JP3083924B2 - ワークロールクロスミル圧延方法とその装置 - Google Patents
ワークロールクロスミル圧延方法とその装置Info
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- JP3083924B2 JP3083924B2 JP04326731A JP32673192A JP3083924B2 JP 3083924 B2 JP3083924 B2 JP 3083924B2 JP 04326731 A JP04326731 A JP 04326731A JP 32673192 A JP32673192 A JP 32673192A JP 3083924 B2 JP3083924 B2 JP 3083924B2
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- roll
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、上、下ワークロール
軸をクロスさせたワークロールクロスミル圧延方法とそ
の装置に関し、熱間圧延などクーラント液を用いる金属
素材のワークロールクロスミル圧延の有利な実用化を達
成するようにした圧延方法とその装置を提案するものあ
る。
軸をクロスさせたワークロールクロスミル圧延方法とそ
の装置に関し、熱間圧延などクーラント液を用いる金属
素材のワークロールクロスミル圧延の有利な実用化を達
成するようにした圧延方法とその装置を提案するものあ
る。
【0002】ロール軸をクロスさせて板のクラウンを制
御する手段は古くから知られていて、その一つとして、
4Hiミルにおいて上、下ワークロール軸をクロスさせた
ミル、すなわちワークロールクロスミルがある。この方
法は、たがいにクロスして接するワークロールとその支
持ロール(4Hiミルにおいてはバックアップロール)間
で発生する軸方向の相対滑りによりロールに大きなスラ
ストが生じ、鋼板の圧延においてはこのスラストが現在
開発されている圧延機に組込める寸法のスラストベアリ
ングの能力を大きく超えたものとなることから、現在ま
で実用化されるには至っていない。しかしながら、この
ワークロールクロスミルは、ワークロール軸とバックア
ップロール軸を互いに平行に保持したまま上、下のロー
ル群をクロスさせるペアクロスミルにくらべ、設備を簡
素化できる可能性があり、その有用性から実用化が望ま
れている。
御する手段は古くから知られていて、その一つとして、
4Hiミルにおいて上、下ワークロール軸をクロスさせた
ミル、すなわちワークロールクロスミルがある。この方
法は、たがいにクロスして接するワークロールとその支
持ロール(4Hiミルにおいてはバックアップロール)間
で発生する軸方向の相対滑りによりロールに大きなスラ
ストが生じ、鋼板の圧延においてはこのスラストが現在
開発されている圧延機に組込める寸法のスラストベアリ
ングの能力を大きく超えたものとなることから、現在ま
で実用化されるには至っていない。しかしながら、この
ワークロールクロスミルは、ワークロール軸とバックア
ップロール軸を互いに平行に保持したまま上、下のロー
ル群をクロスさせるペアクロスミルにくらべ、設備を簡
素化できる可能性があり、その有用性から実用化が望ま
れている。
【0003】
【従来の技術】これまでに、開発が進められ実用に供さ
れているクロスミルとしては、例えば、三菱重工技報Vo
l 21, No.6, P.61-67(1984-11)に開示されているよう
な、互いに接するワークロールとバックアップロールの
軸間ではクロスさせることのないいわゆるペアクロスミ
ルがある。
れているクロスミルとしては、例えば、三菱重工技報Vo
l 21, No.6, P.61-67(1984-11)に開示されているよう
な、互いに接するワークロールとバックアップロールの
軸間ではクロスさせることのないいわゆるペアクロスミ
ルがある。
【0004】しかしながらこのペアクロスミルは、上、
下ロール群をクロスさせるためにワークロールとバック
アップロールの両者を一緒に動かさなければならず、設
備的に非常に複雑なものになる。このことは、設備の保
守性を極めて悪くしていて、高生産性のミルには必ずし
も向いているとはいえないという問題があった。
下ロール群をクロスさせるためにワークロールとバック
アップロールの両者を一緒に動かさなければならず、設
備的に非常に複雑なものになる。このことは、設備の保
守性を極めて悪くしていて、高生産性のミルには必ずし
も向いているとはいえないという問題があった。
【0005】このため、クロスミルの優れたクラウン制
御能力を維持したまま、前記したように設備を簡単にで
きる可能性のあるワークロールクロスミルが着目されて
きているが、この実用化にあたってはロールに生じる大
きなスラストをどのように解決するかが大きな問題とし
て残されていた。
御能力を維持したまま、前記したように設備を簡単にで
きる可能性のあるワークロールクロスミルが着目されて
きているが、この実用化にあたってはロールに生じる大
きなスラストをどのように解決するかが大きな問題とし
て残されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これまで、ワークロー
ルクロスミルの実用化が実現できなかった最大の理由
は、ロールスラストが大きいことであるが、それ以上に
重要なことはこれまでの研究においてこのロールスラス
トの低減に対する検討が十分になされていなかったこと
にある。
ルクロスミルの実用化が実現できなかった最大の理由
は、ロールスラストが大きいことであるが、それ以上に
重要なことはこれまでの研究においてこのロールスラス
トの低減に対する検討が十分になされていなかったこと
にある。
【0007】通常熱間圧延などにおいては、ロールを冷
却するクーラント水が供給されることから、ワークロー
ルとその支持ロールの接触部にはクーラント水が存在し
ている。このような状態での摩擦係数は0.25〜0.35と高
い値になる。(例えば、塑性加工春季講演会P.313 〜31
6(1983-5) ) このように高い摩擦係数を、ワークロールとその支持ロ
ール間に潤滑液を供給して減少できれば、ロールに生じ
るスラストを低減させることができることになるが、現
状のクーラント液の噴射供給状況下において、潤滑液を
ロール間に供給しても十分かつ安定して摩擦係数を減少
させることは困難である。
却するクーラント水が供給されることから、ワークロー
ルとその支持ロールの接触部にはクーラント水が存在し
ている。このような状態での摩擦係数は0.25〜0.35と高
い値になる。(例えば、塑性加工春季講演会P.313 〜31
6(1983-5) ) このように高い摩擦係数を、ワークロールとその支持ロ
ール間に潤滑液を供給して減少できれば、ロールに生じ
るスラストを低減させることができることになるが、現
状のクーラント液の噴射供給状況下において、潤滑液を
ロール間に供給しても十分かつ安定して摩擦係数を減少
させることは困難である。
【0008】したがって、この発明は上記した問題を有
利に解決し、ワークロールとその支持ロールとのロール
間の摩擦係数の減少ひいてはロールスラストの低減をは
かり、ワークロールクロスミルでの圧延の有利な実用化
が達成できる圧延方法とその装置を提案することを目的
とする。
利に解決し、ワークロールとその支持ロールとのロール
間の摩擦係数の減少ひいてはロールスラストの低減をは
かり、ワークロールクロスミルでの圧延の有利な実用化
が達成できる圧延方法とその装置を提案することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、ワークロー
ルとその支持ロールのロール間に潤滑液を供給するにあ
たって、そのロール間からクーラント液を排除すること
により、ロール間の潤滑を効果的に向上できることを見
出したことによるものである。
ルとその支持ロールのロール間に潤滑液を供給するにあ
たって、そのロール間からクーラント液を排除すること
により、ロール間の潤滑を効果的に向上できることを見
出したことによるものである。
【0010】すなわち、この発明の要旨は、上、下ワー
クロール軸をクロスさせたワークロールクロスミルでの
金属素材の圧延に際し、シールプレートとカバーとで閉
空間を形成し、この閉空間にて、ワークロールとその支
持ロールとのロール間をワークロールクーラント液の噴
射飛散に対しシールして上記ロール間に潤滑液を供給
し、ロールスラストを低減することを特徴とするワーク
ロールクロスミル圧延方法であり、
クロール軸をクロスさせたワークロールクロスミルでの
金属素材の圧延に際し、シールプレートとカバーとで閉
空間を形成し、この閉空間にて、ワークロールとその支
持ロールとのロール間をワークロールクーラント液の噴
射飛散に対しシールして上記ロール間に潤滑液を供給
し、ロールスラストを低減することを特徴とするワーク
ロールクロスミル圧延方法であり、
【0011】シールプレートとカバーとを備え、これら
によって閉空間を形成し、ワークロールとその支持ロー
ルとのロール間をワークロールクーラント液の噴射飛散
域から分離するシール装置と、上記ロール間への潤滑液
供給装置とをそなえて成るワークロールクロスミル装置
であり、
によって閉空間を形成し、ワークロールとその支持ロー
ルとのロール間をワークロールクーラント液の噴射飛散
域から分離するシール装置と、上記ロール間への潤滑液
供給装置とをそなえて成るワークロールクロスミル装置
であり、
【0012】さらに、ワークロールのバレル全長にわた
りそのロール径に比しはるかに狭い幅の方形のスロット
を有し、該スロットの内縁にロールバレルの周面及び端
面に対するシールリップをそなえるシールプレートを、
ワークロールの左右両チョック間にわたして設置すると
ともに、ワークロールの支持ロールを囲うカバーの裾周
を上記シールプレートに加圧接触させてワークロールク
ーラント液の噴射飛散域から分離した閉空間を形成し、
該閉空間内に、ワークロールとその支持ロールとのロー
ル間へ潤滑液を供給するヘッダを配置して成るワークロ
ールクロスミル装置である。
りそのロール径に比しはるかに狭い幅の方形のスロット
を有し、該スロットの内縁にロールバレルの周面及び端
面に対するシールリップをそなえるシールプレートを、
ワークロールの左右両チョック間にわたして設置すると
ともに、ワークロールの支持ロールを囲うカバーの裾周
を上記シールプレートに加圧接触させてワークロールク
ーラント液の噴射飛散域から分離した閉空間を形成し、
該閉空間内に、ワークロールとその支持ロールとのロー
ル間へ潤滑液を供給するヘッダを配置して成るワークロ
ールクロスミル装置である。
【0013】
【作用】この発明をさらに詳しく以下に述べる。まず実
験により得られた結果について述べる。4Hiミルを用い
て、ワークロールとバックアップロールとのロール間に
おいて、クーラント液が存在する条件下で潤滑液を噴射
量10 l/min〜200 l/min の範囲で供給して熱間圧延を行
い、ロール間の摩擦係数を測定した。その結果摩擦係数
は0.1 〜0.3 であった。
験により得られた結果について述べる。4Hiミルを用い
て、ワークロールとバックアップロールとのロール間に
おいて、クーラント液が存在する条件下で潤滑液を噴射
量10 l/min〜200 l/min の範囲で供給して熱間圧延を行
い、ロール間の摩擦係数を測定した。その結果摩擦係数
は0.1 〜0.3 であった。
【0014】また、上記圧延中にロールに生じるスラス
トが大きく変動することが確認された。これは、ロール
に付着した潤滑液が熱間圧延により焼失しロールが1回
転するごとに潤滑むらが生じロールスラストにあらわれ
たものと推察される。
トが大きく変動することが確認された。これは、ロール
に付着した潤滑液が熱間圧延により焼失しロールが1回
転するごとに潤滑むらが生じロールスラストにあらわれ
たものと推察される。
【0015】一方、クーラント水がない状態でロール間
に潤滑液を噴射供給した場合の摩擦係数は0.03〜0.06と
減少し、ロールに生じるスラストも低く安定していた。
に潤滑液を噴射供給した場合の摩擦係数は0.03〜0.06と
減少し、ロールに生じるスラストも低く安定していた。
【0016】なお、潤滑液には3%ソリブル液を用いた
が、熱間圧延油を用いた場合にも同様の結果が得られ潤
滑液の種類依存性は小さいものと考えられた。
が、熱間圧延油を用いた場合にも同様の結果が得られ潤
滑液の種類依存性は小さいものと考えられた。
【0017】以上の結果から、ワークロールクロスミル
において、ワークロールとその支持ロールとのロール間
の潤滑効果を向上させ、ロールに生じるスラストを低減
してワークロールクロスミルによる圧延の実用化を達成
するためには、クーラント液をロール間から排除した状
態で潤滑液を供給する必要があることが判明した。
において、ワークロールとその支持ロールとのロール間
の潤滑効果を向上させ、ロールに生じるスラストを低減
してワークロールクロスミルによる圧延の実用化を達成
するためには、クーラント液をロール間から排除した状
態で潤滑液を供給する必要があることが判明した。
【0018】つぎに、この発明の装置の具体例を4Hiミ
ルを例にとり図面にもとづいて以下に述べる。図1は、
ワークロールクロスミルにおける潤滑装置の縦断面を示
す説明図である。この図1において、1はワークロー
ル、2はワークロールチョックである。ワークロールク
ロスミルにおいては、バックアップロール3のバックア
ップロールチョック4は固定した状態で、ワークロール
チョック2のみがクロスヘッド5によりワークロール1
のロール軸をクロスする方向に移動される。潤滑液ヘッ
ダ6はバックアップロールチョック3に取付けられてい
て、ワークロール1とバックアップロール3とのロール
間にロールの回転方向に向けて潤滑液が噴射供給される
ようになっている。
ルを例にとり図面にもとづいて以下に述べる。図1は、
ワークロールクロスミルにおける潤滑装置の縦断面を示
す説明図である。この図1において、1はワークロー
ル、2はワークロールチョックである。ワークロールク
ロスミルにおいては、バックアップロール3のバックア
ップロールチョック4は固定した状態で、ワークロール
チョック2のみがクロスヘッド5によりワークロール1
のロール軸をクロスする方向に移動される。潤滑液ヘッ
ダ6はバックアップロールチョック3に取付けられてい
て、ワークロール1とバックアップロール3とのロール
間にロールの回転方向に向けて潤滑液が噴射供給される
ようになっている。
【0019】一方、方形のスロットを有し、そのスロッ
トの内縁にワークロール1バレルの周面及び端面に対す
るシールリップをそなえるシールプレート7は、ワーク
ロール1のクーラント液がバックアップロール3側に飛
散することすなわちワークロール1とバックアップロー
ル3のロール間に入ることを防止し、かつこのロール間
に噴射供給する潤滑液のもれを防止する役目をする。こ
のシールプレート7にバックアップロール3を囲うカバ
ー8の裾周を押しつけてシールし、これらで閉空間を形
成し、より確実に上記ロール間へのクーラント液の侵入
を防止する。なお、シールプレート7にカバー8の裾周
を加圧接触させてシールすることによりワークロール1
をクロスさせてもシールプレート7とカバー8の裾周と
の接触面が滑るのみで、そのシール効果が損なわれるこ
とはない。
トの内縁にワークロール1バレルの周面及び端面に対す
るシールリップをそなえるシールプレート7は、ワーク
ロール1のクーラント液がバックアップロール3側に飛
散することすなわちワークロール1とバックアップロー
ル3のロール間に入ることを防止し、かつこのロール間
に噴射供給する潤滑液のもれを防止する役目をする。こ
のシールプレート7にバックアップロール3を囲うカバ
ー8の裾周を押しつけてシールし、これらで閉空間を形
成し、より確実に上記ロール間へのクーラント液の侵入
を防止する。なお、シールプレート7にカバー8の裾周
を加圧接触させてシールすることによりワークロール1
をクロスさせてもシールプレート7とカバー8の裾周と
の接触面が滑るのみで、そのシール効果が損なわれるこ
とはない。
【0020】図2は図1におけるA−A矢視図で、シー
ルプレート7及びカバー8の縦断面を示す説明図であ
る。この図において、シールプレート7は左右すなわち
OP側及びDR側のワークロールチョック2の間にわたして
取付け、バックアップロール3のカバー8との組み合わ
せにより、ワークロール1とバックアップロール3との
ロール間をクーラント液の噴射飛散する悪環境から完全
に遮断することができる。なお、9は潤滑液をバックア
ップロールチョック4を貫通してミル外に取出すための
コネクタである。
ルプレート7及びカバー8の縦断面を示す説明図であ
る。この図において、シールプレート7は左右すなわち
OP側及びDR側のワークロールチョック2の間にわたして
取付け、バックアップロール3のカバー8との組み合わ
せにより、ワークロール1とバックアップロール3との
ロール間をクーラント液の噴射飛散する悪環境から完全
に遮断することができる。なお、9は潤滑液をバックア
ップロールチョック4を貫通してミル外に取出すための
コネクタである。
【0021】図3は図2におけるB−B矢視図でシール
プレート7の上面を示す説明図である。この図におい
て、シールプレート7のスロットの内縁にはワークロー
ル1バレルの周面及び端面とのすき間をより確実にシー
ルするためゴム製のシールリップ10及び11が取付けられ
ている。図4は図2におけるC−C矢視図、図5は同じ
く図2におけるD−D矢視図で、それぞれ上、下にワー
クロール1とシールプレート7との間及びシールプレー
ト7とカバー8との間のシール構造を示す説明図であ
る。
プレート7の上面を示す説明図である。この図におい
て、シールプレート7のスロットの内縁にはワークロー
ル1バレルの周面及び端面とのすき間をより確実にシー
ルするためゴム製のシールリップ10及び11が取付けられ
ている。図4は図2におけるC−C矢視図、図5は同じ
く図2におけるD−D矢視図で、それぞれ上、下にワー
クロール1とシールプレート7との間及びシールプレー
ト7とカバー8との間のシール構造を示す説明図であ
る。
【0022】これらの図において、シールプレート7の
スロット内縁には、上記したようにワークロール1バレ
ル周面との間を確実にシールするためのゴム製シールリ
ップ10と、ワークロール1バレル端面との間を確実にシ
ールするためのゴム製シールリップ11とが取付けられて
いる。これらゴム製シールリップ10及び11とによるシー
ルは、ロール替えごとにロールショップにて、ロール径
及びロール摩耗に応じて調整を行うことができ、常に良
好なシール状態を保つことができる。
スロット内縁には、上記したようにワークロール1バレ
ル周面との間を確実にシールするためのゴム製シールリ
ップ10と、ワークロール1バレル端面との間を確実にシ
ールするためのゴム製シールリップ11とが取付けられて
いる。これらゴム製シールリップ10及び11とによるシー
ルは、ロール替えごとにロールショップにて、ロール径
及びロール摩耗に応じて調整を行うことができ、常に良
好なシール状態を保つことができる。
【0023】一方、これらの図において、シールプレー
ト7とカバー8との間のシールは、接続部プレート12が
ばね13により常にシールプレート7の面上に加圧状態で
接触していて、ワークロール1の軸をクロスするときに
は、接続プレート12がシールプレート7の面上を滑る構
造になっていて、常にシールを確実にしている。
ト7とカバー8との間のシールは、接続部プレート12が
ばね13により常にシールプレート7の面上に加圧状態で
接触していて、ワークロール1の軸をクロスするときに
は、接続プレート12がシールプレート7の面上を滑る構
造になっていて、常にシールを確実にしている。
【0024】なお、図4と図5との相違点は、ゴム製シ
ールリップ10及び11がシールプレート7の下又は上に取
付けられている点のみである。
ールリップ10及び11がシールプレート7の下又は上に取
付けられている点のみである。
【0025】ここに、図1及び2においては、ゴム製シ
ールリップ10及び11ならびに接続部プレート12、ばね13
などは錯綜をさけるため省略した。
ールリップ10及び11ならびに接続部プレート12、ばね13
などは錯綜をさけるため省略した。
【0026】
【実施例】一般鋼シートバを、ロール径:650mm、ロー
ル胴長:1400mmのワークロールを有する4Hiミルで、ワ
ークロールクロス角度:0.9°としてワークロールにク
ーラント水を噴射供給しながら熱間圧延を行った。
ル胴長:1400mmのワークロールを有する4Hiミルで、ワ
ークロールクロス角度:0.9°としてワークロールにク
ーラント水を噴射供給しながら熱間圧延を行った。
【0027】このとき、この発明の適合例として、ロー
ルクーラント水の噴射飛散がワークロールとバックアッ
プロールとのロール間に入らないように、前記図1〜5
に示した装置によりシールし、このロール間に潤滑液を
供給した場合と、比較例として、クーラント水をシール
することなく、したがってワークロールとバックアップ
ロールとの間にクーラント水が存在する状態で潤滑液を
供給した場合について、ワークロールとバックアップロ
ールとのロール間の摩擦係数を調査した。
ルクーラント水の噴射飛散がワークロールとバックアッ
プロールとのロール間に入らないように、前記図1〜5
に示した装置によりシールし、このロール間に潤滑液を
供給した場合と、比較例として、クーラント水をシール
することなく、したがってワークロールとバックアップ
ロールとの間にクーラント水が存在する状態で潤滑液を
供給した場合について、ワークロールとバックアップロ
ールとのロール間の摩擦係数を調査した。
【0028】これらの調査結果を図6に示す。図6は潤
滑条件とロール間(ワークロールとバックアップロー
ル)の摩擦係数との関係を示すグラフで、この図から明
らかなように、比較例では潤滑液供給量が50 l/minでは
摩擦係数が0.17〜0.3 とその減少効果はほとんど見られ
なく、潤滑液供給量が200 l/minになると摩擦係数は0.0
9〜0.2 と減少し、その効果はわずかにあらわれている
ものの未だ不十分である。
滑条件とロール間(ワークロールとバックアップロー
ル)の摩擦係数との関係を示すグラフで、この図から明
らかなように、比較例では潤滑液供給量が50 l/minでは
摩擦係数が0.17〜0.3 とその減少効果はほとんど見られ
なく、潤滑液供給量が200 l/minになると摩擦係数は0.0
9〜0.2 と減少し、その効果はわずかにあらわれている
ものの未だ不十分である。
【0029】これらに対し、この発明の適合例では潤滑
液供給量が10 l/minでも摩擦係数は0.03〜0.06とクーラ
ント水を用いないで潤滑液をロール間に供給した場合と
等しい値にまで大幅に減少し、クーラント水の悪影響が
全く排除されている。
液供給量が10 l/minでも摩擦係数は0.03〜0.06とクーラ
ント水を用いないで潤滑液をロール間に供給した場合と
等しい値にまで大幅に減少し、クーラント水の悪影響が
全く排除されている。
【0030】このように、この発明の適合例ではロール
間の摩擦係数が大幅に減少することにより、ロールスラ
ストが大きく低減しミル設備の損傷を生じることなく圧
延を行うことができる。
間の摩擦係数が大幅に減少することにより、ロールスラ
ストが大きく低減しミル設備の損傷を生じることなく圧
延を行うことができる。
【0031】
【発明の効果】この発明は、ワークロールクロスミルで
の金属素材の圧延に際し、ワークロールとその支持ロー
ルとのロール間へ潤滑液を供給するにあたって、ワーク
ロールクーラント液の噴射飛散に対しシールすることに
より、上記ロール間の潤滑効果を向上させ、ロールスラ
ストを低減させるものであって、この発明により、ワー
クロールクロスミルでの圧延の実用化が有利に達成で
き、圧延設備投資の低減、設備保守の簡素化がはかれ
る。
の金属素材の圧延に際し、ワークロールとその支持ロー
ルとのロール間へ潤滑液を供給するにあたって、ワーク
ロールクーラント液の噴射飛散に対しシールすることに
より、上記ロール間の潤滑効果を向上させ、ロールスラ
ストを低減させるものであって、この発明により、ワー
クロールクロスミルでの圧延の実用化が有利に達成で
き、圧延設備投資の低減、設備保守の簡素化がはかれ
る。
【図1】ワークロールクロスミルにおける潤滑装置の縦
断面を示す説明図である。
断面を示す説明図である。
【図2】図1におけるA−A矢視図で、シールプレート
及びカバーの縦断面を示す説明図である。
及びカバーの縦断面を示す説明図である。
【図3】図2におけるB−B矢視図でシールプレートの
上面を示す説明図である。
上面を示す説明図である。
【図4】図2におけるC−C矢視図で、上部のワークロ
ールとシールプレートとの間及びシールプレートとカバ
ーとの間のシール構造を示す説明図である。
ールとシールプレートとの間及びシールプレートとカバ
ーとの間のシール構造を示す説明図である。
【図5】図2におけるD−D矢視図で、下部のワークロ
ールとシールプレートとの間及びシールプレートとカバ
ーとの間のシール構造を示す説明図である。
ールとシールプレートとの間及びシールプレートとカバ
ーとの間のシール構造を示す説明図である。
【図6】潤滑方法とロール間(ワークロールとバックア
ップロール)の摩擦係数との関係を示すグラフである。
ップロール)の摩擦係数との関係を示すグラフである。
1 ワークロール 2 ワークロールチョック 3 バックアップロール 4 バックアップロールチョック 5 クロスヘッド 6 潤滑液ヘッダ 7 シールプレート 8 バックアップロールカバー 9 コネクタ 10 ゴム製シールリップ(ロールバレル周面) 11 ゴム製シールリップ(ロールバレル端面) 12 接続部プレート 13 ばね
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 弓手 崇生 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 千葉製鉄所内 (72)発明者 加賀 慎一 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社日立製作所 日立工場内 (72)発明者 高倉 芳生 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社日立製作所 日立工場内 (72)発明者 芳村 泰嗣 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社日立製作所 日立工場内 (56)参考文献 特開 平5−200417(JP,A) 特開 昭48−95970(JP,A) 特開 平5−50110(JP,A) 特開 平5−285504(JP,A) 特開 平6−23409(JP,A) 特開 平6−31315(JP,A) 特開 平6−31305(JP,A) 特開 平6−297011(JP,A) 特開 平11−267711(JP,A) 特開 平5−169108(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 27/10 B21B 1/22 B21B 13/14 B21B 45/02 310
Claims (3)
- 【請求項1】 上、下ワークロール軸をクロスさせたワ
ークロールクロスミルでの金属素材の圧延に際し、 シールプレートとカバーとで閉空間を形成し、この閉空
間にて、ワークロールとその支持ロールとのロール間を
ワークロールクーラント液の噴射飛散に対しシールして
上記ロール間に潤滑液を供給し、ロールスラストを低減
することを特徴とするワークロールクロスミル圧延方
法。 - 【請求項2】 シールプレートとカバーとを備え、これ
らによって閉空間を形成し、ワークロールとその支持ロ
ールとのロール間をワークロールクーラント液の噴射飛
散域から分離するシール装置と、上記ロール間への潤滑
液供給装置とをそなえて成るワークロールクロスミル装
置。 - 【請求項3】 ワークロールのバレル全長にわたりその
ロール径に比しはるかに狭い幅の方形のスロットを有
し、該スロットの内縁にロールバレルの周面及び端面に
対するシールリップをそなえるシールプレートを、ワー
クロールの左右両チョック間にわたして設置するととも
に、ワークロールの支持ロールを囲うカバーの裾周を上
記シールプレートに加圧接触させてワークロールクーラ
ント液の噴射飛散域から分離した閉空間を形成し、該閉
空間内に、ワークロールとその支持ロールとのロール間
へ潤滑液を供給するヘッダを配置して成るワークロール
クロスミル装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04326731A JP3083924B2 (ja) | 1992-12-07 | 1992-12-07 | ワークロールクロスミル圧延方法とその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP04326731A JP3083924B2 (ja) | 1992-12-07 | 1992-12-07 | ワークロールクロスミル圧延方法とその装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH06170421A JPH06170421A (ja) | 1994-06-21 |
JP3083924B2 true JP3083924B2 (ja) | 2000-09-04 |
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ID=18191052
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP04326731A Expired - Fee Related JP3083924B2 (ja) | 1992-12-07 | 1992-12-07 | ワークロールクロスミル圧延方法とその装置 |
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JP (1) | JP3083924B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
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JP5938949B2 (ja) * | 2012-03-01 | 2016-06-22 | Jfeスチール株式会社 | 調質圧延装置 |
-
1992
- 1992-12-07 JP JP04326731A patent/JP3083924B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH06170421A (ja) | 1994-06-21 |
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