JP3085487B2 - 車両用エンジンのスロットル開度制御装置 - Google Patents

車両用エンジンのスロットル開度制御装置

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JP3085487B2
JP3085487B2 JP04146667A JP14666792A JP3085487B2 JP 3085487 B2 JP3085487 B2 JP 3085487B2 JP 04146667 A JP04146667 A JP 04146667A JP 14666792 A JP14666792 A JP 14666792A JP 3085487 B2 JP3085487 B2 JP 3085487B2
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    • F02D2011/102Arrangements for, or adaptations to, non-automatic engine control initiation means, e.g. operator initiated characterised by non-mechanical control linkages, e.g. fluid control linkages or by control linkages with power drive or assistance of the electric type characterised by the means for actuating the throttles at least one throttle being moved only by an electric actuator

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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両用エンジンのスロッ
トル開度を制御する装置に関し、さらに詳しくは、スロ
ットル弁の回転駆動をパルスモータにより行ってスロッ
トル開度制御を行うようになった制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】スロットル弁とアクセルペダルとをリン
ク、ケーブル等を介して連結し、アクセルペダルの操作
に応じてスロットル弁を駆動し、スロットル開度制御を
行うことは従来から一般的に行われている。さらに、ス
ロットル弁にパルスモータを連結し、アクセルペダルの
操作、エンジン運転状態等に応じてパルスモータの駆動
を制御してスロットル開度制御を行うこともよく知られ
ており、例えば、特開昭60−35141号公報に記載
の装置がある。この公報記載の装置では、アクセル操作
量、エンジン運転状態等に応じて所定周期毎に制御値を
演算し、この周期内にパルスモータが回転可能な数のパ
ルスを出力してスロットル弁の駆動制御を行うようにな
っている。
【0003】ところが、この装置の場合にはパルスモー
タの駆動制御を行う指令パルスの出力時点が明確でな
く、パルスモータが回転駆動中に次の指令パスルが出力
されることがある。このため、パルスモータの現在回転
位置、すなわち、現在のスロットル開度を正確に検出す
ることが難しくなるという問題があり、位置検出手段を
設けるとともにこの検出情報のフィードバックが必要と
なるという問題が起こるこが考えられた。
【0004】このため、本出願人は特開平2−3713
3号公報に開示されているように、パルスモータへの指
令パルスを演算周期毎に演算するとともに、この指令パ
ルス数が次の演算周期内で出力し終えることができる個
数に限定し、このように限定した指令パルスを次の演算
周期の初めに出力することを提案した。このようにすれ
ば、パルスモータが駆動中に次の指令パルスが出力する
ようなことが防止され、出力指令パルスに基づいてパル
スモータの回転位置を検出することができる。このた
め、出力指令パルスのみに基づいてスロットル開度を求
めることができ、位置検出手段が不要となり制御装置が
簡単となる。
【0005】ところでパルスモータには、その構成上、
所定の周波数の機械的共振点が有り、図8に示すよう
に、パルスモータの入力パルス周波数fがこの共振周波
数f1と一致するところでパルスモータが脱調し、その
駆動トルクTがその部分において著しく低下する。この
ため、パルスモータへ出力される指令パルスの周波数f
はこの共振周波数f1から離れた周波数となるようにパ
ルス間隔が設定され、パルスモータの脱調が生じるのを
防止している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このようにパルス間隔
についてはその周波数が共振周波数f1から離れた周波
数となるように設定されているのであるが、上記のよう
に指令パルスを各演算周期毎に演算するとともにそれぞ
れ次の演算周期の初めにこの指令パルスを出力する場合
に、その演算周期において指令パルスの出力を完了した
時点から次の演算周期における次の指令パルスの開始ま
での時間間隔については特に管理されていない。この時
間間隔は演算周期の長さとこの演算周期内での指令パル
ス出力に要する時間との差であり、指令パルス数に応じ
て変化する。このため、この時間間隔に対応する周波数
がパルスモータの共振周波数と一致することがあり、こ
のときにパルスモータが脱調し、その駆動制御に狂いが
発生するおそれがあるという問題がある。
【0007】本発明はこのような問題に鑑みたもので、
パルスモータの脱調発生を防止して、正確なスロットル
開度制御を行うことができるような構成の車両用エンジ
ンのスロットル開度制御装置を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的達成のた
め、本発明においては、図1に示すように、アクセルペ
ダル等のようなアクセル手段の操作量(例えば、踏み込
み量)を検出するアクセル操作量検出手段aと、エンジ
ンの運転状態を検出するエンジン運転状態検出手段b
と、これら両手段a,bによる検出値に基づいてパルス
モータgの駆動制御を行ってスロットル弁hによるスロ
ットル開度制御を行わせるコントローラcとからスロッ
トル開度制御装置が構成される。このコントローラc
は、アクセル操作量検出手段aおよびエンジン運転状態
検出手段bによる検出値に基づいてエンジンの目標スロ
ットル開度を設定する目標スロットル開度設定手段d
と、実スロットル開度を目標スロットル開度と一致させ
るために必要なパルスモータgへの指令パルスを所定演
算周期毎に演算する基本指令パルス演算手段eと、この
演算された指令パルスを次回の演算周期の開始時点から
出力したときにおける、この指令パルス出力完了時点か
らこの演算周期の終了時点までの時間間隔を演算し、こ
の演算時間間隔がパルスモータの脱調に繋がる所定時間
範囲内の値であるときには、この演算時間間隔を所定時
間範囲外の値とするように指令パルスを補正する補正指
令パルス演算手段fとから構成され、このように補正指
令パルス演算手段fにより補正されて各演算周期毎に求
められた指令パルスを、それぞれ次の演算周期の初めに
出力してパルスモータgの駆動を制御し、スロットル開
度制御を行うようになっている。
【0009】
【作用】このような構成のスロットル開度制御装置を用
いてスロットル開度制御を行う場合、まず、アクセル操
作量検出手段aにより検出されたアクセル操作量とエン
ジン運転状態検出手段bにより検出されたエンジン運転
状態とに基づいて目標スロットル開度が設定され、実際
のスロットル開度をこの目標スロットル開度に一致させ
るために必要なパルスモータgへの指令パルスが所定演
算周期毎に演算される。そして、この指令パルスを次の
演算周期の初めから出力した場合に、指令パルスの出力
完了時点からその次の演算周期の開始時点までの時間間
隔が演算される。すなわち、上記指令パルスのうちの最
後のパルスから次の指令パルスのうちの最初のパルスま
での時間間隔が演算される。次いで、この時間間隔がパ
ルスモータの脱調に繋がる所定時間範囲内の値であるか
否かが判断され、所定時間間隔範囲内の値であるときに
は、この範囲外の値となるように指令パルスが補正さ
れ、この補正された指令パルスが次の演算周期の初めに
出力される。なお、この所定時間範囲とは、パルスモー
タが脱調する共振周波数範囲に対応する時間範囲であ
り、このように指令パルスを補正することにより、指令
パルスの最後のパルスから次の指令パルスの最初のパル
スまでの周波数が共振周波数と一致もしくは近い値とな
ることがなくなり、パルスモータの脱調が確実に防止さ
れる。
【0010】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の好ましい実施
例について説明する。本発明に係る車両用エンジンのス
ロットル開度制御装置の全体概略構成を図2に示してい
る。車載のエンジンEはシリンダ室に繋がる吸気通路1
1および排気通路12を有している。吸気通路11の先
端にはエアクリーナ13が取り付けられており、中間部
にこの吸気通路11を開閉制御するスロットル弁1が配
設され、後端部(すなわち、シリンダ室に近い部分)に
燃料噴射弁15が配設されている。エアクリーナ13を
介して吸気通路に導入された吸気は、スロットル弁1に
よって流量を調整され、燃料噴射弁15により燃料ミス
トの供給を受けた後、シリンダ室内に流入する。ここで
点火されて燃焼された後、排気ガスとなって排気通路1
2に排出される。
【0011】一方、車両の運転席床面にはアクセルペダ
ル5が配設されており、このペダル5は図示しないスプ
リングに付勢されてアイドル位置に保持されるようにな
っており、運転者によるペダル操作(踏み込み)に応じ
てこの付勢力に抗して回動される。本例の装置では、図
示のように、アクセルペダル5とスロットル弁1との機
械的な連結はなく、スロットル弁1にはクラッチ機構お
よび減速ギヤ機構を有した連結手段2を介してパルスモ
ータ3が機械的に連結されている。このため、パルスモ
ータ3を駆動させてスロットル弁1の開閉制御を行うこ
とができるようになっており、このパルスモータ3は、
アクセルペダル5の踏み込み操作等に応じて作動制御さ
れる。
【0012】なお、スロットル弁1にはリターンスプリ
ング(図示せず)が設けられており、これにより全閉方
向に常時付勢されている。このスロットル弁1にはその
回動角を検出するポテンショメータからなるスロットル
センサ23が取り付けられており、スロットル弁1の開
度をスロットルセンサ23により検出される。
【0013】吸気通路11におけるスロットル弁1の下
流側には、吸入空気の圧力を絶対圧力で検出する吸気圧
センサ24が設けられ、さらにその下流側には吸入空気
の温度を検出する吸気温センサ25が設けられている。
さらに、吸気通路11におけるスロットル弁1の上流側
もしくは外部には大気圧を検出する大気圧センサ22が
配設されている。アクセルペダル5にはその操作量(踏
み込み量)を検出するアクセルセンサ21が設けられて
いる。エンジン本体には、冷却水温を検出する水温セン
サ26と、ディストリビュータの回転角等を検出してク
ランク角度を検出するクランク角センサ27とが設けら
れており、変速機には車輪に直接繋がる回転部材から車
速を検出する車速センサ28が設けられている。これら
センサ21〜28の検出信号は全てコントローラCUに
送出される。
【0014】さらに、本制御装置においては、オルタネ
ータ(図示せず)のフィールド電流を検出するACGセ
ンサ31、パワーステアリング(図示せず)の作動/不
作動を検出するパワステスイッチ32、エアコンディシ
ョナ(図示せず)の作動/不作動を検出するエアコンス
イッチ33、エンジンスタータ(図示せず)の作動/不
作動を検出するスタータスイッチ34、バッテリ(図示
せず)の電圧を検出するバッテリ電圧センサ35、シフ
トレバー(図示せず)のレンジ位置を検出するレンジセ
レクタスイッチ36、およびシフト位置(ギヤ位置)を
検出するシフトポジションスイッチ37(これは、例え
ば、変速機制御ユニットのソレノイド励磁信号を参照し
て検出する)が設けられており、これらセンサ、スイッ
チ31〜37からコントローラCUに各出力が送出され
る。
【0015】さらに、この車両はオートクルーズ装置を
有しており、オートクルーズ制御のためのブレーキスイ
ッチ41、メインスイッチ42、セットスイッチ43お
よびリジュームスイッチ44が設けられており、これら
各スイッチ41〜44の出力もコントローラCUに送出
される。
【0016】このコントローラCUの詳細を図3に示
す。上記のようにコントローラCUに接続されてその検
出信号をコントローラCUに出力するセンサ、スイッチ
類のうち、アナログ検出信号を出力するもの(すなわ
ち、アクセルセンサ21、大気圧センサ22、スロット
ルセンサ23、吸気圧センサ24、吸気温センサ25、
水温センサ26、ACGセンサ31およびバッテリ電圧
センサ35)は、レベル変換回路51に繋がれている。
このため、これらセンサの検出アナログ信号はレベル変
換回路51において適切なレベルに変換された後、マイ
クロコンピュータ60に入力され、A/D変換回路61
においてデジタル信号に変換され、必要に応じてRAM
66に一時格納される。
【0017】一方、上記センサ、スイッチ類のうち、デ
ジタル信号を出力するもの(アナログ信号を出力する上
記センサ以外のセンサ、スイッチであり、例えば、クラ
ンク角センサ27)は、波形整形回路52に繋がれてい
る。このため、これらセンサ、スイッチの検出デジタル
信号は波形整形回路52において波形整形された後、入
力ポート62を介してマイクロコンピュータ60内に入
力され、必要に応じてRAM66に一時格納される。
【0018】マイクロコンピュータ60において、CP
U63は、上記センサ、スイッチからの入力を用いてR
OM65に格納されているプログラムに従って後述のご
とく制御値を演算し、この制御値を出力ポート64を介
して出力回路53に送出する。出力回路53はこのよう
に送られてきた制御値をトランジスタからなる駆動回路
54に送り、駆動回路54によりパルスモータ3を駆動
し、スロットル弁1の開閉制御を行う。
【0019】なお、以上の構成において、アクセルセン
サ21を除くセンサ、スイッチ類がエンジン運転状態検
出手段に相当し、マイクロコンピュータ60により目標
スロットル開度設定手段、基本指令パルス演算手段およ
び補正指令パルス演算手段、すなわち、コントローラが
構成される。
【0020】次に、本制御装置の動作を、図4〜図6の
フローチャートに基づいて説明する。なお、このフロー
チャートに示されているプログラムは、所定時間、例え
ば10ms毎に繰り返される。まず、ステップS10にお
いて前回演算した指令値θCMDn-1を出力する。この指令
値はパルス数(変位量)で示される。図7に示すよう
に、本制御手法においては演算周期は10ms毎の比較的
短時間の等間隔とするとともに、演算した指令値を直ち
に出力することなく、一旦ストアしておいて次の周期の
初めに出力するようになっている。
【0021】続いて、ステップS12においてエンジン
回転数Ne、アクセル開度θAP等の制御パラメータを順
次読み込んでRAM66に格納し、ステップS14にお
いてROM65に格納されているマップを参照してアク
セル開度θAPとエンジン回転数Neとからスロットル弁
の基準開度θTHMを検索する。
【0022】続いて、ステップS16においてアイドル
制御域にあるか否か判断する。これは、スタータスイッ
チ信号、レンジセレクタ信号、車速、吸気圧力、スロッ
トル開度およびエンジン回転数等から判断し、特にエン
ジン回転数が適宜設定した減速回転数以下でアイドル判
別回転数以上である場合にアイドル制御域にあると判断
し、ステップS18に進んでアイドル制御用のスロット
ル開度θidleを適宜決定する。ステップS16において
アイドル制御域にないと判断された場合、ステップS2
0に進み、所定の開度θidlerefをもってアイドル開度
θidleとする。この所定開度は例えば、アイドル制御域
での上限開度たる10度(但し、WOT(全開)=84
度)とする。
【0023】次に、ステップS22において、オートク
ルーズ制御域にあるか否か判断する。これは、前記した
ブレーキスイッチ41、メインスイッチ42等の出力信
号から判断する。ここでオートクルーズ制御域にあると
判断された場合は、ステップS24に進んで設定車速を
保つべく適宜オートクルーズ開度θcruを演算し、オー
トクルーズ制御域にないと判断された場合には、ステッ
プS26に進み、オートクルーズ開度を零とする。
【0024】そして、ステップS28において目標スロ
ットル開度θTHOを算出する。これは、それまでに算出
した開度、すなわち、基準開度θTHM、アイドル開度θi
dleおよびオートクルーズ開度θcruの中から最大値を選
んで行う。このように最大値を採ることによって、例え
ば、アイドル制御域とオートクルーズ制御域においては
双方の制御を両立させつつスロットル開度を最適とする
ように制御することができる。なお、選択した最大値は
開度で示されているので、本ステップにおいて所定数
(1パルス当りの開度)で割ってパルス数に変換する。
【0025】続いて、ステップS30において前回のス
ロットル開度θTHPn-1(パルス絶対値)にステップS1
0で出力した前回指令値θCMDn-1 を加算して現在の開
度、より正確には現在移動中の実スロットル開度θTHPn
を算出する。そして、ステップS32において、目標ス
ロットル開度θTHO実スロットル開度θTHPnとの偏差を
算出して、今回の基本指令値θCMDn(パルス変位量)を
決定する。
【0026】続いて、ステップS34において今回の指
令値の絶対値、すなわち、正逆の回転方向を問わない値
が上限値θMAX を越えるか否かを判断し、越える場合に
は回転方向に応じて制御値を上限値θMAX に制限する
(ステップS36,S38,S40)。この上限値θMA
X は、演算周期10msないに出力し終えることが可能な
上限の値を意味する。指令パルスが2以上の周期にわた
って出力され続けられるとステップS30における現在
開度の算出を正確に行うことができないので、このよう
に上限を設けるものであり、この結果、各指令パルスを
単一周期内に出力し終えることができ、現在開度を正確
に把握することができる。
【0027】次に、ステップS42において、基本指令
値θCMDnについてさらにリミットチェックを行う。これ
はスロットル弁が指令されるように移動可能か否かを判
断するためのものであり、ステップS42において回転
方向を判断し、開弁方向にあると判断される場合にはス
テップS44に進んで開弁方向に移動可能な範囲での制
御値の設定を行う。すなわち、スロットル弁1は全開
(WOT)以上は開弁方向に移動させることができない
ので、全開開度以上の開弁方向への駆動指令を出力しな
いようにこの制御値を設定する。
【0028】この設定は、全開(WOT)開度に相当す
る上限開度θTHMAX(パルス絶対値)と現在開度θTHPn
との差(θTHMAX−θTHPn)と、基本指令値θCMDNとを
比較し、いずれか小さい方を選択することにより行うこ
とができる。これは、前述のように、スロットル弁1は
スプリングにより全閉方向に付勢されているため、全開
以上の指令値をパルスモータに与えた場合にはスロット
ル弁1がストッパに当接した時点で特性上パルスモータ
が脱調してその駆動トルクが低下し、スプリング力によ
りスロットル弁1が全閉位置に急速に移動されるという
問題があることに鑑みたものである。
【0029】一方、指令値が閉弁方向の値(負の値)で
ある場合には、ステップS46に進み、指令値の絶対値
と現在開度とを比較し、小さい方の値を選択するととも
にこれを閉弁方向の制御値とする。これは、現在開度は
全閉位置を零として算出される正の値であるためであ
る。なお、閉弁方向の移動制御についてはスプリングは
全閉方向に付勢するものであるため、パルスモータ3に
全閉を越えて閉弁方向の作動を行わせる指令を出力して
も上記のような問題は生じない。しかし、このように全
閉を越える指令を行わせないようにすることにより、ス
ロットル弁の作動に関与しない指令パルス出力をなくす
ことができ、演算速度および制御応答性が向上する。
【0030】このようにして基本指令値の設定が完了す
ると、次にステップS46以下のフローに進み、これを
補正して補正指令値の算出を行う。まず、ステップS4
6においてパルス休止時間間隔trを演算する。前述の
ように、各指令値はそれぞれ演算周期毎に出力されるも
のであり、上記の基本指令値θCMDnが指令パルスとして
出力される時間taはパルス間隔が決まっているため、
演算周期t0から指令値出力時間taを減じればパルス休
止時間間隔trを演算することができる(図7参照)。
【0031】このようにして演算したパルス休止時間間
隔trが、パルスモータの脱調を発生する時間範囲内に
あるか否かの判断を行う(ステップS48)。図8に示
したように、パルスモータは周波数f1において共振し
脱調を起こすため、この周波数を含む周波数faからfb
の範囲を使用制限周波数範囲として設定している。そし
てこの範囲に対応するパルス時間間隔がAからBの範囲
であり、この範囲内に上記パルス休止時間間隔trがあ
るか否かの判定を行う。
【0032】A<tr<Bであるときには、このままで
はパルス休止時間間隔trに対応する周波数が上記使用
制限周波数範囲にあり、ステップモータの脱調が生じる
おそれがある。このため、ステップS50に進み、指令
パルス出力時間taから1パルス分の出力時間Cを減じ
て補正し、補正指令パルス出力時間ta′を演算する。
そして、この補正指令パルス出力時間ta′に対応する
補正指令値θ′CMDn を演算し、これを基本指令値と置
き換える(ステップS52,S54)。これにより、こ
の補正指令値を用いて制御を行えば、パルスモータの脱
調のおそれがなくなる。
【0033】一方、A<tr<Bではない場合、すなわ
ち、パルス休止時間間隔trに対応する周波数が上記使
用制限周波数範囲外にあるときには、このまま指令値を
出力しても脱調のおそれがないため、上記基本指令値θ
CMDnをそのまま補正指令値として設定する(ステップS
56)。
【0034】以上のようにして本発明の制御装置による
制御がなされるのであるが、ステップS10に示したよ
うに、各演算周期毎に上記フローに従って算出された補
正指令値が次の演算周期の初めに出力され、次の演算周
期内にこの指令に基づくパルスモータの作動制御がなさ
れる。この場合において、補正指令値は次の演算周期内
で出力し終える値に制限されているので、現在のスロッ
トル開度を出力パルスに基づいて正確に判断することが
できる。しかも、パルス休止時間間隔trが、パルスモ
ータの脱調防止のため設定された使用制限周波数範囲に
対応する時間範囲外の値となるように補正されるので、
パルスモータの脱調発生が確実に防止され、正確な作動
制御がなされる。
【0035】なお、以上においては、アクセルペダルと
スロットル弁との機械的な連結がなくスロットル弁をパ
ルスモータのみにより作動させる例について説明した
が、本発明の制御装置はこのようなものに限られるもの
ではなく、アクセルワイヤ等によりアクセルペダルとス
ロットル弁とを機械的に連結したままパルスモータを追
加的に設けたものについても適用できることは無論であ
る。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
アクセル操作量検出手段により検出されたアクセル操作
量とエンジン運転状態検出手段により検出されたエンジ
ン運転状態とに基づいて目標スロットル開度が設定さ
れ、実際のスロットル開度をこの目標スロットル開度に
一致させるために必要なパルスモータへの指令パルスが
所定演算周期毎に演算され、そして、この指令パルスを
次の演算周期の初めから出力した場合に、指令パルスの
出力完了時点からこの演算周期の終了時点(次々回の演
算周期の開始時点)までの時間間隔が演算される。すな
わち、上記指令パルスのうちの最後のパルスから次の指
令パルスのうちの最初のパルスまでの時間間隔が演算さ
れる。次いで、この時間間隔がパルスモータの脱調に繋
がる所定時間範囲内の値であるか否かが判断され、所定
時間間隔範囲内の値であるときには、この範囲外の値と
なるように指令パルスが補正され、この補正された指令
パルスが次の演算周期の初めに出力される。ここで、こ
の所定時間範囲とは、パルスモータが脱調する共振周波
数範囲に対応する時間範囲であり、このように指令パル
スを補正することにより、指令パルスの最後のパルスか
ら次の指令パルスの最初のパルスまでの周波数が共振周
波数と一致もしくは近い値となることがなくなり、パル
スモータの脱調を確実に防止して正確な制御を行わせる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスロットル開度制御装置のクレー
ム対応図である。
【図2】このスロットル開度制御装置の全体を示す概略
図である。
【図3】このスロットル開度制御装置における制御ユニ
ットの詳細を示すブロック図である。
【図4】このスロットル開度制御装置による制御を示す
フローチャートである。
【図5】このスロットル開度制御装置による制御を示す
フローチャートである。
【図6】このスロットル開度制御装置による制御を示す
フローチャートである。
【図7】上記制御を行う際での制御値変化を示すタイミ
ングチャートである。
【図8】上記制御に用いられるパルスモータの駆動周波
数と駆動トルクとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 スロットル弁 3 パルスモータ 5 アクセルペダル 11 吸気通路 12 排気通路 15 燃料噴射弁 60 マイクロコンピュータ E エンジン CU コントローラ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両用エンジンの吸気通路に配設された
    スロットル弁を駆動してスロットル開度制御を行わせる
    パルスモータと、 運転者により操作されるアクセル手段の操作量を検出す
    るアクセル操作量検出手段と、 車載エンジンの運転状態を検出するエンジン運転状態検
    出手段と、 前記アクセル操作量検出手段および前記エンジン運転状
    態検出手段による検出値に基づいて前記パルスモータの
    駆動制御を行うコントローラとを有してなる車両用エン
    ジンのスロットル開度制御装置において、 前記コントローラが、 前記アクセル操作量検出手段および前記エンジン運転状
    態検出手段による検出値に基づいて前記エンジンの目標
    スロットル開度を設定する目標スロットル開度設定手段
    と、 実スロットル開度を前記目標スロットル開度と一致させ
    るために必要な前記パルスモータへの指令パルスを所定
    演算周期毎に演算する基本指令パルス演算手段と、 この演算された指令パルスを次回の演算周期の開始時点
    から出力したときにおける、この指令パルス出力完了時
    点からこの演算周期の終了時点までの時間間隔を演算
    し、この演算時間間隔が前記パルスモータの脱調に繋が
    る所定時間範囲内の値であるときには、この演算時間間
    隔を前記所定時間範囲外の値とするように前記指令パル
    スを補正する補正指令パルス演算手段とからなり、 このように補正指令パルス演算手段により補正されて各
    演算周期毎に求められた指令パルスを、それぞれ次の演
    算周期の初めに出力するように構成されていることを特
    徴とする車両用エンジンのスロットル開度制御装置。
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