフライ弁。
JP09238654A 1997-09-03 1997-09-03 バタフライ弁 Expired - Fee Related JP3086792B2 (ja)

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