JP3086479B2 - エチレン系主鎖及びベンジル、アリル、又はエーテル−含有側鎖を有する組成物、それを含有する酸素捕捉性組成物、及びそれら組成物を重合体溶融物のエステル化又はエステル交換により製造する方法 - Google Patents

エチレン系主鎖及びベンジル、アリル、又はエーテル−含有側鎖を有する組成物、それを含有する酸素捕捉性組成物、及びそれら組成物を重合体溶融物のエステル化又はエステル交換により製造する方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、包装又は接着剤の用途で有用なエチレン系
又はポリエチレン系主鎖を有する組成物からなる。本発
明は、包装した製品から酸素を捕捉するのに有用なエチ
レン系又はポリエチレン系主鎖を有する組成物も与え
る。本発明は、エチレン系又はポリエチレン系主鎖に酸
及び(又は)エステル側鎖を有する化合物をエステル化
及び(又は)エステル交換し、エチレン系又はポリエチ
レン系主鎖に異なった数及び(又は)種類のエステル側
鎖を有する化合物を製造する方法にも関する。
本出願は、現在放棄されている、1993年7月13日に出
願された米国特許出願Serial No.08/091,120のCIP出願
である1994年7月13日に夫々出願された米国特許出願Se
rial No.08/257,056及び08/257,058のCIP出願である。
〔背景技術〕
一層賢明になった重合体購入者に対応して特別な用途
に特に適合するようにした性質を有する新しい重合体組
成物が要求されている。それらの組成物を合成又は溶液
エステル化又はエステル交換により直接製造することは
極めて費用がかかり且つ(又は)困難であるが、押出機
のような混合装置中でそれらを製造することは、それら
を要求する専門市場に次第に複雑化する重合体を供給す
る経済的で有望な手段を与えている。
一つの態様として、本発明は、ポリエチレン系主鎖及
び懸垂(pendant)ベンジルエステル部分を有する組成
物の特殊な重合体を与える。別の態様として、本発明
は、ポリエステル系主鎖及び少なくとも一つのアリル水
素を含む懸濁ヒドロカルビルエステル部分を有する組成
物を与える。さらに別の態様として、本発明は、ポリエ
チレン系主鎖及び懸垂ヒドロカルビル部分で、特にヒド
ロカルビル基が酸素のようなヘテロ原子を有するヒドロ
カルビルエステル部分を有する組成物を与える。好まし
い態様として、本発明は、ポリエチレン系主鎖及び懸垂
エーテルエステル部分で、特に環式エーテルエステル部
分を有する組成物を与える。
或る好ましい態様として、本発明の組成物は次の構造
を有する: 式中、nは2〜約30,000の整数であり:Xは、水素及び
メチルラジカルからなる群から夫々選択され;Yは、水
素、1〜18個の炭素原子を有するアルキルラジカル、1
〜16個の炭素原子を有するアルコキシラジカル、2〜18
個の炭素原子を有するアルキルエーテルラジカル、2〜
18個の炭素原子を有するアルケニル及びアルキニルラジ
カル、2〜16個の炭素原子を有するアルケノキシ及びア
ルキノキシラジカル、3〜18個の炭素原子を有するアル
ケニル及びアルキニルエーテルラジカル、1〜16個の炭
素原子を有するアミンラジカル、酸及び酸ラジカルの金
属塩、4〜24個の炭素原子を有する酸無水物ラジカル、
1〜16個の炭素原子を有する酸のエステル及びアミドラ
ジカル、6〜24個の炭素原子を有するアリールラジカル
及び置換アリールラジカル、6〜24個の炭素原子を有す
るアリールエーテルラジカル及び置換アリールエーテル
ラジカル、及び式II及び式IIIのラジカル: 〔式中、Aは、夫々ヘテロ原子含有ラジカル(特にカル
ボキシ又はアミド)であり、Bは、夫々2〜18個の炭素
原子を有するアルキルエーテルラジカル、2〜18個の炭
素原子を有するアルケニル及びアルキニルラジカル、2
〜16個の炭素原子を有するアルケノキシ及びアルキノキ
シラジカル、3〜18個の炭素原子を有するアルケニル及
びアルキニルエーテルラジカル、6〜24個の炭素原子を
有する置換アリールラジカル、6〜24個の炭素原子を有
するアリールエーテルラジカル及び置換アリールエーテ
ルラジカル、及び式IV及び式Vのラジカル: (式中、R1、R2、R3、R4、R5、及びR6は、水素、1〜18
個の炭素原子を有するアルキルラジカル、1〜16個の炭
素原子を有するアルコキシラジカル、1〜6個の炭素原
子を有するアミンラジカル、1〜16個の炭素原子を有す
る酸のエステル及びアミドラジカル、6〜24個の炭素原
子を有するアリールラジカル及び置換アリールラジカ
ル、6〜24個の炭素原子を有するアリールエーテルラジ
カル及び置換アリールエーテルラジカル、式II及びIII
のラジカルである。)から選択される。〕からなる群か
ら夫々選択され;但し組成物の少なくとも約1モル%が
式II及び式IIIのラジカルを有するものとする。
これらの特別の重合体は、包装用フィルムとして有用
であり、酸素捕捉性組成物を製造するのに有用な成分で
ある。
本発明は、新規な酸素捕捉性組成物も与える。酸素の
影響を受け易い製品の酸素への露出を抑制することによ
り、製品の品質及び「寿命(shelf−life)」を維持向
上させることはよく知られている。例えば、酸素に敏感
な食物製品を包装系統内で酸素に露出しないようにする
ことにより、食品の品質又は鮮度が維持され、食品が急
速に腐ることはなくなる。更に、酸素捕捉性包装も、製
品を一層長く在庫中に保存することができ、それによっ
て廃棄及び在庫を補充しなければならないことから生ず
るコストを減少することができる。食品包装工業では、
酸素への露出を抑制するための幾つかの手段が既に開発
されている。これらの手段には、修正された大気包装
(MAP)及び酸素バイヤーフィルム包装が含まれる。
現在用いられている一つの方法は、「活性包装(acti
ve packaging)」によるものであり、それによって食物
製品の入った包装は或る程度食品の酸素への露出が抑制
されるように改良されている。活性包装の一つの形態
は、酸素との反応により酸素を捕捉する組成物を入れた
酸素捕捉性サッシェ(sachet)を用いている。サッシェ
の一つの種類は、第二鉄状態へ酸化される鉄系組成物が
入っている。別の種類のサッシェは、粒状吸収剤の上に
不飽和脂肪酸塩を付けたものが入っている。米国特許第
4,908,151号明細書参照。更に別のサッシェには、金属
/ポリアミド錯体が入っている。米国特許第5,194,478
号明細書参照。
しかし、それらサッシェの欠点は、各包装体にサッシ
ェを入れる更に別の包装操作が必要なことである。鉄系
のものが入ったサッシェから生ずる更に別の欠点は、包
装中の或る雰囲気条件(例えば、高湿度、低いCO2含有
量)が、捕捉を適切な速度で起きるようにするため、時
々必要になることである。更に、それらのサッシェは、
消費者が間違って食べたりすると危険である。
包装された製品の酸素への露出を抑制するための別の
手段には、包装用構造体自身の中に酸素捕集剤を配合す
ることが含まれる。包装全体に亙る一層均一な捕捉効果
は、別の捕集構造体(例えば、サッシェ)を包装体に入
れる代りに、包装体に酸素捕捉性材料を配合することに
より達成される。このことは、包装体内部の空気の流れ
が制限されている場合に特に重要になる。更に、酸素捕
集剤を包装構造体中へ配合することにより、酸素が包装
体の壁を透過する時に酸素を遮断及び捕捉する手段(こ
こでは「活性酸素バリヤー」と呼ぶ)を与え、それによ
って包装体中で可能な最も低い酸素含有量に保つことが
できる。
酸素捕捉性壁を製造する一つの試みは、無機粉末及び
(又は)塩を配合することを含んでいる。米国特許第5,
153,038号、第5,116,660号、第5,143,769号、及び第5,0
89,323号明細書参照。しかし、これら粉末及び(又は)
塩を配合することは、壁の透明性及び引き裂き強度のよ
うな機械的性質を劣化させることになる。更に、これら
化合物は、特に薄いフィルムを製造する場合、加工を困
難にすることがある。容器中の食品によって吸収される
ことがある酸化生成物は、人間の消費に対するFDA認可
を持たないのが典型的である。
EP 0519616には、不飽和カルボン酸無水物又は不飽
和カルボン酸、又はそれらの組合せ、又はエポキシドを
グラフトした第一重合体成分である、ポリオレフィンか
らなる第一重合体成分;OH、SH、又はNHR2基(式中、R2
は、H、C1〜C3アルキル、置換C1〜C3アルキルである)
を有する第二重合体成分;及び酸素と第二重合体成分と
の間の反応に対し触媒作用を及ぼすことができる金属塩
との混合物からなり、然も、前記ポリオレフィンは混合
物を層分離しないような充分な量で存在している、酸素
捕捉性組成物が記載されている。重合体混合物は酸素捕
捉性を得るために用いられており、第二重合体成分は、
m−キシリレン−ジアミンとアジピン酸(MXD6)との共
重合体のようなポリアミド又はコポリアミドであるのが
好ましい。
米国特許第5,021,515号、第5,194,478号、及び第5,15
9,005号明細書、欧州特許公報EP 0380319及びPCT公報N
o.90/00504及び90/00578に記載されている酸素捕捉性物
質は、酸素捕捉性壁を製造するのに用いる試みを例示し
ている。これらの特許出願は、包装壁中に金属触媒−ポ
リアミド酸素捕捉性物質を配合することを開示してい
る。ポリアミドの触媒による酸化により、包装体の壁
は、包装体の内部空間に達する酸素の量を制御し(活性
酸素バリヤー)、周囲条件で1日当たりの酸素約5cm3/m
2までの酸素捕捉速度能力を有することが報告されてい
る。しかし、この系は大きな欠点を有する。
ポリアミド/触媒材料の特に制約を受ける一つの欠点
は、酸素捕捉速度が低いことである。米国特許第5,021,
515号の実施例7には、これら材料を空気の入った高バ
リヤー包装体に入れると、上部空間の酸素を除去する用
途に典型的に必要とされる室温で4週間以内で0.1%未
満の内部酸素含有量(空気から出発して)を生ずるのに
は一般に適さない包装体を与える。
この種のポリアミド重合体の主鎖又は網状構造中に酸
素捕捉性基を入れることにも欠点がある。基本的なポリ
マー構造体は、酸素との反応で急速に劣化し、早く弱く
なる。これは重合体の抗張力又は衝撃強度のような物理
的性質に悪影響を与える。重合体の主鎖又は網状構造の
劣化は、酸素のような排除したい物質に対する重合体の
透過性を増大する。
更に、MXD6のようなポリアミドは、可撓性包装用壁中
に用いられている、エチレン・酢酸ビニル共重合体及び
低密度ポリエチレンのような熱可塑性重合体とは相容性
を持たないのが典型的である。更に、多くのポリアミド
はそれだけで可撓性包装体壁を製造するのに用いると、
それらは不適切な固い構造体を与える結果になることが
ある。多くのポリアミドは加工を困難にし、可撓性包装
体を製造するのに典型的に用いられている熱可塑性重合
体のコストと比較して、高いコストを与えることにもな
る。更に、それらは時々熱密封しにくい。このように、
包装体、特に可撓性包装体のための材料を選択し、包装
された品物の酸素への露出を減少させるための物質を選
択する時に、これらの因子の全てを考慮しなければなら
ない。
酸素を捕捉するための別の方法がEP 0507207に記載
されており、それにはエチレン系不飽和炭化水素と、遷
移金属触媒とからなる酸素捕捉性組成物が記載されてい
る。この特許は、スクアレン、脱水ひまし油、及び1,2
−ポリブタジエンのようなエチレン系不飽和化合物が有
用な酸素捕捉性組成物であり、ポリエチレン及びエチレ
ン共重合体のようなエチレン系飽和化合物を希釈剤とし
て用いることを述べている。スクアレン、ひまし油、又
は他のそのような不飽和炭化水素を用いた組成物は、油
状組織を持つのが典型的であり、そのことは食料雑貨小
売店で販売するための肉を包装するような用途には望ま
しくない。更に、エチレン系不飽和である重合体鎖は、
架橋して脆くなるか、又は酸素を捕捉した時に劣化し、
重合体主鎖の切断により重合体を弱くすると予想され
る。
米国特許第4,717,759号、第4,994,539号、及び第4,73
6,007号明細書(参考のため、全体を本明細書に取込
む)には、エチレン単位85.0〜99.995モル%、式(V
I): 〔式中、Arは、 又は であり、R1は水素原子又メチル基であり、R2及びR3の各
々は水素原子、塩素原子、又は1〜4個の炭素原子を有
する直鎖又は分岐鎖アルキル基である。〕によって表さ
れるコモノマー単位0.005〜5モル%、及びエチレン系
不飽和単量体単位0〜10モル%からなるエチレン共重合
体で、0.860〜0.970g/cm3の密度及び0.05〜100g/10分の
メルトインデックスを有するエチレン共重合体が記載さ
れている。この特許は、それら共重合体をチーグラー触
媒を用いるか、又は遊離ラジカルを触媒とする重合によ
り製造することができることを述べている。これらの重
合体は5モル%未満のコモノマー単位を有するように限
定されており、電気絶縁に有用である。これらの重合体
は酸素捕捉性組成物を製造するのに用いることができる
が、これらの重合体自身は酸素を捕捉しない。
必要なことは、容易に加工、特に薄いフィルムに加工
することができ、組成物が酸素を捕捉した時に急速な重
合体主鎖の酸化を受けないような酸素捕捉性重合体組成
物にある。本発明は、これらの問題を解決する組成物を
与える。
本発明の酸素捕捉性組成物は、遷移金属塩と、エチレ
ン系又はポリエチレン系主鎖を有し、隣接基によって共
鳴安定化されている遊離ラジカルを形成することができ
る炭素原子を含む懸垂又は末端部分を有する化合物から
なる。従って、フェニルラジカルに隣接する水素原子を
有する炭素原子、エチレン系不飽和炭素原子、又は酸素
のようなヘテロ原子が、隣接する二重結合、フェニル
環、又は酸素により夫々共鳴安定化された遊離ラジカル
を形成することができる。
一つの態様として、本発明は、遷移金属塩及び、上記
式(I)の構造を有する成分からなる組成物を与える。
本発明は、遷移金属塩と、ポリエチレン系主鎖及び懸垂
部分で、ベンジルラジカルのメチレン基に少なくとも一
つの水素原子を有するベンジルラジカル及び(又は)ア
リルラジカル及び(又は)エーテルラジカルで、これら
ラジカルに対しαの少なくとも一つの水素原子を夫々有
するラジカルからなる懸垂部分からなる重合体とからな
る新規な組成物を与える。
別の態様として、本発明は、遷移金属塩と重合体とか
らなり、然も、前記重合体が、1)ポリエチレン系主鎖
と、2)懸垂部分で、a)ベンジルエステルラジカル、
b)N−ベンジル−アミドラジカル、c)N−ベンジル
イミドラジカル、d)ベンジルチオラジカル、e)ベン
ジルケトンラジカル、f)ベンジル−エーテルラジカ
ル、g)6〜30個の炭素原子を有するアリールラジカル
及び置換アリールラジカル、h)6〜30個の炭素原子を
有するアリールエーテルラジカル及び置換アリールエー
テルラジカル、及びi)ベンジルラジカルで、そのベン
ジルラジカルのフェニルラジカルが、ベンジルラジカル
でN−置換されたイミドラジカル、ベンジル−ケトンラ
ジカル、1〜18個の炭素原子を有するアルキルラジカ
ル、1〜16個の炭素原子を有するアルコキシラジカル、
1〜6個の炭素原子を有するアミンラジカル、酸のエス
テル及びアミドラジカルで、1〜16個の炭素原子を有す
るエステル及びアミドラジカル、6〜24個の炭素原子を
有するアリールラジカル及び置換アリールラジカル、及
び6〜24個の炭素原子を有するアリールエーテルラジカ
ル及び置換アリールエーテルラジカルからなる群から選
択された少なくとも一つのラジカルに化学的に結合して
いるベンジルラジカル、からなる群から選択された少な
くとも一つのラジカルを有する懸垂部分とからなる。
更に別の態様として、本発明は、遷移金属塩と、懸垂
又は末端ベンジルラジカルを有するエチレン系又はポリ
エチレン系主鎖とからなる組成物で、分子酸素との反応
で安息香酸、又は1〜18個の炭素原子を有するアルキル
ラジカル、1〜16個の炭素原子を有するアルコキシラジ
カル、1〜6個の炭素原子を有するアミンラジカル、1
〜16個の炭素原子を有する酸のエステル及びアミドラジ
カル、6〜24個の炭素原子を有するアリールラジカル及
び置換アリールラジカル、及び6〜24個の炭素原子を有
するアリールエーテルラジカル及び置換アリールエーテ
ルラジカルからなる群から選択された少なくとも一つの
ラジカルで置換された安息香酸を生ずる組成物を与え
る。
本発明は、エチレン系又はポリエチレン系主鎖と、ア
リール水素を有するラジカルを含む部分で、前記エチレ
ン系又はポリエチレン系主鎖に対し懸垂又は末端にある
部分とからなる組成物も与える。アリル水素を含むラジ
カルは環式、線状、又は分岐鎖でもよく、非置換、又は
例えば、アルキル、アリール、又はヘテロ原子含有ラジ
カルで置換されていてもよい。
本発明は、エチレン系又はポリエチレン系主鎖と、エ
ーテルラジカルに対しαの少なくとも一つの水素を含
み、前記エチレン系又はポリエチレン系主鎖に対し懸垂
又は末端にあるヒドロカルビル部分とからなる組成物も
与える。エーテルを含む部分は、環式、線状、又は分岐
鎖でもよく、非置換、又は例えば、アルキル、アリー
ル、又はヘテロ原子を含む他のラジカルで置換されてい
てもよい。
種々の因子の中で、本発明は、ここに記載するような
組成物が酸素捕捉速度及び(又は)酸素捕捉容量に関し
て極めて効果的な酸素捕集剤であり、特にそれら組成物
がベンジルラジカル、アリールラジカル、又はエーテル
ラジカルに直接結合したカルボキシ又はアミド基のよう
なヘテロ原子含有ラジカルを含む場合にはそうであると
言う我々の発見に基づいている。多くの場合、これらの
組成物は、広い範囲の包装用途にそれらを配合すること
ができる優れた物理的及び加工性を有する。これら組成
物は、典型的には、慣用的技術を用いて容易にフィルム
に作ることができることが見出されている。それら組成
物は、包装用に用いられている多くの一般的熱可塑性材
料、特にポリエチレン、及びエチレンとアルキルアクリ
レート又はメタクリレートとの共重合体と通常相容性を
有する。
更に、本発明の組成物の多くは、光開始剤を添加する
必要なく、紫外線(UV)に曝すと、酸素を捕捉する誘導
期間を驚く程減少させることが判明している。
本発明は重合体を製造する方法も与え、その重合体の
あるものは酸素捕捉性組成物を製造するのに有用であ
る。重合体のエステル交換により数多くの重合体を製造
することができる。例えば、M.ランブラー(Lambla)そ
の他による27 Polymer Sci.and Eng'g.No.16(mid−Sep
t.1987)1221−28には、押出機中で、錫触媒の存在下で
エチレン酢酸ビニル共重合体をアルコールでエステル交
換して、ポリエチレン主鎖及び懸垂アルコール部分を有
するエチレンビニルアルコール共重合体を形成すること
が論じられている。また、D.シーバッハ(Seebach)そ
の他にSynthesis(Feb.1982)138−41には、チタン触媒
を用いて溶媒中でエステルをアルコールでエステル交換
することが論じられている。反応は3〜120時間必要と
されている。
M.ケーグ(Keogh)による米国特許第4,767,820号明細
書には、線及びケーブルの周りの押出し物として有用な
組成物で、加水分解可能な懸垂シラン部分及び通常固体
のアルキレン・アルキルアクリレート共重合体マトリッ
クス中に分散させたチタン酸テトラメチルからなる組成
物が記載されている。シラン及びアルキルアクリレート
部分のアルキル交換により架橋生成物を与える結果にな
る。
全てのエステル交換反応が有用であるわけではない。
M.チュング(Cheung)その他による米国特許第5,023,28
4号明細書は、二種類のポリエステルを溶融混合してい
る間に、残留チタン触媒を存在するためにエステル交換
が起き、脆弱化及び他の有害な効果を生ずることを認め
ている。
従来技術で足りなかったものは、ポリエチレン主鎖及
び懸垂酸及び(又は)エステル部分を有する重合体のエ
ステル化及び(又は)エステル交換を制御して、未反応
重合体とは数多く(又は)種類の異なる懸垂エステル部
分及びポリエチレン主鎖を有する重合体を生成させる経
済的方法である。一つの態様として、本発明は、ポリエ
チレン主鎖及び懸垂酸又はエステル部分を有する重合体
の溶融物を形成し、その溶融物を適当な混合装置(例え
ば、押出機)の中でエステル化又はエステル交換条件
で、酸又はエステル部分をエステル化又はエステル交換
することができる化合物と接触させ、前記重合体がエス
テル化及び(又は)エステル交換を受けるが、アルコー
リシスは受けず、エステル化及び(又は)エステル交換
後の重合体がポリエチレン主鎖及び懸垂エステル部分を
持つようにすることからなる、重合体をエステル化又は
エステル交換する経済的方法を与える。
本発明は、更に或る量の遷移金属塩を、上記方法で製
造された選択されたエステル化又はエステル交換した重
合体の溶融物中に、そのエステル化又はエステル交換重
合体による酸素捕捉を促進させるのに有効な量で添加す
ることを含んでいてもよい。一つの好ましい態様とし
て、エチレンアルキルアクリレート共重合体を押出機中
でエステル交換し、エチレンヒドロカルビルアクリレー
ト共重合体を形成する。本方法の別の好ましい態様とし
て、エステル交換された重合体にコバルト塩を添加して
効果的な酸素捕集剤を製造する。第三の好ましい態様と
して、処理された重合体を化学線で照射する。
種々の因子の中で、懸垂酸及び(又は)エステル部分
を有する重合体の溶融物、酸及び(又は)エステル部分
をエステル化又はエステル交換することができる化合物
により、前記溶融物と前記化合物とを適当な重合体混合
装置中でエステル化及び(又は)エステル交換条件で混
合することによりエステル化及び(又は)エステル交換
し、それによって未反応重合体とは数及び(又は)種類
が異なった懸垂エステル部分を有する重合体を製造する
ことができることが発見された。この方法は早い反応時
間を与え、エステル化及び(又は)エステル交換の程度
を正確に制御し、それによって特定の用途に適合する性
質を有する重合体を製造する経済的な方法を与える。本
方法は、極めて効果的な酸素捕捉性組成物を製造する手
段も与える。
本発明は、エチレン系又はポリエチレン主鎖を有する
重合体の溶融物をエステル化又はエステル交換する方法
により製造することができる組成物も与える。上記利点
及び他の利点は、更に下で記述される。
〔図面の簡単な説明〕
第1図は、メチル又はメトキシラジカルをフェニル環
に置換した時の酸素捕捉速度に対する影響を例示してい
る。横軸は時間(日)であり、縦軸はml/gで測定した酸
素吸収率である。線Aは例19の酸素吸収率を示し、Bは
例23の吸収率を示し、Cは例24の吸収率を示し、Dは理
論的に得られる酸素を示している。1000ccの上部空間中
の2gの試料をモコン(Mocon)分析器を用いて分析し
た。
第2図は、室温で例19の重合体の5gの試料について酸
素捕集容量を例示している。横軸は時間(日)で、縦軸
はml/gで測定した酸素吸収率である。点A及びBでは、
1000mlの上部空間を空気で満たした。
第3図は、例19の重合体2gの酸素捕捉速度及び容量、
線Aと、2gのエージレス(Ageless)(三菱ガス化学か
ら入手された製品)、線Bを比較できるように示してい
る。横軸は時間(日)であり、縦軸はml/gで測定した酸
素吸収率である。分析瓶は1000mlの上部空間をもち、そ
の上部空間に2%の酸素が入っていた。
第4図は、種々のコバルト含有量の、頂部空間1000cc
中の2gの試料についての酸素捕捉率速度に対する影響を
例示している。横軸は時間(日)であり、縦軸はml/gで
測定した酸素吸収率である。線A、B、C、及びDは、
夫々例19、20、21、及び22の重合体についての酸素捕捉
率速度を示している。
第5図は、2枚の3層フィルムについての酸素透過率
(OTR)を比較できるように示しており、1枚は例25の
重合体を用い(線Aは、UV処理なし、約0.24cc/m2/日の
平均OTRを有し、線Bは、5inの距離にある5.2mw/cm2UV
源に10分露出、約0.06cc/m2/日の平均OTRを有する)、
1枚は例19の重合体を用いている(線C、例25の重合体
に同じUV照射線量を与えた)。線Dは、エチレン・ビニ
ルアルコール共重合体の単層の理論的OTR(0.13cc/m2/
日)である。横軸は時間(時)であり、縦軸はcc/m2/日
で測定した酸素透過率である。これらの透過率は、エチ
レン・ビニルアルコール共重合体樹脂の2ミリ厚さのフ
ィルムの理論的酸素透過率に比較されている。点Eは、
酸素開始時間である。本発明の目的から、1ccは1mlに等
しいと考える。
〔好ましい態様についての詳細な記述〕
本発明の方法は、本発明の組成物を製造するための経
済的で簡単で有効な手段を与える。これらの組成物は二
つの範疇に分類することができる:特別な重合体、及び
酸素を捕捉することができる特別な重合体である。
A)特別な重合体 本発明の特別な重合体は、四つの一般的範疇に分ける
ことができる:ベンジル系重合体、アリル系重合体、エ
ーテル含有重合体、及び官能性側鎖を有する特別な重合
体。夫々が懸垂ベンジル、アリル、エーテル含有、又は
官能性部分を有するエチレン系又はポリエチレン系主鎖
を有する。
ポリエチレン系主鎖は、一般に重合工程中作り出され
た飽和炭素原子の鎖構造体、即ち主鎖から本質的にな
る。例えば、エチレンの単独重合はポリエチレン主鎖を
与える。エチレンと、アクリル酸、、メタクリル酸、ア
ルキルアクリレート、又はアルキルメタクリレートとの
共重合は、懸垂酸又はエステル部分を有するポリエチレ
ン主鎖を与える結果になる。本質的に式: の組成物を与える重合は、エチレン系又はポリエチレン
系主鎖を有する組成物を与える。
一般に、nは2〜約30,000の数である。ポリエチレン
系主鎖を有する組成物は、約0.1〜1000g/10分のメルト
インデックスを有する。エチレン系主鎖を有する組成物
は、1000g/10分以下のメルトインデックスを有する同様
な組成物よりも少ない炭素原子をその主鎖中に有する。
一つの好ましい態様として、本発明の重合体組成物
は、懸垂ベンジル、アリル、エーテル含有、及び(又
は)官能性部分を約1〜約10モル%含む。一層好ましく
は、その組成物は、約2〜6%、更に一層好ましくは、
約2〜3モル%のこれら懸垂部分を有する。懸垂部分は
ヘテロ原子含有基に直接結合しているのが好ましい。懸
垂部分及びヘテロ原子含有ラジカルの正確な量は、通常
その組成物を用いようとする用途により決定される。
1)特別なベンジル系重合体 一つの態様として、本発明の組成物はエチレン系又は
ポリエチレン系主鎖と、そのエチレン系又はポリエチレ
ン系主鎖に対し懸垂又は末端にあるベンジルラジカルを
含む部分とを有する。ベンジルラジカルを含む懸垂部分
は、その用語をここで用いているように、エチレン系又
はポリエチレン系主鎖に対し側鎖、即ち分岐鎖にある
か、又は末端にある、ベンジルラジカルを含むどのよう
な基でもよい。上記式(VII)で、部分−X及び−Yは
懸垂部分である。
本発明の目的にとって、ベンジルラジカルはメチレン
ラジカルに直接結合したフェニルラジカルを有する。メ
チレンラジカルは、他のアルキル又はアルキレン、、ア
ルケニル、アルキニル、アリール、又はヘテロ原子含有
置換基で、ベンジルラジカルと一緒になって、エチレン
系又はポリエチレン系主鎖に懸垂している非置換部分を
形成する置換基に結合してもよい。これらのラジカルは
ヒドロカルビルラジカル、又はヘテロ原子又はヘテロ原
子含有ラジカルで置換されているか、又は置換されてい
なくてもよい。置換フェニルラジカルは、フェニルラジ
カルの少なくとも一つの水素原子の代わりに置換された
少なくとも一つのラジカルを有する。本発明の目的にと
って、非置換メチレンラジカルは、一つの炭素原子と二
つ又は三つの水素原子からなる。本発明の目的にとっ
て、置換メチレンラジカルは一つの炭素原子、一つの水
素原子、及び水素原子の一つの代わりに置換された少な
くとも一つのラジカルからなる。ベンジルラジカルは、
そのフェニルラジカルを通してその垂直部分の残りに結
合されていてもよい。この場合、そのメチレンラジカル
はメチルラジカルか、又は置換メチルラジカルでもよ
い。
ヘテロ原子含有ラジカルは、炭素及び水素以外の元素
を含むラジカルである。ヘテロ原子含有ラジカルは、一
般に組成物の酸素捕捉能力を改善する。隣接炭素原子に
対しπ結合を有するヘテロ原子が好ましい。存在する場
合、ヘテロ原子含有ラジカルは、ヘテロ原子含有ラジカ
ルとベンジルラジカルとの間に存在する部分がないよう
に、ベンジルラジカルに直接結合しているのが好まし
い。ヘテロ原子含有ラジカルは、三つの可能なやり方の
いずれかの組合せでベンジルラジカルに結合している。
例えば、ヘテロ原子含有ラジカルは、メチレンラジカル
に結合していてもよい。それは、水素原子の一つの代わ
りにメチレンラジカルに置換されていてもよく、その場
合、メチレンラジカルは、主鎖に直接結合するか、又は
主鎖に結合した部分に結合するか、又は別のヘテロ原子
含有部分に結合している。或はヘテロ原子含有ラジカル
は、フェニルラジカルの水素原子の一つの代わりに置換
されていてもよい。ヘテロ原子含有ラジカルの例には、
アミン、エーテル、スルフィド、及びケトンラジカルが
含まれ、好ましいラジカルはエステル及びアミドであ
る。
ベンジルラジカルに結合されるか、又は置換すること
ができるラジカルには、1〜18個の炭素原子を有するア
ルキルラジカル、1〜16個の炭素原子を有するアルコキ
シラジカル、2〜18個の炭素原子を有するアルケニル又
はアルキニルラジカル、2〜18個の炭素原子を有するア
ルケノキシ又はアルキノキシラジカル、1〜6個の炭素
原子を有するアミンラジカル、6〜24個の炭素原子を有
するアリールラジカル又は置換アリールラジカル、6〜
24個の炭素原子を有するアリールエーテルラジカル又は
置換アリールエーテルラジカル、及び1〜16個の炭素原
子を有する酸のエステル及びアミドラジカルが含まれ
る。アリール及びアリールエーテルラジカルは、メチレ
ン及びフェニルラジカルと同じやり方で置換することが
できるが、但し置換後、アリール及びアリールエーテル
ラジカルは合計6〜24個の炭素原子を有すると言う限定
を受ける。好ましくはベンジルラジカルに置換されるラ
ジカルは、1〜6個の炭素原子を有するアルキルラジカ
ル、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシラジカル、
1〜6個の炭素原子を有するアミンラジカル、6〜15個
の炭素原子を有するアリールラジカル及び置換アリール
ラジカル、6〜15個の炭素原子を有すうアリールエーテ
ルラジカル及び置換アリールエーテルラジカル、及び1
〜6個の炭素原子を有する酸のエステル及びアミドラジ
カルからなる群から選択される。一層大きな酸素捕捉速
度を与える好ましいラジカルは、アルキル、アルコキ
シ、及びアミンラジカルである。
エチレン系主鎖又はポリエチレン系主鎖に懸垂してい
る部分は、好ましくはベンジルチオエステル、一層好ま
しくはベンジルアミド、最も好ましくはベンジルエステ
ル部分からなる。アミド又はエステルは、エチレン系又
はポリエチレン系主鎖に直接結合しているのが好まし
い。他の好ましい懸垂部分は、ベンジルエーテル基、ベ
ンジルアミン基、及び−CH2−アリール含有基を含み、
ここでアリール基は一つより多くの環を含むもの、例え
ば、1,3−ジヒドロイソインドール、アントラセン、フ
ェナントレン、ナフタレン等を含む。
一つの好ましい態様として、本発明の重合体組成物
は、約1〜10モル%のベンジルラジカルを含む。一層好
ましくはその組成物は、約2〜6%、一層好ましくは約
2〜3モル%のベンジルラジカルを含む。ベジルラジカ
ルはヘテロ原子含有基に直接結合しているのが好まし
い。遷移金属塩の量と同様、ベンジルラジカル及びヘテ
ロ原子含有ラジカルの正確の量は、その組成物を用いよ
うとする用途によって通常決定される。
一つの態様として、特別な重合体組成物は、低分子量
をもち、エチレン系主鎖に対し懸垂した又は末端にある
ベンジル基を有する。主鎖は一つのエチレン単位を有す
るか、又は約1000g/10分より大きなメルトインデックス
を有するオリゴマー又は非常に低い分子量の重合体でも
よい。それらの例には、クエン酸、アスコルビン酸、ス
テアリン酸、及び1,10−デカンジカルボン酸のようなC2
〜C20酸のベンジル、ジベンジル、又はトリベンジルエ
ステル又はアミドが含まれる。別の態様として、組成物
は、約0.3〜約1000g/10分(ASTM D−882の方法によ
る)範囲内のメルトインデックスを有するポリエチレン
系主鎖を有する。メルトインデックスは、好ましくは約
0.5〜約100g/10分、一層好ましくは約1〜約10g/10分で
ある。
2)アリル水素含有側鎖を有する特別な重合体 一つの態様として、本発明の組成物は、エチレン系又
はポリエチレン系主鎖とそのエチレン系又はポリエチレ
ン系主鎖に懸垂しているか、又は末端にある、アリル水
素を有するラジカルを含む部分とを有する。ここで用い
る用語に従って、アリル水素を有するラジカルを含む懸
垂部分は、エチレン系又はポリエチレン系主鎖に対し側
鎖、即ち分岐鎖であるか、又は末端にあり、少なくとも
一つのアリル水素を含む基である。
アリル水素を含有するラジカルは、環式、直鎖、又は
分岐鎖でもよく、置換されていないか、又は、例えば、
アルキル、アリール、又はヘテロ原子含有ラジカルで置
換されていてもよい。アリル水素含有ラジカルは、一つ
より多くのアリル水素を含んでいてもよい。このラジカ
ルは少なくとも四つのアリル水素原子を含むのが好まし
い。このラジカルはアミド又はエステルの一部分でもよ
い。その例には、ポリ(1,2−ブタジエニル)エステ
ル、ネオポル(Nopol)エステル(6,6−ジメチルビシク
ロ[3.1.1]ヘプト−2−エン−エチルエステル)、3
−メチル−3−ブテニルエステル、2,6−ジメチルオク
ト−2,6−ジエニルエステル、シンナミルエステル、ト
リメチルプロパンジアリルエーテルエステル、2,6,10−
トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルエステル、及び
オレイル及び(又は)リノレイルエステルラジカルが含
まれる。
3)特別なエーテル含有重合体 一つの態様として、本発明の組成物は、エチレン系又
はポリエチレン系主鎖と、そのエチレン系又はポリエチ
レン系主鎖に懸垂しているか、又はその末端にある、エ
ーテルを含むヒドロカルビル部分とを有する。ここで用
いる用語に従って、エーテルを含む懸垂部分は、エチレ
ン系又はポリエチレン系主鎖に対し側鎖、即ち分岐鎖で
あるか、又はその末端にある、少なくとも一つのエーテ
ル基を含む基である。
エーテルを含む部分は、環式、直鎖、又は分岐鎖でも
よく、置換されていない又は、例えば、アルキル、アリ
ール、又は他のヘテロ原子含有ラジカルで置換されてい
てもよい。その部分は、その主要な構造の中にエーテル
を含んでいてもよく、エーテルはその部分の主要構造に
懸垂していてもよい。環式部分は、単環でもよく、或は
ベンゾフランのような多重環からなっていてもよい。一
つの態様として、懸垂部分は2〜7個の炭素原子を有す
る非環式エーテルである。その例には、テトラヒドロフ
ルフリル及び2−メチルテトラヒドロピラニルラジカル
が含まれる。別の態様として、その部分は、テトラヒド
ロフルフリルエステル、ポリエチレングリコールエステ
ル、モノメチルエーテルエステル、及び2−メチルテト
ラヒドロピランエステルのようなポリエーテルエステル
部分である。
エチレン系又はポリエチレン系主鎖と、アリル水素を
有する懸垂部分を有する化合物からなる重合体、又はエ
チレン系又はポリエチレン系主鎖及び懸垂エーテル部分
を有する化合物からなる重合体としては、エチレンと、
ポリ(1,2−ブタジエニル)アクリレート、6,6−ジメチ
ルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−エン−エチルアクリ
レート、3−メチル−3−ブテニルアクリレート、2,6
−ジメチルオクト−2,6−ジエチルアクリレート、シン
ナミルアクリレート、トリエチルプパンジアリルエーテ
ルアクリレート、2,6,10−トリメチルドデカ−2,6,10−
トリエニルアクリレート、及びオレイル及び(又は)リ
ノレイルアクリレートからなる群から選択されたコモノ
マーとの共重合体があげられる。エチレン系又はポリエ
チレン系主鎖及び懸垂エーテル部分を有する化合物から
なる重合体におけるエーテル部分は環式とすることがで
きる。
4)官能性側鎖を有する特別な重合体 酸化防止剤、可塑剤、UV安定化剤(遮蔽剤又は吸収
剤)、UV開始剤、腐食防止剤、及び着色剤のような官能
性添加剤が、エチレン系又はポリエチレン系主鎖に結合
した部分の少なくとも一部分になっていてもよい。これ
らの組成物は、エステル交換することができる側鎖を有
する共重合体と、希望の添加剤のアルコールとを反応さ
せて、エチレン系又はポリエチレン系主鎖と、希望の官
能性添加剤を含む官能性側鎖とを有する組成物を形成す
ることができる。下に記載する溶融混合エステル化及び
(又は)エステル交換法は、これらの組成物を製造する
一つの方法である。
官能性側鎖を有する特別な重合体は、それら官能性添
加剤と重合体との混合物に優る次の利点を有する; a) 低い揮発性−−これは処理中官能性添加剤のプレ
ートアウト(palte−out)を少なくし、添加剤の浪費も
少なくする結果を与え、 b) 低い抽出性−−官能性添加剤は、重合体と混合さ
れているのではなく、重合体に化合的に結合しているの
で、FDA抽出試験で抽出されるか、又は食物又は飲物中
へ溶解する官能性添加剤は少なくなり、且つ(又は) c) 摂取された時の毒性が低い−−高分子量分子は生
物学的器官によって吸収されないので、官能性側鎖は、
有機体の生命過程を阻害することなく、有機体を一層通
過し易い。
ポリエチレン系主鎖に対するこの種の側鎖の例には、
3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルエステ
ル、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ヒドロキシフ
ェニルベンゾトリアゾール、及びヒドロキシベンゾルフ
ェノンのエステル、C1〜C18アルキルエステル、次のエ
ステル及びアミド: 〔式中、aは1〜18(両数字を含む)の整数、bは1〜
12(両数字を含む)の整数であり、cは0〜12(両数字
を含む)の整数である。〕 のようなエステルが含まれる。
ポリエチレン系主鎖と、エポキシラジカルを有する懸
垂エステル部分とを有する組成物は、エチレンアクリル
酸共重合体又はエチレンアルキルアクリレート共重合体
のような重合体を、エポキシラジカルを含む化合物でエ
ステル化又はエステル交換することにより製造すること
ができる。そのような化合物には、炭素上に置換された
少なくとも一つのエポキシラジカルを有するC1〜C18
ルコールが含まれる。
一つの態様として、本発明は、ポリエチレン系主鎖
と、アミン、アミノ、及び(又は)アミド基を有する側
鎖とを有する組成物を与える。下に記載する反応押出し
法を、エチレンアルキルアクリレート共重合体のような
共重合体をヒドロキシル及び(又は)アミン基を有する
ヒドロキシアミン及びポリアミドとエステル交換するの
に用いることができる。有用なヒドロキシアミンには、
水素原子の少なくとも一つがC1〜C18アルキルラジカル
及びエタノールアミンで置換された2−アミノアルコー
ルが含まれる。エチレンアルキルアクリレート共重合体
をエタノールアミンでエステル交換した生成物である懸
垂部分は、下で述べるように、重合体溶融物のエステル
化及び(又は)エステル交換中に見出される条件で縮合
して環式構造体を形成することができ、その反応生成物
は、典型的にはエチレン、アルキルアクリレート及びビ
ニルオキサゾリンの共重合体である。ポリアミド、特に
アミノカルボン酸又は線状ジアミン及び線状カルボン酸
を重合した縮合生成物も、本発明の組成物を形成するの
に用いることができる。好ましいポリアミドには、ナイ
ロン6及びナイロン6,6が含まれる。
これらの組成物を用いて、アスファルト性を変え、或
はナイロンに改良された衝撃抵抗を与え、例えば、他の
重合体生成物を形成するための中間体として与えること
ができる。
5)本発明の組成物中の他の成分 好ましい態様として、本発明の組成物は、主鎖内にア
ルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、アクリ
ル酸、メタクリル酸、及び(又は)アクリル酸又はメタ
クリル酸の金属塩も含んでいる。この種の組成物は、懸
垂アルキルエステル、酸、及び(又は)酸部分の金属塩
の外、上で述べた懸垂ベンジル、アリル、エーテル、及
び(又は)官能性部分を有するポリエチレン系主鎖を有
する。本発明の目的にとって、ベンジル部分は、前に定
義したように、ベンジルラジカル及び置換ベンジルラジ
カル、その外、前記ベンジルラジカル又は置換ラジカル
に結合したヘテロ原子含有ラジカルからなっている。好
ましいアルキルアクリレートはブチル及びエチルアクリ
レートであり、最も好ましいのはメチルアクリレート
(MA)である。好ましいアクリル酸はアクリル酸及びメ
タクリル酸である。アクリル酸及びメタクリル酸のナト
リウム、カリウム、亜鉛、及びリチウムの塩が好まし
い。これらのエステル、酸、及び塩部分は、例えば、結
合層に良好な接着性を与えることができる。
特別な用途に望ましい性質を与えるため、組成物に添
加剤を含有させてもよい。そのような添加剤には、充填
剤、顔料、染料、酸化防止剤、安定化剤、処理助剤、可
塑剤、難燃剤、曇り防止剤等が含まれるが、それらに必
ずしも限定されるものではない。これらの添加剤の量は
用途により変化するが、典型的には組成物の全重量の10
%より少なく、好ましくは5%より少ない。
B)酸素を捕捉する特別な重合体 本発明の酸素捕捉性組成物は、遷移金属塩、及びエチ
レン系又はポリエチレン系主鎖と、隣接基により安定化
される遊離ラジカルを形成することができる炭素原子を
含む懸垂部分とを有する化合物からなる。隣接基は共鳴
構造により高エネルギーの不対電子を有し、それによっ
て遊離ラジカルを安定化し、その結果、遊離ラジカル
は、安定化基が存在していない状態の中で遊離ラジカル
が存在する場合よりも実質的に長い時間存在することが
できる。遊離ラジカルを形成することができる炭素原子
は、隣接基の原子に結合しており、その隣接基は、1)
その基の中の他の原子にπ結合しているか、又は結合し
ていないp電子の少なくとも一つの対を有し、2)遊離
ラジカルの軌道とそのp軌道を重ねることができるもの
である。従って、その基は遊離ラジカルを安定化する遊
離電子の付加的エネルギーを有することができる。遊離
ラジカルを形成する部位にある分子の構造も、遊離ラジ
カルの軌道が隣接基中の原子のp軌道と重なることがで
きるようなものでなければならない。このように、フェ
ニルラジカル、アリルラジカル、又はエーテル含有ラジ
カルのようなヘテロ原子含有ラジカルに隣接した水素原
子を有する炭素原子は、夫々、フェニル環、隣接二重結
合、又は酸素により共鳴安定化される遊離ラジカルを形
成することができる。
共鳴安定化遊離ラジカルは、酸素捕捉条件下で形成さ
れるのが好ましい。重合体が、その重合体による酸素捕
捉を促進するのに充分な量及び種類の遷移金属塩を含有
する場合、その重合体を酸素捕捉条件に曝し、空気のよ
うな酸素含有流体に曝す。本発明の酸素捕捉性組成物
は、好ましくは遷移金属塩と、エチレン系又はポリエチ
レン系主鎖を有する化合物とからなり、この場合その化
合物は酸素捕捉条件下で共鳴安定化される遊離ラジカル
を形成する炭素原子を含む懸垂又は末端部分を有する。
この組成物は、25℃で空気中で少なくとも酸素約1.0cc/
日/g/気圧の瞬間的酸素捕捉速度を有するのが典型的で
ある。
一つの態様として、本発明の組成物は、遷移金属塩
と、上で述べたような特別な重合体からなる。ここで用
いる用語、遷移金属塩は、元素周期表の第一、第二、及
び第三遷移元素周期から選択された元素、特に酸素捕捉
を促進することができる元素を含む。この遷移金属塩
は、本発明の組成物による酸素の捕捉を付与又は促進す
る形態になっている。妥当と思われる機構は、遷移元素
が少なくとも二つの酸化状態の間で容易に相互に転化す
ることができ、遊離ラジカルの形成を促進すると言うこ
とにあるが、それは本発明に限定を与えるものではな
い。適当な遷移金属元素には、マンガンII又はIII、鉄I
I又はIII、コバルトII又はIII、ニッケルII又はIII、銅
I又はII、ロジウムII、III又はIV、及びルテニウムが
含まれるが、それらに限定されるものではない。組成物
中に導入された時の遷移金属元素の酸化状態は、活性型
のものであることは必ずしも必要ではない。酸素を捕捉
するために組成物が必要になる時又はその少し前に遷移
金属元素はその活性状態になる必要があるだけである。
遷移金属元素は、好ましくは鉄、ニッケル、又は銅であ
り、一層好ましくはマンガン、最も好ましくコバルトで
ある。
遷移金属元素に対し適した対イオンは有機又は無機の
陰イオンである。それらには塩化物、酢酸、ステアリン
酸、パルミチン酸、2−エチルヘキサノエート、クエン
酸、グリコール酸、安息香酸、オネデカン酸、又はナフ
テン酸の陰イオンが含まれるが、それらに限定されるも
のではない。有機陰イオンが好ましい。特に好ましい塩
には、2−エチルヘキサン酸コバルト(II)、安息香酸
コバルト、及びネオデカン酸コバルト(II)が含まれ
る。遷移金属元素はアイオノマーとして導入してもよい
が、その場合重合体対イオンを用いる。そのようなアイ
オノマーは当分野でよく知られている。米国特許第3,26
4,272号明細書(参考のため、その全体を本明細書に取
込む)参照。
本発明の組成物は、重合体中の酸素捕捉を促進するの
に充分な量の遷移金属塩を含有する。一般にこれは、約
2000:1〜約10:1の遊離ラジカル形成性炭素原子のモル数
対遷移金属元素モル数の比を必要とする。好ましくはこ
のモル比は200:1〜20:1である。遷移金属塩の種類及び
量は、1気圧25℃の空気中で、酸素捕捉性組成物1g当た
り少なくとも酸素約1.0cc/日の、重合体中での瞬間的酸
素捕捉速度を与えるように選択され、好ましくは遷移金
属塩の種類及び量は、1気圧25℃の空気中で、誘導期間
終了後、酸素捕捉性組成物1g当たり少なくともO2約5cc/
日の瞬間的酸素捕捉速度を与えるように選択される。好
ましい遷移金属元素量は、どの遷移金属塩が用いられる
かによって変わるのが典型的である。
本発明の酸素捕捉性組成物は、主鎖中及び(又は)主
鎖に直ぐ隣接した酸化部位を含むポリブタジエンのよう
な他の酸素捕捉性組成物よりも長い期間に亙ってそれら
の機械的性質を維持することができる。本発明の酸素捕
捉性組成物は、慣用的装置により容易に加工され、広い
範囲の重合体と混合又は一緒に押出すことができる。ま
た、本発明の酸素捕捉性組成物の多くは、特にエステル
及びアミド酸素補集剤は、それらの酸素捕捉誘導期間を
短くするためUV光に曝すと、光開始剤を転化する必要は
ないことが判明している。
1) 酸素捕捉性の特別なベンジル系重合体 一つの態様として、本発明は、遷移金属塩と、エチレ
ン系又はポリエチレン系主鎖及びベンジルラジカルを含
む懸垂又は末端部分を有する成分とからなる酸素捕捉に
有効な組成物を与え、この場合ベンジルラジカルはその
メチレンラジカルに且つ(又は)フェニルラジカルに対
しαの炭素原子に少なくとも一つの水素を有する。この
成分は、上で述べたように、ベンジル系の特別な重合体
であるのが好ましいが、但しそのベンジルラジカルはフ
ェニル環に対しαの少なくとも一つの水素を有するもの
とする。好ましくはベンジルラジカルは酸素又は窒素の
ようなヘテロ原子に直接結合している。好ましいベンジ
ルラジカルは、ベンジルエステル及びベンジルアミドラ
ジカルである。
この理論に本発明を限定するものではないが、遷移金
属元素が懸垂部分中のベンジルラジカルと酸素との反応
に対し触媒作用を及ぼすものと推定される。好ましい態
様として、この反応は、ベンジルラジカルのメチレンラ
ジカルとヘテロ原子含有ラジカルとの間の結合の切断を
もたらす。この反応は別の化合物、安息香酸、安息香酸
の塩、又は置換安息香酸又はその塩を形成する。安息香
酸が形成されるのが好ましく、それは少量の消費であれ
ば一般に人間には安全であると考えられている化合物と
して、FDAはリストに乗せている。
ベンジルラジカルの主たる機能は、捕捉工程中、酸素
と不可逆的に反応するものと推定されている。遷移金属
塩の主たる機能はこの工程を促進することである。従っ
て、ベンジルラジカルの量及び遷移金属塩の量は、酸素
が消費される速度に大きな影響を与える。このように、
ベンジルラジカル及び遷移金属塩の量は、必要な捕捉速
度及び容量に従って選択される。
遷移金属塩の量と同様、ベンジルラジカル及びヘテロ
原子含有ラジカルの正確な量は、通常組成物を用いよう
とする用途によって決定される。捕捉性部分として主に
ベンジルエステルラジカルを有する酸素捕捉性組成物
は、特に食品用として有用であると予想されている。酸
素が重合体と反応した時に重合体主鎖から離れた一次酸
化生成物は、安息香酸であり、それは或る量ならばFDA
によって食品への添加が認められている。
本発明の酸素捕捉性組成物に用いるのに好ましい重合
体は、ベンジルアルコール又はベンジルアミンと反応さ
せてエチレンベンジルアクリレート又はエチレンベンジ
ルアクリルアミド重合体を形成したエチレンアルキルア
クリレート共重合体からなる。これらの重合体は、典型
的には、下に記載するようにエステル交換又はアミド交
換によって製造する。これらの酸素捕捉性組成物を製造
するのに特に好ましい重合体中間体は、エチレンメチル
アクリレート共重合体である。40重量%のメチルアクリ
レートを有するエチレン・メチルアクリレート共重合体
から製造された本発明の組成物は、約0.33〜約17.85モ
ル%の捕捉性部分を有する。24重量%のメチルアクリレ
ートを有するエチレンメチルアクリレート共重合体は、
約0.33〜約9.33モル%の捕捉性部分を有する。反応した
エチレンメチルアクリレート共重合体は、約1〜10モル
%の捕捉性部分を持つのが好ましく、一層好ましくは約
2〜6モル%、更に好ましくは約2〜3モル%の捕捉性
部分を有する。部分的エステル交換又はアミド交換を行
い、それによって幾らかの未反応アルキルアクリレート
部分を残し、その結果重合体の性質が特定の用途に適合
できるようにすることが屡々望ましい。反応した重合体
の物理的性質は、未反応アルキルアクリレート共重合体
の物理的性質と同様である。その結果、エチレン・ベン
ジルアクリレート又はエチレン・メチルアクリレート・
ベンジルアクリレート三元重合体を形成するためにエチ
レン・メチルアクリレート共重合体を用いた本発明の組
成物は、光学的に透明であり、エチレン・メチルアクリ
レート共重合体と同様な加工特性を有する。部分的にエ
ステル交換してエチレン・メチルアクリレート・ベンジ
ルアクリレート三元重合体(夫々約76.6/14.4/9重量
%)を形成し、ネオデカン酸コバルトの形で約1000ppm
のコバルトを含有するエチレン・メチルアクリレート共
重合体は、本発明の特に好ましい組成物である。
別の好ましい態様として、本発明の酸素捕捉性組成物
は、エチレンアルキルアクリレート共重合体、又はエチ
レンメチルメタクリレート共重合体を、式 (VIII): のベンジルアミン又はアルコールと反応させることによ
り製造した重合体を用いている。
式(VIII)では、XはNH2又はOHであり、Rは、独立
に、水素、フェニル、1〜18個の炭素原子を有するアル
キルラジカル、1〜16個の炭素原子を有するアルコキシ
ラジカル、1〜6個の炭素原子を有するアミンラジカ
ル、6〜24個の炭素原子を有するアリールラジカル及び
置換アリールラジカル、6〜24個の炭素原子を有するア
リールエーテルラジカル及び置換アリールエーテルラジ
カル、1〜16個の炭素原子を有するエステル及びアミド
ラジカルからなる群から選択される。Xは、好ましくは
NH2又はOHであり、Rは、好ましくはメチル又はメトキ
シ、一層好ましくはHである。アミンはベンジルアミン
であるのが好ましく、アルコールはベンジルアルコール
であるのが好ましい。ベンジルアルコールとベンジルア
ミンとの混合物を用いることもできる。
種々の因子の中で、有機コバルト塩のような遷移金属
塩と一緒にした時、これらの重合体は驚く程良好な酸素
補集剤になることが判明している。更に、これらの重合
体の酸素捕捉容量及び他の物理的性質は、共重合体反応
物中のアルキルアクリレートの量、及び反応で用いられ
るベンジルアミン又はアルコールの量を選択することに
より容易に変えることができる。
ベンジルアルコールが反応物である場合、本発明の特
に有用な組成物は式 (IX): のベンジル構造体を1〜10モル%、好ましくは2〜6モ
ル%含有する。好ましい重合体は、ポリ(エチレン・メ
チルアクリレート・ベンジルアクリレート)三元重合
体、及びポリ(エチレン・メチルアクリレート・ベンジ
ルアクリルアミド)三元重合体である。
2) アリル側鎖を有する酸素捕捉性の特別な重合体 一つの態様として、本発明は、遷移金属塩と、エチレ
ン系又はポリエチレン系主鎖及びアリル水素を有するラ
ジカルを含む懸垂部分を有する成分とからなる、酸素を
捕捉するのに有効な組成物を与える。この成分は、上で
述べたようなアリル側鎖を有する特別な重合体であるの
が好ましい。例45〜47は、これらの酸素捕捉性組成物の
能力を例示している。
アリル水素を含む側鎖が酸化するに従って、エチレン
系又はポリエチレン系主鎖は、それがポリブタジエン単
独である時のように、不飽和点が主鎖中又はそれに直ぐ
隣接した位置にある場合よりも、長い期間に亙って未変
化のままになっていると予想される。主鎖が一層長い間
変化しないため、機械的性質は、ポリブタジエン単独が
酸化される場合よりも、長い期間に亙って維持される。
一つの態様として、本発明は、遷移金属塩と、エチレ
ン系又はポリエチレン系主鎖及び懸垂部分で、夫々の部
分が少なくとも4個のアリル水素原子を含む懸垂部分を
有する成分とからなる、酸素を捕捉するのに有効な組成
物を与える。
別の態様として、本発明は、遷移金属塩と、エチレン
系又はポリエチレン系主鎖及びアリル水素を含有する環
式ラジカルを有する懸垂部分を有する成分とからなる、
酸素を捕捉するのに有効な組成物を与える。アリル水素
を含有する環式ラジカルは、そのラジカルの環式部分が
芳香族だけである場合の芳香族ラジカルを含まない。
アリル水素を含む懸垂部分の例には、ポリ(1,2−ブ
タジエニル)エステル、ノポル(Nopol)エステル(6,6
−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−エン−エチ
ルエステル)、3−メチル−3−ブテニルエステル、2,
6−ジメチルオクト−2,6−ジエニルエステル、シンナミ
ルエステル、トリメチルプロパンジアリルエーテルエス
テル、2,6,10−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニル
エステル、及びオレイル及び(又は)リノレイルエステ
ルラジカルが含まれる。アリル水素側鎖、特にアリル水
素を含む環式部分を有する側鎖を有する酸素捕捉性の特
別な重合体は、典型的な冷蔵温度(約4〜6℃)で効果
的に酸素を捕捉する。
3) エーテルを有する酸素捕捉性の特別な重合体 一つの態様として、本発明は、遷移金属塩と、エチレ
ン系又はポリエチレン系主鎖及びエーテル基に隣接した
炭素原子に少なくとも一つの水素を有する懸垂エーテル
部分を有する成分とからなる、酸素を捕捉するのに有効
な組成物を与える。この成分は、上で述べたように、エ
ーテルを含有する特別な重合体であるか、エチレン系又
はポリエチレン系主鎖と、懸垂ジアリルエーテル又はジ
アリルエーテルエステル部分で、エーテルラジカルに隣
接した炭素原子に少なくとも一つの水素が存在する部分
とを有する重合体であるのが好ましい。例46は、この酸
素捕捉性組成物の能力を例示している。
懸垂ラジカルは環式エーテル、特に2〜7個の炭素原
子を有する環式エーテルであるのが好ましい。環式部分
は、単環式でもよく、又は多環式のものからなっていて
もよい。適当な懸垂ラジカルの例には、テトラヒドロフ
ルフリル、2−メチルテトラヒドロプラニル、ポリエー
テル、ポリエチレングリコリック、及びモノメチルエー
テルが含まれる。
4) 酸素捕捉性の特別な重合体のための添加剤 上記酸素捕捉性組成物のいずれにも含有させることが
できる一つの添加剤は、光開始剤であり、それは多くの
酸素捕捉性組成物の誘導期間を減少する働きをする。光
開始剤について論じている米国特許第5,211,875号明細
書(参考のため、その全体を本明細書に取込む)参照。
C) 本発明の組成物の製造方法 本発明の組成物は多くの方法により製造することがで
きる。ベンジル、アリル、及び(又は)ヘテロ原子含有
ラジカルを有する単量体をオリゴマーにするか、又は単
独で重合するか、或はエチレン、プロピレン、又は他の
オレフィンのようなコモノマー、及び(メタ)アクリル
酸及びアルキル(メタ)アクリレートのような他のコモ
ノマーと重合し、重合後、エチレン系又はポリエチレン
系主鎖を与えることができる。この種の重合法は当分野
でよく知られており、遊離ラジカル触媒、チーグラー・
ナッタ触媒、又はメタロセン重合触媒のような触媒の存
在下での溶液、スラリー、又は気相重合が含まれる。
本発明の組成物を製造する好ましい方法は、重合中間
体を製造し、その中間体を変性用化合物と反応させ、ポ
リエチレン系主鎖及び懸垂ベンジル、アリル、及び(又
は)ヘテロ原子含有部分を有する重合体を形成する方法
である。このやり方で酸素捕捉性組成物を製造する場
合、重合中間体を変性用化合物と反応させる前又は後、
又はその間に、組成物中へ遷移金属塩を配合することが
できる。
本発明の組成物を製造するのに有用な多くの種類の重
合中間体が存在する。例えば、アルキルメタクリレート
は付加重合の方法により単独重合し、懸垂メチル基及び
懸垂アルキルエステル基を有するエチレン系又はポリエ
チレン系主鎖を有する重合体を形成することができる。
エチレンと、アルキルアクリレート又はメタクリレート
との共重合も、有用な重合中間体を形成する。一つの好
ましい共重合体はエチレンメチルアクリレート共重合体
であり、EMAC(登録商標名)共重合体としてシェブロン
・ケミカル社から販売されている。
高融点エチレン・アルキルアクリレート共重合体も有
用な重合中間体である。これらの共重合体は、基準エチ
レン・アルキルアクリレート共重合体よりも少なくとも
約6゜F高い融点温度を有し、その基準共重合体は多重
領域オートクレーブ反応器で製造され、その基準共重合
体を製造する時の反応領域中のアルキルアクリレート対
エチレンの比は、多重領域オートクレーブ反応器へ供給
されるアルキルアクリレートに対する全エチレン比にほ
ぼ等しい。高融点エチレン・メチルアクリレート共重合
体は、次の式により得られる値よりも高い融点温度を有
するのが典型的である: 温度(゜F)=248−2.9Y 式中、Yは高融点エチレン・メチルアクリレート共重合
体中のメチルアクリレートの重量%であり、Yは10より
大きい。同様に、高融点エチレン・ブチルアクリレート
共重合体は、次の式から得られた値よりも高い融点温度
を有するのが典型的である: 温度(゜F)=240−2.1Z 式中、Zは、高融点エチレン・ブチルアクリレート共重
合体中のブチルアクリレートの重量%であり、Zは15よ
り大きい。高融点エチレン・アルキルアクリレート共重
合体は、 1) 全体的に重量Aの量のアルキルアクリレート及び
重量Eの量のエチレンを多重領域オートクレーブ重合反
応器へ供給し、 2) 効果的な量の開始剤及びエチレンの全量の少なく
とも一部分E1を反応器の第一反応領域へ導入し、 3) 同時にアルキルアクリレートの一部分A1を前記第
一反応領域へ導入し、然も、比A1/E1を、反応器への全
体的比A/Eより少なくとも約20%多くするか、又は少な
くとも約20%少なくなるようにし、そして 4) 開始剤、エチレン、及びアルキルアクリレートの
残りの部分を全て後の反応領域(単数又は複数)へ供給
する、 ことからなる方法により製造することができる。
高融点エチレン・アルキルアクリレート共重合体は、
1991年9月24日に出願された米国特許Serial No.07/76
4,861、1992年9月21日に出願されたSerial No.07/,94
7,870、及び1994年4月26日に出願されたSerial No.08
/233,180(参考のため、これらの全体を本明細書に取込
む)に記載されている。
他の有用な重合中間体には、エチレンアルキルアクリ
レートアイオノマー、エチレンアクリル酸共重合体、エ
チレンアクリル酸アイオノマー、及びエチレン酢酸ビニ
ル共重合体が含まれる。更に別の重合中間体は、無水マ
レイン酸部分を含むポリエチレン系主鎖重合体である。
例えば、ELFアトケム(Atochem)の製品であるロタダー
(Lotader)は、エチレン、アルキルアクリレート、及
び無水マレイン酸部分を含み、然も、無水マレイン酸の
不飽和炭素原子は、ポリエチレン系主鎖内で飽和炭素原
子になっている。別法として、無水マレイン酸をポリエ
チレン系主鎖を有する重合体へ、例えば、遊離ラジカル
グラフトによりグラフトしてもよい。これらの重合体を
製造する方法は当分野でよく知られている。例えば、米
国特許第4,506,056号明細書(参考のため、その全体を
本明細書に取込む)参照。ポリエチレン系主鎖に懸垂し
た部分中のエステル、酸、アセテート、又は無水物は、
次に化合物と反応させて本発明の組成物を形成するか、
又は本発明の組成物で有用な重合体を形成する。
重合中間体と反応させる変性用化合物は、特定の重合
中間体との反応性に基づいて選択され、更に反応から得
られる重合体がベンジル、アリル及び(又は)ヘテロ原
子含有ラジカルを有するか否かに基づき選択する。前に
述べたように、ベンジル、アリル、又はエーテル含有化
合物は、置換されていても置換されていなくてもよく、
ベンジル、アリル、又はヘテロ原子含有部分から望まれ
る酸素捕捉活性度を向上させるヘテロ原子を含んでいて
もよい。本発明の好ましい態様として、懸垂メチルアク
リレート部分を有する重合中間体、エチレン・メチルア
クリレート共重合体をベンジルアルコールでエステル交
換し、懸垂ベンジルアクリレート部分を形成する。同様
に別の好ましい態様として、エチレン・メチルアクリレ
ート共重合体をベンジルアミンでアミド交換し、懸垂ベ
ンジル・アミド部分を形成する。ベンジルアルコールは
アクゾ・ケミカル社(Akzo Chemcal Co.)から入手する
ことができ、ベンジルアミンはスペクトラム・ケミカル
社(Spectrum Chemical Co.)から入手することができ
る。これらの場合、ベンジル化合物の重要な特徴は、そ
のような反応を促進するのに充分な条件下で、エステル
化、エステル交換、アミド化、又はアミド交換をするこ
とができると言うことである。他の好ましい変性用化合
物には、表3及び4に列挙したエステル交換用化合物が
含まれる。
イミド化(無水物と第一級アミンとのイミドを形成す
る反応)、エステル化、エステル交換、又はアミド交換
はオートクレーブ中で行うことができる。反応条件は反
応物により変化する。エステル交換又はアミド交換触媒
を用いてもよい。アルキルアクリレート又はメタクリレ
ート懸垂部分を有する重合中間体のための典型的な反応
は、180〜300℃の温度及び50〜1000psiの圧力で1/2〜8
時間の時間行われる。その反応は、エチレン・メチルア
クリレート共重合体をベンジルアミンと反応させる場合
には、200〜240℃の温度及び100〜600psiの圧力で1〜
5時間の時間行われるのが好ましい。これによりベンジ
ルラジカルを含む懸垂部分を有する重合体を生ずる。下
で述べるように、反応押出しを用いて酸のアミド化又は
アミド交換を行うこともできる。
エステル化、エステル交換、アミド交換、又はイミド
化は、重合体のようなエチレン又はポリエチレン成分を
溶媒中に溶解し、その成分、変性用化合物(例えば、ベ
ンジルアミン又はベンジルアルコール)、及び場合によ
りエステル交換又はアミド交換触媒を還流条件下で加熱
することにより形成することもできる。それらの条件は
求める特定の組成物により変化させることができる。典
型的には、その反応は、130〜240℃の温度で1/2〜16時
間の時間行われる。エチレン・メチルアクリレート共重
合体をベンジルアルコールと反応させる場合、その反応
は160〜200℃の温度で1〜8時間の時間行うのが好まし
い。これによってもベンジルラジカルを有する懸垂部分
を有する重合体を生ずる。この方法は、低分子量の酸を
ベンジルアルコールでエステル化するのに有用である。
エステル化又はエステル交換は、当分野でよく知られ
たエステル交換触媒を使用することにより促進すること
ができる。適当なエステル交換触媒には、非酸化性強
酸、第I族アルコキシド、第IV B族アルコキシド、例え
ば、ジラウリン酸ジブチル錫、ナトリウムメトキシド、
トルエンスルホン酸、チタン酸テトラブチル、チタン酸
テトライソプロピル、及びチタン酸テトラエチルが含ま
れ、チタン酸テトラアルキルが特に好ましい。水酸化ナ
トリウムも用いることができる。チタネート触媒はヒュ
ールズ・アメリカ(Hls America)から入手すること
ができる。
同様に、アミド交換は、当分野でよく知られているア
ミド交換触媒を用いて促進することができる。適当なア
ミド交換触媒には、2−ヒドロキシピリジン及びナトリ
ウムメトキシドが含まれ、2−ヒドロキシピリジンが特
に好ましい。これらの触媒はアルドリッチ(Aldrich)
から入手することができる。
D)重合体溶融物のエステル化又はエステル交換 本発明のエステル又はイミド組成物を製造するのに特
に好ましい方法は、重合体溶融物のエステル化及び(又
は)エステル交換によるものである。この方法では、本
発明の組成物又は好ましくは本発明の組成物のエチレン
系又はポリエチレン系成分を、重合体中間体と、ベンジ
ル、アリル、又はヘテロ原子−ラジカル−含有化合物
(これらのラジカルのアルコール又はアミンのようなも
の)及び、場合によりエステル交換及び(又は)アミド
交換触媒、更に場合により遷移金属塩と一緒に溶融混合
することにより製造する。反応条件はエステル化、エス
テル交換及び(又は)イミド化を促進するように選択す
る。これらの反応は、通常適当な触媒の存在下で行われ
る。得られる重合体を、ペレット又はフィルムのような
便利な形に押出すことができる。エステル化及びエステ
ル交換法を更に詳細に下に記述する。
1) エステル交換すべき重合体 ここではエチレン共重合体としても言及する、エステ
ル交換すべき重合体は、ポリエチレン系主鎖及び懸垂エ
ステル及び(又は)酸部分を有する。この重合体は、約
0.3〜約1000g/10分(ASTM法No.D−882)の範囲内のメル
トインデックスを有する。メルトインデックスは約0.5
〜約100g/10分であるのが好ましく、約1〜約10g/10分
であるのが一層好ましい。
エチレン共重合体は、ポリエチレン系主鎖に懸垂した
エステル及び(又は)酸基即ちラジカルも含有する。エ
ステル又は酸ラジカルを有する懸垂部分は、ポリエチレ
ン系主鎖に対する側鎖即ち分岐鎖である基で、エステル
ラジカル、酸ラジカル、又は酸無水物のような酸と同等
と考えられるラジカルを含んだどのような基でもよい。
上記式(I)では、部分X及びYは懸垂部分である。
エステルのヒドロカルビルラジカルは、エステル化又
はエステル交換条件でエステル交換用化合物及び場合に
よりエステル交換触媒(単数又は複数)によりエステル
化及び(又は)エステル交換することができるラジカル
である。エステルラジカルは、ヘテロ原子又はヘテロ原
子含有ラジカルで置換されたヒドロカルビルラジカルを
持っていてもよい。ヘテロ原子は炭素及び水素以外の元
素である。未反応エチレン共重合体の置換されたヒドロ
カルビルラジカルの例は、メトキシエチル及びモノメト
キシポリエチレングリコールである。エステルラジカル
は非置換ヒドロカルビルラジカルを有するのが好まし
い。本発明の目的から、非置換ヒドロカルビルラジカル
には、C1〜C8アルキル、好ましくはC1〜C4アルキル、一
層好ましくはメチルラジカルが含まれる。
一つの態様として、エステル化及び(又は)エステル
交換される重合体は、ポリ(メチルメタクリレート)の
ような単独重合体である。別の態様として、エステル化
及び(又は)エステル交換される重合体は、スチレンと
メチルメタクリレートの共重合体、又はポリ(メチルメ
タクリレート)である。エステル化及び(又は)エステ
ル交換される重合体は、上記式Iで、置換基「Y」が酸
又はエステルである場合の構造を有する重合体である。
好ましい態様として、エステル化及び(又は)エステ
ル交換されるエチレン共重合体は、その主要部分がエチ
レンからなる。典型的には、エチレン共重合体は、その
重合体中に存在する全てのコモノマーに基づき、約83〜
約99モル%のエチレンを含む。重合体は、好ましくは約
90.7〜98モル%、一層好ましくは93〜97モル%のエチレ
ンを含む。
一つの好ましい態様として、エステル化及び(又は)
エステル交換される重合体はエチレンアルキルアクリレ
ート共重合体である。ここで用いられる用語「エチレン
アルキルアクリレート共重合体」には、エチレン・アル
キルメタクリレート共重合体及びエチレン・アルキルア
クリレート・アルキルメタクリレート共重合体も含まれ
る。エチレン・アルキルアクリレート共重合体及びその
製造方法は当分野でよく知られている。特にエチレン・
メチルアクリレート共重合体が好ましい。高融点エチレ
ン・アルキルアクリレート共重合体も有用な重合中間体
である。
別の好ましい態様として、エステル化及び(又は)エ
ステル交換される重合体は、エチレン酢酸ビニル共重合
体、エチレンアクリル酸共重合体、又は酸無水物のよう
な酸部分と同等の懸垂基を有するエチレン共重合体であ
る。
エチレン共重合体は、場合により、他のコモノマー
で、重合体中に存在していてもエステル化及び(又は)
エステル交換反応を妨害しないコモノマーを含んでいて
もよい。その任意的コモノマーはエステル交換用化合物
と反応してもよいが、その任意的コモノマーが存在する
ために化学量論的に過剰のエステル交換用化合物が存在
下していても、その任意的コモノマーが存在していなか
った場合にエステル交換されるであろう重合体中のエス
テル部分又は酸部分の中でエステル交換される部分が5
%未満になる場合には、本発明の目的にとって障害が起
きる。
エステル交換反応を妨害しない他のコモノマーを有す
るエチレン共重合体の一つの例は、部分的に鹸化された
エチレンアルキルアクリレート共重合体である。エチレ
ンアルキルアクリレート共重合体のナトリウム、リチウ
ム、又はカリウムアイオノマーは、1993年10月27日に出
願された米国特許出願Serial No.08/144,173明細書
(参考のため、その全体を本明細書に取込む)に記載さ
れている。約1〜約17モル%のメチルアクリレート及び
約1〜約9モル%のアクリル酸ナトリウムを有するエチ
レン・メチルアクリレート・アクリル酸ナトリウム共重
合体が好ましい。別の例は、ELFアトケムの製品である
ロタダーであり、それは、無水マレイン酸部分を含み、
その不飽和炭素原子がポリエチレン系主鎖内の飽和炭素
原子になっているエチレンアルキルアクリレート共重合
体である。別法として、無水マレイン酸をポリエチレン
系主鎖を有する重合体に、例えば遊離ラジカルグラフト
化によりグラフトしてもよい。これらの重合体を製造す
る方法は当分野でよく知られている。例えば、米国特許
第4,506,056号明細書(参考のため、その全体を本明細
書に取込む)参照。
2) エステル交換用化合物 用語「エステル交換用化合物」には、第二の化合物を
エステル化する化合物と同様、第二化合物とエステル交
換する化合物が含まれる。エステル交換用化合物は、そ
の反応のために選択された特定のエチレン共重合体に対
するエステル化又はエステル交換反応に関与する能力を
有する化合物から選択される。エステル交換用化合物自
体は、エステル交換のために選択されたエチレン共重合
体へヒドロカルビルラジカルを供給することができる重
合体でもよい。このようにして、二つの重合体の間でヒ
ドロカルビル基を交換してもよく、或は二つの重合体が
互いに架橋するようになってもよい。
エチレン共重合体がエチレンアルキルアクリレート共
重合体又はエチレンアクリル酸共重合体である場合、エ
ステル交換用化合物はアルコール、ジオール、ポリオー
ル、エーテル−オール、エン−オール、ポリエチレング
リコール、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシル末端ポリ
カーボネート、又はヒドロキシル含有アスファルトでも
よい。これらの共重合体に対しアルコールが好ましいエ
ステル交換用化合物である。アルコールは、第一級又は
第二級アルコールであるのが好ましい。接着剤及び酸素
捕捉性化合物を製造する場合、ベンジルアルコールが特
に好ましい。他の好ましいアルコールは、表3,4,及び5
に列挙されている。
エチレン共重合体がエチレン酢酸ビニル共重合体であ
る場合、エステル交換用化合物は、C1〜C16酸、C1〜C12
二酸及び三酸、例えばオレイン酸、ステアリン酸、安息
香酸及びクエン酸のような有機酸でもよい。フェニル酢
酸が特に好ましい。しかし、エチレン酢酸ビニル共重合
体のためのエステル交換用化合物は、エチレン共重合体
からカルボキシラジカルを除去してエチレンビニルアル
コール共重合体を生ずるアルコール又は他の化合物では
ない。エステル交換後に、重合体がポリエチレン系主鎖
及び懸垂エステル部分を有すると言うことが本発明の方
法の本質的特徴である。
エステル交換用化合物のヒドロカルビルラジカルに
は、1〜18個の炭素原子を有するアルキルラジカル、1
〜16個の炭素原子を有するアルコキシラジカル、2〜18
個の炭素原子を有するアルキルエーテルラジカル、2〜
18個の炭素原子を有するアルケニル及びアルキニルラジ
カル、2〜16個の炭素原子を有するアルケノキシ及びア
ルキノキシラジカル、3〜18個の炭素原子を有するアル
ケニル及びアルキニルエーテルラジカル、1〜16個の炭
素原子を有するアミンラジカル、酸及び酸ラジカルの金
属塩、4〜24個の炭素原子を有する酸無水物ラジカル、
1〜16個の炭素原子を有する酸のエステル及びアミドラ
ジカル、6〜24個の炭素原子を有するアリールラジカル
及び置換アリールラジカル、6〜24個の炭素原子を有す
るアリールエーテルラジカル及び置換アリールエーテル
ラジカル、が含まれる。
エステル交換用化合物のヒドロカルビルラジカルは、
ヒドロカルビルラジカルであるか、ヘテロ原子又はヘテ
ロ原子含有ラジカルで置換されたヒドロカルビルラジカ
ルでもよい。従って、ヒドロカルビルラジカルは、例え
ば、ハロゲン、アセチル、ニトロ、又はニトリル部分を
含んでいてもよい。
エステル交換反応で用いられるエステル交換用化合物
の量は、エステル交換用化合物からのヒドロカルビルラ
ジカルが、エチレン共重合体のエステル1モル当たり約
0.05モル〜2モルであるのが典型的である。エステル交
換用化合物の量は、酸及び(又は)エステル部分が希望
する程度のエステル交換を受けるのに必要な化学量論的
量であるか、又はそれを少し超えているのが好ましい。
エステル交換用化合物は、エステル交換反応が行われる
温度で通常液体であるが、ヘキサデカノールのような或
るエステル交換用化合物は固体である。固体化合物は、
その化合物が溶融物中で均一に混合される限り、そのま
ま工程へ供給するか、又は適当な溶媒中に入れてその工
程へ供給してもよい。工程へ供給される液体の量は、液
体を除去するための下流での処理が不必要になるように
最小にするのが好ましい。低い沸点を有するエステル交
換用化合物は、大気圧より高い圧力で工程を操作し、重
合体をエステル化又はエステル交換する前にそのエステ
ル交換用化合物が沸騰しないようにすることが必要にな
ることがある。
本方法を酸素捕捉性組成物を製造するのに用いた場
合、ヘテロ原子又はヘテロ原子含有ラジカルのような電
子供与基は、一般に組成物の酸素捕捉能力を改良する。
重合体のエステル基又はアミド基がヘテロ原子を供給す
るか、又はヘテロ原子含有ラジカルがエーテルであって
もよい。ヘテロ原子又はヘテロ原子含有ラジカルが存在
する場合、それらは、捕捉される酸素が反応するヒドロ
カルビルラジカルの原子に直接結合しているのが好まし
い。
好ましい酸素捕捉性組成物の一つは、エチレン・ベン
ジルエステル共重合体である。この場合、ヘテロ原子含
有ラジカルは、三つの可能な方法のいずれかでベンジル
ラジカルに結合させることができる、ヘテロ原子含有ラ
ジカルはベンジル部分のメチルラジカルに結合していて
もよい。それは、メチレンラジカルに、その水素原子の
一つの代わりに置換されていてもよく、その場合、メチ
レンラジカルは主鎖又は主鎖に結合した部分、又は他の
ヘテロ原子含有部分に直接結合している。或は、ヘテロ
原子含有ラジカルはフェニルラジカルの水素原子の一つ
の代わりに置換されていてもよい。ヘトロ原子含有ラジ
カルの例には、アミン、エーテル、スルフィド、及びケ
トンラジカルが含まれ、好ましいラジカルはエステル及
びアミドである。アリール及びアリールエーテルラジカ
ルを同じやり方でメチレン及びフェニルラジカルに置換
し、置換後、そのアリール及びアリールエーテルラジカ
ルが合計6〜24個の炭素原子を有すると言う限定に従わ
せることができる。好ましくは、ベンジルラジカルに置
換されるラジカルは、1〜6個の炭素原子を有するアル
キルラジカル、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ
ラジカル、1〜6個の炭素原子を有するアミンラジカ
ル、6〜15個の炭素原子を有するアリールラジカル及び
置換アリールラジカル、6〜15個の炭素原子を有するア
リールエーテルラジカル及び置換アリールエーテルラジ
カル、及び1〜6個の炭素原子を有する酸のエステル及
びアミドラジカルからなる群から選択される。一層大き
な酸素捕捉速度を与える好ましいラジカルは、ベンジル
部分のメチレンラジカルに結合した、又はフェニル部分
のオルト及び(又は)パラ位置に結合した、アルキル、
アルコキシ、及びアミンラジカルである。
3) エステル交換法 重合体溶融物のエステル化又はエステル交換は、多く
の型の装置で行うことができる。重合体溶融物を形成す
ることができるバンバリーミキサー又は他の混合装置を
使うことができる。
好ましい方法として、ポリエチレン系主鎖及び懸垂エ
ステル部分を有する重合体の溶融物を、エステル交換用
化合物及び、場合により、エステル交換触媒及び(又
は)酸素捕捉促進用遷移金属塩と押出機中で混合する。
反応条件はエステル化及び(又は)エステル交換を促進
するように選択する。エステル化又はエステル交換は、
エステル交換触媒を用いて行われるのが好ましい。得ら
れる重合体は、ペレット又はフィルムのような都合のよ
い形に押出すことができ、化学線に露出してもよい。
固体エチレン共重合体(例えば、エチレン・メチルア
クリレート共重合体ペレット)を、重合体を溶融するの
に充分な温度及び混合時間で押出機中に導入し、それを
エステル交換用化合物及び、場合により、押出機中に導
入された触媒及び遷移金属塩と混合することにより溶融
混合物を形成するのが好ましい。溶融物は押出機以外の
所で形成し、押出機或はエステル化及び(又は)エステ
ル交換反応のために用いられる他の混合装置中へ供給し
てもよい。溶融混合に適切な温度は、重合体の溶融温度
(即ち、重合体が容易に変形し、一般に溶融又は流体状
態になる温度)及び重合体が劣化し始める温度によって
確定される温度範囲内にある。典型的には、その温度は
180〜250℃である。重合体、エステル交換用化合物、及
び場合により、触媒及び遷移金属塩を混合又は混和する
のに必要な長さの時間である混合時間は、エステル交換
用化合物と重合体との良好な混合及びかなりの反応を与
えるように選択される。混合時間は、押出機中、5秒か
ら2分であるのが典型的である。
エステル交換用化合物と溶融物との良好な接触を確実
に与えるのに必要な量を超えた溶媒は殆ど又は全く用い
ない。アルコール及び有機酸は典型的には反応条件で液
体であるので、これらのエステル交換用化合物のための
溶媒は不必要である。エステル交換反応は重合体溶媒を
用いなくても進行させることができる。なぜなら、重合
体溶媒物及び混合装置により与えられる強力な混合によ
り、重合体とエステル交換用化合物との間の充分な接触
が得られるからである。
エチレン共重合体の反応の程度は、エステル交換用化
合物の添加量に基づくのが好ましい。エステル交換用化
合物が重合体と完全に反応するのが好ましいので、過剰
のエステル交換用化合物は更に別の処理工程で除去する
必要はない。
エステル化又はエステル交換は、上で述べたエステル
交換触媒を用いて促進することができる。使用量は、他
の重合体の性質に実質的な程度まで悪影響を及ぼすこと
なく、エステル化又はエステル交換を促進する量であ
る。チタン酸アルコキシの場合には、100/3〜100/0.1の
アルコール/触媒モル比が好ましい。触媒は他の供給物
成分とは別個に、又は他の供給物成分の一つと混合し
て、混合装置へ導入することができる。
本発明のための押出機は、二軸スクリュー押出機であ
るのが好ましい。練り用ブロック及びライトハンド・エ
レメント(right−hand element)によって与えられる
ような均一で強力な混合が特に好ましい。これに関して
1993年10月27日に出願された米国特許出願Serial No.0
8/144,173明細書参照。
押出機は、一つ以上の押出機又は他の処理装置と直列
にして用いてもよい。一つの押出機を用いる場合、それ
は、反応領域及び液化領域の少なくとも二つの領域に分
けられているのが典型的である。反応領域の圧力は、用
いられるエステル交換用化合物の蒸気圧又は沸点に基づ
き選択されるのが典型的であり、多くのエステル交換用
化合物に対し本質的に大気圧にすることができる。反応
領域は重合体に対する熱及び押出機の作用により僅かな
圧力下にあってもよい。液化領域は、エステル交換され
た重合体から揮発性物質を除去し易くするために真空に
なっているのが典型的である。
本発明の方法の好ましい態様は、エステル化及び(又
は)エステル交換をすることができる重合体の溶融物を
形成し、その溶融物を、官能性側鎖を有する重合体を製
造する効率的で経済的な方法を与えるエステル化及び
(又は)エステル交換条件で、官能性添加剤のヒドロキ
シ型のものと混合することからなる。ヒドロキシ型の官
能性添加剤は、エステル化される重合体(例えば、エチ
レンアクリル酸重合体)の酸基をエステル化するか、又
はエステル交換される重合体(例えば、エチレンメチル
アクリレート共重合体)のエステル基をエステル交換す
ることができる少なくとも一つのヒドロキシ基を有す
る。
本発明の組成物、又は本発明の組成物を形成するのに
有用な重合体は、アクリル酸及び(又は)アクリルアク
リレート懸垂部分を持っていてもよい。これらは、アイ
オノマーを製造する技術でよく知られた方法により部分
的又は完全に中和及び(又は)鹸化することができる。
そのような方法の一つは1994年4月5日に出願された米
国特許出願Serial No.08/144,173明細書(参考のた
め、その全体を本明細書に取込む)に記載されている。
本発明の方法を酸素捕捉性重合体の製造に用いる場
合、エステル化又はエステル交換反応中に酸素捕捉促進
用遷移金属塩を重合体に添加してもよい。別法として、
遷移金属塩は、例えば、エステル化又はエステル交換さ
れたエチレン共重合体のペレットを遷移金属塩で被覆
し、そのペレットを押出機中で溶融混合し、それによっ
てその溶融混合物中に酸素捕捉に触媒作用を及ぼすのに
有効な量の遷移金属塩を配合することにより重合体成分
中へ配合することができる。遷移金属塩を組成物中に配
合する方法は、酸素補集剤としてその組成物を用いる前
に、組成物全体に遷移金属塩が分散している限り、特に
限定する必要はない。遷移金属塩は、エステル交換前、
その途中、又はその後で組成物中に配合することができ
る。
場合により、本発明の組成物及び方法は、酸素捕捉促
進用遷移金属を含有する重合体を化学線に露出し、もし
あるとすれば、酸素捕捉開始前の誘導期間を減少させる
ことができる。米国特許第5,211,875号明細書(参考の
ため、その全体を本明細書に取込む)には、酸化可能な
有機化合物及び遷移金属触媒を含むフィルムを化学線に
露出することにより酸素捕捉を開始させる方法が記載さ
れている。化学線が存在しないと誘導期間が長くなる
が、化学線に照射すると誘導期間が短くなるか又は存在
しなくなる本発明の組成物は特に好ましい。化学線によ
って活性化される組成物は、窒素雰囲気中で包装又はそ
の中に保つような特別な調製又は保存条件がなくても保
存することができる。それらは化学線で活性化すると酸
素を捕捉する大きな能力を維持する。このように酸素捕
捉は、希望した時に活性化することができる。
用いられる輻射線は化学線、例えば、約200〜750nmの
波長を有し、好ましくは約200〜400nmの波長を有する紫
外線又は可視光線である。この方法を用いた場合、本発
明の組成物1g当たり少なくとも0.01ジュールで組成物を
照射するのが好ましい。典型的な照射量は0.1〜100ジュ
ール/gの範囲にある。他の輻射線源には、ガンマー線、
X線及びコロナ放電のようなイオン化輻射線が含まれ
る。照射時間は、存在する光開始剤の量及び種類、照射
すべき層の厚さ、存在する酸化防止剤の量、輻射線源の
波長及び強度を含めた幾つかの因子に依存するが、それ
らに限定されるものではない。本発明の好ましい組成物
は光開始剤を必要としない。
A) 本発明の組成物の用途 1) 特別な重合体の用途 上で述べた特別な重合体には多くの用途がある。それ
ら用途の中で、包装のための多層フィルム構造体中の結
合層として又は単層フィルムとして用いることができ
る。或る態様として、上記特別な重合体のフィルムは実
質的に増大した酸素透過性を有し、新鮮な切り身製品を
包装するのに有用なものになっている。それら特別な重
合体は、包装の熱密封層又は保護層として用いてもよ
く、或はアスファルト添加剤、ホットメルト接着剤、被
覆、又は電線絶縁体として用いることもできる。特別な
重合体は、射出成形、真空成形、又は熱成形の用途で用
いることもできる。上記特別な重合体の多くは、その特
別な重合体を混入した重合体の物理的性質及び性能を改
良するのに用いることもできる。上記特別な重合体を混
合することができる重合体の例には、ポリエチレン;ポ
リプロピレン;エチレン・プロピレン・ブタジエン三元
重合体;エチレン・メチルアクリレート共重合体、エチ
レン・エチルアクリレート共重合体、及びエチレン・ブ
チルアクリレート共重合体のようなエチレン・アルキル
アクリレート共重合体;エチレン・酢酸ビニル共重合
体;エチレン・ビニルアルコール共重合体;ポリ(エチ
レンテレフタレート)のようなポリエステル;ナイロ
ン;変性ポリエチレン(例えば、無水マレイン酸グラフ
トポリエチレン);ポリブテン;エチレン・プロピレン
共重合体;及び他の熱可塑性ポリオレフィンが含まれ
る。
2) 本発明の酸素捕捉性組成物の用途 本発明の酸素捕捉性組成物は多くの分野で有用であ
る。それらは、繊維と接触する酸素を除去するために高
表面積繊維の形に処理することができる。それら組成物
は、酸素を吸収する小さな粒子として分散させることが
でき、或は金属箔、重合体フィルム、金属化フィルム、
又はボール紙のような材料の上に被覆して、或る態様で
は、酸素捕捉性及び(又は)接着性を与えることもでき
る。それら組成物は、単層又は多層の固い肉厚のプラス
チック容器(典型的には8〜100ミルの厚さ)のような
物品の製造、又は単層又は多層可撓性フィルム、特に薄
いフィルム(3ミルより薄く、約0.25ミル位に薄いこと
もある)の製造にも有用である。本発明の組成物の幾つ
かは、よう知られた手段を用いてフィルムに容易に形成
することができる。これらのフィルムは単独で又は他の
フィルム又は材料と組合せて用いることができる。
本発明の組成物は更に、プラスチック包装用物品でフ
ィルム層を形成するのに典型的に用いられている熱可塑
性重合体のような一種類以上の重合体と組合せてもよ
い。或る包装用物品の製造では、よく知られた熱硬化性
材料も重合体希釈剤として用いることができる。
本発明の組成物と希釈剤との組合せの選択は、希望す
る性質に依存する。希釈剤として用いることができる重
合体には、ポリエチレン、低密度又は非常に低い密度の
ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、線状低密度ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、及びエチ
レン・酢酸ビニル、エチレン・アルキルアクリレート又
はメタクリレート、エチレン・アクリル酸又はメタクリ
ル酸、及びエチレン・アクリル酸又はメタクリル酸アイ
オノマーのようなエチレン共重合体が含まれるが、それ
らに限定されるものではない。固い包装用途では、ポリ
スチレンが用いられ、飲料容器のような固い物品ではポ
リエチレンテレフタレート(PET)が屡々用いられてい
る。米国特許第5,021,515号明細書参照。異なった希釈
剤の混合物を用いてもよい。しかし、上で示したように
重合体希釈剤の選択は製造すべき物品及び最終用途に大
きく依存する。そのような選択因子は当分野でよく知ら
れている。
熱可塑性のような希釈剤重合体を用いるならば、それ
は、本発明の組成物との相容性に従って更に選択すべき
である。或る場合には、透明性、清浄性、酸素捕集剤と
しての効果性、バリヤー性、物品の機械的性質及び(又
は)生地が、本発明の組成物と非相容性である重合体を
含む混合物により悪影響を受けることがある。
エチレン・メチルアクリレート共重合体を変性してエ
チレンベンジルアクリレート共重合体を形成する本発明
の組成物の特別な利点の一つは、そのエチレンベンジル
アクリレート共重合体の性質がエチレン・メチルアクリ
レート共重合体及びポリエチレンの性質に実質的に似て
いることである。これによって本発明の組成物を、ポリ
エチレン及びエチレン・メチルアクリレート共重合体が
用いられる広い範囲の用途で含有させることができる。
本発明の組成物と相容性のある重合体との混合物は、
それら重合体を約50℃〜250℃の範囲の温度で一緒に乾
式混合又は溶融混合することにより製造することができ
る。別の混合方法には、溶媒を用い、次にそれを蒸発す
ることが含まれる。酸素捕捉性組成物からフィルム層又
は物品を形成する場合、押出し又は共押出し、溶媒注
型、射出成形、延伸ブロー成形、配向、加熱成形、押出
し被覆、被覆及び硬化、積層、又はそれらの組合せが混
合の後に続くのが典型的であろう。
遷移金属塩、ベンジル、アリル、及び(又は)ヘテロ
原子含有ラジカルからなる懸垂部分を有するポリエチレ
ン系主鎖を有する重合体、場合により、重合体希釈剤及
び添加剤の量は、製造すべき物品及びその最終的用途に
よって変化する。これらの量は希望の酸素捕捉容量、希
望する捕捉速度、酸素捕集剤の誘導期間、及び選択され
た特定の材料にも依存する。
本発明の組成物は、それら組成物が有効な酸素捕集剤
になる前に種々の誘導期間を有する。例えば、本質的に
エチレンベンジルアクリレート共重合体を用いて酸素を
捕捉するためには、組成物は、紫外線にそれを照射する
などして誘導期間を短くするか、又は誘導期間を経過さ
せなければならない。しかし、各フェニルラジカルに置
換した一つ以上のメトキシラジカルを有するエチレンベ
ンジルアクリレート共重合体からなる組成物は、化学線
に照射しなくても誘導期間が非常に短く、従って、その
組成物は殆ど直ちに酸素を捕捉するのに有効である。従
って、与えられた用途に対して選択される特定の組成物
は、一つには酸素を捕捉する前にその組成物を貯蔵すべ
き時間に依存する。例29及び第1図参照。
本発明の組成物からなる層は幾つかの形態にすること
ができる。それらは「配向した」又は「熱収縮性」フィ
ルムを含めたストック(stock)フィルムの形になって
いてもよく、それらは最終的には袋等に加工することが
でき、或は延伸包装フィルムの形にしてもよい。それら
の層は包装内部に入れるシート挿入物の形になっていて
もよい。飲料容器、加熱成形皿又はカップのような固い
物品では、その層は容器の壁内にあってもよい。更に、
その層は容器の蓋又はキャップと一緒に置かれた又はそ
の内部に配置された裏打の形になっていてもよい。層は
上で述べた物品のどれに対しても被覆又は積層すること
さえできる。
エチレンベンジルアクリレート共重合体のような酸素
捕捉性組成物の多くは、多層構造体中の結合層として更
に有用になるのに充分な結合強度を有する。従って、本
発明の組成物を結合して多層フィルムにするために別の
結合層は不必要である。また、酸素捕捉性組成物は、本
発明の組成物から製造された層が熱密封層として更に機
能を果たすのに充分な熱粘着性を有することができる。
多層物品では、本発明の組成物からなる酸素捕捉性層
を、「酸素バリヤー」、即ち室温、即ち約25℃で大気厚
で1日当たり100cc・ミル/m2に等しいか又はそれより小
さい酸素透過速度を有する材料層の如く層と共に含有さ
せてもよいが、それらに限定されるものではない。典型
的な酸素バリヤーは、ポリ(エチレンビニルアルコー
ル)、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリ
(二塩化ビニリデン)、ポリエチレンテレフタレート、
シリカ、及びポリアミドからなる。金属箔層を用いるこ
ともできる。
付加的層は酸素に対し透過性の一つ以上の層を含んで
いてもよい。一つの好ましい態様として、特に食品のた
めの可撓性包装のためには、それらの層は包装の外側か
ら始まってその包装の最も内側の層まで順番に、(i)
機械的強度を与え、湿分バリヤーとして働く構造層(例
えば、高密度ポリエチレン)、(ii)酸素バリヤー層、
(iii)本発明の酸素捕捉性組成物からなる層、及び場
合により、(iv)EVAのような機能性層、を有する。(i
i)の酸素バリヤー性を調節することは、酸素が捕捉用
成分(iii)中へ入る速度を制限し、それによって捕捉
能力の消耗速度を制限することにより包装の捕捉寿命を
調節する手段を与える。多層組成物中の機能性層は、そ
の機能性層と同様、隣接した層が果たすことができない
機能を果たすように追加された層である。機能性層は、
本発明の組成物内に含まれた化合物が包装体内部へ移動
するのを止めるか、又は遅くするバリヤーを与えること
ができる。これらの移動性化合物には、添加剤又は酸素
捕捉の副生成物が含まれる。機能性層は多層フィルムの
熱密封性、透明性、及び(又は)ブロッキング防止性を
改良してもよい。機能性層の酸素透過性を調節すること
も、捕捉用成分(iii)の組成とは独立に全構造体につ
いての酸素捕捉速度に対する上限を設定する手段を与え
る。このことは包装体を密封する前に、空気が存在する
中で扱うフィルムの寿命を長くする目的に役立つ。
多層物品は共押出し、被覆及び(又は)積層を用いて
製造することができる。酸素バリヤー及び酸素透過性層
の外に、他の層を一つのフィルムに結合する働きをする
結合層及び全フィルムを他の表面に対し接着性にする接
着剤層のような更に別の層を、上で列挙したいずれかの
層に隣接させてもよい。結合層又は接着剤層に適切な組
成物には、無水マレイン酸官能性化ポリオレフィンのよ
うな当分野でよく知られたものが含まれる。
組成物の酸素捕捉能力を決定するために、酸素捕捉速
度を、その物品によって密封容器から或る量の酸素がな
くなるまでの経過時間を測定することにより計算するこ
とができる。例えば、捕捉用成分を含むフィルムを或る
酸素を含む雰囲気、例えば典型的には、20.9体積%の酸
素を含む空気の入った気密な密封容器中に入れる。次に
或る時間に亙って、その容器中の雰囲気の試料を取り出
して残留酸素の%を決定する。本発明の組成物及び層の
酸素捕捉速度は、温度及び雰囲気条件が変化すると共に
変化する。
活性酸素バリヤーを製造する時、捕捉速度は25℃及び
1気圧の空気中で1日当たり本発明の組成物1g当たり酸
素0.1cc位の低いものにすることができる。しかし、本
発明の好ましい組成物は、酸素1cc/g/日に等しいか又は
それより大きい速度を有し、従って、それらを包装内部
から酸素を捕捉するのに適したものにするのみならず、
活性酸素バリヤー用に適したものにする。多くの組成物
がO25.0cc/g/日に等しいか又はそれより大きい一層好ま
しい速度を持つようにすることさえできる。一般に活性
酸素バリヤーとして用いるのに適したフィルム層は、25
℃及び1気圧の空気中で測定して、酸素10cc/m2/ミル/
日位の高い酸素透過速度を持つことができる。好ましく
は本発明の層は、酸素約1cc/m2/ミル/日より低い酸素
透過速度を持ち、一層好ましくは同じ条件で酸素約0.2c
c/m2/ミル/日より小さい酸素透過速度を有し、従って
それを活性酸素バリヤー用に適したものにするのみなら
ず、包装内部から酸素を捕捉するのに適したものにして
いる。
活性酸素バリヤーとしての用途では、酸素バリヤー及
び酸素捕捉活性の組合せが1気圧25℃で約1.0cm3・ミル
/m2/日より小さな全酸素透過速度を生ずるのが好まし
い。許容可能な酸素捕捉の別の定義は、実際の包装体を
試験することにより得られる。実際に使用した時、捕捉
速度の要件は、その包装の内部雰囲気、包装体の内容物
及びそれが保存される温度に大きく依存する。実際に使
用した時、酸素捕捉性物品又は包装体の捕捉速度は、約
4週間未満で0.1%未満の内部酸素量を生ずるのに充分
であるべきであることが見出されている。
本発明により製造された包装用物品では、捕捉速度は
第一にその物品中の本発明の組成物の量及び性質に依存
し、第二に捕捉用成分中に存在する他の添加物(例え
ば、希釈剤重合体、酸化防止剤等)の量及び性質に依存
し、その他包装体を製造する全方法、例えば、表面積/
体積比に依存する。
本発明を用いた物品の酸素捕捉能力は、その物品が捕
集剤として役に立たなくなるまでに消費した酸素の量を
決定することにより測定することができる。包装体の捕
捉能力は、上述したように、主に物品中に存在する捕捉
性部分の量及び性質に依存する。
実際に用いた場合、物品に必要な酸素捕捉容量は夫々
の用途の次の三つの因子に大きく依存するであろう: 1. 包装体中に最初から存在する酸素の量、 2. 捕捉性を持たない包装体中に入る酸素の速度、及び 3. 包装体に希望される寿命。
組成物の捕捉容量は酸素1cc/g位の低いものでもよい
が、少なくとも酸素10cc/gであるのが好ましく、一層好
ましくは、少なくとも酸素50cc/gである。そのような組
成物を層状にした時、その層は、好ましくは厚さ1ミル
当たり少なくとも酸素250cc/m2、一層好ましくは厚さ1
ミル当たり少なくとも酸素500cc/m2の酸素容量を有す
る。
他の因子も酸素捕捉に影響を与えることがあり、組成
物を選択する時に考慮すべきである。これらの因子には
温度、相対湿度、及び包装体中に雰囲気が含まれるが、
それらに限定されるものではない。
実施例で例示したように、本発明の或る具体例では、
それらが酸素捕捉を示す前に「誘導期間」を通過する。
この誘導期間は組成物を輻射線に露出することにより実
質的に短くすることができることが見出されている。酸
素捕集剤で酸素捕捉を開始させるとは、ここでは酸素捕
捉の誘導期間が著しく短くなっているか又或は無くなっ
ているように捕捉が促進されているものとして定義す
る。誘導期間は、捕捉用組成物が有用な捕捉性を示すよ
うになる前の期間である。更に、酸素捕捉の開始は、輻
射線が存在しない場合の不確定の誘導期間を有する組成
物にも適用することができる。
酸素捕捉が開始される正確な仕方は知られていない
が、また本発明の特定の理論に限定するものではない
が、酸素捕集剤を輻射線に曝すと次のことの一つ以上が
起きるものと推定されている: a. もし酸化防止剤(一種又は多種)が存在するなら
ば、それらが実質的に枯渇して、酸化を進行させる; b. 遷移金属触媒が、その金属の酸化状態及び(又は)
リガンドの形状が変化することによって活性化し、それ
によってその捕捉効力を増大する;又は c. もし酸化防止剤(一種又は多種)が存在するか残留
するならば、それらの防止効果にも拘わらず系中に存在
する遊離ラジカル及び(又は)過酸化物物質の実質的な
増加。
酸素捕捉性層又は物品を用いた場合、輻射線への露出
はその層又は物品を製造する間又は製造した後に行うこ
とができる。得られた層又は物品を酸素に敏感な製品を
包装するのに用いた場合、露出は包装前、包装中、又は
包装後に行うことができる。照射の均一性を最もよくす
るために、層又は物品が平らなシートの時に露出を行う
のがよい。
遷移金属塩及びエチレンベンジルアクリレートを含む
本発明の組成物は、食品製品を包装するのに実質的な利
点を与える。食物を入れるための物品又はラップは、そ
の組成物から作ることができ、組成物の酸素捕捉能力を
その物品又はフィルムを化学線に照射することにより始
動させ、食品を本発明の組成物内に包む前又は包んだ後
でもその誘導期間を短くすることができる。これによっ
て最も新鮮な香りを有する食品を供給することができ
る。また、食品を包装する時に酸素捕捉性を始動させる
ことにより、最も長い寿命を与えることができる。なぜ
なら、物品又はフィルムの全酸素捕捉能力を、食品から
酸素を排除し続けるのに利用することができるからであ
る。
組成物及び方法を次の実施例により例示するが、それ
らは何等本発明を限定するものではない。
例1 エチレン・ベンジルアクリルアミド共重合体Aのオート
クレーブ合成 40重量%のエチルアクリレート(MA)及び60重量%の
エチレンを含有し、8g/10分のメルトインデックス(M
I)を有するエチレン・メチルアクリレート共重合体100
重量部を、300ccのオートクレーブに100部のベンジルア
ミンと共に導入した。その混合物を窒素中で240℃に5
時間、撹拌し続けながら加熱した。得られた重合体を液
体窒素中で粉砕し、ヘキサンで洗浄し、次にメタノール
で洗浄した。真空中で乾燥した後、107部の重合体Aが
得られた。赤外線分光分析及び窒素分析は、メチルエス
テルが定量的にベンジルアミドへ転化したことを示して
いた。カスタム・レジン社(Custom Resin,Inc.)から
得られたナイロン−6を95部、重合体A5部及び例12で与
える比率のネオデカン酸コバルトと一緒に、ハーケ・シ
ステム(Hakke System)90レオミクス(Rheomix)TW−1
00円錐状二軸スクリュー押出機(今後「ハーケ(Haak
e)−90」と呼ぶ)中で210℃で混合した、例27の方法に
よりフィルムを製造した。
例2 エチレン・3−メトキシベンジル−アクリルアミド共重
合体Bの溶液合成 100重量部のエチレン・メチルアクリレート共重合体
(MA40重量%)を180℃で150部のデカリン中に溶解し、
54部の3−メトキシベンジルアミンを24部の2−ピリド
ンと共に添加し、その溶液を184℃で12時間還流した。
冷却後、重合体溶液をメタノール中で沈殿させ、真空炉
中で乾燥して重合体Bを与えた。赤外線分析はエステル
が定量的にアミドへ転化したことを示していた。カスタ
ム・レジン社から得られたナイロン−6との混合物を、
5部の共重合体B及び95部のナイロン−6をハーケ−90
二軸スクリュー押出機へ210℃で供給することにより調
製した。例27の方法によりフィルムを形成した。
例3 エチレン・メチルアクリレート・ベンジルアクリレート
三元重合体Cの溶液合成 100重量部のエチレン・メチルアクリレート共重合体
(MA20重量%)を、150部のデカリン中に50部のベンジ
ルアルコール及び0.5部のチタン酸テトラエチル、エス
テル交換触媒と共に溶解した。混合物を184℃で3時間
還流し、例2に記載したように処理した。NMR分析は、
メチルエステルが88%ベンジルエステルへ転化したこと
を示していた。
例4 エチレン・メチルアクリレート・ベンジルアクリレート
三元重合体Dの溶液合成 例3の手順を繰り返した。但しチタン酸テトラエチル
の代わりに0.5部のジラウリン酸ジ−ブチル錫を用い
た。重合体Dを分離し、7時間の反応で、メチルエステ
ルからベンジルエステルへの転化率は72%であった。
例5 エチレン・メチルアクリレート・ベンジルアクリレート
三元重合体Eの溶液合成 例3の手順を繰り返した。但しチタン酸テトラエチル
の代わりに0.5部のナトリウムメトキシドを用いた。重
合体Eを分離し、10時間の反応で、メチルエステルから
ベンジルエステルへの転化率は64%であった。
例6 エチレン・メチルアクリレート・ベンジルアクリレート
三元重合体Fの溶液合成 例3の手順を繰り返した。但しチタン酸テトラエチル
の代わりに0.5部のトルエンスルホン酸を用いた。重合
体Fを分離し、15時間の反応で、メチルエステルからベ
ンジルエステルへの転化率は43%であった。
反応押出し 例7〜11を反応押出しにより製造した。これらの例で
はウェルナー・プライデレル(Werner Pfleiderer)ZSK
−30二軸スクリュー押出機を用いた。エチレン・メチル
アクリレート共重合体を押出機に供給し、溶融し、反応
物(一種又は多種)(例えば、ベンジルアルコール)及
び触媒(一種又は多種)を押出機の続く反応領域中に添
加した。次の例ではエチレン・メチルアクリレート共重
合体を用いたが、ここに記載する方法はエチレン・メチ
ルアクリレート共重合体だけを用いた場合に限定される
ものではない。
押出機の二つの通気口によりメチルエステルからベン
ジル又はベンジルエステルへの大きな転化率が得られ、
それらは唯一の通気口しか持たないスクリュー中で屡々
起きる溢流を減少させた。反応物(一種又は多種)及び
触媒(一種又は多種)を添加した点より下流の第一通気
口を大気圧中に開いて反応副生成物(これらの例ではメ
タノール)を逃がした。副生成物は僅かな真空中で除去
してもよい。第一のものより下流にある第二通気口は真
空にし、残留反応物(例えば、ベンジルアルコール)を
除去したが、それらは通常副生成物よりも高い沸点を有
するものである。もし望むならば、下流に付加的な通気
口を用いることができる。
押出機中の温度は、重合体を劣化することなく、主に
溶融重合体、反応物(一種又は多種)及び触媒(一種又
は多種)の均一な混合物を与えるように選択した。しか
し、温度は、副生成物と反応物(副生成物が反応物より
も低い沸点を有する場合)の間の蒸気圧に最も大きな差
を生ずるように選択した。通常、温度は反応物の沸点
か、又はそれより僅かに低いであろう。
次の例の幾つかでは、エチレン・メチルアクリレート
共重合体及びベンジルアルコールは、ベンジルアルコー
ルの沸点である約205℃で反応させた。第一の通気口圧
力は約760mmHgであり、第二通気口圧力は約25mmHgであ
った。この方法は共重合体、反応物、及び触媒の均一な
混合物を与え、ベンジルアルコールとメタノールとの蒸
気圧に最大の差を与えた。この手順は、副生成物、メタ
ノール、及び過剰の反応物、ベンジルアルコールの両方
を除去するのに一つの通気口を用いた方法よりも、メチ
ルエステルからベンジルエステルへの向上した転化率を
与える。
例7 反応押出しによるエチレン・メチルアクリレート・ベン
ジルアクリレート三元重合体Gの製造 エチレン・メチルアクリレート共重合体(MA40重量
%、MI 8g/10分)を、ウェルナープライデレルZSK−30
二軸スクリュー押出機中へ3kg/時間の供給速度で約205
〜210℃のバレル温度で供給した。ベンジルアルコール
及びチタン酸テトラエチルを第一混合領域中へ、夫々1.
5kg/時及び15g/時の速度で供給した。得られた重合体を
ペレット化し、NMR分析は、メチルエステルからベンジ
ルエステルへの転化率が29%であり、検出可能な量の遊
離ベンジルアルコールはないことを示していた。得られ
る三元重合体Gのメルトインデックスは190℃で7.75g/1
0分であり、その組成はエチレン54重量%、メチルアク
リレート26重量%、及びベンジルアクリレート20重量%
であった。重合体の組成はNMR分析に基づいて計算し
た。
例8 反応押出しによるエチレン・メチルアクリレート・ベ
ンジルアクリレート三元重合体Hの構造 例7の手順を繰り返した。但しMA24重量%及びMI 2g
/10分であるエチレン・メチルアクリレート共重合体を
用い、ベンジルアルコール及びチタン触媒の供給速度を
夫々1.8kg/時及び18g/時にした。生成物、重合体Hは、
2.19のMIを有し、NMR分析によるメチルエステルからベ
ンジルエステルへの転化率は51%であった。重合体Hの
エチレン/メチルアクリレート/ベンジルアクリレート
の重量比は69/10/21であった。
例9 フェニル環に部分的3−メチル置換を有するエチレン・
メチルアクリレート・ベンジルアクリレート三元重合体
H−Meの製造 重合体H−Meを製造するのに例8の手順に従った。但
し例8のベンジルアルコールの代わりに99重量%のベン
ジルアルコール及び1重量%の3−メチルベンジルアル
コールの溶液を用いた。NMR分析に基づき、メチルエス
テルラジカルの48%がベンジルエステルラジカル、又は
3−メチルベンジルエステルラジカルに転化した。エチ
レン/メチルアクリレート/ベンジルアクリレートの重
量比は69/11/20であった。
例10 フェニル環に部分的3−メトキシ置換を有するエチレン
・メチルアクリレート・ベンジルアクリレート三元重合
体H−OMeの製造 重合体H−OMeを製造するのに例9の手順に従った。
但し例9の3−メチルベンジルアルコールの代りに3−
メトキシベンジルアルコールで置き換えた。メチルエス
テルラジカルの45%がベンジルエステルラジカル、又は
3−メトキシベンジルエステルラジカルに転化した。エ
チレン/メチルアクリレート/ベンジルアクリレートの
重量比は重合体H−OMeでは69/12/19であった 例11 反応押出しによるエチレン・メチルアクリレート・ベン
ジルアクリレート三元重合体Iの製造 例7の手順を繰り返した。但しMA20%、MI 6g/10分
であるエチレン・メチルアクリレート共重合体を供給重
合体として用いた。生成物重合体Iは、6.25g/10分のメ
ルトインデックスを有し、NMR分析に基づくメチルエス
テルラジカルからベンジルエステルラジカルへの転化率
は39%であった。エチレン/メチルアクリレート/ベン
ジルアクリレートの重量比は75/11/14であった。
例12 コバルト塩と重合体Aとの混合 1000部の重合体Aペレットを、20部のヘキサン中で8.
3部のネオデカン酸コバルト(1部のコバルトを含有す
る)と回転混合した。ヘキサンを真空により除去し、コ
バルト被覆樹脂をペレット状に押出し、次に例27の方法
によりフィルムにした。
例13 コバルト塩と重合体Bの混合 重合体Aの代わりに重合体Bを用いて例12の方法を繰
り返した。
例14 コバルト塩と重合体Cの混合 重合体Aの代わりに重合体Cを用いて例12の方法を繰
り返した。この重合体から製造されたフィルムは次の性
質を持っていた:抗張力1243psi;伸び726%;及び融点8
6℃。
抗張力、伸び、ヤング率、及び1%セカント(secan
t)の分析はASTM法No.D−882により行なった。
例15 コバルト塩と重合体Dの混合 重合体Aの代わりに重合体Dを用いて例12の方法を繰
り返した。
例16 コバルト塩と重合体Eの混合 重合体Aの代わりに重合体Eを用いて例12の方法を繰
り返した。
例17 コバルト塩と重合体Fの混合 重合体Aの代わりに重合体Fを用いて例12の方法を繰
り返した。
例18 コバルト塩と重合体Gの混合 重合体Aの代わりに重合体Gを用いて例12の方法を繰
り返した。
例19 コバルト塩と重合体Hとの混合による重合体H−1000の
形成 重合体Aの代わりに重合体Hを用いて例12の方法を繰
り返した。
例20 コバルト塩と重合体Hとの混合による重合体H−250の
形成 20部のヘキサンに入れた8.3部のネオデカン酸コバル
トの代わりに、5部のヘキサン中に入れた2.1部のネオ
デカン酸コバルト(0.25部のコバルトを含有する)を用
いて、例19の方法を繰り返した。
例21 コバルト塩と重合体Hとの混合による重合体H−500の
形成 20部のヘキサンに入れた8.3部のネオデカン酸コバル
トの代わりに、10部のヘキサン中に入れた4.2部のネオ
デカン酸コバルト(0.50部のコバルトを含有する)を用
いて、例19の方法を繰り返した。
例22 コバルト塩と重合体Hとの混合による重合体H−2000の
形成 20部のヘキサンに入れた8.3部のネオデカン酸コバル
トの代わりに、40部のヘキサン中に入れた16.6部のネオ
デカン酸コバルト(2.0部のコバルトを含有する)を用
いて、例19の方法を繰り返した。
例23 コバルト塩と重合体H−Meの混合 重合体Aの代わりに重合体H−Meを用いて例12の方法
を繰り返した。
例24 コバルト塩と重合体H−OMeとの混合 重合体Aの代わりに重合体H−OMeを用いて例12の方
法を繰り返した。
例25 コバルト塩と重合体Iとの混合 重合体Aの代わりに重合体Iを用いて例12の方法を繰
り返した。
例26 共重合体へのコバルト塩の溶融混合 重合体A〜Iを、夫々約180℃でZSK−30二軸スクリュ
ー押出機で溶融処理した。重合体供給速度は10kg/時に
維持し、一方ネオデカン酸コバルトを第一混合領域中に
83g/時の速度で導入した。約1000ppmのCoを含有する生
成物をペレット化し、後のフィルム処理のために保存し
た。
例27 ランドキャッスル押出機による重合体フィルムの製造 ランドキャッスル・マイクロトルーダー(Randcastle
Microtruder)を用いてコバルトを含む重合体の約5ミ
ル圧の単層フィルムを押出した。型温度、供給ブロッ
ク、アダプターは420゜Fに設定し、供給器の回転速度は
143rpmに設定した。全てのフィルムは柔らかくて可撓性
であり、良好の透明性を有することが観察された。
例28 酸素捕捉のUV開始 酸素捕捉の研究を行う前に幾つかのフィルムを参照し
た。これらのフィルムは15ワットUVランプ〔UVP社によ
り製造されたブラク・レイ(Blak−Ray)ランプ、型XX
−15S〕の下で5インチの距離で5分間UV線に露出し
た。
UV照射の効果は、例えば例19の重合体H−1000につい
て明確に見られた。照射したフィルムは遥かに一層迅速
に酸素を捕捉した。
例29 UV照射をしない酸素捕捉 例19、23及び24からの各重合体のフィルム2gを別々の
1リットル容量の瓶中に入れて密封し、モコン(Moco
n)710酸素分析器を用いて酸素の枯渇について調べた。
第1図に示した結果は、これらの試料がフェニル環に
置換した基により、UV照射がなくても種々の速度で酸素
を捕捉することを示している。
例30 酸素捕捉速度及び容量の研究 25℃及び55℃での酸素除去速度及び容量を、特定化し
たように、20.9%又は2%の酸素が入った密封瓶中に重
合体フィルム試料を入れ、ガスクロマトグラフ及び(又
は)モコン710酸素分析器により酸素枯渇を検出するこ
とにより測定した。
22cc及び250ccの容量の瓶に対し約5gの重合体フィル
ムを用いた。1リットル容量の瓶に対し約2gの重合体フ
ィルムを用いた。ガスクロマトグラフ(GC)又はモコン
710酸素分析器により酸素の枯渇について調べた。次の
表1は、22cc、250cc、及び1リットルの瓶について記
録された酸素捕捉活性度を例示している。
例31 酸素捕捉容量の研究 例19の重合体(重合体H−1000)のフィルム1g当たり
の全酸素吸収容量を測定し、第2図に示す。また、酸素
濃度を低くして(即ち、O22%で出発して)最初の数日
間で重合体H−1000が酸素を捕捉する容量を測定し、市
販の酸素捕集剤、三菱ガス化学社から入手できるエージ
レスと比較した(第3図参照)。これらの条件は食物包
装中に窒素ガスで酸素を追い出す方法に類似している。
第3図は重合体H−1000が低い濃度での酸素捕捉につい
てエージレスより優れていることを示している。なぜな
ら、重合体H−1000は、容器頂部空間から0.02%の酸素
以外全て捕捉したのに対し、エージレスは0.12%の酸素
を残していたからである。
例32 酸素捕捉速度及び容量に対するコバルト含有量の影響 重合体Hを用いた組成物のコバルト含有量を変化させ
て、酸素捕捉速度に対するその影響を決定した。酸素捕
捉速度及び容量を、例19〜22の重合体のUV照射フィルム
について測定し、結果を第4図に示す。
例33 改良されたバリヤー性 例25の重合体を市販酸素バリヤーエチレンビニルアル
コール(HVOH)〔アメリカのエバル社(Eval Co.)から
入手できる、等級エバルF−104〕及びバイネル(Byne
l)388結合層(デュポンから入手できる)と一緒にラン
ドキャッスル・ミニトルーダーを用いて押出した。得ら
れた3層構造体は、EVOH単独よりも酸素透過速度が1/4
に減少していることを示していた。同様な結果は例19の
重合体H−1000を用いて作った3層構造体についても観
察されている。第5図参照。
比較例34 コバルトを含むエチレン・メチルアクリレート共重合体
の酸素捕捉性能 24重量%のMA及び2g/10分のMIを有するエチレン・メ
チルアクリレート共重合体〔シェブロンにより製造され
ているEMAC(登録商標名)共重合体等級SP−2260〕を、
例12で述べたように1000ppmのコバルトと混合した。コ
バルト塩含有樹脂を例27に記載したようにフィルムに押
出した。例28に記載したように、UV照射を用い、又は用
いずに、それらのフィルムを試験した。どちらの場合で
も酸素の捕捉は殆ど見られなかった。
例35 酸化生成物の分析 重合体H−1000を、1000ccの容量を持つ瓶中に5gの試
料を入れて6日間酸化し、メタノールで抽出し、濃縮
し、ガスクロマトグラフ、及び質量分光分析を具えたガ
スクロマトグラフにより分析した。酸化生成物の95%以
上が安息香酸であった。
重合体H−1000の物理的性質を、6日間に亙って重合
体H−1000の1g当たり40.6ccの酸素を捕捉する前及び後
に分析した。これらの結果を表2に要約する。
例36 エチレン・ブチルアクリレート・無水マレイン酸三元重
合体からベンジルイミド含有三元重合体の合成 3%の無水マレイン酸を含むロタドール(Lotador)4
700(Elfアトケムから入手できる)100部と、3−メト
キシベンジルアミン10部とを50部のデカリン中で150℃
で3時間練り、次に真空中で185℃で2時間酸アミドを
脱水した。生成物の形成は、赤外線分光分析により無水
物帯からイミド帯への移行により検出することができ
る。重合体溶液をメタノール中で析出し、次に濾過し、
一晩真空乾燥して、無水物からイミドへの部分的転化が
行われた重合体生成物を生成させた。上で述べたよう
に、この重合体に1000ppmのコバルトを配合した。この
重合体の薄いフィルムをランドキャッスル・ミクロトル
ーダーで押出した。
例37 エチレン・3−メチルフェニルアクリレートの合成 100部のEMAC共重合体SP−2260(シェブロン・ケミカ
ル社から入手できる)、16部のメタ−メチルフェノー
ル、及び0.5部のチタン酸テトラエチルをデカリン中で1
80℃で6時間還流した。重合体生成物をメタノール中で
析出させ、メチルエステルラジカルの36%が3−メチル
フェニルエステルラジカルへ転化した重合体を与えた。
ネオデカン酸コバルトを例12の方法により添加し、この
場合エチレン・3−メチルフェニルアクリレートを重合
体Aの代わりとし、例27の方法によりフィルムを作っ
た。この組成物は酸素をゆっくり捕捉した。
比較例38 酸素捕集剤としてのポリスチレン ヘキサン中に約20重量%のネオデカン酸コバルトを入
れた溶液を、シェブロンEA3000等級のポリスチレン(ゴ
ム変性はされていない)のペレット上に、最終組成物中
のコバルトが重量で約1000ppmになるのに充分な量で室
温で分散させた。回転真空蒸発器を用いて溶媒を除去し
た。例27の方法によりフィルムを作った。酸素捕捉性能
を例30の方法により決定し、表1に要約する。この例
は、エチレン系主鎖に懸垂したベンジルラジカルが、フ
ェニルのようなアリールラジカルよりも、両方の組成物
とも重合体主鎖中に存在する第三水素原子を有するにも
拘わらず、酸素捕捉に遥かに一層有効であることを示し
ている。
例39 ポリ(メチルメタクリレート−ベンジルメタクリレー
ト) 350g(3.5モル)のポリメチルメタクリレート〔ロー
ム・アンド・ハース社からのプレクシグラス(Plexigla
ss)VO44〕、378g(3.5モル)のベンジルアルコール、
及び0.54g(0.1モル%)の酸化防止剤イルガノックス
(Irganox)1076を180℃に加熱し、それらを550ccのデ
カリン中へ溶解した。13.86gのチタン酸テトライソプロ
ピルを添加し、温度を180〜190℃に14時間維持し、この
時間の間に23mlのメタノール含有留出物を収集し、反応
を止めた。重合体をメタノール中で析出させ、次にヘキ
サンで洗浄した。真空炉中で55℃で一晩乾燥した後、40
4gの重合体を回収し、そのDSC融点は93〜94℃であっ
た。NMR分析は、22.6%のメチルエステルからベンジル
エステルへの転化率を示していた。
この重合体を例12の方法によりネオデカン酸コバルト
と混合し、例27の場合と同様にフィルムを製造した。上
で述べたようにそのフィルムをUV照射した。このフィル
ムは25℃で約25日間で、重合体1g当たり約10ccの酸素を
捕捉した。
例40 ポリ(エチレン−酢酸ビニル−酢酸フェニル)の合成 3kg/時のエチレン・酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル
33%)及び0.5重量%のイルガノックス1076を、225℃の
バレル温度を有する押出機中に供給した。キシレン中に
80%のフェニル酢酸及び0.2重量%のトルエンスルホン
酸を含む溶液0.5kg/時を第一混合領域中に供給した。得
られた重合体をペレット化し、溶解し、メタノール中で
析出し、真空中で乾燥した。この重合体を、例12に記載
したように遷移金属塩と混合した。
例41 ジベンジル1,10−デカンカルボキシレートの合成 230gの1,10−デカンカルボン酸、238gのベンジルアル
コール、及び0.5gのトルエンスルホン酸を200mlのトル
エン中に溶解し、撹拌しながら105℃へ持って行った。
その混合物をこの温度で10時間維持し、2モルの水をゆ
っくり蒸留除去した。過剰のベンジルアルコール及びト
ルエンを真空により除去した。収量は454gであった。構
造をNMRで確認した。
例42 類別した特別な重合体の反応押出し合成 24重量%のMA及び2g/10分のMIを有するエチレン・メ
チルアクリレート共重合体を、例7の方法により押出機
中でチタン酸テトラエチル触媒の存在下で、表3に示し
た化合物と夫々エステル交換した。得られた重合体はエ
ステル基を含み、この場合、表3に転化したものとして
示してあるメチルアクリレートの或る割合のメチル部分
をアルコールのヒドロカルビル基で置き換えた。
例43 選択された特別な重合体からの酸素補集剤 1000ppmのコバルトをネオデカン酸コバルトとして重
合体J〜Nのペレットと夫々一緒にし、それら重合体の
ペレット中へ均一に混合した。それら重合体の各々から
フィルムを製造した。
例44 類別した特別な重合体の反応押出し合成 24重量%のMA及び2g/10分のMIを有するエチレン・メ
チルアクリレート共重合体を、実質的に例7の方法によ
り押出機中でチタン酸テトライソプロピル触媒の存在下
で、表4に列挙した化合物で夫々エステル交換した。得
られた重合体はエステル基を含み、この場合、表4に転
化したものとして示してあるメチルアクリレートの或る
割合のメチル部分をアルコールのヒドロカルビル基で置
き換えた。列挙したアルコールは全てアルドリッチから
入手したものである。但しヒドロキシポリブタジエンは
ニッソ(Nisso)から入手した。
例45 類別した特別な重合体の溶液合成 24重量%のMA及び2g/10分のMIを有するエチレン・メ
チルアクリレート共重合体を、実質的に例3の方法によ
り溶液中でチタン酸テトライソプロピル触媒の存在下
で、表5に列挙した化合物で夫々エステル交換した。得
られた重合体はエステル基を含み、この場合、表5に転
化したものとして示してあるメチルアクリレートの或る
割合のメチル部分をアルコールのヒドロカルビル基で置
き換えた。列挙したアルコールは全てアルドリッチから
入手したものである。但しヒドロキシポリブタジエンは
ニッソから入手し、オセノール(オレオアルコールとリ
ノレオアルコールとの混合物)はヘンケル(Henkel)か
ら入手したものである。110/130及び90/95は、オセノー
ルの沃素価を示している。
例46 選択した特別な重合体からの酸素補集剤 ネオデカン酸コバルト(別に指示しない限り)からの
Co1000ppmを、上記表4及び5の選択された重合体のペ
レット中へ均一に混合し、実質的に例27の方法により単
層フィルムを押出した。各フィルムをブラック・レイ
(Blak−Ray)UVランプ(254nm、5mW/cm)で120分間
照射し、大気の入った1000cc瓶中に入れた。瓶を室温
(別に指示しない限り)に維持し、捕捉された酸素の量
を周期的に決定し、瓶中の重合体試料の重量で割った。
酸素捕捉結果を、表6〜16に列挙する。
例47 オレイルアルコールを用いた溶液エステル交換 24%のMA及び2のMIを有するエチレン・メチルアクリ
レート共重合体を、実質的に例3の方法によりオレイル
アルコールを用いてエステル交換した。メチルアクリレ
ート基の34%がオレイルアクリレート基に転化した。ネ
オデカン酸コバルトとして1000ppmのコバルトを、エス
テル交換した重合体中に均一に混合し、実質的に例27の
方法により重合体のフィルムを作った。この組成物の酸
素捕捉性能を表17及び18に要約する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08K 5/098 C08K 5/098 // B65D 65/40 B65D 65/40 D (72)発明者 カレント,スチーブン ピー. アメリカ合衆国 94947 カリフォルニ ア州ノバト,マックレイ ロード 816 (72)発明者 セアード,レスリー ピー. アメリカ合衆国 77042 テキサス州ヒ ューストン,ウエストパーク 10050, ナンバー 1003 (56)参考文献 特開 昭61−85416(JP,A) 特開 平5−93189(JP,A) 国際公開95/2616(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/00 - 23/36 C08K 5/098 C08F 8/14 C08J 5/18 B32B 27/00 - 27/42 B65D 65/40 (54)【発明の名称】 エチレン系主鎖及びベンジル、アリル、又はエーテル−含有側鎖を有する組成物、それを含有す る酸素捕捉性組成物、及びそれら組成物を重合体溶融物のエステル化又はエステル交換により製 造する方法

Claims (48)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遷移金属塩、及びエチレン系又はポリエチ
    レン系主鎖を有する化合物からなる組成物において、前
    記化合物が、酸素捕捉条件下で共鳴安定化遊離ラジカル
    を形成する炭素原子を含む懸垂又は末端部分を有し、懸
    垂又は末端部分が、少なくとも一つのα水素を有するア
    リル又はエーテル部分からなる、組成物。
  2. 【請求項2】遊離ラジカルが酸素捕捉条件下で、隣接基
    で、その基の中の他の原子にπ結合しているか又は結合
    していないp電子を有する隣接基により安定化されてい
    る、請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】組成物が、その組成物の1g当たり少なくと
    も1ccの酸素を捕捉するのに有効である、請求項1に記
    載の組成物。
  4. 【請求項4】アリル水素を有する炭素原子、又はエーテ
    ルラジカルの酸素原子に結合した炭素原子、に直接結合
    したヘテロ原子含有ラジカルを更に有する、請求項1に
    記載の組成物。
  5. 【請求項5】ラジカルが、水素、1〜18個の炭素原子を
    有するアルキルラジカル、1〜16個の炭素原子を有する
    アルコキシラジカル、1〜6個の炭素原子を有するアミ
    ンラジカル、1〜16個の炭素原子を有する酸のエステル
    及びアミドラジカル、6〜24個の炭素原子を有するアリ
    ールラジカル及び置換アリールラジカル、及び6〜24個
    の炭素原子を有するアリールエーテルラジカル及び置換
    アリールエーテルラジカルからなる群から選択された少
    なくとも一つのラジカルで置換されたラジカルからな
    る、請求項4に記載の組成物。
  6. 【請求項6】ヘテロ原子含有ラジカルが、エステル、ア
    ミド、及びイミドラジカルからなる群から選択されてい
    る、請求項4に記載の組成物。
  7. 【請求項7】エステル、アミド、及びイミドラジカル
    が、直接エチレン系又はポリエチレン系主鎖に結合して
    いる、請求項6に記載の組成物。
  8. 【請求項8】エステルラジカルが、そのエステルラジカ
    ルの炭素原子を通して直接エチレン系又はポリエチレン
    系主鎖に結合している、請求項7に記載の組成物。
  9. 【請求項9】アミドラジカルが、そのアミドラジカルの
    炭素原子を通して直接エチレン系又はポリエチレン系主
    鎖に結合している、請求項7に記載の組成物。
  10. 【請求項10】ヘテロ原子含有ラジカルが、エステル及
    びアミドラジカルからなる群から選択されている、請求
    項2に記載の組成物。
  11. 【請求項11】成分が、エチレン系又はポリエチレン系
    主鎖を有し、前記エチレン系又はポリエチレン系主鎖に
    直接結合した約1〜約17.9モル%のポリ(1,2−ブタジ
    エニル)エステル、6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘ
    プト−2−エン−エチルエステル、3−メチル−3−ブ
    テニルエステル、2,6−ジメチルオクト−2,6−ジエニル
    エステル、シンナミルエステル、トリメチルプロパンジ
    アリルエーテルエステル、2,6,10−トリメチルドデカ−
    2,6,10−トリエニルエステル、オレイルエステル、及び
    (又は)リノレイルエステルラジカルを有する重合体か
    らなる、請求項10に記載の組成物。
  12. 【請求項12】組成物が、遷移金属元素1モル当たり20
    〜200モルのラジカルを含有する、請求項11に記載の組
    成物。
  13. 【請求項13】遷移金属塩がネオデカン酸コバルト及び
    (又は)安息香酸コバルトからなる、請求項12に記載の
    組成物。
  14. 【請求項14】重合体が、ナトリウム、亜鉛、カリウ
    ム、又はアンモニウム対イオンを含む、請求項11に記載
    の組成物。
  15. 【請求項15】重合体が、更にエチレン系又はポリエチ
    レン系主鎖及び懸垂カルボキシラジカルを有する、請求
    項11に記載の組成物。
  16. 【請求項16】重合体が、更にエチレン系又はポリエチ
    レン系主鎖及び懸垂アルキルエステルラジカルを有す
    る、請求項11に記載の組成物。
  17. 【請求項17】懸垂アルキルエステルラジカルがメチル
    エステルラジカルからなる、請求項16に記載の組成物。
  18. 【請求項18】組成物が、約0.3〜約17.2モル%のメチ
    ルエステルラジカルを含む、請求項17に記載の組成物。
  19. 【請求項19】組成物が、約0.3〜約8.9モル%のメチル
    エステルラジカルを含む、請求項17に記載の組成物。
  20. 【請求項20】組成物が、遷移金属元素1モル当たり10
    〜2000モルのラジカルを含む、請求項4に記載の組成
    物。
  21. 【請求項21】組成物が、遷移金属元素1モル当たり20
    〜200モルのラジカルを含む、請求項4に記載の組成
    物。
  22. 【請求項22】遷移金属塩がコバルト塩からなる、請求
    項21に記載の組成物。
  23. 【請求項23】遷移金属塩がネオデカン酸コバルト及び
    (又は)安息香酸コバルトからなる、請求項21に記載の
    組成物。
  24. 【請求項24】遷移金属塩及びラジカルが、酸素を捕捉
    するのに有効な量で存在する、請求項3に記載の組成
    物。
  25. 【請求項25】エチレンアルキルアクリレート共重合体
    と、アリルアルコール、及びエーテルアルコールからな
    る群から選択されたエステル交換用化合物と反応させる
    ことにより製造され、然もアルキルエステル、及びアリ
    ル、又はエーテルエステルラジカルを有する重合体。
  26. 【請求項26】5モル%より多いアリルエステル、及び
    (又は)エーテルエステルラジカルを有する、請求項25
    に記載の重合体。
  27. 【請求項27】エチレンアルキルアクリレート共重合体
    が、基準エチレン−アルキルアクリレート共重合体より
    も少なくとも約6゜F高い融点温度を有し、前記基準共
    重合体が多重領域オートクレーブ反応器中で製造された
    ものであり、前記基準共重合体を製造する時の反応領域
    中のアルキルアクリレート対エチレンの比が、前記多重
    領域オートクレーブ反応器に供給される全エチレン対ア
    ルキルアクリレート比にほぼ等しい、請求項25に記載の
    重合体。
  28. 【請求項28】エチレン系又はポリエチレン系主鎖と、
    アリル水素を有する懸濁部分とを有する化合物からなる
    重合体。
  29. 【請求項29】アリル水素を有する部分が環式である、
    請求項28に記載の重合体。
  30. 【請求項30】エチレン系又はポリエチレン系主鎖及び
    懸垂エーテル部分を有する化合物からなる重合体。
  31. 【請求項31】重合体が、エチレンと、ポリ(1,2−ブ
    タジエニル)アクリレート、6,6−ジメチルビシクロ
    [3.1.1]ヘプト−2−エン−エチルアクリレート、3
    −メチル−3−ブテニルアクリレート、2,6−ジメチル
    オクト−2,6−ジエニルアクリレート、シンナミルアク
    リレート、トリメチルプロパンジアリルエーテルアクリ
    レート、2,6,10−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニ
    ルアクリレート、及びオレイル及び(又は)リノレイル
    アクリレートからなる群から選択されたコモノマーとの
    共重合体である、請求項28又は30に記載の重合体。
  32. 【請求項32】エーテル部分が環式である、請求項30に
    記載の重合体。
  33. 【請求項33】エーテル部分が単環式であり、2〜7個
    の炭素原子を有する、請求項32に記載の重合体。
  34. 【請求項34】懸垂部分の少なくとも一部が環式であ
    る、請求項28又は30に記載の重合体。
  35. 【請求項35】重合体が、エチレンと、テトラヒドロフ
    ルフリルアクリレート、ポリエチレングリコールアクリ
    レート、モノメチルエーテルアクリレート、及び2−メ
    チルテトラヒドロピランアクリレートからなる群から選
    択されたコモノマーとの共重合体である、請求項30に記
    載の重合体。
  36. 【請求項36】ポリエチレン系主鎖、及びオキサゾリ
    ン;炭素原子に少なくとも一つのエポキシラジカルが置
    換されたC1〜C18エステル;少なくとも一つの水素原子
    がC1〜C18アルキルラジカルで置換された2−アミノア
    ルキルエステル;エチルアミンエステル;ポリアミドエ
    ステル;及び次のエステル及びアミド: 〔式中、aは1〜18(両数字を含む)の整数、bは1〜
    12(両数字を含む)の整数、cは0〜12(両数字を含
    む)の整数である。〕 からなる群から選択された少なくとも一つの懸垂ラジカ
    ルを有する重合体。
  37. 【請求項37】請求項3に記載の組成物からなるフィル
    ム。
  38. 【請求項38】請求項3に記載の組成物からなるフィル
    ム又は物品中の層。
  39. 【請求項39】A) 酸素バリヤー層からなる第一層;
    及び B) 請求項24に記載の組成物からなる第二層、 を有する多層組成物。
  40. 【請求項40】機能性層からなる第三層を更に有する、
    請求項39に記載の多層組成物。
  41. 【請求項41】構造層からなる第三層を更に有する、請
    求項39に記載の多層組成物。
  42. 【請求項42】機能性層からなる第四層を有する、請求
    項41に記載の多層組成物。
  43. 【請求項43】請求項42に記載の組成物からなる堅い肉
    厚の物品。
  44. 【請求項44】請求項42に記載の酸素捕捉組成物からな
    る、単層又は多層の、フィルム又は固い肉圧の物品。
  45. 【請求項45】請求項3に記載の酸素捕捉組成物からな
    る、請求項44に記載の多層の、フィルム又は固い肉圧の
    物品。
  46. 【請求項46】少なくとも一つの層が酸素捕捉層からな
    る、請求項45に記載の多層の、フィルム又は固い肉圧の
    物品。
  47. 【請求項47】少なくとも一つの層が機能性層からな
    る、請求項46に記載の多層の、フィルム又は固い肉圧の
    物品。
  48. 【請求項48】少なくと一つの層が構造層からなる、請
    求項46又は47に記載の多層の、フィルム又は固い肉圧の
    物品。
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