JP3623708B2 - バタフライ弁のシートリング - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、0〜2MPaの水、空気、蒸気などの流体を完全に閉止するため、配管フランジに取り付けて使用する工業用バタフライバルブであって、弁体開度を変化させることで、内部を流れる流体の流量、圧力などを制御する弁に関し、全閉付近の開度−流体増加割合を中間開度でのそれと近づけ、開度の変化による流体の制御を容易にし、流体の制御範囲を広げるためのシートリングの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記した従来のバタフライ弁は、図5に示すように、円盤状の弁体1と、円筒形の内面を持った本体2を持ち、その本体内面をゴム製のシートリングで覆われたバタフライバルブが考案され実用化されている。これは弁体とシートリングが接触し、接触する面圧でシールする構造により、流体を完全に止水するものである。
そしてこのものでは、内部を流れる流体の量の変化は、回転する弁体とシートリング内径との間の通過面積にほぼ比例する。
【0003】
一方、弁体1とシートリングは全閉時にシールするための一定量の食い込み代があり、全閉からの開きはじめは図5(a)の斜線部分のように、一部の部分でのみ流体が流れるため、流体増加割合が小さく、ある開度より大きな開度では流体の増加割合は急激に大きくなる。この変化のため、全閉付近での制御を困難にする要因となっていた。
【0004】
上記の現象に対処するために、本出願人の発明に係る特公昭58−25911号公報に記載されたものでは、図6(a)に示すように、本体2の内面に装着されたシートリング3の内径側に、突出する山形4を形成すると共に、この山形の幅を弁棒付近で小さく、弁棒直交方向で大きくなるようにコサイン曲線に沿って変形させるようにし、弁体1とシートリング3が全周同時に離脱するようにしたシートリング構造を発明し、上記の問題点の改善を図った。
【0005】
一方、同じく本出願人の出願に係る特願平11−40322号の発明では、弁本体と弁体との間に介挿される弾性材料からなるシートリングの少くとも一次側に対向する外周側面と内周面との間に斜面を形成し、該斜面と外周側面とがなす角度及び斜面の幅を、弁棒直交方向で最大となる傾斜を持った面取りを形成し、弁軸位置において最小としたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記した本出願人の出願に係る特公昭58−25911号(特許第1197350号)のものは、図6(a)に示すように、弁体1が山形部4より離脱直後では、シートリングの内径平坦部3aと弁体周縁部との狭い隙間を流れるため、平坦部3aで囲まれた狭い隙間を流れるときに、抵抗が大きくなる“チョーク流れ”をおこし(図(b))、開きはじめの低開度での流体増加割合を悪くするとともに、シートリング表面を高速流体にさらすことでシートリングへのダメージを発生させる点については、従来シートリングと同様で改善には至ってないという問題点があったし、また、本出願人の出願に係る特願平11−40322号のものでは、高流速や配管時のシートリングの変形の防止を目的としているため、微少開度での流量増加と、流体増加割合の改善までは考慮されていないという問題点があった。
【0007】
上記のような本出願人の出願に係る従来技術の問題点をふまえ、以下の点を改善することを、本発明の課題としている。
【0008】
1)微少開度における流体の流れ易さを改善し、流体増加割合を全開度で一定に近づける。
【0009】
2)微少開度における高速縮流部分の長さを短くし、シートリングへのダメージを少なくする。
【0010】
3)かつ全閉時のシール性を損なわないような形状とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の採った手段は、本体接液部とフランジ接続部を、すべてゴムなどの高分子材料で覆われたシートリングをもつ構造の中心型バタフライバルブであって、中心部に、弁体とシール部を形成する内径方向に突出した山形部を形成したシートリングにおいて、該シートリングの内周面を楕円で構成し、かつ円形で構成された両側面と楕円の内周面との間に斜面を形成し、該斜面の配管軸方向の幅が上下弁棒付近で最も小さく、弁棒直交方向で最も大きくなるように連続変化させたことを特徴としている。
【0012】
また、弁棒付近で、弁体とシートリングが常時接触する範囲においては、斜面の配管軸方向の幅が一定であることを特徴としている。
【0013】
また、内周面の弁体とシールする部分には、内径方向に突出し山の頂部が構成する内径は円形である山形部分を持ったことを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に記載した実施例を用いて説明する。
図1は、本発明のバタフライ弁のシートリングの一実施形態を示すもので、(a)は正面図、(b)は図(a)のOB線によるシートリングの半径方向断面図、(c)は同じく図(a)のOC線(弁棒直交方向)による断面図、(d)は同じく図(a)のOD線による断面図であり、図2は、上記シートリングの斜視図である。
【0015】
図において、3は本体接液部とフランジ接続部をすべてゴムなどの高分子材料で覆われたシートリングであり、該シートリング3の内周面の平坦部4が、弁棒方向で短径とし、弁棒直交方向で長径(最大内径)となるような楕円形状をなしており、該楕円の内径をφDで示している。5は、該シートリング3の中心部に内径方向に突出する山形部で、該山の頂部で形成する内径は、弁体周縁部と接触してシール部を形成する円形をなし、その内径をφDで示している。
【0016】
上記楕円の内周面4と円形で構成された両側面6との間には、斜面7が形成され、つまり微少開度で弁体とシートリングの隙間が広がる開口形状を示すような面取りが形成され、該斜面(面取り)7の配管軸方向の幅は、上下弁棒(穴8)付近で最も小さく、弁棒直交方向で最も大きく、(従って内周面の平坦部4の幅が最も小さく)形成されるようになっている。
【0017】
図3は、本発明のシートリングの内周面を展開した図で、約半周を展開した様子を示しており、シール部を形成する内径方向に突出する山形状の様子は省略されている。斜線部は面取り部の斜面7で、微少開度での弁体1の位置は点線で示されている。また、弁体1とシートリング3とが常時接触する部分(弁棒穴8の近傍部)においては、面取り7の幅が最小且つ一定に形成されていることを示している。
【0018】
次に、作用について説明すると、弁開時、図4に示すように、シートリング3の両端面と微少開度で弁体1とシートリング3の隙間が広がる開口形状となる面取りつまり斜面7が設けられているので、この面取り7によって弁体が開いていくとき、図4の点線で示す弁体1の流体通過面積の割合が、図6(a)に示す従来例の場合と比べて大きくすることができる。
【0019】
また、上記図6(a)に示す従来例と比べて、同図(b)に示す狭い隙間eの平坦部で形成されるチョーク部分がないため、流体通過面積が図6と同じであっても、同図(c)に示すように流れが拡大して流れるので、流体抵抗は少なくすることができる。
【0020】
但し、弁棒付近ではシートリング3と弁体1が常時接触している部分があり、弁体1の回転により、ゴムなどのシートリング3がずれやすい。このような状況で、図4のように大きな面取り7を実施すると、シートリング3はさらにずれやすくなり、シール性を損なうので、本発明では図3に示すように、最大の流量が流れる弁棒直交方向の面取り幅を最大にし、弁棒付近に近づき流体通過の隙間が少なくなるにつれて、面取りも少なくし、常時接触する部分では最小の面取り幅となるように構成した。そのため、弁棒付近ではシートリング3のシール部周りのゴム容積が大きく、ゴムの剛性も高まり、従って弁体とシートリングの摩擦に伴うゴムの変形が防止でき、シール性能を向上させることができる。
【0021】
以上のような作用、効果によって、従来のバタフライ弁の流量特性Bと本発明によるシートリングにおける流量特性Aとを比較し、横軸に弁開度を縦軸に流量を示す図7に示すように、本発明の流量特性を示すA曲線では、微少開度における流量を増やし、また流体増加割合を増やすことで、大きな弁開度における流体増加割合に近づけることが可能で、従来弁のような急激な流量特性Bの変曲点をなくすことができ、より低開度まで制御することが可能になる。
【0022】
上記した実施形態において、図4の山形部5を円の一部であるような形状で説明したが、山形部5は台形や三角形のような形状としてもよい。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、本体接液部とフランジ接続部を、すべてゴムなどの高分子材料で覆われたシートリングをもつ構造の中心型バタフライバルブであって、中心部に、弁体とシール部を形成する内径方向に突出した山形部を形成したシートリングにおいて、該シートリングの内周面を楕円で構成し、かつ円形で構成された両側面と楕円の内周面との間に斜面を形成し、該斜面の配管軸方向の幅が上下弁棒付近で最も小さく、弁棒直交方向で最も大きくなるように連続変化させたことにより、次のような効果が奏される。
【0024】
(i)内周平坦部が弁棒直交方向に大きい楕円を持つため、微少開度で弁体と内周平坦部がなす隙間は、従来例の図6(a)に示すように、内周平坦部を円形にしたときより大きくなり、図4に示すように、微少開度での流量を増加させることが可能である。
【0025】
(ii)両端面には面取りがあり、弁体の開度の増加に従い、弁体と面取り部がなす隙間が増加するように配置される。つまり弁体開度による流体の増加割合を増やすことができる。
【0026】
(iii) 図6(c)に示すように、面取りによって隙間の出口へ広がる開口部を持つため、流れの流線が出口に向かって広がる効果があり、流体通過抵抗を減らすことができる。
【0027】
また弁棒付近で、弁体とシートリングが常時接触する範囲においては、斜面の配管軸方向の幅が最小且つ一定であるように構成したことにより、シートリングのシール部周りのゴムの容積が大きく、ゴムの剛性も高まるので弁体とシートリングの摩擦に伴うゴムの変形が防止でき、シール性能を向上させる効果もある。
【0028】
また、内周面の弁体とシールする部分には、内径方向に突出し山の頂部が構成する内径は円形である山形部分を持ったことにより、弁体周縁部とシートリングとが全閉時よく接触してシール性能が確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバタフライ弁のシートリングの一実施例を示し、(a)は正面図、(b)は図(a)のOB線による断面図、(c)は同じくOC線による断面図、(d)は同じくOD線による断面図である。
【図2】本発明によるシートリングの斜視図である。
【図3】本発明によるシートリングの内周面を展開した図である。
【図4】本発明による弁棒直交方向における断面詳細図で、流れの状態を示す。
【図5】従来の中心型バタフライ弁を示し、(a)は弁体が少し開いた状態を示す正面図、(b)は弁棒直交方向の中心部の概略断面図である。
【図6】(a)は従来の中心型バタフライ弁の弁棒直交方向における断面説明図で流れの状態を示している。(b)は図(a)の弁体とシートリングの間隙部(チョーク部)の流れの状態を示し、(c)は本発明の場合を比較して示す。
【図7】従来のバタフライ弁の流量特性曲線Bと本発明によるシートリングにおける流量特性曲線Aとを比較して示し、(a)は全体曲線、(b)は図(a)の丸印部の拡大図である。
【符号の説明】
1 弁体
2 本体(弁本体)
3 シートリング
4 楕円形をなした内周面の平坦部(φDはその内径)
5 山形部(φDは山形頂部の内径)
6 円形をなした側面部
7 斜面(面取り部)
8 弁棒穴

Claims (3)

  1. 本体接液部とフランジ接続部を、すべてゴムなどの高分子材料で覆われたシートリングをもつ構造の中心型バタフライバルブであって、中心部に、弁体とシール部を形成する内径方向に突出した山形部を形成したシートリングにおいて、該シートリングの内周面を楕円で構成し、かつ円形で構成された両側面と楕円の内周面との間に斜面を形成し、該斜面の配管軸方向の幅が上下弁棒付近で最も小さく、弁棒直交方向で最も大きくなるように連続変化させたことを特徴とするバタフライ弁のシートリング。
  2. 弁棒付近で、弁体とシートリングが常時接触する範囲においては、斜面の配管軸方向の幅が一定であることを特徴とする請求項1記載のバタフライ弁のシートリング。
  3. 内周面の弁体とシールする部分には、内径方向に突出し山の頂部が構成する内径は円形である山形部分を持ったことを特徴とする請求項1又は2記載のバタフライ弁のシートリング。
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