JP3085921B2 - 筆記具用チップ - Google Patents

筆記具用チップ

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JP3085921B2
JP3085921B2 JP09142070A JP14207097A JP3085921B2 JP 3085921 B2 JP3085921 B2 JP 3085921B2 JP 09142070 A JP09142070 A JP 09142070A JP 14207097 A JP14207097 A JP 14207097A JP 3085921 B2 JP3085921 B2 JP 3085921B2
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真一 石川
義彦 筑後
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Zebra Co Ltd
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Zebra Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、ボールペン、或い
は塗布具等に使用される筆記具用チップに係り、特に先
端内部に回転可能に抱持させた転写ボールを、スプリン
グにて前方に付勢せしめて内向き先端縁に接触させ且つ
一部を先端から突出させてなる構造のチップに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、先端内部に回転可能に抱持さ
せた転写ボールを、スプリングにて前方に付勢せしめて
内向き先端縁に接触させ且つその一部を先端から突出さ
せてなるこの種のチップは知られている。因みに、この
種のチップを使用している筆記具として、水性、中性、
油性等の各種のボールペン、或いは化粧液や粘度が比較
的に高い造膜性塗布液を塗布する塗布具等が主に知られ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のチッ
プ構造、特に転写ボールを前方に付勢せしめて内向き先
端縁に接触させる目的で、つまり、不使用時に転写ボー
ルを内向き先端縁に所要の弾発力にて接触させて、転写
ボールと内向き先端縁とで弁構造を構成する目的でチッ
プ内に同軸状に組み込み内在されるスプリングの固定構
造はチップの後端を内側方向に絞り込むことで形成した
内向き係止部にスプリングの後端を係止させることで、
スプリングがチップから脱落しないようにしている(例
えば、特開平7−100427号公報等参照)。従って、この
様なチップ構造において転写液の粘度や表面張力等の物
理的特性に応じたその流量調節は、チップ自体を加工製
作する際にその内径を変えるか、若しくはその後端に形
成するスプリング係止用の内向き係止部の突出形態を変
える等の工夫を施さなければならない。つまり、転写液
の粘度や表面張力等の物理的特性に応じた夫々のチップ
を個々に加工製作しなければならないことから、チップ
自体の製作が面倒になるばかり、手数が掛かる等から生
に影響を与え、コスト面においても不具合が生じる
虞れがあった。
【0004】本発明はこの様な従来事情に鑑みてなされ
たもので、その目的とする処は、スプリングが脱落しな
いように内在保持し得ることは勿論、チップ自体に転写
液の粘度や表面張力等の物理的特性に応じた流量調節を
可能とした筆記具用チップを提供することにある。
【0005】
【課題を達成するための手段】課題を達成するために本
発明の請求項1は、チップ本体の先端内部に転写ボール
を回転可能に抱持させ、該転写ボールをスプリングにて
前方に付勢せしめて内向き先端縁に接触させてなる筆記
具用チップに於いて、チップ本体の後端内部に、転写液
物理的特性に応じて選択した内径の液導入孔を有する
円筒状体の流量調節部材を配設し、該流量調節部材にス
プリングの後端を衝合係止せしめてなる事を特徴とす
る。また、請求項2は、チップ本体の先端内部に転写ボ
ールを回転可能に抱持させ、該転写ボールをスプリング
にて前方に付勢せしめて内向き先端縁に接触させてなる
筆記具用チップに於いて、チップ本体の後端内部に、
写液の物理的特性に応じて選択した長さの液導入孔を有
する円筒状体の流量調節部材を配設し、該流量調節部材
にスプリングの後端を衝合係止せしめてなる事を特徴と
する。斯る技術的手段によれば、チップ本体内に、その
後端開口から転写ボールを前方に付勢するスプリングを
組み込み内在させた後、転写液の粘度や表面張力等の物
理的特性に応じた内径の液導入孔を有する、又は長さを
有する円筒状の流量調節部材を前記後端開口からその後
端内部に圧入配設する事で、スプリングの後端を衝合係
止させて、該スプリングが脱落しないようにチップ本体
内に内在保持させる事ができる一方で、粘度や表面張力
等の物理的特性に応じた流量にて先端の転写ボールへと
転写液を供給する事ができる。つまり、筆記時に必要以
上に転写液が吐出するボタ落ちが生じたり、或いは液掠
れ等が生じることがない流量にて転写ボールへと転写液
を安定供給し得る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の実施の具体例を図面に基
づいて説明する。図面はボールペンのリフィールの例を
示し、チップ本体1は金属等から形成されてインクMを
充填する液タンク2(通称、インク収容管と称されてい
る)の先端開口に圧入等の適宜の接続手段により接続さ
れ、該液タンク2からインクMが液通路1-2 に導入さ
れ、この液通路1-2 を流動させて先端内部に回転可能に
抱持されている転写ボール3へと供給されるようになっ
ている。又、転写ボール3を前方へ所要の弾発力にて付
勢せしめて内向き先端縁1-1 に接触させるスプリング4
を同軸状に内在してなる。即ち、転写ボール3を内向き
先端縁1-1 に所要の弾発力にて接触させて、転写ボール
3と内向き先端縁1-1 とで弁構造を構成し、不使用時に
インクMが不用意に吐出するのを防ぐようになってい
る。そして、チップ本体1の後端内部には液導入孔5-1
を有する円筒状の流量調節部材5を圧入配設せしめて、
スプリング4が脱落しないようにその後端を衝合係止せ
しめるようにしてなる。
【0007】因みに、スプリング4はその前端側にチッ
プ本体1の軸芯に沿わせて直線的に形成した棒状の押し
子4-1 を一体に備え、この押し子4-1 の先端を転写ボー
ル3が抱持されているボールハウス6に連通する液誘導
孔7を遊挿させてその先端を転写ボール3に衝合当接さ
せた状態で該転写ボール3を所要の弾発力にて付勢する
ようになっている。そして、押し子4-1 が突出するその
螺旋前部4-2 と流量調節部材5に衝合係止させる螺旋後
部4-3 とのバネ線条同士を密着させた筒状形態とし、こ
の螺旋前後部4-2 ,4-3 間においては筆圧で撓む程度の
質量の弾発力が付与されるように所要の螺旋ピッチとし
てなる。
【0008】流量調節部材5は、スプリング4の後端を
その一端開口縁にて衝合係止せしめる一方で、液タンク
2内のインクMをチップ本体1の液通路1-2 へと導く液
導入孔5-1 の内径(孔径)Dを変えたり(図1の形態か
ら図2の形態又は図2の形態から図1の形態)、又はそ
の長さLを変える(図1の形態から図3の形態又は図3
の形態から図1の形態)ことで、粘度や表面張力等の物
理的特性によって変わるインクMの流量を調節する役目
を成す。つまり、粘度や表面張力等の物理的特性が小さ
い例えば水性インクに対してはその液導入孔5-1 の内径
Dを小さく(図1の形態から図2の形態)、又は長さL
を長く(図1の形態から図3の形態)形成、そして粘度
や表面張力等の物理的特性が比較的に大きい例えば油性
インクに対してはその液導入孔5-1 の内径Dを大きく
(図2の形態から図1形態)、或いは長さLを短く(図
3の形態から図1の形態)形成する等のようにその加工
形態を任意に変えることで、夫々のインクの物理的特性
に応じた流量にて液タンク2内のインクMをチップ本体
1の液通路1-2 へと導く役目を成す。つまり、前述した
ように、液導入孔5-1 の内径Dを小さく形成したり、又
はその長さLを長く形成することで、インクM流動の抑
止効果が得られるもので、合成樹脂材料やセラミックス
等にてチップ本体1の後端内部に圧入にて組み込み配設
し得る外径で、尚且つインクMの粘度や表面張力等の物
理的特性に応じた内径Dを有する液導入孔5-1 、又は長
さLを有する円筒状に形成するものである。
【0009】而して、スプリング4をチップ本体1の後
端開口から液通路1-2 内に組み込み内在させた後、該ス
プリング4の螺旋後部4-3 を衝合係止させて該スプリン
グ4の脱落を防ぐべく後端開口からチップ本体1の後端
内部に圧入にて組み込み配設する円筒状の流量調節部材
5を、インクMの粘度や表面張力等の物理的特性に応じ
た内径Dを有する液導入孔5-1 、又は長さLを有する等
の夫々の形態に加工製作することで、筆記時に必要以上
にインクMが吐出するボタ落ちが生じたり、或いはイン
クMの掠れ等が生じることがない粘度や表面張力等の物
理的特性に応じた流量にて転写ボール3へとインクMを
安定供給し得るその流量調節に対応させることができ
る。換言すれば、インクMの粘度や表面張力等の物理的
特性に応じた流量調節のための加工をチップ本体1に一
切施す必要がないことから、物理的特性を異にする水
性、中性、油性等の全てのインクMに対してチップ本体
1の共通化が可能となる。それにより、粘度や表面張力
等の物理的特性に応じたインクMの流量調節が簡単且つ
容易に行う事ができる等の効果が期待できる。
【0010】尚、上記した実施例においてはボールペン
のリフィールの例を詳述したが、化粧液や粘度が比較的
に高い造膜性塗布液を塗布する塗布具等においても本発
明は対象としていることは言うまでもない。つまり、チ
ップ本体1の先端内部に転写ボール3を回転可能に抱持
させ、該転写ボール3をスプリング4にて前方に付勢せ
しめて内向き先端縁1-1 に接触させて、転写ボール3と
内向き先端縁1-1 とで弁構造を構成し、不使用時にイン
クMが不用意に吐出するのを防ぐ構造を有する全てのチ
ップを対象としているものである。
【0011】
【発明の効果】本発明の筆記具用チップは叙上の如く構
成してなるから、下記の作用効果を奏する。チップ本体
内に、その後端開口から転写ボールを前方に付勢するス
プリングを装入内在させた後、転写液の粘度や表面張力
等の物理的特性に応じた内径(孔径)Dの液導入孔を有
する、又は長さLを有する円筒状の流量調節部材を前記
後端開口からその後端内部に配設する事で、スプリング
の後端を衝合係止させて、該スプリングが脱落しないよ
うにチップ本体内に内在保持させる事ができる一方で、
粘度や表面張力等の物理的特性に応じた流量にて先端の
転写ボールへと転写液を供給する事ができる。つまり、
筆記時に必要以上に転写液が吐出するボタ落ちが生じた
り、或いは液掠れ等が生じることがない流量にて転写ボ
ールへと転写液を安定供給するその流量調節をチップ本
体の後端内部に配設する流量調節部材の液導入孔の内径
(孔径)Dの変更、又はその長さLの変更にて行う事が
できる。
【0012】従って、本発明の筆記具用チップによれ
ば、スプリングが脱落しないようにしっかりと内在保持
し得ることは勿論、複雑な加工が要求されるチップ自体
に一切加工を施す事なく転写液の粘度や表面張力等の物
理的特性に応じた流量調節を円筒状等の簡単な構造を呈
する流量調節部材の液導入孔の内径(孔径)Dの変更、
又はその長さLの変更にて行うことができる。つまり、
粘度や表面張力等の物理的特性を異にする全ての転写液
に対してチップ本体の共通化が可能となる事から、この
種の筆記具分野においてコストの削減を図る上で要求さ
れる生産性の大幅な改善が図られる等の実用的に優れた
効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ボールペンのリフィールの例を示した本発明
筆記具用チップの縦断面図
【図2】 流量調整部材の液導入孔の内径(孔径)を変
えた同縦断面図
【図3】 流量調整部材の長さを変えた同縦断面図
【符号の説明】
1…チップ本体 1-1 …内向き先端
縁 2…液タンク 3…転写ボール 4…スプリング 5…流量調節部
材 5-1 …液導入孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B43K 1/08 B43L 19/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チップ本体の先端内部に転写ボールを回
    転可能に抱持させ、該転写ボールをスプリングにて前方
    に付勢せしめて内向き先端縁に接触させてなる筆記具用
    チップに於いて、 チップ本体の後端内部に、転写液の
    物理的特性に応じて選択した内径の液導入孔を有する円
    筒状体の流量調節部材を配設し、該流量調節部材にスプ
    リングの後端を衝合係止せしめてなる事を特徴とする筆
    記具用チップ。
  2. 【請求項2】 チップ本体の先端内部に転写ボールを回
    転可能に抱持させ、該転写ボールをスプリングにて前方
    に付勢せしめて内向き先端縁に接触させてなる筆記具用
    チップに於いて、チップ本体の後端内部に、転写液の
    理的特性に応じて選択した長さの液導入孔を有する円筒
    状体の流量調節部材を配設し、該流量調節部材にスプリ
    ングの後端を衝合係止せしめてなる事を特徴とする筆記
    具用チップ。
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JPH10329476A JPH10329476A (ja) 1998-12-15
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