JP3673467B2 - バタフライ弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、管路を流れる水、空気などの流体を制御するために上記管路の途中に介設されるバタフライ弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
流体輸送用の管路を構成して前後に隣接する2本の管の間に介在させるバタフライ弁として、2本の管の端部フランジ間に接続される円筒状の弁本体と、この弁本体の内面を被覆する円筒状に形成されたゴム状弾性体からなるシートリングと、上記弁本体の直径方向の弁軸を中心として回動する円板状の弁体とを備え、この弁体を回動させて弁本体の中心軸線に直交させたとき、弁体の外周がシートリングの内面に圧接して管路を閉じるようにした中心型バタフライ弁が知られている。
【0003】
図3は、中心型バタフライ弁10の一例を示し、11は円筒状の弁本体、12はシートリング、13は弁軸、14は弁体である。シートリング12は、弁本体11の内面を被覆する円筒部12aと該円筒部12aの両端から半径方向外向きに張出して弁本体11の端面を被覆するフランジ部12bとによって弁本体11に対して着脱自在に形成され、かつ円筒部12aの内面中央には弁座用の中高部12cが周方向に連続して形成されており、この中高部12cを有しないものに比べ、全閉時のシール圧を低下させずに、弁体14の開き始めにおける差圧を緩和するようになっている。
【0004】
上記のバタフライ弁10は、弁体14が開いた状態から閉じる方向(図3の矢印P方向)に回転し、弁体14がシートリング12の中高部12cに圧接して中高部12cを弁本体11の半径方向に対して斜め前方に圧縮するため、弁本体11の内面とシートリング12の円筒部12a外面との接触部に上記斜め方向の力Fが発生する。この力Fを、弁本体11の内面に沿った水平分力Aと半径方向の垂直分力Bとに分けると、シートリング12は弁本体11の内面に嵌合しているだけであるため、シートリング12の円筒部12aの外面と弁本体11の内面との間に上記水平分力Aの作用でずれが生じ、中高部12cが弁体11から逃げてシール性が低下するという問題があった。
【0005】
このシール性低下を防ぐものとして、図4に示すように、弁本体11の内面に断面角形の凹溝11aを周方向に形成する一方、シートリング12の円筒部12a外面に断面角形の突条12dを周方向に突設し、凹溝11aに突条12dを嵌込むようにしたものが知られている。この場合は、シートリング12の円筒部12aの位置ずれが減少し、図1のバタフライ弁に比べてシール性が安定するが、この円筒部12aおよび弁本体11内面の接触部に働く力の水平分力は、図3のバタフライ弁と同じであるため、弁体14の操作トルクが軽減されなかった。なお、上記の凹溝11aおよび突条12dを省略し、代わりに弁本体11の内面を粗面に加工することが試みられたが、この場合も操作トルクの軽減効果は得られなかった。
【0006】
また、特公昭55−18297号公報には、上記のゴム状弾性体からなるシートリング12を省略し、その代わりに図5に示すように、金属製の弁本体11の内面中央に弁座用シートリング11bを突条の形に一体に突設し、かつその先端11cを弁本体11の中心線に対して傾斜する円筒面15の形(ただし、円筒面15の弁本体11に対する傾斜角度は弁軸13を中心として弁閉鎖方向に5〜15度に設定される)に形成し、金属製弁体14の外周14aを上記円筒面15に密接する円筒面に形成したものが開示されている。
【0007】
この場合は、上記円筒面15の中心線および弁本体11の中心線の交差角度を上記の大きさに設定することにより、弁座用シートリング11bと弁体14との間に生じる摩擦を抑制して弁体14の操作トルクを大幅に減少することができる反面、弁座用シートリング11bの先端11cおよび弁体14の外周面14aの加工に極めて高い精度が要求され、その加工および精度の維持が極めて困難であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、前記図4の形式のバタフライ弁、すなわち円筒状の弁本体にゴム状弾性体からなるシートリングが着脱自在に装着されており、シートリングが円筒状弁本体の内面を被覆する円筒部とその両端から張出して弁本体の端面を被覆するフランジ部とからなり、上記円筒部の内面に弁座用の中高部が、また外面に突条がそれぞれ周方向に形成され、この突条が弁本体の内面に形成した凹溝に嵌合したバタフライ弁において、その弁閉時に発生する操作トルクを一層軽減し、しかも高度の工作精度を要せず、製造を容易にするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るバタフライ弁は、円筒状の弁本体にゴム状弾性体からなるシートリングが着脱自在に装着されており、シートリングが弁本体の内面を被覆する円筒部とその両端から張出して弁本体の端面を被覆するフランジ部とからなり、上記円筒部の内面に弁座用の中高部が、また外面に周方向の突条がそれぞれ形成され、この突条が弁本体の内面に形成した周方向の凹溝に嵌合し、上記弁本体の直径方向の弁軸に固定された円板状の弁板の外周が上記の中高部に圧接して弁を閉鎖するようにしたバタフライ弁において、上記弁本体内面の凹溝の底面および上記シートリングの円筒部外面の突条の頂部が互いに等しい径の円筒面に形成され、その中心線が弁軸と直交し弁本体の中心線に対して弁閉鎖方向に傾斜していることを特徴とする。
【0010】
上記のバタフライ弁を管路内で前後に隣接する2本の管の端部フランジ間に介在させて固定し、バタフライ弁の円板状弁体を弁軸の回りに回動すると、従来のゴム状弾性体からなるシートリングを有し、その円筒部の内面に中高部を、外面に突条をそれぞれ設けたバタフライ弁と同様に、弁体が管路と平行に向いたとき管路が全開され、弁体が管路と直交したとき弁体の外周全体がシートリングの中高部と接して全閉状態となり、中高部が存在しない場合に比べ、弁体の開き始めにおける差圧が低下して弁体の操作トルクが軽減し、しかも全閉時のシール圧が低下しない。
【0011】
ただし、この発明では、上記円筒部外面の突条の頂部および該頂部に対応する弁本体の凹溝の底面が互いに等しい径の円筒面に形成され、その中心線が弁軸と直交し弁本体の中心線に対して弁閉鎖方向に傾斜しているため、弁の閉鎖に際し、弁体がシートリングの中高部に接して中高部を圧縮したとき、突条の頂部および凹溝の底面の接触面に働く力の水平分力(上記円筒面の母線方向に働く分力)が、突条の頂部および凹溝の底面を弁本体の内面と平行な円筒面に形成した従来のバタフライ弁よりも小さくなり、その分だけ垂直分力が大きくなる。
【0012】
そして、上記のように水平分力が小さくなるため、弁を閉鎖していくときのシートリングの位置ずれが従来よりも減少してシール性が一層安定する。また、垂直分力が増大するため、シール性能が向上し、そのため突条の頂部および凹溝の底面の接触面に働く力を従来よりも小さくしても、従来と等しい大きさの垂直分力が得られ、トルクの軽減が可能になる。また、突条の頂部および凹溝の底面の接触面が上記のとおり傾斜しているため、弁体およびシートリングの圧接時におけるシートリングの圧縮率を弁開度に比例させることが可能になり、そのため弁を閉めるにしたがってシール力が増大し、開く際は圧縮を開放する方向に力が働いて弁開時のトルクが軽減される。
【0013】
また、上記の突条および凹溝は、シートリングの円筒部のずれを防ぐためのストッパとして働き、バタフライ弁のシール面とは無関係のものであり、シール面はシートリングの中高部と弁体外周の接触部に形成され、かつ上記の突条を備えたシートリングはゴム状弾性体で作られるため、上記の突条および凹溝の接触面の加工に高い精度は必要でなく、製造が容易である。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1において、20はバタフライ弁、21は弁本体、22はシートリング、23は円板状の弁体、24は弁軸である。上記の弁本体21は、金属または硬質合成樹脂によって円筒状に形成されている。シートリング22は、加硫ゴム等のゴム状弾性体からなり、上記弁本体21の内面に嵌合する円筒部22aと、この円筒部22aの両端から半径方向外向きに張出して弁本体21の端面を被覆するフランジ部22bとで構成されている。そして、このフランジ部22bが弁本体21の端面に凹設されている端面段部21bに着脱自在に嵌め込まれている。
【0015】
また、シートリング22の円筒部22aの内面には、その幅方向中央に弁座を構成する中高部22cが周方向に連続して突設され、外面の幅方向中央には断面台形の突条22dが周方向に連続して突設され、この突条22dが弁本体21の内面に形成されている断面台形の凹溝21aに嵌合してシートリング22の位置ずれを防止する。ここで、上記の突条22dの頂部および凹溝21aの底面は、互いに等しい径の円筒面Sに形成される。ただし、この円筒面Sの中心線Mは、弁体23が弁開状態から時計方向に回動して図示の全閉状態に達するとしたとき、弁軸24と直交する直線で、弁本体21の中心線Nに対し弁閉鎖方向に角度θだけ傾斜する直線である。
【0016】
また、上記の凹溝21aの断面形状は、弁本体21の中心線Nと平行で弁本体21の内面に沿った直線および円筒面Sの中心線Mと平行で凹溝21aの底面を構成する直線を一対の辺とし、この一対の辺の一端および他端をそれぞれ結び弁本体21の中心線Nに垂直な2直線を一対の辺とする台形に形成される。そして、上記の突条22dの断面形状は、上記凹溝21aの断面形状と実質的に等しい形状に形成される。
【0017】
上記の構造において、図2に示すように、弁体23が弁開状態から時計方向(矢印P方向)に回動して弁を閉じる際、弁体23がシートリング22の中高部22cに接触すると、弁本体21内面の凹溝21aの底面とシートリング22外面の突条22dの頂部との接触部に力Fが発生する。この力Fは、上記の底面および頂部を構成する円筒面Sの母線方向分力(水平分力)Aとこれに直角な垂直分力Bとに分解されるが、図1の円筒面Sが弁本体21に対して角度θだけ傾斜しているため、図2の力Fが図3の力Fと等しい場合、水平分力Aは図2の方が図3よりも傾斜角度θの大きさに応じて小さくなり、それに応じて垂直分力Bは大きくなる。
【0018】
上記の傾斜角度θは、弁の口径によって異なるが、一般的に力Fの水平分力を10%以上小さくするため、5〜15度の範囲が好ましい。また、凹溝21aおよび突条22dの幅(図1において、上下方向の寸法)は、5〜20mmの範囲にあって、円筒部22aの幅(上下方向の寸法)の1/4程度であることが好ましい。また、凹溝21aの深さおよび突条22dの高さは、弁閉方向の端部(図1の上端部)において3〜10mmが好ましく、3mm未満では位置ずれ防止の効果が得られず、反対に10mmを超えるとシートリング22の中高部22cが厚くなり、傾斜による所望の効果が得難くなる。
【0019】
【発明の効果】
上記のとおり、この発明に係るバタフライ弁は、弁本体内面の凹溝底面およびシートリング円筒部外面の突条頂部を互いに等しい径の円筒面に形成し、その中心線を弁軸と直交し、かつ弁本体の中心線に対し弁閉鎖方向に傾斜する直線としたものであるから、弁を閉鎖していくときのシートリングの位置ずれが従来よりも減少し、シール性が一層安定してシール性能が向上し、それだけ操作トルクの軽減が可能になり、また工作に高い精度が不要で、製造が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の断面図である。
【図2】作用を説明する断面図である。
【図3】第1の従来例の断面図である。
【図4】第2の従来例の断面図である。
【図5】第3の従来例の断面図である。
【符号の説明】
20:バタフライ弁
21:弁本体
21a:凹溝
21b:端面段部
22:シートリング
22a:円筒部
22b:フランジ部
22c:中高部
22d:突条
23:弁体
24:弁軸
S:円筒面、M:中心線、N:中心線、θ:角度
Claims (1)
- 円筒状の弁本体にゴム状弾性体からなるシートリングが着脱自在に装着されており、シートリングが弁本体の内面を被覆する円筒部とその両端から張出して弁本体の端面を被覆するフランジ部とからなり、上記円筒部の内面に弁座用の中高部が、また外面に周方向の突条がそれぞれ形成され、この突条が弁本体の内面に形成した周方向の凹溝に嵌合し、上記弁本体の直径方向の弁軸に固定された円板状の弁板の外周が上記の中高部に圧接して弁を閉鎖するようにしたバタフライ弁において、上記弁本体内面の凹溝の底面および上記シートリングの円筒部外面の突条の頂部が互いに等しい径の円筒面に形成され、その中心線が弁軸と直交し弁本体の中心線に対して弁閉鎖方向に傾斜していることを特徴とするバタフライ弁。
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