JP3086144U - キャリア兼用の折り畳み椅子 - Google Patents

キャリア兼用の折り畳み椅子

Info

Publication number
JP3086144U
JP3086144U JP2001007580U JP2001007580U JP3086144U JP 3086144 U JP3086144 U JP 3086144U JP 2001007580 U JP2001007580 U JP 2001007580U JP 2001007580 U JP2001007580 U JP 2001007580U JP 3086144 U JP3086144 U JP 3086144U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
support member
chair
leg
backrest
seating surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001007580U
Other languages
English (en)
Inventor
佳男 加藤
Original Assignee
日本治具株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 日本治具株式会社 filed Critical 日本治具株式会社
Priority to JP2001007580U priority Critical patent/JP3086144U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3086144U publication Critical patent/JP3086144U/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 座面を荷台として兼用しても荷物が落下しな
いようにし、長時間座っても疲れないようにし、折り畳
んだ状態での自立が可能であり、椅子を開いた状態で椅
子の前後方向に容易にまたぐことができるようにする。 【解決手段】 右脚部材10と左脚部材12にそれぞれ
肘掛け16、22を設けているので,座面28を荷台と
して使用するときに,これらの肘掛けが荷物の落下を防
ぐ。第1及び第2の座面支持部材24、26が,正面か
ら見てX字形に交差して回動可能になっているので,左
右方向に折り畳むことができる。キャスター86付きの
折り畳み椅子を左右方向に折り畳み可能にしているの
で,折り畳んだ状態でも自立可能である。L字形の取っ
手74は鉛直面内で回動可能であり,キャリアとして使
わないときは,取っ手74を倒した姿勢にできる。椅子
を開いた状態で背もたれ66を後ろに倒すことができ,
椅子を前後方向にまたぐことができる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案はキャリアとして兼用できる折り畳み椅子に関し,特に,釣り用の椅子 として好適なキャリア兼用の折り畳み椅子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
キャリア兼用の折り畳み椅子で,かつ,釣り用の工夫が施されたものとして、 いくつかの公知技術が知られている。
【0003】 実用新案登録第3010999号公報(以下,公知文献1という)は,キャス ターが4個付いた折り畳み可能な釣り用の椅子を開示している。荷物は台車部分 に載せることができる。
【0004】 実開昭58−86762号公報(以下,公知文献2という)は,後部にキャス ターが2個付いた折り畳み可能な釣り用の椅子を開示している。座面の前方に荷 台が付いており、背もたれの上部枠はキャリアの取っ手になっている。
【0005】 実開昭62−68573号公報(以下,公知文献3という)は,後部にキャス ターが2個付いた折り畳み可能な釣り用の椅子を開示している。キャリアとして 利用するときの取っ手は伸縮自在である。座面に荷物を載せたときに荷物が落下 するのを防ぐために,荷物に「ひも」を掛けるようにしている。
【0006】 実開平1−14470号公報(以下,公知文献4という)は,後部にキャスタ ーが2個付いた折り畳み可能な釣り用の椅子を開示している。座面の後方に荷台 が付いている。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
上述した従来のキャリア兼用の折り畳み椅子には次のような問題点がある。第 1の問題点は,荷物を載せるための機能に関するものである。公知文献1,2, 4は,キャリアとして使用できるように,荷物を載せるための専用の荷台を椅子 に設けている。したがって,比較的大型になる。一方,文献3は座面を荷台兼用 にしているので比較的小型で済むが,座面から荷物が落下するのを防ぐために, 荷物に「ひも」を掛けるようにしている。
【0008】 第2の問題点は,折り畳み方向に関するものである。公知文献1〜4はすべて ,椅子を前後方向に折り畳んでいる。金属パイプ製の椅子を前後方向に折り畳む ようにすると,次のような問題がある。座面を支持するパイプが座面の前後に位 置するので,この座面支持パイプが左右方向に延びることになる。そうすると, 前方の座面支持パイプが,椅子に座る人の腿の内側に当たることになり,釣りな どで長時間椅子に座る場合には,腿の内側が痛くなる。また,キャスター付きの 折り畳み椅子を前後方向に折り畳むと,キャスターが回転することもあって,特 にキャスターが2個付いているタイプは,前後に倒れ易くなり,折り畳んだ状態 での自立が難しくなる。したがって,折り畳んだ状態では,壁などに立て掛ける か,横に寝かせておくしかない。
【0009】 第3の問題点は,背もたれに関するものである。公知文献1〜4はすべて,椅 子を開いた状態で背もたれが倒れるようにはなっていない。釣り用の狭いテント の内部で折り畳み椅子を使う場合に,テントの出入り口(椅子の後方に位置する )から一時的に外に出ようとすると,椅子が邪魔になる。椅子を折り畳んでしま えば出入り口を通ることは容易であるが,椅子を開いた状態では椅子が邪魔にな る。椅子をまたいで後方に行けばよいが,背もたれをまたぐのは容易ではない。
【0010】 本考案は上述の問題点を解決するためになされたものであり,その目的は,座 面を荷台として兼用しても荷物が落下しないキャリア兼用の折り畳み椅子を提供 することにある。本考案の別の目的は,長時間座っても疲れないキャリア兼用の 折り畳み椅子を提供することにある。本考案のさらに別の目的は,折り畳んだ状 態での自立が可能なキャリア兼用の折り畳み椅子を提供することにある。本考案 のさらに別の目的は,椅子を開いた状態で椅子の前後方向に容易にまたぐことの できるキャリア兼用の折り畳み椅子を提供することにある。本考案のさらに別の 目的は,左右方向に折り畳み可能な椅子構造に対して,これに適したキャリア用 の取っ手を備えたキャリア兼用の折り畳み椅子を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
第1の考案のキャリア兼用の折り畳み椅子は次の(イ)〜(ヌ)の構成を備え ている。(イ)右前脚と右後ろ脚と右肘掛けとを備える右脚部材。(ロ)左前脚 と左後ろ脚と左肘掛けとを備える左脚部材。(ハ)前記右側部材と前記左側部材 との間に回動可能に連結された第1の座面支持部材。(ニ)前記右側部材と前記 左側部材との間に回動可能に連結された第2の座面支持部材であって,前記第1 の座面支持部材に対して正面から見てX字形に交差して回動可能に連結された第 2の座面支持部材。(ホ)前記第1の座面支持部材と前記第2の座面支持部材と の間に掛け渡された可撓性の座面。(ヘ)前記右脚部材に取り付けられた右側の 背もたれ支持部材。(ト)前記左側部材に取り付けられた左側の背もたれ支持部 材。(チ)前記右側の背もたれ支持部材と前記左側の背もたれ部材との間に掛け 渡された可撓性の背もたれ。(リ)前記右脚部材,前記右側の背もたれ支持部材 ,前記左脚部材及び前記左側の背もたれ支持部材のいずれかに回動可能に連結さ れた取っ手であって,起立姿勢に係止された状態と起立姿勢から倒れた状態との 間で回動可能であり,鉛直面内で回動可能な長尺部と,この長尺部の先端に設け られた水平な握り部とからなる概略L字形の取っ手。(ヌ)前記右後ろ脚と前記 左後ろ脚に取り付けられた1対のキャスター。
【0012】 本考案における表現において,方向の定義は次のとおりである。「左右・前後 ・上下」は椅子に座った人から見た方向を言う。また,「正面から見る」とは椅 子に座った人に対面する方向から見ることを言う。
【0013】 この椅子は,右脚部材と左脚部材にそれぞれ右肘掛けと左肘掛けを設けている ので,座面を荷台として使用するときに,これらの肘掛けが荷物の落下を防ぐ。 なお,キャスター付きの釣り用の椅子において肘掛けを備えているものも知られ ているが(実開平2−34176号公報),これは,折り畳み可能ではなく,ま た,釣り用の道具は座面の下の道具箱に入れるようになっている。折り畳み可能 なキャリア兼用の折り畳み椅子においては,座面上の荷物が落下するのを肘掛け で防ぐようした構成は新しい。
【0014】 また,本考案は、第1の座面支持部材と第2の座面支持部材が,正面から見て X字形に交差して回動可能になっているので,左右方向に折り畳むことが可能で ある。したがって,前後方向に折り畳む従来例と比較して,左右方向に延びる座 面支持パイプがないので,長時間座っても,座面支持パイプが腿の内側に当たっ て足が痛くなることはない。
【0015】 そして,キャスター付きの折り畳み椅子を左右方向に折り畳み可能にしている ので,折り畳んだ状態でも自立可能である。すなわち,折り畳んだ状態でも前脚 と後ろ脚が近づくことはないので,椅子が前後方向に倒れることはない。また, 後方の二つのキャスターは,それぞれ,ある程度の接地幅を備えており,さらに ,折り畳んだ状態でも二つのキャスターは左右方向にある程度は離れているので ,これらの二つのキャスターの存在により,左右方向にも倒れることはない。
【0016】 さらに,左右方向に折り畳み可能なキャリア兼用の折り畳み椅子にとって,キ ャリアとして使う場合の取っ手の形状を工夫している。すなわち,取っ手をL字 形にして,長尺部の先端から折れ曲がった水平部を握り部としている。左右方向 に折り畳み可能な椅子では,前後方向に折り畳み可能な椅子の場合のように背も たれの上部枠を取っ手として使うことができないので,上述のようにL字形の取 っ手を採用した。そして,この取っ手を鉛直面内で回動可能にして,キャリアと して使わないときは,倒した姿勢にすることができる。
【0017】 第2の考案のキャリア兼用の折り畳み椅子は、第1の考案の折り畳み椅子にお いて、右側の背もたれ支持部材と左側の背もたれ支持部材が、起立姿勢に固定さ れた状態と後ろ下方に倒れた状態との間で回動可能となっているものである。
【0018】 この第2の考案は、椅子を開いた状態で背もたれを後ろ下方(すなわち水平状 態より下方)に倒すことができるので,背もたれに邪魔されることなく座面をま たぐだけで椅子の後方に行くことができる。特に,釣り用の狭いテントの中で, 椅子を開いた状態で,椅子の後方にある出入り口から出るときに,非常に便利で ある。なお,各種の椅子(特にリクライニング用の椅子や,車両の座席など)に おいては,背もたれを後方に倒すようにした例は多いが,左右方向に折り畳み可 能にしたキャリア兼用の折り畳み椅子において,椅子を開いた状態で背もたれを 後方に倒すことができるようにした構成は新しい。
【0019】
【考案の実施の形態】
図1は本考案のひとつの実施形態を示す斜視図である。この折り畳み椅子は, 大きく分けて,脚部に関連する部品と,座面に関連する部品と,背もたれに関連 する部品と,取っ手と,キャスターからなる。
【0020】 脚部に関連する部品は,右脚部材10と左脚部材12である。右脚部材10は 概略U字形の金属製パイプでできていて,右前脚14と右後ろ脚15と右肘掛け 16を備えている。右前脚14の下端付近と右後ろ脚15の下端付近の間には連 結パイプ17が溶接されている。右肘掛け16には合成樹脂製の弾性材18が巻 かれている。また、左脚部材12は上述の右脚部材10と基本的に同じ構成であ り,左前脚20と左後ろ脚21と左肘掛け22を備えている。
【0021】 座面に関連する部品は,第1の座面支持部材24と第2の座面支持部材26と 座面28と後述のリンク機構である。第1の座面支持部材24はU字形の金属製 パイプでできていて,第1の前方交差棒30と第1の後方交差棒32と第1の水 平部34を備えている。第2の座面支持部材26もU字形の金属製パイプででき ていて,同様に,第2の前方差部36と第2の後方交差棒38と第2の水平部4 0を備えている。
【0022】 第1の座面支持部材24は次のように連結されている。まず,第1の前方交差 棒30は,その基端部がピン42によって左前脚20の下端付近の前面側に回動 可能に連結されている。第1の前方交差棒30の途中は,リンク機構(後述する )を介して,右前脚14に連結されている。第1の後方交差棒32も,同様に, その基端部がピン44によって左後ろ脚21の下端付近の前面側に回動可能に連 結されている。また,その途中はリンク機構(後述する)を介して,右前脚14 に回動可能に連結されている。
【0023】 第2の座面支持部材26は次のように連結されている。まず,第2の前方交差 棒36は,その基端部がピンによって右前脚14の下端付近の後面側に回動可能 に連結されている。第2の前方交差棒36の途中は,リンク機構(後述する)を 介して,左前脚20に回動可能に連結されている。第2の後方交差棒38も,同 様に,その基端部がピンによって右後ろ脚15の下端付近に回動可能に連結され ,その途中はリンク機構(後述する)を介して,左後ろ脚21に回動可能に連結 されている。
【0024】 さらに,第1の前方交差棒30と第2の前方交差棒36は,正面から見てX字 形に交差していて,ピン46によって互いに対して回動可能に連結されている。 同様に,第1の後方交差棒32と第2の後方交差棒38もX字形に交差して連結 されている。
【0025】 第1の座面支持部材の24の第1の水平部34と,第2の座面支持部材26の 第2の水平部40の間には織物製(当然,可撓性である)の座面28が掛け渡さ れている。
【0026】 次に,二つの座面支持部材24,26に関連したリンク機構について説明する 。図2はリンク機構だけを示した斜視図である。リンク機構以外の部材について は中心線だけで示してある。第1の座面支持部材24は二つのリンク部材を介し て右脚部材10に連結されている。すなわち,第1リンク50の左端は,第1の 座面支持部材24の第1の前方交差棒30の途中の後面側に回動可能に連結され ており,一方、その右端は右前脚14の後面側に回動可能に連結されている。同 様に,第2リンク52の左端は,第1の座面支持部材24の第1の後方交差棒3 2の途中の前面側に回動可能に連結されており,一方、その右端は右後ろ脚15 の前面側に回動可能に連結されている。
【0027】 また,第2の座面支持部材26は四つのリンク部材を介して左脚部材12に連 結されている。まず,第3リンク54の右端は,第2の座面支持部材26の第2 の前方交差棒36の途中の後面側に回動可能に連結されており,左端は第4リン ク56の右端に回動可能に連結されている。さらに,第4リンク56の左端は左 前脚20の後面側に回動可能に連結されている。同様に,第5リンク58の右端 は,第2の座面支持部材26の第2の後方交差棒38の途中の前面側に回動可能 に連結されており,左端は第6リンク50の右端に回動可能に連結されている。 さらに,第6リンク50の左端は左後ろ脚21の前面側に回動可能に連結されて いる。
【0028】 なお、上述のリンク機構は,図3と図6では,図面が煩雑になるのを避けるた めに,図示を省略してある。
【0029】 次に,背もたれに関連する部品を説明する。図1において、背もたれに関連す る部品は,右側の背もたれ支持部材62と左側の背もたれ支持部材64と背もた れ66である。右側の背もたれ支持部材62は直線状の金属製パイプであり,右 後ろ脚15の右側の外面に回動可能に取り付けられている。同様に,左側の背も たれ支持部材64も直線状の金属製パイプであり,左後ろ脚21の左側の外面に 回動可能に取り付けられている。二つの背もたれ支持部材62,64の間には織 物製(当然,可撓性である)の背もたれ66が掛け渡されている。
【0030】 次に,背もたれ支持部材の取り付け構造を図5を参照して説明する。図5は左 側の背もたれ支持部材64の取り付け部の付近を拡大した斜視図である。左側の 背もたれ支持部材64の下端付近はピン68によって左後ろ脚21の左側の外面 に回動可能に取り付けられている。また,左側の背もたれ支持部材64の高さ方 向の中央付近は,蝶ボルト70によって左後ろ脚21に固定可能になっている。 すなわち、左側の背もたれ支持部材64の貫通孔72に蝶ボルト70を挿入して ,その先端を左後ろ脚21に形成したねじ孔にねじ込むと,左側の背もたれ支持 部材64は左後ろ脚21に沿った起立姿勢で固定される。一方、蝶ボルト70を ゆるめて,その先端を左後ろ脚21から引き抜くと,左側の背もたれ支持部材6 4はピン68の回りに回動可能になる。なお、この蝶ボルト70に,その軸線に 直交するような抜け止めピンを設ければ,蝶ボルト70をゆるめたときに貫通孔 72から蝶ボルト70が抜け落ちるのを防ぐことができる。
【0031】 右側の背もたれ支持部材62(図1)の取り付け構造も,左側の背もたれ支持 部材64と同様である。すなわち,蝶ボルトを締め付けることで起立姿勢に固定 することができ,蝶ボルトをゆるめることで回動可能になる。
【0032】 次に,取っ手を説明する。図1において,概略L字形の取っ手74は長尺部7 6と握り部78からなる。長尺部76は鉛直面内で回動可能である。長尺部76 の先端には水平な握り部78が一体に設けられている。握り部78には合成樹脂 製の弾性材80が巻かれている。図5に示すように,長尺部76の下端付近は, ピン82によって,左側の背もたれ支持部材64の高さ方向の中央付近の左側の 外面に回動可能に取り付けられている。また,ピン82の少し上のところで,長 尺部76は蝶ボルト84によって左側の背もたれ支持部材64に固定可能になっ ている。長尺部76の貫通孔86に蝶ボルト84を挿入して,その先端を左側の 背もたれ支持部材64に形成したねじ孔にねじ込むと,長尺部76は左側の背も たれ支持部材64に沿った起立姿勢で固定される。一方、蝶ボルト84をゆるめ て,その先端を左側の背もたれ支持部材64から引き抜くと,長尺部76はピン 82の回りに鉛直面内で回動できる。なお,この蝶ボルト84についても,その 軸線に直交する抜け止めピンを設けて,抜け落ちを防ぐことができる。
【0033】 次に,キャスターを説明する。図1において、左キャスター86は左後ろ脚2 1の下端の左側に取り付けられている。同様に,右キャスター(図1では座面2 8に隠れていて見えない)は右後ろ脚15の下端の右側に取り付けられている。 キャリアとして使うには、このように後方に設けた1対のキャスターだけで十分 である。前方にはキャスターがないので,椅子として使うときの安定性に優れて いる。
【0034】 次に,この折り畳み椅子を釣り人が使用する方法を説明する。図1は折り畳み 椅子を開いた状態を示している。折り畳み状態(図3)から、第1の座面支持部 材24の第1の水平部34と,第2の座面支持部材26の第2の水平部40を, 両手で持って、左右に開いて押し下げると,図1の状態になる。これで,人が座 れる状態になる。次に,蝶ボルト84(図5)をゆるめて取っ手74(図1)を 前方に回動させると,取っ手74が倒れた状態74aになる。椅子に座るだけな らば,取っ手74は起立姿勢に固定したままでもよいが,釣り人のいろいろな動 作の邪魔にならないように,取っ手74を前方に倒した状態74aにしておいた 方が都合がよい。取っ手74を前方に倒すと,握り部78は左前脚20の直前に 来るが,釣り人の足の邪魔になるようなことはない。
【0035】 椅子を折り畳むと図3の状態になる。図1の状態から,第1の水平部34と第 2の水平部40を両手で持って上方に持ち上げながら閉じると,図3の状態にな る。すなわち,この折り畳み椅子は左右方向に折り畳むことができる。取っ手7 4を倒した状態のままで左右方向に折り畳むと図3の状態になる。あるいは,取 っ手74を起立状態に固定したままで左右方向に折り畳んでから取っ手74を前 方に倒しても図3の状態になる。
【0036】 この折り畳み椅子は,後部に2個のキャスターがあって,かつ,左右方向に折 り畳んでいるので,折り畳んだ状態でも自立する。これに対して、後部に2個の キャスターがあるタイプで前後方向に折り畳む方式にすると,折り畳んだ状態で は自立することが難しく,壁などに立て掛けるか,横に寝かせておくしかない。
【0037】 また,従来技術のように前後方向に折り畳む方式にした場合には,座面を支持 するパイプが左右方向に延びることになるので,前方の座面支持パイプが,椅子 に座る人の腿の内側に当たることになり,釣りなどで長時間椅子に座る場合には ,腿の内側が痛くなる。これに対して、本考案のように左右方向に折り畳む方式 にすると,座面支持パイプが椅子の左右に配置されることにので,腿の内側に座 面支持パイプが当たることがない。
【0038】 次に,背もたれを後方に倒す機能を説明する。図4は背もたれ66を後方の下 方(水平状態よりも下方)に倒した状態を示す。蝶ボルト70(図5)をゆるめ て左右の背もたれ支持部材62,64を後方に回動させると,図4の状態になる 。この図面では、取っ手74は左側の背もたれ支持部材64に固定した状態のま まにしてある。この場合、取っ手74の先端が地面に付くまで,背もたれ66が 後方に倒れることになる。なお、取っ手74は左側の背もたれ支持部材64に対 して回動可能な状態にしておいてもよく,その場合は,左右の背もたれ支持部材 62,64の先端(起立姿勢のときの上端)が地面に付くまで,背もたれ66が 後方に倒れることになる。
【0039】 背もたれ66が後方に倒れると,折り畳み椅子を防寒用の釣り用テントの中で 使用する状況において,次のように好都合である。釣り用のテントには前方の開 口部(水面等の釣り場に面する)と後方の出入り口(テントへの出入り口)があ る。テントの内部は一般にそれほど広くないので,テントの内部で折り畳み椅子 を広げて、これに釣り人が座った状態では,余分な空間はほとんどない。また, テントの出入り口の開口寸法も,人がかがんでようやく通れる程度の寸法である 。したがって,出入り口の内側に折り畳み椅子を広げた状態で釣り人が座ってい ることになる。このような状態で釣り人がテントの外に出るのは,かなり面倒で ある。すなわち,椅子を広げたままでは,椅子の横を通って出入り口を通り抜け るだけの余分な空間はほとんど存在しない。そこで,椅子を折り畳んでから出入 り口を通り抜ける必要がある。しかし,椅子には釣竿をセッティングしてあった りして,椅子を折り畳むことはできるだけ避けたい。そこで、椅子を広げた状態 であえて外に出ようとすれば,椅子の背もたれをまたいでから、出入り口を通り 抜けることになる。背もたれをまたぐこと自体がかなり大変であるが、テントの 出入り口の高さが1メートル程度しかないことを考えると,背もたれをまたいで 、かつ、出入り口を通り抜けるには,かなり無理な態勢を強いられる。このよう な状況にあって,図4に示すように背もたれを後方に倒すことができると,背も たれをまたぐ必要がなくなり,椅子の座面をまたぐだけで,簡単に出入り口から 出入りすることができる。ところで,後方に倒した背もたれは、テントの出入り 口から外にはみだす場合もあるが,テントに出入りするときだけ外にはみだすだ けなので,特に問題はない。釣り人がテントの内部に戻ったときは,背もたれを 起立状態に戻してから,出入り口を閉じればよい。
【0040】 次に,キャリアとして使用する状態を説明する。図6はキャリアとして使用し ている状態を示す側面図である。椅子を開いた状態で,かつ,背もたれ66及び 取っ手74を起立姿勢に固定した状態で,取っ手74の握り部78を手でつかん で手前に引くと,椅子の左右の前脚が地面から浮き上がる(図6では左前脚20 が浮き上がった状態が見えている)。この状態で,握り部78をつかんだまま椅 子を後方に引っ張ると(あるいは前方に押し出すと),後部の1対のキャスタが 回転して(図6では左キャスター86だけが見えている),椅子をキャリアとし て使用することができる。座面28の上に釣り道具のバッグ88を載せると,バ ッグの左右に肘掛け(図6では左肘掛け22だけが見えている)が位置すること になるので,バッグ88が椅子の左右から落下するのを肘掛けが防いでいる。ま た,傾けた状態の椅子の背もたれ66も、バッグのひとつの側面90(背もたれ 66に対面する側面)を支持することになる。
【0041】 本考案は上述の実施形態に限定されず,次のような変更が可能である。 (1)背もたれは後方に倒すことができない構造にすることもできる。すなわ ち、特に釣り用のテントの中で使うことを想定しなければ、左右の背もたれ支持 部材を右脚部材と左脚部材に固定的に取り付けておいてもよい。その場合、左右 の背もたれ支持部材を右脚部材または左脚部材と一体に形成することも可能であ る。
【0042】 (2)取っ手は2本設けてもよい。すなわち,図1において,右側の背もたれ 支持部材62にもL字形の取っ手を設けることもできる。こうすれば,二つの取 っ手の握り部を両手で持つことができる。
【0043】 (3)取っ手は,背もたれ支持部材ではなくて,図1において,左後ろ脚21 または右後ろ脚15に直接,回動可能に取り付けもよい。その場合は,例えば, 左後ろ脚21の左側の外面に取っ手74を回動可能に取り付け,一方、左後ろ脚 21の右側の内面には、左側の背もたれ支持部材64を回動可能に取り付ける。
【0044】
【考案の効果】
本考案のキャリア兼用の折り畳み椅子は次の効果がある。(1)左右の肘掛け があるので,座面を荷台として使用するときに,これらの肘掛けが荷物の落下を 防ぐ。(2)左右方向に折り畳み可能なので,長時間座っていても足が痛くなら ず,また,折り畳んだ状態でも自立する。(3)回動可能なL字形の取っ手を備 えており。この取っ手は,左右方向に折り畳み可能な椅子におけるキャリア用の 取っ手となり得る。(4)椅子を開いた状態で背もたれを後方に倒すことができ るような構造にした場合には,椅子を前後にまたぐことが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案のひとつの実施形態を示す斜視図であ
る。
【図2】図1の椅子のリンク機構だけを示す斜視図であ
る。
【図3】図1の椅子を折り畳んだ状態を示す斜視図であ
る。
【図4】図1の椅子の背もたれを後方の下方に倒した状
態を示す斜視図である。
【図5】背もたれ支持部材と取っ手の取り付け構造を示
す拡大斜視図である。
【図6】図1の椅子をキャリアとして使用する状態を示
す側面図である。
【符号の説明】
10 右脚部材 12 左脚部材 14 右前脚 15 右後ろ脚 16 右肘掛け 20 左前脚 21 左後ろ脚 22 左肘掛け 24 第1の座面支持部材 26 第2の座面支持部材 28 座面 30 第1の前方交差棒 32 第1の後方交差棒 34 第1の水平部 36 第2の前方交差棒 38 第2の後方交差棒 40 第2の水平部 62 右側の背もたれ支持部材 64 左側の背もたれ支持部材 66 背もたれ 74 取っ手 76 長尺部 78 握り部 86 左キャスター

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の構成を備えるキャリア兼用の折り畳
    み椅子。 (イ)右前脚と右後ろ脚と右肘掛けとを備える右脚部
    材。 (ロ)左前脚と左後ろ脚と左肘掛けとを備える左脚部
    材。 (ハ)前記右側部材と前記左側部材との間に回動可能に
    連結された第1の座面支持部材。 (ニ)前記右側部材と前記左側部材との間に回動可能に
    連結された第2の座面支持部材であって,前記第1の座
    面支持部材に対して正面から見てX字形に交差して回動
    可能に連結された第2の座面支持部材。 (ホ)前記第1の座面支持部材と前記第2の座面支持部
    材との間に掛け渡された可撓性の座面。 (ヘ)前記右脚部材に取り付けられた右側の背もたれ支
    持部材。 (ト)前記左側部材に取り付けられた左側の背もたれ支
    持部材。 (チ)前記右側の背もたれ支持部材と前記左側の背もた
    れ部材との間に掛け渡された可撓性の背もたれ。 (リ)前記右脚部材,前記右側の背もたれ支持部材,前
    記左脚部材及び前記左側の背もたれ支持部材のいずれか
    に回動可能に連結された取っ手であって,起立姿勢に係
    止された状態と起立姿勢から倒れた状態との間で回動可
    能であり,鉛直面内で回動可能な長尺部と,この長尺部
    の先端に設けられた水平な握り部とからなる概略L字形
    の取っ手。 (ヌ)前記右後ろ脚と前記左後ろ脚に取り付けられた1
    対のキャスター。
  2. 【請求項2】 前記右側の背もたれ支持部材と前記左側
    の背もたれ支持部材は、起立姿勢に固定された状態と後
    ろ下方に倒れた状態との間で回動可能となっていること
    を特徴とする請求項1に記載のキャリア兼用の折り畳み
    椅子。
JP2001007580U 2001-11-20 2001-11-20 キャリア兼用の折り畳み椅子 Expired - Fee Related JP3086144U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001007580U JP3086144U (ja) 2001-11-20 2001-11-20 キャリア兼用の折り畳み椅子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001007580U JP3086144U (ja) 2001-11-20 2001-11-20 キャリア兼用の折り畳み椅子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3086144U true JP3086144U (ja) 2002-06-07

Family

ID=43237558

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001007580U Expired - Fee Related JP3086144U (ja) 2001-11-20 2001-11-20 キャリア兼用の折り畳み椅子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3086144U (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018149241A (ja) * 2017-03-15 2018-09-27 Coa−Sports株式会社 サーフボードを置くことができるサーフチェア
JP2021061969A (ja) * 2019-10-11 2021-04-22 タカノ株式会社 折り畳み椅子

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018149241A (ja) * 2017-03-15 2018-09-27 Coa−Sports株式会社 サーフボードを置くことができるサーフチェア
JP2021061969A (ja) * 2019-10-11 2021-04-22 タカノ株式会社 折り畳み椅子
JP7296188B2 (ja) 2019-10-11 2023-06-22 タカノ株式会社 折り畳み椅子

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4425560B2 (ja) ベビーカー
US20090127810A1 (en) Stroller Assembly and Handle
US8567860B2 (en) Combination backpack-luggage-chair with integral lumbar support
US7726683B2 (en) Stroller
JP2014004321A (ja) ネスティング可能な椅子
US5244249A (en) Lawn chair
US4570994A (en) Foldable chair
JP3086144U (ja) キャリア兼用の折り畳み椅子
US5887888A (en) Combined cart and chair assembly
US2974718A (en) Infant's car seat
JP3092801U (ja) キャリア兼用の折り畳み椅子
JP3061157U (ja) 上体凭れ具
KR200431465Y1 (ko) 절첩식 의자
JP3994061B2 (ja) 車椅子
CN112623008A (zh) 储物组件及具有该储物组件的婴儿车
JPH11178671A (ja) 折畳み椅子
AU2021203740B2 (en) A collapsible chair
JP4853988B2 (ja) 折りたたみ可能なリクライニング車椅子
JP2005103022A (ja) 椅子
JP2508814Y2 (ja) 乳母車用買物かご
AU2021103158B4 (en) A collapsible chair
JP2011195123A (ja) 歩行補助車のフレーム構造
JP4159868B2 (ja) ハンモック型ベビーカー
JPH0824045A (ja) 折畳み式いすと背負い袋の組合せ構造
JP3297280B2 (ja) 自動車用シートのオットマン装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees