JP3084429B2 - ファイル - Google Patents

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JP3084429B2
JP3084429B2 JP06274770A JP27477094A JP3084429B2 JP 3084429 B2 JP3084429 B2 JP 3084429B2 JP 06274770 A JP06274770 A JP 06274770A JP 27477094 A JP27477094 A JP 27477094A JP 3084429 B2 JP3084429 B2 JP 3084429B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、複数の雑誌等の冊子
を綴じるためのファイルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のファイルとしては、例えば、図
10に示すように、表板1aと、裏板1bと、これらを
接続する背板1cとからファイル主体1を構成させ、前
記裏板1bの内面に雌ネジ91を有する軸体90を固定
すると共に前記雌ネジ91と対応する表板1a部分にネ
ジ挿入孔92を設けて成るものがある。
【0003】このファイルでは、図10に示すように、
冊子Sに形成した貫通孔hを軸体90に外挿させた状態
で、ネジ挿入孔92を介してビス93を雌ネジ91に螺
入することにより、複数の冊子Sを綴じることができ
る。
【0004】しかしながら、上記ファイルでは、冊子S
を取り出す場合にはビス93と雌ネジ91との螺入を解
くという工具を必要とした作業をしなければならず、更
には、最上部の冊子Sより下側にある冊子Sを取り外す
場合には、上側の必要としない冊子Sまで取り外さなけ
ればならないという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、面倒な作業を
することなく且つ綴じた位置に関係なく所望の冊子のみ
を取り外すことができるファイルを提供することを課題
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明のフ
ァイルは、ファイル主体1の背板1cに取付けた上・下
綴じ具2,3により各冊子Sの折り目部の上下域を係止
し、これにより複数の冊子Sを綴じるようにしたファイ
ルであって、上綴じ具2を、主体20と複数の保持部2
1とから構成すると共に、前記保持部21を、冊子Sの
上方への動きを制限する当たり部21aと、上記折り目
部の内面上域を係止する薄板状の垂下片21bとから構
成し、下綴じ具3を、主体30と複数の保持部31とか
ら構成すると共に、前記保持部31を、冊子Sの下方へ
の動きを制限する当たり部31aと、上記折り目部の内
面下域を係止する薄板状の直立片31bとから構成し、
前記保持部21,31が相互に接離可能であると共に垂
下片21bを直立片31bよりも長く設定してあり、前
記保持部21,31相互を最大に離反させた状態では
〔垂下片21bの下端部から当たり部31aまでの距
離〕<冊子Sの高さ寸法〕<〔当たり部21aから直立
片31bの上端部までの距離〕の関係が成立するように
している。
【0007】請求項1記載の発明のファイルに関して、
縦の長孔(10)を有する背板(1c)の内面側にコマ
(41)を配置すると共に背板(1c)の外面側から前
記長孔(10)を介して頭付ネジ(11)をコマ(4
1)に螺入し、上・下綴じ具(2)(3)のうち少なく
とも一方は前記コマ(41)に対して上下動可能に取り
付ける態様で、背板(1c)に設けてある。
【0008】
【作用】この発明は次のように作用する。
【0009】この発明のファイルでは、冊子Sはこれの
折り目部分の内面側上下域を綴じ具2,3の保持部2
1,31により係止する態様で綴じられるが、各冊子S
は以下のような作業により取り外すことができる。 .先ず、取り外し希望の冊子S(所望の冊子Sとい
う)を掴み、これの上端を当たり部21aと当接させな
がら冊子Sを上方に移動させ、これにより、保持部21
を(主体20と一体的に又は別個に)最上位置まで移動
せしめる。この状態では、所望の冊子Sの上端は当たり
部21aと当接しているから、〔冊子Sの高さ寸法〕<
〔当たり部21aから直立片31bの上端部までの距
離〕の関係より、冊子Sの下端は直立片31bの上端部
より上方に位置している。 .次に、上記状態にある所望の冊子Sを、これの下縁
側の折り目部分が直立片31bよりも手前(前方)とな
るところまで引き出し、その後、冊子Sを下方に移動さ
せて冊子Sの折り目部分から垂下片21bを抜く。する
と所望の冊子Sは綴じ具2,3の保持部21,31から
外れることとなる。
【0010】尚、の状態において、取り外し不要の冊
子Sはその下端が当たり部31aと当接した状態となっ
ていることから、冊子Sの折り目部の下域は直立片31
bと係止状態となっていると共に、〔垂下片21bの下
端部から当たり部31aまでの距離〕<〔冊子Sの高さ
寸法〕の関係より、冊子Sの折り目部の上域は垂下片2
1bと係止状態となっている。したがって、所望の冊子
Sを取り外す際に、取り外し不要の冊子Sが不用意にフ
ァイルから外れるようなことはない。
【0011】このように、このファイルでは、従来の技
術の欄に記載したファイルのような面倒な作業をするこ
となく冊子Sを取り外すことができ、更には、綴じた位
置に関係なく、所望の冊子Sのみを取り外すことができ
る。
【0012】尚、他の発明の場合、冊子Sを移動させる
ことにより保持部21,31相互を(主体20,30と
一体的に又は別個に)離反させるようにすればよく、他
の作業は上記の場合とほぼ同様である。
【0013】
【実施例】以下、この発明の構成を実施例として示した
図面に従って説明する。
【0014】この実施例のファイルは、図1や図2に示
すように、ファイル主体1と、前記ファイル主体1にお
ける背板1cの上部に上下動可能に取付けられた上綴じ
具2と、前記背板1cの下部に固定配設された下綴じ具
3とから成り、前記上・下綴じ具2,3の両者により冊
子Sの折り目の内面上下域を係止させ、これにより複数
の冊子Sを綴じることができるようにしたものである。
【0015】以下に、このファイルの各構成について詳
述する。〔ファイル主体1の構成について〕 ファイル主体1は、
図1や図2に示すように、綴じられる冊子Sよりも少し
面積の大きい長方形状の表・裏板1a,1bと、前記表
板1aと裏板1bとの長辺部相互を接続する背板1cと
から構成されており、表板1aを閉じた状態では上面視
が図2に示す如くコ字状となるようにしてある。
【0016】尚、このファイル主体1としては、ある程
度の剛性を有する厚紙や合成樹脂板等を使用することが
できる。〔上綴じ具2の構成について〕 上綴じ具2は合成樹脂の
一体成形品であり、図3や図4に示すように、主体20
と、前記主体20に設けられた11個の保持部21とか
ら構成されている。
【0017】主体20は、図3に示すように、薄肉の長
方形板により形成されており、前面部分に冊子Sの折り
目部の外面部分が嵌入される11個の縦溝22を、両側
の縦辺部分には前方に突出する突出片23を、それぞれ
具備させてある。また、この主体20の中央部分には、
図3や図4に示すように、浅い長方形片の凹み部24と
これの底壁部中程部分に設けた貫通長孔25を具備させ
てあり、前記貫通長孔25の縦横寸法は凹み部24のそ
れよりも小さく設定してある。
【0018】保持部21は、図3〜図5に示すように、
主体20の上辺に設けられた前方に突出する突出片21
Aと、前記突出片21Aの先端部に設けられた11本の
薄板状の垂下片21bとから構成されており、前記突出
片21Aの下面を当たり部21aとして機能(冊子Sの
上方への動きを制限)させると共に、垂下片21bを冊
子Sの折り目部の内面上域を係止すべく機能させてい
る。尚、上記垂下片21bは後述する保持部31の直立
片31bよりも長く設定してある。〔上綴じ具2の背板1cへの取付け構造について〕 上綴
じ具2の背板1cへの取付けは、図4や図5に示すよう
に、固定用ピン40を介して背板1cに固定されたコマ
41(円柱部41aと角板部41bにより成る)により
成されており、具体的には、上綴じ具2は同図に示すよ
うに、円柱部41aを貫通長孔25に、角板部41bを
凹み部24に、それぞれ嵌入する態様で背板1cに取付
けられている。したがって、上綴じ具2は、図7に示す
ように、主体20に形成した凹み部24の下面部がコマ
41の構成部である角板部41bの下面部に当接するま
で上昇移動できる。尚、上綴じ具2が最下位置にあると
きには、図1や図4に示すように、上綴じ具2の上端と
背板1cの上辺部とが一致するように設定してある。〔下綴じ具3の構成について〕 下綴じ具3は合成樹脂の
一体成形品であり、図6に示すように、主体30と、前
記主体30に設けられた11個の保持部31とから構成
されている。
【0019】主体30は、図1又は図6に示すように、
薄肉の長方形板により形成されており、前面部分に冊子
Sの折り目部の外面部分が嵌入される11個の縦溝32
を、両側の縦辺部分には前方に突出する突出片33を、
中央部分には貫通孔34を、それぞれ具備させてある。
【0020】保持部31は、図6に示すように、主体3
0の下辺に設けられた前方に突出する突出片31Aと、
前記突出片31Aの先端部に設けられた11本の薄板状
の直立片31bとから構成されており、図1に示す如く
前記突出片31Aの上面を当たり部31aとして機能
(冊子Sの下方への動きを制限)させると共に、直立片
31bを冊子Sの折り目部の内面下域を係止すべく機能
させている。〔下綴じ具3の背板1cへの取付け構造について〕 下綴
じ具3の背板1cへの取付けは、図1に示すように、固
定用ピン42を貫通孔34に挿入し、この状態で固定用
ピン42をカシめるようにして成されている。尚、この
下綴じ具3は、図1に示すように、その下端と背板1c
の下辺部とが一致するように取付けられている。〔上綴じ具2の上下動に伴う保持部21,31相互の位
置関係について〕 A.上綴じ具2が最下位置にあるとき この状態では、図1に示すように、当たり部21a,3
1a相互間距離は冊子Sの高さ寸法と一致するか又は僅
か大きくなっており、冊子Sが綴じられている状態で
は、冊子Sの上端は当たり部21aと当接するか又は近
接し、冊子の下端は当たり部31aと当接している。 B.上綴じ具2が最上位置にあるとき この状態では、図7に示すように、〔垂下片21bの下
端部から当たり部31aまでの距離L2〕<〔冊子Sの
高さ寸法L〕<〔当たり部21aから直立片31bの上
端部までの距離L1〕の関係が成立している。〔このファイルから所望の冊子Sを取り外す方法につい
て〕 このファイルでは上記構成より、冊子Sはこれの折
り目部分の内面側上下域を綴じ具2,3の垂下片21b
及び直立片31bにより係止する態様で綴じられるが、
各冊子Sは以下のような作業により取り外すことができ
る。 .先ず、取り外し希望の冊子S(所望の冊子Sとい
う)を掴み、これの上端を当たり部21aと当接させな
がら冊子Sを上方に移動させ、これにより、綴じ具2を
最下位置(図1の状態)から最上位置(図7の状態)ま
で移動せしめる。この状態では、図7に示すように、所
望の冊子Sの上端は当たり部21aと当接しているか
ら、〔冊子Sの高さ寸法L〕<〔当たり部21aから直
立片31bの上端部までの距離L1〕の関係より、冊子
Sの下端は直立片31bの上端部より上方に位置してい
る(図7の符号A参照)。 .次に、上記状態にある所望の冊子Sを、これの下縁
側の折り目部分が直立片31bよりも手前となるところ
まで引き出し(図7の符号A参照)、その後、冊子Sを
下方に移動させて冊子Sの折り目部分の上縁側を垂下片
21bから抜く。すると所望の冊子Sは綴じ具2,3の
垂下片21b及び直立片31bから外れることとなる。
【0021】ここで、の状態において、取り外し不要
の冊子Sはその下端が当たり部31aと当接した状態と
なっていることから、冊子Sの折り目部の下域は直立片
31bと係止状態となっていると共に、〔垂下片21b
の下端部から当たり部31aまでの距離L2〕<〔冊子
Sの高さ寸法L〕の関係より、冊子Sの折り目部の上域
は垂下片21bの先端部分と係止状態となっている(図
7の符号Bの状態)。したがって、所望の冊子Sを取り
外す際に、取り外し不要の冊子Sが不用意にファイルか
ら外れるようなことはない。
【0022】尚、上記実施例の上・下綴じ具2,3の構
成にかえて、上・下綴じ具2,3の保持部21,31
を、略L字状の薄板により構成させることができる。
【0023】また、図8に示すように、コマ41の背板
1cへの固定位置を変化できるように、背板1cに長孔
10を形成すると共に前記長孔10を介して頭付ネジ1
1をコマ41に螺入する構成を採用するようにしてもよ
い。このようにした場合、冊子Sの高さやファイルの出
来上がりに多少のバラツキがあったとしても、無理なく
冊子Sを綴じることができることになる。
【0024】更に、上記実施例にかえて、上・下綴じ具
2,3を他の態様で離反させる(上綴じ具2を上方
に、下綴じ具3を下方に移動下綴じ具3のみを下方に
移動)ものとしてもよく、この場合、冊子Sを移動させ
ることにより綴じ具2,3相互を離反させるようにすれ
ばよい。他の作業は上記の場合とほぼ同様である。
【0025】そして、上記実施例の上・下綴じ具2,3
の構成にかえて、図9に示すように、保持部21を主体
20とは別部材で構成し、保持部21を主体20に対し
て空室Kの範囲で上下動できるような構成とすることも
できる。この場合、主体20を合成樹脂で構成し、保持
部21を細い金属線により構成させればよい。尚、図9
において符号7で示したものは冊子Sの高さやファイル
の出来上がりに多少のバラツキがあったとしても、無理
なく冊子Sを綴じるための手段である。
【0026】
【発明の効果】この発明は上記のような構成であるか
ら、次の効果を有する。
【0027】作用の欄に記載した内容から、面倒な作業
をすることなく且つ綴じた位置に関係なく所望の冊子の
みを取り外すことができるファイルを提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例のファイルの縦断面図。
【図2】前記ファイルの斜視図。
【図3】前記ファイルの上綴じ具の斜視図。
【図4】前記上綴じ具の縦断面図。
【図5】図4のX−X断面。
【図6】前記ファイルの下綴じ具の斜視図。
【図7】前記ファイルに綴じられた冊子を取り外す方法
を示す図。
【図8】この発明の他の実施例のファイルの要部斜視
図。
【図9】この発明の他の実施例のファイルの要部断面
図。
【図10】先行技術のファイルの断面図。
【符号の説明】
S 冊子 1 ファイル主体 1c 背板 2 上綴じ具 3 下綴じ具 20 主体 21 保持部 21a 当たり部 21b 垂下片 30 主体 31 保持部 31a 当たり部 31b 直立片

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ファイル主体(1)の背板(1c)に取
    付けた上・下綴じ具(2)(3)により各冊子(S)の
    折り目部の上下域を係止し、これにより複数の冊子
    (S)を綴じるようにしたファイルであって、上綴じ具
    (2)を、主体(20)と複数の保持部(21)とから
    構成すると共に、前記保持部(21)を、冊子(S)の
    上方への動きを制限する当たり部(21a)と、上記折
    り目部の内面上域を係止する薄板状の垂下片(21b)
    とから構成し、下綴じ具(3)を、主体(30)と複数
    の保持部(31)とから構成すると共に、前記保持部
    (31)を、冊子(S)の下方への動きを制限する当た
    り部(31a)と、上記折り目部の内面下域を係止する
    薄板状の直立片(31b)とから構成し、前記保持部
    (21)(31)が相互に接離可能であると共に垂下片
    (21b)を直立片(31b)よりも長く設定してあ
    り、前記保持部(21)(31)相互を最大に離反させ
    た状態では〔垂下片(21b)の下端部から当たり部
    (31a)までの距離〕<冊子(S)の高さ寸法〕<
    〔当たり部(21a)から直立片(31b)の上端部ま
    での距離〕の関係が成立するようにしたことを特徴とす
    るファイル。
  2. 【請求項2】 縦の長孔(10)を有する背板(1c)
    の内面側にコマ(41)を配置すると共に背板(1c)
    の外面側から前記長孔(10)を介して頭付ネジ(1
    1)をコマ(41)に螺入し、上・下綴じ具(2)
    (3)のうち少なくとも一方は前記コマ(41)に対し
    て上下動可能に取り付ける態様で、背板(1c)に設け
    てあることを特徴とする請求項1記載のファイル。
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